JP2787042B2 - 単結晶引き上げ方法 - Google Patents

単結晶引き上げ方法

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JP2787042B2
JP2787042B2 JP4074116A JP7411692A JP2787042B2 JP 2787042 B2 JP2787042 B2 JP 2787042B2 JP 4074116 A JP4074116 A JP 4074116A JP 7411692 A JP7411692 A JP 7411692A JP 2787042 B2 JP2787042 B2 JP 2787042B2
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義之 柏原
祥行 的場
俊行 山本
栄治 梶田
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Nippon Steel Corp
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SUMITOMO SHICHITSUKUSU KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は単結晶引き上げ方法、よ
り詳しくは半導体素材多結晶を溶融させるるつぼと、該
るつぼの周囲に配設された加熱手段と、前記るつぼ内の
溶融液から単結晶を成長させながら引き上げる引き上げ
具と、引き上げた前記単結晶の直径を計測する手段とか
らなる単結晶引き上げ装置を用いて単結晶の直径を制御
する単結晶引き上げ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的な単結晶引き上げ装置の制御系を
図3に基づいて説明する。図中11はるっぼを示してお
り、るつぼ11の周囲にはヒータ12が配設され、るつ
ぼ11の上方には単結晶13を成長させながら引き上げ
る引き上げ具14が配設されている。そしてるつぼ11
の回転速度、ヒータ12の温度、単結晶13の直径、引
き上げ具14の引き上げ速度がそれぞれ計算機15によ
って制御されている。
【0003】従来より単結晶引き上げ装置10におい
て、単結晶13の直径を制御する操作量として単結晶引
き上げ速度、ヒータ温度及びるつぼ11の回転速度があ
る。このうち特に単結晶引き上げ速度は単結晶13の直
径への応答が早いため、操作量とするのに適している。
一方、ヒータ温度は単結晶13の直径への応答が遅く、
ヒータ温度変更から直径が変化し始めるまでの間に直径
変化が現れない無駄時間が存在するため、単独の操作量
とするのは困難とされていた。従って、単結晶13の直
径を一時的に単結晶引き上げ速度で制御し、基準の引き
上げ速度から実際の単結晶引き上げ速度の平均的偏差を
なくすようにヒータ温度を修正する単純フィードバック
制御による単結晶引き上げ方法が採用されていた(特公
昭51−5993号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した引き上げ速度
を操作量とする単結晶13の引き上げ方法においては、
単結晶引き上げ速度操作量に対する単結晶直径の応答は
早く、単結晶直径の制御性は良いが、単結晶引き上げ速
度を変動させるために単結晶13の凝固界面と溶融液表
面との距離が変動して界面に流入する熱量が変動し、熱
歪みが発生して欠陥ができやすくなるといった問題や、
単結晶引き上げ速度を変化させることで冷却フード(図
3中16)中での結晶の冷却温度が変動し、熱歪み等に
よる欠陥の種が発生する等の課題があった。
【0005】また、単結晶引き上げ速度は絶えず変化し
ており、これを迅速にヒータ温度で補償することはかえ
って大きな外乱となるため、一般には上記したようにあ
る時間の平均単結晶引き上げ速度をもとに補償を行って
いたが、これにヒータ温度の応答の遅れがあいまって十
分な補償が行えず、引き上げ速度の目標からのずれが大
きい場合があった。このため、すでに引き上げ冷却中の
単結晶13部分の熱処理時間が変動して不純物(シリコ
ンの場合は主として酸素)の析出量が変動し、単結晶1
3の品質に大きな問題が生じるという課題があった。
【0006】従って、集積度の高いメガビット以上の超
LSI用の基板としてこの単結晶13を用いた場合、L
SIの製品歩留が低下するという課題もあった。
【0007】一方、ヒータ温度のみで制御しようとした
場合、ヒータ温度の応答は遅く無駄時間も存在し、従来
の現状の結晶径と目標径との偏差をもとに操作量を変更
する単純フィードバック制御では最悪の場合、るつぼ1
1の溶融液温度が低下しすぎて溶融液が凝固したり、逆
に溶融液温度が上がりすぎて単結晶13が溶融液からち
ぎれてしまうという課題があった。
【0008】本発明はこのような課題に鑑み発明された
ものであって、熱歪みによる欠陥が少なく、酸素等の不
純物析出量の安定した単結晶を製造することができる単
結晶引き上げ方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る単結晶引き上げ方法は、半導体素材多結
晶を溶融させるるつぼと、該るつぼの周囲に配設された
加熱手段と、前記るつぼ内の溶融液から単結晶を成長さ
せながら引き上げる引き上げ具と、引き上げた前記単結
晶の直径を計測する手段とからなる単結晶引き上げ装置
を用い、単結晶直径を制御する目的では、引き上げ速度
の所定値からの制御幅を0.1mm/minの範囲内に
設定する一方、ヒータ温度やるつぼ回転数を操作するこ
とにより、あらかじめ設定された形状寸法の単結晶を引
き上げる単結晶引き上げ方法であって、ヒータ温度、る
つぼの回転速度及び単結晶引き上げ速度の過去及び現在
値と、単結晶直径の過去及び現在値とから単結晶直径の
将来値を予測するモデルを用い、前記るつぼの回転速度
が現状のまま維持されるという条件下で単結晶直径の予
測値と目標値との偏差を予測し、所定時間先の単結晶直
径の予測値と巨標値との偏差をなくすように、所定時間
先までの単結晶直径の予測値と目標値との偏差の自乗和
と、前記モデルから算出したヒータ温度変更量の自乗
和、引き上げ速度変更量の自乗和、引き上げ速度と目標
引き上げ速度との偏差の自乗和にそれぞれ係数を乗じた
値との和が最小となるように所定時間先までのヒータ温
度変更量及び引き上げ速度変更量を決定することを特徴
としている()。
【0010】また、本発明に係る単結晶引き上げ方法
は、半導体素材多結晶を溶融させるるつぼと、該るつぼ
の周囲に配設された加熱手段と、前記るつぼ内の溶融液
から単結晶を成長させながら引き上げる引き上げ具と、
引き上げた前記単結晶の直径を計測する手段とからなる
単結晶引き上げ装置を用い、単結晶直径を制御する目的
では、引き上げ速度の所定値からの制御幅を0.1mm
/minの範囲内に設定する一方、ヒータ温度やるつぼ
回転数を操作することにより、あらかじめ設定された形
状寸法の単結晶を引き上げる単結晶引き上げ方法であっ
て、ヒータ温度及び単結晶引き上げ速度の過去及び現在
値と、るつぼの回転速度の過去、現在値及び計画値と、
単結晶直径の過去及び現在値とから単結晶直径の将来値
を予測するモデルを用い、単結晶直径の予測値と目標値
との偏差を予測し、所定時間先の単結晶直径の予測値と
目標値との偏差をなくすように、所定時間先までの単結
晶直径の予測値と目標値との偏差の自乗和と、前記モデ
ルから算出したヒータ温度変更量の自乗和、引き上げ速
度変更量の自乗和、引き上げ速度と目標引き上げ速度と
の偏差の自乗和にそれぞれ係数を乗じた値との和が最小
となるように所定時間先までのヒータ温度変更量及び引
き上げ速度変更量を決定し、前記ヒータ温度及び引き上
げ速度を先行して操作することで前記るつぼの回転数を
操作して単結晶を引き上げることを特徴としている
)。
【0011】また、本発明に係る単結晶引き上げ方法
は、半導体素材多結晶を溶融させるるつぼと、該るつぼ
の周囲に配設された加熱手段と、前記るつぼ内の溶融液
から車結晶を成長させながら引き上げる引き上げ具と、
引き上げた前記単結晶の直径を計測する手段とからなる
単結晶引き上げ装置を用い、単結晶直径を制御する目的
では、引き上げ速度の所定値からの制御幅を0.1mm
/minの範囲内に設定する一方、ヒータ温度やるつぼ
回転数を操作することにより、あらかじめ設定された形
状寸法の車結晶を引き上げる単結晶引き上げ方法であっ
て、ヒータ温度、るつぼの回転速度、単結晶引き上げ速
度及び単結晶直径の過去の実績値と、該単結晶直径の目
標値と実績値との偏差の過去の総和と、前記単結晶引き
上げ速度の目標値と実績値との偏差の過去の総和と、前
記単結晶直径の将来目標値と前記単結晶引き上げ速度の
計画値とのそれぞれに、前記単結晶直径が目標値となり
かつ引き上げ速度が目標からずれない様ヒータ温度変更
量と引き上げ速度変更量とが求まるようにあらかじめ決
めておいたゲインを乗じ、ヒータ温度変更量と引き上げ
速度変更量とを決定することを特徴としている()。
【0012】また、本発明に係る単結晶引き上げ方法
は、半導体素材多結晶を溶融させるるつぼと、該るつぼ
の周囲に配設された加熱手段と、前記るつぼ内の溶融液
から単結晶を成長させ力がら引き上げる引き上げ具と、
引き上げた前記単結晶の直径を計測する手段とからなる
単結晶引き上げ装置を用い、単結晶直径を制御する目的
では、引き上げ速度の所−定値からの制御幅を0.1m
m/minの範囲内に設する一方、ヒータ温度やるつ
ぼ回転数を操作することにより、あらかじめ設定された
形状寸法の単結晶を引き上げる単結晶引き上げ方法であ
って、ヒータ温度、るつぼの回転速度、単結晶引き上げ
速度及び単結晶直径の過去の実績値と、該単結晶直径の
目標値と実績値との偏差の過去の総和と、単結晶引き上
げ速度の目標値と実績値との偏差の過去の総和と、前記
単結晶直径の将来目標値と、前記単結晶引き上げ速度の
計画値と、前記るつぼの回転速度の計画値とのそれぞれ
に、前記単結晶直径が目標値となりかつ引き上げ速度が
目標からずれない様ヒータ温度変更量と引き上げ速度変
更量とが求まるようにあらかじめ決めておいたゲインを
乗じ、ヒータ温度変更量と引き上げ速度変更量とを決定
することを特徴としている()。
【0013】また、上記()または()記載の単結
晶引き上げ方法において、単結晶中の酸素濃度が所定範
囲に入るようにるつぼの回転速度に時間パターンを与
え、それに対する影響量を補償しながらヒータ温度変更
量と引き上げ速度変更量とを決定することにより、前記
単結晶中の酸素濃度を所定の範囲に入れることを特徴と
している()。
【0014】すなわち本発明者らは、単結晶引き上げ速
度及びヒータ温度の変動等による単結晶の直径の動的変
化を定量的に予測するために離散化した単結晶直径予測
式を作成し、この関係式を基にヒータ温度変更量と引き
上げ速度変更量とを決定することで、引き上げ速度変更
量及び目標引き上げ速度と引き上げ速度との偏差を小さ
くし、しかも従来と略同等の寸法精度の単結晶を引き上
げることができることを見いだし、本発明に至ったもの
である。
【0015】単結晶直径予測式を数1に示す。
【0016】
【数1】 X=Σan−i+Σbn−i+Σcn−i+Σdn−i ただし、X:単結晶直径 U:ヒータ温度設定値 V:単結晶引き上げ速度 W:るつぼの回転速度 a、b、c、d:定数
【0017】なお、数1に示した式の次数mはモデルに
必要とされる精度で決定されるが、ここではm=3とし
た。
【0018】数1は単結晶直径、ヒータ温度、単結晶引
き上げ速度、るつぼの回転速度の過去及び現在値より離
散化時間であるΔtの1つ先の単結晶直径を予測するも
ので、推定精度の一例を図2に示す。
【0019】図2において、数1により算出した時間の
経過に対する単結晶直径の変化量を点線で示し、実際の
単結晶直径の変化量を実線で示した。
【0020】以下、ヒータ温度及び引き上げ速度を制御
する方法について説明する。数1で示された単結晶直
径、ヒータ温度、単結晶引き上げ速度、るつぼの回転速
度の過去及び現在の値より単結晶直径を予測するモデル
を用いて、るつぼの回転速度が現状のまま維持されると
いう条件下で、L時間後までの予測径と目標径との差の
自乗和Σ(Rn+i−Xn+iと、K時間後までの
ヒータ温度変更量の自乗和Σ(Un+i+1
n+i、引き上げ速度変更量の自乗和Σ(V
n+i+1−Vn+i、目標引き上げ速度と引き上
げ速度との偏差の自乗和Σ(Sn+i−Vn+i
それぞれ重み係数Qu、Qv、Qsを乗じた値との和を
最小とするようにヒータ温度操作量U〜−Un+K
よび引き上げ速度操作量V〜−Vn+Kを決定する
【0021】あるいは、数1で示された単結晶直径、ヒ
ータ温度、単結晶引き上げ速度の過去及び現在値と、る
つぼの回転速度の過去、現在及び計画値とにより単結晶
直径を予測するモデルを用いて、L時間後までの予測径
と目標径との差の自乗和Σ(Rn+i−Xn+i
と、K時間後までのヒータ温度変更量の自乗和Σ(U
n+i+1−Un+i、引き上げ速度変更量の自乗
和Σ(Vn+i+1−Vn+i、目標引き上げ速度
と引き上げ速度との偏差の自乗和Σ(Sn+i−V
n+iにそれぞれ重み係数Qu、Qv、Qsを乗じ
た値との和を最小とするようにヒータ温度操作量U
n+Kおよび引き上げ速度操作量V−Vn+Kを決
定する方法もある。
【0022】または、下記の数2及び数3に示したよう
に、直径の過去の経緯(第1項)、ヒータ温度変更の過
去の経緯(第2項)、単結晶引き上げ速度の過去の経緯
(第3項)、るつぼ回転速度の過去の経緯(第4項)、
目標径との偏差をなくすために用意された目標径と実測
径とのずれの過去の積算値(第5項)、目標引き上げ速
度との偏差をなくすために用意された目標引き上げ速度
と引き上げ速度とのずれの過去の積算値(第6項)、る
つぼの回転速度の計画値(第7項)及び単結晶直径の将
来目標径(第8項)を考慮してヒータ温度操作量及び引
き上げ速度操作量を決定する。
【0023】
【数2】 U=ΣGxbn−i+ΣGubn−i+ΣGvbn−i +ΣGWbn−i+GibΣ(R−X) +GsbΣ(S−V)+ΣGwfn+i +ΣGrfn+i ただし、R:単結晶径の目標値、S:引き上げ速度の目標値 Gxb、Gub、Gvb、Gwb、Gib、 Gsb、Gwf、Grf:定数(制御ゲイン)
【0024】
【数3】 V=ΣHXbn−i+ΣHubn−i+ΣHvbn−i +ΣHwbn−i+HibΣ(R−X) +HsbΣ(S−V)+ΣHwfn+i +ΣHrfn+i ただし、R:単結晶径の目標値、S:引き上げ速度の目標値 Hxb、Hub、Hvb、Hwb、Hib、 Hsb、Hwf、Hrf:定数(制御ゲイン)
【0025】また、数2及び数3に示した式において、
るつぼの回転速度の計画値(第7項)を考慮せずにヒー
タ温度変更量及び引き上げ速度変更量を決定する方法も
ある。
【0026】上記した制御則における制御ゲインは例え
ば、数4に示した評価関数を最小にするように数学的手
法により決定される。
【0027】
【数4】 J=Σ{(R−X+QuΔui +QvΔvi+Qs(S−V} ただし、Qu,Qv,Qs:定数
【0028】さらに、結晶中の酸素濃度を一定とするた
めにるつぼの回転速度に時間パターンを与え、それに対
する影響量を補償しながらヒータ温度変更量を決定する
方法もある。
【0029】
【作用】上記した方法によれば、半導体素材多結晶を溶
融させるるつぼと、該るつぼの周囲に配設された加熱手
段と、前記るつぼ内の溶融液から単結晶を成長させなが
ら引き上げる引き上げ具と、引き上げた前記単結晶の直
径を計測する手段とからなる単結晶引き上げ装置を用
い、直径制御のため引き上げ速度の所定値からの制御幅
を0.1mm/minの範囲内に設定する一方、ヒータ
温度を操作することにより、あらかじめ設定された形状
寸法の単結晶を引き上げるので、単結晶の凝固界面と溶
融液表面との距離の変動が少なく、前記界面に流入する
熱量が安定し、熱歪みによる欠陥が少ない、また、引き
上げて冷却中の単結晶部分の熱処理時間が一定すること
となり、酸素等の不純物析出量が安定した単結晶が製造
される。
【0030】また、上記(1)記載の単結晶引き上げ方
法においては、ヒータ温度及び単結晶引き上げ速度の過
去及び現在値と、るつぼの回転速度の過去、現在値及び
計画値と、単結晶直径の過去及び現在値とから単結晶直
径の将来値を予測するモデルを用い、単結晶直径の予測
値と目標値との偏差を予測し、所定時間先の単結晶直径
の予測値と目標値との偏差をなくすように、所定時間先
までの単結晶直径の予測値と目標値との偏差の自乗和
と、前記モデルから算出したヒータ温度変更量の自乗
和、引き上げ速度変更量の自乗和、目標引き上げ速度と
引き上げ速度との偏差の自乗和にそれぞれ係数を乗じた
値との和が最小となるように所定時間先までのヒータ温
度変更量及び引き上げ速度変更量を決定し、前記ヒータ
温度及び引き上げ速度を先行して操作することで前記る
つぼの回転数を操作して単結晶を引き上げる場合には、
上記作用に加えて単結晶中に所望の酸素濃度が含まれ
た、不純物析出量が安定した単結晶が製造される。
【0031】また、上記()または()記載の単結
晶引き上げ方法において、単結晶中の酸素濃度が所定範
囲に入るようにるつぼの回転速度に時間パターンを与
え、それに対する影響量を補償しながらヒータ温度変更
量及び引き上げ速度変更量を決定する場合には、前記単
結晶中の酸素濃度が所定の範囲に入り、不純物析出量が
安定するとともに熱歪みによる欠陥が少ない単結晶が製
造される。
【0032】
【実施例】以下、本発明に係る単結晶引き上げ方法の実
施例を説明する。なお、本実施例による単結晶引き上げ
装置の制御系の構成は従来とほぼ同一であるため、その
説明は省略する。
【0033】本実施例に係る単結晶引き上げ方法におい
ては目標径を154mm,目標引き上げ速度を1.1m
m/minに設定して行った。
【0034】数1に示された式より、30分先(L=3
0min)までの単結晶の予測径と目標径とのずれの自
乗和と20分先(K=20min)までのヒータ温度変
更量の自乗和に1000を乗じた値と、引き上げ速度変
更量の自乗和に10を乗じた値と、目標引き上げ速度と
引き上げ速度とのずれの自乗和に100を乗じた値との
和を最小とする20分先までのヒータ温度変更量と引き
上げ速度変更量を求め、ヒータ温度変更量を決定した場
合の直径制御結果を図1に示す。
【0035】図1より明らかなように、引き上げ速度の
所定値からの制御幅を0.1mm/minの範囲内に設
定する一方、温度センサーの電圧変化により検知したヒ
ータ温度を制御することによって直径のばらつきが少な
く、所望の直径を有する単結晶を引き上げることができ
ることが分かる。
【0036】また、数4に示した評価関数JにおいてQ
u=1000,Qv=10,Qs=100としてゲイン
を求め、使用した場合の直径制御結果も図1に示したも
のと同様であった。
【0037】さらに、単結晶中の酸素濃度が所定の範囲
に入るように、るつぼの回転速度に時間パターン与え、
それに対する影響量をヒータ温度変更及び引き上げ速度
変更によって補償した場合の単結晶品質を表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】このように、上記実施例に係る単結晶引き
上げ方法においては、単結晶引き上げ速度の所定値から
の制御幅を0.1mm/minの範囲内に設定する一
方、ヒータ温度を制御することで、あらかじめ設定され
た形状寸法の単結晶を引き上げることができるととも
に、熱歪みによる欠陥が少なく、不純物析出量が安定し
た高品質の単結晶を得ることが可能となる。
【0040】なお上記実施例においてはヒータ温度量を
操作する場合について説明したが、ヒータ温度の代わり
にヒータ入熱量を操作しても良い。
【0041】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る単結晶
引き上げ方法にあっては、半導体素材多結晶を溶融させ
るるつぼと、該るつぼの周囲に配設された加熱手段と、
前記るつぼ内の溶融液から単結晶を成長させながら引き
上げる引き上げ具と、引き上げた前記単結晶の直径を計
測する手段とからなる単結晶引き上げ装置を用い、引き
上げ速度の所定値からの制御幅を0.1mm/minの
範囲内に設定する一方、ヒータ温度を操作することによ
り、あらかじめ設定された形状寸法の単結晶を引き上げ
るので、単結晶の凝固界面と溶融液表面との距離の変動
が少なく、前記界面に流入する熱量が安定し、熱歪みに
よる欠陥発生を少なくすることができ、また、引き上げ
て冷却中の単結晶部分の熱処理時間が略一定することと
なり、酸素等の不純物析出量が安定した単結晶を製造す
ることができる。
【0042】また、上記(1)記載の単結晶引き上げ方
法においては、ヒータ入熱及び単結晶引き上げ速度の過
去及び現在値と、るつぼの回転速度の過去、現在値及び
計画値と、単結晶直径の過去及び現在値とから単結晶直
径の将来値を予測するモデルを用い、単結晶直径の予測
値と目標値との偏差を予測し、所定時間先の単結晶直径
の予測値と目標値との偏差をなくすように、所定時間先
までの単結晶直径の予測値と目標値との偏差の自乗和
と、前記モデルから算出したヒータ温度変更量の自乗
和、引き上げ速度変更量の自乗和、目標引き上げ速度と
引き上げ速度との偏差の自乗和にそれぞれ係数を乗じた
値との和が最小となるように所定時間先までのヒータ温
度変更量及び引き上げ速度変更量を決定し、前記ヒータ
温度及び引き上げ速度を先行して操作することで前記る
つぼの回転数を操作して単結晶を引き上げる場合には、
上記作用に加えて単結晶中に所望の酸素が含まれた、不
純物析出量が安定した単結晶を製造することができる。
【0043】また、上記()または()記載の単結
晶引き上げ方法において、単結晶中の酸素濃度が所定範
囲に入るようにるつぼの回転速度に時間パターンを与
え、それに対する影響量を補償しながらヒータ温度変更
量を決定する場合には、前記単結晶中の酸素濃度が所定
の範囲に入り、不純物析出量が安定するとともに熱歪み
による欠陥が少ない単結晶を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る単結晶引き上げ方法の実施例の直
径制御性を示したグラフである。
【図2】単結晶引き上げ方法のモデルの直径の推定精度
を示したグラフである。
【図3】単結晶引き上げ方法における直径制御系の構成
を示す概略図である。
フロントページの続き (72)発明者 山本 俊行 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 梶田 栄治 佐賀県杵島郡江北町大字上小田2201番地 九州電子金属株式会社内 (72)発明者 前田 靖則 佐賀県杵島郡江北町大字上小田2201番地 九州電子金属株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−113696(JP,A) 特開 昭48−46573(JP,A) 特開 平1−313385(JP,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体素材多結晶を溶融させるるつぼ
    と、該るつぼの周囲に配設された加熱手段と、前記るつ
    ぼ内の溶融液から単結晶を成長させながら引き上げる引
    き上げ具と、引き上げた前記単結晶の直径を計測する手
    段とからなる単結晶引き上げ装置を用い、引き上げ速度
    の所定値からの制御幅を0.1mm/minの範囲内に
    設定する一方、ヒータ発熱量またはヒータ温度(以下
    「ヒータ温度」と記す)を操作することにより、あらか
    じめ設定された形状寸法の単結晶を引き上げる単結晶引
    き上げ方法であって、 ヒータ温度、るつぼの回転速度及び単結晶引き上げ速度
    の過去及び現在値と、単結晶直径の過去及び現在値とか
    ら単結晶直径の将来値を予測するモデルを用い、前記る
    つぼの回転速度が現状のまま維持されるという条件下で
    単結晶直径の予測値と目標値との偏差を予測し、所定時
    間先の単結晶直径の予測値と目標値との偏差をなくすよ
    うに、所定時間先までの単結晶直径の予測値と目標値と
    の偏差の自乗和と、前記モデルから算出したヒータ温度
    変更量の自乗和、引き上げ速度変更量の自乗和、引き上
    げ速度と目標引き上げ速度との偏差の自乗和にそれぞれ
    係数を乗じた値との和が最小となるように所定時間先ま
    でのヒータ温度変更量及び引き上げ速度変更量を決定す
    ることを特徴とする単結晶引き上げ方法。
  2. 【請求項2】 半導体素材多結晶を溶融させるるつぼ
    と、該るつぼの周囲に配設された加熱手段と、前記るつ
    ぼ内の溶融液から単結晶を成長させながら引き上げる引
    き上げ具と、引き上げた前記単結晶の直径を計測する手
    段とからなる単結晶引き上げ装置を用い、引き上げ速度
    の所定値からの制御幅を0.1mm/minの範囲内に
    設定する一方、ヒータ発熱量またはヒータ温度を操作す
    ることにより、あらかじめ設定された形状寸法の単結晶
    を引き上げる単結晶引き上げ方法であって、 ヒータ温度及び単結晶引き上げ速度の過去及び現在値
    と、るつぼの回転速度の過去、現在値及び計画値と、単
    結晶直径の過去及び現在値とから単結晶直径の将来値を
    予測するモデルを用い、単結晶直径の予測値と目標値と
    の偏差を予測し、所定時間先の単結晶直径の予測値と目
    標値との偏差をなくすように、所定時間先までの単結晶
    直径の予測値と目標値との偏差の自乗和と、前記モデル
    から算出したヒータ温度変更量の自乗和、引き上げ速度
    変更量の自乗和、引き上げ速度と目標引き上げ速度との
    偏差の自乗和にそれぞれ係数を乗じた値との和が最小と
    なるように所定時間先までのヒータ温度変更量及び引き
    上げ速度変更量を決定し、前記ヒータ温度及び引き上げ
    速度を先行して操作することで前記るつぼの回転数を操
    作して単結晶を引き上げることを特徴とする単結晶引き
    上げ方法。
  3. 【請求項3】 半導体素材多結晶を溶融させるるつぼ
    と、該るつぼの周囲に配設された加熱手段と、前記るつ
    ぼ内の溶融液から単結晶を成長させながら引き上げる引
    き上げ具と、引き上げた前記単結晶の直径を計測する手
    段とからなる単結晶引き上げ装置を用い、引き上げ速度
    の所定値からの制御幅を0.1mm/minの範囲内に
    設定する一方、ヒータ発熱量またはヒータ温度を操作す
    ることにより、あらかじめ設定された形状寸法の単結晶
    を引き上げる単結晶引き上げ方法であって、 ヒータ温度、るつぼの回転速度、単結晶引き上げ速度及
    び単結晶直径の過去の実績値と、該単結晶直径の目標値
    と実績値との偏差の過去の総和と、前記単結晶引き上げ
    速度の目標値と実績値との偏差の過去の総和と、前記単
    結晶直径の将来目標値と前記単結晶引き上げ速度の計画
    値とのそれぞれに、前記単結晶直径が目標値となりかつ
    引き上げ速度が目標からずれない様ヒータ温度変更量と
    引き上げ速度変更量とが求まるようにあらかじめ決めて
    おいたゲインを乗じ、ヒータ温度変更量と引き上げ速度
    変更量を決定することを特徴とする単結晶引き上げ方
    法。
  4. 【請求項4】 半導体素材多結晶を溶融させるるつぼ
    と、該るつぼの周囲に配設された加熱手段と、前記るつ
    ぼ内の溶融液から単結晶を成長させながら引き上げる引
    き上げ具と、引き上げた前記単結晶の直径を計測する手
    段とからなる単結晶引き上げ装置を用い、引き上げ速度
    の所定値からの制御幅を0.1mm/minの範囲内に
    設定する一方、ヒータ発熱量またはヒータ温度を操作す
    ることにより、あらかじめ設定された形状寸法の単結晶
    を引き上げる単結晶引き上げ方法であって、 ヒータ温度、るつぼの回転速度、単結晶引き上げ速度及
    び単結晶直径の過去の実績値と、該単結晶直径の目標値
    と実績値との偏差の過去の総和と、単結晶引き上げ速度
    の目標値と実績値との偏差の過去の総和と、前記単結晶
    直径の将来目標値と、前記単結晶引き上げ速度の計画値
    と、前記るつぼの回転速度の計画値とのそれぞれに、前
    記単結晶直径が目標値となりかつ引き上げ速度が目標か
    らずれない様ヒータ温度変更量と引き上げ速度変更量と
    が求まるようにあらかじめ決めておいたゲインを乗じ、
    ヒータ温度変更量と引き上げ速度変更量とを決定するこ
    とを特徴とする単結晶引き上げ方法。
  5. 【請求項5】 単結晶中の酸素濃度が所定範囲に入るよ
    うにるつぼの回転速度に時間パターンを与え、それに対
    する影響量を補償しながらヒータ温度変更量と引き上げ
    速度変更量とを決定することにより、前記単結晶中の酸
    素濃度を所定の範囲に入れる請求項または請求項
    載の単結晶引き上げ方法。
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