JP4653991B2 - ポリカーボネートフィルム被覆方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリカーボネートフィルム被覆方法に関する。
ポリカーボネートフィルムは、透明性、耐衝撃性、軽量性、加工性等に優れていることから、広い用途で用いられている。しかし、高度の耐擦傷性や、耐薬品性、耐候性は、不充分であり、特に、耐擦傷性が劣るといった欠点があった。これらの欠点を改善するために、ポリカーボネートフィルムを硬化塗膜等により被覆することで所望の性能を付与しようとする試みが従来から行われている。
なかでも、紫外線硬化塗料を用いる被覆方法は、短時間で硬化することができ、熱に弱い基材や熱容量の大きな基材に塗装を好適に行うことができること、硬化設備をコンパクトにできること、硬化設備の保守が容易であること、電源を入れてから生産を開始できるまでの時間が短いこと等の利点があり、色々な分野で従来より使用されている。
特許文献1には、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、モノ、又はポリアクリレート、光安定剤、紫外線吸収剤からなる熱可塑性プラスチック用光重合性樹脂組成物が開示されている。特許文献2には、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、ジアクリレート、特定粒径のコロイダルシリカを含む放射線硬化型樹脂組成物の硬化皮膜を有するフィルムが開示されている。しかし、これらはポリカーボネートフィルム基材に塗装した場合の密着性、耐候性が不充分であったり、耐候性を確保しようとすると、充分な耐擦傷性が得られない等の問題があった。また、耐溶剤性や耐湿性、外観についても充分なものが得られていない。
特許文献3には、有機溶剤のような非反応性の揮発成分を含まない紫外線硬化組成物をポリカーボネートフィルムに塗装し、加温して、紫外線を照射する方法が開示されている。しかし、この場合、加温は、上記文献の記載にあるように、「紫外線硬化組成物が基材表面下0.1〜5μmに拡散して、硬化した後に基材と塗膜の噛合い結合を提供する」ことによって、塗膜の硬化度や、コーティング組成物とポリカーボネートフィルム基材との密着性を改善するものであり、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性、耐候性や外観を向上させようとするものではない。
特許文献4には、プラスチック材料に有機溶剤を含まない特定組成の活性エネルギー線硬化型組成物を塗装し、活性エネルギー線照射前又は照射時に塗工膜の温度を50℃以上にして活性エネルギー線を照射する方法が開示されている。しかし、これも上記文献の記載にあるように「プラスチック材料への密着性を大きく向上させる」ためのものであり、これには熱に鋭敏なフィルムを塗装対象とする記載も示唆もない。また、塗装後の外観や耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性、耐候性についても記載されていない。
特開平7−316213号公報 特開2002−69333号公報 特開平5−247243号公報 特開2003−49010号公報
本発明は、上記現状に鑑み、熱に鋭敏なポリカーボネートフィルムに塗装して、優れた密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性、耐候性及び外観が得られる塗膜を形成し得る、ポリカーボネートフィルム被覆方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、紫外線硬化型被覆組成物をポリカーボネートフィルムに塗装する工程(1)と、上記工程(1)で塗装されたポリカーボネートフィルムを乾燥させる工程(2)と、上記工程(2)で乾燥させたポリカーボネートフィルムに紫外線を照射する工程(3)とからなるポリカーボネートフィルム被覆方法であって、上記紫外線硬化型被覆組成物は、1分子中に4個以上の(メタ)アクリレート基を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレート、ビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリレート、紫外線吸収剤、光重合開始剤及び有機溶剤を含有し、上記工程(3)は、40〜100℃に加温した状態で上記乾燥させたポリカーボネートフィルムに紫外線を照射することを特徴とするポリカーボネートフィルム被覆方法である。
上記紫外線吸収剤は波長域300〜400nmに吸収域を有し、上記光重合開始剤は波長域400〜420nmに感光域を有するものであることが好ましい。
上記有機溶剤は、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸n−プロピル及び酢酸n−ブチルからなる第一群から選択される少なくとも1種の有機溶剤と、メチルイソブチルケトン、酢酸イソプロピル及び酢酸イソブチルからなる第二群から選択される少なくとも1種の有機溶剤との混合物であることが好ましい。
上記第一群の有機溶剤と第二群の有機溶剤との質量比が30/70〜70/30で含有されるものであることが好ましい。
上記工程(3)は、波長域400〜420nmに発光域を有するメタルハライドランプを用いて紫外線を照射するものであることが好ましい。
上記工程(3)は、波長域400〜420nmに発光域を有するメタルハライドランプを用いて紫外線を照射する工程、及び、波長365nmに主発光域を有する高圧水銀灯を用いて紫外線を照射する工程からなるものであることが好ましい。
本発明を以下に詳細に説明する。
本発明のポリカーボネートフィルム被覆方法は、特定成分を含有する紫外線硬化型被覆組成物をポリカーボネートフィルムに塗装する工程(1)と、上記工程(1)で塗装されたポリカーボネートフィルムを乾燥させる工程(2)と、上記工程(2)で乾燥させたポリカーボネートフィルムを特定温度に加温した状態で紫外線を照射する工程(3)とからなる方法である。この方法を用いることにより、外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性及び耐候性に優れた被覆ポリカーボネートフィルムを得ることができる。また、フィルムの厚みが100μmの場合でも、優れた外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性及び耐候性を有する被覆フィルムを得ることができる。
本発明のポリカーボネートフィルム被覆方法において、第一の工程は、紫外線硬化型被覆組成物をポリカーボネートフィルムに塗装する工程(工程(1))である。
上記紫外線硬化型被覆組成物は、1分子中に4個以上の(メタ)アクリレート基を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレート、ビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリレート、紫外線吸収剤、光重合開始剤及び有機溶剤を含有する。上記紫外線硬化型被覆組成物を使用することにより、外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性及び耐候性に優れた被覆ポリカーボネートフィルムを得ることができる。
上記1分子中に4個以上の(メタ)アクリレート基を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、分子内に2個のイソシアネート基を有する二官能イソシアネートと、分子内に2個以上の(メタ)アクリレート基及び1個以上の水酸基を有する多官能アクリレートとを反応させて得られたもの;上記二官能イソシアネートと、分子内に1個の(メタ)アクリレート基及び1個の水酸基を有する一官能(メタ)アクリレート並びに分子内に3個以上の(メタ)アクリレート基及び1個以上の水酸基を有する多官能(メタ)アクリレートとを反応させて得られたもの;分子内に3個以上のイソシアネート基を有する多官能イソシアネートと、分子内に2個以上の(メタ)アクリレート基及び1個以上の水酸基を有する多官能(メタ)アクリレートとを反応させて得られたもの;上記分子内に3個以上のイソシアネート基を有する多官能イソシアネートと、分子内に1個の(メタ)アクリレート基及び1個の水酸基を有する一官能(メタ)アクリレート並びに分子内に2個以上の(メタ)アクリレート基及び1個以上の水酸基を有する多官能(メタ)アクリレートとを反応させて得られたものを挙げることができる。なかでも、被覆ポリカーボネートフィルムの外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性及び耐候性をより向上させることができる点から、1分子中に6個以上の(メタ)アクリレート基を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。上記多官能ウレタン(メタ)アクリレートは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記分子内に2個のイソシアネート基を有する二官能イソシアネートとしては、例えば、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等を挙げることができる。
上記分子内に3個以上のイソシアネート基を有する多官能イソシアネートとしては、例えば、上記二官能イソシアネートの多量体、これらと水、トリメチロールプロパン等のアルコール類との付加物等を挙げることができる。
上記分子内に1個の(メタ)アクリレート基及び1個の水酸基を有する一官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル−(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
上記分子内に2個の(メタ)アクリレート基及び1個以上の水酸基を有する二官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸のエチレンオキサイド付加物のジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
上記分子内に3個以上の(メタ)アクリレート基及び1個以上の水酸基を有する多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
上記1分子中に4個以上の(メタ)アクリレート基を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレートの含有量は、上記紫外線硬化型被覆組成物の固形分質量100質量%中に、下限40質量%、上限90質量%であることが好ましい。40質量%未満であると、上記紫外線硬化型被覆組成物を用いて得られる被覆ポリカーボネートフィルムについて充分な耐擦傷性が得られないおそれがある。90質量%を超えると、充分な密着性、加工性が得られないおそれがある。上記下限は、45質量%であることがより好ましく、50質量%であることが更に好ましい。上記上限は、80質量%であることがより好ましく、70質量%であることが更に好ましい。
上記ビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノールA若しくはビスフェノールFのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物又はε−カプロラクトン付加物のモノあるいはジ(メタ)アクリレート;ビスフェノールA若しくはビスフェノールFと、(メチル)エピクロルヒドリン縮合物又はこの(無水)コハク酸若しくは(無水)フタル酸等の(無水)多塩基酸変性物とを反応させて得た、あるいは、ビスフェノールA若しくはビスフェノールFと、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン等のポリオールと、上記(無水)多塩基酸とを反応させて得た、ポリエステルポリカルボン酸変性物のモノ、ジ、トリ(メタ)アクリレート;ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートと、上記分子内に1個の(メタ)アクリレート基及び1個の水酸基を有する一官能アクリレートとを反応させて得られたもの;ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートと、上記分子内に2個以上の(メタ)アクリレート基及び1個以上の水酸基を有する多官能アクリレートとを反応させて得られたものを挙げることができる。なかでも、被覆ポリカーボネートフィルムの外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性及び耐候性を向上させることができる点から、ビスフェノールA若しくはFのエチレンオキサイド付加物又はプロピレンオキサイド付加物のジアクリレート、ビスフェノールA若しくはFのジグリシジルエーテルのジアクリレート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネートと上記分子内に1個の(メタ)アクリレート基及び1個の水酸基を有する一官能アクリレートとを反応させて得られたものが好ましい。上記ビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリレートは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリレートの含有量は、上記紫外線硬化型被覆組成物の固形分質量100質量%中に、下限5質量%、上限50質量%であることが好ましい。5質量%未満であると、上記密着性が充分に得られないおそれがある。50質量%を超えると、上記紫外線硬化型被覆組成物を用いて得られる被覆ポリカーボネートフィルムの耐候性が低下するおそれがある。上記下限は、10質量%であることがより好ましく、15質量%であることが更に好ましい。上記上限は、40質量%であることがより好ましく、30質量%であることが更に好ましい。
上記紫外線吸収剤は、波長域300〜400nmに吸収域を有するものであることが好ましい。地上に到達し、塗膜の劣化を引き起こす太陽光の波長域は300〜400nmであり、本発明では、上記紫外線吸収剤を含む紫外線硬化型被覆組成物を使用するものであるため、太陽光による塗膜の劣化を防止することができる。このような紫外線吸収剤としては、例えば、サリチル酸系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系又はトリアジン系等を挙げることができる。
上記サリチル酸系としては、例えば、フェニルサリシレート、p−t−ブチルフェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート等を挙げることができる。
上記ベンゾフェノン系としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニル)メタン等を挙げることができる。
上記ベンゾトリアゾール系としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔2’−ヒドロキシ−3’−(3’’,4’’,5’’,6’’−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5’−メチルフェニル〕ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス〔4−(1,1,3,3一テトラメチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〕、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタアクリロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、オクチル−〔3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネート、オクチル−〔3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5’−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネート、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1’,1’,3’,3’−テトラメチルブチル)−6−(1’’−メチル−1’’−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1’−メチルブチル−1’−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−t−ペンチルフェノール等を挙げることができる。
上記シアノアクリレート系としては、例えば、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等を挙げることができる。
上記トリアジン系としては、例えば、2−〔4’−[2’’−ヒドロキシ−3’’−ドデシルオキシプロピル]オキシ〕−2’−ヒドロキシフェニル−4,6−(2’’’,4’’’−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2’,4’−ジメチルフェニル)−6−(2’’−ヒドロキシ−4’’−イソオクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン等を挙げることができる。
上記波長域300〜400nmに吸収域を有する紫外線吸収剤のなかでも、被覆ポリカーボネートフィルムの外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性及び耐候性を向上させることができる点から、2−〔4’−[2’’−ヒドロキシ−3’’−ドデシルオキシピロピル]オキシ〕−2’−ヒドロキシフェニル−4,6−(2’’’,4’’’−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(2’,4’−ジメチルフェニル)−6−(2’’−ヒドロキシ−4’’−イソオクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1’,1’,3’,3’−テトラメチルブチル)−6−(1’’−メチル−1’’−フェニルエチル)フェノールが好ましい。上記紫外線吸収剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記紫外線吸収剤の含有量は、上記紫外線硬化型被覆組成物の固形分質量100質量%中に、下限0.1質量%、上限30質量%であることが好ましい。0.1質量%未満であると、上記紫外線硬化型被覆組成物を用いて得られる被覆ポリカーボネートフィルムに充分な耐候性が得られないおそれがある。30質量%を超えると、添加量の増加による効果は見られないため、経済的に不利である。上記下限は、0.5質量%であることがより好ましく、1質量%であることが更に好ましい。上記上限は、20質量%であることがより好ましく、15質量%であることが更に好ましい。
上記紫外線吸収剤の他に、公知のヒンダードアミン系光安定剤を含有してもよい。上記ヒンダードアミン系光安定剤の市販品としては、例えば、スミソープ577(住友化学工業社製)、チヌビン622LD、チヌビン144、チヌビン111FDL、チヌビン123、チヌビン292(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)、アデカスタブLA−57、アデカスタブLA−62、アデカスタブLA−63、アデカスタブLA−67、アデカスタブLA−82、アデカスタブLA−87(旭電化社製)、グッドライトUV−3034(グッドリッチ社製)等を挙げることができる。
上記光重合開始剤としては、特に限定されず、公知のものを使用することができ、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン類、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン類、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類、アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、ベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等のヒドロキシケトン類、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類等を挙げることができる。上記光重合開始剤これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記光重合開始剤は、波長域下限400nm、上限420nmに感光域を有するものであることが好ましい。400nm未満であると、波長域300〜400nmに吸収域をもつ上記紫外線吸収剤と感光域が重なり、塗膜の内部硬化性が低下して良好な密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性、耐候性を充分維持することができないおそれがある。波長420nmを超えると、光重合開始剤自体が有色になるので、塗膜が着色してしまうおそれがある。なかでも、被覆ポリカーボネートフィルムの外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性及び耐候性を向上させることができる点から、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド類が好ましい。特に、波長域300〜400nmに吸収域を有する紫外線吸収剤と、上記ホスフィンオキサイド類等の波長域400〜420nmに感光域を有する光重合開始剤とを併用することによって、上述の効果をより向上させることができる。
上記光重合開始剤の含有量は、上記紫外線硬化型被覆組成物の固形分質量100質量%中に、下限1質量%、上限10質量%であることが好ましい。1質量%未満であると、充分な硬化性が得られず、上記被覆ポリカーボネートフィルムに良好な外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性、耐候性が得られないおそれがある。10質量%を超えると、添加量の増加による効果は見られないため、経済的に不利である。上記下限は、2質量%であることがより好ましく、上記上限は、7質量%であることがより好ましい。
上記有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の芳香族系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル系、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール系、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテルエステル系等を挙げることができる。有機溶剤を含有させると、紫外線硬化型被覆組成物の良好な塗装性、密着性や、外観に優れた被覆ポリカーボネートフィルムが得られる。
上記有機溶剤のなかでも、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸n−プロピル及び酢酸n−ブチルからなる第一群から選択される少なくとも1種の有機溶剤と、メチルイソブチルケトン、酢酸イソプロピル及び酢酸イソブチルからなる第二群から選択される少なくとも1種の有機溶剤との混合物であることが好ましい。上記第一群の有機溶剤は、ポリカーボネートフィルムを部分的に膨潤又は溶解させる力が強く、上記第二群の有機溶剤は、上記膨潤又は溶解させる力が弱いため、これらを併用することにより、被覆フィルムの外観を損なうことなく、塗膜の密着性、耐擦傷性、耐溶剤性、耐湿性や耐候性を更に向上させることができる。
上記第一群の有機溶剤と第二群の有機溶剤とを併用する場合において、上記第一群の有機溶剤と第二群の有機溶剤との配合比は、質量比30/70〜70/30であることが好ましい。上記質量比であると、優れた塗装性、乾燥性、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性、耐候性や被覆フィルムの外観を得ることができるといった利点がある。上記含有量は、適用する塗装法に合わせて適正な粘度になるように決めてもよい。上記配合比は、質量比40/60〜60/40であることがより好ましい。
上記紫外線硬化型被覆組成物は、必要に応じて、これにエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレートモノマー類、ポリエステル(メタ)アクリレート、アクリル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、上記以外のウレタン(メタ)アクリレート等のアクリル変性樹脂を含有したものであってもよい。又、硬化性、耐擦傷性、耐候性等の性能を低下させない範囲で(メタ)アクリレート基を含有しない非紫外線硬化性のアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等を含有していてもよい。
上記紫外線硬化型被覆組成物はまた、必要に応じて重合禁止剤、酸化防止剤、増粘剤、レベリング剤、消泡剤、滑剤、可塑剤、充填剤、着色剤等を含有することができる。また、耐擦傷性を一層向上させるために、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等のコロイダル金属酸化物、これらを(メタ)アクリレート基含有シランカップリング剤等で変性した有機変性コロイダル金属酸化物を含有していてもよい。
上記紫外線硬化型被覆組成物の塗装としては、特に限定されず、例えば、刷毛塗り、ローラー塗装、スプレー塗装、カーテンフロー塗装、浸漬塗装、流し塗り等を挙げることができる。
上記ポリカーボネートフィルムとしては、ポリカーボネートフィルム樹脂、変性ポリカーボネートフィルム樹脂からなるもの等が挙げられる。上記ポリカーボネートフィルムは、鉄等の金属に比べて熱容量が低いので、効率的に加温することができ、エネルギー消費量を抑えることができるといった利点がある。上記ポリカーボネートフィルムは、通常の脱脂、化成処理、コロナ放電処理、フレーム処理、プライマー塗装処理等を行ったものであってもよい。
上記ポリカーボネートフィルムの厚みは、100μm〜500μmであることが好ましい。100μm未満であると、射出成型時の作業性が悪くなるおそれがある。500μmを超えると、ロール上での巻取りが困難になるおそれがある。本発明の方法は、熱の影響を受けやすい厚みが100〜200μmのようなポリカーボネートフィルムであっても、効率良く、均一に被覆することができ、優れた密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性、耐候性及び外観が得られる塗膜を形成することができる。
本発明のポリカーボネートフィルム被覆方法において、第二の工程は、上記工程(1)で塗装されたポリカーボネートフィルムを乾燥する工程(工程(2))である。上記乾燥としては、常温、長時間でもよいが、例えば、温度40〜200℃の温風により、1秒〜10分間程度乾燥させる方法等が挙げられる。
上記工程(2)により得られる塗膜の乾燥膜厚は、下限1μm、上限100μmであることが好ましい。1μm未満であると、充分な耐溶剤性、耐擦傷性、耐候性が得られないおそれがある。100μmを超えると、それ以上の効果が得られず経済的に不利である。上記下限は、3μmであることがより好ましく、上記上限は、50μmであることがより好ましい。
本発明のポリカーボネートフィルム被覆方法において、第三の工程は、上記工程(2)で乾燥されたポリカーボネートフィルムに紫外線を照射する工程(工程(3))である。上記工程(3)を行うことにより、塗装された塗膜を充分に硬化させることができ、優れた外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性及び耐候性を有する被覆ポリカーボネートフィルムを得ることができる。
上記工程(3)は、40〜100℃に加温した状態で上記乾燥させたポリカーボネートフィルムに紫外線を照射する工程である。上記紫外線硬化型被覆組成物には、必須成分として紫外線吸収剤が含まれるため、加温することにより、紫外線吸収剤の添加により低下した紫外線硬化性を補い、かつ更にこの硬化性を高めることができる。また、上記紫外線硬化型被覆組成物を用いて工程(1)、(2)を行って、更に40〜100℃に加熱して工程(3)を行うことにより、良好な外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性、耐候性を有する被覆ポリカーボネートフィルムを得ることができる。熱可塑性のプラスチックフィルムの中でも、ポリカーボネートフィルムは比較的耐熱性が良好であるので、加温して紫外線照射することができる。
上記工程(3)において、被塗物であるポリカーボネートフィルムの温度は、40〜100℃である。40℃未満では、硬化性が低下して、充分な耐擦傷性、耐候性が得られないおそれがある。100℃を超えると、紫外線ランプから放出される熱線でポリカーボネートフィルムの温度が更に上昇して、耐熱温度を超え、収縮、変形が起こるおそれがある。上記温度は、60〜90℃であることがより好ましい。
上記ポリカーボネートフィルムを加温する方法としては、例えば、温水等で温度制御したドラムにポリカーボネートフィルムを巻きつけて加温する方法等を挙げることができる。上記のように加温して所定温度になった時点で紫外線をポリカーボネートフィルムに照射することが好ましい。
上記工程(3)を行うための光源としては特に限定されず、例えば、低圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、無電極放電ランプ、キセノンランプ、エキシマランプ等の紫外線ランプ類を挙げることができる。なかでも、高強度の紫外線が得られる点で、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、無電極放電ランプが好ましい。また、発光域は同じであるが、波長域400〜430nmの強度がより強い点で、メタルハライドランプがより好ましい。
上記光源は、紫外線とともに熱線が出ており、安定な紫外線発光を得るために、冷却が必要である。ポリカーボネートフィルム等の被塗物を40〜100℃に設定することにより、ランプの冷却効率が低下してランプの寿命が短くなるおそれがある場合は、ランプ冷却方法は水冷式、風冷の場合は吹き出しを選択することもできる。また、ランプから放出される熱線が被塗物に当たらないように、熱線カットフィルター等を装着したものも使用することができる。
上記工程(1)で使用される紫外線硬化型被覆組成物が波長域300〜400nmの吸収域を有する紫外線吸収剤及び波長域400〜420nmの発光域を有する光重合開始剤を含有するものである場合、上記工程(3)は、波長域400〜420nmに発光域を有するメタルハライドランプを用いて紫外線を照射することが好ましい。光重合開始剤の発光域と同様の波長域に発光域を有する光源を使用することにより、良好な外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性及び耐候性に優れた被覆ポリカーボネートフィルムを得ることができる。
上記工程(3)はまた、上記波長域400〜420nmに発光域を有するメタルハライドランプを用いて紫外線を照射した後、次いで365nmに主発光域を有する高圧水銀灯を用いて紫外線を照射することにより行ってもよい。二段階で紫外線を照射することにより、外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性及び耐候性により優れた被覆ポリカーボネートフィルムを得ることができる。
上記紫外線の照射量としては、下限50mJ/cm、上限10000mJ/cmであることが好ましい。50mJ/cm未満であると、硬化不充分で優れた外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性及び耐候性が得られないおそれがある。10000mJ/cmを超えると、硬化が進みすぎて塗膜が黄変したり、加工性が低下するおそれがある。上記下限は、100mJ/cmであることがより好ましく、上記上限は、5000mJ/cmであることがより好ましい。なお、上記紫外線の照射量とは、UVR−N1(日本電池社製、工業用UVチェッカー)で測定した値である。
本発明のポリカーボネートフィルム被覆方法は、特定成分を含有する紫外線硬化型被覆組成物をポリカーボネートフィルムに塗装する工程(1)と、これを乾燥する工程(2)と、乾燥させたものを特定の温度に加温して紫外線を照射する工程(3)とからなるものである。従って、比較的少ないエネルギーで塗膜を均一に硬化することができ、外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性及び耐候性に優れた被覆ポリカーボネートフィルムを得ることができる。また、本発明の方法は、熱に弱い厚みが比較的薄いポリカーボネートフィルムにも好適に適用することができる。
本発明のポリカーボネートフィルム被覆方法は、上述した構成よりなるので、外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性及び耐候性に優れた被覆ポリカーボネートフィルムを得ることができる。また、熱に鋭敏な比較的薄いポリカーボネートフィルムに好適に適用することができる。
以下に実施例を挙げて、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。尚、以下の実施例において、「部」又は「%」はそれぞれ「質量部」、「質量%」を意味する。
製造例1
攪拌機付4口フラスコに、酢酸エチル610部、アロニックスM−305(東亜合成社製、ペンタエリスリトールトリアクリレート)1200部、ハイドロキノン0.8部、ジブチル錫ジラウレート0.8部を仕込み、攪拌しながら40℃以下でイソホロンジイソシアネート222部を1時間かけて滴下した。その後、70℃に昇温して2時間攪拌を継続後、赤外分光光度計でイソシアネート基に基づく吸収が消失したことを確認して、固形分70%の6官能ウレタンアクリレート樹脂溶液を得た。
製造例2
攪拌機付4口フラスコに、酢酸エチル590部、アロニックスM−305(前出)1200部、ハイドロキノン0.8部、ジブチル錫ジラウレート0.8部を仕込み、攪拌しながら40℃以下でトリレンジイソシアネート174部を1時間かけて滴下した。その後、70℃に昇温して2時間攪拌を継続後、赤外分光光度計でイソシアネート基に基づく吸収が消失したことを確認して、固形分70%の6官能ウレタンアクリレート樹脂溶液を得た。
製造例3
攪拌機付4口フラスコに、酢酸エチル158部、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート250部、ハイドロキノン0.8部、ジブチル錫ジラウレート0.8部を仕込み、攪拌しながら40℃以下で2−ヒドロキシエチルアクリレート116部を1時間かけて滴下した。その後、70℃に昇温して2時間攪拌を継続後、赤外分光光度計でイソシアネート基に基づく吸収が消失したことを確認して、固形分70%のビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリレート溶液を得た。
実施例1
製造例1で得た6官能ウレタンアクリレート樹脂溶液100部、アロニックスM208(東亜合成社製、ビスフェノールFのエチレンオキサイド付加物のジアクリレート)30部、ダロキュアTPO〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド〕2部、チヌビン400〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、紫外線吸収剤、2−〔4’−[2’’−ヒドロキシ−3’’−ドデシルオキシピロピル]オキシ〕−2’−ヒドロキシフェニル−4,6−(2’’’,4’’’−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジンと2,4−ビス(2’,4’−ジメチルフェニル)−6−(2’’−ヒドロキシ−4’’−イソオクチルオキシフェニル)−1,3,5−トリアジンの1−メトキシ−2−プロパノール溶液〕3部、チヌビン928〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、紫外線吸収剤、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(1−メチル−1−フェニルエチル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール〕3部、チヌビン292〔チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、ヒンダードアミン系光安定剤、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケート、メチル(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジニル)セバケートの混合物〕1部、酢酸エチル20部、メチルイソブチルケトン20部からなる紫外線硬化型被覆組成物を、ロールコーターで厚み100μmのポリカーボネートフィルムに乾燥膜厚10μmになるように塗装した。これに80℃の温風を1分間当てた後に、60℃にセットされたドラムに巻きつけ、塗装フィルムが同温度になったことを確認して、集光型高圧水銀灯HAL−250NL(日本電池社製、120W/cm、オゾンタイプ石英管、発光域200〜430nm)2灯の下を15m/分の速度で通過させて紫外線を照射し硬化させた。この時の紫外線照射量は1060mJ/cmであった。得られた被覆フィルムを用いて、下記の方法で外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性、耐候性を評価し、得られた結果を表1に示した。
実施例2
製造例1で得た6官能ウレタンアクリレート樹脂溶液を製造例2で得た6官能ウレタンアクリレート樹脂溶液に置き換える以外は実施例1と同様にして被覆フィルムを得た。得られた被覆フィルムを用いて、下記の方法で外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性、耐候性を評価し、得られた結果を表1に示した。
実施例3
製造例1で得た6官能ウレタンアクリレート樹脂溶液100部、エポキシエステル3002A(共栄社化学社製、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物のジグリシジルエールのジアクリレート)30部、ダロキュアTPO(前出)2部、チヌビン400(前出)3部、チヌビン928(前出)3部、チヌビン292(前出)1部、酢酸エチル20部、メチルイソブチルケトン20部からなる紫外線硬化型被覆組成物を、ロールコーターで厚み100μmのポリカーボネートフィルムに乾燥膜厚8μmになるように塗装した。これに80℃の温風を1分間当てた後に、80℃にセットされたドラムに巻きつけ、塗装フィルムが同温度になったことを確認して、集光型メタルハライドランプMBL−250NL(日本電池社製、120W/cm、オゾンタイプ石英管、発光域200〜430nm)2灯の下を15m/分の速度で通過させて紫外線を照射し硬化させた。この時の紫外線照射量は980mJ/cmであった。得られた被覆フィルムを用いて、下記の方法で外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性、耐候性を評価し、得られた結果を表1に示した。
実施例4
アロニックスM208(前出)30部を製造例3で得たビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリレート溶液43部に置き換える以外は実施例1と同様にして被覆フィルムを得た。得られた被覆フィルムを用いて、下記の方法で外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性、耐候性を評価し、得られた結果を表1に示した。
比較例1〜3(紫外線照射時の被塗物温度が範囲外)
実施例1と同様にして、紫外線硬化型被覆組成物をロールコーターで厚み100μmのポリカーボネートフィルムに乾燥膜厚10μmになるように塗装した。これに80℃の温風を1分間当てた後に、30℃にセットされたドラムに巻きつけ、塗装フィルムが同温度になったことを確認して、集光型高圧水銀灯HAL−250NL(前出)2灯の下を15m/分、10m/分、5m/分の速度で通過させて紫外線を照射し硬化させた。この時の紫外線照射量はそれぞれ1060mJ/cm、700mJ/cm、350mJ/cm、であった。得られた被覆フィルムを用いて、下記の方法で外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性、耐候性を評価し、得られた結果を表1に示した。
比較例4(紫外線照射時の被塗物温度が範囲外)
実施例1と同様にして、紫外線硬化型被覆組成物をロールコーターで厚み100μmのポリカーボネートフィルムに乾燥膜厚10μmになるように塗装した。これに80℃の温風を1分間当てた後に、110℃にセットされたドラムに巻きつけ、塗装フィルムが同温度になったことを確認して、同様の条件で紫外線を照射して硬化させた。得られた被覆フィルムを用いて、下記の方法で外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性、耐候性を評価し、得られた結果を表1に示した。
比較例5(ビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリレートなしの紫外線硬化型被覆組成物)
アロニックスM208をライトアクリレートDCP−A(共栄社化学社製、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート)に置き換える以外は実施例1と同様にして被覆フィルムを得た。得られた被覆フィルムを用いて、下記の方法で外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性、耐候性を評価し、得られた結果を表1に示した。
評価法
<外観>
収縮の様子を目視により以下の基準にて判定した。
〇:ほとんど収縮がない
△:若干の収縮がある
×:かなりの収縮がある
<密着性>
塗面に鋭利なカッターで1mm間隔の碁盤目を100個作り、粘着テープを貼り付けて剥離した。塗膜の残存数を測定して以下の基準にて評価した。
〇:残存数が90個以上
△:残存数が50個以上、90個未満
×:残存数が50個未満
<耐溶剤性>
メチルエチルケトンを含ませた脱脂綿で塗面を擦る。塗膜の侵され具合を目視により以下の基準にて評価した。
〇:全く変化なし
△:若干侵される
×:かなり侵される
<耐擦傷性>
150mm×25mmに切り出した被覆フィルムを学振式摩擦堅牢度試験器(テスター産業社製)にセットして、荷重500gをかけて、ボンスター♯0000(日本スチールウール社製、スチールウール)で、1500回擦る。塗膜の傷つき具合を目視により以下の基準で評価した。
〇:ほぼ傷つきがない
△:少々傷つきがある
×:著しい傷つきがある
<耐湿性>
110℃×85%RHの高温高湿環境にて96時間放置後取り出し、1時間常温に放置した後外観を観察し、以下の基準で評価した。
○:変化なし
△:少々外観変化あり
×:著しく外観変化あり
<耐候性>
25mm×20mmに切り出した被覆フィルムを促進耐侯試験機(S−UVテスター 岩崎電気社製)にセットして、400時間後に取り出し、外観を観察し、以下の基準で評価した。
○:変化なし
△:少々外観変化なし
×:著しく外観変化あり
Figure 0004653991
表1から、実施例により得られた被覆フィルムは、外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性及び耐候性のすべての項目において優れるものであった。一方、比較例により得られたものは、すべての項目に良好な結果を示すものではなかった。
本発明のポリカーボネートフィルム被覆方法により、外観、密着性、耐溶剤性、耐擦傷性、耐湿性及び耐候性に優れた紫外線硬化塗膜で被覆されたポリカーボネートフィルムを製造することができる。

Claims (4)

  1. 紫外線硬化型被覆組成物を、厚み100μm〜500μmであるポリカーボネートフィルムに塗装する工程(1)と、前記工程(1)で塗装されたポリカーボネートフィルムを乾燥させる工程(2)と、前記工程(2)で乾燥させたポリカーボネートフィルムに紫外線を照射する工程(3)とからなるポリカーボネートフィルム被覆方法であって、
    前記紫外線硬化型被覆組成物は、
    1分子中に4個以上の(メタ)アクリレート基を有する多官能ウレタン(メタ)アクリレート、
    ビスフェノール骨格を有する(メタ)アクリレート、
    紫外線吸収剤、
    光重合開始剤及び
    アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、酢酸n−プロピル及び酢酸n−ブチルからなる第一群から選択される少なくとも1種の有機溶剤と、メチルイソブチルケトン、酢酸イソプロピル及び酢酸イソブチルからなる第二群から選択される少なくとも1種の有機溶剤との混合物であって、第一群の有機溶剤と第二群の有機溶剤との質量比が30/70〜70/30で含有される、有機溶剤
    を含有し、
    前記工程(3)は、40〜100℃に加温した状態で前記乾燥させたポリカーボネートフィルムに紫外線を照射する
    ことを特徴とするポリカーボネートフィルム被覆方法。
  2. 紫外線吸収剤は波長域300〜400nmに吸収域を有し、光重合開始剤は波長域400〜420nmに感光域を有する請求項1記載のポリカーボネートフィルム被覆方法。
  3. 工程(3)は、波長域400〜420nmに発光域を有するメタルハライドランプを用いて紫外線を照射する請求項1又は2記載のポリカーボネートフィルム被覆方法。
  4. 工程(3)は、波長域400〜420nmに発光域を有するメタルハライドランプを用いて紫外線を照射する工程、及び、波長365nmに主発光域を有する高圧水銀灯を用いて紫外線を照射する工程からなる請求項1又は2記載のポリカーボネートフィルム被覆方法。
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