JP3529222B2 - 軟質眼用レンズおよびその製法 - Google Patents

軟質眼用レンズおよびその製法

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JP3529222B2
JP3529222B2 JP18222096A JP18222096A JP3529222B2 JP 3529222 B2 JP3529222 B2 JP 3529222B2 JP 18222096 A JP18222096 A JP 18222096A JP 18222096 A JP18222096 A JP 18222096A JP 3529222 B2 JP3529222 B2 JP 3529222B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軟質眼用レンズお
よびその製法に関する。さらに詳しくは、その表面が改
質され、表面の粘着性(べたつき)がきわめて少ない軟
質眼用レンズおよびその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、軟質眼用レンズとして、たとえば
(メタ)アクリル酸エステルのコポリマーがジ(メタ)
アクリレートエステルで架橋された架橋アクリル系樹脂
材料からなる弾性眼内レンズ(特開平1−158949
号公報および特開平5−146461号公報)、芳香族
系(メタ)アクリル酸エステルおよび架橋性単量体を含
む単量体混合物を共重合させてえられた共重合体からな
る柔軟性眼内レンズ(特開平4−292609号公報)
などが提案されている。
【0003】しかしながら、前記弾性眼内レンズや柔軟
性眼内レンズは、その表面がべたつきやすく、とくに手
術時などの取扱いが困難であるという欠点を有する。
【0004】また、前記弾性眼内レンズや柔軟性眼内レ
ンズと同様に、(メタ)アクリル酸エステルおよび架橋
性モノマーを用いてえられた架橋アクリル系樹脂材料や
共重合体からなる軟質コンタクトレンズも、やはり、そ
の表面のべたつきから、装用感に劣り、汚れが付着しや
すいという欠点を有する。
【0005】そこで、前記眼内レンズおよびコンタクト
レンズの表面のべたつきを改良すべく、種々の検討がな
されている。たとえば、特開平1−158949号公報
には、(メタ)アクリル酸エステルとしてフルオロアク
リル酸エステルを用い、かかるべたつきを低減させるこ
とが記載されているほか、べたつきの低減化が図られた
軟質眼用レンズもいくつか提案されている。
【0006】しかしながら、前記フルオロアクリル酸エ
ステルが用いられたばあいであっても、未だえられる軟
質眼内レンズの表面のべたつきが充分に低減されておら
ず、またそのほかに提案されている軟質眼用レンズにつ
いても、その表面のべたつきが充分に低減されていると
は言いがたい。
【0007】したがって、軟質眼用レンズの表面のべた
つきは、利点となる要素もあるものの、取扱いの点で不
都合となる要素が多いことから、かかるべたつきができ
るかぎり低減された軟質眼用レンズおよびかかる眼用レ
ンズを容易に製造しうる方法の開発が待ち望まれてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、その表面が改質され、
表面のべたつきがきわめて少ない軟質眼用レンズおよび
その製法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)眼用レ
ンズに軟質性を付与する(メタ)アクリレートを含有し
た重合成分重合開始剤および紫外線吸収剤からなる眼
用レンズ用組成物を熱重合させてえられる所望の形状を
有する眼用レンズ成形体に紫外線照射させてなる軟質眼
用レンズ、ならびに(2)眼用レンズに軟質性を付与す
る(メタ)アクリレートを含有した重合成分重合開始
および紫外線吸収剤からなる眼用レンズ用組成物を熱
重合させ、所望の形状を有する眼用レンズ成形体を作製
し、該眼用レンズ成形体に紫外線照射させることを特徴
とする軟質眼用レンズの製法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の軟質眼用レンズは、前記
したように、眼用レンズに軟質性を付与する(メタ)ア
クリレート(以下、モノマー(A)という)を含有した
重合成分重合開始剤および紫外線吸収剤からなる眼用
レンズ用組成物を熱重合させてえられる所望の形状を有
する眼用レンズ成形体に紫外線照射させてえられるもの
である。
【0011】本発明に用いられるモノマー(A)は、最
終的にえられる眼用レンズに軟質性を付与する成分であ
る。
【0012】前記モノマー(A)の代表例としては、た
とえばベンジルアクリレート、フェニルアクリレート、
フェニルエチルアクリレート、2−フェノキシエチルア
クリレートなどの一般式(I):
【0013】
【化1】
【0014】(式中、R1は−Ar基(Arは水素原子
がアルキル基で置換されていてもよい芳香族環を示す)
または−O−Ar基(Arは前記と同じ)、nは0また
は1〜5の整数を示す)で表わされる芳香族環含有アク
リレート、トリフルオロエチルアクリレート、テトラフ
ルオロプロピルアクリレート、テトラフルオロペンチル
アクリレート、ヘキサフルオロブチルアクリレート、ヘ
キサフルオロヘキシルアクリレート、ヘキサフルオロビ
ス(トリフルオロメチル)ペンチルアクリレート、ヘキ
サフルオロブチルアクリレート、ヘキサフルオロイソプ
ロピルアクリレート、ヘプタフルオロブチルアクリレー
ト、オクタフルオロペンチルアクリレート、ノナフルオ
ロペンチルアクリレート、ドデカフルオロヘプチルアク
リレート、ドデカフルオロオクチルアクリレート、トリ
デカフルオロオクチルアクリレート、トリデカフルオロ
ヘプチルアクリレート、ヘキサデカフルオロデシルアク
リレート、ヘプタデカフルオロデシルアクリレート、オ
クタデカフルオロウンデシルアクリレート、ノナデカフ
ルオロウンデシルアクリレート、エイコサフルオロドデ
シルアクリレートなどの一般式(II):
【0015】
【化2】
【0016】(式中、sは1〜15の整数、tは1〜
(2s+1)を満足する整数を示す)で表わされるフッ
素原子含有アルキルアクリレート、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−
ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ペンチ
ルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアク
リレート、ノニルアクリレート、ステアリルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルア
クリレート、トリデシルアクリレート、ラウリルアクリ
レート、シクロペンチルアクリレート、シクロヘキシル
アクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、3−
エトキシプロピルアクリレート、2−メトキシエチルア
クリレート、3−メトキシプロピルアクリレートなどの
直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキルアクリレート、
ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルア
クリレート、ヒドロキシブチルアクリレートなどのヒド
ロキシアルキルアクリレート、ジヒドロキシプロピルア
クリレートなどのジヒドロキシアルキルアクリレート、
ジエチレングリコールモノアクリレート、プロピレング
リコールモノアクリレートなどのポリグリコールモノア
クリレートなどの水酸基含有アクリレート、トリメチル
シロキシジメチルシリルメチルアクリレート、トリメチ
ルシロキシジメチルシリルプロピルアクリレート、メチ
ルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルアクリレ
ート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルア
クリレート、モノ[メチルビス(トリメチルシロキシ)
シロキシ]ビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル
アクリレート、トリス[メチルビス(トリメチルシロキ
シ)シロキシ]シリルプロピルアクリレート、メチルビ
ス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロイル
アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプ
ロピルグリセロイルアクリレート、モノ[メチルビス
(トリメチルシロキシ)シロキシ]ビス(トリメチルシ
ロキシ)シリルプロピルグリセロイルアクリレート、ト
リメチルシリルエチルテトラメチルジシロキシプロピル
グリセロイルアクリレート、トリメチルシリルメチルア
クリレート、トリメチルシリルプロピルアクリレート、
トリメチルシリルプロピルグリセロイルアクリレート、
トリメチルシロキシジメチルシリルプロピルグリセロイ
ルアクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シ
リルエチルテトラメチルジシロキシメチルアクリレー
ト、テトラメチルトリイソプロピルシクロテトラシロキ
サニルプロピルアクリレート、テトラメチルトリイソプ
ロピルシクロテトラシロキシビス(トリメチルシロキ
シ)シリルプロピルアクリレートなどのシリコン含有ア
クリレートなどのアクリル酸エステル;アクリル酸;た
とえばラウリルメタクリレート、ノニルメタクリレー
ト、ステアリルメタクリレート、n−オクチルメタクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレート、トリデシ
ルメタクリレートなどの炭素数7〜18の直鎖状または
分岐鎖状のアルキルメタクリレートなどのメタクリル酸
エステルなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以
上を混合して用いることができる。
【0017】前記モノマー(A)のなかでは、えられる
軟質眼用レンズが形状回復性にすぐれるという点から、
アクリル酸エステルが好ましい。
【0018】えられる軟質眼用レンズに充分に軟質性が
付与されるように、前記モノマー(A)の1種もしくは
2種以上を適宜使用すればよく、重合成分中の前記モノ
マー(A)の量が、通常50重量%以上、好ましくは6
0重量%以上となるようにして用いることが望ましい。
【0019】また、本発明において、前記重合成分の1
00重量%が前記モノマー(A)であってもよいが、後
述するように、必要に応じて、たとえばかかるモノマー
(A)と共重合可能な重合性モノマー(以下、モノマー
(B)という)が重合成分に含有されていてもよい。こ
のばあい、重合成分中の前記モノマー(A)の量は、え
られる軟質眼用レンズの目的とする性質などを考慮し、
たとえば前記モノマー(B)との合計量が100重量%
となるように適宜調整すればよい。
【0020】本発明に用いられる重合成分は、モノマー
(A)を含有したものであるが、前記したように、軟質
眼用レンズの目的とする性質に応じて、かかるモノマー
(A)のほかに、モノマー(B)などを含有していても
よい。
【0021】前記モノマー(B)の代表例としては、た
とえばメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、
ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート
などのアルキル基の炭素数が1〜6のアルキルメタクリ
レート;フェノキシエチルメタクリレート、フェニルエ
チルメタクリレート、フェニルメタクリレートなどの芳
香族環含有メタクリレート;スチレン誘導体;マクロモ
ノマーなどがあげられる。
【0022】前記スチレン誘導体としては、たとえばス
チレン;たとえばα−メチルスチレン、メチルスチレ
ン、エチルスチレン、プロピルススチレン、ブチルスチ
レン、ペンチルスチレンなどのアルキルスチレン、メチ
ル−α−メチルスチレン、エチル−α−メチルスチレ
ン、プロピル−α−メチルスチレン、ブチル−α−メチ
ルスチレン、ペンチル−α−メチルスチレンなどのアル
キル−α−メチルスチレンなどのアルキル基置換スチレ
ン;たとえばトリス(トリメチルシロキシ)シリルスチ
レン、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルスチレ
ン、(トリメチルシロキシ)ジメチルシリルスチレン、
トリス(トリメチルシロキシ)シロキシジメチルシリル
スチレン、[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキ
シ]ジメチルシリルスチレン、(トリメチルシロキシ)
ジメチルシリルスチレン、ヘプタメチルトリシロキサニ
ルスチレン、ノナメチルテトラシロキサニルスチレン、
ペンタデカメチルヘプタシロキサニルスチレン、ヘンエ
イコサメチルデカシロキサニルスチレン、ヘプタコサメ
チルトリデカシロキサニルスチレン、ヘントリアコンタ
メチルペンタデカシロキサニルスチレン、トリメチルシ
ロキシペンタメチルジシロキシメチルシリルスチレン、
トリス(ペンタメチルジシロキシ)シリルスチレン、ト
リス(トリメチルシロキシ)シロキシビス(トリメチル
シロキシ)シリルスチレン、メチルビス(ヘプタメチル
トリシロキシ)シリルスチレン、トリス[メチルビス
(トリメチルシロキシ)シロキシ]シリルスチレン、ト
リメチルシロキシビス[トリス(トリメチルシロキシ)
シロキシ]シリルスチレン、ヘプタキス(トリメチルシ
ロキシ)トリシリルスチレン、ノナメチルテトラシロキ
シウンデシルメチルペンタシロキシメチルシリルスチレ
ン、トリス[トリス(トリメチルシロキシ)シロキシ]
シリルスチレン、[トリス(トリメチルシロキシヘキサ
メチル)]テトラシロキシ[トリス(トリメチルシロキ
シ)シロキシ]トリメチルシロキシシリルスチレン、ノ
ナキス(トリメチルシロキシ)テトラシリルスチレン、
メチルビス(トリデカメチルヘキサシロキシ)シリルス
チレン、ヘプタメチルシクロテトラシロキサニルスチレ
ン、ヘプタメチルシクロテトラシロキシビス(トリメチ
ルシロキシ)シリルスチレン、トリプロピルテトラメチ
ルシクロテトラシロキサニルスチレン、トリメチルシリ
ルスチレンなどの一般式(III):
【0023】
【化3】
【0024】(式中、pは1〜15の整数、qは0また
は1、rは1〜15の整数を示す)で表わされる化合物
などのシリコン含有スチレン誘導体;たとえばペンタフ
ルオロスチレン、トリフルオロスチレン、p−ビニル安
息香酸−2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオ
ロメチル)エチルエステル、(p−ビニルフェニル)酢
酸−2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメ
チル)エステルなどのフッ素含有スチレン誘導体などが
あげられる。
【0025】前記マクロモノマーとしては、たとえば一
般式:
【0026】
【化4】
【0027】(式中、aは平均して28を示す)で表わ
されるウレタン結合含有ポリシロキサンマクロモノマ
ー、一般式:
【0028】
【化5】
【0029】(式中、bは平均して30を示す)で表わ
されるポリシロキサンマクロモノマーなどの一般式(I
V): A1 −U1 −S1 −U2 −A2 (IV) (式中、A1 は一般式: Y1−R2− (式中、Y1はアクリロイルオキシ基、メタクリロイル
オキシ基、ビニル基またはアリル基、R2は炭素数2〜
6の直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基を示す)で
表わされる基;A2 は一般式: −R3−Y2 (式中、Y2はアクリロイルオキシ基、メタクリロイル
オキシ基、ビニル基またはアリル基、R3は炭素数2〜
6の直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基を示す)で
表わされる基;U1 は一般式: −X1−E1−X2−R4− (式中、X1は共有結合、酸素原子または炭素数1〜6
のアルキレングリコール基、E1は−CONH−基(た
だし、このばあい、X1は共有結合であり、E1はX2
ウレタン結合を形成している)または飽和もしくは不飽
和脂肪族系、脂環式系および芳香族系の群から選ばれた
ジイソシアネート由来の2価の基(ただし、このばあ
い、X1は酸素原子または炭素数1〜6のアルキレング
リコール基であり、E1はX1およびX2のあいだでウレ
タン結合を形成している);X2は酸素原子または炭素
数1〜6のアルキレングリコール基;R4は炭素数1〜
6の直鎖または分岐鎖を有するアルキレン基を示す)で
表わされる基;S1 は一般式:
【0030】
【化6】
【0031】(式中、R5、R6、R7、R8、R9および
10はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基、フ
ッ素置換されたアルキル基またはフェニル基、Kは1〜
50の整数、Lは0〜(50−K)を満たす整数であ
る)で表わされる基;U2 は一般式: −R11−X3−E2−X4− (式中、R11は炭素数1〜6の直鎖または分岐鎖を有す
るアルキレン基、X4は共有結合、酸素原子または炭素
数1〜6のアルキレングリコール基、X3は酸素原子ま
たは炭素数1〜6のアルキレングリコール基、E2は−
CONH−基(ただし、このばあい、X4は共有結合で
あり、E2はX3とウレタン結合を形成している)または
飽和もしくは不飽和脂肪族系、脂環式系および芳香族系
の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(た
だし、このばあい、X4は酸素原子または炭素数1〜6
のアルキレングリコール基であり、E2はX4およびX3
のあいだでウレタン結合を形成している)で表わされる
基を示す)で表わされる重合性基が1個または2個のウ
レタン結合を介してシロキサン主鎖に結合しているポリ
シロキサンマクロモノマーなどのポリシロキサンマクロ
モノマーなどがあげられる。
【0032】前記モノマー(B)は、単独でまたは2種
以上を混合して用いることができる。
【0033】前記モノマー(B)のなかでは、たとえば
えられる軟質眼用レンズの機械的強度を高めるために
は、たとえば前記シリコン含有(メタ)アクリレート、
シリコン含有スチレン誘導体、マクロモノマーなどを用
いることが好ましい。
【0034】たとえば軟質性をさらに向上させたり、硬
質性を付与するなど、えられる軟質眼用レンズの硬度を
調節するためには、たとえば前記メチルメタクリレー
ト、スチレン、アルキル基置換スチレンなどを用いるこ
とが好ましい。
【0035】たとえば、えられる軟質眼用レンズの抗脂
質汚染性などの耐汚染性を向上させるためには、たとえ
ば前記フッ素含有スチレン誘導体などを用いることが好
ましい。
【0036】重合成分中の前記モノマー(B)の量は、
前記したように、えられる軟質眼用レンズの目的とする
性質などを考慮し、前記モノマー(A)との合計量が1
00重量%となるように適宜調整すればよいが、モノマ
ー(A)による眼用レンズに軟質性を付与する効果が充
分に発現されるようにするためには、かかるモノマー
(B)の量は、重合成分の50重量%以下、好ましくは
40重量%以下であることが望ましい。
【0037】さらに、本発明においては、えられる軟質
眼用レンズに適度な機械的強度を付与するために、前記
重合成分に架橋性モノマーを含有させることが好まし
い。
【0038】前記架橋性モノマーとしては、たとえば2
−ヒドロキシプロピレングリコールアクリレートメタク
リレートなどの2−ヒドロキシプロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジ(2−ヒドロキシプロピレン
グリコール)ジ(メタ)アクリレート、トリ(2−ヒド
ロキシプロピレングリコール)ジ(メタ)アクリレート
などの一般式(V):
【0039】
【化7】
【0040】(式中、R12およびR13はそれぞれ独立し
て水素原子またはメチル基、mは1〜10の整数を示
す)で表わされる化合物、ジアリルフマレート、アリル
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ブタジエングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ジビニルベンゼン、ビニルベンゼン(メタ)ア
クリレートなどがあげられ、これらは単独でまたは2種
以上を混合して用いることができる。
【0041】なお、前記一般式(V)において、mは1
〜10の整数であるが、軟質眼用レンズとして好適な柔
軟性が付与されるという点から、かかるmが1〜3の整
数であることが好ましい。
【0042】前記架橋性モノマーのなかでは、えられる
軟質眼用レンズに適度な機械的強度を付与する効果が大
きいという点で、前記一般式(V)で表わされる化合物
およびエチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好
ましい。
【0043】前記架橋性モノマーの量は、架橋効果を充
分に発現させるためには、重合成分全量100部(重量
部、以下同様)に対して0.1部以上、好ましくは0.
2部以上となるように調整することが望ましく、またえ
られる軟質眼用レンズの柔軟性および弾性が低下するお
それをなくすためには、重合成分全量100部に対して
10部以下、好ましくは6部以下となるように調整する
ことが望ましい。
【0044】本発明に用いられる眼用レンズ用組成物
は、前記重合成分重合開始剤および紫外線吸収剤から
なるものであり、本発明の製法においては、まず、かか
る眼用レンズ用組成物を熱重合させる。
【0045】前記重合開始剤としては、たとえば熱重合
開始剤および/または光重合開始剤が好適に用いられ
る。
【0046】前記熱重合開始剤の代表例としては、たと
えばアゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバ
レロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル
ハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキ
サイド、ラウロイルパーオキサイドなどがあげられ、こ
れらは単独でまたは2種以上を混合して用いることがで
きる。
【0047】熱重合開始剤の量は、残留モノマーの低減
および重合速度を高くすることによる成形性の向上とい
う点を考慮すると、重合成分全量100部に対して0.
01部以上、好ましくは0.1部以上であることが望ま
しく、また重合速度が上昇しすぎて分子量の低下が起こ
り、それに伴なって眼用レンズ成形体の機械的強度が低
下しないようにするという点を考慮すると、重合成分全
量100部に対して5部以下、好ましくは2部以下であ
ることが望ましい。
【0048】前記光重合開始剤の代表例としては、たと
えばメチルオルソベンゾイルベンゾエート、メチルベン
ゾイルフォルメート、ベンゾインメチルエーテル、ベン
ゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−
ブチルエーテルなどのベンゾイン系光重合開始剤;2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフ
ェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、
2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、
α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、
N,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノ
ン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モ
ルホリノフェニル)−ブタノン−1、1−ヒドロキシシ
クロヘキシルフェニルケトン、1−フェニル−1,2−
プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキ
シムなどのフェノン系光重合開始剤;2−クロロチオキ
サンソン、2−メチルチオキサンソンなどのチオキサン
ソン系光重合開始剤;テトラエチルチウラムモノスルフ
ィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラエ
チルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムジス
ルフィドなどのチウラム系光重合開始剤;ジベンゾスバ
ロン;2−エチルアントラキノン;ベンゾフェノンアク
リレート;ベンゾフェノン;ベンジルなどがあげられ、
これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることが
できる。
【0049】光重合開始剤の量は、眼用レンズ用組成物
を熱重合させる際に、かかる光重合開始剤が、たとえば
液状であるばあい、溶媒として作用し、たとえば所望の
眼用レンズ形状を有する鋳型内での眼用レンズ用組成物
の流動性が高められ、目的とする形状を有する眼用レン
ズ成形体がより容易にえられるという点などを考慮する
と、重合成分全量100部に対して0.1部以上、好ま
しくは0.5部以上であることが望ましく、また前記熱
重合開始剤のばあいと同様に、重合速度が上昇しすぎて
分子量の低下が起こり、それに伴なって眼用レンズ成形
体の機械的強度が低下しないようにするという点を考慮
すると、重合成分全量100部に対して20部以下、好
ましくは5部以下であることが望ましい。
【0050】なお、本発明の製法においては、重合成
重合開始剤および紫外線吸収剤からなる眼用レンズ
用組成物を熱重合させ、所望の形状を有する眼用レンズ
成形体を作製し、さらに該眼用レンズ成形体に紫外線
射させるので、より効率よく熱重合を進行させ、かつ
外線照射による眼用レンズ成形体の表面改質をより効果
的に促進させるために、前記重合開始剤が熱重合開始剤
および光重合開始剤を含有したものであることが好まし
い。
【0051】このように、前記熱重合開始剤と光重合開
始剤とを併用するばあいには、充分な速度で重合反応を
進行させるためには、両者の合計量が重合成分全量10
0部に対して0.11部以上、好ましくは0.6部以上
となるように調整することが望ましく、またえられる軟
質眼用レンズに気泡が発生するおそれをなくすために
は、重合成分全量100部に対して25部以下、好まし
くは7部以下となるように調整することが望ましい。
【0052】さらに、本発明においては、眼用レンズ成
形体に紫外線照射させる際に、紫外線が吸収されやす
く、紫外線照射による重合の促進がかかる眼用レンズ成
形体の表面付近で止まりやすくなるようにするために、
前記眼用レンズ用組成物に紫外線吸収剤を含有させる。
【0053】前記紫外線吸収剤は、紫外線照射させる際
の光の種類に応じて適宜選択して用いればよい。
【0054】前記紫外線吸収剤の代表例としては、たと
えば2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノンなどのベ
ンゾフェノン類、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メタ
クリルオキシエチレンオキシ−t−ブチルフェニル)−
5−メチル−ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロ
キシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5
−クロロ−2(3′−t−ブチル−2′−ヒドロキシ−
5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベン
ゾトリアゾール類、サリチル酸誘導体類、ヒドロキシア
セトフェノン誘導体類などがあげられる。また、これら
の紫外線吸収剤と同様の化学構造部分を有し、かつ本発
明に用いられる重合成分と重合しうる部分を有する反応
性紫外線吸収剤を用いることもできる。これらは、通常
単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0055】前記紫外線吸収剤の量は、眼用レンズ成形
体の表面付近の重合が充分に促進されるようにするため
には、重合成分全量100部に対して0.01部以上、
好ましくは0.05部以上となるように調整することが
望ましく、また眼用レンズ用組成物を熱重合させる際に
気泡が発生したり、重合速度が小さくなったり、また充
分な重合度がえられなくなるおそれをなくすためには、
重合成分全量100部に対して5部以下、好ましくは3
部以下となるように調整することが望ましい。
【0056】また、本発明においては、えられる軟質眼
用レンズを着色するために、前記眼用レンズ用組成物に
色素を含有させることが好ましい。かかる色素として
は、たとえば白内障の手術後の無水晶体患者に生じる青
視症を眼内レンズによって補正するばあい、黄色ないし
橙色の色素が望ましい。
【0057】前記色素の代表例としては、たとえばカラ
ーインデックス(CI)に記載されたCIソルベントイ
エロー(Solvent Yellow)、CIソルベ
ントオレンジ(Solven Orange)などの油
溶性染料、CIディスパースイエロー(Dispers
e Orange)、CIディスパースオレンジ(Di
sperse Orange)などの分散染料、バット
系染料などがあげられる。また、これらの色素と同様の
化学構造部分を有し、かつ本発明に用いられる重合成分
と重合しうる部分を有する反応性色素を用いることもで
きる。これらは、通常単独でまたは2種以上を混合して
用いることができる。
【0058】前記色素の量は、えられる軟質眼用レンズ
が充分に着色されるようにするためには、重合成分全量
100部に対して0.001部以上、好ましくは0.0
1部以上となるように調整することが望ましく、また過
剰に濃く着色されるおそれをなくすためには、重合成分
全量100部に対して5部以下、好ましくは3部以下と
なるように調整することが望ましい。
【0059】本発明の製法においては、前記したよう
に、モノマー(A)ならびに必要に応じてモノマー
(B)および架橋性モノマーを含有した重合成分重合
開始剤および紫外線吸収剤からなり、必要に応じて、
素などを含有した眼用レンズ用組成物を熱重合させるこ
とにより、所望の形状を有する眼用レンズ成形体を作製
する。
【0060】眼用レンズ用組成物を熱重合させる方法に
はとくに限定がないが、短時間でまた安定して成形を行
なうために、かかる眼用レンズ用組成物を、30〜10
0℃程度の温度で、2〜40時間程度の時間にわたって
加熱することが好ましい。さらに、重合温度は、成形性
を向上させるとともに、気泡などの発生を防止するため
には、重合温度は40〜70℃、好ましくは50〜60
℃であることが望ましい。また、残留モノマーをできる
かぎり少なくするためには、重合時間は16時間以上で
あることが望ましい。
【0061】さらに、前記残留モノマーの量をより低減
させるため、また重合をより充分に完結させるために
は、5〜20℃/時間の割合で120℃程度まで段階的
に昇温させる方法を採用することも可能である。
【0062】また、前記熱重合の際には、塊状重合法を
採用してもよく、溶媒などを用いた溶液重合法を採用し
てもよく、そのほかの方法を採用してもよい。
【0063】所望の形状を有する眼用レンズ成形体を作
製する際の成形方法にはとくに限定がなく、たとえば切
削加工法、鋳型(モールド)法などを採用することがで
きる。
【0064】前記切削加工法は、成形しやすい適切な型
や容器内で眼用レンズ用組成物を熱重合させ、たとえば
棒状、ブロック状、板状などの素材(重合体)をえたの
ち、たとえば旋盤などを用い、切削加工、研磨加工など
の機械的加工によってかかる重合体を所望の形状の眼用
レンズ成形体に加工する方法である。
【0065】前記鋳型法は、たとえばコンタクトレン
ズ、眼内レンズなどの所望の軟質眼用レンズの形状に対
応した型のなかで眼用レンズ用組成物を熱重合させて成
形体(重合体)をえ、必要に応じて機械的に仕上げ加工
を施して所望の形状を有する眼用レンズ成形体をうる方
法である。
【0066】眼用レンズ用組成物を熱重合させてえられ
る重合体が、通常、常温にて軟質性を示すため、鋳型法
が好適に採用される。なお、切削加工などの機械的加工
を施すばあいには、作業性の低下を抑制するために、え
られた重合体を冷却するなどして機械的加工に供するこ
とが好ましい。
【0067】なお、前記眼用レンズ用組成物を熱重合さ
せる際の型や容器にはとくに限定がなく、たとえばガラ
ス製、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール
などのプラスチック製などのものを用いることができ
る。
【0068】かくしてえられた所望の形状を有する眼用
レンズ成形体を紫外線照射させることにより、たとえば
コンタクトレンズ、眼内レンズなどの軟質眼用レンズが
えられる。
【0069】本発明において、熱重合させてえられた所
望の形状を有する眼用レンズ成形体に紫外線照射させる
ことに大きな特徴の1つがある。
【0070】従来のように、加熱によって再度重合を促
進させようとするばあい、すでに熱によって重合しうる
成分が失活しているため、重合が思うように促進され
ず、効果的なべたつきの低減が望めない。これに対し、
本発明においては、前記紫外線照射による光エネルギー
により、活性化しうる成分が再度活性化され、再度ラジ
カル重合が促進され、また紫外線照射が、眼用レンズ成
形体の表面付近ほど直接的であることから、眼用レンズ
成形体の表面付近ほど重合がさらに進行し、表面付近が
硬化され、実質的にべたつきがいちじるしく低減され
る。
【0071】眼用レンズ成形体を紫外線照射させる方法
にはとくに限定がなく、たとえば超高圧水銀ランプ、高
圧水銀ランプ、低圧水銀ランプなどの紫外線ランプ、メ
タルハライドランプ、インジウムランプ、キセノンラン
プなどの光照射装置内に眼用レンズ成形体を設置し、
外線を照射する方法などを採用することができる。
【0072】眼用レンズ成形体に照射する紫外線の種類
にはとくに限定がなく、眼用レンズ成形体の表面付近の
重合反応(硬化反応)を充分に促進しうるものであれば
よい。
【0073】外線は、光エネルギーが大きいので、比
較的短い照射時間で硬化反応が充分に促進するという点
から好ましい。なかでも、照射強度が0.01〜30μ
W/cm2、好ましくは0.1〜5μW/cm2の低圧水
銀ランプから照射される紫外線は、眼用レンズ成形体の
劣化防止および短時間での硬化反応促進という点で好ま
しい。
【0074】紫外線照射させる際の照射時間は、たとえ
ば眼用レンズ用組成物の組成、紫外線照射装置の性能な
どに応じて任意に設定することができるが、紫外線照射
による重合反応(硬化反応)が眼用レンズ成形体の表面
付近に留まり、なおかつ表面のべたつきが充分に低減さ
れるように適宜調整すればよい。かかる照射時間は、照
射強度によって異なるので、一概には決定することがで
きないが、通常、数秒〜1時間程度、なかんづく30秒
〜20分間程度であることが好ましい。
【0075】なお、眼用レンズ成形体をうる際に用いら
れる眼用レンズ用組成物中に紫外線吸収剤が含有されて
いるばあいには、紫外線吸収剤が照射された紫外線を吸
収し、紫外線が透過しにくく、眼用レンズ成形体の表面
付近にのみ光エネルギーが提供されやすくなるので、眼
用レンズ成形体内部への悪影響(ダメージ)を少なくす
ることができ、許容される照射時間の幅が広くなる。
【0076】また、前記成形方法のなかでも、鋳型法を
採用する際に、たとえばポリプロピレン製の鋳型、ポリ
アセタール製の鋳型などの照射する紫外線を透過する材
質の型を用いたばあいには、熱重合終了後に眼用レンズ
成形体を離型することなく、そのまま型ごと光照射装置
内に設置し、紫外線照射を行なうことができるので、作
業性が向上するという利点がある。さらに、このばあい
には、眼用レンズ成形体の表面付近が硬化しているの
で、離型作業がより容易であるという利点もある。
【0077】さらに、本発明において、眼用レンズとし
て眼内レンズをうるばあいには、レンズの支持部をレン
ズとは別に作製し、たとえばレンズに孔をあけ、その孔
に成形した支持部を通し、あとで支持部をレンズに取付
けてもよいし、レンズと支持部とを同時に(一体的に)
成形してもよい。
【0078】本発明の製法によれば、その表面が改質さ
れ、表面のべたつきがきわめて少ない軟質眼用レンズが
容易にえられ、かかる本発明の軟質眼用レンズは、たと
えば手術時などの取扱いが容易な眼内レンズや、装用感
にすぐれ、汚れが付着しにくいコンタクトレンズとする
ことができる。
【0079】
【実施例】つぎに、本発明の軟質眼用レンズおよびその
製法を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発
明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0080】実施例1〜9 表1に示す組成の眼用レンズ用組成物を混合し、これを
直径6mm、厚さ1mmの眼内レンズ(光学部)に対応
した形状を有するポリプロピレン製の鋳型内に注入し
た。ついで、かかる鋳型をチッ素ガス雰囲気下で50℃
のオーブン中に16時間静置し、眼用レンズ用組成物を
熱重合させ、重合体(眼用レンズ成形体)をえた。
【0081】つぎに、眼用レンズ成形体が入ったままの
状態で鋳型を紫外線ランプ下に設置し、7分間紫外線を
照射させた。紫外線照射が終了したのち、成形体を離型
した。かかる成形体を50℃のエタノール中に24時間
浸漬することによって残留モノマーを抽出し、このの
ち、50℃の真空オーブン中で16時間乾燥処理を施し
て直径約6mm、厚さ約1mmの透明な軟質眼内レンズ
(光学部)をえた。
【0082】比較例1〜9 実施例1〜9において、鋳型内の眼用レンズ成形体に紫
外線を照射させる工程を行なわなかったほかは、実施例
1〜9とそれぞれ同様にして直径約6mm、厚さ約1m
mの透明な軟質眼内レンズ(光学部)をえた。
【0083】なお、表1中の各略号は、以下のことを示
す。
【0084】(モノマー(A)) POEA:2−フェノキシエチルアクリレート 3FEA:2,2,2−トリフルオロエチルアクリレー
ト EA:エチルアクリレート iBuA:イソブチルアクリレート (モノマー(B)) CHMA:シクロヘキシルメタクリレート iBuMA:イソブチルメタクリレート PhMA:フェニルメタクリレート (架橋性モノマー) EDMA:エチレングリコールジメタクリレート GAMA:2−ヒドロキシプロピレングリコールアクリ
レートメタクリレート (紫外線吸収剤):2−(2′−ヒドロキシ−5′−メ
タクリルオキシエチレンオキシ−t−ブチルフェニル)
−5−メチル−ベンゾトリアゾール (熱重合開始剤) A:2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル) B:2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル) (光重合開始剤) A:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパ
ン−1−オン B:2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン つぎに、実施例1〜9でえられた眼内レンズ(光学部)
の物性として、粘着性(べたつき)を以下の方法にした
がって調べた。その結果を表1に示す。
【0085】[粘着性(べたつき)]実施例1〜9でえ
られた眼内レンズ(光学部)を各々2枚ずつ用意し、こ
の2枚の眼内レンズ(光学部)を重ね合わせてそのまま
の状態で1分間保持したものと、紫外線の照射を行なっ
ていない比較例1〜9でえられた眼内レンズ(光学部)
2枚を同様に重ね合わせて1分間保持したものとをそれ
ぞれ比較し、以下の評価基準に基づいて評価した。
【0086】(評価基準) A:比較例の眼内レンズ(光学部)と対比して、実施例
の眼内レンズ(光学部)のほうがべたつきが改善されて
いる。 B:比較例の眼内レンズ(光学部)と対比して、実施例
の眼内レンズ(光学部)のべたつきは、ほとんど同程度
である。 C:比較例の眼内レンズ(光学部)と対比して、実施例
の眼内レンズ(光学部)のほうがべたついている。
【0087】
【表1】
【0088】表1に示された結果から、実施例1〜9の
眼内レンズ(光学部)は、いずれもそれぞれ比較例1〜
9の眼内レンズ(光学部)と比べて、べたつきが改善さ
れており、紫外線照射によって表面が改質された眼内レ
ンズがえられることがわかる。
【0089】
【発明の効果】本発明の製法によれば、その表面が改質
され、表面のべたつきがきわめて少ない軟質眼用レンズ
が容易にえられる。
【0090】また、本発明の軟質眼用レンズは、前記し
たように、その表面が改質され、表面のべたつきがきわ
めて少ないものであるので、たとえば手術時などの取扱
いが容易な眼内レンズや、装用感にすぐれ、汚れが付着
しにくいコンタクトレンズとすることができる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−228014(JP,A) 特開 平5−43602(JP,A) 特開 平6−214196(JP,A) 特開 平3−12837(JP,A) 米国特許5882421(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 27/00 - 27/60 C08F 6/00 - 246/00 A61F 2/16 G02C 7/02 B29D 11/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 眼用レンズに軟質性を付与する(メタ)
    アクリレートを含有した重合成分重合開始剤および紫
    外線吸収剤からなる眼用レンズ用組成物を熱重合させて
    えられる所望の形状を有する眼用レンズ成形体に紫外線
    照射させてなる軟質眼用レンズ。
  2. 【請求項2】 眼用レンズに軟質性を付与する(メタ)
    アクリレートがアクリル酸エステルである請求項1記載
    の軟質眼用レンズ。
  3. 【請求項3】 重合開始剤が熱重合開始剤および/また
    光重合開始剤である請求項1または2記載の軟質眼用
    レンズ。
  4. 【請求項4】 紫外線吸収剤の使用量が、重合成分全量
    100重量部に対して0.01重量部以上5重量部以下
    である請求項1、2または3記載の軟質眼用レンズ。
  5. 【請求項5】 眼用レンズに軟質性を付与する(メタ)
    アクリレートを含有した重合成分重合開始剤および紫
    外線吸収剤からなる眼用レンズ用組成物を熱重合させ、
    所望の形状を有する眼用レンズ成形体を作製し、該眼用
    レンズ成形体に紫外線照射させることを特徴とする軟質
    眼用レンズの製法。
  6. 【請求項6】 眼用レンズに軟質性を付与する(メタ)
    アクリレートがアクリル酸エステルである請求項記載
    の軟質眼用レンズの製法。
  7. 【請求項7】 重合開始剤が熱重合開始剤および/また
    光重合開始剤である請求項5または6記載の軟質眼用
    レンズの製法。
  8. 【請求項8】 紫外線吸収剤の使用量が、重合成分全量
    100重量部に対して0.01重量部以上5重量部以下
    である請求項5、6または7記載の軟質眼用レンズの製
    法。
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