JP2703096B2 - コンベア付きロボットシステムの教示方法 - Google Patents

コンベア付きロボットシステムの教示方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は例えば連続移動するコンベアにより搬送中の
ワークに対して塗装を行う塗装ロボット等に用いられる
コンベア付きロボットシステムの教示方法に関する。
[従来の技術] 従来、例えば塗装ロボット等のように連続して移動す
るコンベアで搬送されるワークに対して作業を行うロボ
ットでは、コンベアを停止させた状態で教示作業を行っ
てロボットの位置データと供にコンベアの位置データを
ステップデータとしてロボットに記憶させ、再生運転に
おいては当該ステップのコンベアの位置データと再生時
のコンベアの位置データの差に応じてロボットの位置デ
ータをコンベアに沿ってシフトし再生させている。その
システムの詳細を第2図に示す。
ロボット機体1には制御装置8が接続されており、13
はロボットの各軸の位置データを得る可逆カウンタまた
はA/D変換器、14は上記位置データと目標位置との偏差
に応じてモータにパワーを供給するアンプ、10は中央処
理装置、11は記憶装置、12は操作パネル、15は演算部を
示す。
この演算部15には、高速演算部19が付属している。
9はコンベア3の位置を検出するための可逆カウンタ
であって、エンコーダ6が発生するパルスをカウント
し、ワーク16を検出するセンサ7によりリセットされ
る。このセンサ7は、再生運転時ロボットの起動信号と
しても使用される。5はコンベア駆動モータ、4はモー
タ制御盤である。
教示時には、コンベア3を任意の位置に止めて教示作
業を行い、ロボット機体1の位置データとして可逆カウ
ンタ13の値を記憶すると共にコンベア3の位置データと
して可逆カウンタ9の値を同時に記憶装置11に記憶す
る。再生時には、再生しようとするときの可逆カウンタ
9の値を読み取り、当該ステップに記憶されたコンベア
3の位置データとの差分だけロボット機体1の先端に取
付けられたエンドイフェクタをコンベア3に沿ってシフ
トして再生する。その様子を第3図に示す。
[発明が解決しようとする課題] 従来の技術においては、 (1)第3図に示すシフトをロボット再生中に演算する
必要があるため、演算部15に高速演算回路19を設ける
等、高速化を図る必要があり、高価な制御装置を必要と
した。
(2)移動中のコンベア3の位置サンプリング時刻と、
そのデータに基づくシフトによってロボットを動かした
ときの時刻とにずれがあるため、その間のコンベア3の
移動距離については推定する他ない。これが誤差発生要
素となり、フィードフォワード等のような高等な制御ア
ルゴリズムを必要とする等の問題があった。
本発明は上記のような点に鑑みなされたもので、高速
演算や高度な制御アルゴリズムを必要とせず、安価で高
精度な制御を可能とするコンベア付ロボットシステムの
教示方法を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段と作用] すなわち、本発明に係るコンベア付きロボットシステ
ムの教示方法は、連続コンベアで搬送されるワークに対
して作業を行うティーチングプレイバック式ロボットに
おいて、従来、ロボット運転中に行っていたシフト計算
をロボット運転前に予め行っておき、ロボット運転時に
はロボットを動かすことのみに制御装置を専念させて、
その負担を軽減させるようにしたものである。
これにより、高速演算や高度な制御アルゴリズムを必
要とせず、安価で高精度の制御を実現できる。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明の一実施例に係るコンベ
ア付きロボットシステムの教示方法を説明する。
第1図は連続コンベアで搬送されるワークに対して作
業を行うティーチングプレイバック式ロボットのシステ
ム構成を示す図である。なお、第1図において、第2図
と同一の部分には同一符号を付して、その説明は省略す
るものとする。同実施例において、第1図に示す制御装
置18内の演算部20は、第2図の演算部15および高速演算
部19に代わる簡易な演算部である。また、操作パネル21
には、図示しない速度倍率設定器を有する。
ここで、同実施例では、従来、ロボット運転中に行っ
ていたシフト計算をロボット運転前に予め行っておき、
ロボット運転時にはロボットを動かすことのみに制御装
置を専念させて、その負担を軽減させるようにしたもの
である。
具体的には、まず、教示前にセンサ7でワーク16を検
知し、その入力で可逆カウンタ9を一旦リセットした後
に、以下のような動作を行う。
(1)教示時において、コンベア3を任意の位置に止め
て教示作業を行い、ロボット機体1の位置データ(X0、
Y0、Z0)としての可逆カウンタまたはA/D変換器13の値
と、また、コンベア3の位置データ(位置データを示す
パルス値)としての可逆カウンタ9の値P0を同時にステ
ップデータとして記憶装置11に記憶させる。なお、この
場合、1つのプログラムの途中でコンベア3の位置を変
えることもある。
(2)操作パネル21に設けられた速度倍率設定器によっ
て、ロボットの速度を所望の値(作業に適した速度)に
設定する。
(3)モータ制御盤4によってコンベア3の速度を所望
の値にセットする。
(4)速度設定終了後、所望の速度でコンベア3を起動
し、センサ7でワーク16を検知することにより、(1)
および(2)で教示したプログラムを実行する。この場
合、安全のためにロボットの駆動電源すなわちD/A変換
器とアンプ14の出力を遮断しておき、ロボット機体1を
停止させておく。
(5)このプログラムの実行終了時に、その所用時間
(実行時間)Taを中央処理装置10内の図示しないタイマ
で得、これを記憶装置11に記憶させる。また、そのとき
の可逆カウンタ9からコンベア3の移動量Paを得、これ
を記憶装置11に記憶させる。
(6)上記データTa,Paを用いてコンベア3の位置P1を
求める。この場合、コンベア3の位置P1は、 P1=Pa・Ti/Ta で求められる。ここで、Tiはi番目のステップまでの再
生所要時間であり、(2)で設定したロボットの速度か
ら得られる。
(7)(1)で記憶した教示時のコンベア位置P0と、
(6)で求めたコンベア3の位置P1の差分だけロボット
の各ステップの位置データをシフトして修正・記憶す
る。この場合、コンベア3の移動方向と位置検出器1パ
ルス当りの移動量(△XP,△YP,△ZP)は既知とす
る。また、この結果得られるi番目のステップのロボッ
トの位置は、 Xi=X0+△Xp(Pa・Ti/Ta−P0) Yi=Y0+△Yp(Pa・Ti/Ta−P0) Zi=Z0+△Zp(Pa・Ti/Ta−P0) で表わせる。
(8)ロボット運転時には、シフト後のロボット位置デ
ータ(Xi,Yi,Zi)を所定の速度で再現するのみである。
もし、コンベア3の速度に変更があれば、ロボットの速
度もこれに比例させて変更する。
すなわち、再生時には、ワーク16がコンベア3により
連続的に搬送され、センサ7がワーク16を検出すると、
制御装置18はロボット起動信号としてセンサ7の出力を
受けロボット機体1を起動させる。この場合上記で求め
た位置データを再生するのみなので高速な演算は不要と
なる。
また、生産能力アップ等のためにコンベア3の搬送速
度を変更する必要かずあるときは、操作パネル21の速度
倍率設定器を通じてロボット機体1の教示時の搬送速度
と再生時の速度との比率を速度倍率として設定し、 ロボットの再生速度=ロボットの教示速度 ×速度倍率 によりロボット機体1の再生速度を変えることにより、
教示時のコンベア3とロボット機体1との相対位置関係
を保つことができる。
[発明の効果] 以上のように本発明によれば、以下のような効果を奏
する。
(1)コンベアの移動に伴うシフト演算をプログラム実
行中に行う必要がないので、高速演算を必要としない。
(2)コンベアの未来位置に対して追従を行う必要がな
いので、高度な制御アルゴリズムを使用することなく精
度を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係るロボットシステムの構
成を示す図、第2図は従来のロボットシステムの構成を
示す図、第3図は従来のロボットシステムにおける位置
データシフトを説明するための図である。 1……ロボット機体、3……コンベア、4……モータ制
御盤、5……モータ、6……エンコーダ、7……セン
サ、18……制御装置、9……可逆カウンタ、10……中央
処理装置、11……記憶装置、21……操作パネル、13……
可逆カウンタまたはA/D変換器、14……D/A変換器とアン
プ、20……演算部、16……ワーク。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続コンベアで搬送されるワークに対して
    作業を行うティーチングプレイバック式ロボットにおい
    て、 上記コンベアの停止状態で教示作業を行い、上記ロボッ
    トおよび上記コンベアの各位置データをステップデータ
    として記憶し、 上記ロボットおよび上記コンベアの各運転速度を所望の
    値に設定後、 この所望の速度で上記コンベアを運転しながら、上記ロ
    ボットを教示時の位置データで模擬運転することによ
    り、 上記ロボットの各ステップの実行時間および上記コンベ
    アの移動量に基づいて上記ロボットの各ステップの位置
    データに対応する上記コンベアの各ステップの位置デー
    タを算出し、 この算出した上記コンベアの各ステップの位置データと
    上記教示時の各ステップの位置データとの差分を上記ロ
    ボットの各ステップの位置データにシフトして再生時の
    上記ロボットの位置データとして書き換え、 再生時にその位置データを各ステップ毎に読み出して上
    記ロボットの動作を制御するようにしたことを特徴とす
    るコンベア付きロボットシステムの教示方法。
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