JP2795749B2 - 高分子薬物の粘膜透過による投与 - Google Patents

高分子薬物の粘膜透過による投与

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、人または動物へ高分子薬物を投与するため
の方法及び調合体に関する。より詳細には、荷電または
非荷電高分子薬物を、粘膜を通して、特に、口腔内のバ
ッカル(buccal)組織及び舌下(sublingual)組織を通
して温血動物へ投与するための方法及び調合体に関す
る。
高分子薬物の投与は、薬学に於ける最も重要な課題の
一つである。近年、薬物投与部位として口腔の膜を用い
ることに強い関心が持たれている。バッカル膜と舌下膜
は、両方共、他の経路による投与より優れた点を有して
いる。例えば、バッカル及び舌下から投与された薬物
は、効き目が早く、血中で高いレベルに達し、肝臓代謝
の第1経路効果(the first pass effect)を避けるこ
とができ、更に、消化管の流体に薬物が露出することも
ない。他の利点として、膜部位に容易にアクセスするこ
とができると共に、容易に薬物を投与したり、局在化し
たり、取り除いたりすることができる。更に、バッカル
膜を通して長期の薬物投与を行うことができる可能性が
ある。“M.Rathobone & J.Hadgraft,74 Int'l J.of Ph
aramaceutics 9(1991)”を参照されたい。バッカル粘
膜を通しての投与は、直腸からの投与よりもより受け入
れられやすく、更に、例えば、鼻からの投与に於いて問
題となっているような局部的毒性効果(local toxic ef
fect)を概ね避けることができる。“B.Aungst & N.Ro
gers,53 Int'l J.of Pharamaceutics 227,228(199
1)”を参照されたい。
舌下からの経路は、バッカルからの経路よりも、より
注目を集めている。舌下粘膜は、舌の下面及び口の床部
の膜を含み、一方、バッカル粘膜は頬の内側面からな
る。舌下粘膜は比較的透過性を有しており、従って、多
くの薬物に対して、急速な吸収と許容可能な生物学的利
用能が得られる。更に、舌下粘膜は、扱い易く、アクセ
スし易く、また概ね受け入れられやすい。この経路は、
多くの薬物の投与に対して、臨床的に研究されている。
それは、ニトログリセリンの投与に対する好ましい経路
であり、また、ビュープレノルフィン(buprenorphin
e)及びニフェディピン(nifedipine)に対しても用い
られる。“D.Harris & J.Robinson,81 J.Pharmaceutic
al Sci. 1(1992)”を参照されたい。
バッカル粘膜は舌下粘膜に比べて透過性が低い。薬物
の舌下からの投与に対して見られた高い生物学的利用能
と急速な吸収は、バッカル粘膜でも概ね同じ程度に見ら
れるというわけではない。“D.Harris & J.Robinson,8
1 J.Pharmaceutical Sci. 1(1992) at 2"を参照され
たい。口腔粘膜の透過性はおそらく組織の物理的な性質
に関係している。舌下粘膜は、バッカル粘膜よりも薄
く、従って舌下組織に対する透過性の方がより高い。口
蓋の粘膜は、厚さはそれらの中間であるが、他の2つの
組織と違って角質化しており、透過性が低くなってい
る。
分子が口腔の粘膜を透過する能力は、分子サイズ、脂
質溶解度、及び電離度に関係しているように思われる。
約100ダルトン(dalton)よりも小さな分子は、粘膜を
素早く通過するようである。しかしながら、分子サイズ
が大きくなると、透過性は急速に低下する。脂質溶解性
化合物(lipid−soluble compounds)は、非脂質溶解性
分子よりも粘膜を通過し易い。これに関連して、分子の
相対的な透過性は、それらの分配係数(partition coef
ficient)に関係しているように思われる。分子のpKa
び粘膜表面のpHに依存する分子の電離度も、分子の透過
性に大きな影響を与える。吸収は電離度が増加するにつ
れて低下するため、電気的に中性または電離されていな
いときに分子の吸収は最大となる。従って、電荷を帯び
た高分子薬物を口腔粘膜から吸収することは大きな課題
である。
溶液の生体膜の通過を容易にする物質、即ち、透過促
進剤は、薬物投与の分野ではよく知られている。“V.Le
e et al.,8 Critical Reviews in Therapeutic Drug Ca
rrier Systems 91(1991)”(以後、“Critical Revie
ws”と略す)を参照されたい。透過促進剤は、キレート
化剤(例えば、EDTA、クエン酸、サリチル酸塩)、界面
活性剤(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(sodium dod
ecyl sulfate:SDS))、非界面活性剤(例えば、不飽和
環状尿素)、胆汁酸塩(例えばソディウムデオキシレー
ト(sodium deoxycholate)、ソディウムタウロコレー
ト(sodium tauro−cholate))、及び脂肪酸(例えば
オレイン酸、アシルカルニチン(acylcarnitines)、モ
ノグリセリド(monoglycerides)及びジグリセリド(di
glycerides))として分類される。ペプチド及び非ペプ
チド薬物の膜透過に対する促進剤の効力は、促進剤の親
水性と正の相関を有するように思われる。“Critical R
eviews at 112"を参照されたい。例えば、インシェリン
の鼻の粘膜を通しての吸収を胆汁酸塩が促進するときの
効率は、胆汁酸塩のステロイド構造の親水性と正の相関
を示した。“Critical Reviews at 115"を参照された
い。効果は、デオキシコレート(deoxycholate)<ケノ
デオキシコレート(chenodeoxycholate)<コレート(c
holate)<ウルソデオキシコレート(ursodeoxycholat
e)の順であった。フシジン酸の誘導体でない、デオキ
シコレート及びコレートのグリシンやタウリンとの抱合
(conjugation)は、それらの促進効果に影響しなかっ
た。ヒヒの結腸からの投与では、ヘパリンの腸管粘膜か
らの投与は、血漿リパーゼの放出、または部分的な血液
凝固時間の延長という点に於いて明らかではなかった。
しかしながら、胆汁酸塩、ソディウムコレート(sodium
dholate)またはデオキシコレートが調合体内に含まれ
ていたときは、高い効能がみられた。“Critical Revie
ws"108ページを参照されたい。
透過促進剤の作用については、様々なメカニズムが提
案されている。これらの作用メカニズムは、少なくとも
ペプチド及び蛋白質薬物に対しては、(1)粘膜層の粘
性及び/または弾性を低下させること、(2)脂質二層
膜の流動性を高めることによって細胞透過性輸送(tran
scellular transport)を容易にすること、(3)上皮
細胞層の強固な結合を緩めることによって細胞通過性輸
送(paracellular transport)を容易にすること、
(4)酵素障壁(enzymatic barriers)を乗り越えるこ
と、(5)薬物の熱力学的活性を高めることを含む。
Critical Reviews at 117−125"を参照されたい。
多くの透過促進剤が試験され、粘膜からの薬物投与を
容易にするのに効果があることが認められているが、透
過性を高められた製品は、ほとんど市場に出ていない。
この原因には、炎症、障壁機能の低下、及び粘膜繊毛の
浄化保護機構の障害に関する十分な安全性データが欠け
ていることが含まれる。“Critical Reviews at 169−7
0"を参照されたい。バッカル膜または舌下膜から投与さ
れるどの促進剤にも関係のある別の因子は、知られてい
る促進剤の殆ど全てに関わる不快な味覚である。更に、
促進剤が十分に機能するためには、薬物の粘膜からの吸
収を促進剤が促進することができるように、十分な時
間、促進剤と薬物の組合せが粘膜組織に対して所定の位
置に保持されることが好ましい。皮膚からの投与に関す
る技術(transdermal technology)では、これは、粘着
性物質によって皮膚層に付着するパッチ(patch)また
は他のデバイスを用いることによって、しばしばなされ
る。多くの高分子のように、多くの例で、薬物は促進剤
中で十分に可溶でないか、または結晶化する。従って、
効果のあるシステムを形成するために必要とされる程度
の薬物/促進剤の融和性(compatibility)を得るため
に、溶剤その他の手段が必要とされる。指定された粘膜
領域に露出するように高分子薬物/促進剤の組合せを隔
離すると共に、薬物を粘膜組織を通過するのに適した物
理的形状に維持することは、特に口腔内の粘膜を通す場
合、効果的な薬物投与システムを得るために克服する必
要がある固有の問題を提起する。この問題は、選択され
た促進剤及び/または薬物の香味が好ましくない場合
に、より悪化する。
口腔粘着性物質は、本分野ではよく知られている。例
えば、Tsuk et al.による米国特許第3,972,995号明細
書、Loweyによる米国特許第4,259,314号明細書、Lowey
による米国特許第4,680,323号明細書、Yukimatsu et a
l.による米国特許第4,740,365号明細書、Kwiatek et a
l.による米国特許第4,573,996号明細書、Suzuki et al.
による米国特許第4,292,299号明細書、Suzuki et al.に
よる米国特許第4,715,369号明細書、Mizobuchi et al.
による米国特許第4876,092号明細書、fankhauser et a
l.による米国特許第4,855,142号明細書、Nagai et al.
による米国特許第4,250,163号明細書、Nagai et al.に
よる米国特許第4,226,848号明細書、Browningによる米
国特許第4,948,580号明細書、Schiraldi et al.による
再発行された米国特許第Re.33,093号明細書、及び、J.R
obinsonによる“18 Proc.Intern.Symp.Control.Rel.Bio
act.Mater. 75(1991)”を参照されたい。典型的に
は、これらの粘着性物質は、湿った粘膜表面に付着可能
な、例えば水溶性または水膨張性(water swellable)
の親水性ポリマーまたはポリマーの混合体からなる基質
からなる。これらの粘着性物質は、軟膏、フィルム、錠
剤、トローチ、その他の形態として形成され得る。しば
しば、これらの粘着性物質には、薬物のゆっくりした放
出または局所的な投与が行なわれるように、薬剤が混入
されている。中には、粘膜を通して個体の循環系内に吸
着可能なように調合されているものもある。
本分野に於いて、促進剤を用いたバッカルまたは舌下
からの大きな薬物分子の投与に関わる問題、即ち、薬物
分子の結晶化や、組合せの少なくとも一方が有する不快
な香味といった問題を解決しようとしたものはない。
例えば、ヘパリンは、強い抗凝血特性を有する薬物で
あると共に、好ましくない香味を有するポリアニオン性
の分子である。天然のヘパリンは、様々の哺乳類の、
肺、腸、及び肝臓に主に存在する。また、粘膜の肥満細
胞、結合組織の肥満細胞、及び好塩基性白血球の細胞内
にも高レベルに存在する。商用のヘパリンは、主に豚の
腸管粘膜または牛の肺から得られている。これは、1−
4−結合尿酸(1−4−linked uronic acid)またはD
−グリコシアミン(D−glycocyamine)の残基の何れか
から形成されている。尿酸の残基は、L−イズロン酸ま
たはD−グルクロン酸からなり、D−グリコシアミン
(D−Glycocyamine)の残基は、N−硫酸塩(N−sulf
ated)(主要割合を占める)またはN−アセチル化物
(N−acetylated)(少数割合)からなる。従って、ヘ
パリンは、中性のpHに於いて大きな負電荷を示すポリア
ニリンである。天然の先駆物質であるヘパリンプロテオ
グリカン(heparinproteoglycan)(分子量750,000乃至
1,000,000)からの生合成が通常完結しないため、ヘパ
リンは、分子量と構造のいずれに於いても非常にばらつ
きがある。低分子量ヘパリン(low molecular weight h
eparin:LMWH)は、細分化されたヘパリン、または解重
合されたヘパリンを表しており、通常の商用ヘパリンよ
りも小さな分子量を有しており、その分子量は約4000〜
6000ダルトンである。
ヘパリンの抗凝血特性は、抗トロンビン薬III(AT II
I)との結合と関係しているということが実験により示
されている。AT IIIは、分子量約58,000の血漿糖蛋白で
ある。AT IIIは、1対1の化学量論比で、トロンビン
(thrombin)と非常に強く結合し、トロンビンの活性部
位をブロックし、それによってフィブリノーゲン(fibr
inogen)との相互作用を防止する。しかしながら、AT I
IIによるトロンビンの抑制率は、ヘパリンがない場合に
は非常に低い。ヘパリンは、トロンビンの非活性化率を
2000倍にまで高める。臨床的に用いられているヘパリン
は、AT IIIに対する親和力によって、2種類に分けられ
る。ヘパリンの約33パーセントは、AT IIIに対して高い
親和力を有し、高い抗凝血効能(分別されていないヘパ
リンの効能の90パーセントに達する)を有する。親和力
の低いヘパリンは、AT IIIの同じ部位に結合するが、約
1000倍も親和力が低い。
抗凝血特性は主要な薬理学上の効能であるが、ヘパリ
ンは他にも多くの機能を有している。ヘパリンは、血管
平滑筋細胞及び腎臓のメセンジアル(mesengial)細胞
の増殖を抑制し、遅延型過敏症を抑え、血管の生成を抑
制する。ヘパリンの他の薬理学上の機能には、特にコル
チゾン(cortisone)との組合せに於ける、抗トロンビ
ン効果、抗菌、抗ウイルス、抗腫瘍性脈管形成が含まれ
る。臨床に於ける観察によって、ヘパリンが血小板減少
症を誘発すると言われているが、生体実験によると、通
常のヘパリンは血小板の放出を促進することが示されて
いる。更に、様々なヘパリン結合性成長因子(hepari−
binding growth factor)を、ヘパリン親和力クロマト
グラフィによって精製することができる。
ヘパリンは、多くの臨床応用で使用されている。その
ような臨床応用には、心臓外科手術、末梢血管手術、透
析、自己輸血治療、移植、肺塞栓症の治療、多発性血管
内血液凝固(disseminated intravascular coagulatio
n)、及び静脈血栓の治療などが含まれる。投与量は、
応用例によって異なる。また、ヘパリンは深在静脈血栓
に対する予防薬としても用いられている。この療法のた
めのヘパリンの投与量は、比較的少なく、例えば皮下投
与に対しては10,000U/24時間である。また、ヘパリン
は、例えば肺塞栓症や動脈血栓のような血栓塞栓症患者
の治療にも有効である。これらの治療は、比較的多量の
ヘパリンの投与を必要とし、約30,000U/24時間になる。
ヘパリンの粘膜からの投与は、特にそれがバッカルま
たは舌下からの投与による口腔を介しての場合は、これ
まで行うことができなかった。しかしながら、上述した
ように、バッカルまたは舌下からの投与による、特にイ
オン状態にあるヘパリンその他の高分子を投与するため
の実用的な手段が望まれている。
発明の目的及び要約 バッカル及び舌下の経路を介して人及び動物に高分子
薬物を投与するための方法及び調合体を提供することが
本発明の目的である。
投与する部位への容易なアクセスを可能とする、荷電
及び非荷電高分子薬物を人及び動物に投与するための方
法及び調合体を提供することも本発明の目的である。
本発明の別の目的は、患者に受け入れられ易く承諾を
得やすい、荷電及び非荷電高分子薬物を人及び動物に投
与するための方法及び調合体を提供することである。
本発明の別の目的は、薬物の吸収を最大化するように
長期に渡って調合体を局所化することのできる、荷電及
び非荷電高分子薬物を人及び動物へ投与するための方法
及び調合体を提供することである。
本発明の更に別の目的は、調合体の組織への適合性
(compatibility)が容認できるような、荷電及び非荷
電高分子薬物を人及び動物へ投与するための方法及び調
合体を提供することである。
本発明の更に別の目的は、透過促進剤に関わる不快な
香味を避けることのできる、バッカル粘膜及び舌下粘膜
から荷電及び非荷電高分子薬物を人及び動物へ投与する
ための方法及び調合体を提供することである。
これらのまたは他の目的は、高分子薬物/促進剤/ポ
リマー調合体によって達成される。この調合体は、500
よりも大きな分子量、好ましくは約1000を越える分子量
を有する高分子薬物を含んでおり、この高分子薬物は、
胆汁酸塩または胆汁酸塩の類似物(analog)からなる促
進剤と混ぜ合わされ、更に親水性ポリマーとも十分に混
ぜ合わされている。親水性ポリマーとは、即ち、水膨張
性または水溶性のポリマーであり、高分子薬物に対して
可塑剤として働くと共に、薬物/促進剤の組合せに対し
て、それを粘膜組織に対して積極的に保持する働きをす
る。このような調合体は、二層システムとして形成され
るが、この二層システムでは、薬物/促進剤/ポリマー
の組合せによって、舌下粘膜またはバッカル粘膜に接触
すると共に付着するように適合された層が形成される。
更に、薬物/促進剤/ポリマーに対して、胆汁酸塩促進
剤または薬物に対して概ね非透過性の外側層または被覆
層が上に覆い被さっている。ヘパリンのような高分子
や、胆汁酸塩促進剤は、不快な香味を有しており、外側
層は、これらの成分が、唾液や他の流体(例えば水や他
の摂取されている液体)によって下層から口腔内に流れ
出るのを防ぐ、または減少させるように設計されてい
る。この二層システムは、錠剤またはパッチのいずれの
形態でもよい。錠剤の場合は、外側層は、例えば、往々
にして起こりやすい舌のような他の口腔内組織への錠剤
の付着を防止し、患者による錠剤の挿入を容易にするよ
うに、不活性で、非粘着性の材料からなる。パッチの場
合は、外側層はフィルムまたは膜からなり、高分子薬物
または胆汁酸塩の流出は防ぐが、水や他の分子量の小さ
い物質の下層への流入は妨がないような分子量遮断性
(molecular weight cotoff)を有する選択透過性の膜
であることが好ましい。この膜層は、不溶性、または薬
物及び促進剤の投与終了後に溶解するように選択的可溶
性とすることができる。この膜は、錠剤の外側層と同じ
役割をするが、薬物/促進剤/粘着性物質層への水また
は他の所望の薬品または成分が流入するのを妨げない点
が異なる。本発明は、分子量が約500乃至10,000または
それよりも大きい多糖類、ポリヘプチド、及び蛋白質を
含むグループから選択された高分子薬物に特に適してい
る。これらの例として、多糖類としてヘパリンが、ポリ
ペプチドとしてカルシトニンがある。
図面の簡単な説明 第1図及び第2図は、本発明に於いて使用するのに適
したバッカルシステムまたはデバイスの模式図である。
第1図は、二層錠剤の例を示しており、第2図は、所望
に応じて設け得る粘着性層を含んだフィルムパッチの例
を示している。
第3図は、5000IU/2mlのヘパリンを静脈ボーラス投与
(intravenous bolus administration)した後に得られ
た3匹の犬に対する典型的なヘパリンの血中レベル曲線
を示している。
第4図は、バッカル溶液セル(buccal solution cel
l)によってヘパリンを投与した後に得られた第3図で
使用したのと同じ3匹の犬に対する典型的なヘパリンの
血中レベル曲線を示している。
第5図は、第4図を補足するものであり、バッカル溶
液セルを用いてヘパリンを投与した後に犬に吸収された
ヘパリンの累積量を示している。
第6図は、例1に従って形成された二層錠剤によって
ヘパリンを投与した後に4匹の犬から得られた5つのヘ
パリン血中レベル曲線を示している。
第7図は、例2に従って形成された二層錠剤によって
ヘパリンを投与した後に2匹の犬から得られたヘパリン
の血中レベル曲線を示している。
第8図は、例3に従って形成された二層錠剤によって
ヘパリンを投与した後に3匹の犬から得られたヘパリン
の血中レベル曲線を示している。
第9a図は、第6図の中の1匹の犬から得られたヘパリ
ンの血中レベル曲線を示しており、第9b図は例1に従っ
て形成された二層錠剤によってヘパリンを投与した後
に、その犬に吸収されたヘパリンの累積量を示してい
る。
第10a図は、同じ犬を用いた、日にちの異なる3回の
試験に対するヘパリンの血中レベル曲線を示しており、
第10b図は、例6に従って形成されたフィルムパッチに
よってヘパリンを投与した後に吸収されたヘパリンの累
積量を表している。
第11図は、例6に従って形成されたフィルムパッチに
よってヘパリンを投与した後に6匹の犬から得られたヘ
パリンの血中レベル曲線を示している。
第12a図は、第10a図に於ける最も高いヘパリン血中レ
ベル曲線を他から分けて示したものであり、第12b図
は、例6に従って形成されたフィルムパッチによってヘ
パリンを投与した後に、そのテストから吸収されたヘパ
リンの累積量を示している。
第13a図は、バッカル溶液セルによって1mgのサーモン
カルシトニンを投与した後に犬から得られたカルシトニ
ンの血中レベル曲線を示している。第13b図はバッカル
溶液セルによってカルシトニンを投与した後にその犬に
吸収されたカルシトニンの累積量を示している。
第14a図は、第13図で用いられたのと同じ犬から得ら
れたサーモンカルシトニンの血中レベル曲線を示してお
り、第14b図は、例4の乾燥混合手順に従って二層錠剤
の形態に形成された1mgのサーモンカルシトニンを投与
した後に吸収されたカルシトニンの累積量を示してい
る。
第15a図は、第13図で用いられたのと同じ犬から得ら
れたサーモンカルシトニンの血中レベル曲線を示してお
り、第15b図は、例5の湿式粒化(wet granulation)手
順に従って二層錠剤の形態に形成された1mgのサーモン
カルシトニンを投与した後に吸収されたカルシトニンの
累積量を示している。
発明の詳細な説明 本発明の開示にあたって、以下の定義を行う。
“高分子薬物”とは、500ダルトンより大きな(好ま
しくは約1000ダルトンより大きな)分子量を有する薬物
であり、好ましくは多糖類、ポリペプチド、または蛋白
質からなる。約500乃至10,000の分子量を有する分子が
好ましいが、その範囲にあって電離されたまたは電荷を
帯びた分子が特に好ましい。しかしながら、10,000を越
える分子量を有する高分子を予め除外するべきではな
く、分子量に関する制限はその機能のみによる。
“低分子量ヘパリン”または“LMWH"とは、4000乃至6
000の範囲にある分子量を有するヘパリンのことであ
る。
“胆汁酸塩”は、例えばコール酸やデオキシコール酸
の塩またはそれらの塩の組合せのような、コラン酸の天
然または合成塩であるステロイド性洗浄剤を示す。グル
シンまたはタウリンと結合した胆汁酸塩の抱合体の塩が
好ましいが、タウリンの塩が特に好ましい。透過促進剤
として働く同じような物理特性を有する胆汁酸塩の類似
物もこの定義内に含まれる。
“NaTC"は、胆汁酸塩、ソディウムタウロコレートで
ある。
“CHAPS"は、胆汁酸塩の類似物、3−[(3−コルア
ミドプロピル)−ジメチルアンモニオ]−1−プロパン
サルフェート(3−[(3−cholamidopropyl)−dimet
hylammonio]−1−puropane sulfate)であり、内部塩
である。
“IU"は、第一国際低分子量ヘパリン規格に対して評
価されるアンチファクタ(anti−factor)Xaの単位を表
す。
“ポリマー”、“粘着性ポリマー”、“粘着付着性物
質”、またはそれらと同じような用語は、天然または合
成の親水性ポリマーを表し、親水性とは、それらが水膨
張性または水溶性であり、胆汁酸塩促進剤及び高分子薬
物に対して融和性を有しているということを表す。この
ようなポリマーは、好ましくは、薬物/促進剤/ポリマ
ー調合体を粘膜組織に付着する働きをすると共に、高分
子薬物に対して可塑剤として働き、薬物を溶液または懸
濁液中に保持してそれらの自己会合(凝集)及び/また
は結晶化を防ぐという2つの働きをする。このことは、
結晶化した薬物を伴うハイドラッグローディング(high
drug loading)を必要とする調合体に於いて特に望ま
れる。これらの例では、ポリマーは、構造が損なわれな
いように安定性を与える可塑剤として働き得る。これら
のポリマーは、所望の薬物放出特性を得るように選択さ
れ、薬物の作用を妨げることがない。そのようなポリマ
ーには、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropy
l cellulose)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
(hydroxypropyl methylcellulose)、ヒドロキシエチ
ルセルロース(hydroxy ethylcellulose)、エチルセル
ロース(ethylcellulose)、カルボキシメチルセルロー
ス(carboxymethyl cellulose)、デキストラン(dextr
an)、ガウルガム(gaur−gum)、ポリビニルピロリド
ン(poly vinyl pyrrolidone)、ペクチン(pectin
s)、デンプン、ゼラチン、カゼイン、アクリル酸、ア
クリル酸エステル、アクリル酸コポリマー(acrylic ac
id copolymers)、ビニルポリマー、ビニルコポリマー
(vinyl copolymers)、ビニルアルコール、アルコキシ
ポリマー(alkoxy polymers)、ポリエチレンオキシド
ポリマー(polyethylene oxide polymers)、ポリエー
テル、等が含まれる。
本発明による投与システムは、不活性の外側または後
側層または膜と、内側の薬物/促進剤/ポリマー層とを
含んでいる。内側層では、薬物濃度は、その効能及び生
物学的利用能によって調整できる。従って、薬物濃度
は、要求されている生理学的効果が得られるような時間
及び速さで粘膜組織を通して所望の投与が行われるのに
必要とされる量である“有効量(effective amount)”
となる。これらの濃度は、選択された薬物に基づいて、
医者によって容易に決定され得る。一般的に、これらの
量は、約0.01乃至88重量%の範囲でばらつく、胆汁酸塩
促進剤は、一般的に、約2乃至60重量%の範囲の量であ
るが、約4乃至50重量%の範囲にあることが好ましい。
ポリマーは、薬物/促進剤を包含するのに必要とされる
範囲にあり、薬物に対して所望の可塑性を与える。一般
的に、約5乃至65重量%の範囲が使用されるが、約10乃
至55重量%が好ましい。別の薬品または成分が更に用い
られる場合、調合体の残りは、例えばラクトース、ステ
アリン酸マグネシウム、着香料、着色料、安定剤、また
は他の充填剤、結合剤のような調合補助剤または不活性
成分によって形成することができ、これらは、薬物/促
進剤/ポリマーの組合せの機能に対して悪影響を与えな
い。これらは、通常、調合体内側層の約0から60重量%
の範囲で変動する。
“有効量”を与える薬物濃度の変動の指標として示す
と、多糖類LMWHを薬物として用いた場合、濃度範囲は薬
物/促進剤/ポリマーの組合せの約25乃至75重量%の範
囲にあるが、薬物としてのポリペプチドカルシトニンを
用いた場合は、濃度は約0.05乃至2.5重量%の範囲にあ
る。従って、容易に理解されるように、薬物濃度は、使
用される薬物とその効能及び/または生物学的利用能に
よって決定される。
上述したように、本発明に於いて用いられるシステム
は、薬物/促進剤/ポリマーを含む内側層または下層
と、その上に配置された不活性層とを含む。第1図及び
第2図に示されているように、このシステムは錠剤また
はパッチの何れの形態をとっても良い。パッチと錠剤の
どちらの場合も、薬物/促進剤/ポリマーを含むと共に
好ましくは粘着性を有する層と、不活性で、少なくとも
その外側部分が非粘着性である層とを含むように形成さ
れる。第1図は、薬物/促進剤/ポリマーの組合せを含
む下層11と、外側の不活性層12とを有する二層錠剤10を
示している。第2図は、フィルムパッチの実施態様を示
しており、パッチ20は、下層である薬物/促進剤/ポリ
マー層21と、外側の不活性膜層22とを含んでいる。この
不活性膜層22は、活性層21と同じ直径を有している。し
かしながら、パッチの外側の不活性層は、下層である活
性層の外側周縁部を越えて延在し、その下部表面に別の
粘膜付着性物質を含むようになっていてもよい(図示せ
ず)。または、第2図に示されているように、活性層21
と不活性膜層22の両方の外側周縁部を越えて延在し、そ
の内側表面に粘膜付着性物質を含むような、所望に応じ
て設け得る被覆層23があってもよい。このようにして、
活性層または内側層は、その上に配置された粘膜付着性
の膜によって完全に覆われ、その層の薬物/促進剤成分
が十分に投与されるまで、薬物/促進剤の組合せが、あ
てがわれた口腔粘膜の領域に保持されるようになってい
る。所望に応じて設け得る被覆層23も、所望の分子量遮
断性(molecular wight cutoff)の多孔構造を有する選
択透過性の膜からなっていてよい。ある例では、膜22と
被覆層23が、両方ともMWCO膜であり、各々が異なるMWCO
値を有し、それらの膜を透過する水や他の物質の量を変
化または調整するようになっていると良い。
二層錠剤は、適当な圧力の下で、従来の二層錠剤圧縮
法によって形成される。第1図を参照すると、二層錠剤
10は、活性層11と不活性層12とを有し、これらの層は使
用時に区別されるように異なった色とすることができ
る。不活性の非粘着性層12を識別することによって、患
者が使用しやすくなると共に、使用時に往々にして発生
しがちな口腔の他の組織への付着を防ぐことができる。
内側層11は、成分を乾燥混合し、それらを圧縮して錠剤
にするか、または混合された成分を湿式粒化した後、認
められている薬学的な方法に従って圧縮することによっ
て形成される。一般的に、薬物、胆汁酸塩促進剤、ポリ
マー、及び例えばステアリン酸マグネシウム、ラクトー
ス、着香料のような調合補助剤を混合し、この混合物を
約0.2乃至0.5トン圧力の下で、2乃至10秒のドエル時間
(dwell time)で、圧縮することが適しているというこ
とがわかっている。
不活性層12は、まず、例えばエチルセルロースのよう
な非粘着性ポリマーと、例えばソルビトール(sorbito
l)のような錠剤補形薬を、例えば染料、着香料、ステ
アリン酸マグネシウムのような他の調合補助剤と共に十
分に混合することによって調製される。これは、乾燥混
合物として形成されるか、または従来の湿式粒化及びス
クリーニング技法とそれに続く乾燥によって達成され
る。どちらの場合も、混合された不活性層成分は、ある
程度圧縮された内側層の上に置かれ、両層は、その後、
例えば0.5乃至1.5トンという、より高い圧力で2乃至10
秒のドエル時間の間、更に加圧される。
選択透過性膜または他の膜を用いたパッチを形成する
場合、薬物/促進剤/ポリマーの混合物を、溶液または
粘性を有する混合物として、適切な膜の上で型にとって
もよい。所望に応じて活性層の面積を調整するようにモ
ールド(mold)を用いてもよい。別の方法として、適当
な膜ポリマー溶液を、スプレーするなどして、薬物/促
進剤/ポリマーを被覆してもよい。
第2図を参照すると、フィルムパッチ20は、活性面即
ち層21が粘膜と対向し、膜22(及び所望に応じて設け得
る膜23)が口腔のキャビティの側を向くように口腔粘膜
にあてがわれる。促進剤によって高められた薬物の透過
の間、水は、選択透過性の膜22(及び所望に応じて設け
得る膜23)の孔を通して容易に通過することができる
が、内側の高分子薬物/促進剤/ポリマー21は、パッチ
の部位に制限されて保持される。これは、パッチの成分
の味を限定すると共に、水の透過率を制御してポリマー
の水和と薬物/促進剤/ポリマーの局所的な濃度を比較
的高いレベルに保ち、それによって膜通過量を増加させ
る効果を有している。活性層21は、一般的には、例えば
10乃至60分の比較的短い時間で溶解し、選択透過性の膜
22及び23はその後に取り除かれる。別の方法として、膜
22及び23を、所定の時間の後に溶解するように形成する
こともできる。
パッチ形態のヘパリンの場合、胆汁酸塩促進剤の水溶
液がヘパリンの濃縮水溶液に加えられ、透明になるまで
撹拌される。続いて、アルコール性のまたは水−アルコ
ール性のポリマー溶液が加えられ、その結果得られた粘
性を有する混合物は、乾燥した選択透過性の膜の上で型
にとられる。乾燥された混合物は均質で半透明になり、
打ち抜いてディスク状または他の適切な形状にすること
ができる。スラリー(slurry)法を用いることもでき、
その場合は、胆汁酸塩促進剤、LMWH、及びポリマーをエ
タノール溶液に加えてスラリーを形成し、これを、膜上
で型にとる。ポリペプチド及び蛋白質を形成する場合、
性質を変えないように、アルコールを使用しない別の方
法を用いることもできる。
これらの調合体に於いて選択透過性の層として有用な
ポリマーは、投与される高分子薬物の放出特性が所望の
ものとなるように選択される。例えば、急速な放出が望
まれている場合、薬物を結合しないためそれらを選択す
ることができ、また、結合が望まれている場合、それら
は放出をのばすように選択され得る。どちらの場合も、
それらは薬物の作用に悪影響を与えることはない。好適
な例では、選択透過性の膜は、例えば水のような小さい
分子に対しては透過性を有するが、高分子薬物、促進
剤、ポリマー、補助剤などに対しては透過性を有さな
い。好適な膜は、セルロースやセルロースアセテートか
らなるMWCO(分子量遮断性)透析膜であり、遮断分子量
は、薬物、促進剤などの分子量に応じて選択される。例
えば、遮断分子量約100乃至500を有するMWCO透析膜は、
ほとんどの例に適している。シリコン、ポリウレタン、
及びゴムのような架橋結合ポリマー、逆浸透膜(revers
e omosis membrane)、フィルム形成ポリマー、ハイド
ロゲル(hydrogel)を含むゲル、及び様々なデンプンな
どの他の材料にも適したものがある。
本発明のシステムは、活性層または内側層と粘膜との
間の接触のため、表面の面積が約0.5乃至10cm2の大きさ
として提供されることが好ましい。約0.5乃至5cm2の面
積が好ましいが、約1.0乃至5cm2が特に好ましい。内側
層または活性層は、通常、約0.1乃至3mmの厚さを有して
おり、約0.5乃至2mmの厚さであることが好ましい。
以下の例は二層錠剤とフィルムパッチの両方を調製す
るための方法例である。
例1 LMWH錠剤は、以下のようにして調製される。活性LMWH
層は、2.010gのLMWH、0.504gヒドロキシプロピルセルロ
ース、(KLUCEL LF)及び0.450gのNaTCを乾燥混合する
ことによって調製された。これに、200プルーフ(proo
f)のエタノール500μlを加え、この混合物を湿式混合
して、練り粉のような粘りを有する湿った粒状物を生成
した。この湿った粒状物を、18メッシュスクリーンに通
し、ドラフトオーブン(draft oven)内で25℃にて3時
間乾燥した。乾燥された粒状物を、更に20メッシュスク
リーンに通し、0.030gのステアリン酸マグネシウムと0.
006gのミント着香料と共にガラス小瓶内に入れ、再度乾
燥混合した。この混合物100mgを2分の1インチの直径
を有するダイの中に満たし、カーバー・プレス・モデル
C(Carver Press Model C)で、0.25tの圧力の下で3
秒のドエル時間の間予圧して、活性の薬物/促進剤/ポ
リマー層を形成した。
不活性層は、2.0gのエチルセルロース(Ethocel)、
5.81gのソルビトール、及び0.0048gの“Colorcon FD&C
Yellow #6 HT Aluminum Lake dye"を乾燥混合するこ
とによって調製された。これに、200プルーフのエタノ
ール700μlを加え、この混合物を湿式混合して、練り
粉のような粘りを有する湿った粒状物を生成した。この
湿った粒状物を、18メッシュスクリーンに通し、ドラフ
トオーブン内で25℃にて3時間乾燥した。乾燥された粒
状物を、20メッシュスクリーンに通し、0.16gのステア
リン酸マグネシウムと0.024gのミント香料と共にガラス
小瓶内に入れ、再度乾燥混合した。この物質のサンプル
100mgをある程度圧縮された活性層の上に置き、その
後、両方の層を1トンの圧力で3秒のドエル時間の間加
圧して、バッカルからの投与に適した二層錠剤を形成し
た。
このようにして、表面領域の直径が2分の1インチで
あるディスク状の二層錠剤が生成される。この錠剤の活
性層は、200mgのLMWH(67重量%)と、45mgのNaTC(15
重量%)と、50.4mgのヒドロキシプロピルセルロース
(16.8重量%)と、1.2重量%の調合補助剤または着香
料とを含んでいる。
例2 例1の手順に従ったが、以下の変更を行った。NaTCの
代わりに、胆汁酸塩の類似物CHAPSを促進剤として用
い、活性層の成分量は、活性層が200mgのLMWH(67重量
%)、15mgのCHAPS(5重量%)、80.4mgのヒドロキシ
プロピルセルロース(26.8重量%)、及び1.2重量%の
調合補助剤または着香料を含むように変更した。
例3 活性層の成分量を、活性層が100mgのLMWH(33.5重量
%)、45mgのNaTC(15重量%)、150.9mgのヒドロキシ
プロピルセルロース(50.3重量%)、及び1.2重量%の
調合補助剤または着香料を含むように変更したことを除
いて、例1の手順に従った。
例4 下層または活性層が1mgのカルシトニン(0.25重量
%)、135.2mgのヒドロキシプロピルセルロース(33.8
重量%)、60mgのNaTC(15重量%)、199mgのラクトー
ス(49重量%)、4mgのステアリン酸マグネシウム(1.0
重量%)、及び0.8mgのミント着香料(0.2重量%)を含
むような、バッカル錠剤を、例1の手順に従って調製し
た。
例5 活性層を湿式粒化ではなく乾燥混合によって調製した
点を除いて、例4の手順に従って、同じ成分を含む下層
または活性層を有するバッカル錠剤を調製した。
例6 200mgのLMWHを含み、500MWCO透析膜を外側層または被
覆層として用いたバッカルパッチ調合体を形成した。ガ
ラス小瓶に、31.14重量%のNaTC水溶液268.1μlと、6
0.26重量%のLMWH水溶液601.8μlを加えた。この水溶
液を、水溶液が透明になるまで撹拌した。その水溶液
に、565.3μlの19.85重量%のヒドロキシプロピルセル
ロース(Klucel LF)を含むエタノール溶液を加え、均
一な混合が得られるまで撹拌した。この混合物のうち71
7.63μlを、ガラスモールド中の、予め乾燥した基質を
形成するようにオーブンの中で70℃で乾燥された500MWC
O透析膜上に注いで型をとり、一晩かけて乾燥した。半
透明で均質な活性層の周りから余分な膜を取り去り、5c
m2の表面面積を有する完成されたバッカルパッチを形成
した。
このパッチの内側層または活性層は、200mgのLMWH(6
7.7重量%)、45mgのNaTC(15.2重量%)、及び50.4mg
のヒドロキシプロピルセルロース(17.1重量%)を含ん
でいた。
例7 例6の手順を用いて、100mgのLMWH、45mgのNaTC、及
び50mgのヒドロキシプロピルセルロース(Klucel LF)
を含む100mgLMWHパッチを調製した。例4と同様に、こ
の混合物は、均質で半透明のフィルムになるように乾燥
された。
例8 例4の手順に再度従って、活性層が46mgのLMWH、21mg
のNaTC、及び23mgのヒドロキシプロピルセルロース(Kl
ucel LF)を含むようなバッカルパッチを形成した。
例9 スラリー法を用いて、200mgLMWHバッカルパッチを形
成した。45mgの胆汁酸塩促進剤(NaTC)と200mgの微小
化されたLMWHに、エタノール溶液中の19.85重量%のヒ
ドロキシプロピルセルロース(Klucel LF)278μlをガ
ラス小瓶内で加え、均質なスラリーが得られるまで撹拌
した。このスラリーを、ガラスモールド中に固定された
乾燥した500MWCO膜の上に注いで型をとった。この混合
物は、乾燥すると、膜に対して粘着性を有する不透明な
層となる。余分な膜を除去して、完成されたバッカルパ
ッチを形成した。このパッチからの薬物の投与は、例6
に於いて調製されたパッチからのヘパリンの投与と等価
である。
LMWHの粘膜からの投与を、犬のバッカル粘膜モデルを
用いることによって実地に試験した。動物モデルとして
犬を選択したのは、犬のバッカル組織が人間のそれと組
織学的に似ているからである。“C.Ebert et al.,Trans
buccal absorption of diclofenac sodium in a dog an
imal model,in Controlled−Release Technology 310−
21(P.Lee,W.Good,eds.,ACS Symposium Series,No.348,
American Chemical Society,Washington,D.C.,1987)”
を参照されたい。げっ歯類は、バッカル組織が角質化す
る傾向があるが、犬は人と同様に角質層のない良く血管
の発達したバッカル組織を有している。
二層錠剤と半透性の被覆膜を有するフィルムパッチの
2種類の形態の調合体を使用して犬に於けるLMWHの粘膜
からの投与を実地に試験した。
調合体は、生体で試験し、LMWHの犬への投与の効果を
系統的に測定した。雑種の犬(番号1、2、4、6、
7、9、及び10によって示されている)の各々は、30乃
至30Kgの重さで、使用前一ヶ月の間に調子を整えた。こ
れらの犬は、“Bietal"によって沈静化し、各実験の
間、ハロセン(Halothane)によって麻酔をかけた。静
脈からの血液サンプリングができるようにセーファス
(saphous)静脈中にカテーテルを挿入した。サンプリ
ングした血液はクエン酸塩“VACUTAINER"チューブ内に
集め、速やかに、3400rpmで10分間遠心分離した。得ら
れた上澄み液の血漿は、凝結状態が分析されるまで−20
℃でキャップのついたポリプロピレンチューブ内に保管
した。全ての犬は、テストとテストの間、二週間休ま
せ、繰り返される麻酔や血液採取の影響を最小化するよ
うにした。
アンチファクタXa効力検定 血清サンプルの凝結状態は、アンチファクタXa効力検
定を通じて評価した。アンチファクタXa効力検定は、ヘ
パリンの効能または濃度を測定するための標準テストで
ある。効力検定には、“Kabi Phamacia Hepar,Inc."に
よって散布される、“Chromogenix"から得られるコアテ
ストヘパリン効力検定キット(Coatest Heparin Assay
Kit)を用いた。この効力検定キットと共に与えられる
指示に従って、ヘパリンの効能を測定した。
溶液及びバッカルデバイスからの薬物のバッカル透過
性を、2つの過程からなるプロセスによって特徴づけ
た。まず、各犬に対してボーラス静脈投与(bolus intr
avenous administration)後の薬物のディスポジション
動力学(disposition kinetics)を確定した。次に、バ
ッカルからの投与の後の血漿濃度の時間特性を、(同じ
犬に対する)静脈データから導出された薬物動力学的パ
ラメータ(pharmacokinetic parameter)を用いてデコ
ンボリュート(deconvolute)し、薬物吸収特性を評価
した。
静脈ボーラス静脈投与の後の血漿濃度の時間特性は、
一次消去(first order elimination)を伴う、2−コ
ンパートメントオープンモデル(2−compartment open
model)に関して分析した。非線形最小二乗手順を用い
ることによって、このモデルに関連するバイエキスポネ
ンシャルレート方程式(biexponential rate equatio
n)を、実験データにフィットさせた。吸収特性(時間
の関数としてのLMWHの吸収量)は、同じ犬に対する静脈
データから計算される巨視的なレート定数を用いて、ル
ー−リーゲルマン法(Loo−Rieelman method)によって
評価した。“J.Loo & S.Riegelman,57 J.Pharmaceutic
al Sci.918−28(1968)”を参照されたい。
静脈投与の後の薬物の薬用量動力学(Drug Dosage Kine
tics) 各動物に対する薬物動力学的パラメータは、1250乃至
5000IUのフラグミンヘパリン(Fragmin Heparin)(10,
000IU/4mlアンプル,Kabi,Kabivascukular Service)の
ボーラス静脈投与によって個々に決定した。5000IU/2ml
の静脈ボーラス投与は、第3図に示されているような典
型的な血液レベル曲線を示す結果となった。5000IUの投
与量は選択したのは、それが人に対する投与量と同じで
あるためである。薬物動力学的パラメータは、2コンパ
ートメントモデルを用いて計算され、典型的な動物間の
ばらつきを示した。犬1、2、4、6、及び7に対する
パラメータを、以下の表1に示す。
バッカル溶液セル バッカルデバイスによる投与を、バッカル粘膜へのヘ
パリン溶液の接触によるヘパリン投与と比較することが
できるように対象実験を行った。ヘパリン溶液は、乾燥
されたLMWHと促進剤とを脱イオン化された水の中に溶か
すことによって調製した。30分間のベースラインサンプ
リング(baseline sampling)の後、2mlの薬物溶液を、
漏れのないようにシリコン層によってバッカル粘膜に取
り付けられた5cm2のガラスセル(glass cell)中に少し
ずつ入れた。8時間の間に何回かに渡って、挿入された
カテーテルから血清サンプルを採取した。90分後に、薬
物溶液をセルから吸い出し、セルを取り除いた。その領
域はきれいにぬぐい取り、表面に薬物の残らないように
水で洗浄した。粘膜の状態は、セルを取り除いた後、及
び実験の終了時に、組織の炎症の目に見える兆候に対し
て検査した。
粘膜を通してのヘパリン投与の有効性は、まずヘパリ
ン溶液から検証した。バッカル溶液セル実験から得られ
た結果を、第4図の血中レベル曲線に示す。3つの曲線
は、到達した血中レベルに関しては非常に良く似ている
が、静脈ボーラス実験から導出された薬物動力学的パラ
メータに基づいた最大吸収量の計算値は、第5図に示さ
れているように、これらの個々の実験に対して、1070か
ら3467IUと3倍の差が出た。約5乃至10分の初期遅れ時
間の後、薬物は、ディフュージョンセル(diffusion ce
ll)があてがわれていた90分の間、概ね一定の割合で吸
収された。明らかにセルを取り除いた後に吸収された残
りの薬物は、おそらく粘膜組織内に結合し、後に浸透に
より吸収された薬物(即ち、貯蔵効果)を示している。
バッカル溶液セルに対する薬物動力学的パラメータ及び
定数を表2に示す。
バッカルから投与された二層錠剤 バッカル調合体を使用した実験に於いても、実験開始
に先立ち、30分間のベースラインサンプルの抽出及びプ
ーリンング(pooling)を行った。実験の開始に於い
て、錠剤またはパッチを、バッカル粘膜にあてがった。
横になって寝かされた犬によって、かなり大きなバッカ
ル領域が得られた。錠剤は、活性層が粘膜に接触し、非
活性層が上を向くようにして、三角形に配置した。麻酔
をかけられた犬の粘膜が乾燥するのを防ぐため、錠剤に
よって形成された三角形の中心に200μlの塩水を施
し、速やかに水分の補給を開始した。最初の4時間は30
分毎に、その後は1時間おきに、100μlの生理食塩水
を同様に加えた。不活性層は実験の間ゆっくりと分解
し、一方、活性層は通常1時間以内に分解された。
例1、2、3の二層錠剤を用いたLMWHの粘膜からの投
与は、第6図乃至第8図に示されているように、これら
の3つの異なった成分の錠剤に対して、アンチファクタ
Xaの血中レベルが、血漿中に0.2乃至0.5IU/mlの範囲に
ある結果となった。第6図は、犬1、6、7、及び9を
用いて、例1に従って形成された二層錠剤によってヘパ
リンを投与した後に得られた5つのヘパリン血中レベル
曲線を示している。第7図は、例2に従って形成された
二層錠剤によってヘパリンを投与した後の2匹の犬から
得られたヘパリン血中レベル曲線を示している。第8図
は、例3に従って形成された二層錠剤によってヘパリン
を投与した後の3匹の犬から得られたヘパリン血中レベ
ル曲線を示している。第9a図は、第6図に於ける犬6に
対するヘパリン血中レベル曲線を再度示している。第9b
図はデコンボリュートされたLMWH吸収特性を示してお
り、約4800IUのヘパリンが、累積的に吸収されたことを
示している。表3、4、及び5は、薬物動力学的計算の
詳細な結果を示しており、例1、2、及び3の錠剤が極
めて高いレベルのヘパリンを投与していることを示して
いる。
表4及び表5に示されているように、より低レベルの
ヘパリン(表5、例3)に対する実験、または異なる促
進剤(表4、例2)に対する実験も、概ね高レベルのLM
WHの吸収を示す結果となった。
カルシトニンの吸収レベルに関する同様の結果が、例
4及び例5に従って形成された二層錠剤を用いた場合に
得られている。
バッカルからの投与は、ヘパリンに対して上述したの
と同様に、まず、バッカルセルを用いたカルシトニン溶
液実験から検証した。比較のために示すと、治療に於け
る、200IUのサーモンカルシトニンを注入した後のヒト
の血漿中のレベルは、通常0.1乃至0.4ng/mlの範囲にあ
る。第13a図に示されているように、サーモンカルシト
ニン(salmon calcitonin:SCT)の血中レベルは、15分
以内に0.1ng/mlに達し、その後1.2ng/mlまで上昇を続
け、90分後に於いても、約0.4ng/mlより十分上のレベル
にあった。第13b図は、同じ実験に対する累積された吸
収量をプロットしたものである。トータルで30IU(0.00
6mg)が吸収された。
例4及び例5に於いて形成されたバッカル透過性のカ
ルシトニン錠剤を用いた場合も、上述したヘパリンの実
験と同様に、犬に投与して観測したが、カルシトニンの
血漿中レベル特性は、ほとんど遅れ時間を示さず、バッ
カル溶液セル実験と匹敵する程であった。第14a図は、
例4の乾燥圧縮による二層錠剤をバッカルにあてがった
後の血漿中レベル曲線を示しており、第14b図はこれら
の錠剤に対する累積吸収特性を示している。6時間の実
験の間、トータルで249IU(0.0623mg)のSCTが連続して
投与された。同様に、第15a図は、例5に於いて調製さ
れた、湿った粒状のバッカル透過性錠剤をバッカルにあ
てがった後の血漿中レベル曲線を示しており、第15b図
は、これらの錠剤に対する累積吸収特性を示している。
6時間の実験の間、トータルで550IU(0.11mg)のSCTが
連続して投与された。
第13図、第14図、及び第15図の比較から、バッカル錠
剤はバッカル溶液に比べてより長い作用持続時間を示す
ことが明らかである。第13図に於いて、血中のSCTは、
溶液セルが90分後に取り除かれる前に下降し始めている
ことがわかる。更に、錠剤によって、明らかに、より高
いトータルSCT吸収が得られている。
バッカルから投与されたフィルムパッチデバイス 例6に於いて調製されたフィルムパッチを、活性面が
下で選択透過性膜が口腔に向くようにバッカル粘膜にあ
てがった。フィルムパッチには、錠剤での実験と同様の
スケジュールで水分を補給した。活性層は、30分以内に
分解し、透明になった。不溶性の選択透過性膜は、5乃
至6時間後に取り除いた。
フィルムパッチデバイスを用いた場合のヘパリンの血
中レベルは、二層錠剤より約50%高い結果となり、第10
a図及び第12a図に示されているように、血漿1ml当たり
0.3乃至0.7IUの範囲にあった。デコンボリュートされた
ヘパリン吸収特性によると、第12b図に示されているよ
うに、6500IUまたは40.4mgを越えるヘパリンが、8時間
の間に吸収された。更に、第12a図によると、8時間後
に於いても血中レベルはベースラインまで戻らず、組織
による蓄積効果の大きさを示している。第11図に示され
ている血中レベル曲線は、第10a図に示されているより
も幾分か広いばらつきを示しているが、一つの例外はあ
るが、ヘパリンレベルが血漿1ml当たり約0.2乃至0.75IU
の範囲で持続したことを示している。これらの結果は、
例6のフィルムパッチから累積的に吸収されたLMWHが、
約2230乃至6500IUの範囲でばらつく結果となったことを
示す表6の内容と一致している。
これらのデバイスからの吸収は、選択透過性の被覆材
料によって高められるように思われる。これらのデバイ
スに於いては、選択透過性膜は、遮断分子量500の透析
膜であり、水や他の小さな分子は、透過して、活性層を
溶解することができる。同時に、例えばLMWHや他の成分
のようなより大きな粒子が口腔内に広がるのを防止し、
粘膜に密着するように保持する。また、活性成分が、予
想外に希釈されたり、投与部位から散逸したりしにくく
なる。
これらのバッカルからの投与実験の間、バッカル粘膜
の状態は溶液実験に対して上述したのと同じように、定
期的に検査された。各動物は数ヶ月に渡って繰り返し使
用したにも関わらず、炎症の外見的な兆候は全く見られ
ず、外観または質感に於ける変化も目視による観察また
は触診によっては認められなかった。
これらの実験は、二層錠剤とフィルムパッチの両方に
ついて、LMWHのバッカルからの投与に対して行われた
が、同様の技法を約500ダルトンまたはそれより大きな
分子量を有する高分子の投与に対しても使用することが
できる。一般的に、約500乃至10,000ダルトンの範囲に
ある分子量を有する薬物は、効果的に投与され得る。し
かしながら、約500乃至6000ダルトンの範囲にある薬物
が一層好ましい。上述したように、本発明は、多糖類、
ポリペプチド、及び蛋白質の投与に適している。特に、
本発明は口腔の粘膜を通して投与するのが最も難しい、
電荷を帯びた分子の投与を容易にする。
従って、上述した例は、本発明を用いる際に使用し得
る薬物または粘膜透過用調合体の単なる例示である。本
発明は、高分子薬物、胆汁酸塩促進剤、及び親水性ポリ
マーを適切に調合することによって、高分子の口腔粘膜
への粘膜透過性投与が実現されるという発見に基づいて
いる。薬物としてLMWHを、胆汁酸塩促進剤としてNaTC及
びCHAPSを、親水性ポリマーとしてヒドロキシプロピル
セルロースを例示の目的のために用いたが、他の薬物、
胆汁酸塩促進剤、及び親水性ポリマーを使用することも
でき、同様の結果を得ることができる。従って、本明細
書中に提示された指針内で、最適な調合を得るための実
験が容易に当業者によって成され得る。従って、本発明
は、請求の範囲、及びそれと機能的に等価なものによっ
てのみ限定される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 デイブ、シリッシュ・シー アメリカ合衆国ユタ州84121・ソルトレ イクシティー・サウストニサークル 7611 (56)参考文献 特開 平2−1283(JP,A) 特開 平4−74133(JP,A) 特表 平6−503576(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61K 9/70 A61K 47/28 CA(STN)

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】口腔内に於いて高分子薬物を粘膜から投与
    するための製剤であって、 前記口腔の前記粘膜組織に接触すると共に、湿っている
    ときそれに付着するように適合された一方の面と、上に
    配置された不活性層に接触すると共に付着する反対の面
    とを有する、内側の薬物/促進剤/ポリマー層を含んで
    おり、 前記内側層が、約2乃至60重量%の胆汁酸塩促進剤と、
    5乃至65重量%の親水性ポリマーと、少なくとも500ダ
    ルトンの分子量を有する有効量の高分子薬物とを含んで
    いることを特徴とする製剤。
  2. 【請求項2】前記胆汁酸塩促進剤が、天然または合成の
    コラン酸塩及びその混合物を含むステロイド性の洗浄剤
    からなることを特徴とする請求項1に記載の製剤。
  3. 【請求項3】前記高分子薬物が、多糖類、ポリペプチ
    ド、及び蛋白質からなる群から選択されることを特徴と
    する請求項2に記載の製剤。
  4. 【請求項4】前記親水性ポリマーが、ヒドロキシプロピ
    ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
    ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース、カル
    ボキシメチルセルロース、デキストラン、ガウルガム、
    ポリビニルピロリドン、ペクチン、デンプン、ゼラチ
    ン、カゼイン、アクリル酸、アクリル酸エステル、アク
    リル酸コポリマー、ビニルポリマー、ビニルコポリマ
    ー、ビニルアルコール、アルコキシポリマー、ポリエチ
    レンオキシドポリマー、ポリエーテル、及びそれらの混
    合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項
    3に記載の製剤。
  5. 【請求項5】二層錠剤の形態であり、 前記内側層が、結合剤、着香料、及び充填剤からなるグ
    ループから選択される1または複数のものを更に含み、 前記不活性層が、粘膜組織に対して非粘着性であると共
    に胆汁酸塩促進剤または高分子薬物に対して概ね非透過
    性であることを特徴とする請求項4に記載の製剤。
  6. 【請求項6】フィルムパッチの形態であり、 前記不活性層が、粘膜組織に対して非粘着性であると共
    に前記胆汁酸塩促進剤または高分子薬物に対して概ね非
    透過性である重合膜(polymeric membrane)からなるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の製剤。
  7. 【請求項7】前記膜が分子量遮断性の膜からなることを
    特徴とする請求項6に記載の製剤。
  8. 【請求項8】前記膜が約100乃至500の遮断分子量を有す
    ることを特徴とする請求項7に記載の製剤。
  9. 【請求項9】前記胆汁酸塩促進剤が、タウリンと結合し
    た抱合胆汁酸の塩からなることを特徴とする請求項5ま
    たは請求項8に記載の製剤。
  10. 【請求項10】前記親水性ポリマーが、ヒドロキシプロ
    ピルセルロースからなることを特徴とする請求項9に記
    載の製剤。
  11. 【請求項11】前記高分子薬物が多糖類からなることを
    特徴とする請求項10に記載の製剤。
  12. 【請求項12】前記多糖類が約4000乃至6000の分子量を
    有するヘパリンからなることを特徴とする請求項11に記
    載の製剤。
  13. 【請求項13】前記高分子薬物がポリペプチドからなる
    ことを特徴とする請求項10に記載の製剤。
  14. 【請求項14】前記ポリペプチドがカルシトニンである
    ことを特徴とする請求項13に記載の製剤。
  15. 【請求項15】更に別の膜が、前記分子量遮断性膜の周
    縁を越えて延在するように上に配置され、その内側面の
    前記不活性層を越えて延在する部分に粘着性物質を含ん
    でおり、当該製剤が粘膜組織に付着するようになってい
    ることを特徴とする請求項7に記載の製剤。
  16. 【請求項16】前記した別の膜も分子量遮断性膜である
    ことを特徴とする請求項15に記載の製剤。
  17. 【請求項17】前記不活性膜の遮断分子量が約100乃至5
    00であり、前記不活性膜の遮断分子量と前記した別の膜
    の遮断分子量とが異なっていることを特徴とする請求項
    16に記載の製剤。
  18. 【請求項18】前記不活性層及び前記した別の層の各々
    が、100乃至500の遮断分子量を有する分子量遮断性膜か
    らなることを特徴とする請求項17に記載の製剤。
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