JP2782795B2 - 複合フィルムの製造方法 - Google Patents

複合フィルムの製造方法

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coating film
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、カールがなくフラットな複合フィルムを製
造する方法に関する。
【従来の技術】
種々の化粧シートをはじめとして、耐擦傷性や耐摩耗
性などの表面物性にすぐれたフィルム製品が求められる
ことが多い。このような需要に対しては、適宜のフィル
ムの表面に電離放射硬化性樹脂の硬化塗膜を設けた複合
フィルムが提供されている。 ところが、このような複合フィルムは、電離放射線を
照射したとき、硬化に伴って塗膜が収縮するので、塗膜
面を凹面とするカールか生じてしまう。カールした複合
フィルムは、印刷工程や基材への積層工程など後の工程
で使いにくい。この問題はとくに複合フィルムにスクリ
ーン印刷を施そうとするときに深刻である。
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、実質上カールがなくフラットで、種
々の加工に故障のない場合フィルムの製造方法を提供す
ることにある。
【課題を解決するための手段】
本説明の複合フィルムの製造方法は、一例を図面に示
すように、加熱すると収縮するプラスチックの基材フィ
ルム(1)上に、電離放射線硬化性樹脂の塗料の塗膜
(2)を形成し、基材フィルムを加熱しながら電離放射
線を照射して、基材フィルムの熱収縮率と塗膜の硬化収
縮率との差が2.0%以下である条件下に、塗膜を硬化さ
せることからなる。図中、(4)は電離放射線照射手
段、(5)は加熱手段、(7)は塗布手段、(8)はフ
ィルム巻き取り手段をそれぞれ示す。 本発明で使用する基材フィルムは、50〜200℃に加熱
すると0.1〜10%収縮するプラスチックフィルムからえ
らぶことが好ましい。そのようなフィルムとして、ポリ
エステル、ポリ塩化ビニルおよびポリカーボネートなど
のフィルムがあげられる。 電離放射線硬化塗料は、従来と同様なものでよい。た
とえば、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレー
ト、アクリル酸変性アルキッド、アクリル変性ポリエス
テルなどをオリゴマーとし、これに架橋構造の調整や粘
度調整などを目的として、ネオペンチルグリコール−ジ
アクリレート、ペンタエリスリトール−トリアクリレー
ト、トリメチロールプロパン−トリアクリレート、トリ
メチロールプロパン−トリメタクリレートなどのモノマ
ーを配合したものが利用される。これらは電子線により
十分に硬化可能であるが、紫外線照射で硬化させる場合
には、ベンゾイン系、アセトフェノン系、ベンジルケタ
ール系、ケトン/アミン系などの光重合開始剤を添加す
ることが一般的である。 所望により、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、
ポリエチレン樹脂粒子またはテフロンパウダーなどのツ
ヤ消剤を含有させてもよい。 塗料の塗布も既知の手段に従えばよく、たとえば、ブ
レードコート、グラビアコート、ロッドコート、ナイフ
コート、リバースロールコート、キスコート、スプレー
コートまたはオフセットグラビアコートなどである。 塗膜の厚さは複合フィルムの用途によって決定すれば
よく、1〜50μ、とくに2〜6μが一般的である。 電離放射線は、電子線および紫外線が代表的である。
前者は各種の電子線加速機から放出され、50〜1000Ke
V、好ましくは100〜300KeVの範囲のエネルギーをもつ電
子線が用いられ、後者は、高圧水銀灯、そのほかの紫外
線源から発するものを用いる。 電離放射線の照射と同時に行なうフィルムの加熱は、
既知の手段で足りる。フィルムの加熱は、熱板や熱ロー
ルを利用する方法が一般的で、そのほかに熱風の吹き当
てや赤外線の照射によって行なってもよい。長尺フィル
ムを対象とするときは、図面に示したように、熱ロール
を用いると連続的に製造でき、塗膜面側にカールするの
を防止するうえでも好ましい。 加熱温度は、30〜100℃、とくに40〜80℃の範囲内
で、基材フィルムの熱収縮が電離放射線硬化樹脂の硬化
収縮になるべく近くなるように選択する。
【作 用】
本発明の製造方法においては、電離放射線を照射して
塗膜を硬化させると同時に基材フィルムを加熱して、塗
膜の硬化収縮にあわせて基材フィルムを熱収縮させる。
両者の収縮の度合をなるべく近接させることによって、
得られる複合フィルムのカールが、実質上防止できる。 塗膜の収縮率と基材フィルムの収縮率との差が2.0%
を超えると、収縮率の大きい側にカールしてしまうの
で、これを上限値とした。
【実施例】
ツヤ消剤としてマイクロシリカを7重量%含有するポ
リエステルアクリレート系の紫外線硬化性塗料「セイカ
ビームPHC」(大日精化工業製)を、キシロールで固形
分80%となるように希釈し、それを厚さ125μの2軸延
伸ポリエステルフィルム「HL−7」(帝人製)に、乾燥
時の塗膜の厚さが5〜6μとなるようにグラビアリバー
スコートした。 ポリエステルフィルムを表面温度60℃にした熱ロール
で加熱しながら、2灯のオゾン発生型水銀ランプ(強度
160W/cm)で紫外線を照射して塗膜を硬化させた。 上記フィルムを塗膜面が外側になるように巻きとっ
た。 得られた複合フィルムにはカールは生じなかった。 比較のため、熱ロールに熱媒体を通さず室で使用して
(表面温度は約20℃)、上記実施例と同様に複合フィル
ムを製造した。得られた複合フィルムは、塗膜側にカー
ルしていた。
【発明の効果】
本発明の製造方法によれば、前述のとおり、カールが
実質上なくフラットな形状の複合フィルムが得られる。
従って、本発明の方法で製造した複合フィルムは、のち
の印刷工程などが容易である。
【図面の簡単な説明】
図面は、本発明の製造方法の一例を説明するための概念
図である。 1……基材フィルム、2……塗膜 4……電離放射線照射手段 5……加熱手段 7……塗布手段、8……巻き取り手段

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱すると収縮するプラスチックの基材フ
    ィルム上に、電離放射線硬化性樹脂の塗料の塗膜を形成
    し、基材フィルムを加熱しながら電離放射線を照射し
    て、基材フィルムの熱収縮率と塗膜の硬化収縮率との差
    が2.0%以下である条件下に塗膜を硬化させることから
    なる複合フィルムの製造方法。
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