JP2781789B2 - 電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物

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JP2781789B2
JP2781789B2 JP23653196A JP23653196A JP2781789B2 JP 2781789 B2 JP2781789 B2 JP 2781789B2 JP 23653196 A JP23653196 A JP 23653196A JP 23653196 A JP23653196 A JP 23653196A JP 2781789 B2 JP2781789 B2 JP 2781789B2
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竹雄 芝辻
克宏 大隈
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昭島化学工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電線被覆用の塩
化ビニル系樹脂組成物に関し、特に電気絶縁性の低下を
改善した電線被覆用の塩化ビニル系樹脂組成物に関す
る。更に言えば、この発明は鉛を含まない低毒性又は無
毒性の金属塩化合物と、熱安定化助剤及びプレートアウ
トの防止剤とを組合わせ含有して成る電気絶縁性の低下
を改善した新規な電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物に
関する
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィン、ゴムなどに比較しても
塩化ビニル系樹脂は、優れた電気絶縁性を有しているこ
とから、塩化ビニル系樹脂は電線被覆材料として広く使
われてきた。しかしながら、塩化ビニル系樹脂は熱成形
加工時の熱及び酸化による劣化が進むにつれ、当該樹脂
が本来具備する優れた電気絶縁性の低下をきたし、実用
に耐えられなくなるといった問題がある。
【0003】こうした問題点を改善するため、従来より
電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物を熱成形加工する際
には三塩基性硫酸鉛、ステアリン酸鉛などの安定剤が添
加されてきた。しかしながら、これらの鉛系安定剤は特
に毒性が高く、また電気絶縁性についても必ずしも十分
ではなかった。
【0004】このため、これに代わる方法として、低毒
又は無毒性の安定剤である例えばBa−Zn系又はCa
−Zn系の金属石けんに、有機亜リン酸エステル化合
物、ヒンダードフェノール系酸化防止剤或いはエポキシ
化合物などを組合わせ添加して、塩化ビニル樹脂の加工
時の熱及び酸化による劣化を防止し、かつ塩化ビニル樹
脂の電気絶縁性の低下を改善する方法が採られるように
なった。
【0005】これらの方法は、確かに毒性面では問題は
ないが、熱成形加工時の劣化による着色の防止性能にお
いてはなお十分ではなく、その一層の性能改善が求めら
れていた。このため、従来より上記の安定剤に、さらに
各種の安定化助剤を添加してより一層その性能を向上さ
せる方法が多数提案されている。
【0006】本出願人も、特公昭52−47948号及
び同57−9386号でβ−ジケトン化合物を用いる方
法を、特公昭57−39260号ではβ−ジケトンの金
属塩化合物を用いる方法を、特公平1−58213号及
び同1−58214号では、シクロペンタノン及びシク
ロヘキサノン系化合物を用いる方法を提案した。
【0007】これらの方法は、着色防止という点では顕
著な効果を示すことが現在広く認められているが、しか
し最近の塩化ビニル系樹脂製品の拡大と生産性の向上の
ためには、さらに高度な成形加工技術が要求されるてい
る。これに使用される安定剤及び助剤についても新規な
開発が行われ、新規な配合による安定化助剤が次々と提
案されている。
【0008】例えば、特公昭57−39261号にはβ
−ジケトン化合物と、マグネシウム、カルシウム及びバ
リウムなどの特定した金属の水酸化物もしくは酸化物又
は塩基性無機酸塩の少なくとも一種とを組合わせ用いる
方法が、特公昭58−36012号にはβ−ジケトン化
合物と、ハイドロタルサイト化合物とを組合わせ用いる
方法が、そして特開平8−109297号にはハイドロ
タルサイト化合物とアルカリ土類金属の珪酸塩とを組合
わせ用いる方法が提案されている。
【0009】これらの方法は、熱安定性向上に優れた無
機の金属塩化合物を用いるために過酷な熱的条件下に曝
されても急激な分解であるジンクバーニングは防止でき
る。ジンクバーニングとは、現在鉛を使用しない無毒な
いし低毒配合の安定剤では、必須成分として使用されて
いるカルボン酸亜鉛のような有機酸の金属塩が、高温熱
加工時に塩化ビニル系樹脂から放出される塩酸ガスを捕
捉して塩化亜鉛が生成され、これが分解触媒となって塩
化ビニル系樹脂の骨格を成す炭素間の結合が次々に切断
されて炭化してしまう現象で、塩化ビニル樹脂の加工で
当業者に一番恐れられているものである。
【0010】こうしたジンクバーニングは、上記の無機
の金属塩化合物を用いることによって防止することは出
来るものの、その効果を達成するため必要量の無機の金
属塩を添加すると他方で着色が激しくなり、また透明性
を悪化させるという欠点があった。さらに、これらの方
法は、いずれもプレートアウトに対する配慮がなされて
いないために、甚だしく生産効率を低下させるといった
問題があった。
【0011】ここに言うプレートアウトとは、塩化ビニ
ル樹脂などの成形加工の際に、安定剤やその他の配合剤
の一部が酸化したり又熱分解することによって生ずる副
生成物が、カレンダーロールやエンボッシングロールな
どの表面に付着する現象で、これが生じるとロールから
これを除去するために成形作業の中止をしばしば余儀な
くされ、生産性を大きく低下させるものである。
【0012】こうしたプレートアウトを防止するために
従前から採られている方策は、ケイ素化合物又は有機リ
ン酸エステル化合物を添加する方法であるが、しかしこ
れによると電線被覆材料としての性能に種々の問題を生
じることになった。
【0013】即ち、ケイ素化合物の添加は着色が激しく
更に透明性も大幅に悪化させた。また、有機リン酸エス
テル化合物の添加は体積固有抵抗率を著しく低下させる
ため、電線被覆材料として具備すべき重要な性能である
電気絶縁性を損ねてしまう問題があった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、鉛系安定
剤を使用しないで特定した低毒性の安定剤及び安定化助
剤を選択して組み合わせることによって、着色を抑制し
透明性を悪化せず、しかもプレートアウトを防止しつつ
電気絶縁性の低下を改善した電線被覆用塩化ビニル系樹
脂組成物を得ようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】この発明は、塩化ビニル
系樹脂に、(a)カルボン酸又はアルキルフェノ一ルの
金属塩化合物と、(b)ジアロイルメタン又はアルカノ
イルアロイルメタンのいずれかのβ−ジケトン化合物並
びにこれらの金属塩の中の少なくとも一種と、 (c) Li2 Mg3 Al2 (OH)12CO3 ・mH2 O ……(1) (式中、mは、0<m≦7を表わす。)で表されるリチ
ウムーマグネシウムーアルミニウム複合水酸化物塩、 Mg1-x A1x (OH)2 (CO3x/2 ・mH2 O ……(2) (式中、xは、0.3≦x≦0.33を、mは、0.4
≦m≦0.7をそれぞれ表す。)で表されるマグネシウ
ム−アルミニウム複合水酸化物塩、 Mg4 Al2 (OH)12(CO31-x/2 (ClO4x ・mH2 O ……(3) (式中、xは、0.5≦x≦2を、mは、0<m≦6を
それぞれ表す。)で表されるマグネシウム−アルミニウ
ム・ハイドロオキサイド・パークロリック・カーボネー
ト・ハイドレート及び CaO・Al23 ・2SiO2 ・mH2 O ……(4) (式中、mは、0<m≦5を表す。)で表されるカルシ
ウム置換A型ゼオライトの四種の無機塩化合物の中から
選ばれた少なくとも一種と、(d)2,5−ジヒドロチ
オフェン−1,1−ジオキシドとを組合わせて含有して
成ることを特徴とする電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成
物(請求項1)、塩化ビニル系樹脂に、(a)カルボン
酸又はアルキルフェノ一ルの金属塩化合物と、(b)ジ
アロイルメタン又はアルカノイルアロイルメタンのβ−
ジケトン化合物並びにこれらの金属塩の中の少なくとも
一種と、請求項1の(c)成分である式(1)〜(4)
で表わされる特定した四種の無機化合物の中から選ばれ
た少なくとも一種と、(e)2−(オクチルオキシ)−
4H−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−4−オ
ンとを組合わせて含有して成ることを特徴とする電線被
覆用塩化ビニル系樹脂組成物(請求項2)、塩化ビニル
系樹脂に、(a)カルボン酸又はアルキルフェノ一ルの
金属塩化合物と、(b)ジアロイルメタン又はアルカノ
イルアロイルメタンのβ−ジケトン化合物並びにこれら
の金属塩の中の少なくとも一種と、請求項1の(c)成
分である式(1)〜(4)で表わされる特定した無機化
合物の中から選ばれた少なくとも一種と、(d)2,5
−ジヒドロチオフェン−1,1−ジオキシド又は(e)
2−(オクチルオキシ)−4H−1,3,2−ベンゾジ
オキサホスホリン−4−オンのいずれかと、(f)水酸
化カルシウムとを組み合わせて含有してなることを特徴
とする電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物(請求項
3)、カルボン酸又はアルキルフェノールの金属塩化合
物の金属が、バリウム亜鉛又はカルシウム亜鉛のい
ずれかの組合わせである請求項1又は2記載の電線被覆
用塩化ビニル系樹脂組成物(請求項4)、ジアロイルメ
タン又はアルカノイルアロイルメタンのβ−ジケトン化
合物並びにこれらの金属塩が、ジベンゾイルメタンもし
くはステアロイルベンゾイルメタンのいずれか又はこれ
らの金属塩である請求項1又は2記載の電線被覆用塩化
ビニル系樹脂組成物(請求項5)である。この発明によ
れば、上記組成の相乗作用によって樹脂の着色を抑制し
透明性を悪化せず、しかもプレートアウトを防止しかつ
電気絶縁性の低下を改善したものである。
【0016】即ち、(b)成分のβ−ジケン化合物又は
その金属塩の添加によって初期着色を防止するととも
に、(c)成分である式(1)〜(4)で表される特定
した四種の中から選ばれた少なくとも一種を添加するこ
とで熱安定性を良好にしプレートアウトを防止しつつ、
さらに(d)成分の2,5−ジヒドロチオフェン−1,
1−ジオキシドの添加で透明性及び色相を良好にし、プ
レートアウトを防止しつつさらに上記配合成分の相乗効
果で塩化ビニル系樹脂組成物の電気絶縁性の低下を回避
するようにしたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本願の請求項1の発明の電線被覆
用塩化ビニル系樹脂組成物は、塩化ビニル系樹脂に、
(a)カルボン酸又はアルキルフェノールの金属塩化合
物と、(b)ジアロイルメタン又はアルカノイルアロイ
ルメタンのβ−ジケトン化合物並びにそれらの金属塩の
中の少なくとも一種と、(c)リチウムーマグネシウム
ーアルミニウム複合水酸化物塩、並びにマグネシウム−
アルミニウム複合水酸化物塩、マグネシウム−アルミニ
ウム・ハイドロオキサイド・パークロリック・カーボネ
ート・ハイドレート及びカルシウム置換A型ゼオライト
の中から選ばれた少なくとも一種と、(d)2,5−ジ
ヒドロチオフェン−1,1−ジオキシドとを組合わせて
含有して成るものである。
【0018】この請求項1で用いる安定剤成分(a)で
ある金属塩化合物の金属は、カルシウム、バリウム、ス
トロンチウム、マグネシウム、ジルコニウム、アルミニ
ウム、亜鉛又は錫であり、これらの二種以上で用いられ
る。この場合の金属の組合わせは、バリウム−亜鉛、カ
ルシウム−亜鉛が好適である。金属塩化合物が、バリウ
ムもしくはカルシウムの過塩基性カルボキシレートカー
ボネート錯体又は過塩基性アルキルフェネートカーボネ
ー卜錯体のいずれかと、亜鉛カルボキシレートとの組合
わせであるとその使用量を少なくしても効果を有する。
【0019】また、この金属と結合する有機残基は、カ
ルボン酸又はアルキルフェノール類である。カルボン酸
は、炭素数2〜22の飽和又は不飽和脂肪族のカルボン
酸、炭素数7〜16の脂環式、複素環式又は芳香族のカ
ルボン酸であり、例えばオクタン酸、2−エチルヘキサ
ン酸、デカン酸、イソデカン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン
酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、トリス
アルキル(C15〜C16)酢酸、オレイン酸、リノール
酸、リシノール酸、アジピン酸、セバシン酸、安息香
酸、m−トルイル酸、キシリル酸、p−t−ブチル安息
香酸、フタル酸、サリチル酸又はこれらの混合カルボン
酸である。
【0020】また、アルキルフェノールとしては、例え
ばp−t−ブチルフェノール、p−t−オクチルフェノ
ール、ノニルフェノール、ジノニルフェノール、デシル
フェノール、ドデシルフェノールである。
【0021】これらのカルボン酸の金属塩化合物及びア
ルキルフェノールの金属塩化合物は、酸性塩又は中性塩
であってもよく、さらに塩基性塩もしくは過塩基性塩で
あってもよい。また、この金属塩化合物の配合量は、塩
化ビニル系樹脂100重量部に対し、0.1〜5重量
部、特に0.3〜3重量部が好ましい。この範囲の配合
量の場合には、加工機の金属表面との剥離性及び熱安定
効果が好ましい。5重量部を超えた場合には、増量した
効果がないばかりではなく、成形加工品の表面に、過剰
の金属塩化合物又はこの分解物及び可塑剤その他の配合
剤が滲み出すいわゆるブルーム(ブリード)現象が生ず
る恐れがある。
【0022】次の安定剤成分(b)のβ−ジケトン化合
物は、例えばベンゾイルアセトン、パルミトイルベンゾ
イルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、ジベンゾ
イルメタン、4−メトキシベンゾイルーベンゾイルメタ
ン、ビス(4−メトキシベンゾイルメタン)、そして4
−クロロベンゾイルーベンゾイルメタンなどである。
【0023】このβ−ジケトン化合物は金属塩であって
もよく、該金属塩を構成する金属としては、ナトリウ
ム、カルシウム、バリウム又は亜鉛である。これらのβ
−ジケトン化合物の配合量は、塩化ビニル系樹脂100
重量部に対し、0.001〜1重量部、好ましくは0.
005〜0.5重量部である。β−ジケトンの配合比が
あまり多いとジンクバーニングを促進させてしまう。
【0024】安定剤成分(c)の四種の無機化合物の、
リチウムーマグネシウムーアルミニウム複合水酸化物
塩、マグネシウム−アルミニウム複合水酸化物塩、マグ
ネシウム−アルミニウム・ハイドロオキサイド・パーク
ロリック・カーボネート・ハイドレート、カルシウム置
換A型ゼオライトは、それぞれ次式に示されるものであ
る。
【0025】即ち、リチウムーマグネシウムーアルミニ
ウム複合水酸化物塩は、 Li2 Mg3 Al2 (OH)12CO3 ・mH2 O ……(1) (式中、mは、0<m≦7を表わす。)で表されるも
の、マグネシウム−アルミニウム複合水酸化物塩は、 Mg1-x A1x (OH)2 (CO3x/2 ・mH2 O ……(2) (式中、xは、0.3≦x≦0.33を、mは、0.4
≦m≦0.7をそれぞれ表す。)で表されるもの、マグ
ネシウム−アルミニウム・ハイドロオキサイド・パーク
ロリック・カーボネート・ハイドレートは、 Mg4 Al2 (OH)12(CO31-x/2 (ClO4x ・mH2 O ……(3) (式中、xは、0.5≦x≦2を、mは、0<m≦6を
それぞれ表す。)で表されるもの、カルシウム置換A型
ゼオライトは、 CaO・Al23 ・2SiO2 ・mH2 O ……(4) (式中、mは、0<m≦5を表す。)で表されるもので
ある。
【0026】式(1)に示すものは、例えば富士化学工
業株式会社製の商品名L−CAM及びL−CAM
(H)、式(2)に示すものは、例えば協和化学工業株
式会社製の商品名アルカマイザー3(DHT−4A)、
式(3)の例示のものは、同じく上記の協和化学工業株
式会社製のアルカマイザー5、また式(4)の例示のも
のは、東ソー株式会社製のGSL−2500などであ
る。これらの無機化合物の配合量は、塩化ビニル系樹脂
100重量部に対し、0.01〜3重量部が好ましく、
さらに好ましくは0.05〜2重量部である。上記配合
比の範囲が製品の着色するを防止しまた透明性を悪化さ
せないために好ましい。
【0027】安定剤成分(d)である2,5−ジヒドロ
チオフェン−1,1−ジオキシドの配合量は、塩化ビニ
ル系樹脂100重量部に対し、0.001〜1重量部が
好ましい。さらに好ましくは0.01〜0.5重量部で
ある。2,5−ジヒドロチオフェン−1,1−ジオキシ
ドは、透明性の向上、初期着色防止及びプレートアウト
防止効果に有効である。しかしながら、これを余り多量
に添加すると逆にブルーム現象の原因となり、またジン
クバ−ニングを促進させてしまう。
【0028】請求項2の発明は、上述した請求項1の発
明の(a)ないし(c)の成分を配合し、さらに(e)
成分として2−(オクチルオキシ)−4H−1,3,2
−ベンゾジオキサホスホリン−4−オンを配合して四成
分を組合わせ含有して成ることを特徴とする電気絶縁性
の低下を改善した電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物で
ある。この請求項2の発明の(a)ないし(c)の成分
については、請求項1の発明で明らかにした通りてあ
る。(e)成分である2−(オクチルオキシ)−4H−
1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−4−オンを添
加すると透明性の向上、初期着色防止及びプレートアウ
ト防止効果が得られる。その配合比は、塩化ビニル系樹
脂100重量部の対し0.001〜1重量部が好まし
い。さらに好ましくは0.01〜0.5重量部である。
【0029】請求項3は、上述した請求項1の発明の
(a)ないし(c)の成分と、(d)又は(e)成分の
いずれかを配合し、さらに水酸化カルシウムを添加した
ものである。この場合は熱安定性がさらに向上する。水
酸化カルシウムの添加量は、塩化ビニル系樹脂組成物1
00重量部に対して0.01〜3重量部が好ましく、さ
らに好ましくは0.05〜2重量部である。上記配合比
の範囲が製品を着色させず、また透明性を悪化させな
い。
【0030】請求項4は、金属塩化合物の金属を毒性の
問題がなく最も一般的なバリウム−亜鉛、カルシウム−
亜鉛の組合わせに特定したものである。また、請求項5
は金属塩化合物の金属と結合する有機残基を特定したも
のであり、こうした組成とすることによって安定剤の使
用量を少なくしても所期の効果をあげることが出来る。
さらに、請求項6は、β−ジケトン化合物を、汎用され
ているジベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメ
タン又はこれらの金属塩に特定したものである。
【0031】本発明は、上記の安定剤成分を含む外に各
種の安定化助剤、その他の添加剤を併用することができ
る。例えば有機亜リン酸エステル、ヒンダードフェノー
ル系又は含硫黄アルキルエステルなどの酸化防止剤、エ
ポキシ化合物、多価アルコール又はこのエステル、紫外
線吸収剤、光安定剤、無機塩又は無機金属塩化合物、過
塩素酸の金属塩又はこのグリコール錯体などの添加剤で
あり、これらはその目的に応じて適宜に使用することが
できる。
【0032】有機亜リン酸エステルは、トリアリールホ
スファイト、トリアルキルホスファイト、アルキルアリ
ールホスファイト、ビスフエノール−A−ホスファイ
ト、多価アルコールホスファイト、エステル残基の有機
基の一つ以上が水素原子によって置換されたアシッドホ
スファイトなどによって代表され、このホスファイト化
合物は、例えばトリフェニルホスファイト、トリイソオ
クチルホスファイト、卜リイソデシルホスファイト、ト
リイソトリデシルホスファイト、トリイソデシルチオホ
スファイト、トリベンジルホスファイト、トリノニルフ
ェニルホスファイ卜、ジフェニルイソオクチルホスファ
イト、ジフェニルイソデシルホスファイト、ジフェニル
トリデシルホスファイト、ジイソデシルペンタエリスリ
トールジホスファイト、テトラフェニルジプロピレング
リコールジホスファイト、ポリ(ジプロピレングリコー
ル)フェニルホスファイト、トリラウリルトリチオホス
ファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスフ
ァイト、トリ−2,4−ジーt−ブチルフェニルホスフ
ァイト、2,4−ジ−t−ブチルフェニルジイソデシル
ホスファイト、トリブトキシエチルホスファイト、4,
4′−イソプロピリデンジフェニルアルキル(C12−C
15)ジホスファイト、へプタキス(ジプロピレングリコ
ール)トリホスファイトなどである。
【0033】また、上記の亜リン酸エステル中の有機残
基の一つ以上が水素原子によって置換されたアシッドホ
スファイトも有効であり、例えばジフェニルアシッドホ
スファイト、モノフェニルアシッドホスファイト、ジイ
ソオクチルアシッドホスファイト、モノイソオクチルア
シッドホスファイト、ジイソデシルアシッドホスファイ
ト、モノイソデシルアシッドホスファイト、ジトリデシ
ルアシッドホスファイト、モノトリデシルアシッドホス
ファイト、ジノニルフェニルアシッドホスファイト、モ
ノノニルフェニルアシッドホスファイト、ジベンジルア
シッドホスファイト、モノベンジルアシッドホスファイ
トなどである。
【0034】酸化防止剤としては、ヒンダードフェノー
ル類、例えばアルキル化フェノール、アルキル化フェノ
ールエステル、アルキレン又はアルキリデンビスフェノ
ール、ポリアルキル化フェノールエステルであり、これ
らは、例えばブチル化ヒドロキシトルエン、4−ヒドロ
キシメチル−2,6−ジ−t−ブチルフェノール、4,
4′−ジヒドロキシ−2,2′−ジフェニルプロパン、
2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチル
フェノール)、4,4′−チオビス(6−tーブチル−
3−メチルフェノール)、テトラキス〔メチレン−3−
(3′−5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕メタンである。そして、含硫黄
アルカン酸アルキルエステルとしては、例えばジラウリ
ルチオプロピオン酸エステル、ジステアリルチオジプロ
ピオン酸エステルなどである。
【0035】エポキシ化合物は、エポキシ化不飽和油
脂、エポキシ化不飽和脂肪酸エステル、エポキシシクロ
ヘキサン誘導体又はエピクロロヒドリン誘導体であり、
例えばエポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキ
シ化ヒマシ油、エポキシ化サフラワー油、エポキシ化ア
マニ油脂肪酸ブチル、エポキシステアリン酸のブチル、
イソオクチル、2−エチルヘキシルなどのアルキルエス
テル、3−(2−キセノキシ)−1,2−エポキシプロ
パン、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘ
キシル、エポキシポリブタジエン、ビスフェノール−A
−ジグリシジルエーテルなどである。
【0036】その他の安定化助剤としては、多価アルコ
ール、例えばモノ及びジペンタエリスリトール、マンニ
トール、ソルビトールであり、この多価アルコールとカ
ルボン酸、アミノ酸又はロジンとのエステル化合物、例
えばステアリン酸ペンタエリスリトール、アジピン酸ペ
ンタエリスリトール、ピロリドンカルボン酸ジペンタエ
リスリトール、グルタミン酸ジペンタエリスリトール、
ウッドロジンペンタエリスリトール、無水マレイン酸変
性ウッドロジンペンタエリスリトール、ウッドロジング
リセロールエステルである。また、含窒素化合物である
β−アミノクロトン酸と1,3又は1,4−ブタンジオ
ール、1,2−ジプロピレングリコール、チオジエチレ
ングリコール、ラウリルアルコールなどとのエステル化
合物、そしてトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレ
ート、トリス(メルカプトエチル)イソシアヌレートな
どのイソシアヌレート化合物である。
【0037】用途によって特に耐候性を要求される場合
には紫外線吸収剤や光安定剤を添加することができる。
まず紫外線吸収剤として用いられるものは、ベンゾフェ
ノン系、サリチレート系、ベンゾトリアゾール系、ヒド
ロキシベンゾエート系、シアノアクリレート系及びシュ
ウ酸アニリド系によって代表され、例えば2−ヒドロキ
シ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、p−t−ブチ
ルフェニルサリチレート、2−(5−メチル−2−ヒド
ロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(3−t
−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5
−クロロベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−
ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾ
トリアゾール、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−
3′,5′−ジ−t−ブチル−4′−ヒドロキシベンゾ
エート、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアク
リレート、エタンジアミド−N−(2−エトキシフェニ
ル)−N´−(2−エチルフェニル)−(オキサリック
アニリド)などである。
【0038】また光安定剤として用いられるものは、ヒ
ンダードアミン系によって代表され、例えばビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケー
ト、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)
−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジン重縮合物、ポリ{〔6−(1,1,3,3−テト
ラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−
2,4−ジイル〕〔(2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリジル)イミノ〕へキサメチレン〔(2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕}な
どである。
【0039】無機塩又は無機金属化合物は、例えば金属
がマグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミ
ニウム又は錫で、これらの金属の酸化物、水酸化物、ホ
ウ酸塩、硫酸塩、亜リン酸塩、リン酸塩、塩基性炭酸
塩、塩基性リン酸塩である。そして、これらの化合物は
複塩であっても、また無水和物でも結晶水を有する水和
物であってもよく、さらには混合物などの形態をとって
いてもよい。これらの化合物の代表的なものは、例えば
酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化ア
ルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸
化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸アルミニ
ウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウム18水和
物、硫酸アルミニウム−ナトリウム12水和物、リン酸
カルシウム、オルトリン酸カルシウム、リン酸マグネシ
ウム、オルトリン酸亜鉛、ワラストナイト類、トベルモ
ライト類などである。
【0040】成形品が常に高温に曝されるような用途に
おいては長期耐熱性(蓄熱性)が要求されるが、そのよ
うな場合には、過塩素酸の金属塩又はこのグリコール錯
体を添加することができる。これらの化合物の代表的な
ものは、過塩素酸のナトリウム、マグネシウム、カルシ
ウム又はバリウム塩又はこのグリコール錯体である。ま
た、該過塩素酸の金属塩と錯体を形成するグリコールそ
の他の多価アルコール及びこの誘導体は、例えばエチレ
ングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレン
グリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコー
ル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリ
コール、トリエチレンゴリコールモノメチルエーテル、
ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ト
リプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、
トリメチレングリコール、メトキシブタノール、1,4
−ブタンジオール、グリセリンなどである。
【0041】本発明における塩化ビニル系樹脂として
は、例えばポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル
−エチレン共重合体、塩化ビニル−ウレタン共重合体、
塩素化ポリ塩化ビニル、そしてポリ塩化ビニルと以下の
エラストマー、例えばポリブテン、ポリ−3−メチルブ
テン、ポリウレタンゴム、ポリイソプレン、ポリクロロ
プレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチ
レン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重
合体、スチレン−エチレン−ブタジエン共重合体、また
メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合
体、アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合
体とのブレンド品をあげることができる。
【0042】本発明の電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成
物は、成形品に対する柔軟性の要求度合に応じて、ジイ
ソデシルフタレート、ジイソノニルフタレート、トリオ
クチルトリメリテート、ジオクチルフタレートなどの汎
用可塑剤又はポリエステル系可塑剤などの添加量の増減
により、広範囲にわたる用途に対応することができる。
また、必要に応じて充填剤、顔料、防ばい剤、架橋剤、
発泡剤、防燃剤その他の加工助剤を適宜併用することが
できる。
【0043】
【実施例】
(実施例1〜12、比較例1〜4)下記〔配合物−1〕
を表面温度185℃のミキシングロール(電気誘導加熱
式の可変速型テストロール機、155φ×380mm、ロ
ール間隔=0.3mm、前ロール回転数=22r.p.m.、ロ
ール回転数=20r.p.m.)上で5分間混練し、厚さ0.
3mmの均一な原シートを作成しこれから試験片をつくっ
た。
【0044】この試験片を190℃に加熱したギヤーオ
ーブン老化試験機にかけ、黒色分解するまでの時間を測
定して熱安定性を評価した。また、180℃でコンゴー
レッド試験紙を用いた熱安定性試験(数値は分解時間を
表す。)を行なった。
【0045】さらに、原シートを使ってプレス成形機に
て190℃て2分間プレス(150Kg/cm2 )して厚さ
1mmのシートを作成し、これを用いてJIS K 6723で体積
固有抵抗率試験(数値が大きいと電気絶縁性が高い。)
を行った。これらの結果を表1の1に示した。なお、表
1の1には比較例1〜4も示した。
【0046】
【表1】
【0047】上記の原シートをプレス成形機にて190
℃て2分間プレス(150Kg/cm)し厚さ1mmの
シートを作成し、このシートの透明性と着色変化を調べ
た。さらに同じシートを15分間及び30分間プレスす
ることにより、着色度合の変化を調べた。このプレス熱
成形による着色の度合は、以下の数値により表示した。
10は無着色、9は極微黄色、8は微黄色、7は淡黄
色、6は黄色、5は淡黄褐色、4は黄褐色、3は褐色、
2は黒褐色、1は黒色である。
【0048】さらに、〔配合物−1〕の押出成形性をブ
ラベンダー社製のラボプラストミル試験機を使用して下
記の条件で、分解時間、ゲル化特性(最大トルク値て表
す。)、溶融性及び滑性(定常トルク値で表す。)を調
べた。また同時に、該試験機のニーダー内の汚れ(プレ
ートアウト)も観察した。この結果を表1の2に示す。
表1の2には比較例1〜4も示した。なお、この試験で
のオイル温度は230℃、ニーダー温度は203℃、回
転数は75r.p.m.、スライダーは0、予熱は3分、試料
は65gとした。
【0049】
【表2】
【0050】 〔配合物−1〕 ポリ塩化ビニル(重合度1300) 100 重量部 CSP−160(チッソ株式会社製ポリエステル系可塑剤) 50 〃 エポキシ化大豆油 3 〃 ステアリン酸亜鉛 0.7 〃 ステアリン酸バリウム 1.5 〃 安定剤成分(b)、(c)及び(d) 表1に記載 表1の1ないし表2の2に示すように、本願発明の電線
被覆用塩化ビニル系樹脂組成物は、いずれも熱安定性、
ニーダ内の汚れ(プレートアウト)及び体積固有抵抗率
が優れていることが明らかである。これに対し、比較例
のものはいずれもこれらが良好でないことが分かる。
【0051】即ち、比較例1及び2はいずれもギヤオー
ブン分解時間が30分、50分と短く、またニーダ内の
汚れも激しい。比較例3は体積固有抵抗率が0.21
(×103 Ωcm)で大幅に電気絶縁性が低下している
ことが分かる。また、比較例4は、プレス試験(30
分)で着色度合が3で良好でないことが分かる。
【0052】(実施例13〜22、比較例5〜7)下記
〔配合物−2〕を用いて実施例1〜12と同じようにし
て、厚さ0.3mmの均一な原シートを作成しこれから試
験片をつくった。
【0053】これを実施例1〜12と同じようにしてギ
ヤーオーブン老化試験機にかけ、黒色分解するまでの時
間を測定して熱安定性を評価した。また、180℃でコ
ンゴーレッド試験紙を用いた熱安定性試験を行なった。
さらに、実施例1〜12と同じように体積固有抵抗率試
験を行った。これらの結果を表2の1に示した。なお、
表2の1には比較例5〜7も示した。
【0054】
【表3】
【0055】さらに、上記と同じようにしてシートを作
成し、これを実施例1〜12と同じようにしてプレスし
て着色度合の変化を調べた。このプレス熱成形による着
色の度合も上記と同じ基準値により表示した。
【0056】さらに、〔配合物−2〕の押出成形性をブ
ラベンダー社製のラボプラストミル試験機を使用して実
施例1〜12と同じ条件で、分解時間、ゲル化特性、溶
融性及び滑性を調べた。同時に、該試験機のニーダー内
の汚れ(プレートアウト)も観察した。この結果を表2
の2に示す。表2の2には比較例5〜7も示した。
【0057】
【表4】
【0058】 〔配合物−2〕 ポリ塩化ビニル(重合度1300) 100 重量部 CSP−160 50 〃 エポキシ化大豆油 3 〃 炭酸カルシウム 20 〃 ラウリン酸亜鉛 0.5 〃 過塩基性バリウムオレートカーボネート錯体 0.9 〃 ステアリン酸 0.8 〃 安定剤成分(b)、(c)及び(e) 表2に記載 表2の1ないし表2の2に示すように、本願発明の電線
被覆用塩化ビニル系樹脂組成物は、いずれも熱安定性、
ニ−ダないの汚れ及び体積固有抵抗率が優れている。こ
れに対し、比較例のものはいずれもこれらが良好でない
ことが分かる。
【0059】即ち、比較例5〜7はプレス30分試験で
着色度合がよくない。なお、配合物−1、配合物−2に
記載した安定剤成分の(b)、(c)、(d)(表1の
1及び表2の1に記載した化合物AないしL)は次の通
りである。 化合物一A:デヒドロ酢酸 化合物−B:ジベンゾイルメタン 化合物−C:ステアロイルベンゾイルメタン 化合物−D:Mg 4 Al 2 (OH) 12 CO 3 化合物−E:Na2 O・Al23 ・2SiO2 ・4.
5H2 O 化合物−F:水酸化カルシウム 化合物−G:Li2 Mg3 Al2 (OH)12CO3 ・3
2 O 化合物一H:Mg4 Al2 (OH)12CO3 ・3H2 O 化合物−I:CaO・Al23 ・2SiO2 ・4.5
2 O 化合物−J:Mg4 Al2 (OH)12(ClO4x
(CO31-x/2 ・3H2O (式中、x=1.0〜2.0) 化合物−K:2,5−ジヒドロチオフェン−1,1−ジ
オキシド 化合物−L:2−(オクチルオキシ)−4H−1,3,
2−ベンゾジオキサホスホリン−4−オン 実施例13〜22はいずれも良好な結果を得ている。こ
れに対して、比較例5及び6は、ギヤオーブン試験で6
0分となっている。また、比較例7はニーダ内の汚れが
有となっている。着色度合30分はいずれも3又は4の
値となっている。
【0060】
【発明の効果】本発明の電線被覆用塩化ビニル系樹脂組
成物は、実施例に示されるように電線被覆材及び該製品
を成形加工する際に要求される性能が、表1の1ないし
表2の2に示すように良好であり、特に本発明か解決す
べき課題とした押出成形加工時におけるプレートアウト
の防止と、該成形加工品の透明性向上に、優秀な作用効
果を示している。また、電気絶縁性の低下も改善されて
いるため優れた電線被覆用シートが得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3:20 3:22 3:34 5:07 5:45 5:5393) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 27/06 C08K 3/20 C08K 3/22 C08K 3/34 C08K 5/07 C08K 5/5393 C08K 5/45 H01B 3/44

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂に、(a)カルボン酸
    又はアルキルフェノ一ルの金属塩化合物と、(b)ジア
    ロイルメタン又はアルカノイルアロイルメタンのいずれ
    かのβ−ジケトン化合物並びにこれらの金属塩の中の少
    なくとも一種 と、(c) Li2 Mg3 Al2 (OH)12CO3 ・mH2 O ……(1) (式中、mは、0<m≦7を表わす。)で表されるリチ
    ウムーマグネシウムーアルミニウム複合水酸化物塩、 Mg1-x A1x (OH)2 (CO3x/2 ・mH2 O ……(2) (式中、xは、0.3≦x≦0.33を、mは、0.4
    ≦m≦0.7をそれぞれ表す。)で表されるマグネシウ
    ム−アルミニウム複合水酸化物塩、 Mg4 Al2 (OH)12(CO31-x/2 (ClO4x ・mH2 O ……(3) (式中、xは、0.5≦x≦2を、mは、0<m≦6を
    それぞれ表す。)で表されるマグネシウム−アルミニウ
    ム・ハイドロオキサイド・パークロリック・カーボネー
    ト・ハイドレート及び CaO・Al23 ・2SiO2 ・mH2 O ……(4) (式中、mは、0<m≦5を表す。)で表されるカルシ
    ウム置換A型ゼオライトの四種の無機塩化合物の中から
    選ばれた少なくとも一種と、(d)2,5−ジヒドロチ
    オフェン−1,1−ジオキシドとを組合わせて含有して
    成ることを特徴とする電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル系樹脂に、(a)カルボン酸
    又はアルキルフェノ一ルの金属塩化合物と、(b)ジア
    ロイルメタン又はアルカノイルアロイルメタンのβ−ジ
    ケトン化合物並びにこれらの金属塩の中の少なくとも一
    種と、請求項1の(c)成分である式(1)〜(4)で
    表わされる特定した四種の無機化合物の中から選ばれた
    少なくとも一種と、(e)2−(オクチルオキシ)−4
    H−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−4−オン
    とを組合わせて含有して成ることを特徴とする電線被覆
    用塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 塩化ビニル系樹脂に、(a)カルボン酸
    又はアルキルフェノ一ルの金属塩化合物と、(b)ジア
    ロイルメタン又はアルカノイルアロイルメタンのβ−ジ
    ケトン化合物並びにこれらの金属塩の中の少なくとも一
    種と、請求項1の(c)成分である式(1)〜(4)で
    表わされる特定した無機化合物の中から選ばれた少なく
    とも一種と、(d)2,5−ジヒドロチオフェン−1,
    1−ジオキシド又は(e)2−(オクチルオキシ)−4
    H−1,3,2−ベンゾジオキサホスホリン−4−オン
    のいずれかと、(f)水酸化カルシウムとを組み合わせ
    て含有してなることを特徴とする電線被覆用塩化ビニル
    系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 カルボン酸又はアルキルフェノールの金
    属塩化合物の金属が、バリウム亜鉛又はカルシウム
    亜鉛のいずれかの組合わせである請求項1又は2記載の
    電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 ジアロイルメタン又はアルカノイルアロ
    イルメタンのβ−ジケトン化合物並びにこれらの金属塩
    が、ジベンゾイルメタンもしくはステアロイルベンゾイ
    ルメタンのいずれか又はこれらの金属塩である請求項1
    又は2記載の電線被覆用塩化ビニル系樹脂組成物。
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