JP2794308B2 - 無水晶体眼用レンズ材料 - Google Patents

無水晶体眼用レンズ材料

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JP2794308B2 JP1257488A JP25748889A JP2794308B2 JP 2794308 B2 JP2794308 B2 JP 2794308B2 JP 1257488 A JP1257488 A JP 1257488A JP 25748889 A JP25748889 A JP 25748889A JP 2794308 B2 JP2794308 B2 JP 2794308B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、白内障の手術通により水晶体を摘出した無
水晶体眼に用いられる眼内レンズやコンタクトレンズ、
眼鏡レンズ等の眼用レンズを形成するためのレンズ材料
に係り、特に、水晶体摘出前後、換言すれば有水晶体眼
と無水晶体眼との間での色覚の変化が可及的に抑制され
得るレンズ材料に関するものである。
(背景技術) 白内障の手術等で水晶体を摘出すると、眩しさを感じ
ると共に、無水晶体眼と有水晶体眼との間で色覚が異な
るようになり、不快感を伴うことがある。これは、人間
の水晶体が、加齢に伴い着色して、黄変するものである
ところから、そのような着色した水晶体を通した色覚
と、無水晶体眼に適用したメチルメタクリレート等の透
明な重合体材料からなる眼用レンズを通した色覚とが異
なることが原因となっている。
しかしながら、従来にあっては、主に無水晶体眼にお
ける眩しさの解消が問題とされ、かかる色覚の変化に対
する対応が為されていなかったのである。
例えば、無水晶体眼用に医療用フィルターレンズ(コ
ーニング社製CRF等)を用いた眼鏡が使用されている
が、かかるフィルターレンズにあっては、眩しさは解消
されるものの、視力に影響する約500〜550nmの可視光線
までカットされてしまうことから、薄暗い場所で視力が
得難く、また色覚に影響する約400〜500nmの可視光線が
カットされてしまうことから、色の判別自体が困難とな
る問題があった。
また、特開昭63−78101号公報においては、所定の紫
外線吸収剤を含有せしめてなる紫外線吸収性レンズ材料
が明らかにされてるが、かかる眼用レンズ材料では、紫
外線をカットし、更に低波長の可視光線を一部吸収する
ところから、眩しさは解消されるものの、やはり色覚の
改善は何等為され得ないものであった。
(解決課題) かかる状況下において、本発明は為されたものであっ
て、その課題とするところは、明るい場所では眩しさを
感じることがなく、暗い場所でも視力補正が充分為され
得て、しかも無水晶体眼における色覚の変化が可及的に
抑制され得るレンズ材料を提供することにあり、換言す
れば、人間の水晶体と類似の光学特性を有するレンズ材
料を提供することにある。
(解決手段) そこで、本発明にあっては、かかる課題解決のため
に、無水晶体眼用に使用する眼用レンズ材料に対して、
2,4−ジヒドロキシアゾベンゼン、4−ヒドロキシ−3
−メチルアゾベンゼン、4−アミノ−3,2′−ジメチル
アゾベンゼン、4−フェニルアゾ−1−ナフトール、4
−(2′−メチルフェニルアゾ)−1−ナフトール、1
−(2′−メチルフェニルアゾ)−2−ナフトール、1
−(2′−メトキシフェニルアゾ)−2−ナフトール、
1−(2′−ニトロフェニルアゾ)−2−ナフトール、
4,4′−ジアミノ−1,1′−アゾナフタレン、1−フェニ
ルアゾ−4−メタクリロイルオキシナフタレン及び1−
フェニルアゾ−2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオ
キシナフタレンからなる群より選ばれた、480nmでのモ
ル吸光度係数が約2×102以上である重合性乃至は非重
合性色素、並びに重合性乃至は非重合性紫外線吸収剤
を、化学的結合形態乃至は配合形態において含有せしめ
るようにして(但し、重合性色素と重合性紫外線吸収剤
との組合せを除く)、且つかかるレンズ材料の光学特性
が、JIS−Z−8701に規定される「XYZ表色系」における
主波長、刺激純度及び視感透過率が、それぞれ、570〜5
85nm、1〜60%及び65%以上であるようにしたことを、
その要旨とするものである。
また、かかる本発明において、有利には、前記色素は
450〜510nmの範囲においてλmaxを有し、且つかかるλm
axでのモル吸光係数が2×103以上であるものである。
(具体的構成) ところで、本発明に従う眼用レンズ材料に含有せしめ
られるべき色素としては、特に、480nmでのモル吸光係
数が約2×102以上であるものが使用されるものであ
り、更には、450〜510nmにおいて、λmaxを有し、且つ
かかるλmaxでのモル吸光係数が2×103以上である色素
が有利に選択されるものである。そして、かかる色素を
使用することによって、視力に影響を与える500〜550nm
の光をあまりカットせずに、人間の水晶体と同じ色を出
すことが出来るのであり、以て無水晶体眼における色覚
の変化が効果的に抑制されることとなるのである。
加えて、かかる色素は、低濃度で目的とする色を現出
せしめることが出来るものであり、好ましくは、0.0005
〜0.1重量%の割合で含有せしめまれることとなる。な
お、この色素の含有量が0.0005重量%より少ないと、良
好な着色が為され得ないからであり、また0.1重量%よ
りも多い量で含有せしめると、濃度が高いため、暗所で
の視力が低下することとなるからである。また、使用す
る色素の480nmにおけるモル吸光係数が2×102より小さ
いと、目的とする色を得るために、色素の添加量を増大
せしめる必要があり、好ましくないのである。
また、このような色素としては、上記の条件を満たす
ならば、単なる配合によって着色を行なう通常のもの
(非重合性色素)の他、重合によりレンズ構成材料に化
学的に結合せしめられるもの(重合性色素)であっても
何等差支えないが、本発明においては、色素自体の安全
性・安定性より下記第1表に示される如きアゾ系色素
が、用いられることとなる。なお、1−フェニルアゾ−
4−メタクリロイルオキシナフタレンのモル吸光係数
は、480nmにおける値であり、また表中の略記は、それ
ぞれ以下の通りである。
S:ソルベント P:ピグメント O:オレンジ Y:イエロー Br:ブラウン R:レッド そして、本発明に従い眼用レンズ材料には、上記色素
と共に、紫外線吸収剤が必須の成分として含有せしめら
れることとなる。この紫外線吸収剤は、380nm以下の光
線を吸収して、眩しさを解消させるために含有せしめら
れるものであって、前記色素と同様に配合によって(非
重合性紫外線吸収剤として)或いは重合によって(重合
性紫外線吸収剤として)レンズ材料中に導入され、例え
ばベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチレ
ート系等の各種の紫外線吸収剤が何れも使用され得るも
のである。
より具体的には、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤とし
ては、2−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリロイルオキ
シベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタ)アク
リロイルオキシ−5−tert−ブチルベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリロイルオキシ−
2′、4′−ジクロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−(2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオ
キシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルベンゾフ
ェノン、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert
−ブチル−フェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾフェノ
ン等があり、またベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤
の具体例としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−
(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベ
ンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−
(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−5−ク
ロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキ
シ−5′−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニ
ル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキ
シ−5′−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−3′
−tert−ブチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−フェニル)−2H
−ベンゾトリアゾール等を挙げることが出来る。更に、
サリチレート系紫外線吸収剤の具体例として、フェニル
サリチレートや4−tert−ブチルサリチレート等を挙げ
ることが出来る。
そして、これら紫外線吸収剤では、好ましくは、0.1
〜5.0重量%の割合で含有せしめられることとなる。そ
の含有量が0.1重量%より少ないと、紫外線を充分にカ
ットできないからであり、5.0重量%より多い量で含有
せしめると、溶解性及び安全性の面で好ましくないから
である。
ところで、本発明に従う眼用レンズ材料にあっては、
上述したような所定の色素および紫外線吸収剤を必須の
成分として含有する一方、その光学特性として、JIS−
Z−8701に規定される「XYZ表色系」における標準光C
による主波長、刺激純度及び視感透過率が、それぞれ、
570〜585nm、1〜60%及び65%以上という値を有する必
要があり、従って、このような光学特性が発揮され得る
ように、ベースとなる重合体に応じて、前記色素及び紫
外線吸収剤の中から、使用可能なものが適宜選択され、
種類等が決定されるものであり、また、それら色素およ
び紫外線吸収剤の含有量等が調整されるものである。
また、本発明に従う眼用レンズ材料は、眼内レンズ、
コンタクトレンズ、眼鏡レンズの何れにも対応出来るも
のであり、目的とするレンズに応じて、硬質材料を与え
るモノマーまたは軟質材料を与えるモノマーが適宜に選
択され、或いは任意に組み合わされて使用されることと
なる。なお、そのようなモノマーは、特に限定されるも
のではなく、通常使用されているものを何れも用いるこ
とが出来る。
以下に、その具体例を挙げることとするが、表記上、
「・・・(メタ)アクリレート」とあるのは、「・・・
アクリレート」及び「・・・メタクリレート」の二つの
化合物を示すものであり、その他の(メタ)アクリル誘
導体についても同様である。また、前記の紫外線吸収剤
の場合においても、同様である。
すなわち、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n
−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)
アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート等の直
鎖状、分岐鎖状、環状のアルキル(メタ)アクリレート
類;2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、
2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレー
ト、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アク
リレート、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメ
チルエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフ
ルオロ−tert−ペンチル(メタ)アクリレート、2,2,3,
4,4,4−ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレート等
のフッ素含(メタ)アクリレート類;ペンタメチルジシ
ロキサニルメチル(メタ)アクリレート、ペンタメチル
ジシロキサニルプロピル(メタ)アクリレート、メチル
ビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)ア
クリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロ
ピル(メタ)アクリレート等のシリコン含有(メタ)ア
クリレート類;トリメチルシリルスチレン、o−メチル
スチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
p−エチルスチレン、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒ
ドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、トリメチ
ルスチレン、tert−ブチルスチレン、パーブロモスチレ
ン、ジメチルアミノスチレン、α−メチルスチレン等の
スチレン誘導体類;4−ビニルベンジル−2′,2′,2′−
トリフルオロエチルエーテル、4−ビニルベンジル−
2′,2′,3′,3′,4′,4′,4′−ヘプタフルオロブチル
エーテル、4−ビニルベンジル−3′,3′,3′−トリフ
ルオロプロピルエーテル等のフッ素含有スチレン誘導体
類;N−ビニルピロリドン、α−メチレン−N−メチルピ
ロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニルラ
クタム類;4−ビニルピリジン;ビニルイミダゾール、N
−ビニルピペリドン等のヘテロ環式N−ビニルモノマ
ー;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリレ
ート類;(メタ)アクリル酸;N−(メタ)アクリロイル
ピロリドン;(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メ
タ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;ア
ミノエチル(メタ)アクリレート、N−メチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート等のアミノアルキル(メタ)
アクリレート類;メトキシエチル(メタ)アクリレー
ト、エトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキ
シ基含有(メタ)アクリレート類;ベンジル(メタ)ア
クリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート類;グ
リシジル(メタ)アクリレート;ジエチレングリコール
ビスアリルカーボネート;4,4−イソプロピリデンジフェ
ニルビスアリルカーボネート等を挙げることが出来る。
そして、これらの中から、1種または2種以上が適宜
に選択されて使用されることとなるが、これらの中から
選択した1種若しくは2種以上のモノマーを重合してマ
クロモノマーと成し、これを眼用レンズ材料の重合成分
の1つとしてもよい。
なお、得ようとする種々の眼用レンズの特性を勘案
し、モノマーを選択するに当たって、例えば、コンタク
トレンズ材料として酸素透過性のよい材料を得ようとす
れば、シリコン含有(メタ)アクリレート類、シリコン
含有スチレン誘導体類等のシリコン含有モノマーやフッ
素含有アルキル(メタ)アクリレート類等が主に好まし
く選択され得るのであり、或いは、レンズを補強するた
めに強度的に良好な眼用レンズ材料を得ようとしたり、
得ようとする眼用レンズ材料の硬度を調節しようとすれ
ば、アルキル(メタ)アクリレート類やスチレンを含め
たスチレン誘導体類または(メタ)アクリル酸等が主に
好ましく選択され、使用されることとなる。
また、レンズを脂質等の汚れに対して汚れ難くするた
めには、フッ素含有アルキル(メタ)アクリレート類や
フッ素含有スチレン誘導体類等のフッ素含有モノマーが
好ましく選択されるものであり、更にレンズに親水性を
付与したり、含水性の柔軟な眼用レンズ材料を得ようと
すれば、水酸基含有(メタ)アクリレート類、(メタ)
アクリルアミド類、アミノアルキル(メタ)アクリレー
ト類、(メタ)アクリル酸、N−ビニルラクタム類等の
親水性基を有するモノマーが好ましく選択される。更に
また、高屈折率の眼用レンズ材料を得ようとするには、
芳香環を含有するモノマー、例えば、スチレン系モノマ
ーや芳香環含有(メタ)アクリレート類等が好ましく選
択され、使用されることとなる。
なお、これらモノマー乃至モノマー混合物には、任意
成分として架橋剤が添加せしめられ得る。かかる架橋剤
を使用する効果は、得られる重合体内に三次元橋架け構
造が形成されることにより、材料の物性が強靭となり、
その機械的強度や硬度が向上せしめられると共に、均一
で透明且つ白濁がなく歪みのない光学性に富む眼用レン
ズ材料が得られることであるが、更にまた、その他の架
橋効果、例えば、耐薬品性、耐熱性、形状安定性等の耐
久性を向上させたり、溶出物を少なくしたりする効果も
奏するものである。
そして、かかる架橋剤としては、通常使用されている
ものが何れも使用され得るものであり、具体的には、4
−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、3−ビニルベ
ンジル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等を挙
げることが出来、また、分子内に少なくとも2個以上の
重合性基を有するマクロモノマーを架橋剤として使用し
ても何等差支えない。そして、これらのうちから1種ま
たは2種以上が適宜に選択され、使用されることとなる
が、その使用量は、全重合成分の100重量部に対して、
およそ0.5〜15重量部の割合とするのが好ましく、より
好ましくは、1〜10重量部である。この範囲を越えて架
橋剤を使用すると、得られる材料が脆くなり、衝撃等の
応力に対して弱くなってしまうのであり、一方使用量が
少な過ぎると、架橋の効果が充分に得られないこととな
るからである。
そして、以上のようなモノマーを適宜に組み合わせて
調製された、眼用レンズ材料を与える重合性材料には、
重合操作が施され、目的とする重合体(眼用レンズ材
料)が形成せしめられることとなる。尤も、眼用レンズ
材料(重合体)の種類によっては、前記色素や紫外線吸
収剤は、かかる重合性材料に添加されることなく(共重
合の有無に拘わらず)、得られた重合体に対して含浸等
の手法によって導入せしめられることも可能である。
ところで、かかる重合操作は、通常行なわれている各
種の手法によって行なわれ、例えば、ラジカル重合開始
剤を配合した後、室温〜130℃まで、およそ十数時間か
けて順次昇温し、重合を完結させる手法(加熱重合)
や、光重合開始剤を配合した後、光重合開始剤の吸収帯
に応じた波長の光線(例えば、紫外線)を照射して重合
を行なう手法(光重合)を採用することが出来、またそ
れら加熱重合と光重合を組み合わせて行なうことも出来
る。そして、加熱重合を行なう場合には、恒温槽または
恒温室内で加熱してもよいし、マイクロ波のような電磁
波を照射してもよく、その加熱は段階的に加熱してもよ
い。また、光重合させる場合は、増感剤をさらに添加し
てもよい。
また、眼用レンズ材料の製造に関しては、材料を効率
よく生産するために、塊状重合による方法を採用するの
が好ましいが、必要に応じて、溶液重合による方法を採
用してもよい。
なお、具体的な重合開始剤の例を挙げると、ラジカル
重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、ア
ゾビスジメチルバレロニトリル、ベンゾイルパーオキサ
イド等があり、光重合開始剤としては、ベンゾイン、メ
チルオルソベンゾイルベンゾエート、メチルオルソベン
ゾインベンゾエート等のベンゾイン系光重合開始剤;2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチロフ
ェノン等のフェノン系光重合開始剤;1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン;1−フェニル1,2−プロパン
ジオン−2−(o−エトキシカルボニル)・オキシム;2
−クロロチオキサンソン、2−メチルオキサンソン等の
チオキサンソン系光重合開始剤;ジベンゾスバロン;2−
エチルアンスラキノン;ベンゾフェノンアクリレート;
ベンゾフェノン;ベンジル等があり、これらの中から1
種または2種以上を選択して使用することとなる。その
使用量は、全重合成分の100重量部に対して、約0.001〜
5重量部の割合とされ、好ましくは0.01〜2重量部程度
の割合で使用されることとなる。
このようにして、本発明に従う無水晶体眼用レンズ材
料が製造されるのであるが、かかる眼用レンズ材料にあ
っては、含有せしめられた紫外線吸収剤によって紫外線
(380nm以下の光線)がカットされるため、明るい場所
での眩しさが効果的に低減され得るのであり、更に、そ
の光学特性が、JIS−Z−8701に規定される「XYZ表色
系」において、主波長が570〜585nm、刺激純度が1〜60
%、視感透過率が65%以上といった値を示すものであ
り、人眼の光学特性に極めて近い光学特性を有している
ところから、色覚の変化が抑制され、また、暗い場所で
の視力補正が良好に為され得ることとなるのである。
すなわち、かかる眼用レンズ材料の主波長が570〜585
nmの値を取り、中・高齢者の着色した水晶体の色に近く
されていると共に、刺激純度が1%以上であるところか
ら、無水晶体眼における色覚の補正が良好に為され得る
のであり、また、刺激純度が60%以下であり、視感透過
率が65%以上であることから、暗い場所であっても視力
が良好に確保され得るのである。
(実施例) 以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更
に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、その
ような実施例の記載によって、何等の制約を受けるもの
でないことは、言うまでもないところである。
また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上
記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限
りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修
正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべ
きである。
実施例 1 メチルメタクリレート(レンズ構成モノマー)の95重
量部に対して、2−ヒドロ−4−メタクリロイルオキシ
ベンゾフェノン(紫外線吸収剤)を2重量部、1−
(2′−メチルフェニルアゾ)−2−ナフトール(色
素)を0.0005重量部、ジエチレングリコールメタクリレ
ート(架橋剤)を3重量部添加して、均一に配合し、更
にアゾビスジメチルバレロニトリル(ラジカル重合開始
剤)を0.1重量部加えて配合液(重合性材料)を調製
し、ガラス製試験管に、かかる配合液を注入し、密栓を
した。
そして、35℃の恒温水槽中で40時間予備重合し、その
後、循環乾燥器内に試験管を移し、50℃で6時間、その
後1〜1.5時間当たり10℃の割合で温度を130℃まで上昇
させることにより、試験管の重合性材料を加熱重合さ
せ、棒状の共重合体を得た。
次いで、この得られた共重合体を裁断して、切削研磨
による機械的加工を施し、厚さ2mmのメガネレンズ(試
験片)を作製した。そして、この試験片について、その
光学物性(色度座標、主波長、視感透過率、刺激純度)
を測定したところ、下記第2表に示す結果が得られ、人
間の水晶体と同様の値を示すことが判った。
実施例 2 下記第2表に示す成分・組成に従って、配合液を調製
し、実施例1と同様にして、重合させ、棒状の共重合体
を得た。
次いで、その棒状の共重合体から、所定形状のレンズ
(試験片)を作製し、その試験片について光学物性を測
定したところ、下記第2表に併せて示す如き結果が得ら
れ、実施例1の場合と同様に、人間の水晶体と類似の光
学特性を有する眼用レンズ材料であることが判った。
なお、各種物性の測定は、自記分光光度計(島津製作
所製積分球「ISR−3100」付き「UV−3100」)を用い
て、JIS−Z−8722に準拠して、透過色を5nm間隔標準光
Cの重価係数を用いて行ない、色度座標(x、y)、視
感透過率(Yc)を算出し、更に、JIS−Z−8701に従っ
て、主波長および刺激純度を求めた。また、表中の略記
は以下の通りである。
SiMA :トリス(トリメチルシロキシ)シリルプ
ロピルメタクリレート MMA :メチルメタクリレート EDMA :ジエチレングリコールメタクリレート UVMA :2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオ
キシベンゾフェノン UVBT :2−(2′−ヒドロキシ−フェニル)−2
H−ベンゾトリアゾール CI−S−O−2:1−(2′−メチルフェニル)−2−ナ
フトール α−4B :4−フェニルアゾ−1−ナフトール V−65 :アゾビスジメチルバレロニトリル なお、各色素のモル吸光係数に関して、CI−S−O−
2は480nmにおいて1.5×104、α−4Bは490nmで1.5×104
である。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明に従う無水晶
体眼用レンズ材料にあっては、有効な紫外線吸収が為さ
れるところから、従来の眼用レンズ材料と同様に、明る
い場所での眩しさが効果的に低減され得、またその光学
特性が、人眼の水晶体の光学特性に略等しくされている
ところから、有水晶体眼との間で色覚の変化が最小限に
抑制され得るのであり、更には、可視光線をカットし過
ぎることがなく、暗い場所での視力補正が充分有効に為
され得る等の優れた特徴を発揮するものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2,4−ジヒドロキシアゾベンゼン、4−ヒ
    ドロキシ−3−メチルアゾベンゼン、4−アミノ−3,
    2′−ジメチルアゾベンゼン、4−フェニルアゾ−1−
    ナフトール、4−(2′−メチルフェニルアゾ)−1−
    ナフトール、1−(2′−メチルフェニルアゾ)−2−
    ナフトール、1−(2′−メトキシフェニルアゾ)−2
    −ナフトール、1−(2′−ニトロフェニルアゾ)−2
    −ナフトール、4,4′−ジアミノ−1,1′−アゾナフタレ
    ン、1−フェニルアゾ−4−メタクリロイルオキシナフ
    タレン及び1−フェニルアゾ−2−ヒドロキシ−3−メ
    タクリロイルオキシナフタレンからなる群より選ばれ
    た、480nmでのモル吸光係数が約2×102以上である重合
    性乃至は非重合性色素、並びに重合性乃至は非重合性紫
    外線吸収剤を、化学的結合形態乃至は配合形態において
    含有し(但し、重合性色素と重合性紫外線吸収剤との組
    合せを除く)、且つJIS−Z−8701に規定される「XYZ表
    色系」における主波長、刺激純度及び視感透過率が、そ
    れぞれ、570〜585nm、1〜60%及び65%以上である光学
    特性を有する無水晶体眼用レンズ材料。
  2. 【請求項2】前記色素が450〜510nmの範囲においてλma
    xを有し、且つかかるλmaxでのモル吸光係数が2×103
    以上である請求項(1)記載の無水晶体眼用レンズ材
    料。
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