JPH0675193A - 複合レンズの製造方法 - Google Patents

複合レンズの製造方法

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Publication number
JPH0675193A
JPH0675193A JP24714392A JP24714392A JPH0675193A JP H0675193 A JPH0675193 A JP H0675193A JP 24714392 A JP24714392 A JP 24714392A JP 24714392 A JP24714392 A JP 24714392A JP H0675193 A JPH0675193 A JP H0675193A
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JP
Japan
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acrylate
methacrylate
lens
group
alcohol
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Pending
Application number
JP24714392A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Ito
徹男 伊藤
Toshiyuki Ninomiya
利幸 二宮
Osamu Kurita
修 栗田
Kenji Yasuda
健二 安田
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0675193A publication Critical patent/JPH0675193A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学的特性、視力矯正能に優れ、異物感もな
く、また眼内挿入時にも眼内組織を損傷することがな
く、しかも加工性が良好で寸法精度に優れた複合レンズ
を製造する改良方法を提供する。 【構成】 (1)光学部素材および周辺部素材がともに
アルコール反応性を有する重合体からなるレンズ基体を
形成し、次いで(2)該レンズ基体をアルコールと反応
させることを特徴とする、光学部が周辺部より相対的に
硬質な複合レンズの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合レンズの製造方法
に関わり、さらに詳しくは、光学部が周辺部より相対的
に硬質な複合レンズの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、視力矯正のためには、眼鏡、コン
タクトレンズあるいは眼内レンズが利用されており、そ
のための眼用レンズとして、さまざまの材料が使用され
ている。例えば、プラスチック材料としては、ポリメチ
ルメタクリレート(PMMA)等の硬質材料、並びにポ
リ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(N
−ビニル−2−ピロリドン)等の含水性軟質材料や、シ
リコーンポリマー、アルキルアクリレート系ポリマー等
の非含水性軟質材料が知られている。これらのうち、硬
質材料は光学特性、視力矯正能等に優れている反面、異
物感が強く、また、眼内挿入時に眼内組織を損傷した
り、手術後合併症を併発する可能性が高いという欠点が
ある。しかも、眼内において生体成分が付着しやく、光
学面が不透明になる症例も報告されている。PMMAレ
ンズについては、生体成分の付着に伴う光学面の不透明
化の問題は、種々の表面処理技術により改善されてきて
いるが、角膜内皮細胞の損傷や合併症の併発等の問題点
に関しては、全く改良されていないのが実状である。ま
た、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポ
リ(N−ビニル−2−ピロリドン)等の含水性軟質レン
ズは、異物感が少なく、眼内に挿入する場合にも眼内組
織を損傷したり手術後に合併症を併発したりする可能性
も低いが、光学特性や視力矯正能が十分でなく、また、
コンタクトレンズとして使用する場合は煮沸消毒が必要
となるなるなど、取扱いが極めて煩雑であるという問題
も有している。さらに、軟質レンズは、一般に力学的強
度が小さいため、眼内挿入時や挿入後に破損する可能性
があり、しかも軟質レンズの素材は微細加工性に劣るた
め、精度よく加工することが困難である。そこで、これ
らの問題点を解決し、光学特性および視力矯正能に優
れ、異物感や眼内挿入時に眼内組織を損傷するおそれの
ない眼用レンズとして、光学部が硬質で周辺部が軟質な
複合レンズが提案されている(特公昭55−29402
号公報、特公昭60−49298号公報参照)。そのう
ち、特公昭55−29402号公報のものは、柱状硬質
透明ポリマーの周囲に水によって軟化膨潤する軟質透明
ポリマー層を有する柱状積層体を塊状重合によって製造
し、この柱状積層体を切削加工することにより製造さ
れ、また特公昭60−49298号公報のものは、高速
回転する円筒状容器中で軟質ポリマーを与えるモノマー
から硬質ポリマーを与えるモノマーへと組成の異なるモ
ノマー混合物を順次注入しつつ重合させることにより、
周辺部ほど吸水率が大きい重合物を製造し、次いでこの
重合物を切削加工することにより製造されるものであ
る。しかしながら、これらの複合レンズは、軟質な周辺
部が水により軟化膨潤するかあるいは吸水性の高い素材
からなるため、加工中の水分の吸収によって、軟質周辺
部と硬質光学部との移行部において歪みが生じ、精密に
仕上げることが困難であるという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、光学的特性、視力矯正能に優れ、異物感もな
く、また眼内挿入時にも眼内組織を損傷することがな
く、さらには加工性が良好で寸法精度に優れた複合レン
ズを製造する改良方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、(1)
光学部素材および周辺部素材がともにアルコール反応性
を有する重合体からなるレンズ基体を形成し、次いで
(2)該レンズ基体をアルコールと反応させることを特
徴とする、光学部が周辺部より相対的に硬質な複合レン
ズの製造方法に関わる。本発明において、光学部が周辺
部より相対的に硬質であるとは、光学部のガラス転移点
が周辺部より高いことを意味する。
【0005】本発明において、最終的に得られる複合レ
ンズの光学部を構成する重合体のガラス転移点は、通常
−45℃以上、好ましくは−40〜150℃の範囲から
選択され、また周辺部を構成する重合体のガラス転移点
は、通常50°C以下、好ましくは−60〜10℃の範
囲から選択される。これらの重合体の適切なガラス転移
点並びに両重合体間のガラス転移点の差は、複合レンズ
の使用目的、適用症例等に応じて選定されるものであ
り、本発明により製造される複合レンズは、選定された
ガラス転移点に応じて、全体として軟質といいうるもの
から全体として硬質といいうるものまでの性状を有す
る。このような本発明における複合レンズの光学部を構
成する重合体と周辺部を構成する重合体とのガラス転移
点の差は、好ましくは5℃以上、特に好ましくは10〜
150℃である。
【0006】本発明において、光学部素材あるいは周辺
部素材を構成するアルコール反応性を有する重合体は、
アルコールとの反応により、エステル化反応および/ま
たはエステル交換反応を生起する重合体である。
【0007】前記アルコール反応性を有する重合体とし
ては、例えば不飽和カルボン酸、アルキルアクリレー
ト、フルオロアルキルアクリレート、イタコン酸アルキ
ルエステル、フマル酸アルキルエステルおよびマレイン
酸アルキルエステルから選ばれる少なくとも1種の単量
体(以下、「アルコール反応性単量体」という。)の重
合体を挙げることができる。
【0008】前記不飽和カルボン酸としては、例えばア
クリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレ
イン酸等のモノ−またはポリ−カルボン酸を挙げること
ができる。
【0009】また、前記アルキルアクリレートまたはフ
ルオロアルキルアクリレートとしては、下記一般式(I) CH2=CH-COOR1 ・・・(I) (式中、R1は炭素数1〜20のアルキル基または炭素数
1〜4の2価炭化水素基を介して結合した炭素数1〜2
0のフルオロアルキル基を示す。)で表される単量体が
好ましい。
【0010】一般式(I)の単量体の具体例としては、
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピ
ルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチ
ルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ペンチ
ルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−ヘプ
チルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エ
チルヘキシルアクリレート、n−ノニルアクリレート、
n−デシルアクリレート、n−ドデシルアクリレート、
n−ウンデシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレ
ート、イソボルニルアクリレート等の直鎖状、分岐状ま
たは環状の炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜1
2)のアルキルアクリレート;および2,2,2−トリ
フルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラ
フルオロプロピルアクリレート、2,2,3,3,3−
ペンタフルオロプロピルアクリレート、2,2,2,
2′,2′,2′−ヘキサフルオロイソプロピルアクリ
レート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチ
ルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オ
クタフルオロペンチルアクリレート、2,2,3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプ
チルアクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,
6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロ
ノニルアクリレート、3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルア
クリレート、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−メ
チルプロピルアクリレート、2,2,3,3−テトラフ
ルオロ−1,1−ジメチルプロピルアクリレート、2,
2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,1
−ジメチルペンチルアクリレート等の直鎖状または分岐
状の炭素数2〜20(好ましくは炭素数2〜12)のフ
ルオロアルキルアクリレートを挙げることができる。
【0011】さらに、前記イタコン酸アルキルエステル
としては、例えばイタコン酸モノメチル、イタコン酸ジ
メチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸ジエチル、
イタコン酸モノブチル、イタコン酸ジブチル、イタコン
酸ジオクチル等を、前記フマル酸アルキルエステルとし
ては、例えばフマル酸モノメチル、フマル酸ジメチル、
フマル酸モノエチル、フマル酸ジエチル、フマル酸モノ
ブチル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジオクチル等を、
前記マレイン酸アルキルエステルとしては、例えばマレ
イン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モ
ノエチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸モノブチ
ル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル等を、
それぞれ挙げることができる。
【0012】本発明における複合レンズのレンズ基体に
おける光学部素材および周辺部素材はともに、前記アル
コール反応性単量体の少なくとも1種の単量体の重合体
から構成されるが、該アルコール反応性単量体のみで
は、得られる複合レンズの光学的特性、成形加工性等が
十分でない場合があるので、下記一般式(II)で表される
シリコーン単量体および一般式(III) で表されるアクリ
ル系エステルの少なくとも1種を、アルコール反応性単
量体と併用することが好ましい。
【0013】
【化1】 〔式中、A は重合性不飽和基を示し、X は炭素数1〜1
0(好ましくは1〜4)の2価の炭化水素基を示し、R2
〜R7は同一でも異なってもよく、水素原子、アルキル
基、フルオロアルキル基、フェニル基、ビニル基または
【化2】 基(ここで、R8〜R10 は同一でも異なってもよく、水素
原子、アルキル基、フルオロアルキル基、フェニル基ま
たはビニル基であるが、R8〜R10 の2以上が同時に水素
原子となることはない。)を示すが、R2とR3とが、R4
R5とが、またR6とR7とが、それぞれ同時に水素原子とな
ることはなく、Z は水素原子、アルキル基またはフルオ
ロアルキル基を示し、k は0〜100(好ましくは0〜
20)の整数であり、k が2以上の場合は、複数存在す
る-Si(R4)(R5)O- 単位は同一でも異なってもよい。〕
【0014】
【化3】 (式中、R11 およびR12 は同一でも異なってもよく、ア
ルキル基またはフルオロアルキル基を示す。)
【0015】一般式(II)および (III)において、R2〜 R
12およびZ のうちのアルキル基としては、例えばメチル
基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−
ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル
基、i−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチ
ル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、ド
デシル基、ウンデシル基、シクロヘキシル基、イソボル
ニル基等の炭素数1〜12(好ましくは1〜8)の直鎖
状、分岐状または環状のアルキル基が挙げられ、R2〜 R
12およびZ のうちのフルオロアルキル基としては、例え
ばトリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、トリ
フルオロプロピル基、ペンタフルオロブチル基、ヘプタ
フルオロペンチル基、ノナフルオロヘキシル基等の炭素
数1〜12(好ましくは1〜8)のフルオロアルキル基
が挙げられる。また、X としては、例えばメチレン基、
エチレン基、プロピレン基等が挙げられ、A としては、
例えばビニル基、アリル基、CH2=C(R13)COO-基(ここ
で、R13 は水素原子、フッ素原子、メチル基またはフル
オロメチル基である。)、CH2=CHCONH- 基、CH2=C(CN)-
基、CH2=C(CN)COO- 基、CH2=CHC6H4- 基等が挙げられ
る。
【0016】一般式(II)で表されるシリコーン単量体と
しては、例えばペンタメチルジシロキサニルメチルメタ
クリレート、ペンタメチルジシロキサニルメチルアクリ
レート、ペンタメチルジシロキサニルプロピルメタクリ
レート、ペンタメチルジシロキサニルプロピルアクリレ
ート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピ
ルメタクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)
シリルプロピルアクリレート、トリス(トリメチルシロ
キシ)シリルプロピルメタクリレート、トリス(トリメ
チルシロキシ)シリルプロピルアクリレート、メチルビ
ス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロール
メタクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シ
リルプロピルグリセロールアクリレート、トリス(トリ
メチルシロキシ)シリルプロピルグリセロールメタクリ
レート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル
グリセロールアクリレート、モノ〔メチルビス(トリメ
チルシロキシ)シロキシ〕ビス(トリメチルシロキシ)
シリルプロピルグリセロールメタクリレート、モノ〔メ
チルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ〕ビス(トリ
メチルシロキシ)シリルプロピルグリセロールアクリレ
ート、トリメチルシリルエチルテトラメチルジシロキサ
ニルプロピルグリセロールメタクリレート、トリメチル
シリルエチルテトラメチルジシロキサニルプロピルグリ
セロールアクリレート等のシロキサニルモノメタクリレ
ートまたはシロキサニルモノアクリレート;(3,3,
3−トリフルオロプロピルジメチルシロキシ)ビス(ト
リメチルシロキシ)シリルメチルメタクリレート、
(3,3,3−トリフルオロプロピルジメチルシロキ
シ)ビス(トリメチルシロキシ)シリルメチルアクリレ
ート、(3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロ
ペンチルジメチルシロキシ)〔メチルビス(トリメチル
シロキシ)シロキシ〕トリメチルシロキシシリルプロピ
ルメタクリレート、(3,3,4,4,5,5,5−ヘ
プタフルオロペンチルジメチルシロキシ)〔メチルビス
(トリメチルシロキシ)シロキシ〕トリメチルシロキシ
シリルプロピルアクリレート、(3,3,4,4,5,
5,5−ヘプタフルオロペンチルジメチルシロキシ)
(ペンタメチルジシロキサニルオキシ)トリメチルシロ
キシシリルメタクリレート等のフルオロシロキサニルモ
ノメタクリレートまたはフルオロシロキサニルモノアク
リレート;および下記式で表されるシロキサニルジメタ
クリレートが挙げられる。
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】これらのシリコーン単量体のうち、特に好
ましい単量体は、ペンタメチルジシロキサニルメチルメ
タクリレート、ペンタメチルジシロキサニルプロピルメ
タクリレート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリ
ルプロピルメタクリレート、トリス(トリメチルシロキ
シ)シリルプロピルメタクリレート等のシロキサニルモ
ノメタクリレート;および(3,3,3−トリフルオロ
プロピルジメチルシロキシ)ビス(トリメチルシロキ
シ)シリルメチルメタクリレート、(3,3,4,4,
5,5,5−ヘプタフルオロペンチルジメチルシロキ
シ)〔メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ〕ト
リメチルシロキシシリルプロピルメタクリレート、
(3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチ
ルジメチルシロキシ)(ペンタメチルジシロキサニルオ
キシ)トリメチルシロキシシリルメタクリレート等のフ
ルオロシロキサニルモノメタクリレートである。これら
のシリコーン単量体は、本発明における複合レンズに対
して酸素透過性を付与する作用を有するものである。
【0020】また、一般式(III) で表されるアクリル系
エステルとしては、例えばメチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、i−
プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、
t−ブチルメタクリレート、n−ペンチルメタクリレー
ト、n−ヘキシルメタクリレート、n−ヘプチルメタク
リレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘ
キシルメタクリレート、n−ノニルメタクリレート、n
−デシルメタクリレート、n−ドデシルメタクリレー
ト、n−ウンデシルメタクリレート、シクロヘキシルメ
タクリレート、イソボルニルメタクリレート等のアルキ
ルメタクリレート;2,2,2−トリフルオロエチルメ
タクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル−α−
トリフルオロメチルメタクリレート、2,2,3,3−
テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,
3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2,
2,2,2′,2′,2′−ヘキサフルオロイソプロピ
ルメタクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフ
ルオロブチルメタクリレート、2,2,3,3,4,
4,5,5−オクタフルオロペンチルメタクリレート、
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ド
デカフルオロヘプチルメタクリレート、2,2,3,
3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9
−ヘキサデカフルオロノニルメタクリレート、3,3,
4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデ
カフルオロオクチルメタクリレート、2,2,3,3−
テトラフルオロ−1−メチルプロピルメタクリレート、
2,2,3,3−テトラフルオロ−1,1−ジメチルプ
ロピルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,
5−オクタフルオロ−1,1−ジメチルペンチルメタク
リレート等のフルオロアルキルメタクリレート;メチル
−(α−エチル)アクリレート、エチル−(α−エチ
ル)アクリレート、プロピル−(α−エチル)アクリレ
ート、ブチル−(α−エチル)アクリレート、2−ヒド
ロキシエチル−(α−エチル)アクリレート、2−ヒド
ロキシプロピル−(α−エチル)アクリレート、ジエチ
ルアミノエチル−(α−エチル)アクリレート、グリシ
ジル−(α−エチル)アクリレート、メチル−(α−ブ
チル)アクリレート、エチル−(α−ブチル)アクリレ
ート、プロピル−(α−ブチル)アクリレート、ブチル
−(α−ブチル)アクリレート、2−ヒドロキシエチル
−(α−ブチル)アクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ル−(α−ブチル)アクリレート、ジエチルアミノエチ
ル−(α−ブチル)アクリレート、グリシジル−(α−
ブチル)アクリレート等のアルキル−(α−アルキル)
アクリレート;メチル−(α−トリフルオロエチル)ア
クリレート、エチル−(α−トリフルオロエチル)アク
リレート、プロピル−(α−トリフルオロエチル)アク
リレート、ブチル−(α−トリフルオロエチル)アクリ
レート、メチル−(α−トリフルオロプロピル)アクリ
レート、エチル−(α−トリフルオロプロピル)アクリ
レート、プロピル−(α−トリフルオロプロピル)アク
リレート、ブチル−(α−トリフルオロプロピル)アク
リレート、メチル−(α−ノナフルオロヘキシル)アク
リレート、エチル−(α−ノナフルオロヘキシル)アク
リレート、プロピル−(α−ノナフルオロヘキシル)ア
クリレート、ブチル−(α−ノナフルオロヘキシル)ア
クリレート等のアルキル−(α−フルオロアルキル)ア
クリレート;および2,2,2−トリフルオロエチル−
(α−トリフルオロエチル)アクリレート、2,2,
3,3−テトラフルオロプロピル−(α−トリフルオロ
エチル)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフ
ルオロプロピル−(α−トリフルオロエチル)アクリレ
ート、2,2,2,2′,2′,2′−ヘキサフルオロ
イソプロピル−(α−トリフルオロエチル)アクリレー
ト、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチル−
(α−トリフルオロエチル)アクリレート、2,2,
3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル−
(α−トリフルオロエチル)アクリレート、2,2,
3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフル
オロヘプチル−(α−トリフルオロエチル)アクリレー
ト、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,
7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノニル−(α
−トリフルオロエチル)アクリレート、3,3,4,
4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフ
ルオロオクチル−(α−トリフルオロエチル)アクリレ
ート、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−メチルプ
ロピル−(α−トリフルオロエチル)アクリレート、
2,2,3,3−テトラフルオロ−1,1−ジメチルプ
ロピル−(α−トルフルオロエチル)アクリレート、
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−
1,1−ジメチルペンチル−(α−トリフルオロエチ
ル)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル−
(α−ノナフルオロヘキシル)アクリレート、2,2,
3,3,3−ペンタフルオロプロピル−(α−ノナフル
オロヘキシル)アクリレート、2,2,2,2′,
2′,2′−ヘキサフルオロイソプロピル−(α−ノナ
フルオロヘキシル)アクリレート、2,2,3,4,
4,4−ヘキサフルオロブチル−(α−ノナフルオロヘ
キシル)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,
5−オクタフルオロペンチル−(α−ノナフルオロヘキ
シル)アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,
5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチル−(α−
ノナフルオロヘキシル)アクリレート、2,2,3,
3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,9,9
−ヘキサデカフルオロノニル−(α−ノナフルオロヘキ
シル)アクリレート、3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチル−
(α−ノナフルオロヘキシル)アクリレート、2,2,
3,3−テトラフルオロ−1−メチルプロピル−(α−
ノナフルオロヘキシル)アクリレート、2,2,3,3
−テトラフルオロ−1,1−ジメチルプロピル−(α−
ノナフルオロヘキシル)アクリレート、2,2,3,
3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,1−ジメチ
ルペンチル−(α−ノナフルオロヘキシル)アクリレー
ト、2,2,2−トリフルオロエチル−(α−ペンタデ
カフルオロノニル)アクリレート、2,2,3,3,3
−ペンタフルオロプロピル−(α−ペンタデカフルオロ
ノニル)アクリレート等のフルオロアルキル−(α−フ
ルオロアルキル)アクリレートが挙げられる。
【0021】これらのアクリル系エステルのうち、特に
好ましい化合物は、メチルメタクリレート、エチルメタ
クリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチル
メタクリレート、t−ブチルメタクリレート、シクロヘ
キシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート等
のアルキルメタクリレート;および2,2,2−トリフ
ルオロエチルメタクリレート、2,2,2−トリフルオ
ロエチル−α−トリフルオロメチルメタクリレート、
2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタクリレー
ト、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタ
クリレート、2,2,2,2′,2′,2′−ヘキサフ
ルオロイソプロピルメタクリレート、2,2,3,4,
4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート、2,
2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチル
メタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,
6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチルメタクリレー
ト、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,
8,8−トリデカフルオロオクチルメタクリレート、
2,2,3,3−テトラフルオロ−1−メチルプロピル
メタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロ−
1,1−ジメチルプロピルメタクリレート、2,2,
3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,1−ジ
メチルペンチルメタクリレート等のフルオロアルキルメ
タクリレートである。
【0022】本発明において、前記シリコーン単量体お
よび/またはアクリル系エステルの共重合比率は、複合
レンズの特性に応じて適宜選定されるが、通常、90重
量%以下、好ましくは80重量%以下である。
【0023】さらに本発明においては、光学部素材およ
び周辺部素材の硬度を増加させて、切削性、研磨性等の
加工特性をより向上させるために、前記シリコーン単量
体に該当しない架橋性単量体をさらに共重合することが
できる。前記架橋性単量体としては、例えばエチレング
リコールジメタクリレート、エチレングリコールジアク
リレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジ
エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、トリエチレングリコールジア
クリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレー
ト、テトラエチレングリコールジアクリレート、プロピ
レングリコールジメタクリレート、プロピレングリコー
ルジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリ
レート、1、4−ブタンジオールジアクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグ
リコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート等の多官能性単量体を挙げることができる。これら
の架橋性単量体の共重合比率は、通常30重量%以下で
あり、好ましくは20重量%以下である。架橋性単量体
の共重合比率が30重量%を超えると、複合レンズ用素
材が脆くなる場合がある。
【0024】また、複合レンズの表面に親水性を発現さ
せるために、N−ビニル−2−ピロリドン、α−メチレ
ン−N−メチルピロリドン、2−ヒドロキシエチルメタ
クリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−
ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシブチ
ルアクリレート、ジヒドロキシブチルメタクリレート、
ジヒドロキシブチルアクリレート、メタクリルアミド、
アクリルアミド、ジエチルアミノエチルメタクリレー
ト、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミ
ノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルアクリ
レート等の親水性単量体を共重合することができる。こ
れらの親水性単量体の共重合比率は、高くなるとそれだ
け複合レンズの含水率も増加するので、通常20重量%
以下であり、好ましくは15重量%以下である。
【0025】さらに、本発明においては、前記シリコー
ン単量体、前記アクリル系エステル、前記架橋性単量体
および前記親水性単量体以外に、スチレンもしくはスチ
レン誘導体、例えばトリメチルシリルスチレン、フルオ
ロスチレン、トリフルオロスチレン、メチルスチレン、
トリメチルスチレン等、をアルコール反応性単量体と共
重合することもできる。これらのスチレンもしくはスチ
レン誘導体の共重合比率は、例えば60重量%以下であ
り、好ましくは50重量%以下である。
【0026】本発明におけるレンズ基体は、光学部素材
および周辺部素材がともに、前述したアルコール反応性
単量体を、好ましくは前記シリコーン単量体および/ま
たは前記アクリル系エステルとともに、場合により、さ
らに前記架橋性単量体、前記親水性単量体あるいは前記
スチレンもしくはその誘導体とともに、重合した重合体
からなるものであるが、この場合、光学部素材および周
辺部素材を構成する各単量体の種類および組成は、後述
するアルコールとの反応後において、光学部が周辺部よ
り相対的に硬質となるように、適切に選定されなければ
ならない。レンズ基体をアルコールと反応させることに
より、一般に、光学部素材および周辺部素材とも、ガラ
ス転移点が下がって軟質化する傾向があるので、光学部
素材のアルコール反応性単量体の含有率が周辺部素材と
同等かそれより多い場合は、、光学部素材が周辺部素材
より十分硬くなるように、各単量体の種類および組成を
調節しなければならない。但し、光学部素材のアルコー
ル反応性が周辺部素材より低い場合は、アルコールとの
反応前の光学部素材の硬度を周辺部素材と同等程度とす
ることもでき、また、場合によっては、光学部素材が周
辺部素材より多少軟質であることもできる。
【0027】本発明におけるレンズ基体は、例えば次の
(イ)、(ロ)等の方法により形成することができる。 (イ)光学部素材を形成する単量体と周辺部素材を形成
する単量体とを所要レンズ形状の成形型中で複合構造に
重合するか、または予め重合した光学部素材および硬質
周辺部素材を所要レンズ形状の成形型を用いて複合構造
に成形する方法、 (ロ)光学部素材を形成する単量体と周辺部素材を形
成する単量体とを段階的に重合して得られる複合構造を
有する塊状材料、または光学部素材と周辺部素材と
を、例えば同心円柱状に複合化した塊状材料を、所要の
レンズ形状に切削・研磨加工する方法、
【0028】前記(イ)、(ロ)の方法のうち、(イ)
の方法は、複合レンズの種類等に応じて、精密な成形型
を多種類且つ多数必要とするため、経済性、作業性等に
問題があり、一般的には(ロ)の方法が好ましい。そこ
で以下では、(ロ)の方法について、さらに説明する。
【0029】前記(ロ)のうち、の方法における塊状
材料は、(i) 予め形成した光学部素材の存在下で、周辺
部素材を形成する単量体を重合する方法、(ii)予め形成
した周辺部素材の存在下で、光学部素材を形成する単量
体を重合する方法等により製造することができ、また
の方法における複合化は、通常の接合等の成形法により
実施することができるが、この場合、光学部素材と周辺
部素材とを所要の配置関係に押出被覆または共押出する
こと等により、連続的に実施することもできる。これら
の方法のうち、(i) および(ii)は、単量体の種類や単量
体組成を適切に選択・組み合わせることにより、重合歪
みや光学歪みを抑制することができるとともに、光学部
素材と周辺部素材との接合を緊密化することができる点
で好ましい方法である。また(i) および(ii)の方法で
は、光学部素材から周辺部素材へと、性状を連続的にま
たは多段階に遷移させることも可能である。なお、(i)
および(ii)の方法は、前記(イ)の方法における重合に
も適用することができるものである。
【0030】前記(i) の方法は、例えば円柱状の光学部
素材の周囲で周辺部素材を形成する単量体を重合するこ
とにより、また、前記(ii)の方法は、例えば回転型を使
用して周辺部素材を形成する単量体を重合したのち光学
部素材を形成する単量体を注入して重合を継続する方
法、中空円筒状の周辺部素材の中空部に、光学部素材を
形成する単量体を注入して重合する方法等により、実施
することができる。(i) および(ii)の方法においては、
重合に使用される単量体は、プレポリマーの形態であっ
ても、あるいは単量体に適当な重合体を溶解した溶液で
もよい。さらに、予め形成された光学部素材または周辺
部素材も、重合中に所要の形状を維持できる限りでは、
プレポリマーの形態あるいは重合体に単量体を含浸させ
たものでもよく、この場合には、重合過程で単量体の重
合を完結させればよい。
【0031】前記(i) および(ii)の方法における重合
は、通常のラジカル重合反応により実施することができ
る。それためには、例えばベンゾイルパーオキシド、ア
ゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニ
トリル等の熱重合開始剤を使用して、場合により温度を
段階的に昇温させて重合する方法、あるいはベンゾイ
ン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒ
ラーケトン等の光重合開始剤の存在下で光を照射して重
合する方法等を採用することができる。段階的に昇温し
て重合する場合には、分解温度の異なる2種以上の熱重
合開始剤を併用することもでき、また光重合を行なう場
合、光重合開始剤と熱重合開始剤とを併用して、光重合
と熱重合とを同時にまたは段階的に行なってもよい。こ
れらの熱重合開始剤または光重合開始剤の使用量は、通
常、単量体100重量部当たり0.01〜5重量部であ
る。
【0032】前記のようにして得られた光学部素材およ
び周辺部素材はともに、十分な硬度を有し、精密な切削
・研磨加工が可能であって、眼内レンズ等を含めた各種
眼用レンズのレンズ基体に容易に加工することができ
る。
【0033】次に、レンズ基体をアルコールと反応させ
て、エステル化反応および/またはエステル交換反応を
行なうことにより、複合レンズを製造する。この際に使
用されるアルコールとしては、n−プロパノール、n−
ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n
−ヘプタノール、n−オクタノール、n−ノナノール、
n−デカノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノー
ル等の炭素数3〜12のアルコール、これらのアルコー
ルのアルキル基中の水素原子の一部または全部をフッ素
原子で置換したフルオロアルキルアルコール等を挙げる
ことができる。これらのアルコールは、複合レンズの特
性等に応じて、単独でまたは2種以上が選択使用され
る。
【0034】このようなエステル化反応および/または
エステル交換反応によって、ともにアルコール反応性単
量体の重合体からなる光学部素材および周辺部素材は、
アルコールの種類、アルコール反応性単量体の種類とそ
の共重合比率等に応じて軟質化される。本発明におい
て、光学部素材および周辺部素材のアルコール反応性
は、基本的には、各素材をなす重合体中のアルコール反
応性単量体の共重合比率によって調節される。即ち、こ
れらの単量体の共重合比率が高いとアルコール反応性も
高くなる。また、場合により、架橋性単量体の共重合比
率を高い場合も、重合体中に導入された架橋構造によ
り、アルコール反応性がある程度抑えられる。したがっ
て本発明においては、アルコール反応性単量体の共重合
比率並びに架橋性単量体の共重合比率を適切に選定する
ことにより、アルコールとの反応後の光学部および周辺
部の硬度を所望の値に調節することができる。また、エ
ステル化反応および/またはエステル交換反応により、
各素材は、例えば25℃における含水率が10重量%以
下の非含水性または低含水性を有するものとなる。
【0035】前記エステル化反応および/またはエステ
ル交換反応は、通常、触媒の存在下で行なわれる。この
触媒は、水酸化ナトリウム等のアルカリ性触媒でもよい
が、酸性触媒、例えば濃硫酸、メタンスルホン酸、トル
エンスルホン酸等、が好ましい。これらの触媒の濃度
は、アルコール中の濃度として0.2〜10重量%が好
ましい。処理条件は、通常、約20〜200°Cの温度
で1〜100時間程度である。これらのエステル化反応
および/またはエステル交換反応処理の詳細は、特公昭
53−31198号公報に記載されている。
【0036】エステル化反応および/またはエステル交
換反応後の複合レンズは、反応に用いた触媒、未反応ア
ルコール、反応によって生じたアルコール、反応溶媒、
水等で含浸されているので、これらを除去するため、ソ
ックスレー抽出器等を用いて洗浄することが好ましい。
そのための洗浄溶媒としては、例えばトルエン、ヘキサ
ン等の炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム等のハ
ロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン等の
ケトンを挙げることができる。洗浄後の複合レンズは、
20〜150°Cで乾燥することにより、洗浄溶媒を除
去することができる。
【0037】以上のようにして製造された複合レンズ
は、所望により、アルカリ処理等の化学的処理、酸素、
窒素等によるプラズマ処理、親水性化合物によるプラズ
マ重合処理、あるいは無機化合物の蒸着、スパッタリン
グ、イオンプレーティング等による処理により、親水性
や生体親和性を改善することができ、それにより、涙液
や眼内液とのなじみをさらに改善することができる。
【0038】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例
に限定されるものではない。なお、ここで部は重量に基
づく。 実施例1 内径5mm、深さ20mmのポリエチレン製容器に、ア
クリル酸15部、メチルメタクリレート30部、ブチル
メタクリレート20部、2,2,3,4,4,4−ヘキ
サフルオロブチルメタクリレート30部、エチレングリ
コールジメタクリレート5部、およびベンゾインメチル
エーテル0.05部からなる混合物を注入し、窒素雰囲
気下、室温で紫外線を1時間照射したのち重合を停止し
て、プリン様の柱状物を得た。この柱状物を、内径15
mm、深さ20mmのポリエチレン製容器の中央に置
き、その周囲にアクリル酸40部、ブチルアクリレート
30部、ブチルメタクリレート25部、エチレングリコ
ールジメタクリレート5部、ベンゾインメチルエーテル
0.05部、およびアゾビスイソブチロニトリル0.0
5部からなる混合物を注入して、窒素雰囲気下で1時間
放置したのち、室温で紫外線を7時間照射し、さらに紫
外線照射下で70°Cに昇温して、24時間重合させ
た。重合後、得られた塊状の重合体を切削・研磨して、
コンタクトレンズ状のレンズ基体を作製した。この重合
体は、切削・研磨工程において、通常のハードコンタク
トレンズと同様の加工性を有し、仕上がり面も平滑であ
った。次いで、このレンズ基体を、n−ヘキサノール2
00ml、トルエン10mlおよびメタンスルホン酸
0.5mlからなる混合液を入れたフラスコ中に投入
し、還流温度で48時間反応させて、レンズ基体中のア
クリル酸をエステル化するとともに、ブチルアクリレー
トをエステル交換させた。反応終了後、レンズ基体をソ
ックスレー抽出器を用いてメタノールで洗浄し、乾燥し
て、光学部が周辺部より相対的に硬質なコンタクトレン
ズを得た。そのガラス転移点は、光学部が約57℃、周
辺部が約−40℃であった。得られたコンタクトレンズ
は、光学部から周辺部への移行部での異常屈折もなく、
また装用感も良好であった。
【0039】実施例2 内径5mm、深さ20mmのポリエチレン製容器に、ア
クリル酸25部、ブチルメタクリレート30部、2,
2,2−トリフルオロエチルメタクリレート30部、エ
チレングリコールジメタクリレート5部、下記式で表さ
れるシロキサニルジメタクリレート10部
【化5】およびベンゾインメチルエーテル0.05部か
らなる混合物を注入し、窒素雰囲気下、室温で紫外線を
1.5時間照射したのち重合を停止して、プリン様の柱
状物を得た。この柱状物を、内径15mm、深さ20m
mのポリエチレン製容器の中央に置き、その周囲にメタ
クリル酸28部、ブチルメタクリレート30部、2,
2,2−トリフルオロエチルメタクリレート30部、エ
チレングリコールジメタクリレート2部、下記式で表さ
れるシロキサニルジメタクリレート10部
【化5】ベンゾインメチルエーテル0.05部およびア
ゾビスバレロニトリル0.05部からなる混合物を注入
して、窒素雰囲気下で3時間放置したのち、室温で紫外
線を7時間照射し、さらに紫外線照射下で70°Cに昇
温して、24時間重合した。重合後、得られた塊状の重
合体を切削・研磨して、コンタクトレンズ状のレンズ基
体を作製した。この重合体は、切削・研磨工程におい
て、通常のハードコンタクトレンズと同様の加工性を有
し、仕上がり面も平滑であった。次いで、このレンズ基
体を、n−ブタノール200ml、トルエン10mlお
よびメタンスルホン酸0.2mlからなる混合液を入れ
たフラスコ中に投入し、還流温度で48時間反応させ
て、レンズ基体中のアクリル酸およびメタクリル酸をエ
ステル化した。反応終了後、レンズ基体をソックスレー
抽出器を用いてメタノールで洗浄し、乾燥して、光学部
が硬質で周辺部が軟質なコンタクトレンズを得た。その
ガラス転移点は、光学部が約30℃、周辺部が約−15
℃であった。得られたコンタクトレンズは、光学部から
周辺部への移行部での異常屈折もなく、また装用感も良
好であった。
【0040】
【発明の効果】本発明は、レンズ基体の光学部素材およ
び周辺部素材をともにアルコールと反応させるプロセス
からなるため、複合レンズの光学部と周辺部との硬度差
を大きくすることも小さくすることも容易であり、例え
ば多様な症例に適応できる眼内レンズを効率よく製造す
ることができる。しかも、本発明により製造される複合
レンズは、眼内挿入時に眼内組織を損傷するおそれがな
く、また周辺部が光学部より軟質であるため、コンタク
トレンズとして使用する場合は装用感が良く、かつ複合
レンズ全体が十分に非含水性または低含水性であるた
め、煮沸消毒を行う必要がなく、取扱いも簡便である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安田 健二 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学部が周辺部より相対的に硬質な複合
    レンズの製造方法において、(1)光学部素材および周
    辺部素材がともにアルコール反応性を有する重合体から
    なるレンズ基体を形成し、次いで(2)該レンズ基体を
    アルコールと反応させることを特徴とする、光学部が周
    辺部より相対的に硬質な複合レンズの製造方法。
JP24714392A 1992-08-25 1992-08-25 複合レンズの製造方法 Pending JPH0675193A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011154207A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Hoya Corp 染色プラスチックレンズの製造方法

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