JPH0572502A - 複合レンズの製造方法 - Google Patents

複合レンズの製造方法

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Publication number
JPH0572502A
JPH0572502A JP3231993A JP23199391A JPH0572502A JP H0572502 A JPH0572502 A JP H0572502A JP 3231993 A JP3231993 A JP 3231993A JP 23199391 A JP23199391 A JP 23199391A JP H0572502 A JPH0572502 A JP H0572502A
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JP
Japan
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acrylate
lens
hard
methacrylate
soft
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Pending
Application number
JP3231993A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Ito
徹男 伊藤
Osamu Kurita
修 栗田
Kenji Yasuda
健二 安田
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0572502A publication Critical patent/JPH0572502A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 軟質部と硬質部を有する複合レンズの製造方
法において、レンズ基体の軟質部となる部位を、不飽和
カルボン酸、アルキルアクリレートおよびフルオロアル
キルアクリレートから選ばれる少なくとも1種を含む単
量体を重合してなるアルコールに対して反応性の硬質重
合体で形成し、レンズ基体の硬質部となる部位をアルコ
ールに対して非反応性の非含水性または低含水硬質重合
体で形成し、次いでアルコールを反応せしめることによ
りレンズ基体の軟質部となる部位を非含水性または低含
水性軟質重合体とする複合レンズの製造方法。 【効果】 本発明によれば、一旦硬質のレンズ基体を作
製して、これを切削加工し、その後アルコールと接触さ
せて軟化させ、軟質部とすることができるため、簡単な
操作で良質の複合レンズを得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、硬質部と軟質部を持つ
複合レンズ、更に詳しくは、中央部が硬質材料で周辺部
が軟質材料、あるいは中央部が軟質材料で周辺部が硬質
材料からなるコンタクトレンズ、眼内レンズ人工角膜等
の眼用レンズの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、眼用レンズとして、各種のプラス
チック材料、例えばポリメチルメタクリレート等の硬質
材料またはポリ2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
ポリN−ビニル−2−ビニルピロリドン等の軟質材料が
使用されている。
【0003】しかしながら、硬質材料からなる眼用レン
ズは、光学的特性、視力矯正能などに優れる反面、異物
感が強かったり、眼内に挿入する際には、眼組織を傷つ
けやすいという欠点を有する。また含水性軟質材料から
なる眼用レンズは、異物感が少なく、眼内に挿入する際
にも眼組織を傷つけることが少ないという反面、光学的
特性や視力矯正能に劣るという問題点を有している。さ
らに含水性軟質材料は機械的強度が小さく、また含水す
るためコンタクトレンズとして使用する場合には煮沸消
毒をする必要があるなど、取扱いが極めて繁雑であると
いう問題を有している。
【0004】そこでこれらの問題点を解決し、光学的特
性、視力矯正能に優れ、異物感や眼内挿入時の眼組織に
対する傷害のない眼用レンズとして、中央部が硬質で周
辺部が軟質の眼用レンズを得ようとする試みがなされて
おり、例えば、透明有機材料からなる柱状硬質透明体の
周囲で、水によって軟化膨潤する架橋軟質透明ポリマー
を与えるように多官能性モノマーを含むモノマー混合物
を塊状重合させることによって、該柱状硬質透明体の周
囲にそれと緊密に結合した軟質透明ポリマー層を有する
柱状積層体をつくり、該積層体を横断方向に薄く切るこ
とによって得られる板状体から中央部が硬質透明体から
なり周縁部が軟質透明ポリマーからなるコンタクトレン
ズを製造する方法(特公昭55−29402号)が報告
されている。しかしながら、これらのコンタクトレンズ
は、加工中に吸水したり、含水性の周辺部のみが吸水し
て膨潤するために軟質の周辺部と硬質の中央部の接合部
で歪みが生じ、精密に仕上がらないという問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、光
学的特性、視力矯正能に優れ、異物感もなく、また眼内
挿入時に眼組織を傷つけることがなく、さらには加工性
が良好で寸法精度に優れた複合レンズの製造方法を提供
することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、軟質部と硬質
部を有する複合レンズの製造方法において、レンズ基体
の軟質部となる部位を、不飽和カルボン酸、アルキルア
クリレートおよびフルオロアルキルアクリレートから選
ばれる少なくとも1種を含む単量体を重合してなるアル
コールに対して反応性の硬質重合体で形成し、レンズ基
体の硬質部となる部位をアルコールに対して非反応性の
非含水性または低含水硬質重合体で形成し、次いでアル
コールを反応せしめることによりレンズ基体の軟質部と
なる部位を非含水性または低含水性軟質重合体とするこ
とを特徴とする複合レンズの製造方法を提供するもので
ある。また、本発明は、軟質部と硬質部を有する複合レ
ンズの製造方法において、レンズ基体を、不飽和カルボ
ン酸、アルキルアクリレートおよびフルオロアルキルア
クリレートから選ばれる少なくとも1種を含む単量体を
重合してなるアルコールに対して反応性の非含水性また
は低含水性硬質重合体で形成し、レンズ基体の硬質部と
なる部位をアルコールが浸透しないように被覆し、次い
でアルコールを反応せしめることによりレンズ基体の軟
質部となる部位を非含水性または低含水性軟質重合体と
することを特徴とする複合レンズの製造方法を提供する
ものである。
【0007】本発明において硬質重合体とは、加工が可
能な硬さを有する材料であり、重合体のガラス転移点が
およそ50℃以上であるものをいう。また、本発明にお
いて軟質重合体とは、眼に装用または眼内に挿入する際
に柔らかい材料であり、体温によって柔らかくなるもの
も含み、重合体のガラス転移点がおよそ20℃以下であ
るものをいい、非含水性または低含水性であるものをい
う。ここで、非含水性または低含水性とは、重合体の含
水率がおよそ10重量%以下、好ましくは5重量%以下
のものをいう。
【0008】本発明において、不飽和カルボン酸として
は、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フ
マル酸等の不飽和のモノまたはジカルボン酸が挙げられ
る。
【0009】また、アルキルアクリレートおよびフルオ
ロアルキルアクリレートとしては、次の一般式(1)
【0010】
【化1】
【0011】(式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基
または炭素数1〜4の2価炭化水素基を介して結合した
炭素数1〜20のフルオロアルキル基を示す)で表わさ
れるものが好ましく、具体例としては、メチルアクリレ
ート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアクリレ
ート等のアルキルアクリレート;および2,2,2−ト
リフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テト
ラフルオロプロピルアクリレート、2,2,3,3,3
−ペンタフルオロプロピルアクリレート、2,2,2,
2,2,2−ヘキサフルオロイソプロピルアクリレー
ト、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチルア
クリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタ
フルオロペンチルアクリレート、2,2,3,3,4,
4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチル
アクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノニ
ルアクリレート、3,3,4,4,5,5,6,6,
7,7,8,8,8−トリデカフルオロオクチルアクリ
レート、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−メチル
プロピルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオ
ロ−1,1−ジメチルプロピルアクリレート、2,2,
3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,1−ジ
メチルペンチルアクリレート等のフルオロアルキルアク
リレートが挙げられる。
【0012】本発明の複合レンズの軟質部となる部位を
構成する硬質重合体の単量体は、少なくともアルコール
と反応する不飽和カルボン酸、アルキルアクリレートお
よびフルオロアルキルアクリレートから選ばれる少なく
とも1種の単量体(以下、アルコール反応性単量体と称
することがある)を含むことが必須であるが、これのみ
では、光学的あるいは成形加工的に不充分である場合が
あるので、次の一般式(2)で表わされるシリコーン化
合物または/および一般式(3)で表わされるアクリレ
ートを併用するのが好ましい。
【0013】
【化2】
【0014】
【化3】
【0015】上記一般式(2)および(3)において、
1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R 6 、Y1 、Y2 、Y
3 、R7 およびR8 のうちのアルキル基としては、例え
ばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル
基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペン
チル基、i−ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オ
クチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル
基、ドデシル基、ウンデシル基等のアルキル基が挙げら
れ、フッ素原子で置換されたアルキル基およびZのうち
のフルオロアルキル基としては、例えばトリフルオロメ
チル基、トリフルオロエチル基、トリフルオロプロピル
基、ペンタフルオロブチル基、ヘプタフルオロペンチル
基、ノナフルオロヘキシル基等が挙げられる。また、X
の炭素数1〜10の2価の炭化水素基としては、例えば
エチレン基、プロピレン基などが挙げられる。さらに、
AまたはBで表わされる不飽和重合性基としては、ビニ
ル基、CH2=C(R9)COO−(式中、R9は水素原
子、フッ素原子、メチル基またはフルオロメチル基を示
す)で示される(フルオロ)(メタ)アクリロキシ基、
CH2=CHCONH−で示されるアクリルアミノ基、
CH2=CHC64−で示されるスチリル基、CH2=C
(CN)−で示されるシアノ化ビニル基、CH2=C
(CN)COO−で示される2−シアノアクリロキシ基
等を挙げることができる。
【0016】このような一般式(2)で表わされるシリ
コーン化合物としては、(フルオロ)シロキサニルモノ
(メタ)アクリレート、(フルオロ)シロキサニルジ
(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ましくはペンタ
メチルジシロキサニルメチルメタクリレート、ペンタメ
チルジシロキサニルメチルアクリレート、ペンタメチル
ジシロキサニルプロピルメタクリレート、ペンタメチル
ジシロキサニルプロピルアクリレート、メチルビス(ト
リメチルシロキシ)シリルプロピルメタクリレート、メ
チルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルアクリ
レート、トリス(トリメチルシロキシ)シリルプロピル
メタクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリル
プロピルアクリレート、メチルビス(トリメチルシロキ
シ)シリルプロピルグリセロールメタクリレート、メチ
ルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセロ
ールアクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリ
ルプロピルグリセロールメタクリレート、トリス(トリ
メチルシロキシ)シリルプロピルグリセロールアクリレ
ート、モノ(メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキ
シ)ビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピルグリセ
ロールメタクリレート、モノ(メチルビス(トリメチル
シロキシ)シロキシ)ビス(トリメチルシロキシ)シリ
ルプロピルグリセロールアクリレート、トリメチルシリ
ルエチルテトラメチルジシロキサニルプロピルグリセロ
ールメタクリレート、トリメチルシリルエチルテトラメ
チルジシロキサニルプロピルグリセロールアクリレート
等のシロキサニルモノ(メタ)アクリレート;(3,
3,3−トリフルオロプロピルジメチルシロキシ)ビス
(トリメチルシロキシ)シリルメチルメタクリレート、
(3,3,3−トリフルオロプロピルジメチルシロキ
シ)ビス(トリメチルシロキシ)シリルメチルメタクリ
レート、(3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオ
ロペンテルジメチルシロキシ)(メチルビス(トリメチ
ルシロキシ)シロキシ)トリメチルシロキシシリルプロ
ピルメタクリレート、(3,3,4,4,5,5,5−
ヘプタフルオロペンチルジメチルシロキシ)(メチルビ
ス(トリメチルシロキシ)シロキシ)トリメチルシロキ
シシリルプロピルアクリレート、(3,3,4,4,
5,5,5−ヘプタフルオロペンチルジメチルシロキ
シ)(ペンタメチルジシロキサニルオキシ)トリメチル
シロキシシリルメタクリレート等のフルオロシロキサニ
ルモノ(メタ)アクリレート;および次式で表わされる
シロキサニルジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0017】
【化4】
【0018】
【化5】
【0019】これらのシリコーン化合物は、レンズに酸
素透過性を付与する作用を有するものであり、これらの
中でも、ペンタメチルジシロキサニルメチルメタクリレ
ート、ペンタメチルジシロキサニルプロピルメタクリレ
ート、メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルプロピ
ルメタクリレート、トリス(トリメチルシロキシ)シリ
ルプロピルメタクリレート等のシロキサニルモノ(メ
タ)アクリレート;および(3,3,3−トリフルオロ
プロピルジメチルシロキシ)ビス(トリメチルシロキ
シ)シリルメチルメタクリレート、(3,3,4,4,
5,5,5−ヘプタフルオロペンチルジメチルシロキ
シ)(メチルビス(トリメチルシロキシ)シロキシ)ト
リメチルシロキシシリルプロピルメタクリレート、
(3,3,4,4,5,5,5−ヘプタフルオロペンチ
ルジメチルシロキシ)(ペンタメチルジシロキサニルオ
キシ)トリメチルシロキシシリルメタクリレート等のフ
ルオロシロキサニルモノ(メタ)アクリレートが特に好
ましい。
【0020】また、一般式(3)で表わされるアクリレ
ートとしては、2,2,2−トリフルオロエチルメタク
リレート、2,2,2−トリフルオロエチル−α−トリ
フルオロメチルメタクリレート、2,2,3,3−テト
ラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,3,
3−ペンタフルオロプロピルメタクリレート、2,2,
2,2,2,2−ヘキサフルオロイソプロピルメタクリ
レート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブチ
ルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,5−
オクタフルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,
3,4,4,5,5,6,6,7,7−ドデカフルオロ
ヘプチルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,
5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカ
フルオロノニルメタクリレート、3,3,4,4,5,
5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロオ
クチルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオ
ロ−1−メチルプロピルメタクリレート、2,2,3,
3−テトラフルオロ−1,1−ジメチルプロピルメタク
リレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフ
ルオロ−1,1−ジメチルペンチルメタクリレート等の
フルオロアルキルメタアクリレート;メチルメタクリレ
ート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレ
ート、n−ブチルメタクリレート、ターシャリブチルメ
タクリレート、シクロヘキシルメタクリレート等のアル
キルメタアクリレート;メチル−(α−エチル)アクリ
レート、エチル−(α−エチル)アクリレート、プロピ
ル−(α−エチル)アクリレート、ブチル−(α−エチ
ル)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(α−エチ
ル)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル−(α−エ
チル)アクリレート、ジエチルアミノエチル−(α−エ
チル)アクリレート、グリシジル−(α−エチル)アク
リレート、メチル−(α−ブチル)アクリレート、エチ
ル−(α−ブチル)アクリレート、プロピル−(α−ブ
チル)アクリレート、ブチル−(α−ブチル)アクリレ
ート、2−ヒドロキシエチル−(α−ブチル)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル−(α−ブチル)アクリ
レート、ジエチルアミノエチル−(α−ブチル)アクリ
レート、グリシジル−(α−ブチル)アクリレート等の
アルキル(α−アルキル)アクリレート、メチル−(α
−トリフルオロエチル)アクリレート、エチル−(α−
トリフルオロエチル)アクリレート、プロピル−(α−
トリフルオロエチル)アクリレート、ブチル−(α−ト
リフルオロエチル)アクリレート、メチル−(α−トリ
フルオロプロピル)アクリレート、エチル−(α−トリ
フルオロプロピル)アクリレート、プロピル−(α−ト
リフルオロプロピル)アクリレート、ブチル−(α−ト
リフルオロプロピル)アクリレート、メチル−(α−ノ
ナフルオロヘキシル)アクリレート、エチル−(α−ノ
ナフルオロヘキシル)アクリレート、プロピル−(α−
ノナフルオロヘキシル)アクリレート、ブチル−(α−
ノナフルオロヘキシル)アクリレート等のアルキル(α
−フルオロアルキル)アクリレート;および2,2,2
−トリフルオロエチル−(α−トリフルオロエチル)ア
クリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル
−(α−トリフルオロエチル)アクリレート、2,2,
3,3,3−ペンタフルオロプロピル−(α−トリフル
オロエチル)アクリレート、2,2,2,2,2,2−
ヘキサフルオロイソプロピル−(α−トリフルオロエチ
ル)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキサフ
ルオロブチル−(α−トリフルオロエチル)アクリレー
ト、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ
ペンチル−(α−トリフルオロエチル)アクリレート、
2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7−ド
デカフルオロヘプチル−(α−トリフルオロエチル)ア
クリレート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,
6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカフルオロノニ
ル−(α−トリフルオロエチル)アクリレート、3,
3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ト
リデカフルオロオクチル−(α−トリフルオロエチル)
アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−
メチルプロピル−(α−トリフルオロエチル)アクリレ
ート、2,2,3,3−テトラフルオロ−1,1−ジメ
チルプロピル−(α−トリフルオロエチル)アクリレー
ト、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ
−1,1−ジメチルペンチル−(α−トリフルオロエチ
ル)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル−
(α−ノナフルオロヘキシル)アクリレート、2,2,
3,3,3−ペンタフルオロプロピル−(α−ノナフル
オロヘキシル)アクリレート、2,2,2,2,2,2
−ヘキサフルオロイソプロピル−(α−ノナフルオロヘ
キシル)アクリレート、2,2,3,4,4,4−ヘキ
サフルオロブチル−(α−ノナフルオロヘキシル)アク
リレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフ
ルオロペンチル−(α−ノナフルオロヘキシル)アクリ
レート、2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,
7,7−ドデカフルオロヘプチル−(α−ノナフルオロ
ヘキシル)アクリレート、2,2,3,3,4,4,
5,5,6,6,7,7,8,8,9,9−ヘキサデカ
フルオロノニル−(α−ノナフルオロヘキシル)アクリ
レート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,
8,8,8−トリデカフルオロオクチル−(α−ノナフ
ルオロヘキシル)アクリレート、2,2,3,3−テト
ラフルオロ−1−メチルプロピル−(α−ノナフルオロ
ヘキシルエチル)アクリレート、2,2,3,3−テト
ラフルオロ−1,1−ジメチルプロピル−(α−ノナフ
ルオロヘキシル)アクリレート、2,2,3,3,4,
4,5,5−オクタフルオロ−1,1−ジメチルペンチ
ル−(α−ノナフルオロヘキシル)アクリレート、2,
2,2−トリフルオロエチル−(α−ペンタデカフルオ
ロノニル)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタ
フルオロプロピル−(α−ペンタデカフルオロノニル)
アクリレート等のフルオロアルキル(α−フルオロアル
キル)アルキレートが挙げられる。
【0021】これらのアクリレートの中でも、2,2,
2−トリフルオロメチルメタクリレート、2,2,2−
トリフルオロエチル−α−トリフルオロメチルメタクリ
レート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルメタ
クリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロ
ピルメタクリレート、2,2,2,2,2,2−ヘキサ
フルオロイソプロピルメタクリレート、2,2,3,
4,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート、
2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペン
チルメタクリレート、2,2,3,3,4,4,5,
5,6,6,7,7−ドデカフルオロヘプチルメタクリ
レート、3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,
8,8,8−トリデカフルオロオクチルメタクリレー
ト、2,2,3,3−テトラフルオロ−1−メチルプロ
ピルメタクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロ
−1,1−ジメチルプロピルメタクリレート、2,2,
3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1,1−ジ
メチルペンチルメタクリレート等のフルオロアルキルメ
タアクリレート;およびメチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブ
チルメタクリレート、ターシャリブチルメタクリレー
ト、シクロヘキシルメタクリレート等のアルキルメタア
クリレートが特に好ましい。
【0022】本発明の複合レンズの軟質部となる部位を
形成する硬質重合体を構成する単量体の種類や使用量
は、眼用レンズ材料の物性に応じて適宜選択されるが、
一般には、アルコール反応性単量体が全単量体の20〜
90重量%(以下、単に%で示す)になるようにするの
が好ましく、一般式(2)のシリコーン化合物は10〜
50%、一般式(3)のアクリレートは30%以下が好
ましい。
【0023】更に、本発明の複合レンズの軟質部となる
部位を形成する硬質重合体を構成する単量体には、レン
ズ材料の硬度を増し、切削性、研磨性等の加工性を向上
させるために、架橋性単量体を配合することができる。
斯かる架橋性単量体としては、エチレンジグリコールジ
メタクリレート、エチレンジグリコールジアクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、トリエチレングリコール
ジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレ
ート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、テ
トラエチレングリコールジアクリレート、プロピレング
リコールジメタクリレート、プロピレングリコールジア
クリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ネオペン
チルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタ
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート
等の多官能性単量体を挙げることができる。これらの架
橋性単量体の量は、通常30%以下、特に20%以下が
好ましく、30%を超えて配合すると材料が脆くなる。
【0024】また、得られるレンズ表面の親水性を発現
させるために、N−ビニル−2−ピロリドン、α−メチ
レン−N−メチルピロリドン、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート等の親水性単量体を共重合することもでき
る。これら親水性単量体の共重合比率を高くすると材料
の含水率を高くするのでその共重合比率は、通常20%
以下、好ましくは15%以下である。
【0025】さらにまた、本発明の複合レンズの硬質部
となる部位を形成する非含水性または低含水性硬質重合
体を構成する単量体としては、上記一般式(2)で表わ
されるシリコーン化合物および一般式(3)で表わされ
るアクリレートのほかに、トリメチルシリルスチレン、
フルオロスチレン、トリフルオロスチレン、メチルスチ
レン、トリメチルスチレン等のスチレン誘導体およびス
チレンが使用される。また、上記架橋性単量体および親
水性単量体を同様に共重合することができる。
【0026】本発明方法によれば、まず、上記単量体か
ら、中央部と周辺部で組成を異にするレンズ基体を作製
する。このレンズ基体の作製方法としては、例えばアル
コールに対して非反応性の非含水性または低含水性硬質
重合体からなる円筒状物を形成し、この円筒状物の周囲
で該円筒状物と密接に結合するようにアルコール反応性
単量体を含む単量体の硬質重合体層を形成し、次いで切
削加工によりレンズ基体とする方法を挙げることができ
る。なお、この方法においては、非反応性の非含水性ま
たは低含水性硬質重合体からなる円筒状物は、該重合体
のプレポリマーの形態であってもよく、この場合は、ア
ルコール反応性単量体を含む単量体の硬質重合体層を形
成すると同時にプレポリマーの重合を完結させればよ
い。上記方法以外としては、特公昭57−6562号、
同60−49298号等と同様の方法を採用することも
できる。
【0027】本発明におけるレンズ基体の作製における
単量体の重合は、通常のラジカル重合反応により行うこ
とができ、例えばベンゾイルパーオキサイド、アゾビス
イソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル
等の熱重合開始剤の存在下で段階的に昇温させ重合する
方法、あるいはベンゾイン、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾフェノン、ミヒ
ラーズケトン等の光重合開始剤の存在下に紫外線を照射
して重合する方法により行うことができる。これら重合
開始剤は単独でまたは2種以上混合して用いられる。こ
こで熱重合開始剤または光重合開始剤は、単量体100
重量部当り、通常0.01〜5重量部が用いられる。
【0028】コンタクトレンズの場合には、中心部が硬
質で周辺部が軟質の複合レンズが装用感の点から好まし
いが、眼内レンズにあっては、中心部が硬質で周辺部が
軟質でもよいが、逆に周辺部が硬質で中心部が軟質であ
るほうが、折曲げて眼内に挿入できること、および周辺
部が硬質であることにより水晶体カプセル内および前房
内でレンズが安定するのが好ましい。
【0029】このようにして得られるレンズ基体は、軟
質部となる部位も硬質であるので、切削、研磨加工等が
可能であり、容易にレンズ状に切削加工することができ
る。
【0030】次いで、上記で得たレンズ基体をアルコー
ルと反応させ、エステル化および/またはエステル交換
を行う。ここで用いるアルコールとしては炭素数3〜1
2のアルコール、例えばn−プロパノール、n−ブタノ
ール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプ
タノール、n−オクタノール、n−ノナノール、n−デ
カノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノール等を
挙げることができる。
【0031】上記エステル化処理および/またはエステ
ル交換処理は、触媒の存在下で行うのが好ましく、この
触媒としては、水酸化ナトリウムのようなアルカリでも
よいが、濃硫酸、メタンスルホン酸等の酸が好ましく、
アルコール中の濃度は、0.2〜10重量%が望まし
い。反応条件は、通常、約20〜200℃の温度で約1
〜100時間で充分である。これらのエステル化処理お
よび/またはエステル交換処理の詳細は、特公昭53−
31189号に記載されている。
【0032】斯かるアルコールとの反応により、アルコ
ール反応性単量体からなる硬質重合体はエステル化処理
および/またはエステル交換処理によって軟質化され
る。
【0033】さらに、本発明の別の方法によれば、上記
レンズ基体の全部をアルコール反応性単量体を含む単量
体からなる硬質重合体で作製し、レンズ基体の中央部ま
たは周辺部をアルコールが浸透しないように覆ったの
ち、アルコールと反応させることにより、覆わなかった
周辺部または中央部のみがエステル化処理および/また
はエステル交換処理され、周辺部または中央部が軟質化
された所望の複合レンズとすることができる。さらにま
た、本発明の他の方法によれば、上記レンズ基体の全部
をアルコール反応性単量体からなる硬質重合体で作成
し、レンズ基体表面のみをアルコールと反応させること
により、表面のみがエステル化処理および/またはエス
テル交換処理され、表面が軟質化された所望の複合レン
ズとすることもできる。この場合のエステル化処理およ
び/またはエステル交換処理は、通常、レンズ基体が膨
潤しない溶媒、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタン等
の炭化水素とアルコールとを混合使用する。
【0034】エステル化処理および/またはエステル交
換処理によってレンズ基体は一部が軟質化されるが、反
応後の軟質部には、反応に用いた触媒、未反応のアルコ
ール、溶媒および反応によって生じた低級アルコール、
水等が含まれているので、これらを除去するためにソッ
クスレー抽出装置等を用いて洗浄するのが好ましい。こ
の場合の洗浄溶媒としては、例えばトルエン等の炭化水
素、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化
水素、アセトン、メチルエチルケトン等のケトンを挙げ
ることができる。洗浄後の複合レンズは、20〜150
℃で乾燥することにより洗浄溶媒を除去することができ
る。
【0035】本発明方法により得られる複合レンズは、
涙液や眼内液とのなじみをよくするために、さらにアル
カリ処理、酸素、窒素等によるプラズマ処理、親水性基
を含む化合物によるプラズマ重合、または無機酸化物の
蒸着、スパッタリングもしくはイオンプレーティングに
よる表面処理を行うことによって表面に親水性を付与す
ることできる。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明するが、本
発明はこれらによって限定されるものではない。
【0037】実施例1 中央部が硬質で周辺部が軟質のコンタクトレンズを製造
する方法において、まず、径5mm、深さ20mmのポリエ
チレン製容器に、メチルメタクリレート45重量部、ブ
チルメタクリレート10重量部、2,2,3,4,4,
4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート40重量部、
エチレングリコールジメタクリレート5重量部、ベンゾ
インメチルエーテル0.05重量部の混合物を注入し
て、窒素雰囲気下、室温にて紫外線を1時間照射させて
重合を停止し、プリン状の柱状物を得た。これを径15
mm、深さ20mmのポリエチレン製容器の中央に置き、そ
の周囲に、2,2,3,4,4,4−ヘキサフルオロブ
チルメタクリレート40重量部、ブチルアクリレート2
0重量部、ブチルメタクリレート25重量部、エチレン
グリコールメタクリレート5重量部、ベンゾインメチル
エーテル0.05重量部、アゾビスイソブチロバレロニ
トリル0.05重量部の混合物を注入して窒素雰囲気下
で1時間放置した後、室温で紫外線を7時間照射し、さ
らに紫外線を照射したままで、70℃に昇温して24時
間重合させた。重合後、得られた塊状共重合体を切削し
て研磨し、コンタクトレンズ状のレンズ基体を作製し
た。切削研磨においては、通常のハードコンタクトレン
ズと同様に加工でき、仕上がり面もきれいであった。こ
のレンズ基体をn−ブタノール200ml、トルエン10
ml、メタンスルホン酸0.5mlの反応混合液を入れたフ
ラスコ中に投入し、還流温度で48時間反応させて共重
合体中のアクリル酸およびメタクリル酸をエステル化さ
せた。反応後、メタノールを用いてソックスレー抽出装
置で洗浄し、乾燥し、中央部が硬質で周辺部が軟質のコ
ンタクトレンズを得た。得られたコンタクトレンズは、
中央部から周辺部への移行部での異常屈折もなく、装用
感も良好であった。
【0038】実施例2 実施例1と同様に、径5mm、深さ20mmのポリエチレン
製容器に、メチルメタクリレート35重量部、ブチルメ
タクリレート10重量部、2,2,2−トリフルオロエ
チルメタクリレート40重量部、エチレングリコールジ
メクリレート5重量部、下記式で示すシロキサニルジメ
タクリレート10重量部、
【0039】
【化6】
【0040】およびベンゾインメチルエーテル0.05
重量部の混合物を注入して、窒素雰囲気下、室温にて紫
外線を1.5時間照射させて重合を停止し、プリン状の
柱状物を得た。これを径15mm、深さ20mmのポリエチ
レン製容器の中央に置き、その周囲に、アクリル酸40
重量部、メタクリル酸10重量部、2−エチルヘキシル
アクリレート20重量部、下記式で示すシロキサニルジ
メタクリレート25重量部、
【0041】
【化7】
【0042】エチレングリコールジメタクリレート5重
量部、ベンゾインメチルエーテル0.05重量部、アゾ
ビスイソブチロバレロニトリル0.05重量部の混合物
を注入して窒素雰囲気下で3時間放置した後、室温で紫
外線を7時間照射し、さらに紫外線を照射したままで、
70℃に昇温して24時間重合させた。重量後、得られ
た塊状共重合体を切削して研磨し、コンタクトレンズ状
のレンズ基体を作製した。切削研磨においては、通常の
ハードコンタクトレンズと同様に加工でき、仕上がり面
もきれいであった。このレンズ基体をn−ヘキサノール
200ml、トルエン10ml、メタンスルホン酸0.2ml
の反応混合液を入れたフラスコ中に投入し、還流温度で
48時間反応させて共重合液中のアクリル酸およびメタ
クリル酸をエステル化すると共に、2−エチルヘキシル
アクリレートをエステル交換した。反応後、メタノール
を用いてソックスレー抽出装置で洗浄し、乾燥し、中央
部が硬質で周辺部が軟質のコンタクトレンズを得た。得
られたコンタクトレンズは、中央部から周辺部への移行
部での異常屈折もなく、装用感も良好であった。
【0043】実施例3 実施例1と同様に、径3mm、深さ20mmのポリエチレン
製容器に、アクリル酸30重量部、メタクリル酸5重量
部、ブチルメタクリレート10重量部、2,2,2−ト
リフルオロエチルメタクリレート35重量部、2−エチ
ルヘキシルアクリレート15重量部、エチレングリコー
ルジメタクリレート5重量部、ベンゾインメチルエーテ
ル0.05重量部の混合物を注入して、窒素雰囲気下、
室温にて紫外線を1時間照射させて重合を停止し、プリ
ン状の柱状物を得た。これを径15mm、深さ20mmのポ
リエチレン製容器の中央に置き、その周囲に、メチルメ
タクリレート40重量部、スチレン10重量部、ブチル
メタクリレート20重量部、2,2,2−トリフルオロ
エチルメタクリレート25重量部、エチレングリコール
ジメタクリレート5重量部、ベンゾインメチルエーテル
0.05重量部、アゾビスイソブチロバレロニトリル
0.05重量部の混合物を注入して窒素雰囲気下で5時
間放置した後、室温で紫外線を7時間照射し、さらに紫
外線を照射したままで、70℃に昇温して24時間重合
させた。重合後、得られた塊状共重合体を切削して研磨
し、図1のような眼内レンズ状のレンズ基体を作製し
た。切削研磨においては、通常のハードコンタクトレン
ズと同様に加工でき、仕上がり面もきれいであった。こ
のレンズ基体をn−ブチルアルコール200ml、トルエ
ン10ml、メタンスルホン酸0.5mlの反応混合液を入
れたフラスコ中に投入し、還流温度で48時間反応させ
て共重合体中のアクリル酸およびメタクリル酸をエステ
ル化させ、2−エチルヘキシルアクリレートをエステル
交換させた。反応後、メタノールを用いてソックスレー
抽出装置で洗浄して乾燥し、中央部(光学部)が軟質で
周辺部(支持部)が硬質の眼内レンズを得た。得られた
眼内レンズは、両端をピンセットでつまんで折曲げるこ
とができ、光学部の軟質部から支持部の硬質部にかけて
のくびれもなく、家兎の眼内埋入手術では従来の切開口
より小さな切開口(4〜5mm)から挿入でき、挿入後の
眼内レンズも全体が軟質であるシリコーン製のもののよ
うに水晶体カプセルからの飛び出しもなく、安定して固
定できた。また、汚れの吸着もなく、1カ月後も術前と
同様なきれいな網膜像が観察されている。
【0044】実施例4 径15mm、深さ20mmのポリエチレン製容器中にメタクリ
ル酸5重量部、エチルアクリレート30重量部、メチル
メタクリレート20重量部、ブチルメタクリレート5重
量部、2−エチルヘキシルアクリレート10重量部、
2,2,2−トリフルオロエチルメタクリレート25重
量部、エチレングリコールジメタクリレート5重量部、
ベンゾインメチルエーテル0.05重量部、アゾビスイ
ソブチロバレロニトリル0.05重量部の混合物を注入
して窒素雰囲気下、室温で紫外線を7時間照射し、さら
に紫外線を照射したままで、70℃に昇温して24時間
重合させた。重合後、得られた塊状共重合体を切削して
研磨し、図1のような眼内レンズ状のレンズ基体を作製
した。切削研磨においては、通常のハードコンタクトレ
ンズと同様に加工でき、仕上がり面もきれいであった。
このレンズ基体を図2のように耐溶剤性のフッ素ゴムを
裏打ちしたクランプではさんだ後、n−ブチルアルコー
ル200ml、トルエン10ml、メタンスルホン酸0.5
mlの反応混合液を入れたフラスコ中に投入し、還流温度
で48時間反応させて共重合体中のメタクリル酸をエス
テル化させ、エチルアクリレート、2−エチルヘキシル
アクリレートをエステル交換させた。反応後、メタノー
ルを用いてソックスレー抽出装置で洗浄し、乾燥し、中
央部(光学部)が軟質で周辺部(支持部)が硬質の眼内
レンズを得た。得られた眼内レンズは、両端をピンセッ
トでつまんで折曲げることができ、家兎の眼内埋入手術
では従来の切開口より小さな切開口(4〜5mm)から挿
入でき、挿入後の眼内レンズも全体が軟質であるシリコ
ーン製のもののように水晶体カプセルからの飛び出しも
なく、安定して固定できた。また、汚れの吸着もなく、
1ヵ月後も術前と同様なきれいな網膜像が観察されてい
る。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、一旦硬質のレンズ基体
を作製して、これを切削加工し、その後アルコールと接
触させて軟化させ、軟質部とすることができるため、簡
単な操作で良質の複合レンズを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法で得られる眼内レンズの一例を示す
説明図。
【図2】本発明方法の軟質化工程における眼内レンズの
断面図。
【符号の説明】
1:硬質支持部 2:軟質光学部 3:クランプ(ばね材) 4:耐溶剤性裏打ち材

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟質部と硬質部を有する複合レンズの製
    造方法において、レンズ基体の軟質部となる部位を、不
    飽和カルボン酸、アルキルアクリレートおよびフルオロ
    アルキルアクリレートから選ばれる少なくとも1種を含
    む単量体を重合してなるアルコールに対して反応性の硬
    質重合体で形成し、レンズ基体の硬質部となる部位をア
    ルコールに対して非反応性の非含水性または低含水硬質
    重合体で形成し、次いでアルコールを反応せしめること
    によりレンズ基体の軟質部となる部位を非含水性または
    低含水性軟質重合体とすることを特徴とする複合レンズ
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 軟質部と硬質部を有する複合レンズの製
    造方法において、レンズ基体を、不飽和カルボン酸、ア
    ルキルアクリレートおよびフルオロアルキルアクリレー
    トから選ばれる少なくとも1種を含む単量体を重合して
    なるアルコールに対して反応性の非含水性または低含水
    性硬質重合体で形成し、レンズ基体の硬質部となる部位
    をアルコールが浸透しないように被覆し、次いでアルコ
    ールを反応せしめることによりレンズ基体の軟質部とな
    る部位を非含水性または低含水性軟質重合体とすること
    を特徴とする複合レンズの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100523723B1 (ko) * 2002-07-23 2005-10-25 김쌍호 경성연성콘택트렌즈의 제조방법
JP2009538689A (ja) * 2006-06-01 2009-11-12 アドヴァンスト ヴィジョン サイエンス インコーポレイテッド グリスニングの無い又は低減された眼内レンズ及びその製造方法
CN103345075A (zh) * 2013-06-26 2013-10-09 无锡市康明医疗器械有限公司 一种绑带式软性角膜接触镜

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