JP2015206011A - シリコーンハイドロゲル及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコーンハイドロゲルの生産効率をより高める。
【解決手段】重合基を有する単官能モノマーと、重合基を複数有する多官能モノマーとを含む重合性組成物により作製され、重合性組成物は、親水性を有する親水性化合物と酸素透過性を有するシリコーン化合物と重合性の紫外線吸収化合物とを、単官能モノマー及び多官能モノマーとして含み、単官能モノマーの重合基と同一種の重合基を有する多官能モノマーが存在し、 単官能モノマーのアクリロイル基のモル数Aと、単官能モノマーのメタクリロイル基のモル数Mと、単官能モノマーのビニル基及びアリル基のモル数Vと、多官能モノマーのアクリロイル基のモル数aと、多官能モノマーのメタクリロイル基のモル数mと、多官能モノマーのビニル基及びアリル基のモル数vとが、A>M及びV>Mを満たし、且つA/aとM/mとV/vとがいずれも10以上180以下を満たす。
【選択図】なし

Description

本発明は、シリコーンハイドロゲル及びその製造方法に関する。
従来、シリコーンハイドロゲルとしては、例えば、親水性のモノマーとして2−ヒドロキシエチルメタクリレート、N,N‐ジメチルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン(N−VP)のほか、N−ビニル−N−メチルアセトアミド(NVMAA)などを含む重合性組成物から作製されたものが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。このシリコーンハイドロゲルでは、目に許容しうる表面湿潤性を有するとしている。例えば、N−ビニルピロリドンは親水性が高く、水分を多く吸収して柔軟なシリコーンハイドロゲルを形成しうるため有用であるが、ビニル基を重合基として有するため、眼用レンズの成分として一般的に使用されるアクリレート及びメタクリレート(以下(メタ)アクリレートと総称する)との共重合性が低く、製品材料中にモノマーのまま残留する可能性が高かった。また、シリコーンハイドロゲルとしては、親水性モノマー以外のモノマーの重合基を統一してビニル基としたものが提案されている(例えば、特許文献3参照)。このシリコーンハイドロゲルでは、親水性モノマーとの共重合性を高めることができ、残留成分を低減することができるとしている。
特開2008−50576号公報 特開2011−219512号公報 国際公開1994/03324号パンフレット
しかしながら、上述の特許文献3では、残留成分を低減することができるとしているが、重合性組成物に含まれるモノマーの重合基をすべて統一することは困難な場合があり、異なる重合基が含まれる場合には、残留成分を低減できないという課題があった。残留成分が生じると、例えば、シリコーンハイドロゲルの製造工程において、この残留成分を除去する処理に時間がかかることがあった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、生産効率をより高めることができるシリコーンハイドロゲルを提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、1つの重合基を有する単官能モノマーと重合基を複数有する多官能モノマーとを含む重合性組成物において、単官能モノマーと多官能モノマーとのアクリロイル基の比、単官能モノマーと多官能モノマーとのメタクリロイル基の比、及び単官能モノマーと多官能モノマーとのビニル基及びアリル基の比を好適な範囲とすると生産効率をより高めることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のシリコーンハイドロゲルは、
アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基及びアリル基のうち1つの重合基を有する単官能モノマーと、前記重合基を複数有する多官能モノマーと、光重合性開始剤とを含む重合性組成物に光を照射することにより作製され、
前記重合性組成物は、親水性を有する親水性化合物と酸素透過性を有するシリコーン化合物と重合性の紫外線吸収化合物とを前記単官能モノマー及び/又は前記多官能モノマーとして含み、前記単官能モノマーの前記重合基と同一種の前記重合基を有する前記多官能モノマーが存在し、
前記単官能モノマーのアクリロイル基のモル数Aと、前記単官能モノマーのメタクリロイル基のモル数Mと、前記単官能モノマーのビニル基及びアリル基のモル数Vと、前記多官能モノマーのアクリロイル基のモル数aと、前記多官能モノマーのメタクリロイル基のモル数mと、前記多官能モノマーのビニル基及びアリル基のモル数vとが、A>M及びV>Mを満たし、且つA/aとM/mとV/vとがいずれも10以上180以下を満たし、
前記重合時に照射する光の強度が多段階であり、最初の段階に対して最終段階の光の強度が10倍以上の光を照射することによって重合されているものである。
本発明のシリコーンハイドロゲルは、生産効率をより高めることができる。このような効果が得られる理由は、例えば、以下のように推測される。一般的に、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基及びアリル基など、重合基が異なる化合物においては、その重合性に差があり、重合後にモノマーあるいはオリゴマーが残留成分となることがある。このような残留成分は、原料として加えたもののシリコーンハイドロゲルに組み込まれず、有効に利用できないものであるため、より低減されることが好ましい。また、シリコーンハイドロゲルの製造工程において、残留成分を取り除く処理がより多く必要となるなどの問題も生じる。また、紫外線吸収特性を有するコンタクトレンズを製造する際には、重合性組成物には、重合性の紫外線吸収化合物が添加される。例えば、紫外線を照射することにより重合性組成物を重合させる場合においては、この紫外線吸収化合物が含まれていると、紫外線が吸収されて十分な重合を行うことができないことがある。この場合、残留成分が更に生じ易くなる。本発明では、紫外線吸収化合物を含みつつ、単官能モノマーの重合基と同一種の重合基を有する多官能モノマーを有するものとし、更に、シリコーンハイドロゲルとしての好適な特性を維持する範囲で、且つ原料に含まれる各重合基の比を所定範囲とすることによって、より残留成分の低減を図ることができるものと考えられる。そして、本発明のシリコーンハイドロゲルでは、残留成分を溶出させる溶出処理などの製造工程が容易、簡便となる。さらに、製造工程を容易に、かつ簡便にするには、効率の良い重合条件を選択することが好ましい。本発明では、重合性組成物を光を用いたラジカル重合に供することによってシリコーンハイドロゲルを得る場合において、その光の強さを段階的に変化させることにより効率のよい重合を行うことができることが見出された。本発明により、残留成分が少なく、生産効率の高いシリコーンハイドロゲルを得ることができる。
なお、「前記単官能モノマーの各重合基のモル数」とは、それぞれの重合基を有する化合物のモル数の和を意味する。また、「前記多官能モノマーの各重合基のモル数」についても同様である。例えば、bモルのジアクリレートの重合基のモル数は、アクリロイル基2bモルである。同様に、1分子中にメタクリロイル基とビニル基とをもつcモルの化合物の重合基のモル数は、メタクリロイル基cモル及びビニル基cモル、である。
あるいは、本発明のシリコーンハイドロゲルは、N−ビニル−2−ピロリドン及びN−ビニル−N−メチルアセトアミドのうちいずれか1以上を親水性化合物として含む重合性組成物から作製され、これらの成分残留率がいずれも2.5質量%以下であるものとしてもよい。このシリコーンハイドロゲルでは、残留成分がより少ないため、生産効率の高いシリコーンハイドロゲルを得ることができる。このシリコーンハイドロゲルにおいて、上述した態様を採用してもよい。
本実施形態の重合装置10の一例を示す説明図。
本発明のシリコーンハイドロゲルは、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基及びアリル基のうち1つの重合基を有する単官能モノマーと、重合基を複数有する多官能モノマーと、光重合性開始剤とを含む重合性組成物に光を照射することにより作製されている。重合性組成物は、単官能モノマーの重合基と同一種の重合基を有する多官能モノマーを含むものである。この重合性組成物は、親水性を有する親水性化合物と酸素透過性を有するシリコーン化合物と重合性の紫外線吸収化合物とを単官能モノマー及び/又は多官能モノマーとして含むものである。即ち、本発明のシリコーンハイドロゲルは、単官能モノマー及び/又は多官能モノマーである親水性を有する親水性化合物に基づく構造と、単官能モノマー及び/又は多官能モノマーである酸素透過性を有するシリコーン化合物に基づく構造と、単官能モノマー及び/又は多官能モノマーである重合性の紫外線吸収化合物に基づく構造とを備えるものである。
酸素透過性を有するシリコーン化合物としては、例えば、多官能モノマーであるシリコーン化合物や、単官能モノマーであるシリコーン化合物(単官能シリコーン含有モノマー)などが挙げられる。多官能モノマーであるシリコーン化合物としては、例えば、シリコーンマクロマー(マクロモノマー)が挙げられる。このシリコーンマクロマーが、ウレタン構造とエチレン型不飽和構造とポリジメチルシロキサン構造と重合基とを有する化合物であるものとしてもよい。このシリコーンマクロマーは、式(1)の構造を有するものとしてもよい。ここで、式(1)中、nは0または1〜10の整数である。
1−U1−(−S1−U2−)n−S2−U3−A2 …(1)
式(1)中、A1は、式(2)で表わされる構造を有する。この式(2)中、Y21はアクリロイル基、ビニル基またはアリル基、Z21は酸素原子または直接結合、R31は直接結合または炭素数1〜12の直鎖状、分岐鎖もしくは芳香環を有するアルキレン基を示す。
21−Z21−R31− …(2)
2は、式(3)で表わされる構造を有する。この式(3)中、Y22はアクリロイル基、ビニル基またはアリル基、Z22は酸素原子または直接結合、R34は直接結合または炭素数1〜12の直鎖状、分岐鎖もしくは芳香環を有するアルキレン基を示す。ただし、式(2)中のY21および式(3)中のY22は同一であってもよく、異なっていてもよい。
−R34−Z22−Y22 …(3)
1は、式(4)で表わされる構造を有する。この式(4)中、X21およびX25はそれぞれ独立して直接結合、酸素原子およびアルキレングリコール基から選ばれる基である。E21は、−NHCO−基(ただし、この場合、X21は直接結合であり、X25は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、E21はX25とウレタン結合を形成している)、−CONH−基(ただし、この場合、X21は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、X25は直接結合であり、E21はX21とウレタン結合を形成している)または飽和もしくは不飽和脂肪族系、脂環式系および芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(ただし、この場合、X21およびX25はそれぞれ独立して酸素原子およびアルキレングリコール基から選ばれ、E21はX21およびX25のあいだで2つのウレタン結合を形成している)から選ばれる基である。R32は、炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖を有するアルキレン基である。
−X21−E21−X25−R32− …(4)
1およびS2は、それぞれ独立して式(5)で表わされる構造を有する。式(5)中、R11、R12、R13、R14、R15およびR16はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基、フッ素置換されたアルキル基またはフェニル基から選ばれる基である。Kは1〜1500の整数、Lは0または1〜1499の整数であり、K+Lは1〜1500の整数である。
2は、式(6)で表わされる構造を有する。式(6)中、R37およびR38はそれぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖を有するアルキレン基であり、X27およびX28はそれぞれ独立して酸素原子またはアルキレングリコール基であり、E24は飽和もしくは不飽和脂肪族系、脂環式系および芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(ただし、この場合、E24はX27およびX28のあいだで2つのウレタン結合を形成している)である。
−R37−X27−E24−X28−R38− …(6)
3は、式(7)で表わされる構造を有する。式(7)中、R33は炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖を有するアルキレン基であり、X22およびX26はそれぞれ独立して直接結合、酸素原子およびアルキレングリコール基から選ばれるものである。E22は、−NHCO−基(ただし、この場合、X22は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、X26は直接結合であり、E22はX22とウレタン結合を形成している)、−CONH−基(ただし、この場合、X22は直接結合であり、X26は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、E22はX26とウレタン結合を形成している)または飽和もしくは不飽和脂肪族系、脂環式系および芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(ただし、この場合、X22およびX26はそれぞれ独立して酸素原子およびアルキレングリコール基から選ばれ、E22はX22およびX26のあいだで2つのウレタン結合を形成している)で表わされる基である。
−R33−X26−E22−X22− …(7)
この多官能モノマーであるシリコーンマクロマーの例としては、式(8)、(9)で表わされる化合物などが挙げられる。
重合性組成物は、シリコーンマクロマーが重合性組成物の全体に対して30質量%以下含まれることが好ましく、15質量%以下含まれることがより好ましく、10質量%以下含まれることが更に好ましい。このシリコーンマクロマーが含まれると酸素透過性及び柔軟性をより高めることができる。また、シリコーンマクロマーは、重合性組成物の全体に対して2質量%以上含まれることが好ましく、5質量%以上含まれることがより好ましい。
重合性組成物は、例えば、シリコーンマクロマーのほかに単官能シリコーン含有モノマーをさらに含有することが好ましい。この単官能シリコーン含有モノマーとしては、例えば、シリコーン含有アルキル(メタ)アクリレート、シリコーン含有スチレン誘導体及びシリコーン含有フマル酸ジエステルから選ばれる1以上の化合物などが挙げられる。単官能シリコーン含有モノマーは、得られるシリコーンハイドロゲルの酸素透過性をより向上させ、高い柔軟性を付与することができる。
シリコーン含有アルキル(メタ)アクリレートの例としては、トリメチルシロキシジメチルシリルメチル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシジメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、モノ[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ]ビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレート、トリス[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ]シリルプロピル(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセリル(メタ)アクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセリル(メタ)アクリレート、モノ[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ]ビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセリル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルエチルテトラメチルジシロキシプロピルグリセリル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルメチル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピルグリセリル(メタ)アクリレート、トリメチルシロキシジメチルシリルプロピルグリセリル(メタ)アクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルエチルテトラメチルジシロキシメチル(メタ)アクリレート、テトラメチルトリイソプロピルシクロテトラシロキサニルプロピル(メタ)アクリレート、テトラメチルトリイソプロピルシクロテトラシロキシビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。この中で、入手が容易であり、また得られるシリコーンハイドロゲルの柔軟性が特に高くなる観点から、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート(TRIS)が好ましい。
シリコーン含有スチレン誘導体の例としては、式(10)で表わされる化合物などが挙げられる。
上記式(10)で表されるシリコーン含有スチレン誘導体の具体例としては、トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、ビス(トリメチルシロキシ)メチルシリルスチレン、(トリメチルシロキシ)ジメチルシリルスチレン、トリス(トリメチルシロキシ)シロキシジメチルシリルスチレン、[ビス(トリメチルシロキシ)メチルシロキシ]ジメチルシリルスチレン、(トリメチルシロキシ)ジメチルシリルスチレン、ヘプタメチルトリシロキサニルスチレン、ノナメチルテトラシロキサニルスチレン、ペンタデカメチルヘプタシロキサニルスチレン、ヘンエイコサメチルデカシロキサニルスチレン、ヘプタコサメチルトリデカシロキサニルスチレン、ヘントリアコンタメチルペンタデカシロキサニルスチレン、トリメチルシロキシペンタメチルジシロキシメチルシリルスチレン、トリス(ペンタメチルジシロキシ)シリルスチレン、トリス(トリメチルシロキシ)シロキシビス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、ビス(ヘプタメチルトリシロキシ)メチルシリルスチレン、トリス[メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ]シリルスチレン、トリメチルシロキシビス[トリス(トリメチルシロキシ)シロキシ]シリルスチレン、ヘプタキス(トリメチルシロキシ)トリシリルスチレン、ノナメチルテトラシロキシウンデシルメチルペンタシロキシメチルシリルスチレン、トリス[トリス(トリメチルシロキシ)シロキシ]シリルスチレン、(トリストリメチルシロキシヘキサメチル)テトラシロキシ[トリス(トリメチルシロキシ)シロキシ]トリメチルシロキシシリルスチレン、ノナキス(トリメチルシロキシ)テトラシリルスチレン、ビス(トリデカメチルヘキサシロキシ)メチルシリルスチレン、ヘプタメチルシクロテトラシロキサニルスチレン、ヘプタメチルシクロテトラシロキシビス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン、トリプロピルテトラメチルシクロテトラシロキサニルスチレン、トリメチルシリルスチレン等が挙げられる。このうち、トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン(TRIS−ST)が好ましい。
シリコーン含有フマル酸ジエステルの例としては、下記式(11)で表される化合物などが挙げられる。
上記式(11)で表されるシリコーン含有フマル酸ジエステルの具体例としては、ビス(3−(トリメチルシリル)プロピル)フマレート、ビス(3−(ペンタメチルジシロキサニル)プロピル)フマレート、ビス(トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル)フマレートなどが挙げられる。
シリコーン化合物は、単独で使用してもよいが、柔軟性を有するシリコーンハイドロゲルを形成させるためには、多官能モノマー及び単官能モノマーを併用することが好ましい。多官能及び単官能モノマーのシリコーン化合物の含有量は、特に限定されないが、全モノマー成分100質量部に対して好ましくは10質量部以上、より好ましくは20質量部以上であり、更に好ましくは25質量%以上である。また、この含有量は、好ましくは60質量部以下であり、より好ましくは55質量%以下であり、更に好ましくは50質量部以下である。この含有量が10質量部以上では、十分な酸素透過性と高い柔軟性を有するシリコーンハイドロゲルを得ることができる。また、この含有量が60質量部以下では、得られるシリコーンハイドロゲルの親水性を維持し、透明性等の低減を防止することができる。
親水性を有する親水性化合物としては、例えば、含窒素化合物やヒドロキシ基を有する化合物などが挙げられる。親水性化合物は、例えば、N−ビニルラクタム類や、(メタ)アクリルアミドモノマー類、水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート類などが挙げられる。N−ビニルラクタム類としては、例えば、N−ビニルピロリドン(N−VP)、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタムなどが挙げられる。(メタ)アクリルアミドモノマー類としては、例えば、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。水酸基含有アルキル(メタ)アクリレート類としては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジヒドロキシペンチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。またこの他、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコール(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、N−ビニル−N−メチルアセトアミド(NVMAA)、無水マレイン酸、マレイン酸及びその誘導体、フマル酸及びその誘導体、アミノスチレン、ヒドロキシスチレンなどが挙げられる。このうち、親水性化合物としては、N−ビニルピロリドン(N−VP)やN−ビニル−N−メチルアセトアミド(NVMAA)が好ましい。これらは、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
親水性化合物の含有量は、全モノマー成分100質量部に対して好ましくは20質量部以上であり、より好ましくは30質量%以上であり、更に好ましくは35質量以上である。この含有量は、好ましくは55質量部以下であり、より好ましくは50質量%以下であり、更に好ましくは45質量%以下である。この含有量が20質量部以上では、十分な親水性を有するものとすることができ、55質量部以下では、機械的強度の低下をより抑制することができる。
重合性の紫外線吸収化合物としては、例えば、ベンゾトリアゾール構造と重合基とを有する化合物(ベンゾトリアゾール系化合物)やベンゾフェノン構造と重合基とを有する化合物(ベンゾフェノン系化合物)、サリチル酸誘導体化合物などが挙げられる。紫外線吸収化合物が含まれると、紫外線をカットできるため、コンタクトレンズ材料として好ましい。紫外線吸収能等の化合物の特性の観点から、これら成分のうちベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。ベンゾトリアゾール系化合物としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシプロピル−3’−t−ブチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(2”−メタクリロイルオキシエトキシ)−3’−t−ブチルフェニル)−5−メチル−2H−ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。このうち2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールが好ましい。このベンゾトリアゾール系化合物の重合基は、特に限定されないが、メタクリロイル基が好ましい。ベンゾフェノン系化合物としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリロイルオキシ−5−t−ブチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(メタ)アクリロイルオキシ−2’,4’−ジクロロベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(2’−ヒドロキシ−3’−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。サリチル酸誘導体化合物としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メタクリロイルオキシメチル安息香酸フェニルなどが挙げられる。このほか、2−シアノ−3−フェニル−3−(3’−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロペニル酸メチルエステルなどが挙げられる。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
紫外線吸収化合物の含有量は、全モノマー成分100質量部に対して3質量部以下であり、好ましくは0.01質量部以上2質量部以下である。この含有量が3質量部以下では、機械的特性の悪化(柔軟性の喪失)をより抑制することができ、0.01質量部以上では、紫外線吸収効果を十分得ることができる。
また、本発明の重合性組成物は、相溶化成分を含むものとしてもよい。相溶化成分としては、(メタ)アクリロイルオキシ基を有し、珪素原子を有さず、かつエーテル結合を有する化合物が挙げられる。この化合物は、例えば、式(12)の化合物が挙げられる。この化合物は、より具体的には、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエトキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。なお、この相溶化成分としては、メタクリレートに比してアクリレートがより好ましい。
CH2=CR1−CO−(OCH2CH2n−OR2 …(12)
(但し、R1はH又はCH3基、R2はCH3基またはCH2CH3基であり、n=1〜3の整数)
重合性組成物における相溶化成分の含有量としては、全モノマー成分100質量部に対して好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、更に好ましくは15質量%以上である。また、この含有量は、好ましくは45質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは35質量%以下である。この含有量が5質量%以上では、親水性化合物及びシリコーン化合物の相溶化を十分図ることができ、45質量%以下では、シリコーンハイドロゲルの機械的強度及び耐久性の低下や、親水性の喪失などを抑制することができる。
また、本発明の重合性組成物には、その他のモノマーとして、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート及びベンジル(メタ)アクリレートなどのうち1以上を含むものとしてもよい。これらを含むことにより、製造されるシリコーンハイドロゲルの強度や形状保持性、柔軟性を調節することができる。この含有量としては、全モノマー成分100質量部に対して好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。
また、本発明の重合性組成物は、架橋剤を含むものとしてもよい。架橋剤としては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基及びアリル基のうち複数の重合基を有する化合物が挙げられる。この架橋剤としては、例えば、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、4−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、3−ビニルベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジアリルアジペート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[p−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[m−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[o−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[p−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[m−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]プロパン、2,2−ビス[o−(メタ)アクリロイルオキシフェニル]プロパン、1,4−ビス[2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル]ベンゼン、1,3−ビス[2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル]ベンゼン、1,2−ビス[2−(メタ)アクリロイルオキシヘキサフルオロイソプロピル]ベンゼン、1,4−ビス[2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル]ベンゼン、1,3−ビス[2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル]ベンゼン、1,2−ビス[2−(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル]ベンゼン、2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの架橋剤は、一種又は複数種のものを用いることができる。
重合性組成物における架橋剤の含有量としては、全モノマー成分100質量部に対して好ましくは0.05質量%以上1質量%以下、より好ましくは0.1質量%以上0.8質量%以下である。架橋剤の含有量を0.05質量%以上とすることによって、系中の重合性成分の共重合性が向上して残留モノマーが減少し、さらにシリコーンハイドロゲルの機械的強度および耐久性の向上を達成することができる。一方、架橋剤の含有量を1質量%以下とすることによって、シリコーンハイドロゲルの柔軟性を適度に維持し、装用時の快適性を維持することができる。
また、本発明の重合性組成物は、重合性色素を更に含むものとしてもよい。重合性色素としては、例えば、フタロシアニン含有ポリメタクリル酸エステルなどのフタロシアニン系重合性色素、1−フェニルアゾ−4−(メタ)アクリロイルオキシナフタレンなどのアゾ系重合性色素、1,5−ビス((メタ)アクリロイルアミノ)−9,10−アントラキノン、1,4−ビス(4−(2−メタクリロキシエチル)フェニルアミノ)アントラキノン(C.I.Reactive Blue 246)、1,4−ビス[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−9,10−アントラセンジオン ビス(2−メチル−2−プロペノイック)エステル(C.I.Reactive Blue 247)などのアントラキノン系重合性色素、o−ニトロアニリノメチル(メタ)アクリレートなどのニトロ系重合性色素などが挙げられる。このうち、フタロシアニン系重合性色素が好ましい。フタロシアニン系重合性色素としては、例えば、(メタ)アクリロイル化テトラアミノ銅フタロシアニン、(メタ)アクリロイル化(ドデカノイル化テトラアミノ銅フタロシアニン)などが挙げられる。更に、2,4−ジヒドロキシ−3(p−スチレノアゾ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系重合性紫外線吸収色素や、2−ヒドロキシ−4−(p−スチレノアゾ)安息香酸フェニルなどの安息香酸系重合性紫外線吸収色素などを用いるものとしてもよい。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
重合性色素の含有量は、全モノマー成分100質量部に対して1質量部以下であり、好ましくは0.005質量部以上0.05質量部以下である。この含有量が0.005質量部以上では、シリコーンハイドロゲルをコンタクトレンズのような用途に使用した場合のレンズの視認性を向上させることができる。一方、重合性色素の量が多すぎると、レンズの色が濃くなって透明性が低下するため、0.1質量部以下とすることが好ましい。
また、本発明の重合性組成物は、光重合開始剤を含むものである。即ち、本発明のシリコーンハイドロゲルは、重合性組成物が光重合性開始剤を含み、光を照射することによって重合されているものとしてもよい。照射する光としては、紫外線及び可視光のうち少なくとも一方としてもよい。光重合開始剤としては、例えば、ホスフィンオキサイド系光重合開始剤や、ベンゾイン系光重合開始剤、フェノン系光重合開始剤、チオキサンソン系光重合開始剤などが挙げられる。ホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド(TPO)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えば、メチルオルソベンゾイルベンゾエート、メチルベンゾイルフォルメート、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテルなどが挙げられる。フェノン系光重合開始剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(HMPPO)、p−イソプロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、α,α−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、N,N−テトラエチル−4,4−ジアミノベンゾフェノンなどが挙げられる。チオキサンソン系光重合開始剤としては、例えば、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソンなどが挙げられる。この他、光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、ジベンゾスバロン、2−エチルアンスラキノン、ベンゾフェノンアクリレート、ベンゾフェノン及びベンジルなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。また、光重合開始剤と共に、光増感剤を用いてもよい。
光重合開始剤及び光増感剤の含有量は、全モノマー成分100質量部に対して、好ましくは0.001質量部以上2質量部以下、より好ましくは0.01質量部以上1質量部以下である。光重合開始剤の量が多すぎる場合、材料自体柔らかくなりすぎたり、脆くなったりすることがある。また、系中に残留した重合開始剤を除去するために、多大で煩雑な溶出工程が必要となる可能性がある。一方、開始剤の量が少なすぎる場合、得られるシリコーンハイドロゲル中に残留するモノマーやオリゴマーが増加したり、その結果、材料表面がべたつきを持ったりすることがある。
そのほか、重合性組成物は、非重合性である、水溶性有機溶媒、界面活性剤、清涼化剤、粘稠化剤などを添加剤として用いることができる。
本発明のシリコーンハイドロゲルは、単官能モノマーのアクリロイル基のモル数Aと、単官能モノマーのメタクリロイル基のモル数Mと、単官能モノマーのビニル基及びアリル基のモル数Vと、多官能モノマーのアクリロイル基のモル数aと、多官能モノマーのメタクリロイル基のモル数mと、多官能モノマーのビニル基及びアリル基のモル数vとしたときに、A>M及びV>Mを満たし、且つA/aとM/mとV/vとがいずれも10以上180以下を満たすものである。なお、「単官能モノマーの重合基のモル数」とは、それぞれの重合基を有する化合物のモル数の和を意味する。また、「多官能モノマーの重合基のモル数」についても同様である。例えば、bモルのジアクリレートの重合基のモル数は、アクリロイル基2bモルである。同様に、1分子中にメタクリロイル基とビニル基とをもつcモルの化合物の重合基のモル数は、メタクリロイル基cモル及びビニル基cモルである。例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基及びアリル基など、重合基が異なる化合物においては、その重合性に差があり、重合後にモノマーあるいはオリゴマーが残留成分となることがある。また、重合性の紫外線吸収化合物が添加された重合性組成物に、紫外線を照射することにより、シリコーンハイドロゲルを重合させる場合においては、紫外線吸収化合物に紫外線が吸収されて十分な重合を行うことができないことがある。重合性組成物において、A/aとM/mとV/vとが上記関係を満たすと、シリコーンハイドロゲルとしての好適な特性を維持する範囲で、より残留成分の低減を図ることができる。このため、シリコーンハイドロゲルの生産効率をより高めることができる。このA/aは、60以上180以下を満たすことがより好ましく、60以上140以下を満たすことがより好ましく、60以上125以下を満たすことが更に好ましい。また、M/mは、15以上40以下を満たすことがより好ましく、20以上40以下を満たすことが更に好ましい。また、V/vは、110以上170以下を満たすことがより好ましく、130以上160以下を満たすことが更に好ましく、140以上160以下を満たすことが特に好ましい。このような範囲では、共重合反応が進むに従って系中に均一に架橋構造が形成されるため、各重合性成分の残留が少なくなるばかりか、架橋されないポリマー(オリゴマー)の形成を少なくすることができ、コンタクトレンズとした場合などでは材料中の残留を低減させることができ、溶出処理工程を簡便化、すなわちシリコーンハイドロゲルの生産効率を更に高めることができる。
シリコーンハイドロゲル中の残留成分の量としては、親水性化合物については、重合性組成物に対する質量比で2.5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.2質量%以下がさらに好ましい。また、単官能モノマーのシリコーン化合物については、1質量%以下の残留量が好ましく、0.1質量%以下がより好ましく、0.02質量%以下がさらに好ましい。このような残留量では、特に眼用レンズ用途における安全性を高めることができ、また、製造段階において、残留成分の溶出処理等の工程を省略又は簡略化することができる。
本発明のシリコーンハイドロゲルは、含水率が40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、52質量%以上であることが更に好ましい。含水率が40質量%以上では、シリコーンハイドロゲルの水濡れ性を向上させることができる。この含水率は、形状の維持性を考慮すれば、70質量%以下であることが好ましい。この含水率は、シリコーンハイドロゲルを平衡となるまで生理食塩水に浸漬させた後に、20℃にて1時間以上調節したシリコーンハイドロゲルの質量W3、及びその後105℃に設定した乾燥器中で乾燥させた後のシリコーンハイドロゲルの質量W4をそれぞれ測定し、以下の式より算出した値である。
含水率(%)=(W3−W4)/W3×100
本発明のシリコーンハイドロゲルは、引張弾性率が0.1MPa以上であることが好ましく、0.15MPa以上がより好ましい。また、引張弾性率は、0.8MPa以下であることが好ましく、0.5MPa以下であることがより好ましい。引張弾性率が上記下限以上であれば形状保持性が良好であり、上記上限以下であれば眼用レンズの装用感がより良好である。
本発明のシリコーンハイドロゲルは、酸素透過係数が50barrer以上であることが好ましく、55barrer以上であることがより好ましい。酸素透過係数が高いほど、眼用レンズ用途に好ましい。
次に、本発明のシリコーンハイドロゲルの製造方法について説明する。この製造方法は、上述した重合性組成物を配合する配合工程と、配合した重合性組成物に光を照射し重合性組成物を重合する重合工程と、を含むものとする。配合工程では、上述した種々の化合物を、上述した範囲で配合するものとすればよい。
重合工程では、光の強度を多段階とし、最初の段階に対して最終段階の光の強度が10倍以上の光を照射することによって重合性組成物に光を照射し重合性組成物を重合する。本発明のシリコーンハイドロゲルをコンタクトレンズ用材料として用いる場合は、上記重合性組成物を鋳型法にて硬化させることができる。重合性組成物に光を照射して重合させる場合には、所望の眼用レンズ材料の形状に対応した鋳型内に、上記光重合開始剤を含む重合性組成物を充填した後、この鋳型に光を照射して重合を行えばよい。光照射による重合に用いられる鋳型の材質は、重合・硬化に必要な光を透過しうる材質である限り特に限定されるものではなく、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリエステルなどの汎用樹脂が好ましく、ガラスであってもよい。これらの材料を成形、加工することによって、所望の形状を有する鋳型とすることができる。
このような鋳型内に各重合成分を含む上記重合性組成物を充填した後、光を照射して重合を実施する。眼用レンズ材料の機能に応じて、照射される光の波長域を選択することができる。但し、照射する光の波長域によって使用する光重合開始剤の種類を選択する必要がある。光の照度は好ましくは0.1mW/cm2以上100mW/cm2以下である。異なる照度の光を段階的に照射するものとする。例えば、重合工程において、重合時に照射する光の強度が多段階であり、最初の段階に対して最終段階の光の強度が10倍以上の光を照射することによってシリコーンハイドロゲルを重合するものとする。図1は、本実施形態の重合装置10の一例を示す説明図である。この重合装置10は、成形型20を載置したトレイ12を移動させるコンベア11と、第1照度で光を成形型20へ照射する第1照射部14と、第1照度よりも高い第2照度で光を成形型20へ照射する第2照射部16とを備えている。成形型20は、カップ形状の雌型24の内側にカップ形状の雄型22が嵌め込まれることにより、雄型22と雌型24との間に、コンタクトレンズが成形されるキャビティ26が形成される。このキャビティ26に重合性組成物を収容したのち、第1照射部14及び第2照射部16で光を照射してこの重合組成物を重合させる。第1照度は、例えば、0.1mW/cm2以上10mW/cm2以下の範囲とし、第2照度は、10mW/cm2以上100mW/cm2以下の範囲としてもよい。また、光の照射時間は、第1照射部14及び第2照射部16それぞれについて、1分以上が好ましく、30分以下が好ましい。このような所定の照度及び照射時間とすることによって鋳型材料の劣化を防ぎつつ、重合性組成物を効果的にかつ十分に硬化させることができる。また、第1照射部14の照射光の波長範囲と第2照射部16の照射光の波長範囲とを異なるものとしてもよい。例えば、第1照射部14では380nm〜450nmの光を照射し、第2照射部16では、330〜400nmの光委を照射するなどしてもよい。重合処理において、初期段階では比較的低いエネルギーを重合性組成物に与え、次段階以降は、初期段階に比して高いエネルギーを重合性組成物与えるものとしてもよい。さらに、光の照射と同時に、重合性組成物に対して加熱を行ってもよく、これによって重合反応が促進され、容易にシリコーンハイドロゲルを形成することができる。なお、ここでは、2段階で照射する製造方法について説明したが、3段階以上の光照射を行うものとしてもよい。なお、工程の簡略化の観点からは、2段階で光照射を行うことがより好ましい。
この光の照射工程において、最初の段階で光の強度を比較的弱く、最後の段階では光の強さを比較的弱くすることによって、鋳型材料中の重合性組成物を効率よく重合させることができる。重合初期段階の弱い光の照射により、部分的に開裂した重合開始剤により徐々に重合が開始され、結果として高分子量のポリマーが生成する。このことにより、シリコーンハイドロゲルに必要とされる、材料の強さ、適度な弾性を有する材料が生成する。しかしこうした弱い光での重合のみでは、重合反応自体の進行が遅く、長時間の照射を行った場合でも系中の未反応の低分子成分が多く残留し、これを除去するための溶出工程の構築に多大な労力が必要となる。これを改善するための方法として、照度の多段階制御が挙げられる。重合後期の強い光の照射により、未反応の重合開始剤の開裂、並びに残留しているモノマーの重合が促進され、結果として系中に残留する低分子化合物量を効果的に低減させることができる。なお、特に親水性成分として重合性の比較的低いN−ビニルピロリドンなどを用いた光開始重合の系においては、このモノマーおよび重合開始剤等が重合後の系中に多く残留する傾向にある。しかしここで、重合後期に強い光を照射することによって、残留開始剤が開裂して残留モノマー(N−ビニルピロリドンなど)とが反応し、その後の溶出工程において両者がともに効率よく除去されうる。従って、こうした強い光を用いた後硬化工程は、効率のよい生産システムを構築するにあたって有効であるといえる。なお、ここで照射する重合最終段階の光の強度は、重合初期における光の強度の10倍以上であることが更に好ましい。
重合したシリコーンハイドロゲル(例えばキセロゲル)に対して、低温プラズマ処理、大気圧プラズマ、コロナ放電などを施すことができる。低温プラズマ処理を施すことにより、より水濡れ性及び/又は耐汚染性に優れた眼用レンズを得ることができる。低温プラズマ処理は、炭素数1〜6のアルカン及びフッ素置換されたアルカン、窒素、酸素、二酸化炭素、アルゴン、水素、空気、水、シラン又はこれらの混合物などの希薄気体雰囲気下において行うことができる。特に、イオンエッチングによる物理的な表面改質効果とラジカルのインプランテーションによる化学的な表面改質効果が期待されるという理由から、酸素単独、二酸化炭素単独、あるいは酸素と、水、テトラフルオロメタン、有機シラン、メタン、チッ素などとの混合物による希薄気体雰囲気下で低温プラズマ処理を行うことが好ましい。低温プラズマ処理は、減圧下で行ってもよいし、大気圧下で行ってもよい。低温プラズマ処理においては、高周波RF(例えば13.56MHz)、低周波AF(例えば15.0〜40.0KHz)、マイクロ波(例えば2.45GHz)にて、出力、処理時間、ガス濃度を適宜調整することにより、表面改質効果を制御することができる。
以上詳述した本実施形態のシリコーンハイドロゲルでは、残留成分が少ないため、残留成分を溶出させる溶出処理などの製造工程が容易、簡便であり、生産効率をより高めることができる。また、このシリコーンハイドロゲルは、高い酸素透過性及び表面濡れ性を有している。従って、このシリコーンハイドロゲルは、眼用レンズすなわち、コンタクトレンズを始めとして、眼内レンズ、人工角膜、角膜オンレイ、角膜インレイなどとして用いるのに安全性が高く、好適である。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、本発明のシリコーンハイドロゲルは、N−ビニル−2−ピロリドン及びN−ビニル−N−メチルアセトアミドのうちいずれか1以上を親水性化合物として含む重合性組成物から作製され、これらの成分残留率がいずれも2.5質量%以下であるものとしてもよい。このシリコーンハイドロゲルでは、残留成分がより少ないため、生産効率の高いシリコーンハイドロゲルを得ることができる。このシリコーンハイドロゲルにおいて、上述したいずれか1以上の態様を採用してもよい。例えば、重合性組成物は、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基及びアリル基のうち1つの重合基を有する単官能モノマーと、重合基を複数有する多官能モノマーとを含み、且つ、親水性化合物と酸素透過性を有するシリコーン化合物とを単官能モノマー及び/又は多官能モノマーとして含み、単官能モノマーの重合基と同一種の重合基を有する多官能モノマーが存在し、単官能モノマーのアクリロイル基のモル数Aと、単官能モノマーのメタクリロイル基のモル数Mと、単官能モノマーのビニル基及びアリル基のモル数Vと、多官能モノマーのアクリロイル基のモル数aと、多官能モノマーのメタクリロイル基のモル数mと、多官能モノマーのビニル基及びアリル基のモル数vとが、A>M及びV>Mを満たし、且つA/aとM/mとV/vとがいずれも10以上180以下を満たすものとしてもよい。また、A/aが60以上180以下を満たし、M/mが15以上40以下を満たし、且つV/vが130以上170以下を満たすことがより好ましい。更に、重合性組成物は、多官能モノマーであるシリコーンマクロマー及び単官能シリコーン含有モノマーをシリコーン化合物として含むことが好ましい。
以下には、本発明のシリコーンハイドロゲルを具体的に作製した例を実験例として説明する。なお、実験例1〜8、15、16が本発明の実施例に相当し、実験例9〜14、17が比較例に相当する。
[使用成分]
実験例で用いた化合物の略称を以下に示す。
MAUS:マクロモノマー:上記式(8)で示されるシリコーン化合物
AMA :アリルメタクリレート
EDMA :エチレングリコールジメタクリレート
DAAG:ジアリルアジペート
VEEA:2−(2−ビニルオキシエトキシ)エチルアクリレート
N−VP:N−ビニル−2−ピロリドン
2−MTA:2−メトキシエチルアクリレート
TRIS:トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート
HMEPBT:2−[2−ヒドロキシ−5−[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール
DMAA :N,N−ジメチルアクリルアミド
NVMAA:N−ビニル−N−メチルアセトアミド
TRIS−ST:トリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレン
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド
PCPMA:フタロシアニン含有ポリメタクリル酸エステル
[コンタクトレンズの作製]
多官能のシリコーン化合物としてMAUSを5質量部、架橋剤としてAMAを0.3質量部、親水性化合物としてN−VPを40質量部、相溶化化合物として2−MTAを25質量部、単官能のシリコーン化合物としてTRISを30質量部、及び紫外線吸収化合物としてHMEPBTを1質量部含む重合性組成物を調製した。なお、この重合性組成物には、重合開始剤としてTPOを0.5質量部、着色剤としてPCPMAを0.02質量部添加した。この重合性組成物を、コンタクトレンズ形状を有する鋳型内に注入した。この鋳型は、ポリプロピレン製、直径約14mm、厚さ約0.1mmのコンタクトレンズに対応する形状を有する。この鋳型に、Philips社製青色光ランプTL20W(波長範囲380nm〜470nm)にて、波長405nmにおける照度1.0mW/cm2で15分間紫外線照射して光重合を行い、次いでウシオ電機(株)製LEDランプL405−66−60−110(波長範囲380nm〜450nm)にて、波長405nmにおける照度20mW/cm2で15分間紫外線を照射して光重合を行い、ドライレンズを得た。得られたドライレンズを鋳型から脱離させたのち、二酸化炭素雰囲気中、25Wにて2分間減圧プラズマ処理した。生理食塩水中に浸漬させ、吸水させて水和処理を施し、オートクレーブ処理を行ってコンタクトレンズを得た。なお、光照度の測定には、ウシオ電機(株)製紫外線積算光量計UIT−101、センサーUVD−405PDを用いた。シリコーンハイドロゲルに用いた化合物(略称及び重合基の構造)及びその配合量、各重合基のモル比などを表1,2に示す。なお、表1、2に示した化合物及び配合量で、本項と同様の条件にて作製したコンタクトレンズを実験例1〜17とした。
(重合基のモル数及び重合基比)
各実験例に含まれる化合物の配合比に基づいて、重合基を複数有する多官能化合物と、重合基を1つのみ有する単官能化合物とに分け、その重合基の量(mol)を算出した。必要となるパラメーターはA/a、M/m、V/vというようにいずれもモル比であるため、便宜的に、低分子架橋剤、紫外線吸収剤、重合開始剤、着色剤を除く成分の総和を100gとして種々パラメーターを求めた。このとき、多官能モノマー全体のアクリロイル基のモル数をa、多官能モノマー全体のメタクリロイル基のモル数をm、多官能モノマー全体のビニル基及びアリル基のモル数をvとした。また、単官能モノマー全体のアクリロイル基のモル数をA、単官能モノマー全体のメタクリロイル基のモル数をM、単官能モノマー全体のビニル基及びアリル基のモル数をVとした。このとき、それぞれの重合基の比である、A/a、M/m、V/vの値を求めた。なお、A/a、M/m、V/vの値を後述する表3,4にまとめたが、分母が0である場合は、「−」として表示した。
(1)成分残留率
レンズ作製の過程で得られたドライレンズを5mLのアセトニトリルに浸漬させ、50℃で5時間以上静置して残留成分の抽出を行なった。得られた抽出液を高速液体クロマトグラフにて分析し、重合成分であるN−VPおよびTRISの配合量に対する残留率を算出した。なお濃度既知のN−VPおよびTRISのアセトニトリル溶液を用いて検量線を作成し、以下の式に従ってドライレンズ中の残留率を計算した。すなわち、モノマー残留率(質量%)は、抽出溶媒量V(mL)、モノマーのピーク面積S、検量線傾きs、検量線切片b、レンズ質量W(g)、配合時の成分量w(質量部)、配合全成分の配合比率T(質量部)としたとき、モノマー残留率(質量%)={V×(S−b)}/(s×W×w/T×106)の式を用いて算出した。この残留率は、重合時の系中成分の反応性・残留性を評価するものであり、残留量が少ないことはレンズの安全性が高いことを示し、短時間で残留率を低くすることができれば、生産性向上に繋がる。
(2)溶出量(TOC)
完成レンズ5枚を入れた溶液を超純水で置換したあと、50mLの超純水中で30分間煮沸を行った。この液を(株)島津製作所製TOC計(TOC−VCPH)にて測定し、溶出可能成分量をμgC/枚として見積もった。測定の際は超純水のみを煮沸したブランク液の結果を差し引き、濃度既知のフタル酸水素カリウム水溶液を分析することによって得られた検量線から、完成レンズからの溶出可能物質の量を求めた。重合後モノマーとして残留するN−VPは成分残留率の分析にて評価するが、完成レンズ中に残留する、オリゴマーを含む溶出可能成分全体は、本分析にて評価した。成分残留率および本評価結果を総合した溶出量の総和を、安全性ならびに生産効率性の指標とした。
(3)線膨潤率
水和処理を施したレンズの線膨潤率を求めた。ここでは、20℃における平衡含水状態でのレンズ直径(L2(mm))、ならびに鋳型におけるレンズに相当する部分の直径(L1(mm))を測定し、線膨潤率(%)={(L2−L1)/L1}×100の式により線膨潤率を算出した。
(4)含水率
水和処理を施したレンズの含水率を求めた。この評価では、20℃における生理食塩液中での平衡含水状態での質量(W(g))を測定し、またかかる水和処理後のレンズを105℃乾燥器にて乾燥させた状態での質量(W0(g))を測定した。これらの測定値W0およびWを用い、含水率(質量%)={(W−W0)/W}×100の式に従って含水率(質量%)を算出した。
(5)引張弾性率
作製したコンタクトレンズから、伸張部分の幅約1.8mm、厚み約0.1mmのダンベル形状のサンプルを打ち抜いて引張り試験を実施した。測定は島津製作所製、島津精密万能試験機オートグラフAG−IS MS型を用いて35℃生理食塩液中で行い、応力―伸び曲線から引張弾性率としてヤング率(MPa)を算出した。測定は20℃に調節した生理食塩液中にて行い、引張速度は10mm/分とした。ヤング率が低ければレンズは柔軟であり使用者に良好な装用感を与えるが、低すぎるヤング率は形状保持性が悪いことを指し、取り扱いが困難となる。ヤング率の好ましい範囲は、0.1〜0.6MPaであり、より好ましくは0.1〜0.5MPaである。
(6)応力緩和率
上記引張弾性率の測定の際、0.1N引張時点でロードセルを停止させ、30秒間保持した際の応力緩和率を測定した。ロードセル停止直後の試験力M1(N)、およびロードセル停止から30秒間保持した後の試験力M2(N)から、応力緩和率(%)={(M1−M2)/M1}×100の式に従って応力緩和率を算出した。低い応力緩和率は、反発性に優れていることを指し、形状回復性に優れ、安定した視力を提供することができるレンズといえる。但し、低すぎる応力緩和率は、そのレンズが弾性的であることを意味し、ゴム的な特性は装用感の悪化につながる。応力緩和率の好ましい範囲は、5〜20%であり、9〜17%の範囲であることがさらに好ましい。
(7)酸素透過係数(Dk)
製科研式フィルム酸素透過率計(理化精機工業(株)製)を用い、35℃の生理食塩水中にてレンズの酸素透過係数を測定した。試験試料としては中心厚みが0.1、0.2、0.3、0.4mmとなるようなレンズは作製せず、中心厚さ約0.1mmのレンズを2〜4枚重ねることで厚み違いのレンズとし、測定を行った。値の算出にあたってはISO18369−4(2006)に準拠し、エッジ効果を考慮した算出を行った。リファレンズスタンダードとしてメニコン2ウィークプレミオ((株)メニコン製)を用い、このDk値を129として規格化した。なお酸素透過係数の単位は(×10-11(cm2/sec)・(mLO2/(mL×mmHg))=Barrer)である。
(8)透明性
コンタクトレンズの外観を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
A:曇りがなく、透明性にきわめてすぐれており、コンタクトレンズとして最適である。
B:わずかに曇りが認められるが、コンタクトレンズとして問題のない透明性を有する。
C:白濁が認められ、透明性に劣るため、コンタクトレンズとしての使用が困難である。
D:白濁がいちじるしく、透明性にきわめて劣るため、コンタクトレンズとしての使用が不可能である。
(9)表面潤滑性
コンタクトレンズを手指上で2つ折にして挟み、指でレンズを擦り合わせた際の潤滑性(レンズ同士の接着感およびレンズと手指との接着感)を調べた。またレンズの表面水濡れ性も目視にて観察し、あわせて以下の評価基準に基づいて評価した。
A:水濡れ性にきわめてすぐれ、かつレンズ同士の滑りが良好であり、コンタクトレンズとして最適である。
B:レンズ同士を擦り合わせるとわずかにきしみが感じられるが、コンタクトレンズとして使用可能な程度である。
C:レンズと手指との接着性はないが、レンズ同士の滑りがわるく、動きがなく なることがある。
D:表面に粘着性があり、レンズと手指との接着性が強い。
(10)表面水濡れ性
接触角計(エルマ販売(株)製、G−I,2MG)を用い、25℃の生理食塩水中でレンズの接触角(°) を気泡法にて測定した。接触角の値は、生理食塩水に浸漬させたレンズの頂点部分に、シリンジを用いて5μLの気泡を付着させ、気泡とフィルムとの左右の接触角を平均したものである。なお、かかる接触角が小さいほど表面水濡れ性にすぐれる。
(結果と考察)
各実験例の評価結果を表3、4に示す。表3に示すように、A/a、M/m、V/vがすべて10以上180以下の範囲に入る実験例1〜8では、残留成分量がN−VPで2.5質量%以下、TRISで2.0質量%以下の範囲にあり、残留成分がより少なく生産効率がよいことがわかった。また、実験例1〜8の含水率は40質量%以上であり、応力緩和率は9〜17の範囲であり、弾性率は0.1〜0.5MPaであり、それぞれコンタクトレンズとして良好な値を示した。また、酸素透過係数(Dk)、透明性、表面潤滑性及び表面水濡れ性についても、実験例1〜8は良好であった。また、表4に示すように、A/a、M/m、V/vがすべて10以上180以下の範囲に入る実験例15、16では、残留成分量、含水率、応力緩和率、弾性率など、それぞれコンタクトレンズとして良好な値を示した。また、材料自体の透明性、表面潤滑性についてもいずれも良好であった。一方、実験例9〜14、17では、残留成分量や、含水率、弾性率のうちいずれかが好適な範囲になく、好ましい結果ではなかった。したがって、A/a、M/m、V/vがすべて10以上180以下の範囲にあると、残留成分のより少ない好適な材料を製造できることがわかった。この重合基の比は、A/aが60以上180以下を満たし、M/mが15以上40以下を満たし、且つV/vが110以上170以下を満たすことがより好ましかった。
(光照射条件(重合条件)の検討)
前述の実験例のうち、実験例3の組成の重合性組成物に対して、光照射の条件を変更してその重合性について検討した。実施例3と同一の重合性組成物を用い、実験例3を同一の光源を用い、光照射条件を表5の通りに設定した。その後の処理条件については実施例3と同様に行い、実験例18〜21のコンタクトレンズを得た。
(結果と考察)
表5および表6に示すとおり、同一の組成であっても、重合時の光の強度が異なることによって、重合特性や得られるポリマーの物性が異なることが確認された。重合後期の強い光の照射により、未反応の重合開始剤の開裂、並びに残留しているモノマーの重合が促進され、結果として系中に残留するモノマーやオリゴマーなどの低分子化合物量を効果的に低減させることができることがわかった。また、最終段階の照度は重合の初期段階における照度の10倍以上に設定されることが好ましいと考えられた。
以上のように、シリコーンハイドロゲルの重合時に、低い強度の紫外光を重合組成物に照射する第1重合工程と第1重合工程よりも高い強度の紫外光を照射する第2重合工程、更には第3重合工程を経ることにより、より短時間で、且つよりモノマーやオリゴマーが残留しないシリコーンハイドロゲルを得ることができることがわかった。
なお、本発明は上述した実施例に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
本発明のシリコーンハイドロゲルは、コンタクトレンズのほか、眼内レンズ、人工角膜、角膜オンレイ、角膜インレイ、カテーテル、チューブ、ステント、管、血液バック、プローブ、薄膜等の様々な用途に用いることができる。
10 重合装置、11 コンベア、12 トレイ、14 第1照射部、16 第2照射部、20 成形型、22 雄型、24 雌型、26 キャビティ。

Claims (17)

  1. アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基及びアリル基のうち1つの重合基を有する単官能モノマーと、前記重合基を複数有する多官能モノマーと、光重合性開始剤とを含む重合性組成物に光を照射することにより作製され、
    前記重合性組成物は、親水性を有する親水性化合物と酸素透過性を有するシリコーン化合物と重合性の紫外線吸収化合物とを前記単官能モノマー及び/又は前記多官能モノマーとして含み、前記単官能モノマーの前記重合基と同一種の前記重合基を有する前記多官能モノマーが存在し、
    前記単官能モノマーのアクリロイル基のモル数Aと、前記単官能モノマーのメタクリロイル基のモル数Mと、前記単官能モノマーのビニル基及びアリル基のモル数Vと、前記多官能モノマーのアクリロイル基のモル数aと、前記多官能モノマーのメタクリロイル基のモル数mと、前記多官能モノマーのビニル基及びアリル基のモル数vとが、A>M及びV>Mを満たし、且つA/aとM/mとV/vとがいずれも10以上180以下を満たし、
    前記重合時に照射する光の強度が多段階であり、最初の段階に対して最終段階の光の強度が10倍以上の光を照射することによって重合されている、
    シリコーンハイドロゲル。
  2. 前記A/aが60以上180以下を満たし、前記M/mが15以上40以下を満たし、且つ前記V/vが130以上170以下を満たす、請求項1に記載のシリコーンハイドロゲル。
  3. 前記紫外線吸収化合物は、ベンゾトリアゾール構造と前記重合基とを有する、請求項1又は2に記載のシリコーンハイドロゲル。
  4. 前記重合性組成物は、前記多官能モノマーであるシリコーンマクロマーを前記シリコーン化合物として含み、該シリコーンマクロマーが、ウレタン構造とエチレン型不飽和構造とポリジメチルシロキサン構造と前記重合基とを有する化合物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシリコーンハイドロゲル。
  5. 前記重合性組成物は、前記多官能モノマーであるシリコーンマクロマーを前記シリコーン化合物として含み、該シリコーンマクロマーが、式(1)の構造を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のシリコーンハイドロゲル。
    1−U1−(−S1−U2−)n−S2−U3−A2 …(1)
    [式(1)中、A1は式(2)で表わされる構造を有し、
    21−Z21−R31− …(2)
    (式(2)中、Y21はアクリロイル基、ビニル基またはアリル基を示し、Z21は酸素原子または直接結合を示し、R31は直接結合または炭素数1〜12の直鎖状、分岐鎖もしくは芳香環を有するアルキレン基を示す)
    2は式(3)で表わされる構造を有し、
    −R34−Z22−Y22 …(3)
    (式(3)中、Y22はアクリロイル基、ビニル基またはアリル基を示し、Z22は酸素原子または直接結合を示し、R34は直接結合または炭素数1〜12の直鎖状、分岐鎖もしくは芳香環を有するアルキレン基を示す。ただし、式(2)中のY21および式(3)中のY22は同一であってもよく、異なっていてもよい)
    1は式(4)で表わされる構造を有し、
    −X21−E21−X25−R32− …(4)
    (式(4)中、X21およびX25はそれぞれ独立して直接結合、酸素原子およびアルキレングリコール基から選ばれ、E21は−NHCO−基(ただし、この場合、X21は直接結合であり、X25は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、E21はX25とウレタン結合を形成している)、−CONH−基(ただし、この場合、X21は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、X25は直接結合であり、E21はX21とウレタン結合を形成している)または飽和もしくは不飽和脂肪族系、脂環式系および芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(ただし、この場合、X21およびX25はそれぞれ独立して酸素原子およびアルキレングリコール基から選ばれ、E21はX21およびX25のあいだで2つのウレタン結合を形成している)を示し、R32は炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖を有するアルキレン基を示す)
    1およびS2はそれぞれ独立して式(5)で表わされる構造を有し、
    (式(5)中、R23、R24、R25、R26、R27およびR28はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基、フッ素置換されたアルキル基またはフェニル基を示し、Kは1〜1500の整数、Lは0または1〜1499の整数であり、K+Lは1〜1500の整数である)
    2は式(6)で表わされる構造を有し、
    −R37−X27−E24−X28−R38− …(6)
    (式(6)中、R37およびR38はそれぞれ独立して炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖を有するアルキレン基を示し、X27およびX28はそれぞれ独立して酸素原子またはアルキレングリコール基を示し、E24は飽和もしくは不飽和脂肪族系、脂環式系および芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(ただし、この場合、E24はX27およびX28のあいだで2つのウレタン結合を形成している)を示す)
    3は式(7)で表わされる構造を有し、
    −R33−X26−E22−X22− …(7)
    (式(7)中、R33は炭素数1〜6の直鎖状または分岐鎖を有するアルキレン基を示し、X22およびX26はそれぞれ独立して直接結合、酸素原子およびアルキレングリコール基から選ばれ、E22は−NHCO−基(ただし、この場合、X22は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、X26は直接結合であり、E22はX22とウレタン結合を形成している)、−CONH−基(ただし、この場合、X22は直接結合であり、X26は酸素原子またはアルキレングリコール基であり、E22はX26とウレタン結合を形成している)または飽和もしくは不飽和脂肪族系、脂環式系および芳香族系の群から選ばれたジイソシアネート由来の2価の基(ただし、この場合、X22およびX26はそれぞれ独立して酸素原子およびアルキレングリコール基から選ばれ、E22はX22およびX26のあいだで2つのウレタン結合を形成している)を示す)
    nは0または1〜10の整数である。]
  6. 前記重合性組成物は、シリコーンマクロマーを前記シリコーン化合物として含み、該シリコーンマクロマーが前記重合性組成物の全体に対して30質量%以下含まれる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のシリコーンハイドロゲル。
  7. 前記重合性組成物は、N−ビニル−2−ピロリドン及びN−ビニル−N−メチルアセトアミドのうちいずれか1以上を前記親水性化合物として含み、該親水性化合物が前記重合性組成物全体に対して30質量%以上含まれる、請求項1〜6のいずれか1項に記載のシリコーンハイドロゲル。
  8. 前記重合性組成物が、単官能シリコーン含有モノマーをさらに含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシリコーンハイドロゲル。
  9. 前記単官能シリコーン含有モノマーは、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート及びトリス(トリメチルシロキシ)シリルスチレンのうち1以上である、請求項8に記載のシリコーンハイドロゲル。
  10. 前記重合性組成物が、CH2=CR1−CO−(OCH2CH2n−OR2(但し、R1はH又はCH3基、R2はCH3基またはCH2CH3基であり、n=1〜3の整数)を更に含有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のシリコーンハイドロゲル。
  11. 前記重合性組成物が、2−メトキシエチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−メトキシエトキシエチルアクリレート及び2−エトキシエトキシエチルアクリレートから選ばれる1以上を含有する、請求項10に記載のシリコーンハイドロゲル。
  12. 重合したキセロゲルに表面処理を行って製造されている、請求項1〜11のいずれか1項に記載のシリコーンハイドロゲル。
  13. N−ビニル−2−ピロリドン及びN−ビニル−N−メチルアセトアミドのうちいずれか1以上を親水性化合物として含む重合性組成物から作製され、これらの成分残留率がいずれも2.5質量%以下である、シリコーンハイドロゲル。
  14. 前記重合性組成物は、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基及びアリル基のうち1つの重合基を有する単官能モノマーと、前記重合基を複数有する多官能モノマーとを含み、且つ、前記親水性化合物と酸素透過性を有するシリコーン化合物とを前記単官能モノマー及び/又は前記多官能モノマーとして含み、前記単官能モノマーの前記重合基と同一種の前記重合基を有する前記多官能モノマーが存在し、
    前記単官能モノマーのアクリロイル基のモル数Aと、前記単官能モノマーのメタクリロイル基のモル数Mと、前記単官能モノマーのビニル基及びアリル基のモル数Vと、前記多官能モノマーのアクリロイル基のモル数aと、前記多官能モノマーのメタクリロイル基のモル数mと、前記多官能モノマーのビニル基及びアリル基のモル数vとが、A>M及びV>Mを満たし、且つA/aとM/mとV/vとがいずれも10以上180以下を満たす、請求項13に記載のシリコーンハイドロゲル。
  15. 前記A/aが60以上180以下を満たし、前記M/mが15以上40以下を満たし、且つ前記V/vが130以上170以下を満たす、請求項14に記載のシリコーンハイドロゲル。
  16. 前記重合性組成物は、前記多官能モノマーであるシリコーンマクロマー及び単官能シリコーン含有モノマーをシリコーン化合物として含む、請求項13〜15のいずれか1項に記載のシリコーンハイドロゲル。
  17. アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基及びアリル基のうち1つの重合基を有する単官能モノマーと、前記重合基を複数有する多官能モノマーと、光重合性開始剤とを含む重合性組成物に光を照射するシリコーンハイドロゲルの製造方法であって、
    前記重合性組成物は、親水性を有する親水性化合物と酸素透過性を有するシリコーン化合物と重合性の紫外線吸収化合物とを前記単官能モノマー及び/又は前記多官能モノマーとして含み、前記単官能モノマーの前記重合基と同一種の前記重合基を有する前記多官能モノマーが存在し、前記単官能モノマーのアクリロイル基のモル数Aと、前記単官能モノマーのメタクリロイル基のモル数Mと、前記単官能モノマーのビニル基及びアリル基のモル数Vと、前記多官能モノマーのアクリロイル基のモル数aと、前記多官能モノマーのメタクリロイル基のモル数mと、前記多官能モノマーのビニル基及びアリル基のモル数vとが、A>M及びV>Mを満たし、且つA/aとM/mとV/vとがいずれも10以上180以下を満たす前記重合性組成物を配合する配合工程と、
    前記重合性組成物に照射する光の強度が多段階であり、最初の段階に対して最終段階の光の強度が10倍以上の光を照射することによって前記重合性組成物を重合する重合工程と、
    を含むシリコーンハイドロゲルの製造方法。
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