JP2795878B2 - 落花生生餡の製法 - Google Patents

落花生生餡の製法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、和菓子などに用いる、落花生生豆を原料と
した落花生生餡の製法に関する。
〔従来の技術〕
従来、餡とは小豆、いんげん、えんどうなどといった
低脂肪で澱粉質に富んだ豆類のその原料としてきた。落
花生は周知のとおり高蛋白質、高脂肪、低澱粉質である
ため従来の餡の製造工程では高品価値のある餡は製造で
きなかった。それは、落花生が含有する脂肪物を分離で
きなかったために、水による晒しの工程において、脂肪
分が生餡を浮き上げる結果餡の収量が減少してしまい、
またたとえ製餡し練り上げたとしてもすぐに餡がしゃっ
てしまう(糖分が析出する)という問題点があった。
また、上記のようにな問題点を改良するために、種々
の方法が提案されている。例えば特公昭58ー41827号公
報には渋皮つきの落花生を1〜2分間ブランシングした
直後、常温以下の冷水で洗浄し、次いでこれを重炭酸ナ
トリウム水溶液中に7〜8時間浸漬し、次いでこれを上
記浸漬液を使用して常圧下で段階的に煮熟し、しかる後
この煮熟された落花生豆を破砕し、次いでこれをすりつ
ぶして餡状物となし、しかる後この餡状物に調味料を添
加して煮練せしめる落花生餡の製造方法によって、適宜
の粘度と黒褐色を有し、しかも落花生特有の風味を有し
た餡が製造しうることが開示されている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、上記のような従来提案されている落花
生餡はその製品および製造工程を考察したとき、従来の
概念からは餡とは言いがたく、餡状ペーストと考えられ
るものあるいは落花生豆を並餡に混入したもの等であ
り、特に和菓子用の餡としては充分に満足しうるものと
は言えず、さらに改良された落花生餡の出現が望まれて
いる。
本発明の目的は、上記のような従来技術における問題
点を解決しようとするものであって、従来の小豆などを
用いた餡と同様に和菓子の材料として用いて好適であ
り、かつ上品な色と特有な風味を有する落花生生餡の製
法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者は、和菓子用餡の前記のような課題について
鋭意研究を行った結果、独特な風味を有する和菓子用に
適する新規な落花生生餡の製法を見出し、本発明を完成
した。
すなわち、本発明は落花生生豆を弱塩基性化合物水溶
液に浸漬し、次いで水に浸漬して浸出物を取り除いた
後、この生豆を釜に入れ水とともに煮熟し、しかる後煮
熟した落花生豆を潰して篩で漉し、得られた餡汁をくり
かえし水晒しを行い、次いで餡を分離した後脱水するこ
とを特徴とする落花生生餡の製法である。
以下、本発明に係わる落花生生餡の製法について具体
的に説明する。
本発明に係わる落花生生餡の原料として用いられる落
花生生豆としては国内産または外国産のいずれも使用す
ることができる。また落花生生豆はサヤから取り出した
まま、あるいはひき臼などを用いて割った形状として使
用することができる。落花生生豆の外皮はついたまま用
いて差し支えないが、生餡の着色を少なくするためには
外皮を取り除いて用いることが望ましい。
落花生生豆を浸漬するために用いる弱塩基性化合物水
溶液としては、例えば重炭酸ナトリウム等の重炭酸アル
カリ金属塩、あるいはポリリン酸ナトリウム等のポリリ
ン酸アルカリ金属塩などの水溶液を挙げることができ
る。これらのうちでは特に重炭酸ナトリウム水溶液が好
ましい。重炭酸ナトリウム水溶液は落花生生豆1kgに対
して重炭酸ナトリウムを通常約15〜25g程度を使用し、
これを約3〜4程度の水に溶解して調製する。重炭酸
ナトリウムの使用量が約15gより少なくなると、落花生
生豆が軟らかくなるのに要する時間が長くかかり、一方
この量が約25gより多くなると軟化作用は強くなるが重
炭酸ナトリウム特有の臭いと苦みが餡に残り好ましくな
い。
本発明に係わる落花生生餡の製法は、まず原料の落花
生生豆に混入している、殻くず、ごみ等の異物を取り除
く、また使用目的によっっては不完全粒、色調不良など
の不良豆を取り除く、さらに着色のない生餡を製造する
場合には、生豆の外皮を落花生しぶ皮むき機等従来公知
の方法によって取り除いて用いる。
次いで上記のように精選された落花生生豆は重炭酸ナ
トリウム水溶液等の弱塩基性化合物水溶液に浸漬する。
このような浸漬により弱塩基性化合物水溶液には落花生
生豆中に吸収され、蛋白質、脂肪などの成分に作用し落
花生生豆は軟化する。この際浸漬温度は通常25〜27℃程
度、浸漬時間は通常6〜12時間程度であり、好ましくは
約9〜10時間程度が望ましい。
上記の浸漬処理に用いた弱塩基性化合物水溶液は捨
て、残った落花生生豆は良く水洗した後水に浸漬する。
この際水中に泡状の粘着性浸出物が生成するので、この
浸漬水は捨てる。このような水中への浸漬は、通常、一
日間程度行う。
この際、水温は25〜27℃程度が適当である。しかしあ
まり水温が低くなりすぎると充分な泡状粘着性浸出物の
発生にかかる時間が長くなる。このように水に浸漬する
ことによって落花生生豆を軟化膨潤させ、泡状粘着性浸
出物を充分に発生させて取り除く。この浸出物は落花生
生豆中の脂肪、蛋白質などが弱塩基性化合物水溶液と反
応して生成したものと推定される。このような作業を充
分に行わないと、後に、煮熟し篩でした後の水晒しの段
階で脂肪などの成分が生餡を一緒に浮き上がらせてしま
い、良好な一番餡を高収率でつくることができない。以
上の浸漬後、落花生豆は充分に水切りを行う。
次いで、以上のようにして得られた落花生の豆は釜を
用いて水とともに煮熟する。水量は煮熟中常に豆が水中
に充分かくれる状態とする。そして沸騰しはじめたな
ら、約100ml程度の水を加え煮液の温度を下げる。この
ようなビックリ水によって蛋白質が凝固せず熱水の浸透
がよくなり豆が均一に軟らかく煮上がる。再び沸騰させ
て後煮汁を捨て、豆に注水して渋をよく洗い流す。
このような渋切りが終わったなら釜の豆に水を加えて
本煮にうつる。本煮は始め約10分位強火で行い沸騰させ
た後、弱火にして約1時間程度続け、煮豆を指でつまん
で押すとくずれる程度まで煮る。煮あがった後火を止め
約30分間むらす。この際釜は一般に平釜、二重釜が用い
られるが、煮熟時間を短縮するために加圧釜を使用する
のが好ましい。
煮上がった豆はナイロン製等の網目をもつ篩に入れ押
し潰して漉して、餡汁を得る。篩上には落花生生豆の外
皮などのカスが分離されて残る。このようにして得られ
た餡汁は水槽に入れ、水を加えて洗った後静置し餡粒子
を沈降させて水槽を流す。残った餡流下に水をシャワー
状にして吹きかけるように急激に注ぎ込み静置後水を捨
てる。このようにして水晒しを数回行う。この際水面上
には脂肪などを包んだ泡状粘着物が浮上するが、この浮
上物の発生がなくなるまで繰り返し充分に水晒しを行
う。このような水晒しを充分に行うことが本発明の良好
な落花生餡を得るための必要条件である。そして水晒し
を行った後水槽を捨て餡汁を分離する。
水晒しを終わった濃厚な餡汁は木綿あるいはナイロン
製などの搾袋に入れ圧搾して脱水することにより本発明
の落花生生餡を得る。
以上のようにして得られた本発明に係わる落花生生餡
はアク抜きを充分に行うなどにより、従来落花生生豆が
含有する約46〜52%という高脂肪分を18%以下に効果的
に除去することにより本来の餡の概念にはずれない製品
を得ることができる。このようにして得られた本発明に
係る落花生生餡は、上品な色と特有の風味を有ししかも
旧来の落花生餡状物の耐変質性よりすぐれ、一般餡と同
程度以上の耐変質性を有しているので、和菓子などに好
適な材料として使用することができる。
〔発明の効果〕
本発明に係わる落花生生餡の製法は、弱塩基性化合物
水溶液による生豆の浸漬処理、渋切りおよび水晒しなど
のアク抜き処理を行うことにより、脂肪分の多い落花生
生豆を原料として、従来の小豆餡などの製法では不可能
であった良質の落花生餡の製造を可能にした。
すなわち、落花生生餡を製造する場合、従来の小豆餡
などの製法を用いると水晒しの時点で落花生に含まれる
多量の脂肪分のため餡粒子が水面上に浮き上がってしま
うこと、また水晒しの回数が多くなるうえ充分に脂肪分
を摘出できないこと。しかも得られた餡の表面が乾いて
硬くなる(糖分が析出する)等の問題が生じたが、これ
らの問題点は本発明に係わる落花生生餡の新規製法によ
って解決された。
以上のような本発明に係る落花生生餡の製法は、落花
生の脂肪分を本煮の前段階の処理により後の水晒しの段
階において効率良く除去する等に成功したため、本来の
製餡工程を概念にそった製品を得ることができた。また
従来知られている落花生餡は、その製造工程からは本来
の餡というよりは餡状ペーストの域を脱し得ず落花生の
脂肪分をそのまま残していたので餡本来の製菓原料とし
ての広い用途に対応できないものであった。これに対し
て本発明による落花生餡は脂肪分を除去しほとんど残さ
ないために落花生の上品な色、特有の風味よび餡本来の
口どけの良さをもちしかも加工しやすいこととあいまっ
て製菓原料として広い用途に適したものである。
したがって、本発明の餡は小豆などと同様に和菓子の
材料として用いるのに好適であり、砂糖などの調味料を
添加することによって保存性が良く、栄養価の高い和菓
子をつくることができる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこ
れら実施例により限定されるものではない。
〔実施例〕
重炭酸ナトリウム20gを4の水に溶解して重炭酸ナ
トリウム水溶液を調製し、この水溶液に精選した落花生
生豆1kgを浸漬した。約10時間浸漬した後浸漬水を捨て
た。次いで、この生豆を良く水で洗い、約25℃〜27℃の
水に1日間浸漬した。この間浸漬水の表面に泡状の粘着
性浸出物が生成した。そして水切りを行って軟化膨潤し
た落花生豆を得た。
得られた落花生豆は釜に入れ4の水と一緒に加熱し
て煮た。沸騰しはじめたなら約100mlの水を加え煮液の
温度を下げた。再び加熱沸騰させて後煮汁を捨て残った
豆に水を注ぎいれアクをよく洗い流した。
次いで、得られた豆を約1.2の水とともに加圧釜に
入れ加熱して本煮を行った。加熱は始め約1分間強火で
行い、その後弱火にして約1時間継続した。その後火を
止め約30分間むらした。
煮上がった落花生豆は篩に入れ押し潰しながら漉して
餡汁は水槽に入れ水を加えて洗った後静置し、餡粒子を
沈降させて水層をすてた。残った餡粒子に水道水をシャ
ワー状に吹きかけて注水し静置後水層を捨てた。この際
水面上に泡状粘着物が浮かんだので、これを充分に取り
除いた。このようにして水晒しを7回行った。
次いで水層を流して分離して餡汁を得、これをナイロ
ン製の搾袋に入れ圧搾して脱水し落花生生餡約1kgを得
た。
以上のようにして得られた本発明に係わる落花生生餡
は食味したところ上品で特有な風味を有していた。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】落花生生豆を弱塩基性化合物水溶液に浸漬
    し、次いで水に浸漬して浸出物を取り除いた後、この生
    豆を釜に入れ水とともに煮熟し、しかる後煮熟した落花
    生豆を潰して篩で漉し、得られた餡汁を繰り返し水晒し
    を行い、次いで餡を分離した後脱水することを特徴とす
    る落花生生餡の製法。
  2. 【請求項2】弱塩基性化合物水溶液が重炭酸ナトリウム
    水溶液であることを特徴とする請求項第1項に記載の落
    花生生餡の製法。
  3. 【請求項3】弱塩基性化合物水溶液に9〜10時間浸漬
    し、次いで水に1日間程度浸漬して浸出物を取り除くこ
    とを特徴とする請求項第1項または第2項に記載の落花
    生生餡の製法。
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