JP2790848B2 - 湿式画像形成方法 - Google Patents

湿式画像形成方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は湿式画像形成方法に関する。
(従来の技術) 湿式画像形成装置、例えば、所謂湿式複写機として、
液体現像剤を用いて潜像を可視像化する現像装置と、こ
の現像装置により可視像化されたトナー像を転写紙に転
写する転写手段と、この転写手段によりトナー像を転写
された転写紙のトナー像転写面側に接触してトナー像を
定着させる加熱ローラを具備した定着装置を有するもの
がある。
(発明が解決しようとする課題) 従来の湿式複写機に用いられている液体現像剤は普通
紙においては何ら支障はなく鮮明な定着画像を得ること
ができるが、オーバーヘッドプロジェクター用の所謂O.
H.P用フィルム、第2原図用紙、アート紙などの現像液
の浸み込みにくい特殊紙では鮮明な定着画像を得られな
いとの問題がある。
これは、転写紙のトナー像の転写面側に加熱ローラを
直接接触させて定着を行なうため、これら現像液の浸み
込みにくい特殊紙ではトナーが流動状となり画像が流れ
てしまうためである。この結果、判読不能の画像となっ
てしまう。
因みに、定着直前のトナー像中における溶剤の残存の
程度と画像流れとの関係を調べた結果を表−1に示す。
この表−1において、1〜5の数字は画像流れの程度
(ランク)を示す。つまり、画像が完全に流れ、文字が
読みにくい程度を1、画像がやや流れ、ベタ濃度が低い
程度を2、画像流れは少ないがベタ像中の文字がにじん
でいる程度を3、画像流れは殆どなく、ベタ像中の文字
がややにじむ程度を4、画像流れは全くなく、ベタ像中
の文字もしっかりしている程度を5でそれぞれ表してい
る。
なお、O.H.P.用フィルムとしてはリコー製TYPE.PPC−
DX,第2図原図用紙としてはリコー製TYPE.TA,アート紙
としては両面コート紙を用いた。また定着温度は140±1
0℃に設定し、かつ通紙線速は350mm/secとした。
表−1から明らかなように溶剤残存率が65%以上だけ
特殊紙の中でも、O.H.P.用フィルムや第2原図用紙で
は、少ないものの、画像の流れが認められ、良好な画像
は得られない。
前記した全ての特殊紙について画像流れのない画像を
得るには溶剤残存率を60%以下、好ましくは55%以下に
する必要がある。そのための手段としては定着前に予め
加熱手段で加熱する方法がある。この加熱手段で特殊紙
を予め加熱してやれば溶剤残存率は低くなり画像流れは
生じない。ところが、その直後に転写紙を特殊紙から普
通紙に切換え、普通紙を通紙すると、加熱手段を残熱が
作用して普通紙上の溶剤残存率が必要量以下に低下し、
特に普通紙の中でも平滑性が低い紙種については溶剤不
足のため画像むらを生ずるおそれがある。これを避ける
には加熱手段の温度制御をきめ細かく行なわねばならず
そのための温度制御手段を付帯しなければならない等装
置構造が複雑になるとの問題がある。
本発明は、簡単な構成で特殊紙、普通紙何れについて
も良好な定着画像を得ることのできる湿式画像形成方法
を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成するために、本発明の湿式画像形成方
法においては、現像装置により液体現像剤を用いて潜像
を可視像化し、この可視像化されたトナー像を転写手段
で転写紙に転写し、この転写後の転写紙のトナー像転写
面側に定着装置の加熱ローラを接触させてトナー像を定
着させて定着画像を得る湿式画像形成方法において、前
記転写紙の紙種に応じて前記現像剤K1、K2を選択使用す
ることとし、前記現像剤K2が前記現像剤K1よりも粘度が
低く、蒸発し易い性質のものを用い、前記転写紙が現像
剤の浸み込みにくい紙のときは前記現像剤K2を用いると
ともに定着前に非加熱的に転写紙の現像剤残存率を低減
させるブロッターローラを経由させて前記定着装置に向
けて搬送し前記転写紙が普通紙のときは前記現像剤K1を
用いるとともに前記ブロッターローラを経由させないで
前記定着装置に向けて搬送することとした。
(作用) 転写の紙種に応じ、定着前の溶剤残存率を、画像流れ
を生じない所定レベルにできる現像剤を適宜選択して現
像を行なうことができる。
(実施例) 第1図により、転写式電子写真装置についての本発明
の実施例を説明する。
図において符号1は感光体ドラムを示し、転写時には
一定の速度で矢印の方向へ回転駆動される。そして、メ
インチャージャ2により暗中にて一様に帯電された後、
図示を省略した露光装置により原稿光像3が照射結像さ
れて静電潜像が担持される。
次に、この静電潜像はイレーサ4により感光体ドラム
軸方向両側よりの作像領域外部分が除電される。
さらに、この静電潜像は湿式現像装置5の部分を通過
する前に可視像化される。一方、図示を省略した給紙装
置から破線矢印にて示す如く搬送ローラ6を介して転写
紙Qが給送されてきて、この転写紙上に上記可視像化さ
れたトナー像が転写される。
この転写紙Qは、特殊紙ならばその現像剤の特性から
ブロッターローラ7を経由させ、普通紙なら経由させな
いで送る。このブロッターローラ7は定着装置に至る前
に非加熱的に溶剤残存率を低減させる一手段である。
ブロッターローラ7は感光体ドラム1の周囲にスポン
ジローラ8と接触して回転可能に配設されており、転写
手段としての転写チャージャ9によって転写されて送ら
れてくる前記転写紙Qの未定着トナー中に残存している
溶剤を絞り取って吸収する機能を有している。ブロッタ
ーローラ7の材質としては例えば、コットンを用いた不
織布が好ましい。
また、このブロッターローラ7の表面にはクリーニン
グパッド10が接触している。
特殊紙について、ブロッターローラ7を通すのは、特
殊紙に用いられる現像剤が、従来の如く絞り取られやす
い性質を有しているからである。普通紙については元
来、画像流れはないのであるからブロッターローラを用
いる必要がない。
転写紙Qが特殊紙の場合、この転写紙はブロッターロ
ーラ7とローラ8のニップに入り込み、このニップを通
過する際にブロッターローラ7によりトナー中の溶剤が
絞り取られる。溶剤が絞り取られた転写紙Qはニップを
通過した後、搬送ベルト11により送られ、加熱ローラ12
と加圧ローラ13が配置された定着装置14で、両ローラの
ニップを通過する際、加熱ローラ12のヒータHからの熱
を受け、トナー像が定着されたうえ、図示省略の排紙ト
レイへ向けて排出される。
一方、画像転写後の感光体ドラム1はクリーニングユ
ニット15の部分を通過する間に残留トナーが除去され、
除電ランプ又は除電チャージャによる除電器16で残留電
位が除去されて、次の複写に備えられる。
上記湿式現像装置5においては、現像容器51内に第1
現像ローラ52、第2現像ローラ53及びスクイズローラ54
が感光体ドラム1と近接対向して配置されている。因み
に、第1現像ローラ52、第2現像ローラ53は各々感光体
ドラム1の表面と微小間隔、例えば0.1mmをおいて保持
され、矢印で示す如く感光体ドラムの周面の移動方向と
同一の方向であってより速い速度で回転駆動される。現
像容器51に一端が固定されている清掃部材たる各スクレ
ーパ55は各現像ローラに当接して常に現像ローラ上のト
ナーを清掃する。
現像剤は第1現像ローラ52の上方に開口している現像
液供給ノズル17により流下供給される。先ず、この現像
剤は第1現像ローラ52、第2現像ローラ53により均一に
感光体ドラム1に運ばれ、静電潜像の現像に供される。
感光体ドラム1上の残余の現像剤は上記ローラと逆方向
に回転するスクイズローラ54により掻き落される。スク
イズローラ54の表面もスクレーパ11で清掃される。そし
て、これら現像に供された余りの現像剤は現像容器51の
下部に設けられた回収穴56により現像タンクへ回収され
る。
現像タンクは、符号18で示す第1タンクと、符号19で
示す第2タンク二つが用意されている。第1タンク18に
はエッソスタンダード社製Isopar L(商品名)からなる
溶剤に入った現像剤K1、第2タンクにはエッソスタンダ
ード社製Isopar G(商品名)からなる溶剤の入った現像
剤K2がそれぞれ収容される。
Isopar Gを用いた場合はIsopar Lに比べ、粘度が低
いので定着装置14前のブロッターローラ7に吸収され易
い、蒸発し易いのでブロッターローラ7の寿命が延び
る等の違いを生ずる。
現像に際してどちらの溶剤が含まれる現像剤を用いる
かは転写紙の紙種及び転写後の複写物の使用目的に応じ
て決定される。
本例では、普通紙の現像を行なう場合はIsopar Lの溶
剤入った現像剤を用い、現像液の浸み込みにくい特殊紙
の現像を行なう場合は画像流れを生じにくいIsopar Gの
溶剤が入った現像剤を用いて現像を行なう。
このように特性の異なる二種類の溶剤を用いた現像剤
を複写に際しての転写紙の紙種に合わせて適宜選択して
使用するべく、図示省略の操作パネル上にはセレクトス
イッチを配置して手動操作切換可能とした。このセレク
トスイッチはそのセレクト位置に応じて、第1タンク18
に設けられた第1ポンプP1を駆動させる第1モータM1、
或いは第2タンク19に設けられた第2ポンプP2を駆動さ
せる第2モータM2を選択的に起動・停止させる。
第1ポンプP1が駆動された場合には第1タンク18内の
現像剤K1が供給管20を介して現像剤供給ノズル17へ導か
れる。また、第2ポンプP2が駆動された場合には第2タ
ンク19内の現像剤K2が供給管21を介して現像剤供給ノズ
ル17へ導かれる。そして、現像に供された残りの現像剤
は、前記した回収穴56に流入し、回収管22を介して電磁
多方向切換弁23に導かれる。この切換弁23は前記セレク
トスイッチと連動していて、セレクトスイッチが第1ポ
ンプP1を駆動するときには、一端が第1タンク18に開口
している管と、上記回収管22とが連通状態に切換えられ
る。
また、セレクトスイッチの指示で第2ポンプP2が駆動
されるときには、一端が第2タンク19に開口している管
25と上記回収管22とが連通状態に切換えられる。このよ
うにして紙種及び用途に応じた現像剤で現像を行ない、
定着の後、所望の定着画像を得る。上記供給管20,21、
第1ポンプP1、第2ポンプP2、第1モータM1、第2モー
タM2は各現像タンクの現像剤を選択的に現像装置に供給
する供給手段の一例である。
ここで、現像剤K1、現像剤K2を用いてO.H.P.用フィル
ムに画像形成した場合の画像流れの状態及びブロッター
ローラの寿命について実験したデータ、表−2について
検討してみる。
表−2において、O.H.P.用フィルムに対し、現像剤K1
を用いた場合はやや画像流れが認められるが現像剤K2を
使用した場合は画像流れは全く認められない。
一方、ブロッターローラ7の寿命については、現像剤
K1では20枚程度まで可能であるが現像剤K2だけ250枚ま
で可能であり実使用において支障はない。よって、ブロ
ッターローラに対しても現像剤K2は吸着効果が大きいこ
とがわかる。
このように、特殊紙についてはIsopar Gを含む現像剤
K2を用いることでブロッターローラによる吸油率の向上
及び画像流れの防止が図られる。
一方、普通紙についてはIsopar Lを含む現像剤K1が用
いられるがそれは、従来より画像流れが生ずることが
ないこと、Isopar LはIsopar Gに比べ臭気が少ないこ
と、Isopar Lは浸み込みにくいため平滑性の低い紙、
例えばラグ紙等でも鮮明な画像を得る等の理由による。
以上のように、本例では異なる液体現像剤の入ってい
る現像タンクを適宜選択することにより普通紙、特殊紙
の何れについても鮮明な画像を得ることができる。
次に、上記第1図に示す実施例では第1タンク18、第
2タンク19の各々に濃度検知用センサS1,S2が設けられ
ているが、これらのセンサを一個にまとめることもでき
る。第2図にその一例を示す。
第1図と第2図とを比較すると、第2図では、供給管
20,21の各上端部で集合管26に接続されており、さらに
センサボックス27を介して吐出管28に接続されている点
が異なる。また、第1図において、ポンプP1,P2の各吐
出管に接続されていたセンサS1,S2は除去されていて、
攪拌に供しやすく向きが整えられている点が異なる。
センサボックス27の内部は、上部に発光ランプ、下部
に受光素子が互いの間隔をおき対向して設けてある。セ
ンサボックス27内における集合管26の開口位置は吐出管
28の開口位置よりも低く設定されていて、運転停止時に
液がタンクに戻るようにしてある。また、センサボック
ス27内における集合管26の開口部は発光ランプと受光素
子との間隙部に液流が向かうように折曲されて向きが整
えてあり、且つ、常時上記間隙部に液が存在するように
該間隙部より上位にその高さ位置が定められている。
センサボックス27による第1タンク18、第2タンク19
の現像剤濃度の判別とそのための動作については図示さ
れていないが操作パネル上のセレクトキーによる選択に
より制御されるように構成されている。
現像剤K1あるいは現像剤K2がセンサボックス27内を流
れる状態の下で受光素子の受光量が検出されて現像剤濃
度が判別される。
なお、受光素子による受光量の検出時機はセンサボッ
クス27内での液流が定常状態になるのを待って行なわれ
る。液流が停止した場合でも、発光ランプと受光素子と
の間には液が残り、発光部及び受光部は現像剤中に浸漬
された状態が保持され、空気に触れさせないことにより
乾燥を抑えて、誤動作により濃度検知に影響が出ないよ
うにしてある。
勿論、センサボックス27内は密封されている。このよ
うに、第1の例では各別に設けられていたトナー濃度検
知用のセンサを第2図のごとく一つにすれば、コストダ
ウンを図ることができる。また、センサの個数を減じる
ことにより信頼性を向上することができる。
(発明の効果) 本発明によれば、簡単な構成で、特殊紙、普通紙の何
れについても良好な定着画像を得ることができるととも
に、ブロッターローラを永く使用することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図は本発明の一実施例を説明した転写式電
子写真装置の要部構成図である。 5……湿式現像装置、7……フロッターローラ、14……
定着装置、18……(現像剤K1を収容する第1タンク)、
19……(現像剤K2を収容する第2タンク)、Q……転写
紙。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−144672(JP,A) 特開 昭54−95246(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03G 15/10 G03G 15/20

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】現像装置により液体現像剤を用いて潜像を
    可視像化し、この可視像化されたトナー像を転写手段で
    転写紙に転写し、この転写後の転写紙のトナー像転写面
    側に定着装置の加熱ローラを接触させてトナー像を定着
    させて定着画像を得る湿式画像形成方法において、 前記転写紙の紙種に応じて前記現像剤K1、K2を選択使用
    することとし、前記現像剤K2が前記現像剤K1よりも粘度
    が低く、蒸発し易い性質のものを用い、 前記転写紙が現像剤の浸み込みにくい特殊紙のときは前
    記現像剤K2を用いるとともに定着前に非加熱的に転写紙
    の現像剤残存率を低減させるブロッターローラを経由さ
    せて前記定着装置に向けて搬送し、 前記転写紙が普通紙のときは前記現像剤K1を用いるとと
    もに前記ブロッターローラを経由させないで前記定着装
    置に向けて搬送することを特徴とする湿式画像形成方
    法。
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