JP3171770B2 - Nc工作機械の移動位置誤差補正方法および移動位置誤差補正確認方法 - Google Patents
Nc工作機械の移動位置誤差補正方法および移動位置誤差補正確認方法Info
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Description
置誤差補正方法および移動位置誤差補正確認方法に関
し、特に動的変位計測法により計測される機械の移動位
置に基づく移動位置の誤差補正方法および移動位置誤差
補正結果を確認する方法に関するものである。
のサイクリックエラー等に起因する工作機械の移動位置
誤差を補正する方法として、所定ピッチをもって複数個
の測定点を設定し、この各測定点に機械を移動させ、そ
の各測定点において機械を停止させて基準位置よりの機
械の移動位置を計測手段により計測し、その計測値に基
づいて各測定点における位置誤差量からその各測定点を
補正点座標とした移動位置誤差補正量を算出し、その各
補正点座標について移動位置誤差補正量を設定するピッ
チ誤差点補正方法と、各測定点における位置誤差量から
その各測定点における移動位置誤差補正量を算出し、こ
の移動位置誤差補正量より測定点間における移動位置誤
差補正量を直線補間による演算により設定するピッチ誤
差勾配補正方法とが知られている。
差点補正方法における補正点座標の設定個数は機械の移
動ストロークに拘らず、数10点程度、多くの場合、最
大で80点程度であり、このためこの補正方法では、5
0〜100mm程度の比較的大きい間隔をもって補正点
座標が設定され、細かい補正を行うことができない。
座標の間隔、換言すれば誤差の測定点ピッチが大きい
と、サイクリックエラーによる誤差を検出できず、サイ
クリックエラーを補償することができない。このことは
図8(b)に示されているように、誤差の測定点ピッチ
を小さくすることにより解消できるが、しかし測定点ピ
ッチを小さくすることも、測定時間の問題によって限度
があり、機械の動きと同等の測定データを得ることが難
しい。
少し改善されるが、しかし機械の移動位置の計測点個数
はピッチ誤差点補正方法における場合と同等であるか
ら、大幅には改善されない。
配補正方法の何れにおいても、機械の移動位置の計測
は、機械を停止させて行うため、測定に時間がかかり、
補正精度の向上のために計測点間隔が微小化されるほど
測定に時間がかかることになる。
機械を停止させて行う静的測定であるため静的誤差要因
による移動位置誤差を補正できても、機械移動の速度、
加減速、ロストモーションなどの影響を受ける動的誤差
要因を含む移動位置誤差について補正することはできな
い。
容易に確認することができない。
されたものであり、移動位置誤差検出のための機械の移
動位置の計測に時間がかかることがなく、細かい移動位
置補正を行え、しかも動的誤差要因を含む移動位置誤差
に関しても適切に移動位置補正を行い、更にはドループ
量、温度変化を加味して更に高精度な移動位置誤差補正
を行うNC工作機械の移動位置誤差補正方法および移動
位置誤差補正の結果を容易に確認できるようにする移動
位置誤差補正確認方法を提供することを目的としてい
る。
るために、請求項1によるNC工作機械の移動位置誤差
補正方法は、NC装置(7)のNCプログラム実行部
(9)より工作機械のサーボモータ(3)の駆動制御部
(11)へ移動指令を出力し、この移動指令により前記
サーボモータ(3)を駆動せしめて機械を移動させなが
ら機械の移動位置を動的変位計測装置(15)により計
測し、前記駆動制御部(11)へ出力した移動指令値が
動的位置誤差演算コンピュータ(25)の指令値データ
記憶部(27)へ記憶されると共に、前記動的変位計測
装置(15)で計測された計測値が動的位置誤差演算コ
ンピュータ(25)の計測値データ記憶部(28)へ記
憶され、前記指令値データ記憶部(27)、計測値デー
タ記憶部(28)にそれぞれ記憶された指令値データ、
記憶値データが動的位置誤差演算コンピュタ(25)の
動的位置誤差演算部(29)に取り込まれて動的位置誤
差量データが演算された後、移動位置誤差補正値演算コ
ンピュータ(31)に入力されて、この移動位置誤差補
正値演算コンピュータ(31)で高周波成分除去モード
であるか否かの判別と、平均値による補正モードである
か否かの判別と、動的位置誤差量のサンプリング間隔を
所要の補正サイクルピッチに応じて設定して補正データ
個数を必要最小限モードであるか否かの判別を順に行っ
て動的位置誤差量データを抽出し、そのデータを移動位
置誤差補正値演算コンピュータ(31)に取り込んで演
算して移動位置誤差補正値を前記駆動制御部(11)の
補正演算部(33)に転送し補正を行うことを特徴とす
るものである。
置には、ダイナミックレーザシステムを使用してレーザ
ビームを固定配置のビームスプリッタおよび反射用プリ
ズムと機械移動体に配置した反射用プリズムとに照射
し、ドップラ効果によるレーザビームの周波数差を検出
して機械の移動位置を計測するレーザ干渉法を応用した
ものがある。
差補正方法は、NC装置(7)のNCプログラム実行部
(9)より工作機械のサーボモータ(3)の駆動制御部
(11)へ移動指令を出力し、この移動指令により前記
サーボモータ(3)を駆動せしめて機械を移動させなが
ら機械の移動位置を動的変位計測装置(15)により計
測し、前記サーボモータ(3)の回転量をロータリエン
コーダ(13)で検出し、この検出された回転量の計測
データが動的位置誤差演算コンピュータ(25)の回転
量データ記憶部(26)に記憶されると共に、前記動的
変位計測装置(15)で計測された計測値が動的位置誤
差演算コンピュータ(25)の計測値データ記憶部(2
8)へ記憶され、前記回転量データ記憶部(26)、計
測値データ記憶部(28)にそれぞれ記憶された回転量
データ、計測値データが動的位置誤差演算コンピュータ
(25)の動的位置誤差演算部(29)に取り込まれて
動的位置誤差量データが演算された後、移動位置誤差補
正値演算コンピュータ(31)に入力されて、この移動
位置誤差補正値演算コンピュータ(31)で高周波成分
除去モードであるか否かの判別と、平均値による補正モ
ードであるか否かの判別と、動的位置誤差量のサンプリ
ング間隔を所要の補正サイクルピッチに応じて設定して
補正データ個数を必要最小限モードであるか否かの判別
を順に行って動的位置誤差量データを抽出し、そのデー
タを移動位置誤差補正値演算コンピュータ(31)に取
り込んで演算して移動位置誤差補正値を前記駆動制御部
(11)の補正演算部(33)に転送し補正を行うこと
を特徴とするものである。
移動位置誤差補正方法は、請求項1又は2記載のNC工
作機械の移動位置誤差補正方法において、前記動的変位
計測装置(15)による機械の移動位置の計測を機械移
動の往路と復路の各々で行い、往路と復路とで各々個別
に動的位置誤差量を算出し、動的位置誤差量に基づく移
動位置誤差補正を往路と復路とで各々個別に行うことを
特徴とするものである。
差補正方法は、請求項1〜3の何れかに記載のNC工作
機械の移動位置誤差補正方法において、前記動的位置誤
差量あるいは当該動的位置誤差量に基づく移動位置誤差
補正量が設定値以上の場合には前記動的変位計測法によ
る機械の移動位置の計測を再度行い、動的位置誤差量の
算出を再度行うことを特徴としている。
差補正方法は、請求項1〜4の何れかに記載のNC工作
機械の移動位置誤差補正方法において、多軸同時移動に
おいて、前記動的変位計測装置による機械の移動位置の
計測を各軸毎に行なって前記動的位置誤差量の算出を各
軸毎に行い、その各軸毎の動的位置誤差量に基づて移動
位置誤差補正を各軸毎に行うことを特徴としている。
差補正方法は、請求項1〜4の何れかに記載のNC工作
機械の移動位置誤差補正方法において、機械移動速度と
前記サーボモータの位置フィードバックのループゲイン
よりドループ量を算出し、ドループ量を加味して前記移
動位置誤差補正を行うことを特徴としている。
差補正方法は、請求項1〜5の何れかに記載のNC工作
機械の移動位置誤差補正方法において、温度検出手段に
より温度を検出し、前記温度検出手段により検出された
温度を加味して前記移動位置誤差補正を行うことを特徴
としている。
差補正確認方法は、NC装置(7)のNCプログラム実
行部(9)より工作機械のサーボモータ(3)の駆動制
御部(11)へ移動指令を出力し、この移動指令により
前記サーボモータ(3)を駆動せしめて機械を移動させ
ながら機械の移動位置を動的変位計測装置(15)によ
り計測し、前記駆動制御部(11)へ出力した移動指令
値が動的位置誤差演算コンピュータ(25)の指令値デ
ータ記憶部(27)へ記憶されると共に、前記動的変位
計測装置(15)で計測された計測値が動的位置誤差演
算コンピュータ(25)の計測値データ記憶部(28)
へ記憶され、前記指令値データ記憶部(27)、記憶値
データ記憶部(28)にそれぞれ記憶された指令値デー
タ、記憶値データが動的位置誤差演算コンピュータ(2
5)の動的位置誤差演算部(29)に取り込まれて動的
位置誤差量データが演算された後、移動位置誤差補正値
演算コンピュータ(31)に入力されて、この移動位置
誤差補正値演算コンピュータ(31)で高周波成分除去
モードであるか否かの判別と、平均値による補正モード
であるか否かの判別と、動的位置誤差量のサンプリング
間隔を所要の補正サイクルピッチに応じて設定して補正
データ個数を必要最小限モードであるか否かの判別を順
に行って動的位置誤差量データを抽出し、そのデータを
ディスプレイあるいはプリント出力することを特徴とす
るものである。
正方法では、NC装置より工作機械のサーボモータの駆
動制御部へ出力した移動指令により機械が移動している
状態にてレーザ干渉法等による動的変位計測装置により
機械の移動位置を連続的に計測し、この動的変位計測装
置により連続的に計測した機械の移動位置とサーボモー
タ駆動制御部へ出力した移動指令が示す機械位置との差
より順に、高周波除去モード、平均値による補正モード
および必要最小限モードで判別して必要な動的位置誤差
量を算出し、この動的位置誤差量により移動位置誤差補
正を行う。
差補正方法では、NC装置より工作機械のサーボモータ
の駆動制御部へ出力した移動指令により機械が移動して
いる状態にてレーザ干渉法等による動的変位計測装置に
より機械の移動位置を連続的に計測すると共にサーボモ
ータの回転量を検出し、動的変位計測装置により計測さ
れた機械の移動位置とサーボモータの回転量検出値が示
す機械位置との差より順に、高周波除去モード、平均値
による補正モードおよび必要最小限モードで判別して必
要な動的位置誤差量を算出し、この動的位置誤差量に基
づいて移動位置誤差補正を行う。
差補正方法では、上述の動的変位計測装置による機械の
移動位置の計測を機械移動の往路と復路の各々で行って
往路と復路とで個別に前記動的位置誤差量を算出し、動
的位置誤差補正を往路と復路とで個別の動的位置誤差量
に基づいて行う。
差補正方法では、前記動的位置誤差量あるいは当該動的
位置誤差量に基づく移動位置誤差補正量が設定値以上の
場合には機械の移動位置計測時に一過性の大きい外乱が
生じたとして前記動的変位計測装置による機械の移動位
置の計測を再度行なって動的位置誤差量の再計算する。
差補正方法では、上述の動的変位計測装置による機械の
移動位置の計測を各軸毎に行い、その各軸毎の動的位置
誤差量に基づいて各軸毎に移動位置誤差補正を行う。
差補正方法では、動的位置誤差量により移動位置誤差補
正を、ドループ量を加味して行う。
差補正方法では、動的位置誤差量により移動位置誤差補
正を、温度を加味して行う。
差補正確認方法では、NC装置より工作機械のサーボモ
ータの駆動制御部へ出力した移動位置誤差補正後の移動
指令により機械が移動している状態にてレーザ干渉法等
による動的変位計測装置により機械の移動位置を連続的
に計測し、動的変位計測装置により連続的に計測した機
械の移動位置と移動位置誤差補正後の移動指令が示す機
械位置との差より順に、高周波除去モード、平均値によ
る補正モードおよび必要最小限モードで判別して必要な
動的位置誤差量を算出し、この動的位置誤差量を外部へ
出力する。この出力情報より移動位置誤差補正結果を定
量的に確認、評価することができる。
ついて詳細に説明する。
置誤差補正方法の実施に使用する移動位置誤差補正シス
テムの一実施例を示している。図1において、符号1は
NC工作機械のテーブルを示している。テーブル1はサ
ーボモータ3によって回転駆動される送りねじ5により
図1において左右方向に移動する。
と、サーボモータ3の駆動制御部11とを有している。
NCプログラム実行部9は、NCプログラムを実行し、
移動指令を駆動制御部11へ出力する。駆動制御部11
はサーボモータ3に接続されたロータリエンコーダ13
よりサーボモータ3の回転量を位置フィードバック信号
として入力し、セミクローズドループ方式にてサーボモ
ータ3の回転駆動を制御する。
械に動的変位計測装置15が取り付けられる。動的変位
計測装置15は、レーザ干渉計を利用したものであり、
レーザ出力装置やレーザ受光器などを含む計測器本体1
7と、固定配置のビームスプリッタ19およびビームス
プリッタ19に接続された反射用プリズム21と、テー
ブル1に取り付けられた可動反射用プリズム23とを有
している。
より出射されたレーザビームをビームスプリッタ19に
よって分光し、分光したレーザビームの一方を参照光と
して反射用プリズム21にて計測器本体17に折り帰え
させ、他方のレーザビームの一方を計測光として可動反
射用プリズム23にて計測器本体17に折り帰えさせ、
テーブル1の移動によって計測光の光路長さが変化する
ことによりドップラ効果で変化する計測光の周波数と参
照光の周波数との差を検出し、これによりテーブル1を
移動させながら、その移動位置、即ち機械の移動位置を
連続的に計測する。以下、この計測値を機械移動位置計
測値と云う。
置の計測は、NCプログラム実行部9より駆動制御部1
1へ移動指令を出力し、サーボモータ3によってテーブ
ル1を要求される所要の計測ストロークだけ往復動させ
ることにより、その計測ストロークの往路と復路の各々
で行う。
令は駆動制御部11への出力と共に動的位置誤差演算コ
ンピュータ25にも出力する。
令値データ記憶部27と、計測値データ記憶部28と、
動的位置誤差演算部29とを有している。
実行部9が出力する移動指令が示す機械位置のデータを
一計測ストローク分の時系列データとしてストアする。
置15による機械の移動位置の計測値データを一計測ス
トローク分の時系列データとしてストアする。
インなどのサーボパラメータと送り速度、加減速特性な
どのデータを与えられ、指令値データ記憶部27がスト
アしている機械位置データと計測値データ記憶部28が
ストアしている機械の移動位置の計測値データとを読み
出し、指令値データ記憶部27の機械位置データと計測
値データ記憶部28の計測値データとの差より動的位置
誤差量を演算する。
データ記憶部27がストアしている機械位置データに対
して計測値データ記憶部28がストアしている機械の移
動位置の計測値データは、時系列で見て、サーボパラメ
ータや送り速度、加減速特性等により決まる定常的な位
相遅れ(時間遅れ)を有しているから、この位相遅れ度
を同定し、同定した位相遅れ度を考慮して各記憶部2
7、28よりのデータを対応させて読み出しを行い、指
令値データ記憶部27の機械位置データと計測値データ
記憶部28の計測値データとの差による動的位置誤差量
の演算は、同一位相のデータで行う。
置の計測を機械移動の往路と復路の各々で行うことで、
動的位置誤差演算部29は、機械移動の往路と復路とで
各々個別に動的位置誤差値量を算出する。
差量のデータは移動位置誤差補正値演算コンピュータ3
1に入力する。移動位置誤差補正値演算コンピュータ3
1は、動的位置誤差量に基づいて移動位置誤差補正値を
演算し、その補正値データを駆動制御部11の補正演算
部33へ出力する。即ち、移動位置誤差補正値演算コン
ピュータ31は動的位置誤差量データを移動位置誤差補
正値データに変換する。
正値の演算は、次に云う何れかの方法により行われれば
よい。
差量によって移動位置誤差補正値を往路と復路とで各々
個別に算出する。
各々最適な移動位置誤差補正が行われることになる。
差量の平均値によって往路と復路とで共用する移動位置
誤差補正値を算出する。
をストアするメモリのメモリ容量の軽減が図られる。
て移動位置誤差補正値演算のための動的位置誤差量のサ
ンプリング間隔を所要の補正サイクルピッチ(補正ピッ
チ)に応じて設定し、補正サイクルピッチをもって移動
位置誤差補正値を算出する。
補正が行われ、移動位置誤差補正値データをストアする
メモリのメモリ容量の軽減が図られる。
がない外乱成分であるとし、この高周波成分をローパス
フィルタによる信号処理によって除去することができ
る。
周波成分を除去された動的位置誤差量によって行われ
る。
量に基づく移動位置誤差補正量が設定値以上の場合には
機械の移動位置計測時に一過性の大きい外乱が生じたと
して動的変位計測装置15による機械の移動位置の計測
と機械の移動位置演算部27による機械の移動位置の算
出および動的位置誤差量演算部29による動的位置誤差
量の算出を再度行う。
正の補正データの作成手順を説明する。図2は補正デー
タ作成のゼネラルフローを示している。このフローで
は、先ずNCプログラム実行部9より移動指令を駆動制
御部11と機械の移動位置データ記憶部27とに出力す
る(ステップ10)。これによりサーボモータ3が駆動
され、テーブル1が移動する(ステップ20)。
示されている動的位置誤差演算ルーチンをもって動的位
置誤差量を演算する(ステップ30)。
31により図4に示されている補正値演算ルーチンをも
って移動位置誤差補正値を演算する(ステップ40)。
であるか否かを判別する(ステップ50)。移動位置誤
差補正値が許容精度範囲内であれば、補正値演算を完了
するる。これに対し移動位置誤差補正値が許容精度範囲
内でない場合には、その移動位置誤差補正値によって補
正した位置指令を作成し(ステップ60)、ステップ1
0に戻って、その位置指令を駆動制御部11と指令値デ
ータ記憶部27へ出力し、これより以降、移動位置誤差
補正値が許容精度範囲内になるまでステップ10〜50
を繰り返す。なお、この繰り返し回数に制限を与え、所
定回数に亙って補正値演算が行われても移動位置誤差補
正値が許容精度範囲内に入らない場合にはアラーム出力
を行うことができる。
ルーチンを説明する。このルーチンでは、NCプログラ
ム実行部9が駆動制御部11へ出力する移動指令が示す
機械位置のデータを指令値データ記憶部27に、順次、
時系列データとして一計測ストローク分、ストア(ステ
ップ100)し、動的変位計測装置15より計測された
機械の移動位置の計測値データを計測値データ記憶部2
8に、順次、時系列データとして一計測ストローク分、
ストア(ステップ110)する。
すれば、指令値データ記憶部27がストアしている移動
指令による機械位置データと計測値データ記憶部28が
ストアしている機械の移動位置の計測値データとをサー
ボパラメータや送り速度、加減速特性等により決まる位
相遅れを考慮した同期をとって読み出し、読み出した機
械位置データと計測値データとの差より動的位置誤差量
を演算する(ステップ120)。
ンを説明する。このルーチンでは、先ず動的位置誤差量
のデータを入力する(ステップ200)。次に補正値演
算のモードが高周波成分除去モードであるか否かの判別
(ステップ210)と、平均値による補正モードである
か否かの判別(ステップ230)と、動的位置誤差量の
サンプリング間隔を所要の補正サイクルピッチに応じて
設定して補正データ個数を必要最小限にする必要最小限
モードであるか否かの判別(ステップ250)を順に行
う。
誤差量のデータにローパスフィルタ処理を施し、動的位
置誤差量より高周波成分を除去する(ステップ22
0)。
ル移動の往路と復路の動的位置誤差量の平均値を計算す
る(ステップ240)。
量のデータ群より必要な動的位置誤差量データを抽出す
る(ステップ260)。
ち、動的位置誤差量より移動位置誤差補正値を演算する
(ステップ270)。
置誤差補正値が許容精度範囲内であるか否かの判別によ
り補正値演算の繰り返しの必要性を判断したが、図5に
示されているように、動的位置誤差量が許容精度範囲内
であるか否かの判別により補正値演算の繰り返しの必要
性を判断してもよい。この場合にはステップ35にて動
的位置誤差量が許容精度範囲内であるか否かの判別を行
い、動的位置誤差量が許容精度範囲内であれば、補正値
演算(ステップ45)を行って補正値演算を完了する。
これに対し動的位置誤差量が許容精度範囲内でない場合
には、補正値演算(ステップ40)を行い、その補正値
によって補正した位置指令を作成し(ステップ60)、
ステップ10に戻る。
プログラム実行部9より入力する移動指令を移動位置誤
差補正量演算コンピュータ31より与えられた移動位置
誤差補正値によって補正量を決定し、移動位置誤差補正
を行う。
誤差演算部29による移動位置誤差補正量の演算がパラ
メータ設定される補正開始座標値と補正ピッチに応じて
補正ピッチ毎に行うものとし、図6に例示されているよ
うに、各補正点の補正値データR0 〜Rnを補正点間で
直線補間することにより機械座標をアドレスとする折れ
線グラフ状の補正値データ列を作成し、スキャンタイム
毎にその補正値データ列より該当する機械座標の補正値
を読み出し、この補正値を補正量としてNCプログラム
実行部9より入力する移動指令に対し移動位置誤差補正
を行う。
の移動位置計測値を示している。図7により、移動位置
誤差補正が行われると、ピッチが10mm程度のサイク
リックエラーが補償されていることが解る。
ーボモータ13の位置フィードバックのループゲインよ
りドループ量を算出し、移動位置誤差補正に併せてドル
ープ補正を行う。ドループ量の算出は下式により行う。
min)、Kv:位置ループゲイン(rad/sec) これにより動的位置誤差に併せてドループによる位置誤
差が解消される。
NC工作機械の温度を検出し、移動位置誤差補正に併せ
て温度補償補正を行う。この温度補償補正は、検出温度
に応じて補正係数を設定された一次関数式により行われ
る。
による位置誤差が解消される。
置15による機械の移動位置の計測および動的位置誤差
量演算部29による動的位置誤差量を各軸毎に行い、そ
の各軸毎の動的位置誤差量に基づて移動位置誤差補正を
各軸毎に行う。またドループ補正も温度補償補正も同様
に各軸毎に行う。
よく行われる。
置誤差補正方法の実施に使用する移動位置誤差補正シス
テムの他の実施例を示している。この実施例では、動的
位置誤差演算コンピュータ25は、ロータリエンコーダ
13が出力するサーボモータ3の回転量の計測値データ
を一計測ストローク分の時系列データとしてストアする
回転量データ記憶部26と、動的変位計測装置15よる
機械の移動位置の計測値データを一計測ストローク分の
時系列データとしてストアする計測値データ記憶部28
と、動的位置誤差演算部29とを有している。
記憶部26がストアしているサーボモータ3の回転量検
出値データと計測値データ記憶部28がストアしている
機械の移動位置の計測値データとを読み出し、回転計測
値データ記憶部28の回転量検出値データが示す機械の
移動位置と計測値データ記憶部28の計測値データとの
差より動的位置誤差量を演算する。
サーボモータ3の回転量検出値データに対して計測値デ
ータ記憶部28がストアしている機械の移動位置の計測
値データは、時系列で見て、送り速度、加減速特性等に
より決まる定常的な位相遅れを有しているから、この位
相遅れ度を同定し、同定して位相遅れ度を考慮して各記
憶部26、28よりのデータの読み出しを行い、回転量
データ記憶部26の回転量検出値データが示す機械移動
位置と計測値データ記憶部28の計測値データとの差に
よる動的位置誤差量の演算は、同一位相のデータで行
う。
令は駆動制御部11への出力と共に動的位置誤差演算コ
ンピュータ25にも出力する。
記回転量データ記憶部26と、計測値データ記憶部28
と、動的位置誤差演算部29とを有している。
実行部9が出力する移動指令が示す機械位置のデータを
一計測ストローク分の時系列データとしてストアする。
置15による機械の移動位置の計測値データを一計測ス
トローク分の時系列データとしてストアする。
インなどのサーボパラメータと送り速度、加減速特性な
どのデータを与えられ、機械の回転量デ−タ記憶部26
がストアしている機械位置データと計測値データ記憶部
28がストアしている機械の移動位置の計測値データと
を読み出し、回転量デ−タ記憶部26の機械位置データ
と計測値データ記憶部28の計測値データとの差より動
的位置誤差量を演算する。
機械の移動位置の計測値データに対して計測値データ記
憶部28がストアしている機械の移動位置の計測値デー
タは、時系列で見て、サーボパラメータや送り速度、加
減速特性等により決まる定常的な位相遅れ(時間遅れ)
を有しているから、この位相遅れ度を同定し、同定した
位相遅れ度を考慮して各記憶部26、28よりのデータ
の読み出しを行い、回転量データ記憶部26の機械位置
データと計測値データ記憶部28の計測値データとの差
による動的位置誤差量の演算は、同一位相のデータで行
う。
部29が演算する動的位置誤差量に基づいて上述の実施
例における場合と同様の移動位置誤差補正が行われる。
とほぼ同等の効果が得られる。
誤差補正確認方法について説明する。
れているシステムを使用して実施される。この移動位置
誤差補正確認方法の実施においては、NC装置1のNC
プログラム実行部9より移動位置誤差補正された移動指
令を駆動制御部11へ出力し、サーボモータ3によりテ
ーブル1を駆動する。この場合のテーブル1の移動は移
動位置誤差を補正されたものになる。
装置15により計測し、この計測により得られる機械移
動値計測値を動的位置誤差演算部29へ出力する。
ラム実行部9より移動位置誤差補正前の移動指令が示す
機械位置のデータを指令値データ記憶部27へ出力し、
指令値データ記憶部27に機械の移動位置データを順次
ストアする。
変位計測装置15により計測されて計測値データ記憶部
28にストアされている移動位置データと指令値データ
記憶部27にストアされている機械位置データとの差よ
り動的位置誤差量を算出し、これをディスプレイ出力あ
るいはプリント出力する。この場合も、上述の実施例と
同様に、同定した位相遅れ度を考慮して各記憶部27、
28よりのデータの読み出しを行い、計測値データ記憶
部28の機械位置データと計測値データ記憶部28の計
測値データとの差による動的位置誤差量の演算は、同一
位相のデータで行う。
れた出力情報は、動的位置誤差について移動位置誤差補
正前と補正後の差を定量的に示すから、この出力情報よ
り移動位置誤差補正結果を定量的に確認、評価すること
ができる。
1によるNC工作機械の移動位置誤差補正方法によれ
ば、移動指令によって機械が実際に移動している状態で
動的変位計測装置により機械の移動位置を連続的に計測
し、この動的変位計測装置により連続的に計測した機械
の移動位置とサーボモータ駆動部へ出力した移動指令が
示す機械位置との差より順に、高周波モード、平均値に
よる補正モードおよび必要最小限モードで判別して必要
な動的位置誤差量を算出し、この動的位置誤差量に基づ
いて移動位置誤差補正を行うから、移動位置誤差検出の
ための機械の移動位置の計測に時間がかかることがな
く、細かい移動位置補正が極めて高精度に行われ、しか
も動的誤差要因を含む移動位置誤差に関しても適切に移
動位置補正が行われることになる。
差補正方法によれば、移動指令によって機械が実際に移
動している状態で動的変位計測装置により機械の移動位
置を連続的に計測すると共にロータリエンコーダ等によ
って計測し、機械の移動位置の計測値とサーボモータの
回転量検出値が示す機械移動位置との差より順に、高周
波モード、平均値による補正モードおよび必要最小限モ
ードで判別して必要な動的位置誤差量を算出し、この動
的位置誤差量に基づいて移動位置誤差補正を行うから、
移動位置誤差検出のための機械の移動位置の計測に時間
がかかることがなく、細かい移動位置補正が高精度に行
われ、しかも動的誤差要因を含む移動位置誤差に関して
も適切に移動位置補正が行われることになる。
差補正方法では、動的変位計測装置による機械の移動位
置の計測を機械移動の往路と復路の各々で行って往路と
復路とで個別に動的位置誤差量を算出し、移動位置誤差
補正を往路と復路とで個別動的位置誤差量に基づいて行
うから、機械移動の往路と復路とで各々最適な移動位置
誤差補正が行われることになる。
差補正方法では、動的位置誤差量あるいは動的位置誤差
量に基づく移動位置誤差補正量が設定値以上の場合には
機械の移動位置計測時に一過性の外乱が生じたとして動
的変位計測装置による機械の移動位置の計測を再度行っ
て動的位置誤差量の算出を再度行うから、機械の移動位
置計測時に生じた一過性の外乱の影響を受けた誤った移
動位置誤差補正が行われることが回避される。
差補正方法では、多軸同時移動において動的変位計測装
置による機械の移動位置の計測を計測し、動的位置誤差
量を多軸同時移動における各軸について計算し、その各
軸毎の動的位置誤差量に基づて移動位置誤差補正を各軸
毎に行うから、多軸同時移動による加工が精度よく行わ
れるようになる。
差補正方法では、動的位置誤差量による移動位置誤差補
正に併せてドループ補正が行われ、位置精度がより一層
向上する。
差補正方法では、動的位置誤差量による移動位置誤差補
正に併せて温度補償補正が行われるから、温度変化に拘
らず位置精度が保たれる。
差補正確認方法では、動的位置誤差の補正前と補正後の
差を定量的に示す情報が的確に得られるから、この情報
より移動位置誤差補正結果を定量的に確認、評価するこ
とができる。
方法および移動位置誤差補正確認方法の実施に使用する
移動位置誤差補正システムの一実施例を示すブロック線
図である。
方法における補正データ作成のゼネラルフローを示すフ
ローチャートである。
方法における動的位置誤差演算ルーチンを示すフローチ
ャートである。
方法における補正値演算ルーチンを示すフローチャート
である。
方法における補正データ作成の他のゼネラルフローを示
すフローチャートである。
方法における補正値データ列の作成要領と補正量の決定
要領を示すグラフである。
計測値を示すグラフである。
定要領を示すグラフである。
方法の実施に使用する移動位置誤差補正システムの他の
実施例を示すブロック線図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 NC装置(7)のNCプログラム実行部
(9)より工作機械のサーボモータ(3)の駆動制御部
(11)へ移動指令を出力し、この移動指令により前記
サーボモータ(3)を駆動せしめて機械を移動させなが
ら機械の移動位置を動的変位計測装置(15)により計
測し、前記駆動制御部(11)へ出力した移動指令値が
動的位置誤差演算コンピュータ(25)の指令値データ
記憶部(27)へ記憶されると共に、前記動的変位計測
装置(15)で計測された計測値が動的位置誤差演算コ
ンピュータ(25)の計測値データ記憶部(28)へ記
憶され、前記指令値データ記憶部(27)、計測値デー
タ記憶部(28)にそれぞれ記憶された指令値データ、
記憶値データが動的位置誤差演算コンピュタ(25)の
動的位置誤差演算部(29)に取り込まれて動的位置誤
差量データが演算された後、移動位置誤差補正値演算コ
ンピュータ(31)に入力されて、この移動位置誤差補
正値演算コンピュータ(31)で高周波成分除去モード
であるか否かの判別と、平均値による補正モードである
か否かの判別と、動的位置誤差量のサンプリング間隔を
所要の補正サイクルピッチに応じて設定して補正データ
個数を必要最小限モードであるか否かの判別を順に行っ
て動的位置誤差量データを抽出し、そのデータを移動位
置誤差補正値演算コンピュータ(31)に取り込んで演
算して移動位置誤差補正値を前記駆動制御部(11)の
補正演算部(33)に転送し補正を行うことを特徴とす
るNC工作機械の移動位置誤差補正方法。 - 【請求項2】 NC装置(7)のNCプログラム実行部
(9)より工作機械のサーボモータ(3)の駆動制御部
(11)へ移動指令を出力し、この移動指令により前記
サーボモータ(3)を駆動せしめて機械を移動させなが
ら機械の移動位置を動的変位計測装置(15)により計
測し、前記サーボモータ(3)の回転量をロータリエン
コーダ(13)で検出し、この検出された回転量の計測
データが動的位置誤差演算コンピュータ(25)の回転
量データ記憶部(26)に記憶されると共に、前記動的
変位計測装置(15)で計測された計測値が動的位置誤
差演算コンピュータ(25)の計測値データ記憶部(2
8)へ記憶され、前記回転量データ記憶部(26)、計
測値データ記憶部(28)にそれぞれ記憶された回転量
データ、計測値データが動的位置誤差演算コンピュータ
(25)の動的位置誤差演算部(29)に取り込まれて
動的位置誤差量データが演算された後、移動位置誤差補
正値演算コンピュータ(31)に入力されて、この移動
位置誤差補正値演算コンピュータ(31)で高周波成分
除去モードであるか否かの判別と、平均値による補正モ
ードであるか否かの判別と、動的位置誤差量のサンプリ
ング間隔を所要の補正サイクルピッチに応じて設定して
補正データ個数を必要最小限モードであるか否かの判別
を順に行って動的位置誤差量データを抽出し、そのデー
タを移動位置誤差補正値演算コンピュータ(31)に取
り込んで演算して移動位置誤差補正値を前記駆動制御部
(11)の補正演算部(33)に転送し補正を行うこと
を特徴とするNC工作機械の移動位置誤差補正方法。 - 【請求項3】 前記動的変位計測装置(15)による機
械の移動位置の計測を機械移動の往路と復路の各々で行
い、往路と復路とで各々個別に動的位置誤差量を算出
し、動的位置誤差量に基づく移動位置誤差補正を往路と
復路とで各々個別に行うことを特徴とする請求項1又は
2に記載のNC工作機械の移動位置誤差補正方法。 - 【請求項4】 前記動的位置誤差量あるいは当該動的位
置誤差量に基づく移動位置誤差補正量が設定値以上の場
合には前記動的変位計測法による機械の移動位置の計測
を再度行い、動的位置誤差量の算出を再度行うことを特
徴とする請求項1〜3の何れかに記載のNC工作機械の
移動位置誤差補正方法。 - 【請求項5】 多軸同時移動において、前記動的変位計
測装置(15)による機械の移動位置の計測を各軸毎に
行なって前記動的位置誤差量の算出を各軸毎に行い、そ
の各軸毎の動的位置誤差量に基づいて移動位置誤差補正
を各軸毎に行うことを特徴とする請求項1〜4の何れか
に記載のNC工作機械の移動位置誤差補正方法。 - 【請求項6】 機械移動速度と前記サーボモータ(3)
の位置フィードバックのループゲインよりドループ量を
算出し、ドループ量を加味して前記移動位置誤差補正を
行うことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のN
C工作機械の移動位置誤差補正方法。 - 【請求項7】 温度検出手段(35)により温度を検出
し、前記温度検出手段により検出された温度を加味して
前記移動位置誤差補正を行うことを特徴とする請求項1
〜6の何れかに記載のNC工作機械の移動位置誤差補正
方法。 - 【請求項8】 NC装置(7)のNCプログラム実行部
(9)より工作機械のサーボモータ(3)の駆動制御部
(11)へ移動指令を出力し、この移動指令により前記
サーボモータ(3)を駆動せしめて機械を移動させなが
ら機械の移動位置を動的変位計測装置(15)により計
測し、前記駆動制御部(11)へ出力した移動指令値が
動的位置誤差演算コンピュータ(25)の指令値データ
記憶部(27)へ記憶されると共に、前記動的変位計測
装置(15)で計測された計測値が動的位置誤差演算コ
ンピュータ(25)の計測値データ記憶部(28)へ記
憶され、前記指令値データ記憶部(27)、記憶値デー
タ記憶部(28)にそれぞれ記憶された指令値データ、
記憶値データが動的位置誤差演算コンピュータ(25)
の動的位置誤差演算部(29)に取り込まれて動的位置
誤差量データが演算された後、移動位置誤差補正値演算
コンピュータ(31)に入力されて、この移動位置誤差
補正値演算コンピュータ(31)で高周波成分除去モー
ドであるか否かの判別と、平均値による補正モードであ
るか否かの判別と、動的位置誤差量のサンプリング間隔
を所要の補正サイクルピッチに応じて設定して補正デー
タ個数を必要最小限モードであるか否かの判別を順に行
って動的位置誤差量データを抽出し、そのデータをディ
スプレイあるいはプリント出力することを特徴とするN
C工作機械の移動位置誤差補正確認方法。
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