JP2781520B2 - 完全プレハブ架線工法用のプレハブ電線連を巻き付ける電線ドラムおよびプレハブ電線連の電線ドラムからの送り出し方法 - Google Patents
完全プレハブ架線工法用のプレハブ電線連を巻き付ける電線ドラムおよびプレハブ電線連の電線ドラムからの送り出し方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は,複数の耐張区間径間
を一延線区間として延線するために複数本のプレハブ電
線を割りワイヤを介して一連続に連結してなる完全プレ
ハブ架線工法用のプレハブ電線連を巻き付ける電線ドラ
ムおよび該プレハブ電線連の電線ドラムからの送り出し
方法に関する。
を一延線区間として延線するために複数本のプレハブ電
線を割りワイヤを介して一連続に連結してなる完全プレ
ハブ架線工法用のプレハブ電線連を巻き付ける電線ドラ
ムおよび該プレハブ電線連の電線ドラムからの送り出し
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年,架線工事の省力化を目的とするプ
レハブ架線工法が使用されるようになっている。このプ
レハブ架線工法では,電線を架設すべき区間の電線支持
点間隔を精密に測量するとともに,耐張碍子連長および
規定弛度等を考慮して,当該架線区間に必要な電線長を
精密に算出し,電線製造時にその所要電線長毎にマーク
を付けて電線ドラムに巻き取り,施工現場において電線
を前記所要電線長に定尺切断し,かつ電線の両端に圧縮
形引留クランプを圧着し,この電線を延線用金車を通し
て延線した後,両端の圧縮形引留クランプを鉄塔アーム
に取り付けた耐張碍子連に連結することで,架線作業が
終了する。また,予め工場で,耐張区間径間に合わせて
定尺切断した電線の両端に圧縮形引留クランプを圧着し
たプレハブ電線を電線ドラムに巻き取っておき,施工現
場ではこのプレハブ電線を電線ドラムから送り出しつつ
延線する完全プレハブ架線工法も採用されている。
レハブ架線工法が使用されるようになっている。このプ
レハブ架線工法では,電線を架設すべき区間の電線支持
点間隔を精密に測量するとともに,耐張碍子連長および
規定弛度等を考慮して,当該架線区間に必要な電線長を
精密に算出し,電線製造時にその所要電線長毎にマーク
を付けて電線ドラムに巻き取り,施工現場において電線
を前記所要電線長に定尺切断し,かつ電線の両端に圧縮
形引留クランプを圧着し,この電線を延線用金車を通し
て延線した後,両端の圧縮形引留クランプを鉄塔アーム
に取り付けた耐張碍子連に連結することで,架線作業が
終了する。また,予め工場で,耐張区間径間に合わせて
定尺切断した電線の両端に圧縮形引留クランプを圧着し
たプレハブ電線を電線ドラムに巻き取っておき,施工現
場ではこのプレハブ電線を電線ドラムから送り出しつつ
延線する完全プレハブ架線工法も採用されている。
【0003】さらに,図1のごとき架空送電線路等の場
合に採用される完全プレハブ架線工法として,図2に示
すように,複数の耐張区間径間を1つの延線区間として
延線する複数耐張区間径間用の完全プレハブ架線工法が
注目されている。図1,図2において,1は鉄塔,2は
鉄塔アーム,3は耐張碍子連,4は懸垂碍子連,5は圧
縮形引留クランプ,6は電線である。図中のAB区間は
中間に懸垂鉄塔が介在しない1鉄塔スパンの耐張区間径
間,BC区間は中間に懸垂鉄塔が介在する複数鉄塔スパ
ン(図では2スパン)の耐張区間径間である。また,7
は延線用の金車,8は延線用ワイヤ,9は延線車側のワ
イヤロープである。この完全プレハブ架線工法は,図4
にも示すように,1延線区間内に存在する複数の耐張区
間径間のそれぞれに対応して製造した複数本のプレハブ
電線11を割りワイヤ12を介在させて,電線〜割りワ
イヤ〜電線〜割りワイヤ〜電線…という形で一連続に工
場で接続したプレハブ電線連13を用いるもので,この
プレハブ電線連13を1つの電線ドラムに巻き付けて施
工現場へ持ち込み,複数の耐張区間径間を含む1延線区
間を連続して延線し,各耐張区間径間のプレハブ電線1
1の両端の圧縮形引留クランプ5を所定の耐張碍子連3
に連結した後,割りワイヤ12を撤去する工法である。
この完全プレハブ架線工法によれば,複数の耐張区間径
間のプレハブ電線11を一度に延線できるので,施工現
場での作業が大幅に簡略化される。上記のプレハブ電線
連13における割りワイヤ12の長さは,図3に示すよ
うに,耐張碍子連3の長さL1 およびL2 と当該鉄塔ア
ーム2の耐張プレート2aの左右の支持点間寸法L3 と
の総和に設定される。ただし,主として作業性上の必要
に応じて適宜長さを調整することは考えられる。したが
って,延線終了時には,各耐張区間径間のプレハブ電線
11の両端の圧縮形引留クランプ5はすべて,直ちにそ
れぞれの耐張碍子連3に連結できる位置にある。なお,
図4に示すプレハブ電線連13は,カムアロングを用い
ないいわゆるカマレス工法による緊線作業を容易にする
ために特殊平行クレビスリンク14を圧縮形引留クラン
プ5に連結している。なお,この場合は,特殊平行クレ
ビスリンク14を含めてプレハブ電線11という。ま
た,図示例の割りワイヤ12は,鋼撚線のワイヤロープ
の両端を嵌合固定した連結金具15を備え,この連結金
具15により特殊平行クレビスリンク14に連結されて
いる。
合に採用される完全プレハブ架線工法として,図2に示
すように,複数の耐張区間径間を1つの延線区間として
延線する複数耐張区間径間用の完全プレハブ架線工法が
注目されている。図1,図2において,1は鉄塔,2は
鉄塔アーム,3は耐張碍子連,4は懸垂碍子連,5は圧
縮形引留クランプ,6は電線である。図中のAB区間は
中間に懸垂鉄塔が介在しない1鉄塔スパンの耐張区間径
間,BC区間は中間に懸垂鉄塔が介在する複数鉄塔スパ
ン(図では2スパン)の耐張区間径間である。また,7
は延線用の金車,8は延線用ワイヤ,9は延線車側のワ
イヤロープである。この完全プレハブ架線工法は,図4
にも示すように,1延線区間内に存在する複数の耐張区
間径間のそれぞれに対応して製造した複数本のプレハブ
電線11を割りワイヤ12を介在させて,電線〜割りワ
イヤ〜電線〜割りワイヤ〜電線…という形で一連続に工
場で接続したプレハブ電線連13を用いるもので,この
プレハブ電線連13を1つの電線ドラムに巻き付けて施
工現場へ持ち込み,複数の耐張区間径間を含む1延線区
間を連続して延線し,各耐張区間径間のプレハブ電線1
1の両端の圧縮形引留クランプ5を所定の耐張碍子連3
に連結した後,割りワイヤ12を撤去する工法である。
この完全プレハブ架線工法によれば,複数の耐張区間径
間のプレハブ電線11を一度に延線できるので,施工現
場での作業が大幅に簡略化される。上記のプレハブ電線
連13における割りワイヤ12の長さは,図3に示すよ
うに,耐張碍子連3の長さL1 およびL2 と当該鉄塔ア
ーム2の耐張プレート2aの左右の支持点間寸法L3 と
の総和に設定される。ただし,主として作業性上の必要
に応じて適宜長さを調整することは考えられる。したが
って,延線終了時には,各耐張区間径間のプレハブ電線
11の両端の圧縮形引留クランプ5はすべて,直ちにそ
れぞれの耐張碍子連3に連結できる位置にある。なお,
図4に示すプレハブ電線連13は,カムアロングを用い
ないいわゆるカマレス工法による緊線作業を容易にする
ために特殊平行クレビスリンク14を圧縮形引留クラン
プ5に連結している。なお,この場合は,特殊平行クレ
ビスリンク14を含めてプレハブ電線11という。ま
た,図示例の割りワイヤ12は,鋼撚線のワイヤロープ
の両端を嵌合固定した連結金具15を備え,この連結金
具15により特殊平行クレビスリンク14に連結されて
いる。
【0004】従来,上記のプレハブ電線連13を巻き付
ける電線ドラムとして,図8に示すように,両端に鍔部
16を設けた胴部17を,その外周に溶接等で固定した
仕切り板18により一延線区間内の耐張区間径間の本数
に対応してすなわちプレハブ電線連13に含まれるプレ
ハブ電線11の数に対応してドラム幅方向の複数の領域
に分割し,各領域に各プレハブ電線11を巻き付ける構
造の電線ドラム19が用いられている。
ける電線ドラムとして,図8に示すように,両端に鍔部
16を設けた胴部17を,その外周に溶接等で固定した
仕切り板18により一延線区間内の耐張区間径間の本数
に対応してすなわちプレハブ電線連13に含まれるプレ
ハブ電線11の数に対応してドラム幅方向の複数の領域
に分割し,各領域に各プレハブ電線11を巻き付ける構
造の電線ドラム19が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の電線ドラム19
にプレハブ電線連13を巻き付ける場合,電線ドラム1
9への巻き方向は,延線方向の最後部の耐張区間径間に
対応するプレハブ電線11を最外側に位置する領域に収
容した後,これに続く各プレハブ電線11を順次隣接す
る領域へ収容する。そして,延線時には逆に延線方向の
先頭部が収容されている領域から電線が送り出され,電
線の送り出し部分は延線の進行とともに,順次隣接する
領域へ移動し,最終的に延線方向の最後部が収容されて
いる領域に至ることになる。また,延線に当たっては,
電線ドラム19を図9,図10に示すようなドラム架台
20に設置し,延線張力を付加するためのバックテンシ
ョンを延線車に与えるために,ドラム架台20側の制動
装置20aにより電線ドラム19を制動しながら該ドラ
ム19から電線を送り出す方法が一般に採用されてい
る。この場合,電線を巻き付けた胴部22の各領域は,
延線の進行に伴い,延線方向の先頭部が収容されている
領域(図9で左側の領域)から順次電線が送り出されて
空となり,このため,電線ドラム19の重心位置が未延
線の電線が収容されている領域(右側の領域)へ次第に
移動することになる。図9において胴部17に巻かれて
いる未延線の電線6層を2点鎖線で示す。このように電
線ドラム19の重心が中央から片側に移動した状態で電
線ドラム19が回転すると,その回転は不安定なものと
なる。特に,一延線区間の条長が長尺なもの,すなわち
重量の重いものほどその影響が大きく表れ,電線の段落
ち等の不具合の発生や,延線速度の低下を招くことにな
る。また,ドラム架台20自身にも荷重が均等に配分さ
れず,部分的に荷重が集中することになるため,設計荷
重の見直しが必要になるとともに,電線ドラム19自身
も集中荷重に耐えるように設計を変更する必要があり,
電線ドラム19の製造コストの増大を招く。
にプレハブ電線連13を巻き付ける場合,電線ドラム1
9への巻き方向は,延線方向の最後部の耐張区間径間に
対応するプレハブ電線11を最外側に位置する領域に収
容した後,これに続く各プレハブ電線11を順次隣接す
る領域へ収容する。そして,延線時には逆に延線方向の
先頭部が収容されている領域から電線が送り出され,電
線の送り出し部分は延線の進行とともに,順次隣接する
領域へ移動し,最終的に延線方向の最後部が収容されて
いる領域に至ることになる。また,延線に当たっては,
電線ドラム19を図9,図10に示すようなドラム架台
20に設置し,延線張力を付加するためのバックテンシ
ョンを延線車に与えるために,ドラム架台20側の制動
装置20aにより電線ドラム19を制動しながら該ドラ
ム19から電線を送り出す方法が一般に採用されてい
る。この場合,電線を巻き付けた胴部22の各領域は,
延線の進行に伴い,延線方向の先頭部が収容されている
領域(図9で左側の領域)から順次電線が送り出されて
空となり,このため,電線ドラム19の重心位置が未延
線の電線が収容されている領域(右側の領域)へ次第に
移動することになる。図9において胴部17に巻かれて
いる未延線の電線6層を2点鎖線で示す。このように電
線ドラム19の重心が中央から片側に移動した状態で電
線ドラム19が回転すると,その回転は不安定なものと
なる。特に,一延線区間の条長が長尺なもの,すなわち
重量の重いものほどその影響が大きく表れ,電線の段落
ち等の不具合の発生や,延線速度の低下を招くことにな
る。また,ドラム架台20自身にも荷重が均等に配分さ
れず,部分的に荷重が集中することになるため,設計荷
重の見直しが必要になるとともに,電線ドラム19自身
も集中荷重に耐えるように設計を変更する必要があり,
電線ドラム19の製造コストの増大を招く。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で,プレハブ電線連を延線する際に,延線の進行に伴っ
て電線ドラムの回転が不安定になることを防止できる完
全プレハブ架線工法用のプレハブ電線連を巻き付ける電
線ドラムおよびプレハブ電線連の電線ドラムからの送り
出し方法を提供することを目的とする。
で,プレハブ電線連を延線する際に,延線の進行に伴っ
て電線ドラムの回転が不安定になることを防止できる完
全プレハブ架線工法用のプレハブ電線連を巻き付ける電
線ドラムおよびプレハブ電線連の電線ドラムからの送り
出し方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1の発明は,複数の耐張区間径間を一延線区間として
延線するために複数本のプレハブ電線を割りワイヤを介
して一連続に連結してなる完全プレハブ架線工法用のプ
レハブ電線連を巻き付ける電線ドラムであって,電線ド
ラムの胴部をドラム幅方向の複数の領域に仕切る仕切り
板を胴部の外周に設置するとともに,前記領域の内の少
なくともプレハブ電線連の送り出し先頭部側を収容する
領域に,プレハブ電線連の送り出し時の電線ドラムのド
ラム幅方向の重量バランスを取るためのウエイトを着脱
可能に備えたことを特徴とする。
項1の発明は,複数の耐張区間径間を一延線区間として
延線するために複数本のプレハブ電線を割りワイヤを介
して一連続に連結してなる完全プレハブ架線工法用のプ
レハブ電線連を巻き付ける電線ドラムであって,電線ド
ラムの胴部をドラム幅方向の複数の領域に仕切る仕切り
板を胴部の外周に設置するとともに,前記領域の内の少
なくともプレハブ電線連の送り出し先頭部側を収容する
領域に,プレハブ電線連の送り出し時の電線ドラムのド
ラム幅方向の重量バランスを取るためのウエイトを着脱
可能に備えたことを特徴とする。
【0008】請求項3の発明は,請求項1記載の電線ド
ラムに巻き付けられたプレハブ電線連の送り出し方法で
あって,電線ドラムからのプレハブ電線連の送り出しに
伴って生じる胴部の空き領域に,電線ドラムのドラム幅
方向の重量バランスを取るためのウエイトを取り付けて
プレハブ電線連の送り出しを行うことを特徴とする。
ラムに巻き付けられたプレハブ電線連の送り出し方法で
あって,電線ドラムからのプレハブ電線連の送り出しに
伴って生じる胴部の空き領域に,電線ドラムのドラム幅
方向の重量バランスを取るためのウエイトを取り付けて
プレハブ電線連の送り出しを行うことを特徴とする。
【0009】
【作用】上記構成において,電線ドラムに巻き付けたプ
レハブ電線連を送り出す際,延線の進行に伴って,電線
を巻き付けた胴部の各領域は,延線方向の先頭部が収容
されている領域から順次電線が送り出されて空となり,
電線ドラムの重心位置が未延線の電線が収容されている
領域へ次第に移動することになる。しかし,電線が送り
出されて空となった胴部の空き領域にウエイトを取り付
けることで,電線ドラムの重心位置を再びドラム幅方向
の中央側に戻すことができ,電線ドラムの回転が不安定
になることを防止できる。
レハブ電線連を送り出す際,延線の進行に伴って,電線
を巻き付けた胴部の各領域は,延線方向の先頭部が収容
されている領域から順次電線が送り出されて空となり,
電線ドラムの重心位置が未延線の電線が収容されている
領域へ次第に移動することになる。しかし,電線が送り
出されて空となった胴部の空き領域にウエイトを取り付
けることで,電線ドラムの重心位置を再びドラム幅方向
の中央側に戻すことができ,電線ドラムの回転が不安定
になることを防止できる。
【0010】請求項2のように,ウエイトを分割して電
線ドラムの鍔部の内面または仕切り板に放射状に設ける
構成であれば,ウエイト単体の重量が軽くなり,ウエイ
トの着脱作業が容易である。また,電線ドラムに取り付
けるウエイトの全体重量を一部のウエイトを省略して調
整することも可能である。
線ドラムの鍔部の内面または仕切り板に放射状に設ける
構成であれば,ウエイト単体の重量が軽くなり,ウエイ
トの着脱作業が容易である。また,電線ドラムに取り付
けるウエイトの全体重量を一部のウエイトを省略して調
整することも可能である。
【0011】
【実施例】以下,本発明の完全プレハブ架線工法用のプ
レハブ電線連を巻き付ける電線ドラムおよび該電線ドラ
ムからのプレハブ電線連の送り出し方法の実施例を図1
〜図7を参照して説明する。本発明の電線ドラムは,複
数の耐張区間径間を一延線区間として延線するために複
数本のプレハブ電線を割りワイヤを介して一連続に連結
したプレハブ電線連を巻き付けるものであり,実施例の
電線ドラムで巻き取ろうとするプレハブ電線連は,例え
ば前述した図4のごときプレハブ電線連13である。
レハブ電線連を巻き付ける電線ドラムおよび該電線ドラ
ムからのプレハブ電線連の送り出し方法の実施例を図1
〜図7を参照して説明する。本発明の電線ドラムは,複
数の耐張区間径間を一延線区間として延線するために複
数本のプレハブ電線を割りワイヤを介して一連続に連結
したプレハブ電線連を巻き付けるものであり,実施例の
電線ドラムで巻き取ろうとするプレハブ電線連は,例え
ば前述した図4のごときプレハブ電線連13である。
【0012】図5(イ),(ロ)に本発明の一実施例の
電線ドラム21を示す。この電線ドラム21は,円筒状
の胴部22の両側に軸穴23aをあけた円板状の鍔部2
3を持つとともに,胴部22の外周に,この胴部22を
ドラム幅方向(図5(イ)で左右方向)の複数の領域に
仕切る仕切り板27を設置している。そして,この電線
ドラム21は,前記仕切り板27で仕切られた胴部22
の各領域の内の少なくともプレハブ電線連13の送り出
し先頭部側を収容する領域(図5では最左側の領域)に
ウエイト30を着脱可能な構造としている。図示例のウ
エイト30は環状をなし,プレハブ電線連の送り出し先
頭部側の鍔部23の内面に取り付けられている。鍔部2
3への取り付けはボルト・ナットその他の適宜の手段に
よりにより行うことができる。なお,ウエイト30は,
鍔部23の内面に着脱可能とするために,円周方向に複
数に分割するとよい。
電線ドラム21を示す。この電線ドラム21は,円筒状
の胴部22の両側に軸穴23aをあけた円板状の鍔部2
3を持つとともに,胴部22の外周に,この胴部22を
ドラム幅方向(図5(イ)で左右方向)の複数の領域に
仕切る仕切り板27を設置している。そして,この電線
ドラム21は,前記仕切り板27で仕切られた胴部22
の各領域の内の少なくともプレハブ電線連13の送り出
し先頭部側を収容する領域(図5では最左側の領域)に
ウエイト30を着脱可能な構造としている。図示例のウ
エイト30は環状をなし,プレハブ電線連の送り出し先
頭部側の鍔部23の内面に取り付けられている。鍔部2
3への取り付けはボルト・ナットその他の適宜の手段に
よりにより行うことができる。なお,ウエイト30は,
鍔部23の内面に着脱可能とするために,円周方向に複
数に分割するとよい。
【0013】前述の図5は最初に胴部22の左側の領域
から延線すべきプレハブ電線連を送り出していく場合を
示すものであり,胴部22に巻かれている未延線の電線
6層を2点鎖線で示す。図示のように,延線の進行に伴
って左側の領域が電線がすべて送り出されて空となって
空き領域となり,送り出される電線が中央部の領域に巻
き付けられているものに移動した時点で延線を一時中断
し,空となった左側の領域の鍔部23の内面にウエイト
30を取り付け,その後,延線のための電線の送り出し
を再開する。このようにウエイト30によって電線ドラ
ム21のドラム幅方向の重心バランスを取ると,電線ド
ラム21は円滑に回転しながら電線を送り出すことがで
きる。
から延線すべきプレハブ電線連を送り出していく場合を
示すものであり,胴部22に巻かれている未延線の電線
6層を2点鎖線で示す。図示のように,延線の進行に伴
って左側の領域が電線がすべて送り出されて空となって
空き領域となり,送り出される電線が中央部の領域に巻
き付けられているものに移動した時点で延線を一時中断
し,空となった左側の領域の鍔部23の内面にウエイト
30を取り付け,その後,延線のための電線の送り出し
を再開する。このようにウエイト30によって電線ドラ
ム21のドラム幅方向の重心バランスを取ると,電線ド
ラム21は円滑に回転しながら電線を送り出すことがで
きる。
【0014】ウエイトの取り付け位置は,図5のウエイ
ト30のように,慣性モーメントを考慮して可能な限り
電線ドラム21の半径方向外方位置とすることが好まし
いが,図6(イ),(ロ)に示すように,電線ドラム2
1の胴部22の外周に密着する円筒状のウエイト31を
設けることも可能である。この場合も,胴部22の外周
に着脱可能とするために,円周方向に複数に分割すると
よい。
ト30のように,慣性モーメントを考慮して可能な限り
電線ドラム21の半径方向外方位置とすることが好まし
いが,図6(イ),(ロ)に示すように,電線ドラム2
1の胴部22の外周に密着する円筒状のウエイト31を
設けることも可能である。この場合も,胴部22の外周
に着脱可能とするために,円周方向に複数に分割すると
よい。
【0015】図7に本発明のさらに他の実施例を示す。
この電線ドラム21は,鍔部23の内面に円周方向に所
定の間隔で多数の取り付け穴23bをあけ,この取り付
け穴23bにほぼ長方形板状の多数のウエイト32をボ
ルト33およびナットで放射状に取り付ける構造とした
ものである。この構成によれば,各ウエイト32の単体
重量は軽いので,鍔部23への着脱の作業性は良好であ
る。また,電線ドラム21に取り付けるウエイト32の
全体重量を一部のウエイト32を省略して調整すること
も可能である。
この電線ドラム21は,鍔部23の内面に円周方向に所
定の間隔で多数の取り付け穴23bをあけ,この取り付
け穴23bにほぼ長方形板状の多数のウエイト32をボ
ルト33およびナットで放射状に取り付ける構造とした
ものである。この構成によれば,各ウエイト32の単体
重量は軽いので,鍔部23への着脱の作業性は良好であ
る。また,電線ドラム21に取り付けるウエイト32の
全体重量を一部のウエイト32を省略して調整すること
も可能である。
【0016】上述の各部材の材質については,ウエイト
30,31,32は鉛または鋼が好ましく,電線ドラム
21,21Aの本体および仕切り板27は軟鋼が好まし
い。
30,31,32は鉛または鋼が好ましく,電線ドラム
21,21Aの本体および仕切り板27は軟鋼が好まし
い。
【0017】なお,電線ドラムは一般に,標準ドラムと
して繰り返し使用できることが前提であり,その場合に
電線の送り出し方向は一定していないので,上述の各実
施例におけるウエイト30,31,32を取り付ける取
り付け用穴等の取り付け部は,電線ドラム21の両側の
鍔部23に設けておくとよい。また,仕切り板27によ
り胴部22に形成する領域の数が3領域以上の電線ドラ
ムについては,2番目以降の領域が空き領域となった時
のバランスを取るために,仕切り板27にもウエイトを
取り付けることも考えられる。したがって,鍔部23と
同様に仕切り板27にも取り付け穴等の取り付け部を設
けておくとよい。また,胴部22の空となった領域に設
置されるウエイト重量は,当該領域に収容される電線の
重量の30%〜80%程度が好ましい。
して繰り返し使用できることが前提であり,その場合に
電線の送り出し方向は一定していないので,上述の各実
施例におけるウエイト30,31,32を取り付ける取
り付け用穴等の取り付け部は,電線ドラム21の両側の
鍔部23に設けておくとよい。また,仕切り板27によ
り胴部22に形成する領域の数が3領域以上の電線ドラ
ムについては,2番目以降の領域が空き領域となった時
のバランスを取るために,仕切り板27にもウエイトを
取り付けることも考えられる。したがって,鍔部23と
同様に仕切り板27にも取り付け穴等の取り付け部を設
けておくとよい。また,胴部22の空となった領域に設
置されるウエイト重量は,当該領域に収容される電線の
重量の30%〜80%程度が好ましい。
【0018】なお,ウエイトの形状は必ずしも図示例の
ものに限定されるものでない。要するに,鍔部23,仕
切り板27,あるいは胴部22等に取り付けることがで
き,かつ重量バランスを取るために必要な重量を持つも
のであれば,いかなる形状のものでもよい。
ものに限定されるものでない。要するに,鍔部23,仕
切り板27,あるいは胴部22等に取り付けることがで
き,かつ重量バランスを取るために必要な重量を持つも
のであれば,いかなる形状のものでもよい。
【0019】また,実施例では胴部を複数の領域に仕切
る仕切り板を胴部に固定した電線ドラムについて説明し
たが,仕切り板が胴部上でドラム幅方向に移動調整可能
な電線ドラムにも適用可能である。
る仕切り板を胴部に固定した電線ドラムについて説明し
たが,仕切り板が胴部上でドラム幅方向に移動調整可能
な電線ドラムにも適用可能である。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば,プレハブ電線連を延線
のためにドラムから送り出す際,延線の進行に伴って空
となった胴部の空き領域にウエイトを取り付けること
で,電線ドラムのドラム幅方向の重量バランスを取るこ
とができるので,電線ドラムの重心位置の移動に伴って
電線ドラムの回転が不安定になることを防止し,電線を
円滑に送り出すことができる。また,電線ドラムの回転
時に無用な振動等が生じることもなく,電線の段落ちを
防止する効果も得られる。
のためにドラムから送り出す際,延線の進行に伴って空
となった胴部の空き領域にウエイトを取り付けること
で,電線ドラムのドラム幅方向の重量バランスを取るこ
とができるので,電線ドラムの重心位置の移動に伴って
電線ドラムの回転が不安定になることを防止し,電線を
円滑に送り出すことができる。また,電線ドラムの回転
時に無用な振動等が生じることもなく,電線の段落ちを
防止する効果も得られる。
【図1】完全プレハブ架線工法が採用される架空送電線
路の一例を示す図である。
路の一例を示す図である。
【図2】図1の態様の架線を行う完全プレハブ架線工法
の要領を説明する図である。
の要領を説明する図である。
【図3】図1における電線引き留め部分の詳細平面図で
ある。
ある。
【図4】本発明の電線ドラムに巻き付けられるプレハブ
電線連の一例を示す側面図である。
電線連の一例を示す側面図である。
【図5】本発明の電線ドラムの一実施例を示すもので,
同図(イ)は一部切り欠き正面図,同図(ロ)は同図
(イ)のA−A断面図である。
同図(イ)は一部切り欠き正面図,同図(ロ)は同図
(イ)のA−A断面図である。
【図6】本発明の電線ドラムの他の実施例を示すもの
で,同図(イ)は一部切り欠き正面図,同図(ロ)は同
図(イ)のB−B断面図である。
で,同図(イ)は一部切り欠き正面図,同図(ロ)は同
図(イ)のB−B断面図である。
【図7】本発明の電線ドラムのさらに他の実施例を示す
もので,同図(イ)は一部切り欠き正面図,同図(ロ)
は同図(イ)のC−C断面図である。
もので,同図(イ)は一部切り欠き正面図,同図(ロ)
は同図(イ)のC−C断面図である。
【図8】従来の電線ドラムを示すもので,同図(イ)は
正面図,同図(ロ)は右側面図である。
正面図,同図(ロ)は右側面図である。
【図9】延線時に電線ドラムを設置した状態のドラム架
台の正面図である。
台の正面図である。
【図10】図9の右側面図である。
6 電線 11 プレハブ電線 12 割りワイヤ 13 プレハブ電線連 21 電線ドラム 22 胴部 23 鍔部 23b 取り付け穴 27 仕切り板 30,31,32 ウエイト
Claims (3)
- 【請求項1】 複数の耐張区間径間を一延線区間として
延線するために複数本のプレハブ電線を割りワイヤを介
して一連続に連結してなる完全プレハブ架線工法用のプ
レハブ電線連を巻き付ける電線ドラムであって,電線ド
ラムの胴部をドラム幅方向の複数の領域に仕切る仕切り
板を胴部の外周に設置するとともに,前記領域の内の少
なくともプレハブ電線連の送り出し先頭部側を収容する
領域に,プレハブ電線連の送り出し時の電線ドラムのド
ラム幅方向の重量バランスを取るためのウエイトを着脱
可能に備えたことを特徴とする完全プレハブ架線工法用
のプレハブ電線連を巻き付ける電線ドラム。 - 【請求項2】 前記ウエイトを電線ドラムの鍔部の内面
または仕切り板に放射状に設けたことを特徴とする請求
項1記載の完全プレハブ架線工法用のプレハブ電線連を
巻き付ける電線ドラム。 - 【請求項3】 請求項1記載の電線ドラムに巻き付けら
れたプレハブ電線連の送り出し方法であって,電線ドラ
ムからのプレハブ電線連の送り出しに伴って生じる胴部
の空き領域に,電線ドラムのドラム幅方向の重量バラン
スを取るためのウエイトを取り付けてプレハブ電線連の
送り出しを行うことを特徴とするプレハブ電線連の電線
ドラムからの送り出し方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15158294A JP2781520B2 (ja) | 1994-06-09 | 1994-06-09 | 完全プレハブ架線工法用のプレハブ電線連を巻き付ける電線ドラムおよびプレハブ電線連の電線ドラムからの送り出し方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15158294A JP2781520B2 (ja) | 1994-06-09 | 1994-06-09 | 完全プレハブ架線工法用のプレハブ電線連を巻き付ける電線ドラムおよびプレハブ電線連の電線ドラムからの送り出し方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07336827A JPH07336827A (ja) | 1995-12-22 |
JP2781520B2 true JP2781520B2 (ja) | 1998-07-30 |
Family
ID=15521670
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15158294A Expired - Fee Related JP2781520B2 (ja) | 1994-06-09 | 1994-06-09 | 完全プレハブ架線工法用のプレハブ電線連を巻き付ける電線ドラムおよびプレハブ電線連の電線ドラムからの送り出し方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2781520B2 (ja) |
-
1994
- 1994-06-09 JP JP15158294A patent/JP2781520B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07336827A (ja) | 1995-12-22 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |