JP2778012B2 - 低温封着用組成物 - Google Patents
低温封着用組成物Info
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- Japan
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- glass
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- fluidity
- thermal expansion
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C3/00—Glass compositions
- C03C3/04—Glass compositions containing silica
- C03C3/062—Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight
- C03C3/07—Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing lead
- C03C3/072—Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing lead containing boron
- C03C3/074—Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing lead containing boron containing zinc
- C03C3/0745—Glass compositions containing silica with less than 40% silica by weight containing lead containing boron containing zinc containing more than 50% lead oxide, by weight
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C8/00—Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
- C03C8/24—Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions, i.e. for use as seals between dissimilar materials, e.g. glass and metal; Glass solders
- C03C8/245—Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions, i.e. for use as seals between dissimilar materials, e.g. glass and metal; Glass solders containing more than 50% lead oxide, by weight
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Geochemistry & Mineralogy (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Glass Compositions (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低温封着用組成物に係
り、特に熱膨脹係数が70〜120×10-7/℃の範囲
のガラスまたはセラミックスの気密封着に適した低温封
着用組成物に関する。
り、特に熱膨脹係数が70〜120×10-7/℃の範囲
のガラスまたはセラミックスの気密封着に適した低温封
着用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ガラス、セラミックスあるいはこ
れら相互の封着には、低融点ガラス粉末やこれにセラミ
ックスフィラーを含有させた複合材料が使用されてい
る。普通、封着処理は被封着物への悪影響を避けるなど
の理由から、できるだけ低温で行うことが望ましく、一
般的には500℃以下の温度で行われる。したがって、
使用する低融点ガラスは、当然前記温度以下の低い軟化
点を有するものが使われるが、このような低融点ガラス
は熱膨脹係数が高いので、被封着体と熱膨脹係数を適合
させるため、低膨脹フィラーを添加した形で使用される
ことも多い。
れら相互の封着には、低融点ガラス粉末やこれにセラミ
ックスフィラーを含有させた複合材料が使用されてい
る。普通、封着処理は被封着物への悪影響を避けるなど
の理由から、できるだけ低温で行うことが望ましく、一
般的には500℃以下の温度で行われる。したがって、
使用する低融点ガラスは、当然前記温度以下の低い軟化
点を有するものが使われるが、このような低融点ガラス
は熱膨脹係数が高いので、被封着体と熱膨脹係数を適合
させるため、低膨脹フィラーを添加した形で使用される
ことも多い。
【0003】低融点封着用ガラスとしては、PbO−B
2 O3 系、PbO−B2 O3 −ZnO系のガラスが知ら
れている。しかし、これらの組成は不安定であるため、
実用組成としてはSiO2 ,Al2 O3 等のガラスを安
定化させる成分をある程度添加しなければならず、その
結果、封着温度の上昇をまねくとともにガラスの流動性
が悪くなって気密封着の信頼性を低下させる虞がある。
2 O3 系、PbO−B2 O3 −ZnO系のガラスが知ら
れている。しかし、これらの組成は不安定であるため、
実用組成としてはSiO2 ,Al2 O3 等のガラスを安
定化させる成分をある程度添加しなければならず、その
結果、封着温度の上昇をまねくとともにガラスの流動性
が悪くなって気密封着の信頼性を低下させる虞がある。
【0004】また、軟化点を低下させる成分としてTl
2 Oを添加したものに特開昭63−315536号公
報、特開平4−214045号公報に開示されたものが
ある。
2 Oを添加したものに特開昭63−315536号公
報、特開平4−214045号公報に開示されたものが
ある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記公報に記載のTl
2 O含有組成物は、封着温度を低くできるものの、有害
物質であるタリウムを含んでいるため、製造・使用時の
各工程において粉塵の飛散防止などのための設備導入が
必要となり、製品においても環境衛生上の問題が残る。
また、特開昭63−315536号公報に開示の低温封
着用フリットは、母材となるガラスの熱膨脹係数が非常
に大きいため、特にアルミナ等のセラミックスと熱膨脹
係数を合わせるためには多量の低膨脹フィラーを混合し
なければならず、封着時の流動性を損なう欠点があっ
た。
2 O含有組成物は、封着温度を低くできるものの、有害
物質であるタリウムを含んでいるため、製造・使用時の
各工程において粉塵の飛散防止などのための設備導入が
必要となり、製品においても環境衛生上の問題が残る。
また、特開昭63−315536号公報に開示の低温封
着用フリットは、母材となるガラスの熱膨脹係数が非常
に大きいため、特にアルミナ等のセラミックスと熱膨脹
係数を合わせるためには多量の低膨脹フィラーを混合し
なければならず、封着時の流動性を損なう欠点があっ
た。
【0006】本発明は、これらの事情を考慮してなされ
たもので、実質的にタリウムを含まず、500℃以下の
温度での流動性に優れ、熱膨脹係数がおよそ70〜12
0×10-7/℃のガラスまたはセラミックスの気密封着
に好適な低温封着用組成物を提供することを目的とす
る。
たもので、実質的にタリウムを含まず、500℃以下の
温度での流動性に優れ、熱膨脹係数がおよそ70〜12
0×10-7/℃のガラスまたはセラミックスの気密封着
に好適な低温封着用組成物を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、ガラスを安定化する効果があるTeO2を
導入したPbO−B2 O3 −TeO2 系ガラスを基本組
成とし、軟化点を上昇させるZnO,Al2 O3 ,Si
O2 の含有量を少量に制限して低温での流動性に優れた
封着材料とした。また、CuO,SnO2 ,GeO2 の
添加により熱膨脹係数を低く保ち、低膨脹フィラーの添
加量を低率に抑えることを可能としたものである。
するために、ガラスを安定化する効果があるTeO2を
導入したPbO−B2 O3 −TeO2 系ガラスを基本組
成とし、軟化点を上昇させるZnO,Al2 O3 ,Si
O2 の含有量を少量に制限して低温での流動性に優れた
封着材料とした。また、CuO,SnO2 ,GeO2 の
添加により熱膨脹係数を低く保ち、低膨脹フィラーの添
加量を低率に抑えることを可能としたものである。
【0008】すなわち、本発明は重量百分率で、PbO
60〜80%,TeO2 3〜25%,B 2 O 3 5〜1
3%,ZnO 0.5〜3%,Al2 O3 2〜4%,S
iO2 0.5〜2%(ただし、ZnO,Al2 O3 ,S
iO2 の合量は6%以下)の成分を含み、かつCuO,
SnO 2 ,GeO 2 のうち少なくとも一種の成分を含有
し、その含有量がそれぞれ重量百分率で、CuO 2〜
5%,SnO 2 1〜5%,GeO 2 1〜3%の範囲内に
あり、実質的にタリウムを含有しないことを特徴とする
低温封着用ガラスである。
60〜80%,TeO2 3〜25%,B 2 O 3 5〜1
3%,ZnO 0.5〜3%,Al2 O3 2〜4%,S
iO2 0.5〜2%(ただし、ZnO,Al2 O3 ,S
iO2 の合量は6%以下)の成分を含み、かつCuO,
SnO 2 ,GeO 2 のうち少なくとも一種の成分を含有
し、その含有量がそれぞれ重量百分率で、CuO 2〜
5%,SnO 2 1〜5%,GeO 2 1〜3%の範囲内に
あり、実質的にタリウムを含有しないことを特徴とする
低温封着用ガラスである。
【0009】また、被封着物との熱膨脹係数調整のため
上記低温封着用ガラスにチタン酸鉛、五酸化ニオブ、β
−ユークリプタイト、コージェライト、ジルコン等の低
膨脹セラミックスフィラーを体積百分率で20〜50%
となるように添加したものである。
上記低温封着用ガラスにチタン酸鉛、五酸化ニオブ、β
−ユークリプタイト、コージェライト、ジルコン等の低
膨脹セラミックスフィラーを体積百分率で20〜50%
となるように添加したものである。
【0010】
【作用】以下に本発明を構成するガラスの各成分の作用
と、その組成範囲を上記のように限定した理由を説明す
る。
と、その組成範囲を上記のように限定した理由を説明す
る。
【0011】PbOは低融点ガラスを構成するための主
要成分であり、60%より少ないと低融性が保てず、8
0%を越えるとガラスが不安定な状態となる。
要成分であり、60%より少ないと低融性が保てず、8
0%を越えるとガラスが不安定な状態となる。
【0012】TeO2 は上述のとおりガラスの安定化に
効果があり、またガラスの粘性を下げる成分として本発
明においては必須の成分であるが、3%未満ではその効
果が小さく、25%を越えると軟化点が上昇するととも
に熱膨脹係数が大きくなるので低温封着用ガラスとして
は実用的でない。好ましくは4%〜20%の範囲内であ
る。
効果があり、またガラスの粘性を下げる成分として本発
明においては必須の成分であるが、3%未満ではその効
果が小さく、25%を越えると軟化点が上昇するととも
に熱膨脹係数が大きくなるので低温封着用ガラスとして
は実用的でない。好ましくは4%〜20%の範囲内であ
る。
【0013】B2 O3 はガラスを安定にする効果がある
が、5%未満ではガラスが結晶化し、15%を越えると
軟化点が高くなり過ぎるとともに耐水性が悪化する。好
ましくは7%〜13%の範囲で使用する。
が、5%未満ではガラスが結晶化し、15%を越えると
軟化点が高くなり過ぎるとともに耐水性が悪化する。好
ましくは7%〜13%の範囲で使用する。
【0014】ZnOもガラスの安定化成分であるが、
0.5%未満ではその効果がなく、3%を越えると軟化
点が上昇し、流動性が悪くなる。
0.5%未満ではその効果がなく、3%を越えると軟化
点が上昇し、流動性が悪くなる。
【0015】Al2 O3 はガラスを安定化させ化学的耐
久性を高める効果があるが、2%未満ではその効果が小
さく、4%を越えると軟化点が高くなり過ぎる。TeO
2 を上記好ましい範囲を越えて含有させる場合、TeO
2 によるガラスの安定化効果の顕著性が薄れてくるた
め、比較的少ない含有量でガラスを安定にできるAl2
O3 は少なくとも2.2%以上含有させることが好まし
い。したがって、より好ましくは2.2%〜3.5%の
範囲である。
久性を高める効果があるが、2%未満ではその効果が小
さく、4%を越えると軟化点が高くなり過ぎる。TeO
2 を上記好ましい範囲を越えて含有させる場合、TeO
2 によるガラスの安定化効果の顕著性が薄れてくるた
め、比較的少ない含有量でガラスを安定にできるAl2
O3 は少なくとも2.2%以上含有させることが好まし
い。したがって、より好ましくは2.2%〜3.5%の
範囲である。
【0016】SiO2 は耐水性を向上させる成分である
が、0.5%未満ではその効果がなく、2%を越えると
軟化点が高くなるため好ましくない。
が、0.5%未満ではその効果がなく、2%を越えると
軟化点が高くなるため好ましくない。
【0017】ZnO,Al2 O3 ,SiO2 はいずれも
ガラスを安定化させる効果があるが、TeO2 の含有量
を高率にした場合には軟化点も高くなる傾向があるた
め、これら成分を合量で6%を越えて添加することはさ
らなる軟化点の上昇をまねき、本発明の上記目的の達成
を妨げる一因となるので、好ましくない。
ガラスを安定化させる効果があるが、TeO2 の含有量
を高率にした場合には軟化点も高くなる傾向があるた
め、これら成分を合量で6%を越えて添加することはさ
らなる軟化点の上昇をまねき、本発明の上記目的の達成
を妨げる一因となるので、好ましくない。
【0018】以上の成分に加えてCuO,SnO2 ,G
eO2 のうち少なくとも一種を上記範囲内で含有させる
ことにより、軟化点の上昇を伴わずにガラスの熱膨脹係
数を下げることができる。したがって、これら成分を加
えることにより、より低膨脹のガラスとすることがで
き、また低膨脹フィラーを添加する場合でもその添加量
を少量に抑えることができる。ただし、各成分とも1%
未満ではその効果が小さく、それぞれの上限値を越えて
含有させると、CuOはガラスが結晶化しやすくなり、
SnO2 はガラスの粘性が高くなり過ぎて、いずれも流
動性を損なう結果となるので好ましくない。またGeO
2 は原料が高価なため製品コストの上昇を伴うので多く
は使用できない。
eO2 のうち少なくとも一種を上記範囲内で含有させる
ことにより、軟化点の上昇を伴わずにガラスの熱膨脹係
数を下げることができる。したがって、これら成分を加
えることにより、より低膨脹のガラスとすることがで
き、また低膨脹フィラーを添加する場合でもその添加量
を少量に抑えることができる。ただし、各成分とも1%
未満ではその効果が小さく、それぞれの上限値を越えて
含有させると、CuOはガラスが結晶化しやすくなり、
SnO2 はガラスの粘性が高くなり過ぎて、いずれも流
動性を損なう結果となるので好ましくない。またGeO
2 は原料が高価なため製品コストの上昇を伴うので多く
は使用できない。
【0019】本発明においては上述のとおりチタン酸
鉛、五酸化ニオブ、β−ユークリプタイト、コージェラ
イト、ジルコン等の低膨脹セラミックスフィラー10〜
50%(体積百分率)をガラスに加えて使用することが
できる。封着時の流動性をより良くするためにはフィラ
ー添加量はできるだけ少ない方がよいので、マイナス膨
脹のチタン酸鉛、五酸化ニオブの使用が効果的である。
鉛、五酸化ニオブ、β−ユークリプタイト、コージェラ
イト、ジルコン等の低膨脹セラミックスフィラー10〜
50%(体積百分率)をガラスに加えて使用することが
できる。封着時の流動性をより良くするためにはフィラ
ー添加量はできるだけ少ない方がよいので、マイナス膨
脹のチタン酸鉛、五酸化ニオブの使用が効果的である。
【0020】これらフィラーの粒径は、流動性、気密封
着性を考慮すると20μm以下のものを使用することが
望ましいが、熱膨脹係数の小さなものに適用する場合に
は粒径20〜60μmのものを流動性を損なわない程度
に比較的低率の添加量で使用してもよい。この場合、マ
イナス膨脹のフィラー等を用いればフィラー添加量が2
0体積%未満であってもよい。本発明の上記ガラスに対
する好ましいフィラー添加量は、20〜50体積%であ
るが、下限値の20%はあくまでフィラー添加による熱
膨脹係数低減の効果が明確に現れる目安であり、実際に
は被封着物の熱膨脹係数との関係から適宜決定すればよ
い。ただし、50%を越えると流動性に悪影響を与える
ので、最大でも50%以下に抑える方がよい。
着性を考慮すると20μm以下のものを使用することが
望ましいが、熱膨脹係数の小さなものに適用する場合に
は粒径20〜60μmのものを流動性を損なわない程度
に比較的低率の添加量で使用してもよい。この場合、マ
イナス膨脹のフィラー等を用いればフィラー添加量が2
0体積%未満であってもよい。本発明の上記ガラスに対
する好ましいフィラー添加量は、20〜50体積%であ
るが、下限値の20%はあくまでフィラー添加による熱
膨脹係数低減の効果が明確に現れる目安であり、実際に
は被封着物の熱膨脹係数との関係から適宜決定すればよ
い。ただし、50%を越えると流動性に悪影響を与える
ので、最大でも50%以下に抑える方がよい。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。鉛
丹、酸化テルル、硼酸、亜鉛華、珪石粉、水酸化アルミ
ニウム、酸化銅、酸化錫、酸化ゲルマニウム、を表1な
いし表2に示す組成となるようにそれぞれ秤量・調合
し、これを白金ルツボに収容して電気炉中にて850℃
で1時間加熱・溶融した。融液は脱泡・均質化のため充
分に撹拌し、鉄板上に流し出した後、適当な温度で除
冷、粉砕して低融点ガラスを得た。
丹、酸化テルル、硼酸、亜鉛華、珪石粉、水酸化アルミ
ニウム、酸化銅、酸化錫、酸化ゲルマニウム、を表1な
いし表2に示す組成となるようにそれぞれ秤量・調合
し、これを白金ルツボに収容して電気炉中にて850℃
で1時間加熱・溶融した。融液は脱泡・均質化のため充
分に撹拌し、鉄板上に流し出した後、適当な温度で除
冷、粉砕して低融点ガラスを得た。
【0022】得られたガラスの熱膨脹係数(α)、ガラ
ス転移点(Tg)、屈伏点(Tc)と、ガラスの安定
性、流動性の評価結果を表中に示す。ここで、熱膨脹係
数は熱機械分析法を用いて30〜250℃の範囲で測定
した値を、ガラス転移点および屈伏点は示差熱分析(D
TA)法により求めた値を示してある。また、ガラスの
安定性は、示差熱分析のDTA曲線における結晶化ピー
クの有無から判定した。流動性については45μm以下
の粉末ガラスを用いて直径20mmのボタンに圧縮成形
し、これを400℃で10分間加熱してボタンの直径が
24mmより大きくなったものを良好と判断した。安定
性、流動性については以上の結果から良好なものを○、
不良なものを×で表中に示した。なお表中のガラス組成
は重量百分率で示してある。
ス転移点(Tg)、屈伏点(Tc)と、ガラスの安定
性、流動性の評価結果を表中に示す。ここで、熱膨脹係
数は熱機械分析法を用いて30〜250℃の範囲で測定
した値を、ガラス転移点および屈伏点は示差熱分析(D
TA)法により求めた値を示してある。また、ガラスの
安定性は、示差熱分析のDTA曲線における結晶化ピー
クの有無から判定した。流動性については45μm以下
の粉末ガラスを用いて直径20mmのボタンに圧縮成形
し、これを400℃で10分間加熱してボタンの直径が
24mmより大きくなったものを良好と判断した。安定
性、流動性については以上の結果から良好なものを○、
不良なものを×で表中に示した。なお表中のガラス組成
は重量百分率で示してある。
【0023】
【表1】
【表2】
【0024】表1のガラスは本発明の請求項1に対応し
た実施例、表2は比較例を示したものである。表1に示
すガラスは、いずれも熱膨脹係数が120×10 -7 /℃
以下であり、屈伏点も350℃を下回る低い値を示し、
安定性、流動性とも良好なガラスが得られた。
た実施例、表2は比較例を示したものである。表1に示
すガラスは、いずれも熱膨脹係数が120×10 -7 /℃
以下であり、屈伏点も350℃を下回る低い値を示し、
安定性、流動性とも良好なガラスが得られた。
【0025】これに対し、表2の試料No.3のガラス
は、TeO2 含有量が多いため、屈伏点、熱膨脹係数と
も高くなり、流動性が悪く実用的ではない。またTeO
2 を含まない比較例試料No.2では、ガラスの安定性
が悪く、封着時の熱処理によって結晶化しやすい等、比
較例のガラスでは安定性、流動性の両方を満足できるも
のは得られなかった。
は、TeO2 含有量が多いため、屈伏点、熱膨脹係数と
も高くなり、流動性が悪く実用的ではない。またTeO
2 を含まない比較例試料No.2では、ガラスの安定性
が悪く、封着時の熱処理によって結晶化しやすい等、比
較例のガラスでは安定性、流動性の両方を満足できるも
のは得られなかった。
【0026】表3は低膨脹フィラーを含む実施例を示し
たものである。表中のガラスNo.は表1ないし表2の
試料No.である。また、比較例として比較例No.1
のガラスを用いた場合の結果も併記した。
たものである。表中のガラスNo.は表1ないし表2の
試料No.である。また、比較例として比較例No.1
のガラスを用いた場合の結果も併記した。
【0027】
【表3】
【0028】表3の試料は、フィラーとしてチタン酸鉛
と五酸化ニオブを使用し、青板ガラスの封着用に熱膨脹
係数を調整したものである。いずれの試料も青板ガラス
の熱膨脹係数88×10-7/℃と近似した値を示してい
るが、比較例のガラスを用いたものは母材ガラスの熱膨
脹係数が高いため、調整に比較的多めのフィラーを必要
とした。
と五酸化ニオブを使用し、青板ガラスの封着用に熱膨脹
係数を調整したものである。いずれの試料も青板ガラス
の熱膨脹係数88×10-7/℃と近似した値を示してい
るが、比較例のガラスを用いたものは母材ガラスの熱膨
脹係数が高いため、調整に比較的多めのフィラーを必要
とした。
【0029】これらの粉末をペースト状に加工して、青
板ガラスのテストピースの間に塗布し、乾燥固化させた
後450℃で20分間加熱して冷却後の封着状態を観察
した。本発明に係る実施例は、封着部に失透やクラック
の発生もなく、また濡れ性がよいため封着部に気泡がな
く、2枚の青板ガラスはしっかりと封着されており、良
好な封着状態が観察された。これに対し、比較例では流
動性が悪く、封着面全体にガラスが行き渡っていなかっ
た。また残存泡や一部に結晶化した部分が認められ、2
枚の青板ガラスは簡単に剥がれてしまった。
板ガラスのテストピースの間に塗布し、乾燥固化させた
後450℃で20分間加熱して冷却後の封着状態を観察
した。本発明に係る実施例は、封着部に失透やクラック
の発生もなく、また濡れ性がよいため封着部に気泡がな
く、2枚の青板ガラスはしっかりと封着されており、良
好な封着状態が観察された。これに対し、比較例では流
動性が悪く、封着面全体にガラスが行き渡っていなかっ
た。また残存泡や一部に結晶化した部分が認められ、2
枚の青板ガラスは簡単に剥がれてしまった。
【0030】
【発明の効果】以上のように本発明の低温封着用組成物
は、有害物質であるタリウムを含有しないので、製造・
使用等の工程において粉塵飛散防止のための設備導入を
必要とせず、製品の取扱も容易となる。またガラス自体
の安定性が高く、流動性に優れているので、封着条件の
管理が容易で失透発生などによる封着部の強度不足等の
欠点を少なくできる。
は、有害物質であるタリウムを含有しないので、製造・
使用等の工程において粉塵飛散防止のための設備導入を
必要とせず、製品の取扱も容易となる。またガラス自体
の安定性が高く、流動性に優れているので、封着条件の
管理が容易で失透発生などによる封着部の強度不足等の
欠点を少なくできる。
【0031】また、ガラスの熱膨脹係数が小さいため、
ガラスのみの使用で比較的低膨脹の物品の封着にまで適
用でき、被封着体との熱膨脹係数を合わせるために低膨
脹フィラーを使用する場合でもその添加量を少なくで
き、フィラー添加後も優れた流動性を保持できる。
ガラスのみの使用で比較的低膨脹の物品の封着にまで適
用でき、被封着体との熱膨脹係数を合わせるために低膨
脹フィラーを使用する場合でもその添加量を少なくで
き、フィラー添加後も優れた流動性を保持できる。
【0032】したがって、本発明の低温封着用組成物
は、封着面における濡れ性が良好で、封着部に気泡やリ
ークを生じないので、ガラス、セラミックスあるいはこ
れら相互の気密封着に非常に好適である。
は、封着面における濡れ性が良好で、封着部に気泡やリ
ークを生じないので、ガラス、セラミックスあるいはこ
れら相互の気密封着に非常に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C03C 8/24 C03C 3/066 C03C 8/10
Claims (2)
- 【請求項1】 重量百分率で、PbO 60〜80%,
TeO2 3〜25%,B 2 O 3 5〜13%,ZnO
0.5〜3%,Al2 O3 2〜4%,SiO20.5〜
2%(ただし、ZnO,Al2 O3 ,SiO2 の合量は
6%以下)の成分を含み、かつCuO,SnO 2 ,Ge
O 2 のうち少なくとも一種の成分を含有し、その含有量
がそれぞれ重量百分率で、CuO 2〜5%,SnO 2
1〜5%,GeO 2 1〜3%の範囲内にあり、実質的に
タリウムを含有しないことを特徴とする低温封着用組成
物。 - 【請求項2】 チタン酸鉛、五酸化ニオブ、β−ユーク
リプタイト、コージェライト、ジルコン等の低膨脹セラ
ミックフィラーを体積百分率で10〜50%含むことを
特徴とする請求項1に記載の低温封着用組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5219180A JP2778012B2 (ja) | 1993-08-10 | 1993-08-10 | 低温封着用組成物 |
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