JP2788507B2 - 眼内レンズ材料 - Google Patents

眼内レンズ材料

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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、眼内レンズ材料に係り、特に、紫外線等の
人眼に有害な光線をカットし得ると共に、耐熱性が向上
せしめられたが眼内レンズ材料に関するものである。
(背景技術) 白内障等の、眼の天然の水晶体が濁ってしまう疾病で
は、濁った眼の天然の水晶体を外科的に取り除いた後
に、矯正用の眼鏡レンズやコンタクトレンズ、眼内レン
ズ等の眼用レンズを用いて、視力が回復させられてい
る。中でも、特に、眼の中にレンズを埋め込む方式の眼
内レンズは、最も自然に近い視力を回復出来るものとし
て、近年脚光を浴びており、前記矯正用として多くが処
方されて来ている。
ところで、そのような眼内レンズには、現在、最も一
般的には、ポリメチルメタクリレート(PMMA)の如き
(メタ)アクリル系材料が使用されているが、このPMMA
等のレンズ素材は、臨床面からみて、優れたレンズ素材
であるものの、なお解決すべき幾つかの課題を内在して
いるのである。
先ず、その一つは、かかるPMMA等のレンズ素材と眼の
天然の水晶体とでは、光線透過性に大きな違いがあるこ
とである。即ち、人眼の天然の水晶体は紫外線を殆ど透
過させず、また可視光線の主に青色領域の波長の光(お
よそ380〜500nm付近)も或る程度透過させない性質があ
るのに対して、PMMA等は、可視光線ばかりでなく、紫外
線領域の光線をも殆ど透過させてしまうのである。そし
て、この事実より、人眼の天然の水晶体は紫外線等の有
害な光線から網膜を保護していると考えられるのであ
り、従来のPMMA等のレンズ素材では、本来、水晶体にて
吸収されるべき紫外線等を網膜にまで到達させてしまう
ことから、網膜を損傷するのではないかという危惧が生
じることとなる。また、実際、眼内レンズを挿入した眼
と正常な眼とでは見え方に違いがあるとか、眼内レンズ
を挿入した眼はまぶしいとか、青味がかって見えるとか
といった訴えが患者から聞かれるのである。
そこで、最近では、眼内レンズに紫外線吸収性を具備
せしめる検討が為されており、特開昭60−232149号公
報、特開昭61−52873号公報等には、紫外線吸収剤を添
加して形成されてなる眼内レンズ素材が明らかにされて
いる。しかしながら、かかる眼内レンズ素材にあって
は、常に紫外線吸収剤の溶出性、毒性が問題視されるの
であり、紫外線吸収剤等が、眼内レンズから眼の中に溶
出した場合、重篤な障害を患者に与える恐れがあるので
ある。
また、他の一つの従来のレンズ素材の欠点として、耐
熱性が低いことが挙げられ、熱変形が問題となってい
る。
より具体的には、現在使用されている眼内レンズは、
レンズ本体である光学部と、この光学部に対して取り付
けられる、光学部を形成する材料とは別の弾性を有する
成形材料にて別体に形成されてなる、2つの支持部から
なる構造のスリーピース・ツーマテリアル型が主流であ
り、一般に、光学部は、PMMA等の未架橋の(メタ)アク
リル系材料にて形成され、支持部は、ポリプロピレン等
にて形成されている。
また、それとは別に、光学部と支持部とが、一体的
に、且つ同一材料で形成されてなる構造の、ワンピース
・ワンマテリアル型の眼内レンズも、一部で使用されて
おり、かかる眼内レンズは、その全体が、PMMA等の未架
橋の(メタ)アクリル系材料にて一体に形成されてい
る。
而して、光学部、支持部共に、それらを形成するPMMA
やポリプロピレン等の耐熱性が低いところから、特に、
構造的に細く且つ薄肉に構成される支持部においては、
その材質的な欠点が容易に熱変形を惹き起こす結果とな
っていた。
例えば、前記スリーピース・ツーマテリアル型の眼内
レンズでは、その支持部が、耐熱性の低いポリプロピレ
ン等からなる線材を、熱により変形させてループ形状と
し、光学部に取り付けたものであるところから、加熱に
より、該支持部は、加工したループ形状が保てずに、元
の線材の形状に戻ってしまったり、更に甚だしい場合に
は、本来の線材の形状さえも保てなくなるのであり、光
学部も、耐熱性の低い(メタ)アクリル系材料からなる
ため、加熱により、熱変形する恐れがないとはいえな
い。
一方、ワンピース・ワンマテリアル型の眼内レンズに
あっても、その全体が耐熱性の低い(メタ)アクリル系
材料から形成されているため、特に、細く且つ薄肉に構
成される支持部が、加熱により容易に変形してしまう問
題があり、また、光学部においても熱変形が全く起こら
ないとは言えなかったのである。
このため、現状では、眼内レンズの滅菌処理を行なう
に際して、安全性が高く、簡便なオートクレーブ滅菌を
採用することが出来ず、敢えて、処理が複雑で、毒性の
強いエチレンオキサイドガス(EOG)を用いた滅菌法が
採用されているのである。
(解決課題) 本発明は、かかる状況に鑑みて為されたものであっ
て、その課題とするところは、紫外線吸収剤等の溶出の
問題を伴うことなく、眼に有害な波長の光線をカットす
ることが可能で、且つ耐熱性の向上せしめられた眼内レ
ンズ材料を提供することにある。
(解決手段) そして、上記課題を解決するため、本発明にあって
は、眼内レンズ材料の素材として、アクリル系単量体お
よび/またはメタクリル系単量体を主成分とする単量体
類を、これと共重合可能な重合性基とイミド基を有する
単量体であって、マレイミド化合物、N−ビニルイミド
化合物、及びイミド基の窒素原子にアクリロイルオキシ
エチル基若しくはメタクリロイルオキシエチル基が結合
したイソシアヌレート化合物からなる群より選ばれた単
量体の存在下に、重合することによって得られた共重合
体を用いるものである。
(具体的構成) 以下、本発明を更に具体的に明らかにするべく、本発
明の構成につき詳細に説明することとする。
先ず、本発明にあっては、目的とする眼内レンズ材料
を得るために、アクリル系単量体やメタクリル系単量体
が、重合に供せられる単量体類の主成分として使用され
る。そして、そのような単量体の具体例としては、メチ
ル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メ
タ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、
tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メ
タ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、te
rt−ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)
アクリレート等の直鎖状、分岐鎖状、環状のアルキル
(メタ)アクリレート類等が挙げられ、これらの中か
ら、1種若しくは2種以上が適宜に選択され、使用され
ることとなる。なお、上記の表記において、「・・・
(メタ)アクリレート」とあるのは、「・・・アクリレ
ート」及び「・・・メタクリレート」の二つの化合物を
表すものであり、以下に表示されるその他の(メタ)ア
クリル誘導体についても同様である。
そして、本発明にあっては、かかる主成分たるアクリ
ル系単量体やメタクリル系の単量体類に対して、必須の
構成成分として、それらアクリル系単量体、メタクリル
系単量体と共重合可能な重合性基と、下記構造式にて示
されるイミド基とを有する単量体(以下、イミド基含有
単量体という)が配合されて、共重合せしめられること
となるのである。なお、そのようなイミド基含有単量体
としては、マレイミド化合物、N−ビニルイミド化合
物、イミド基の窒素原子に所定の重合性基が結合したイ
ソシアヌレート化合物等を挙げることが出来る。
より具体的には、そのようなイミド基含有単量体の一
つたるマレイミド化合物としては、マレイミド、N−メ
チルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピル
マレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ブチル
マレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−tert−ブ
チルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−
フェニルマレイミド、N−クロロフェニルマレイミド、
N−メチルフェニルマレイミド、N−ナフチルマレイミ
ド、N−ラウリルマレイミド、2−ヒドロキシエチルマ
レイミド、N−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−メ
トキシフェニルマレイミド、N−カルボキシフェニルマ
レイミド、N−ニトロフェニルマレイミド、N−トリブ
ロモフェニルマレイミド、N,N′−エチレンビスマレイ
ミド、N,N′−ヘキサメチレンビスマレイミド、N,N′−
m−フェニレンビスマレイミド、N,N′−p−フェニレ
ンビスマレイミド、N,N′−4,4′−ジフェニルメタンビ
スマレイミド、N,N′−4,4′−ジフェニルエーテルビス
マレイミド、N,N′−メチレンビス(3−クロロ−p−
フェニレン)ビスマレイミド、N,N′−4,4′−ジフェニ
ルスルフォンビスマレイミド、N,N′−4,4′−ジシクロ
ヘキシルメタンビスマレイミド、N,N′−α,α′−4,
4′−ジメチレンシクロヘキサンビスマレイミド、N,N′
−4,4′−ジフェニルシクロヘキサンビスマレイミド等
を挙げることが出来る。
また、前記N−ビニルイミド化合物の具体例として、
N−ビニルフタルイミド、N−ビニル−2,3−ナフタル
イミド、N,N′−ジビニルピロメリット酸ジイミド等を
挙げることが出来る。
さらに、前記イソシアヌレート化合物としては、トリ
ス−(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレー
トやトリス−(2−メタクリロイルオキシエチル)イソ
シアヌレートを挙げることが出来る。
そして、上記の如きイミド基含有単量体をアクリル系
単量体やメタクリル系単量体と組み合わせて使用するこ
とにより、それら重合成分の重合にて得られる共重合体
(眼内レンズ材料)に、人眼の天然の水晶体に近い光線
透過性が付与せしめられ得るのであり、また紫外線がカ
ットせしめられ、更には可視光線の主に青色領域の波長
の光(および380〜500nm付近)も或る程度カットせしめ
られ得ることとなるのである。加えて、かかる眼内レン
ズ材料にあっては、その耐熱性も向上せしめられること
となり、滅菌処理に際して、高い温度条件で短時間で処
理を施すことが可能となる。また、レンズ自体の耐光性
等の耐久性も向上せしめられ得るのである。
また、特に、そのようなイミド基含有単量体の中で
も、イミド基にベンゼン環やナフタレン環が結合した化
合物を用いる場合には、得られる共重合体により好まし
い着色性を帯びさせることが出来るところから、紫外線
および可視光線の主に青色領域の波長の光を、より有効
にカットすることが出来ることとなる。
更にまた、かかるイミド基含有単量体として、前記イ
ソシアヌレート化合物や、前記マレイミド化合物中のビ
スマレイミド化合物を使用した場合にあっては、かかる
単量体が重合性基を2個以上有するところから、架橋効
果も得られるものである。
なお、かかるイミド基含有単量体の使用量は、目的と
するレンズ材料の特性に応じて適宜に決定されるが、一
般に、全重合成分100重量部に対して、略5〜50重量部
の範囲内とするのが好ましく、より好ましくは、10〜35
重量部の範囲内とするのがよい。その使用量が少な過ぎ
る場合には、効果が十分に得られないからであり、また
その範囲を越える量で使用する場合には、得られる共重
合体の着色度合が過剰となり、光線透過率が低下すると
共に、加工性も悪くなるからである。
ところで、本発明にあっては、上記の重合成分の他に
も、眼内レンズ材料の改質等の種々の目的に応じて、各
種単量体を、更に重合の際に添加しても何等差支えな
く、その種類や使用量等も、目的とする眼内レンズ材料
の物性や性質に応じて、適宜に決定され得るものであ
る。
例えば、耐久性や機械的強度等の諸物性を向上せしめ
る場合には、架橋剤(単量体)を使用することが有効で
ある。かかる架橋剤は、メタクリロイル基、アクリロイ
ル基、ビニル基、アリル基等の共重合可能な重合性基
が、1分子中に2個以上存在するものであり、目的とす
る共重合体(眼内レンズ材料)中に橋架け構造を形成せ
しめて、かかる共重合体を強靭で機械的強度や硬度の向
上したものとすると共に、均一で、透明かつ白濁がな
く、歪みもない光学性に富むものとすることが出来る。
更に、耐薬品性、耐溶媒性、形状安定性等の耐久性を向
上させたり、耐熱性を補助的に向上させ、また溶出物を
少なくしたりする効果も奏するものである。
なお、かかる架橋剤の具体例としては、4−ビニルベ
ンジル(メタ)アクリレート、3−ビニルベンジル(メ
タ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アク
リレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、トリエチレングリコールジ(メア)アクリレート、
プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロ
ピレングリコールジ(メタ)アクリレート、アリル(メ
タ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、メタク
リロイルオキシエチルアクリレート、ジビニルベンゼ
ン、ジアリルフタレート、アジピン酸ジアリル、トリア
リルイソシアヌレート、α−メチレン−N−ビニルピロ
リドン、2,2−ビス(p−(メタ)アクリロイルオキシ
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(m−
(メタ)アクリロイルオキシフェニル)ヘキサルフルオ
ロプロパン、2,2−ビス(o−(メタ)アクリロイルオ
キシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス
(p−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(m−(メタ)アクリロイルオキシフェ
ニル)プロパン、2,2−ビス(o−(メタ)アクリロイ
ルオキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(2−(メ
タ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル)
ベンゼン、1,3−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキ
シヘキサフルオロイソプロピル)ベンゼン、1,2−ビス
(2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソ
プロピル)ベンゼン、1,4−ビス(2−(メタ)アクリ
ロイルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2
−メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)ベンゼン、
1,2−ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロ
ピル)ベンゼン等を挙げることが出来、これらのうちか
ら1種または2種以上を、適宜に選択して使用すればよ
い。また、その使用量は、全量合成分の100重量部に対
して、略15重量部以下とするのが好ましく、より好まし
くは、0.5〜15重量部、さらに好ましくは1〜10重量部
である。架橋剤の使用量が多過ぎる場合には、得られる
材料が脆くなり、衝撃等の応力に対して弱くなってしま
うばかりでなく、加工性も悪化する。
また、高屈折率の眼内レンズ材料を得ようとするに
は、芳香環を有する単量体、例えば、スチレン、o−メ
チルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレ
ン、p−エチルスチレン、o−ヒドロキシスチレン、m
−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、トリ
メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、パーブロモス
チレン、ジメチルアミノスチレン、α−メチルスチレン
等のスチレン誘導体やベンジル(メタ)アクリレート等
の芳香環含有(メタ)アクリレート類等の単量体類が共
重合せしめられる。その使用量は、全量合成分の100重
量部に対して、20重量部以下が好ましい。20重量部を越
えると耐熱性が低下したり、耐候性が低下し変色する傾
向があるので、好ましくない。
さらに、生体に対する安全性を向上させるためには、
フッ素含有の単量体、例えば、2,2,2−トリフルオロエ
チル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロ
プロピル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフ
ルオロプロピル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフ
ルオロ−1−トリフルオロメチルエチル(メタ)アクリ
レート等のフッ素含有(メタ)アクリレート類;o−フル
オロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロス
チレン、トリフルオロスチレン、パーフルオロスチレ
ン、p−トリフルオロメチルスチレン、o−トリフルオ
ロメチルスチレン、m−トリフルオロメチルスチレン、
4−ビニルベンジル−2′,2′,2′−トリフルオロエチ
ルエーテル、4−ビニルベンジル−2′2′,3′,3′,
4′,4′,4′−ヘプタフルオロブチルエーテル、4−ビ
ニルベンジル−3′,3′,3′−トリフルオロプロピルエ
ーテル、4−ビニルベンジル−3′,3′,4′,4′,5′,
5′,6′,6′,6′−ノナフルオロヘキシルエーテル等の
フッ素含有スチレン誘導体等が主に好ましく選択され
る。そして、その使用量は、全重合成分の100重量部に
対して、20重量部以下とするのが好ましい。20重量部を
越えて使用すると、得られる共重合体の屈折率が低下す
るためである。
更にまた、親水性表面を有する眼内レンズ材料を得よ
うとする場合には、親水性基を有する単量体が配合され
て、共重合せしめられることとなる。より具体的には、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メ
タ)アクリレート、ジヒドロキシプロピル(メタ)アク
リレート、ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロ
ピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の水酸基
含有(メタ)アクリレート類;(メタ)アクリル酸;
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリル
アミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アク
リルアミド、N−エチルアミノエチル(メタ)アクリル
アミド等の(メタ)アクリルアミド類;N−ビニルピロリ
ドン、α−メチレン−N−メチルピロリドン、N−ビニ
ルカプロラクタム等のN−ビニルラクタム類等が主に好
ましく共重合せしめられるのである。また、その配合量
は、全重合成分の100重量部に対して、20重量部以下で
使用するのが好ましく、より好ましくは15重量部以下で
ある。その使用量が多過ぎると、得られる共重合体が吸
水して柔らかくなったり、濁りを呈したりすることがあ
るからである。
そして、本発明にあっては、上記の如き各種単量体以
外にも、さらに補助的に眼内レンズ材料に紫外線吸収性
を付与したり、補助的に付色しようとする場合には、紫
外線吸収剤や色素を添加することも可能である。その場
合には、溶出性を考慮して、本願出願人が先に提案し
た、特願昭63−131036号に記載の重合性紫外線吸収剤や
重合性色素、並びに特願昭63−233288号に記載の重合性
紫外線吸収性色素等が好ましく選択されることとなる。
なお、その使用量は、全重合成分100重量部に対して、
略5重量部以下の範囲が好ましく、より好ましくは3重
量部以下である。その使用量が多過ぎると、生体適合性
や溶出物の点で問題になったり、また色素の場合には、
着色が濃くなり過ぎて透明性が低下することとなるから
である。
このようにして各種重合成分が配合され、反応混合物
が調製されると、本発明において、通常行なわれている
手法によって、かかる反応混合物の重合が実施され、目
的とする共重合体(眼内レンズ材料)が形成せしめられ
ることとなる。
例えば、そのような反応混合物に対して加熱重合を行
なう場合には、ラジカル重合開始剤を配合した後、室温
〜130℃まで、およそ数十時間で順次昇温して重合を完
結させるのであり、また光重合を行なうには、所定の光
重合開始剤を配合した後、かかる光重合開始剤の活性化
の吸収帯に応じた波長の光線(例えば紫外線)を照射し
て重合を行なうのである。また、これら加熱重合と光重
合を組み合わせて行なうことも出来る。
なお、ラジカル重合開始剤の具体例としては、アゾビ
スイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリ
ル、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロ
パーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等があ
り、また光重合開始剤の具体例としては、ベンゾイン、
メチルオルソベンゾイルベンゾエート、メチルオルソベ
ンゾインベンゾエート、メチルベンゾイルフォメート、
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソ
ブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル等の
ベンゾイン系光重合開始剤;2−ヒドロキシ−2−メチル
−1−フェニルプロパン−1−オン、p−イソプロピル
−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−tert−ブチ
ルトリクロロアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−
フェニルアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェ
ノキシアセトフェノン、N,N−テトラエチル−4,4−ジア
ミノベンゾフェノン等のフェノール系光重合開始剤;1−
ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;1−フェニル
−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニ
ル)・オキシム;2−クロロチオキサンソン、2−メチル
チオキサンソン等のチオキサンソン系光重合開始剤;ジ
ベンゾスバロン;2−エチルアンスラキノン;ベンゾフェ
ノンアクリレート;ベンゾフェノン;ベンジル等を挙げ
ることが出来る。そして、かかるラジカル重合開始剤ま
たは光重合開始剤は、それぞれ、それらの中から1種ま
たは2種以上を選択して使用されることとなる。通常、
その使用量は、全重合成分の100重量部に対して、約0.0
01〜5重量部とされ、好ましくは約0.01〜2重量部にて
使用される。
また、加熱重合させる場合は、恒温槽または恒温室内
で加熱してもよいし、マイクロ波のような電磁波を照射
してもよく、更に、加熱は段階的に行なってもよい。そ
して、共重合の場合には、増感剤をさらに添加してもよ
い。
さらに、本発明の眼内レンズ材料の製造に際しては、
材料を効率的に生産するために、塊状重合による方法が
好ましく採用されるものであるが、必要に応じて、溶液
重合による方法を採用しても何等差支えない。
ところで、このように重合して得られた眼内レンズ材
料より、所望の形状の眼内レンズを成形するには、通常
行なわれている各種の成形手法が採用され得るものであ
る。例えば、棒状、ブロック状、板状の共重合体から、
切削・研磨による機械的加工により、眼内レンズを成形
加工する機械的加工法や、所望の眼内レンズ形状に対応
した成形型(鋳型)内で共重合成分の重合を行ない、必
要に応じて機械的に仕上げ加工を施すモールド法があ
り、またはモールド法と機械的加工法を組み合わせた方
法がある。そのうち、モールド法やモールド法と機械的
加工法とを組み合わせ手法にあっては、重合成分の使用
量が低減出来ると共に、製造工程が少なく、重合時間も
短時間で済む利点がある。
なお、本発明に係る眼内レンズ材料は、前述した如く
耐熱性に優れたものであるが、かかる耐熱性をより有効
に発揮せしめるために、眼内レンズ全体が本発明に従う
材料にて形成され、しかも光学部(レンズ本体)と支持
部とが一体的に成形される、ワンピース・ワンマテリア
ル型の眼内レンズを成形することが好ましい。
さらに、このようにして成形して得られた眼内レンズ
に対して、必要に応じて、プラズマ処理を施してもよ
い。その処理方法には、従来から知られている手法及び
装置が用いられ、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の不活
性ガス或いは空気、酸素、窒素、一酸化炭素、二酸化炭
素等のガスの雰囲気下で、圧力:約0.0001〜数Torr、出
力:約数〜100Wの条件下にて、数秒〜数十分間処理され
ることとなる。好ましいガス種は、空気、酸素、アルゴ
ンであり、圧力は約0.05〜3Torr、出力は約10〜60W、処
理時間は数分間とするのが好ましい。
(実施例) 以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更
に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、その
ような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるも
のではないことは、言うまでもないところである。
また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上
記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限
りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修
正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべ
きである。
実施例 1 メチルメタクリレート:87重量部、エチレングリコー
ルジメタクリレート:3重量部、N−ビニルフタルイミ
ド:10重量部を均一に配合し、更にラジカル重合開始剤
としてアゾビスイソブチロニトリル:0.1重量部を加え
て、配合液を調製し、その後、この得られた配合液をガ
ラス製試験管に注入し、窒素ガスで置換した後、密栓を
した。
次いで、かかる試験管を恒温水槽中で35℃〜50℃で46
時間予備重合し、その後、循環乾燥器内に試験管を移
し、50℃で6時間、その後130℃まで12時間かけ昇温す
ることによって、試験管内の重合性材料を加熱重合さ
せ、棒状の共重合体を得た。
その後、かくして得られた共重合体を切断して、切削
による機械的加工を施し、各種物性試験に用いる試験片
を作製した。その際、加工性は良好であった。
実施した物性試験は、それぞれ以下の操作によった。
そして、その結果を、重合成分組成と伴せて、下記第1
表に示した。
〔耐熱性試験〕
厚さ6mmの試験片を作製し、JIS−K−7206に準拠し
て、ビカット軟化点を測定した。
また、厚さ1.0mm、直径15mmのプレートを作製し、オ
ートクレーブ処理を施した後、変形、曇り、気泡等の異
常が生じるかを観察した。
〔耐光性試験〕
プレート状の試験片を蒸留水中にて透明な容器内で保
存し、これを日光下に暴露し、1ヵ月経過後の光線透過
率を測定し、日光暴露前の光線透過率と比較して、退色
率を計算した。
〔溶出性試験〕
試験片を粉砕してチップを作製し、その3gを50mlの蒸
留水中でオートクレーブにより1時間抽出する。次い
で、この得られた抽出液の吸光度を測定すると共に、イ
ミド基含有単量体の蒸留水溶液の吸光極大(λmax)か
ら検量線を作成し、これを用いて、抽出されたイミド基
含有単量体の量を計算する。更に、その計算値を配合量
で割ることによって、溶出率を算出した。
実施例 2〜4 下記第1表に示される重合成分を、それぞれに均一配
合し、実施例1と同様にして、重合し、棒状の共重合体
を得た。
次いで、得られた各々の共重合体より試験片を作製
し、、実施例1と同様にして、各種物性試験を行なっ
た。その結果を、それぞれの重合成分組成と共に、下記
第1表に示した。なお、試験片の作製において、何れも
加工性は良好であった。
なお、第1表中に示される略記は、次の通りである。
MMA:メチルメタクリレート EDMA:エチレングリコールジメタクリレート YPI:N−ビニルフタルイミド NPMI:N−フェニルマレイミド TMIC:トリス−(2−メタクリロイルオキシエチル)イ
ソシアヌレート TAIC:トリス−(2−アクリロイルオキシエチル)イソ
シアヌレート AIBN:アゾビスイソブチロニトリル 比較例 1 メチルメタクリレート:100重量部にアゾビスイソブチ
ロニトリル:0.1重量部を添加して、均一に配合し、実施
例1と同様にして重合を行ない、棒状の共重合体を得
た。次いで、厚さ6mmの試験片を作製し、実施例1と同
様にビカット軟化点を測定したところ、120℃であっ
た。
上記の結果から明らかなように、本発明に従う眼内レ
ンズ材料(実施例No.1〜4)にあっては、何れも、比較
例の眼内レンズ材料よりビカット軟化点が高く、耐熱性
が向上せしめられていることが理解されるのであり、オ
ートクレーブ処理を行なっても、変形、曇り、気泡等の
異常を生じることがないものである。
また、耐光性に優れ、1ヵ月後にあっても退色率が0
%であると共に、イミド基含有単量体の溶出率は極めて
低く、耐久性、生体適合性に優れていることが理解され
るのである。
次に、実施例1および実施例2にて得られた共重合体
より、直径:12.5mm×厚み:1.0mmのプレートを切り出
し、両面研磨を施して試験片とし、島津製作所製の自記
分光光度計UV240を用いて、波長190nm〜780nmの光線透
過率(紫外線および可視光線の透過スペクトル)を測定
し、そのチャートを第1図に示した。なお、各試験片は
淡黄色に着色していた。
このチャートより明らかなように、これらの眼内レン
ズ材料にあっては、波長380nm以下の紫外線吸収特性と
特定波長領域(およそ380〜500nm付近)の部分的な可視
光線吸収特性を兼ね備えていることが理解されるのであ
り、人眼に近い光学特性を有していることが判る。
(発明の効果) 以上詳述してきたところから明らかなように、本発明
に従う眼内レンズ材料は、眼に有害な紫外線をカット
し、可視光線のおもに青色領域の波長の光もある程度カ
ットする性質を有しており、天然の水晶体に近い光線透
過性を有しているのであり、しかも紫外線吸収成分、着
色成分として使用するイミド基含有単量体の溶出が極め
て少なく、安全性が高いものである。
加えて、耐熱性が高いところから、安全性が高く簡便
なオートクレーブ滅菌を採用することが出来るのであ
り、またEOG滅菌を行なう場合にも、滅菌後のエアレー
ション温度を高く設定することが出来、短時間で処理を
済ますことが出来るのである。
その他、本発明の眼内レンズ材料は、加工性、生体適
合性にも優れ、更にレンズ自体の耐久性(耐光性等)も
優れているのである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、実施例1および2で得られた共重合体におけ
る、各波長での光線透過率を示すチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−283650(JP,A) 特開 平1−204672(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61L 27/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル系単量体および/またはメタクリ
    ル系単量体を主成分とする単量体類を、これと共重合可
    能な重合性基とイミド基を有する単量体であって、マレ
    イミド化合物、N−ビニルイミド化合物、及びイミド基
    の窒素原子にアクリロイルオキシエチル基若しくはメタ
    クリロイルオキシエチル基が結合したイソシアヌレート
    化合物からなる群より選ばれた単量体の存在下に、重合
    して得られる共重合体よりなる眼内レンズ材料。
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