JP2794827B2 - 水性ペースト状組成物及びその製造法 - Google Patents

水性ペースト状組成物及びその製造法

Info

Publication number
JP2794827B2
JP2794827B2 JP1245650A JP24565089A JP2794827B2 JP 2794827 B2 JP2794827 B2 JP 2794827B2 JP 1245650 A JP1245650 A JP 1245650A JP 24565089 A JP24565089 A JP 24565089A JP 2794827 B2 JP2794827 B2 JP 2794827B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paste
composition
gel
minutes
dietary fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP1245650A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0358770A (ja
Inventor
乙比古 渡部
英雄 加納
茂 山中
敦 沖山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ajinomoto Co Inc
Original Assignee
Ajinomoto Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=27290565&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2794827(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Ajinomoto Co Inc filed Critical Ajinomoto Co Inc
Publication of JPH0358770A publication Critical patent/JPH0358770A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2794827B2 publication Critical patent/JP2794827B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • Seasonings (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、食物繊維を含有する水性ペースト状組成物
に関する。利用分野は、食品、化粧品、工業材料等で広
く素材として使うことが出来る。
(従来の技術及び欠点) 食品分野においては、食物繊維は、炭水化物、タンパ
ク、脂質、ビタミン、ミネラルに次ぐ、第6の栄養素と
しての位置付けで考えられ始め注目を集めている。食物
繊維には、腸内の微生物のフローラの改善、悪性物質の
吸着、腸のぜんどう運動の促進等の効果があるとされて
いる。食物繊維には繊維状のものや微粒子状のものが知
られており、例えば、セルロースの場合は、幅0.015〜
0.02nm、長さ0.5μmの短繊維のものから、粒径数μm
の粒子状のものまで知られていた。
一方、マーガリンに代表されるペースト状の油脂例え
ば、バター、マーガリン、チーズ、ホイップクリーム、
マヨネーズ等々が、その独特の食感を利用して、各種食
品の原料や調理等に使用されている。しかるに、食品分
野では、マーガリン等に代表されるペースト状の油脂類
は、カロリーが高く、肥満、高血圧、心臓病等の遠因と
なるとされている。
化粧品分野においては、クリーム状の外観を呈するペ
ースト状のものが広くつかわれている。これらには、油
脂類が多くつかわれている。しかるに、油脂類を含むク
リームは、肌にぬった時にべとつきを感じ不快であっ
た。
(発明が解決しようとする課題) 前述の欠点を解決する低カロリーで、口あたりが良
く、又皮膚に対しべとべとせず、肌ざわりの良い水性ペ
ースト状組成物を得ることにある。
(課題を解決する為の手段) 本発明者らは、上記の課題を解決する為に、鋭意検討
を重ねた結果、食物繊維を粉砕、部分分解、溶解、溶解
後の再沈澱などの方法を適宜1種以上用いることにより
得られるペースト状の物質は、これを食品の配合したと
き、該食品のもとの食感をそこねることなく、カロリー
を大幅にもしくはゼロにまで低減できること、及び、こ
のペースト状の物質を化粧用クリームに配合することに
より、化粧用クリームを肌にぬった後のべとつき感をな
くすことが出来ることを見出し、本発明を完成するに至
った。すなわち、本発明は、このような水性ペースト状
組成物及びその製造法並びにその利用法を提供する。
本発明でいう食物繊維とは、人間が消化することがほ
とんどできない高分子物質をいう。具体的には、セルロ
ース、ヘミセルロース、再生セルロース及びアセトバク
ター・アセチ・サブスピーシス.キシリナム(Acetobac
ter aceti subsp.xylinum)ATCC 10821,ATCC 10245など
の菌から培養して産出されるセルロースの離解物などの
セルロース類、大豆かす、おから、茶がら、柑橘類の
皮、小麦のふすま、大麦のふすま、ライ麦のすふま及び
エン麦のふすまなどの穀類のふすま、大豆の皮、ゴボウ
繊維、ビートファイバーなどの天然繊維、こんにゃくマ
ンナン、寒天、ペクチン、アルギン酸、カラーギナン等
である。
本発明においては、上記の食物繊維を、大きさを吟味
せずただ単にまぜるだけでは効果なく、ある程度大きさ
を小さくしなければならない。すなわち、形は球状乃至
短繊維状のもので、直径又は長さが5μm以下であり、
望ましくは3μm以下であることが必要である。
これ以上の大きさの食物繊維が含まれるペースト状組
成物は、食べた場合にざらつきがあったり、肌にぬった
場合にざらざら感があったりして不適当である。
上記の形態および大きさのものは、食物繊維を粉砕、
部分分解、溶解、溶解後の再沈澱等の方法を適宜1種類
以上用いることによって得られる。
粉砕の方法は、乾式でも湿式でも市販のミルを用いて
行なうことができる。
部分分解の方法は、酸分解、アルカリ分解、酵素分解
等を単独又は2つ以上組合せて用いればよい。
溶解に用いる溶剤は水系でも有機溶剤系でもよく、適
当なpH、温度、濃度で行なえばよい。これらの溶剤で溶
解した後の再沈澱は、温度、pHの変化、濃縮、他の溶剤
の添加、適当なイオンを添加する等の方法の1種又は2
種以上が適宜用いられる。
例えば、大豆皮を用いて、本発明の水性ペースト状の
組成物を得る為には、以下の様に行なう。
まず、大豆皮を、40mesh/inch程度のふるいを通過で
きるように、粗粉砕する。粗粉砕は、小は市販の電動式
コーヒーミルのようなもので30秒間くらいで行なうこと
もできるし、乳ばちのようなもので行なってもよく、大
は工業用粉砕機を用いてももちろんよい。この粗粉砕物
を0.1〜3%NaOH,KOH等の水溶液中で、70〜100℃で10分
〜2時間程度煮て、タンパク、脂肪分等の成分を除去し
てから、8〜20%程度のNaOH,KOH等の水溶液中で、10分
〜2時間膨潤させた後、0.5〜6規定の塩酸、硫酸、硝
酸、リン酸等を用いて80℃以上で0.5〜3時間加水分解
を行う。これを中和後、残渣を、遠心分離(1,000G以
上、10分間以上)を行なったり、通常の濾紙を用いて濾
過したりして、回収することにより、ペースト状のもの
を得ることが出来る。このペースト状のものの中の固形
分含量は、5〜40%程度で固形分含量が多いものほど硬
いものができ少ないものほどやわらかいものができる
が、用途に応じてこの含量を選べばよい。
本発明の水性ペーストに関しては、水性とは水のみで
も良いがこの他に目的に応じて水溶性有機溶媒、例えば
エチルアルコール、グリセリン等や界面活性剤を、又食
品や化粧品以外の用途で例えば洗剤等に使用する場合に
は、界面活性剤の他、有機酸や無機酸、殺菌剤成分例え
ば石灰酸等を適宜配合することができる。この他、用途
により適宜香料、顔料、着色剤を加えることは何ら差し
支えない。
さて、上述の水性ペースト状組成物に含有される食物
繊維は、適当な形態及び大きさのものが直接にそのよう
な水性ペースト状組成物に含有されているのに対し、以
下に詳述するように食物繊維がハイドロゲルの状態で含
有されていても同様の性質を有する水性ペースト状組成
物を形成する。
すなわち、粒径が80μm以下のハイドロゲル中の食物
繊維含量が5〜40重量%であることを特徴とする水性ペ
ースト状組成物であって、換言すれば、この水性ペース
ト状組成物には食物繊維は粒径が80μm以下のハイドロ
ゲルの状態で含有され、しかも組成物全体に占める食物
繊維の固形分は5〜40重量%である。ハイドロゲルの粒
径が80μm以上であるとなめらかさに欠け、また組成物
全体に占める食物繊維の固形分の範囲は流動性の観点か
ら決められた。
この水性ペースト状組成物には、増粘剤が配合されて
いてもよく、油脂が配合されかつ増粘剤が配合されてい
てもよく、水が添加されかつ増粘剤及び/又は乳化剤が
配合されていてもよく、油脂が配合され、水が添加され
ており、かつ乳化剤及び/又は増粘剤が配合されていて
もよい。
食物繊維のハイドロゲルとしては、コンニャクゲル、
寒天ゲル、ペクチン−Ca又はMgゲル、アルギン酸−Ca又
はMgゲル及びカラギーナン−Ca又はMgゲルの1種又は2
種以上の混合物が好ましい。ここに、コンニャクゲル
は、いわゆるコンニャクで、こんにゃくマンナンを水に
溶かし、アルカリでゲル化させたものであり、寒天ゲル
はいわゆる寒天で、テングサの粘漿を凍結、乾燥したゼ
ラチン透明膜又は粉末より製造されたゲルであり、ペク
チン−Ca又はMgゲル、アルギン酸−Ca又はMgゲル及びカ
ラギーナン−Ca又はMgゲルは、それぞれ、ペクチン、ア
ルギン酸及びカラギーナンを水に溶かし、Caイオン又は
Mgイオンで架橋したゲルである。
このような食物繊維のハイドロゲルは、水性ペースト
状組成物中においては前述のように粒径80μm以下であ
り、好ましくは50μm以下である。
食物繊維をハイドロゲルの状態で含有し、更に前述の
ように、増粘剤、油脂、乳化剤、水等を所望に応じて添
加された水性ペースト状組成物は、例えばアイスクリー
ム、マヨネーズなどのペースト状食品に配合することが
でき、このような配合によりそのようなペースト状食品
にオイリーな滑らかな食感が付与される。
上記の粒径が80μm以下の食物繊維のハイドロゲル
の、食物繊維含量が5〜40重量%であることを特徴とす
る水性ペースト状組成物は、例えば、次のようにして製
造することができる。すなわち、粒径が80μm以下とな
るように、食物繊維のハイドロゲルを粉砕し、得られた
粉砕物を必要により酸化水分解する。酸加水分解した場
合は、中和し、生成する塩を除去することは勿論であ
る。
これをコンニャクゲルを例にとって詳しく説明する。
市販のいわゆるコンニャクは固形分含量約3%以下であ
る。これに必要により水を加えて機械的に粉砕する。こ
のような機械的粉砕では、平均粒径約40μm程度までに
は容易に微細化できる。このようにして得られた微細化
物は、そのままではシャバシャバな状態でペーストとは
いえない。これを適当に濃縮すると初めて水性ペースト
状組成物となる。いわゆるコンニャクとして固形分含量
の多い固いコンニャクを使用すれば、濃縮をしなくても
水性ペースト状組成物が得られる。
所望により、酸加水分解を加える。酸加水分解では、
1μm程度までにも容易に微細化できる。酸加水分解し
た場合は、当然のことながら加水分解物を中和し、生成
した塩を除去する。酸としては、硫酸、塩酸等の鉱酸で
も酢酸等の有機酸でも、いずれも使用可能である。酸の
強弱に応じてゲルの加水分解の温度及び時間を調節すれ
ば所望の加水分解度従って所望の粒径のゲルを得ること
ができ、ひいては目的の水性ペースト状組成物が得られ
る。
このような水性ペースト状組成物の原料である食物繊
維の好ましいハイドロゲルとしては、コンニャクゲル、
寒天ゲル、ペクチン−Ca又はMgゲル、アルギン酸−Ca又
はMgゲル及びカラギーナン−Ca又はMgゲルの1種又は2
種以上の混合物がある。
なお、本明細書において別異に解されない限り、単に
%及び部とあるは、それぞれ、重量%及び重量部を意味
する。
実施例 1 酢酸菌Acetobacter aceti subsp.xylinum ATCC10821
をシュクローズ5g/dl、酵母エキス0.5g/dl、リン酸1カ
リウム0.3g/dl、硫酸アンモニウム0.5g/dl、硫酸マグネ
シウム7水塩0.05g/dl、pH5.0の組成の液体培地で25
℃、1か月間静置培養し、セルロースを約0.5%含有す
るゲル状の膜を得た。この膜を洗浄し培地と菌体を除い
た純粋なゲル状のセルロースを得た。
このゲル状のセルロースを市販のミキサーで3,000rp
m、5分間粉砕し懸濁液とした。この懸濁液を4分し、
それぞれに10,12,15,20%の水酸化ナトリウムを加え
て、1時間浸漬してから中和し、3規定の塩酸で100℃
で1時間部分分解した。これらをそれぞれ中和してから
1晩透析して塩を除いた後に3,000Gで20分間遠心分離
し、4種類のペースト状の沈澱物を得た。
これらのペースト状の物質の一部をとり乾燥すること
により固型分(ここでは食物繊維であるセルロース)含
量を求めると、約10〜12%であった。食物繊維は棒状
で、透過型電子顕微鏡観察によれば長さ1μm以下であ
った。
これら4種類のペーストの各82部に対して、それぞ
れ、牛乳16部、食塩1.5部、バターフレーバー0.03部、
β−カロチン0.005部を加え、混合した。
これらを市販マーガリンとパンにぬって比較した。結
果を表1に示した。
酸分解前の水酸化ナトリウムの処理濃度12%以上で好
結果が得られた。
実施例 2 結晶セルロース「アビセル FD」(旭化成工業(株)
製)10gをpH5.0の0.1M酢酸バッファー500mlに懸濁した
液に、セルラーゼオノツカを5g加え、37℃で24時間とき
どき撹拌しながら反応させた。この後、遠心分離(3,00
0G、20分間)と水洗をくりかえして、反応生成物から糖
などの水溶性物質を除去して、ペースト状のものを得
た。
このペースト状物質の固形分含量は約23%であった。
食物繊維は棒状で、長さ3μm以下であった。
実施例 3 ナツミカンの内皮を2容の「エクセルオートホモジ
ナイザー」(日本精機製)で3,000rpm、3分間ミキサー
で砕いた後、10倍量の2%NaOH中で120℃で煮て、可溶
性部分を取りのぞいた。中和後、12%のNaOH溶液中で90
℃で60分間加熱した。このとき若干の収縮が見られた。
これを中和水洗後、3N HCl中に入れて、95℃で1時間加
熱し、部分加水分解を行ない、遠心分離(5,000G、10分
間)、水洗をくりかえし、褐色のペースト状の物質を得
た。
固形分含量は、約20%であった。食物繊維は棒状で、
長さ5μm以下であった。
実施例 4 市販のコンニャクマンナン(こんにゃく粉)1部を10
0部の水に溶解しコロイド状の溶液を調製した。この溶
液とポリグリセリン脂肪酸系界面活性剤「CR−500」
(阪本薬品製)を2%の濃度で溶解したヘキサンとを1:
1で混合し、ホモミキサーを用いてW/Oエマルジョンを形
成させた。この後ヘキサンを80℃で減圧乾燥させペース
ト状の組成物を得た。
固形分含量は、約11%であった。
実施例 5 真空乾燥した「おから」50gを微粉砕機「National Co
oking Mixer Mini Cup」(松下電器産業(株)製)で30
秒間微粉砕した。
これを2N水酸化ナトリウム1中に懸濁し、100℃で
2時間処理し、10℃に冷却後遠心分離機(トミー製)を
用いて、1,000G、10分間遠心し、不溶物質を回収した。
これをダイノーミル(Willy A.Bachofen Manufacturing
Engineers、Basel5/Switzerland、KDL型ガラスビーズ
0.10mmφ、回転速度4,500rpm、処理時間15分)で処理し
た。得られた処理物を塩酸で2Nにし、100℃で30分間処
理した。水酸化ナトリウム水溶液で中和した。中和した
液を遠心分離機(2,000G、10分)で処理し、超微粉砕し
たおからをあつめた。これを再び市水に懸濁し遠心分離
機(2,000G、10分)で処理し洗浄した。この操作を数度
くり返し、50gのペースト状物質を得た。
固形分含量は約20%であった。又、食物繊維は棒状
で、長さは5μm以下であった。
実施例 6 「大豆皮」を100g用い、実施例5とまったく同様の方
法で、ペースト状物質400gを得た。
固形分含量は約17%であった。又、食物繊維は棒状
で、長さは5μm以下であった。
実施例 7 「お茶ガラ」10gを用い、実施例5とまったく同様の
方法で、ペースト状物質30gを得た。
固形分含量は約18%であった。又、食物繊維は棒状
で、長さは5μm以下であった。
実施例 8〜11 風乾した小麦のふすま、大麦のふすま、ライ麦のふす
ま、エン麦のふすまを各々、100gずつ微粉砕機「Nation
al Cooking Mixer Mini Cup」で3分間微粉砕した。
これら粉砕物を、50メッシュ(mesh/inch)のふるい
にかけ、未粉砕部分を取り除いた。
これらを各々1.5規定水酸化ナトリウム3中に懸濁
し、90℃で1時間処理し、塩酸で中和後、ワットマン3M
M濾紙を用いて吸引濾過により不溶性残渣を回収した。
残渣に各々1の水を加え懸濁後再び前記と同様に吸引
濾過を行った。得られた残渣を各々2の水に懸濁後ダ
イノーミル(Willy A.Bachofen Manufacturing Enginee
rs、Basel5/Switzerland、KDL型ガラスビーズ0.10mm
φ、回転速度4,500rpm、処理時間20分)で処理した。こ
れらの処理液からガラスビーズをデカンテーションで分
離してから、遠心分離機(トミー製)を用いて、3,000G
で20分間遠心し、不溶物質を回収した。
これらの不溶物質に、各々、2規定の塩酸を1加
え、95℃で1時間処理した。これらを水酸化ナトリウム
水溶液で中和した。中和した液を遠心分離(10,000G、2
0分)を行ない、超微粉砕された物質を得た。これらを
再び1の水に懸濁し、遠心分離(10,000G、10分)行
ない、水洗浄した。この操作を数回くりかえし、各々約
120g、105g、95g、130gのペースト状物質を得た。
各ペースト状物質の固形分は、それぞれ、15%、19
%、16%及び16%で、食物繊維は、いずれも棒状で、長
さ5μm以下であった。
これらの4種類のペースト状物質について、実施例1
に述べた方法でマーガリンとの比較を行なったところ、
マーガリンらしい食感が得られることがわかった。
実施例 12 実施例2〜5で得られたペースト状物質を実施例1と
同様にバターフレーバー、βカロチン、食塩、牛乳と配
合し、マーガリン様物質を得た。このものを、実施例1
で得られたマーガリン様物質と比較した。さらに各種物
質を1対1で混合した場合も比較した。結果を表2に示
した。
実施例 13 実施例1で得られたペースト状物質を、市販のハンド
クリーム(カネボウ社製の「ニューキチンクリーム」)
と表3のごとく配合して肌にぬった。
本発明品の配合により、べとつきがなくなった。
実施例 14 市販のコンニャク100gを水900mlと果物ジュース製造
用ミキサーを用いて混合した(3,000rpm、3分間)。こ
のものを80〜95℃で30分間加熱した後、3,000Gで15分間
遠心分離を行ない沈澱物を集め、1の水に懸濁した。
これに0.1N HClを約7ml加えてpHを1に調節した。この
ものを120℃で30分間オートクレーブした。これを0.1N
NaOHを用いて中和後、3,000Gで15分間遠心分離を行な
い、ペースト状物を得た。
固形分含量は約12%であった。又、ハイドロゲルの粒
径は35μm以下であった。
実施例 15 市販のコンニャク4丁をサイコロ状に切り、水2kgを
加え、ミキサー(オステライザー)で5分間粉砕した。
これに濃塩酸1kgを加え、65℃で2.5時間加水分解を行
い、水酸化ナトリウムで中和後、遠心分離(13,000G、
5分間)して沈澱を集めた。この沈澱を再度水に懸濁し
た後、同様に遠心分離をくり返し、無味無臭のペースト
状物質(本発明品)100gを得た。
このペースト状物質の固型分(食物繊維)含量は12%
であった。又、このペースト状物質のハイドロゲルの平
均粒径は20μmであり(堀場製作所製レーザー回折式粒
度分布測定装置「LA−500」による)、非常にオイリー
な物性をしていた。
このペースト状物質34部、コーン油40部、卵黄・スパ
イスミックス19部、酢7部のレシピーで作ったマヨネー
ズ(これもまた本発明品)は、通常のマヨネーズと殆ど
食感上の差異はなく、しかも40%のカロリーダウンとな
った。比較のために、コーン油74部、卵黄・スパイスミ
ックス19部、酢7部のレシピーでマヨネーズを作った
(コントロール)。
2種のマヨネーズを30名の消費者パネルに試食させ好
ましい方を選択させた結果は、本発明のマヨネーズを好
ましいとして選んだ者は24名、コントロールのマヨネー
ズを選んだ者は5名、どちらとも言えないとした者は1
名であった。
この結果から、本発明のペースト状物質を用いたマヨ
ネーズはおいしく、しかも低カロリーということで消費
者の受容性があることがわかった。
実施例 16 市販のコンニャク4丁をサイコロ状に切り、水1kgを
加え、ミキサー「オステライザー」で5分間粉砕した
後、バーチスホモジナイザー(マルト商会扱い)で40,0
00rpmで10分間処理した。これを遠心分離(12,000G、5
分間)して得られたペースト状物質は固型分含量10%、
ハイドロゲルの平均粒径は40μmであり、なめらかな物
性であった。
このペースト状物質32部、脱脂粉乳11部、砂糖11部、
水飴8部、卵黄1部、生クリーム0.5部、ゼラチン0.3
部、タマリンドガム0.2部、ローカストビーンガム0.1
部、バニラフレーバー0.2部、水35.7部のレシピーで作
ったアイスクリームは、超高級アイスクリームとほぼ同
じ食感で、しかも60%のカロリーダウンとなった。
実施例 17 粉末寒天4gを400mlの水に溶かし、沸騰させてから容
器に流し込み冷やして寒天ゲルを得た。このゲルをダイ
ノーミル(ガラスビーズ0.50mmφおよび0.25mmφ、1,50
0rpm、各々2サイクル処理)で微細化、遠心分離(12,0
00G、5分間)して、固型分含量13%、ハイドロゲルの
平均粒径50μmのなめらかなペースト状物質を得た。
このペースト状物質75部、ホイップクリーム10部、ア
スパルテーム0.1部、レモンオイル0.1部、水15部のレシ
ピーで作ったスプレッドは、なめらかで低カロリーであ
った。
このスプレッドを訓練された20名のパネルで官能評価
(5点満点)を行なった結果は表4のとおりであった。
平均評点は4.1であり、上記の本発明のペースト状物
質が好ましい食品素材であることが示された。
実施例 18 0.5%アルギン酸ナトリウム(国産化学社製)水溶液
を定流ポンプを用いて2%塩化カルシウム水溶液中にゆ
っくりと滴下した。滴下後30分間静置して粒子が十分な
強度になってからこの球状ゲルを水洗し、等量加水後、
ミキサー「オステライザー」で2分間粉砕した。この懸
濁液に等量の濃塩酸を加え、50℃で3時間加水分解を行
い、水酸化ナトリウムで中和後遠心分離(13,000G、5
分間)して沈澱を集めた。この沈澱を再度水に懸濁した
後、同様に遠心分離をくり返し、無味無臭のペースト状
物質を得た。
このペースト状物質の固型分含量は11%、ハイドロゲ
ルの平均粒径は30μmであり、オイリーな物性をしてい
た。
訓練された20名のパネルでこのペースト状物質の官能
評価を行なった結果は表5のとおりで、オイリーな食感
と評価された。
実施例 19 1%ペクチン(ユニペクチン社製LM−SN−325)水溶
液を定流ポンプを用いて2%乳酸カルシウム水溶液中に
ゆっくり滴下した。
滴下後30分間静置して、粒子が十分な強度になってか
らこの球状ゲルを水洗し、等量加水後、ミキサー(オス
テライザー)で2分間粉砕した。この懸濁液に等量の濃
塩酸を加え、50℃で3時間加水分解を行い、水酸化ナト
リウムで中和後、遠心分離(13,000G、5分間)して沈
澱を集めた。この沈澱を再度水に懸濁した後同様に遠心
分離をくり返し無味無臭のペースト状物質を得た このペースト状物質の固型分含量は13%、ハイドロゲ
ルの平均粒径は35μmであった。
このペースト状物質20部、砂糖5部、食塩2.5部、調
味料・香辛料5部、酢13部、水54.5部のレシピーで作っ
たドレッシングは、口あたりが良く、低カロリーであっ
た。
実施例 20 市販のコンニャクマンナン(こんにゃく粉)1部及び
塩化カルシウム1部を各々100部の水に溶解し、コロイ
ド状の溶液を調製した。この溶液と界面活性剤「CR−50
0」を2%の濃度で溶解したヘキサン200部とを混合して
から「エクセルオートホモジナイザー」を用いて3,000r
pmで20分間撹拌してW/Oエマルジョンを形成させた。こ
の混合液を引続き撹拌しながら、混合液に対して6規定
の水酸化ナトリウム3部を5分間かけて滴下した。この
まま約50℃まで加熱し30分間放置して室温に冷却後3日
間放置してから塩酸を徐々に滴下して中和した。中和液
を遠心分離と水添加を繰り返すことにより脱塩を行なっ
た。これを遠心後沈澱物の残留ヘキサンを蒸発させペー
スト状の組成物を得た。
このペースト状の組成物を光学顕微鏡で観察したとこ
ろ直径0.5ないし5μmの球状のコンニャクゲルが観察
された。固形分含量は5.3%であった。
実施例 21 市販のコンニャクマンナン(こんにゃく粉)1部、塩
化カルシウム1部を各々100部の水に溶解し、コロイド
状の溶液を調製した。この溶液を90℃に加温後「エクセ
ルオートホモジナイザー」を用いて3,000rpmで撹拌しな
がら6規定の水酸化ナトリウム1部を5分間かけて滴下
した。このまま温度を約80℃に保持し30分間放置した。
室温に冷却後、塩酸を徐々に滴下して中和した。中和液
を遠心分離と水添加を繰り返すことにより脱塩と沈澱物
の回収を行なった。
この沈澱物は、ペースト状の触感を呈した。ハイドロ
ゲルは棒状で、その長さは5μm以下であった。固形分
含量は5.6%であった。
実施例 22 市販のコンニャクマンナン(こんにゃく粉)1部を10
0部の水に溶解しコロイド状の溶液を調製した。このコ
ロイド状の溶液を、「ヤマトウルトラディスパーサー」
(ヤマト科学製)を用いて激しく撹拌している90℃の4
%Ca(OH)水懸濁液200部の中に滴加した。滴下終了
後撹拌をさらに20分間行なった。室温に冷却後これを1
0,000G、40分間遠心分離することにより沈澱物を得た。
この沈澱物を遠心分離と水懸濁を繰り返すことにより水
洗浄した。得られた沈澱物を光学顕微鏡で観察すると幅
1μmの繊維状コンニャクゲルが認められた。
この繊維状コンニャクゲルを固形分濃度0.1%で水に
懸濁後、塩酸を用いてpH1に調製し、120℃、30分間オー
トクレーブした。
これを中和後、遠心分離によりペースト状の組成物を
得た。固形分含量は5.5%で、ハイドロゲルは棒状で、
長さ5μm以下であった。
(発明の効果) 本発明の食物繊維を含むペースト状の物質をマーガリ
ン等の油脂類代替物として用いることによりカロリーの
低減が可能となる。又、このようなペースト状物質を使
用してペースト状食品を製造すると、このような食品に
オイリーな滑らかな食感を与える。
肌にぬるクリームとして用いた場合には、べとつきの
ないさらっとした感触のものが得られる。
もちろん、本発明の水性ペースト状組成物は、ペース
ト状食品製造の素材として使用できるのみならず、パ
ン、菓子、ウドン・ソバなどの麺類、パスタ類、魚畜肉
製品等の非ペースト状食品製造の素材としても好適に利
用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沖山 敦 神奈川県川崎市川崎区鈴木町1―1 味 の素株式会社中央研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/308

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】直径又は長さが5μm以下の球状又は繊維
    状食物繊維5〜40重量%を含有することを特徴とする水
    性ペースト状食品用組成物。
  2. 【請求項2】食物繊維がセルロース、ヘミセルロース、
    再生セルロース、大豆かす、おから、茶がら、柑橘類の
    皮、穀類のふすま、大豆皮、ゴボウ繊維及びビートファ
    イバーより選ばれる少なくとも1種以上を含む請求項1
    記載の水性ペースト状食品用組成物。
  3. 【請求項3】粒径が80μm以下のハイドロゲル中の食物
    繊維含量が5〜40重量%であることを特徴とする水性ペ
    ースト状食品用組成物。
  4. 【請求項4】ハイドロゲルの粒径が50μm以下である請
    求項3のペースト状食品用組成物。
  5. 【請求項5】ハイドロゲルがコンニャクゲル、寒天ゲ
    ル、ペクチン−Ca又はMgゲル、アルギン酸−Ca又はMgゲ
    ル及びカラギーナン−Ca又はMgゲルの1種又は2種以上
    の混合物である請求項3または4の水性ペースト状食品
    用組成物。
  6. 【請求項6】請求項1〜4のいずれかの水性ペースト状
    組成物を素材の1つとして使用して製造した食品。
  7. 【請求項7】該食品がペースト状である請求項6の食
    品。
JP1245650A 1988-10-07 1989-09-21 水性ペースト状組成物及びその製造法 Expired - Fee Related JP2794827B2 (ja)

Applications Claiming Priority (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63-253490 1988-10-07
JP25349088 1988-10-07
JP4067289 1989-02-21
JP1-40672 1989-02-21
JP1-96780 1989-04-17
JP9678089 1989-04-17

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10052022A Division JPH10212227A (ja) 1988-10-07 1998-03-04 水性ペースト状組成物及びその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0358770A JPH0358770A (ja) 1991-03-13
JP2794827B2 true JP2794827B2 (ja) 1998-09-10

Family

ID=27290565

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1245650A Expired - Fee Related JP2794827B2 (ja) 1988-10-07 1989-09-21 水性ペースト状組成物及びその製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2794827B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101687608B1 (ko) * 2015-08-25 2016-12-19 충남대학교산학협력단 습식미세화된 귤류박 또는 오렌지류박을 포함하는 하이드로겔, 이의 적층 시트 및 이의 제조 방법

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3313114B2 (ja) * 1992-06-16 2002-08-12 不二製油株式会社 乳化剤及び乳化組成物並びに粉末化組成物
JP3331567B2 (ja) * 1993-08-05 2002-10-07 味の素株式会社 食品用ペースト、その製造方法及びそれを含む食品
DE102005058704B3 (de) * 2005-12-08 2007-07-12 Multitest Elektronische Systeme Gmbh Führungsbahn für elektronische Bauelemente
JP4616164B2 (ja) * 2005-12-21 2011-01-19 伊那食品工業株式会社 酸性pH域の素材含有寒天組成物、酸凝集変性抑制組成物及び酸凝集変性食品
JP4627265B2 (ja) * 2006-02-06 2011-02-09 オリエンタル酵母工業株式会社 ゼリー入り油脂加工品
JP2009131188A (ja) * 2007-11-29 2009-06-18 Ohkawa Ltd ペースト状食品素材及びその製造方法、及び加工食品
JP5510334B2 (ja) * 2008-11-06 2014-06-04 不二製油株式会社 洗浄剤組成物
JP5357716B2 (ja) * 2009-11-26 2013-12-04 株式会社ミツカングループ本社 ゴマ及び/またはゴマ香料含有液状食品
JP5835951B2 (ja) * 2011-06-13 2015-12-24 蒟蒻屋本舗株式会社 化粧品およびその製造方法、並びに油水相分離抑制剤
JP6539792B1 (ja) 2017-08-24 2019-07-03 株式会社Mizkan Holdings 液状又は半固体状乳化調味料及びその製造法、風味改善方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101687608B1 (ko) * 2015-08-25 2016-12-19 충남대학교산학협력단 습식미세화된 귤류박 또는 오렌지류박을 포함하는 하이드로겔, 이의 적층 시트 및 이의 제조 방법
WO2017034115A1 (ko) * 2015-08-25 2017-03-02 충남대학교 산학협력단 습식미세화된 귤류박 또는 오렌지류박을 포함하는 하이드로겔, 이의 적층 시트 및 이의 제조 방법

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0358770A (ja) 1991-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5690981A (en) Low calorie foodstuff, aqueous paste composition, as well as production process thereof
CA3094101C (en) Sea weed-based powder
US7910150B2 (en) Water-soluble dietary fiber-containing composition and method for preparing same
JP5978418B2 (ja) セルロース組成物
US6207194B1 (en) Pectin process and composition
JP5938609B2 (ja) バッター用プレミックス
JP2794827B2 (ja) 水性ペースト状組成物及びその製造法
JP2010508026A (ja) 食品のための改善された増粘組成物
JP4117818B2 (ja) 崩壊性セルロース含有食品組成物
JP3213648B2 (ja) 水溶性多糖の製造方法
JP2004180516A (ja) 菓子及びその製造法
JPH10212227A (ja) 水性ペースト状組成物及びその製造法
JP2004248536A (ja) 耐熱性ゲル
JP3830112B2 (ja) セルロース含有複合体
JP3665010B2 (ja) 微細セルロース含有複合体を配合してなる食品組成物
JP6596262B2 (ja) 揚げ菓子
JP2002187842A (ja) ケール加工品およびその加工方法
JPH0586227A (ja) 水溶性食物繊維コンプレツクス及びこれを含む食品組成物
CA3151282A1 (en) Seaweed-based composition
JP2008067682A (ja) 食品の製造方法
JPH0517503A (ja) 水溶性ヘミセルロースおよび水溶性ヘミセルロース含有食品
JP2000333593A (ja) ドーナツの製造法
JP2004024155A (ja) 麺質改良剤及び麺類の製造方法
JPH10168097A (ja) 糖質−蛋白質複合体およびその製造法
WO2024019023A1 (ja) キノコ類を原料としたハイドロコロイドの製造方法、キノコ粉製造方法、キノコ類を原料としたハイドロコロイド、及びキノコ粉

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees