JP2795954B2 - ガラスへのマーキング方法 - Google Patents

ガラスへのマーキング方法

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JP2795954B2 JP4571090A JP4571090A JP2795954B2 JP 2795954 B2 JP2795954 B2 JP 2795954B2 JP 4571090 A JP4571090 A JP 4571090A JP 4571090 A JP4571090 A JP 4571090A JP 2795954 B2 JP2795954 B2 JP 2795954B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、TEA−CO2レーザを用いてガラスへのマー
キングを行うマーキング方法に関するものである。
[従来の技術] 従来、ガラスウの表面にマーキングを施す方法とし
て、主としてサンドブラスト法が行われていた。この方
法はマーキングしようとするガラスの表面に、砂を高速
で吹付けることにより、ガラスの表面の一部を削り取っ
てマーキングするというものである。
[発明が解決しようとする課題] このサンドブラスト法によるマーキング方法は、マー
キングのために吹付けられた砂の粉末が全部除去されず
に、ガラスの表面に付着して残ることがある。ガラスの
表面に砂の粉末の残った部分があると、マーキング終了
後、ガラスを積み重ねたりする際にガラスの表面に砂に
よる傷が出来たりするという問題がある。その上、この
サンドブラスト法は運転コストが高く、自動化が難しい
という問題もある。
ここで、電子部品等のマーキングに応用されているレ
ーザマーキング法を、ガラスのマーキングに適用すれ
ば、上記欠点を解消できると考えられる。
しかし、既に商品化されているレーザマーキング装置
のうち、YAGレーザはガラスへの透過率が高いので使用
不可能である。一方、TEA−CO2レーザは10.6μmの赤外
線レーザなので、ガラスの吸収率が高く、マーキングが
可能と考えられる。そこでTEA−CO2レーザを所望のパタ
ーンでガラスに照射して実験してみたところ、一応マー
キングは可能であるけれども、実用に耐え得るほどマー
キングが鮮明にできなかった。
TEA−CO2レーザをガラスに照射して文字等をマーキン
グしようとした場合に、マーキングが鮮明にできない原
因を分析してみると、TEA−CO2レーザの照射を受けたガ
ラスの表面はレーザ光による熱歪みによってガラス表面
にマイクロクラックが生じ、この状態で表面をブラシな
どでこすると、ガラスの結晶の大きさに応じて塊状に飛
散する。この時、大きな塊りでガラスが飛散すると、照
射パターン通りに鮮明なマーキングをすることができな
いことが判明した。
第4図はTEA−CO2レーザの照射を受けて塊状に飛散し
たガラスの表面の説明図で、同図(イ)はパターン
「H」の文字がマーキングされた状態を示し、同図
(ロ)は同図(イ)のパターンの斜線部分を拡大した図
である。
第4図(ロ)から明らかなように、照射パターンの境
界付近で、ある部分は大きな塊となってガラスの破片が
飛散してしまい、マーキングの歪が大きくなるという問
題がある。
レーザ光照射によって取除かれたガラスの表面のマー
キングパターン部分は、スリガラス状になって透明感が
なくなって散乱光によってマーキングが鮮明に見えるの
が望ましいにもかかわらず、ガラス破片の大きな塊が抜
けてしまうと、その部分がスリガラス状にならず、視認
性が悪くなる。
この発明はかかる課題を解決するためになされたもの
で、TEA−CO2レーザをガラスに照射した時に生じるガラ
スの大きな塊状の飛散を防止して実用に耐え得る鮮明な
マーキング方法を可能にしたレーザによるガラスへのマ
ーキング方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するために、この発明のガラスへの
マーキング方法は、レーザビームの入射側から順に、金
属製のメッシュとマスクとの組と、ガラスからなるワー
クとを密着またはわずかな間隙を設けて配置し、TEA−C
O2レーザ発振装置から発振されたレーザビームを光学系
によりX方向に長い線状に成形して前記組に照射し、前
記メッシュとマスクとワーク、もしくはマスクとワーク
とを一体にしてY方向に走査するか、または光学系を制
御して照射されるX方向に長い線状のレーザビームをY
方向に走査するかして、マーキングを行うものである。
[作用] 上記の方法によれば、ガラスの表面にはメッシュ状の
ユーザ光が所望パターンで照射される。しかも剥離する
ガラスの塊りの大きさは金属メッシュの網の目(開口
部)の大きさによって制限されて小さなものとなり、パ
ターンは鮮明になる。
[実施例] 第1図はこの発明の一実施例のガラスへのマーキング
方法を行う装置の説明図である。
第1図において、1は竪型のTEA−CO2レーザ発振装
置,2は反射ミラー,3はビーム成形用のシリンドカルレン
ズ,5は金属製のメッシュ,6はマスク,7はガラスよりなる
ワークである。
第1図の装置の動作を以下に説明する。
TEA−CO2レーザ発振装置1から発振されたレーザビー
ムは反射ミラー2で直角方向に反射され、ビーム成形用
のシリンドカリレンズ3により、Y方向に縮小され、X
方向に長い線状のレーザビーム4となり、金属製のメッ
シュ5を照射する。そして、メッシュ5,マスク6を透過
した線状のレーザビームは、所定の長さのメッシュ状の
レーザビームとなってワーク7を照射する。
そこで、メッシュ5,マスク6及びワーク7を一体とし
て不図示の移動機構によってY方向に走査することによ
りマスク6のパターンがマーキングされる。
上記の実施例では、メッシュ5,マスク6及びワーク7
を一体として移動(走査)させていたが、マスク6とワ
ーク7を一体に走査することによりマーキングすること
も出来る。
また、第1図の装置をレーザビームの入射側から順
に、マスク,金属製のメッキュ,ワークのように配列す
ることも可能であり、その際のマーキングは上述のよう
にマスク,メッシュ及びワークを一体に移動させるか、
マスクとワークを同期して移動させることによりマーキ
ングすることができる。
このマーキングの方法では、ワーク7のガラス表面の
パターンを形成しようとする部分にメッシュ状のレーザ
光を照射され、その照射された部分と照射されない部分
とで熱歪みが細かく生じ、その後、その歪んだ部分をブ
ラッシングすることにより、多少の衝撃が与えられ、レ
ーザ光照射が行われた部分の表面のガラスが小さな破片
となって剥離される。
この実施例では、金属製のメッシュ2の開口部を通過
したレーザ光のみによってパターンが形成されることに
なるので、パターン形成により剥離されるガラスの塊り
の大きさは第2図(イ)に示すように大きな塊となるこ
とはなく、第2図(ロ)の如く、小さな塊のみが飛散し
てできたくぼみによりスリガラス状のパターンが形成さ
れる。即ち、剥離される塊りの大きさは金属製のメッシ
ュ2の大きさに制限されて小さなものとなり、鮮明なパ
ターンが得られる。
上記実施例は、具体的にはワーク7としては窓ガラス
等に使われている青板を、また金属製のメッシュ5とし
てリン青銅(またはステンレス)よりなるメッシュを用
い、1ショットが10Joul/cm 以上のエネルギーのレー
ザ光を照射してマーキングを行った。そして、金属メッ
シュの大きさとしてはワークであるガラスの材質によっ
ても異なるが、剥離されるガラスの塊りの大きさの直径
が0.1〜0.2mmになるようメッシュの網の目の大きさ(開
口率)を決めた。また、照射するレーザのショット数
も、ワークであるガラスの材質に応じて決まるものであ
るので、それに応じてショット数も決めた。
第3図はこの発明の他の実施例であるガラスへのマー
キング方法を行う装置の説明図で、第1図と同一符号は
同一または相当の機能を有するものである。
第3図において、TEA−CO2レーザ発振装置1から発振
されたレーザ光は、反射ミラー2に反射した後、ビーム
成形用のシリンドカルレンズ3により、Y方向に縮小さ
れ、金属製メッシュ5を照射する。そこで、メッシュ5,
マスク6を透過した線状のレーザビームは、所定の長さ
のメッシュ状のレーザビームとなってワーク7を照射す
る。
その際、反対ミラー2がX方向を軸として、不図示の
制御機構により制御されて揺動し、その結果、線状のレ
ーザビームがY方向に走査されて、マスク6のパターン
がガラスからなるワーク7にマーキングされる。
尚、第3図の装置においても、レーザの照射条件,マ
ーキングを行ったガラスの材質及び金属製のメッシュの
具体的構成は、第1図の装置における場合と同じであ
り、また、金属製のメッシュの像がガラスに結像するこ
とによって鮮明なパターンが得られる点についても前記
第1図の装置における場合と同様である。
[発明の効果] 以上説明したとおり、この発明はレーザビームの入射
側から順に、金属製のメッシュとマスクとの組と、ガラ
スからなるワークとを密着、またはわずかな間隙を設け
て配置し、TEA−CO2レーザ発振装置から発振されたレー
ザビームを光学系によりX方向に長い線状に成形して前
記組に照射し、前記メッシュとマスクとワーク、もしく
はマスクとワークを一体にしてY方向に走査するか、ま
たは光学系を制御して照射されるX方向に長い線状のレ
ーザビームをY方向に走査するかして、マーキングを行
うので、マーキングのために剥離されるガラスの塊りの
大きさはメッシュの網の目の大きさによって制限されて
小さくなるので、鮮明なパターンが形成される。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例のガラスへのマーキング方
法を行う装置の説明図,第2図(イ),(ロ)はそれぞ
れ金属製のメッシュ及びマスクの像が結像された場合の
ガラスの飛散状態を説明するための図,第3図はこの発
明の他の実施例のガラスへのマーキング方法を行う装置
の説明図,第4図はTEA−CO2レーザの照射を受けて塊状
に飛散したガラスの表面の説明図で、同図(イ)はパタ
ーン「H」の文字がマーキングされた状態,同図(ロ)
は同図(イ)のパターンの斜線部分を拡大した図であ
る。 図中. 1:TEA−CO2レーザ発振装置 2:金属製のメッシュ 3:シリンドリカルレンズ 4:レーザビーム 5:金属製のメッシュ 6:マスク 7:ワーク

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】レーザビームの入射側から順に、金属製の
    メッシュとマスクの組と、ガラスからなるワークとを密
    着またはわずかな間隙を設けて配置し、TEA−CO2レーザ
    発振装置から発振されたレーザビームを光学系によりX
    方向に長い線状に成形して前記組に照射し、前記メッシ
    ュとマスクとワーク、もしくはマスクとワークとを一体
    にしてY方向に走査するか、または光学系を制御して照
    射されるX方向に長い線状のレーザビームをY方向に走
    査するかして、マーキングを行うことを特徴とするガラ
    スへのマーキング方法。
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