JP3157695B2 - 低温封着用組成物 - Google Patents

低温封着用組成物

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JP3157695B2
JP3157695B2 JP08174595A JP8174595A JP3157695B2 JP 3157695 B2 JP3157695 B2 JP 3157695B2 JP 08174595 A JP08174595 A JP 08174595A JP 8174595 A JP8174595 A JP 8174595A JP 3157695 B2 JP3157695 B2 JP 3157695B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C8/00Enamels; Glazes; Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions
    • C03C8/24Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions, i.e. for use as seals between dissimilar materials, e.g. glass and metal; Glass solders
    • C03C8/245Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions, i.e. for use as seals between dissimilar materials, e.g. glass and metal; Glass solders containing more than 50% lead oxide, by weight

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  • Glass Compositions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、400℃以下の温度で
封着することができる封着用組成物に関し、特にICセ
ラミックパッケージの封着に好適な低温封着用組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】低融点ガラスフリットは、ガラス、セラ
ミックスや金属の封着あるいは被覆のために広く使用さ
れている。半導体分野においても半導体チップをアルミ
ナ等のセラミックパッケージに気密封止する際に使用さ
れている。ICセラミックパッケージの封着に用いられ
る低融点ガラスフリットに求められる主な条件として
は、以下のようなものが挙げられる。 ICに悪影響を及ぼさないように低温で封着が可能で
あること。 絶縁特性を長期にわたり良好に維持するために耐水性
が良いこと。 熱膨張係数がセラミックパッケージのそれと一致して
いること。
【0003】これらのうち、封着温度の低温化は、年々
集積度が高まり微細化する回路保護のためにも強く望ま
れていることであるが、従来から知られているPbO−
23 系、PbO−B2 3 −Bi2 3 系のガラス
に低膨脹フィラー粉末を添加した封着用組成物は、低融
点化に限界があり、400℃以下での封着は困難なもの
であった。このほかに本発明者が特願平5-219180号とし
て提案したPbO−B2 3 −TeO2 系のガラスを用
いたものもあるが、これも封着には450℃程度の温度
を必要とする。
【0004】このため、400℃以下で封着可能な組成
開発が進められ、特開昭63-315536号公報に代表される
PbO−B2 3 −Tl2 O系組成物や、特開平5-9747
0 号公報に記載のPbO−B2 3 −Bi2 3 −F2
系組成物などが開発されてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭63-315536
号公報に記載のPbO−B2 3 −Tl2 O系低温封着
用フリットは、Tl2 Oの作用により封着温度を低くで
きるものの、有害物質であるタリウムを含むため、製造
時、封着作業時の各工程において粉塵の飛散防止などの
ための設備導入が必要となり、今後、使用製品の廃棄等
にともなう環境対策の面からも好ましくない。またこの
低温封着用フリットを構成するガラスは、アルミナ等の
セラミックスに比べて熱膨張係数が非常に大きいため、
熱膨張係数を整合させるために多量の低膨脹フィラーを
混合しなければならず、封着時の流動性を損なう欠点が
あった。
【0006】上記特開平5-97470 号公報に記載のPbO
−B2 3 −Bi2 3 −F2 系組成物は、ガラス中に
2 を含んでいるため封着時の熱処理においてF2 ガス
が発生する虞があり、環境衛生上の問題がある。またこ
の組成物は耐水性に難があり、長期間に渡る使用におい
て絶縁不良が起こりやすいことが懸念される。
【0007】本発明は、このような事情を考慮してなさ
れたもので、実質的にタリウム等の有害物質を含まず、
400℃以下の温度で短時間に気密封着することがで
き、かつ耐水性に優れた低温封着用組成物を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、PbO−B2 3 −Bi2 3 系ガラス
に、TeO2 を含有させて耐水性の向上を図るとともに
ZnO/TeO2 の質量比を制限し、ガラス自体の熱膨
張係数の増大を抑制したものである。
【0009】すなわち本発明は、質量百分率で、PbO
60〜85%,TeO2 1〜20%,B2 3 3〜1
2%,ZnO 2〜15%,Bi2 3 1〜15%,S
iO2 0〜2%からなる組成を有し、ZnO/TeO2
の質量比が0.3〜2の範囲内にある低融点ガラス粉末
50〜90体積%と、低膨脹セラミックフィラー粉末1
0〜50体積%からなることを特徴とする低温封着用組
成物である。
【0010】また、前記低膨脹セラミックフィラー粉末
として、チタン酸鉛、β−ユークリプタイト、コージェ
ライト、ジルコンから選ばれる1種または2種以上を使
用するものである。
【0011】
【作用】以下に本発明を構成するガラスの各成分の作用
と、その組成範囲を上記のように限定した理由を説明す
る。
【0012】PbOは低融点ガラスを構成するための主
要成分であるが、65%未満では十分な低融性が維持で
きず、85%を越えるとガラスが不安定な状態となる。
好ましくは65〜80%の範囲である。
【0013】TeO2 はガラスの耐水性向上に著しい効
果を示し、またガラスを安定化させる成分として本発明
に必須のものであるが、1%未満ではその効果が小さ
く、20%を越えると軟化点が上昇するとともに熱膨脹
係数が大きくなるため実用的でない。好ましくは3〜1
2%の範囲内である。
【0014】B2 3 はガラスを安定にする効果がある
が、3%未満ではガラスが結晶化してしまい、12%を
越えると軟化点が高くなり過ぎ、初期の目的を達成でき
ない。好ましくは5〜10%の範囲である。
【0015】ZnOは本発明のガラス系において、その
添加によりガラスの熱膨張係数を小さくする効果がある
が、2%未満ではその効果が十分でなく、15%を越え
るとガラスが結晶化する。また10%を越えると軟化点
が高くなる傾向があるので、好ましくは3〜10%の範
囲である。
【0016】Bi2 3 はその添加によりガラスの濡れ
性・溶融性を改善し、またガラスを安定化させる効果が
あるが、1%未満ではその効果が得られず、15%を越
えて含有させるとガラスの粘性が高くなりすぎる。好ま
しくは3〜10%である。
【0017】SiO2 は結晶化傾向を抑制し、ガラスを
安定化させる成分であるが、2%を越えて添加すると軟
化点が高くなるため好ましくない。
【0018】以上の組成を有する低融点ガラスにおい
て、本発明ではさらにZnOとTeO2 の質量比を0.
8〜2の範囲に制限している。これは、この2成分が上
記のようにガラスの熱膨張係数に大きな影響を与えるこ
とに基づいている。つまりTeO2 の含有によりガラス
の耐水性は大幅に改善されるものの、TeO2含量の増
加とともに熱膨張係数も高まるため、逆の効果を持つZ
nO含量との間でバランスさせて安定した使いやすい特
性のガラスを得るためである。ZnO/TeO2の質量
比が0.8未満であると、ガラスの熱膨張係数が大きく
なり過ぎる。ガラスの熱膨張係数があまり大きくなる
と、比較的低膨脹の材料を封着する際に膨脹係数を整合
させるために多量の低膨脹セラミックフィラーを混合す
る必要があり、これによって封着時の流動性が損なわ
れ、気密性、封着強度に悪影響を与えるため好ましくな
い。アルミナ等の半導体パッケージとの封着に用いる場
合には前記比は0.8以上とすることが望ましい。また
ZnO/TeO2の質量比が2を越えるとガラスが結晶
化してしまうので低融点ガラス粉末として使用できな
い。
【0019】以上の組成を有する低融点ガラスは、それ
自体ではアルミナ等のセラミックスに比べて熱膨張係数
が大きいため、低膨脹セラミックフィラーを混合して被
封着物と熱膨張係数を近似させて用いる。低膨脹セラミ
ックフィラーとしては、チタン酸鉛、β−ユークリプタ
イト、コージェライト、ジルコンから選ばれる1種また
は2種以上を使用し、上記低融点ガラスに10〜50体
積%加える。これら低膨脹セラミックフィラーの粒径
は、100メッシュの篩を通過したものであればとくに
問題なく使用できるが、封着対象物によって粒径を適切
に選択して使用することが好ましい。たとえば、被封着
物がアルミナや窒化アルミのように小さな熱膨張係数を
持つものの場合、粒径が100メッシュから200メッ
シュの篩の間にあるものを使用した方がフィラー添加量
を少なくできるため、封着温度の上昇をまねかない利点
がある。ただし、粒径の粗いフィラーを使用した場合に
はフリットの機械的強度が低下する虞があるので、フィ
ラーの粒径は封着時に要求される熱膨張係数や機械的強
度等の諸特性に応じて選択することが望ましい。
【0020】本発明において、低膨脹セラミックフィラ
ーの添加量が10体積%未満であると熱膨張係数を下げ
る効果が小さく、所望の値に調整することができず、4
5体積%を越えると封着時の流動性が悪くなり、気密性
や封着強度が損なわれる虞があるので好ましくない。好
ましい範囲は20〜45体積%、より好ましくは25〜
40体積%である。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。表
1に本発明の実施例を、表2に比較例を示す。
【0022】鉛丹、フッ化鉛、硼酸、酸化テルル、亜鉛
華、珪石粉、酸化ビスマスを表1、表2に示す組成とな
るように調合し、それぞれ白金るつぼに収容して電気炉
中で1000℃で1時間加熱した。融液は脱泡、均質化
のため充分に攪拌し、鉄板上に流し出した後、適当な温
度で徐冷した。その後、この低融点ガラスを粉砕し、ボ
ールミル等により45μm以下に微粉砕した。次にアル
ミナセラミックと熱膨張係数を整合させるため、各表に
示す混合率でセラミックフィラーを混合して封着用組成
物を得た。なお、混合したセラミックフィラーの粒径は
200メッシュの篩を通過したものを使用した。
【0023】得られた低融点ガラスおよびそれにセラミ
ックフィラーを混合した封着用組成物それぞれについ
て、熱機械分析法(TMA)により30〜250℃の範
囲における熱膨張係数を測定し、表中にα(×10-7/
℃)として示した。表中の封着温度(℃)は、封着用組
成物粉末により直径20mmのボタンを作成し、これを
加熱していきボタンが軟化してその直径が23mmを越
えた温度を記載した。
【0024】また、セラミックフィラーを混合していな
い低融点ガラスについて、ガラス転移点および耐水性を
測定し、これも表中に記した。ガラス転移点は示差熱分
析法(DTA法)によって求め、耐水性は日本光学硝子
工業会法に従い、中間粒度のサンプルを沸騰水中で1時
間煮沸し、その前後での重量の減量率で示した。
【0025】
【表1】
【0026】表1に示した実施例試料の耐水性は、低融
点ガラス組成にTeO2 を含有しているため、非常に良
い値を示している。これにより絶縁特性も長期間良好に
保たれる。セラミックフィラーを混合した封着用組成物
の熱膨張係数も67〜71×10-7/℃とアルミナセラ
ミックのそれと良く一致しており、この状態での封着温
度も実施例試料ではすべて400℃以下であった。
【0027】次に、これら封着用組成物をペースト状に
加工し、2枚のアルミナ板の間に塗布して400℃の温
度で15分間加熱保持し、冷却後の封着状態を観察し
た。表1に示すように本発明の実施例は、いずれの試料
においてもアルミナ板同士が強固に封着されており、封
着部にクラックや気泡の存在も認められず、封着状態は
良好なものと判断された。
【0028】これに対し、表2に示した比較例No.1
7は、ガラス組成にTeO2 を含まないため、耐水性が
極端に劣り、絶縁特性における信頼性が低いことが予測
される。18,19,22は、ガラス転移点(Tg)が
高く、この結果、セラミックフィラーとの混合物の封着
温度も高い値を示した。比較例No.20および23
は、ガラスの熱膨張係数が高いためアルミナとの整合に
多くセラミックフィラー添加を必要とした。比較例N
o.21,24は、安定なガラスが得られなかったた
め、その後の試験は行えなかった。
【0029】これらNo.21,24を除く比較例につ
いても実施例と同様にペースト状に加工し、2枚のアル
ミナ板の間に塗布して400℃の温度で15分間加熱保
持し、冷却後の封着状態を観察した。その結果、いずれ
の比較例も流動性が悪く、接着面が充分に濡れないた
め、簡単に剥がれてしまった。
【0030】なお、上記実施例では、アルミナセラミッ
クと熱膨張係数を整合するようにセラミックフィラーの
混合率を選択した例を示したが、これに限ることなく、
被封着物と熱膨張係数を近似できるように上記範囲内で
調整して使用できる。また、半導体セラミックパッケー
ジに限らず、低温での封着が要求される様々な用途に適
用可能である。特に本発明の低温封着用組成物は、絶縁
性に対する信頼性が高いので、半導体パッケージのほ
か、各種表示デバイスのパッケージやその他の電子部品
の封止にも好適する。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の低温封着
用組成物は、実質的にタリウム等の有害物質を含まない
ので、製造・使用の各工程で粉塵の飛散防止などのため
の設備導入を必要とせず、製品の取扱いも容易である。
【0032】また耐水性に優れているため絶縁特性に対
する信頼性が高く、400℃以下の低温での封着が可能
で、封着時の流動性にも優れているので、封着部に気泡
やリークを生ずることもない。したがって、高信頼性を
要求される電子部品などの封着に極めて好適するもので
ある。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量百分率で、PbO 65〜85%、
    TeO2 1〜20%、B23 3〜12%、ZnO
    2〜15%、Bi23 1〜15%、SiO2 0〜2
    %からなる組成を有し、ZnO/TeO2の質量比が
    0.8〜2の範囲内にあるガラス粉末55〜90体積%
    と、低膨脹セラミックフィラー粉末10〜45体積%か
    らなることを特徴とする低温封着用組成物。
  2. 【請求項2】 前記低膨脹セラミックフィラー粉末が、
    チタン酸鉛、β−ユークリプタイト、コージェライト、
    ジルコンから選ばれる1種または2種以上であることを
    特徴とする請求項1記載の低温封着用組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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