JP2778159B2 - サーボモータの送り補正方法 - Google Patents

サーボモータの送り補正方法

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JP2778159B2 JP30408089A JP30408089A JP2778159B2 JP 2778159 B2 JP2778159 B2 JP 2778159B2 JP 30408089 A JP30408089 A JP 30408089A JP 30408089 A JP30408089 A JP 30408089A JP 2778159 B2 JP2778159 B2 JP 2778159B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、複数のサーボモータにより軌跡をトレース
する制御において、サーボモータの送り誤差とその変動
を補正する技術に関する。
(従来の技術) 従来、例えば、ボールねじの溝形状の測定等に使用さ
れるX−Yテーブル等の多軸のサーボシステムは、直線
補間等の補間機能を持つ1台の多軸同時制御装置によ
り、これに接続された複数のサーボモータを同期駆動
し、X−Yテーブル等が溝等に沿って、目標とする軌跡
を描く制御を行なうように構成されている。
第5図は従来の2軸サーボシステムの一例を示すブロ
ック図である。
同図において、多軸同時制御装置1は位置指令信号を
各サーボモータ4a,4bの各軸の位置コントローラ2a,2bに
出力する。位置コントローラ2a,2bはサーボモータ4a,4b
の各軸に取り付けられたロータリエンコーダ等の位置検
出器6a,6bからのモータ位置信号に応じて、速度指令信
号を速度アンプ3a,3bに出力する。該速度アンプ3a,3bは
サーボモータ4a,4bの各軸に取り付けられた速度検出器5
a,5bからのモータ速度信号に応じて、サーボモータ4a,4
bに駆動電流を供給する。このようにサーボモータ4a,4b
は定速度で目標の軌跡を描くようにフィードバック制御
される。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、市場にある第5図に示すような2軸サ
ーボシステムにおいて、溜まりパルス方式による位置制
御の場合、指令位置に対する実際の動作位置はサーボモ
ータ等の位置ループゲインによって決まる偏差だけずれ
ることがある。
また、アナログ方式による位置制御の場合でも制御ル
ープの制御パラメータを厳密に計算しても温度、電源電
圧等の変動により、ループゲインが変化して軌跡の偏差
量が変動することがある。
第6図はその一例を示す図であり、X軸のサーボモー
タ4aの位置ループゲインの方がY軸のサーボモータ4bの
それより大きく、従って、その応答がY軸のサーボモー
タ4bに比べて早いために、目標とする軸跡aとはなら
ず、軌跡bのようにずれた軌跡を描く。
このような偏差をなくすためには、従来の方法では、
ループゲインをかなりの頻度で精度よく調整する必要が
あり、複雑な制御となり、コストが上昇する欠点があ
る。このような問題は、回転運動とXY軸のような直線運
動を組み合わせたシステムの場合、直線運動だけを組み
合わせたシステムよりも両者のバランスを取るのが難し
いので、さらに大きくなる。
本発明の目的は、上記問題点を解決し、実際の軌跡を
目標とする軌跡に一致させる簡便なサーボモータの送り
補正方法を提供することにある。
(課題を達成するための手段) 以上のような目的を達成するため、本発明の請求項1
記載のサーボモータの送り補正方法は、複数のサーボモ
ータにより位置制御される機械的運動機構のサーボモー
タの送り補正方法において、多軸同時制御装置の直線補
間を含む同期制御により複数のサーボモータが同期して
動作して、目標とする軌跡を描く制御をするに際し、各
サーボモータを少なくとも一度空送りして指令位置と実
際の位置との偏差を予め測定し、この測定した偏差量だ
け指令位置の開始点をずらすことにより、サーボモータ
の送りを補正することを特徴とする。
請求項2記載のサーボモータの送り補正方法は、前記
複数のサーボモータは前記機械的運動機構の位置を示す
座標の各座標軸に夫々対応して設けられ、前記指令位置
の開始点は、前記複数のサーボモータの中で最も位置ル
ープゲインの小さいサーボモータ以外のサーボモータに
対応する座標軸上に設定されることを特徴とする。
(作用) 本発明の請求項1記載のサーボモータの送り補正方法
は、各サーボモータの指令位置と実際の位置との偏差を
各サーボモータを少なくとも一度空送りすることにより
予め測定し、この測定した偏差量だけ指令位置の開始点
をずらすことによりサーボモータの送りを補正すること
により、誤差のない軌跡を描かせることができる。
請求項2記載のサーボモータの送り補正方法は、上記
複数のサーボモータは機械的運動機構の位置を示す座標
の各座標軸に夫々対応して設けられ、上記指令位置の開
始点は、複数のサーボモータの中で最も位置ループゲイ
ンの小さいサーボモータ以外のサーボモータに対応する
座標軸上に設定される。
(実施例) 以下、本発明のサーボモータの送り補正方法について
図面に基づき説明する。
第1図は本発明の方法を実施するサーボモータの送り
補正装置のブロック図である。
第1図において、10は2軸の駆動を制御する多軸同時
制御装置である。11は第5図における位置コントローラ
と速度アンプとを合わせた働きをするサーボコントロー
ラである。4a,4bはそれぞれX軸,Y軸駆動用サーボモー
タ、5a,5bはそれぞれ該サーボモータ4a,4bの速度を検出
する速度検出器、6a,6bはそれぞれサーボモータ4a,4bの
位置を検出する位置検出器である。第1図の構成ではサ
ーボモータ4a,4bの軸に取り付けられた位置検出器6a,6b
がコンピュータ7にも接続され、位置検出器6a,6bから
のサーボモータ4a,4bの位置信号をコンピュータ7に入
力するようになっている。また、本実施例の場合、コン
ピュータ7は位置検出器6a,6bからの信号から、指令位
置と実際の位置との偏差を演算し、該偏差に応じて補正
された位置指令信号を演算して多軸同時制御装置10を介
してサーボコントローラ11に出力する重要な働きをす
る。
第2図はその補正の仕方を示す図である。
第1図及び第2図を参照しつつ、本実施例について説
明する。
第2図において、コンピュータ7は目標とする軌跡a
に対応する位置指令信号を出すように多軸同時制御装置
10に命令すると、サーボモータ4a,4bは、実際には、各
サーボモータの位置ループゲインの差異に起因して、例
えば軌跡bに描かれるように目標とする軌跡aに対して
偏差cだけずれる。コンピュータ7はサーボモータ4a,4
bが立ち上がり加速後、定速度になると、各サーボモー
タ4a,4bの位置を検出することにより、偏差cを複数回
測定し、その平均値を偏差量として得る。測定が終了す
ると、多軸同時制御装置10に命令して、サーボモータ4
a,4bを停止させ、目標とする軌跡aを描くべき移動開始
点(指令位置の開始点)から偏差量だけずれた補正移動
開始点dまでサーボモータ4a,4bを移動させる。コンピ
ュータ7は、目標とする軌跡aから偏差量だけ反実際軌
跡b側に移動した補正軌跡eを計算し、これに対応する
補正位置指令信号を出すように、多軸同時制御装置10に
命令する。したがって、サーボモータ4a,4bは目標とす
る軌跡aと略一致する軌跡fを描くように動作する。
なお、偏差cの測定はサーボモータ4a,4bの所定の同
一位置で複数回測定をし、その平均値を求めても良い
し、また、複数の異なる位置での測定値の平均値を求め
るようにしても良い。
このようにして、開始点近くと終了点近くの加減速部
分を除けば、サーボモータ4a,4bは目標とする軌跡をほ
とんど偏差なしでトレースすることができる。
上記した例において、移動開始点をずらす方法の一例
について説明すると、第2図に示す補正方法のための移
動開始点付近を拡大した第3図に示すように目標とする
軌跡上のある位置pに対する実際の位置がp′となる場
合、移動開始点をA点、B点、C点などに移動すれば、
どの場合も軌跡は大幅一致することになる。しかし、A
点の場合X軸、Y軸の2軸を動かす必要があるが、B点
あるいはC点の場合は、1軸のみ動かせば良いので方法
としては簡便である。また、移動開始点付近の直線精度
が要求されるのなら、移動開始点をC点とするように設
定すれば、もっともその誤差が少なくなる。なお、この
方法においては、A点のように設定すれば、軌跡だけで
なくサーボモータの移動遅れΔx,Δy両方の補正をする
ことより時間的にも目標の位置Pと実際の位置P′とを
一致させたい時のような場合には有効である。
第4図は本発明の他の実施例の構成を示すブロック図
である。
同図は第1図で示したサーボシステムを機械的運動機
構であるX−Yテーブル8を駆動するのに適用した構成
例を示している。X−Yテーブル8にはリニアスケール
9a,9bが取り付けてあり、コンピュータ15がその位置を
検出することができるようになっている。コンピュータ
15はリニアスケール9a,9bによって検出されたX−Yテ
ーブル8の実際位置とサーボシステム16への位置指令信
号値との偏差により、補正位置指令信号を計算しサーボ
システム16に送り、サーボモータ4a,4bを駆動せしめ
る。この場合、前述した目標軌跡、偏差などは、サーボ
モータ4a,4bの回転角による移動量ではなく、X−Yテ
ーブル8上の直線の移動量として与えられるが、補正方
法とその効果は前述した実施例のものと同じである。
このように、サーボモータの位置検出にとどまらず、
サーボモータにより駆動される部分に位置検出器を付け
加えて、該部分の検出位置と指令値との偏差を測定する
ようにしても良く、これにより、サーボモータより後段
に発生する動力伝達機構などの機械的要因による偏差と
その変動も補正することができる。また、機械的運動機
構としては、その移動量が検出可能であれば、直線運動
機構以外の例えば、回転運動機構、回転運動機構などの
偏差及びその変動分も補正可能である。
(発明の効果) 以上、説明したように、本発明の請求項1記載のサー
ボモータの送り補正方法によれば、各サーボモータの指
令位置と実際の位置との偏差を各サーボモータを少なく
とも一度空送りすることにより予め測定し、この測定し
た偏差量だけ指令位置の開始点をずらすことによりサー
ボモータの送りを補正することにより、誤差のない軌跡
を描かせることができる。
請求項2記載のサーボモータの送り補正方法によれ
ば、複数のサーボモータは上記機構の位置を示す座標の
各座標軸に夫々対応して設けられ、上記指令位置の開始
点は、複数のサーボモータの中で最も位置ループゲイン
の小さいサーボモータ以外のサーボモータに対応する座
標軸上に設定されるので、上記機構の指令位置の開始点
付近の誤差を最も少なくできる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のサーボモータの送り補正装置の概略構
成ブロック図、第2図はその動作を示す図、第3図は本
発明の補正の方法を示す図、第4図は本発明の他の実施
例の構成を示す概略構成ブロック図、第5図は一般的な
2軸サーボシステムの概略構成ブロック図、第6図は実
際の動作軌跡が指令軌跡からはずれている場合の一例を
示す図である。 4a,4b……サーボモータ、5a,5b……速度検出器、6a,6b
……位置検出器、7……コンピュータ、10……多軸同時
制御装置、11……サーボコントローラ、7,5……コンピ
ュータ、16……サーボシステム。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のサーボモータにより位置制御される
    機械的運動機構のサーボモータの送り補正方法におい
    て、 多軸同時制御装置の直線補間を含む同期制御により複数
    のサーボモータが同期して動作して、目標とする軌跡を
    描く制御をするに際し、各サーボモータを少なくとも一
    度空送りして指令位置と実際の位置との偏差を予め測定
    し、この測定した偏差量だけ指令位置の開始点をずらす
    ことにより、サーボモータの送りを補正することを特徴
    とするサーボモータの送り補正方法。
  2. 【請求項2】前記複数のサーボモータは前記機械的運動
    機構の位置を示す座標の各座標軸に夫々対応して設けら
    れ、前記指令位置の開始点は、前記複数のサーボモータ
    の中で最も位置ループゲインの小さいサーボモータ以外
    のサーボモータに対応する座標軸上に設定されることを
    特徴とする請求項1記載のサーボモータの送り補正方
    法。
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