JP2777553B2 - マトリックス・バーナー - Google Patents

マトリックス・バーナー

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JP2777553B2
JP2777553B2 JP7109215A JP10921595A JP2777553B2 JP 2777553 B2 JP2777553 B2 JP 2777553B2 JP 7109215 A JP7109215 A JP 7109215A JP 10921595 A JP10921595 A JP 10921595A JP 2777553 B2 JP2777553 B2 JP 2777553B2
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burner
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    • F23MCASINGS, LININGS, WALLS OR DOORS SPECIALLY ADAPTED FOR COMBUSTION CHAMBERS, e.g. FIREBRIDGES; DEVICES FOR DEFLECTING AIR, FLAMES OR COMBUSTION PRODUCTS IN COMBUSTION CHAMBERS; SAFETY ARRANGEMENTS SPECIALLY ADAPTED FOR COMBUSTION APPARATUS; DETAILS OF COMBUSTION CHAMBERS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒素酸化物(NOx)
の排出が非常に少なく、広範囲の気体燃料の燃焼に用い
られる強力輻射バーナーに関する。本発明の新規な装置
は、ボイラ、湯沸かし器、産業用炉、及び高輻射エネル
ギを利用した気体燃焼機器のような他の装置において、
輻射バーナーとして使用することができる。この装置
は、発熱強度(calorific intensity) や当量比(equival
ence ratio) のような動作パラメータの広い範囲に亘っ
て動作し、NOx排出量は極く少ない。また、バーナー
表面から安定且つ均一で、高い輻射束を生成する。
【0002】
【従来の技術】予め混合された燃料(蒸気または気体)
と、空気または純粋な酸素との混合物の表面燃焼を行な
う種々のバーナーが、多孔性物質の使用に基づいて開発
されている。例えば、金属製マット、スクリーン、繊維
マトリックス(fiber matrix)、軟質または硬質セラミッ
ク・マット、或いはその他の構造を、その種バーナーの
一部として用いることができる。これらは、セラミッ
ク、金属支持部内またはそれらに密着して燃焼する予混
合火炎(premixed flame)を発生し、これらの支持部分を
白熱状態にまで加熱する。このようなタイプのバーナー
に齎らされる恩恵は、強力且つ均一な輻射束を得る一
方、NOxの排出が少ない高い効率の燃焼を可能とする
能力が得られることである。
【0003】公知の輻射バーナーで得られる燃焼は、通
常20,000BTU/h・ft2 (63kW/m2 )から 100,000
−200,000 BTU/h・ft2 (315-630 kW/m2 )まで
の発熱強度、並びに0.8 及び1.2 の間の当量比という狭
い範囲のものである。これらの範囲外の当量比では、炎
がマット表面から不安定に燃え上がり、結果的に炎全体
が燃え上がるため、表面が非輻射状態になる。当量比と
は、燃焼のために供給される空気の、燃料の完全な酸化
のために論理的に(化学量論的に)要求される空気量に
対する比である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】熱負荷が高いと、バー
ナーが輻射する当量比の範囲が狭まり、最終的には総て
の当量比において、炎は表面から垂直に上昇する(lift
off)。この現象の結果、燃焼量変更が難しいと云われ
る、公知の輻射バーナーの欠点が生じる。輻射バーナー
の多くは、固定燃料入力で動作可能となっており、他の
ものでも、燃焼量変更比は通常3:1以下である。これ
らのバーナーの幾つかに生ずる他の欠点には、フラッシ
ュバックの潜在的可能性の問題、大きな圧力低下、低い
機械的強度、熱衝撃に対する脆弱性、及び高いコストが
ある。
【0005】当量比が高ければ、低いNOx排出を達成
することができる。而し、機器は空気を過剰に加熱する
ので、これは非効率的である。より大きく高価な熱交換
機を用いて熱を回収することができるが、これではバー
ナーを用いる機器のコストを上昇させることになる。バ
ーナーの熱出力が増大するに連れて、NOxも増大する
ことは公知である。従って、NOxの排出を増大させず
に、加熱率(heating rate)を高めることが望ましい。こ
れは、例えば、より狭い空間に容量が大きく、而も安価
なボイラを収容することを意味する。
【0006】従って、シェル金属ファイバ(shell metal
fiber) やアルゼータ(Alzeta)のパイロコア(Pyrocore)
型ファイバ・マトリックスのような、従来のバーナーよ
りも安価で、広い範囲の燃料入力及び当量比に亘って多
量の輻射熱放出が可能で、而もNOx排出量が少ない多
孔性バーナーを提供することが望ましい。また、高い熱
衝撃耐性、適当な機械的強度を有し、 ・熱光電(TPV)発生器、 ・熱光電(TPV)駆動ボイラ、湯沸かし器等、 ・ボイラ、湯沸かし器等、 ・産業用炉、 ・その他の気体燃焼機器 を含む種々の用途のために、高い輻射出力を供給するバ
ーナーを開発することが望ましい。なお、このようなバ
ーナーの用途は、これらに限定される訳ではない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の好適実施例によ
れば、本発明の実施において、先進の放熱型マトリック
ス超低NOxバーナーが提供される。この種輻射バーナ
ーは、第1の多孔性物質から成る分配層を含み、その一
方の面は混合気を受ける。前記第1層の多孔度よりも高
い多孔度を有する第2の多孔性放射層が、前記第1層か
ら離間されて設けられ、これら層間に開放された燃焼
ための領域を形成する。混合気は、第1層の下流に、火
炎前面を維持するために、充分な速度で第1多孔性層に
供給され、これによって低温を維持し、バックラッシュ
を防止する。火炎前面は、層間または放射層の開放され
焼空間では安定する。層間の距離は、これを調整可
能とすることができる。これにより、互いに離間された
複数の多孔性放射層を設ける。外側(下流側)の放射層
は燃焼のための開放領域を有し、これを通じて、内側の
放射層からの輻射を行なうことができる。
【0008】実際には、本発明は、二次元放射層を複合
した三次元マトリックスである輻射バーナーを提供す
る。従って、放射層の各々は、二次元多孔性層から成
る。連続する各放射層の間には開放空間がある。混合気
は、放射層の上流側の多孔性分配層の上流面に供給され
る。混合気は、二次元多孔性層近く安定した炎を維持
するために、充分な速度が与えられる。離間された2層
以上のかかる放射層を用いることで、下流側の各連続層
は、それに先立つ上流側の層よりも、大きな燃焼のため
開放領域を有する。
【0009】湯沸かし器のような機器の一例では、バー
ナーは、多孔性構造の2層以上の別個の層を有する。第
の多孔性物質から成る分配層には、金属織布、セラミ
ック・ファイバまたは穿孔硬質セラミック材、金属マト
リックス、パンチメタル、または他の同様の材料を用い
ることができる。第2層(放射−安定器)は、燃焼の
ための開放領域が大幅に広く、例えば、耐熱金属スクリ
ーンのような異なる高耐熱金属、またはセラミックで作
ることができる。このように構成された放射−安定器
は、炎の安定のため、エネルギを輻射によってターゲッ
トに転移する手段として、そして炎領域からの熱の発散
のために用いられる。
【0010】1つの応用、即ち、熱光電発生(thermopho
tovoltaic generation) では、前記放射−安定器は、イ
ッテルビアのような超放射物質(superemissive substan
ces)で作ることができる。或いは、光電セルによる吸収
を最適化するような、選択された帯域の光子を放射する
ような物質を被覆することである
【0011】第1及び第2層における多孔度の関係は、
異なる燃料入力において、バーナーの高レベル輻射モー
ドを保持するために、制御を付加する手段となり得る。
層間のギャップ幅を、熱負荷を制御する手段として用い
ることができる。従って、他の新規な特徴は、多孔性層
間の少なくとも1箇所のギャップ幅を制御する手段を含
む。燃料入力を増やす時層間距離を広げ、燃料入力を
減少させるには、ギャップ即ち層間距離を狭める。
【0012】可撓性セラミック(セラミック・ファイバ
・マットのような)を用いる場合、軟質または脆弱な物
質の下に支持材を追加挿入し、積層体または複合構造
して形成する。
【0013】望ましければ、フラッシュバックに対する
保護を強化するために、第1層の内側、またはその下側
に、熱交換機を設けることもできる。場合によっては、
セラミック層の硬質支持部と熱交換機とを、1つの要素
に結合することも可能である。冷却材としては、バーナ
ーがボイラまたは湯沸かし器内で動作する場合、用役流
体(utility fluid) を用いることができる。熱光電(T
PV)の応用では、光電シンクからの出力水を冷却材と
して用いることができる。
【0014】フラッシュバックを回避する更に他の方法
として、第1多孔性層下部の空間にファイバグラス、ま
たは同様の物質を用いること、ファイバ・マトリック
ス、または支持要素の内側で抗フラッシュバック材を利
用すること、或はファイバ・マトリックス、または支持
要素を熱反射材塗布することが挙げられる。
【0015】本発明のこれら及びその他の特徴及び利点
は、以下の詳細な説明を添付図面と関連付けて参照する
ことによって理解を深めるに連れて認められよう。
【0016】
【実施例】図1は、燃料混合プレナム10を有する、先
進の放射型マトリックス、超低NOxバーナーの構造を
概略的に示す。パンチメタル11のような硬質支持部
が、プレナムの一方側にある。ガラスまたは酸化アルミ
ニウム・ファイバのような、セラミック・ファイバの軟
質多孔性層12が、パンチメタル11上に支持されてい
る。カンタル(Kanthal) のような耐熱物質の多孔性の放
射−安定層13が燃焼後室(post combustion chamber)
14に隣接する。前記の層12と13との間には、ギャ
ップ15(予燃焼室)が形成されている。これらの層1
2及び13間の距離は、ギャップ制御用ロッド16によ
って制御される。この柔軟性のある構造は、ギャップ
15の大きさの変更、層の多孔度の変更、または可動の
放射−安定層13の配置変更または置き換えによって、
特定用途に合うように容易に変更することができる。
【0017】天然ガスと空気のような、予め混合されて
いる混合気021が、送風機17によって、燃料混合プ
レナム10に送り込まれ、パンチメタル11及びセラミ
ック・ファイバのような軟質多孔性層12から成る
1層の孔構造を通過し、第2の多孔性の放射−安定層
13の表面上で点火される。炎は、この放射−安定
安定するが、この場合、炎の火炎前面は、ギャップ15
内で、または、放射−安定層13の表面上で発生する。
高温金属スクリーン、セラミック構造または複合体(com
posite) のような多孔性の放射−安定層13で形成され
る放射−安定器は、光エネルギを放射し始め、炎領域を
冷却し、温度を低下させて、その結果NOxの排出を抑
える。
【0018】通常の燃焼量変更範囲において、燃料入力
を補正する必要がある場合、この放射安定器を上下に動
かすギャップ制御ロッド16によって、多孔性層12と
13との間の可変ギャップ15の幅を調節することがで
きる。既存のバーナーが典型的に3:1の燃焼量変更比
を有するのに対して、この新規なバーナーは、10:1
もの燃焼量変更比を有する。固定された、または可変の
燃料入力で、従来の範囲に亘って、バーナーの輻射モー
ドを或る選択された当量比に保持したい場合にも、同一
の手順を行なえばよい。
【0019】このバーナーでは、燃焼の火炎前面が常に
第1層11の下流にある。火炎前面は、第2の層13
にあってもよいが、好ましくは層間の空間にあるのがよ
い。後に述べるように中間に多孔性層がある場合、火炎
前面は、中間の多孔性層内にあってもよい。
【0020】BTUレベルが高い場合、第1層と第2層
との間には、より多くの空間が必要となる。第1層11
が熱くなり過ぎると、フラッシュバックが生じ得る。ギ
ャップ制御用ロッド16によって、多孔性層の間のギャ
ップ15を変更調節すればよい。
【0021】第1層11は輻射を吸収し、その熱を混合
気に転移する。このように、第1の多孔性層11は、混
合気が火炎前面に達する前に、それを予備加熱する。
【0022】同様の構成が図2に示されている。ここで
は、図1において同一部分を識別する参照番号よりも1
00だけ大きな参照番号によって、同様の部分を説明す
る。本実施例では、ギャップ制御用ロッド116は、層
間のギャップを変化させるために、第1多孔性層を調節
する。更に追加された構造、即ち、第1の多孔性層11
2の頂部を被覆する反射被覆層27が示されている。こ
の反射被覆層27は、例えば、金、プラチナ、ローディ
ウム、酸化マグネシア、二酸化チタン、酸化アルミニウ
ム等の薄層であり、多孔性層112の表面に付着され
る。この構造は、放射安定器からの輻射熱の一部を反射
することにより、バーナーのフラッシュバックに対する
保護を強化するものである。
【0023】図3は、フラッシュバック保護用熱交換機
が、第1の多孔性層212の内側に挿入された、バーナ
ー構造の別の実施例を概略的に示す。パンチメタルのよ
うな硬質支持部211、水冷熱交換機39、及びセラミ
ック・ファイバ・マトリックスのような軟質多孔性と層
212の3部分総ては、真空形成技術によって、1つの
要素に一体化することができる。この構成により、フラ
ッシュバックの保護に関してバーナーの信頼性を強化す
ると共に、同時に湯を沸すことができる。
【0024】図4に概略的に示すように、中間反射器を
熱交換機と共に用いることによって、フラッシュバック
に対して更に保護を強化することも任意に可能である。
この装置は、混合気を受けるための燃料混合プレナム3
10を備えている。入力プレナム321の他方側に、水
を搬送する配管のような熱交換機41がある。金網42
がバーナー内の第1多孔性層として設けられている。可
変ギャップ315内で、第1多孔性層をなす金網42と
第2多孔性層45との間に、中間反射−乱流器(reflect
or-turbulizer)を有するフレーム43がある。中間反射
−乱流器は、回り止め(baffle)等を備え、ギャップを通
過する気体に乱流を生成する。中間反射−乱流器の回り
止めの一例には、気体流を振らせ乱流を生成する、捩れ
たリボンまたは波板が含まれる。中間反射−乱流器は、
火炎前面の安定に効果があると共に、気体のバーナー内
の滞留時間を長引かせることにより、熱転移を改善す
る。
【0025】本実施例では、反射物質を被覆した金属ス
クリーンのような輻射放射遮蔽体44もフレームに取り
付けられる。ギャップ制御用ロッド316を用いて第2
多孔性層45を動かし、可変ギャップ315の高さの配
を変化させる。中間層をなす輻射放射遮蔽体45は、
反射性物質で形成するか、或いは反射性物質を被覆する
ことができる。多孔性の放射−安定器層は、中間スクリ
ーン44と同一構造でもよいし、第1層の金網42より
も、多孔度が高く厚さが薄い耐高温物質で形成してもよ
い。本発明が熱光電(TPV)装置の一部として動作す
る場合、放射−安定器としての輻射放射遮蔽体45は、
光電セルによって容易に吸収される狭帯域放射を行な
う、酸化イッテルビウムのような超放射物質(superemis
sive materials) で作ることもできる。
【0026】放射−安定器としての輻射放射遮蔽体45
と、第1多孔性をなす金網42層との間に追加スクリー
ン44を挿入することによって、炎の安定性を改善し、
燃焼量変更比を高めることができる。放射−安定器とし
ての輻射放射遮蔽体45の下約12mmの所に、中間反射
−乱流器を備えたバーナーは、可変ギャップ315を約
30乃至35mmに固定した場合でも、炎の安定性に問題
を生じることなく、100,000 乃至1,070,000 BTU/h
・ft2 (315 乃至375 kW/m2 )(10:1よりも大き
な燃焼量変更比)で動作する。
【0027】好適な実施例では、層間のギャップの幅
は、連続放射層間のギャップの幅と比較すると、多孔性
物質層による分配層としての第1放射層及び第1放射層
の間では比較的大きい。例えば、多孔性物質層による分
配層と第1放射層との間のギャップは、約20乃至35
mmの範囲とすることができる。連続放射層間のギャップ
は、約5乃至12mmの範囲である。一般的に、加熱率が
高ければ、ギャップも広い。
【0028】図4または図7〜図9に示すような、多数
の放射層を有するバーナーは、非常に効率よく輻射エネ
ルギを放射し、NOxの排出は少ない。従来のファイバ
・マトリックスまたはその他の多孔性バーナーでは、火
炎前面は通常多孔性マトリックスの表面近くに生じる。
多孔性マトリックスの外面は高温にまで加熱され、エネ
ルギを輻射する。多孔性マトリックス・バーナーは、不
透明であると効果的であり、その表面または表面から限
られた深さから輻射を行なう。
【0029】1枚以上の多孔性物質層を有するバーナー
が、多数二次元放射層として、本発明の実施において提
供される。一例としてのバーナーは、2層のカンタル金
網を、多孔性物質層からなる分配層より下流側に有す
る。これを通って、気体がバーナーに導入される。通
常、燃焼は第1多孔性放射層において開始し、第2多孔
性層にて継続する。第1層の上流では、気体の速度は、
燃焼前面(combustion front)の速度よりも高い。第1放
射層における燃焼によってこの層を高温にまで加熱し、
燃焼の大部分が第1放射層の近くで生じる。燃焼は第1
放射層より下流でも継続するが、第1放射層におけるよ
りも気体の温度が低いので、燃焼も低い率で生じると考
えられる。第2層は、燃焼と第1層から吸収された輻射
とによって加熱される。この場合、結果的に得られる高
温によって、第2層至近における燃焼が促進される。
【0030】本実施例では、第2放射層の多孔度は第1
放射層よりも高い。第2放射層は充分な燃焼のための
放領域を有するので、第1放射層からの多量の光がここ
を通って放射される。第2放射層によって吸収された光
が再度放射され、その内の幾らかは、第1層に放射し返
され、それが更に反射または吸収されて、再度放射され
る。
【0031】このように、前述の輻射バーナーは、層間
に空間を設けた多層多孔性バーナーである。多孔性マト
リックス・バーナーにおけるように、最外側層からだけ
ではなく、各層から輻射が可能である。多層多孔性バー
ナーでは、燃焼の主要部分が各多孔性層で生じ、層間で
生じる燃焼は少ないので効率が高い。各層が効果的に輻
射することができるので、広い燃焼量変更範囲に亘っ
て、ピーク炎温度を最低に抑えることができ、しかもN
Oxの放射の最少に抑えることができる。
【0032】輻射に対してより透明であることに加え
て、ある実施例では、第2放射層の質量が第1放射層よ
りも少ないことも望ましい。望まれるのは、熱がバーナ
ーから除去される場所に隣接して熱を発生することであ
る。これは放射層において生じ、バーナーの種々の層か
ら輻射される熱を最大に高めることが望ましい。複数の
二次元層を有する多層バーナーまたはバーナー構造体で
は、連続する層で発生された熱が効果的に輻射熱に変換
される。これによって、広い燃焼量変更範囲に亘って、
略均一な温度を保持することができる。従って、提供さ
れるのは、互いに短い距離だけ離間された、複数の二次
元多孔性層で構成された三次元多孔性マトリックスであ
る。バーナーを通過する気体流の方向に、ワイヤ、スク
リーンまたは同様の輻射構造を設けることによって、バ
ーナーの三次元構造を強調することができる。このよう
な構成が図10に示されている。ここでは、ガス流の方
向に平行に、複数の金属性脚部をなす鋼製フレーム24
及び金網状のカンタル・スクリーン26のストリップが
設けられている。
【0033】前述した二次元層は、認識可能な厚さ及び
質量を有することができる。これらは多孔性マトリック
ス自体と考えることもできるが、その多孔度は、例えば
ファイバ・マトリックス・バーナーよりは遥かに大き
い。各層では、約30乃至90%の燃焼のための開放領
域が適している。個々の層の厚さは数ミリメートルとす
ることができる。比較的厚い二次元層を用いて、マトリ
ックス・バーナーを形成した場合を、以下に説明し、図
14に示す。
【0034】一例としてのバーナーは、比較的低い多孔
度の分配層を上流端に有する。これは8乃至10%とい
う低い多孔度と認識可能な厚さを有するので、この分配
層によって大幅な圧力低下が生じる。この分配層の下流
にある放射層の多孔度は約30乃至90%である。従っ
て、これら放射層各々における圧力低下は比較的少な
い。
【0035】互いに離間された複数の二次元放射層とし
ての三次元マトリックス・バーナーの説明は、図4に示
すような放射層を2層で構成した場合に沿って進めてき
た。更に放射層を追加して、以下に説明し図9に示すよ
うな三次元バーナーを構成してもよいことは認められよ
う。
【0036】高い熱束を得ると同時にNOx生成物を少
なくすることが望まれる場合、分配層から下流側にある
連続放射層の多孔度を連続的に高める。これらの層の多
孔度を示すには、気体が層を通過する際の背圧を用い
る。表1は、数種類の物質に対して、1時間当たりの標
準平方フィートで表した気体流速の関数として、背圧を
インチ単位の水柱で示したものである。試験は、周囲温
度及び雰囲気圧の下で行なわれ、流動領域(flow area)
は、7平方インチであった。データは、高温では圧力低
下が起こる可能性を示唆しているが、気体の高い流速、
燃焼反応、及び多孔性スクリーンに隣接する高温のため
に、その圧力低下はより複雑となる。
【0037】
【表1】
【0038】この表の第1段は、気体流を妨げる層が全
くない開放バーナーの場合である。最も背圧が少ない
層、即ち多孔度が最も高いのは、カンタル・スクリーン
であり、約64%の燃焼のための開放領域を有する。こ
の試験は、耐熱スクリーンからの如何なる背圧の影響を
も測定できる程感度はよくない。他の相応しい放射層に
は、約33%の燃焼のための開放領域を有する穿孔ジル
コニア・フェルトから成るものがある。これについては
後述する。ジルコニア・フェルトは、カンタル・スクリ
ーンよりも僅かに高い背圧を示す。ネクステル312(N
extel 312)として知られている網状セラミック織物(wov
en ceramic fabric)は、分配層として適しており、これ
については後述する。ネクステル312はアルミナ−ボ
リア−シリカ・ファイバ(alumina-boria-silica fiber)
の織布である。この織布は、いずれの放射層よりもかな
り高めの背圧を有する。好適な前記分配層の実例として
は、標準耐熱金属ファイバのオランダ撚り綾織物(stran
ded Dutch-twill)を含む。これによれば、この綾織物の
多孔度は低く(10%の多孔度と推測される)、表1か
ら解るように、高い背圧を有する。
【0039】外側の放射層と分配層(図7,8,9にお
いて符号5をもって示した)との間の第3層と比較し
て、外側の放射層程の多孔度が増大するという配置の例
外が、光電セルによってエネルギを回収する実施例であ
る。この実施例では、最も効率的に輻射エネルギをフォ
トセルに転移するための最外側層(1層または複数層)
が、高温となることが望ましい。このように温度を上昇
させるには、下流側の層(複数)の多孔度を上流側の層
(複数)の多孔度よりも小さくする。
【0040】本発明は、NOxの放射に関して、公知の
輻射バーナーに対して有意義な利点を有する。図5は、
異なる燃料入力速度におけるセラミック・ファイバ・バ
ーナーからのNOx排出量(ppm )と当量比との関係を
示す。NOx放射量についてプロットした値は、南カリ
フォルニア空気量管理地区(Southern California AirQu
ality Management District) (SCAQMD)によっ
て規定された要件に従って示したものである。この計算
は、測定されたNOxの濃度の3%酸素に対する補正に
基づいており、1.17即ち17%過剰空気の当量比に対応
する。3%酸素に対する補正は次の式によって行なうこ
とができる。
【0041】NOx(3%O2 におけるppm )=NOx
(X%におけるppm )・(20.9-3)/(20.9-X)、ここ
で、XはO2 の測定濃度である。例えば、図5におい
て、当量比1.5 及び熱消費率(heat rate)400,000BTU
/h・ft2 の場合のNOx濃度は、19ppm として示さ
れている。実際のNOx濃度は、19ppm を 1.5:1.17
の比率で割ることによって得られ、14.8ppm のNOx濃
度となる。3%O2 希釈(dilution)に正規化したNOx
値は、NOx及び実際の酸素濃度を測定した後にこの手
順の逆を行なうことによって求められる。
【0042】本発明のバーナーの同一パラメータを図6
に示す。図5及び図6に提示されたデータを分析するこ
とにより、燃料入力が約100,000 BTU/h・ft2 (31
5 kW/m2 )以下の場合に、セラミック・ファイバ・バ
ーナーは、当量比の全区間で使用可能であることが示さ
れる。この場合のNOx放射量は、20ppm を超えない
ので、SCAQMDの要件を満足する。燃料入力が200,
000 BTU/h・ft2(630kW /m2 )では、これらの
バーナーからのNOx排出量は、当量比が1.3よりも大
きい場合に、SCAQMDの標準を満足し、400,000 B
TU/h・ft2(1.26mW/m2 )では、当量比が1.45よ
り大きい時だけSCAQMDの標準を満足する。
【0043】当量比を高めると、増大する熱の損失のた
めに、ボイラや湯沸かし器の効率が低下する。本発明の
バーナーでは、当量比の総ての領域で、燃料入力が約16
0,000 乃至200,000 BTU/h・ft2 ( 500〜 630kW/
2 )の場合、発生するNOxは30ppm 未満であり、
当量比が1.3 よりも大きい場合に、700,000 BTU/h
・ft2 (2.2mW /m2 )までの試験した燃料入力総てに
ついて、SCAQMDの要件を満足する。この燃料入力
において、バーナーを試験した結果、この加熱速度で
は、約60ppm のNOx出力が示された。当量比が1.2
で、流速が2,000,000 及び3,000,000 BTU/h・ft2
の間にある場合に、NOxの出力は30ppm に低下し
た。従って、本発明を用いることによって、気体燃焼機
器の熱容量を大幅に増大させ、コストを低減し、而も同
時にNOxの放射量を減少させることができる。
【0044】図7は、高燃焼密度実験室バーナーの第1
の構造を概略的に示す。このバーナーは、バーナー・ト
レイ1、厚さ1/8インチ(3.2mm )のアルミナ・フェ
ルトで作られた密閉フレーム3、パンチメタルの支持層
4、綾織りカンタル・ワイヤの多孔性の分配層5、鋼製
フレーム(厚さ1/4インチ(6.35mm))、カンタルA
F(約3インチ×4インチ(75×100mm )、ワイヤ=0.
200 インチ(0.5mm )、1インチ(2.5cm )当たり10網
目)で作られ4本のセラミック製脚部7を基礎とする放
射器8から成る。排気ガスから周囲空気を分離するため
に、石英管9が、バーナーの頂部に設置されている。バ
ーナーの開放領域の寸法は、2インチ×3.5 インチ(5
×9cm)である。第1の分配層5と放射器8との間のギ
ャップは、約0.7 インチ(18mm)である。第1の分配層
5は、撚り綾織で作られる。
【0045】カンタルAFスクリーンが放射器8として
用いられている。カンタルAFは、コネクチカット州、
ベゼルのカンタル・コーポレーション(Kanthal Corpora
tion) からワイヤまたはその他の形状で入手可能な鉄−
クローム−アルミニウム合金である。カンタルAFの基
準組成は、22%クローム、5.3 %アルミニウム、及び
残りが鉄である。他の適した合金には、カンタルAPM
やカンタルA−1が含まれる。これらはアルミニウムの
含有量が5.8 %であることを除いて、同様の組成であ
る。これらのカンタル合金は、1400℃までの連続動作温
度を有する。他の高温耐酸化合金を用いてもよい。
【0046】火炎前面は、第1の綾織の分配層5及び第
2のカンタル・スクリーン放射器8の層の間に位置す
る。第1の綾織の分配層5の開放領域は非常に少なく、
僅かに約10%に過ぎず、織布の性質のため略不透明に
見える。一方、スクリーンは、約64%の開放領域と3
6%のワイヤとを有する。試験は総て天然ガス(本質的
にメタン)と空気を用いて行なわれた。
【0047】以下に燃料変数の範囲を記す。
【0048】1.具体的な燃料入力 − 150,000 乃至
700,000 BTU/h・ft2 (0.47乃至2.2mW /m2 )。
後に、SFIを2,000,000 BTU/h・ft2 (6.3mW /
2 )として、このバーナーを試験した。
【0049】2.当量比 − 1.05乃至1.60。
【0050】この条件におけるNOxの発生を図6に表
す。
【0051】セラミック・ファイバ・バーナーを用いた
図5の特性及び本発明のバーナーによる特性を示した図
6からのNOx排出量の比較すると、本発明の新規なバ
ーナーの有利性が示される。SCAQMDの要件は30
ppm であり、新規なバーナーは、SFIが最大の700,00
0 BTU/h・ft2 (2.2mW /m2 )でも、λ 1.25で
この制限を満足する。セラミック・ファイバ・バーナー
では、新規なバーナーの約1/3乃至1/5のSFI
(200,000 BTU/h・ft2 (0.63mW/m2 ))の場合
に、λ 1.3 でSCAQMDの要件を満たす。これが意
味するのは、新規なバーナーはNOxの排出量を大幅に
低減することができる、或いは、NOxの排出量を増大
させることなく、ボイラ、湯沸かし器、及び気体燃焼機
器の熱容量を劇的に増大させることができるということ
である。
【0052】燃焼量変更比は約 4.7:1に達し、これ
は、従来の輻射バーナーの燃焼量変更比よりも格段に高
い(従来は3:1未満)。その後、100,000 BTU/h
・ft2(315kW /m2 )から1,000,000 BTU/h・ft
2 (3.15mW/m2 )で、燃焼量変更比を10:1にまで
高めるに至った(NOxの測定はしていない)。典型的
に、従来のセラミック・ファイバ・バーナーの最も高い
SFIは、150,000 乃至200,000 BTU/h・ft2 (47
0 乃至 630kW/m2 )である。分配層5と放射器8の層
との間のギャップ幅を0.7 インチから1.7 〜1.8 インチ
に広げた後では、2,200,000 BTU/h・ft2 (6.9mW
/m2 )よりも高い最大SFIに達した。
【0053】バーナーの性能において行なった次の改善
は、多層構造の形成であり、これを図8に示す。このモ
デルを#1と呼ぶことにする。ここでは、同じバーナー
・トレイ1、アルミナ・ファイバ・フェルト密閉フレー
ム3、鋼製フレーム6、及び石英管9を用いている。撚
り綾織りの代わりに、網状セラミック織物、ネクステル
312を、第1の多孔性分配層5として用いる。ネクス
テル312はアルミナ−ボリア−シリカ・ファイバの網
状織物である。直径1/8インチ(3.2mm )のワイヤと
穿孔ジルコニア・フェルト層19で作られた鋼製フレー
ム18を第2層即ち第1放射器として用いる。ここで用
いられる材料は、ニューヨーク州、フロリダのジルカー
プロダクツ(Zircar Products) から入手可能なタイプ
ZYF50ジルコニア・フェルトである。この材料は、
厚さが0.05インチ(1.3mm )、多孔度が96%空隙のジ
ルコニア・ファイバのフェルトである。ジルコニア・フ
ェルトの開放領域を更に広げるために、ブランク(blan
k) のような穿孔金属を用いてフェルトを穿刺した。穿
設された孔は、直径3/16インチ(4.8mm )の丸い孔で
あり、5/16インチ(8mm)の心板(center)上でジグザ
グ状の列をなしており、フェルトに約33%の開口部を
形成した。
【0054】鋼性フレーム18の下に穿孔ジルコニア・
フェルトを配置し、ネクステル312セラミックの単一
ファイバでこのジルコニア・フェルトをフレームに締結
することによって、第1放射器を作成した。この構造
は、放射器の物質の多くを高温領域に配し、フレームか
らより多くのエネルギを消散させて、NOxを更に低減
する。第2の変更点は、フレーム領域に用いる構造を厚
くし、1100℃未満の温度範囲以内において、バーナーが
下流の2つのカンタル・スクリーン放射器20を動作可
能にしたことである。2層のカンタル放射層は、セラミ
ック・ブロック21上で支持されている。
【0055】SFIを1,400,000 BTU/h・ft2 乃至
1,500,000 BTU/h・ft2 (4.4乃至4.7mW /
2 )、当量比を1.03から1.65の範囲で、このバーナー
を試験した。試験結果を図11、図12及び図13に示
す。
【0056】図11は、本構造のセラミック・ファイバ
・バーナーに対する有意義な利点を示している。新規な
バーナー(#1)は、SFIが約1,400,000 BTU/h
・ft2 乃至1,500,000 BTU/h・ft2 (4.4 乃至4.7m
W /m2 )でも、λ 1.2 で、30ppm のNOx放射量
というSCAQMDの要件を満たす。同時に、セラミッ
ク・ファイバ・バーナーからのNOx放射量は、200,00
0 BTU/h・ft2 (630kW /m2 )(即ち、熱出力が
1/7.25)の場合でさえ、60ppm (2倍多い)であ
り、400,000 BTU/h・ft2 (1.26mW/m2 )(熱出
力が1/3.6 )の場合で約140ppm (6.3mW /m2
(4.7 倍多い)である。図面に用いた単位は、バーナー
面積1平方フィート当たりの百万BTU/時間である。
【0057】図12は、炎におけるNOxの形成を、バ
ーナー#1と第1の高燃焼密度構造との間で比較した場
合を示す。30ppm 未満のNOx放射量は、高燃焼密度
構造と略同じλで達成されているが、バーナー#1の方
が遥かに高いSFIを有する。
【0058】図9は、前述と同じバーナーに、炎領域か
ら熱を除去する手段を更に備えた場合を示す。これをバ
ーナー#2と呼ぶことにする。これは、同じバーナー・
トレイ1、アルミナ・ファイバ・フェルトの密閉フレー
ム3、分配層5としての網状織物のネクステル312、
鋼製フレーム18、鋼製フレーム18と穿孔ジルコニア
・フェルト22で作られた第1放射器、及び2層のカン
タル・スクリーン放射層をもって放射器23が構成され
ている。前記鋼製フレーム穿孔ジルコニア・フェルト2
2で構成された放射器と、カンタル・スクリーン放射器
23との間に、更に別の放射器構造が挿入されている。
この新たな放射器構造は、鋼製フレーム24に、直径1.
3mm のカンタル・ワイヤ25と、図10に示す気体流の
方向に平行な3枚のカンタル・スクリーン26とを加え
て形成されている。フレーム24の頂部は、1枚のカン
タル・スクリーン28(放射器23の場合と同一物質)
で被覆されている。
【0059】SFIを約1,400,000 BTU/h・ft2
至1,500,000 BTU/h・ft2 (4.4 乃至4.7mW /
2 )、及び1,600,000 BTU/h・ft2 乃至1,800,00
0 BTU/h・ft2 (5.05乃至5.67mW/m2 )として、
このバーナーを試験した。試験結果を図11、図12及
び図13によって示す。このバーナーからのNOx放射
量は、バーナー#1で得られた量に近く、NOxの放射
量、放射器の最高温度、背圧、及びSFIに関して、各
放射器のサイズ及び放射層間の距離を最適化することが
可能であることを示している。
【0060】図14は、比較的厚い放射層を有する実験
的バーナーの他の実施例を示す。このバーナーは大きな
T字管220上に組み立てられている。燃焼混合気は、
T字管の支線から導入される。1/2インチのNPT鋼
製管熱交換機221が、バーナー上の高温帯を縦方向に
貫通している。この熱交換機は、13mmの銅製配管22
2に連結され、これがT字管220の全長に亘って延在
する。
【0061】T字管220の管路の上端には、上述のよ
うなネクステル312織物の分配層223がある。この
分配層223の上には、6層224,227〜231の
放射層がある。最初の放射層224は、分配層223の
ネクステル312織物から約1センチメートル離間され
ている。個々の放射層224,227,228……は、
互いに約1センチメートル離間されている。
【0062】第1放射層224は、螺旋状に巻回した直
径6ミリメートルの金属ロッドを含み、これが熱交換機
周囲に緊密に、そして高温帯を包囲するガラス製囲い板
226近くに嵌め込まれる。螺旋の外形は約14センチ
メートルである。螺旋のターン間の間隔は約1センチメ
ートルである。第2放射層227は、第1放射層と幾ら
か似ている。これは、直径3ミリメートルの螺旋状高温
溶融金属を、平面螺旋に巻回して構成されている。サイ
ズ及び間隔は第1放射層とほぼ同一である。
【0063】次の放射層228は、約2ミリメートルの
厚さの耐熱金属から成り、これに直径2.5 ミリメートル
の孔を穿設し、開放領域が約40乃至50%となるよう
にしたものである。第4放射層229は、直径2ミリメ
ートルのワイヤの同心円リングから成り、最外側のリン
グは直径約14センチメートル、最内側のリングは熱交
換パイプ221周囲に密接に嵌合している。放射状に延
びるワイヤが同心円状リングを支持する。
【0064】最後の2層の放射器230及び231は、
各々上述の様な金属スクリーン・ワイヤから成る。ワイ
ヤの直径は、約0.5 ミリメートルで、各方向に1センチ
メートル当たり約4個の開口がある。
【0065】このバーナーは、燃料入力を1,500,000 B
TU/h・ft2 で運転した時、約1.1 という少ない当量
比で、30ppm 未満の補正されたNOx出力を示した。
NOx出力は、当量比が1.05では、約40ppm に過ぎな
かった。
【0066】上述のバーナーの有意義な利点は、SFI
が非常に高く、NOx放射量を極く低く抑え、低コスト
でしかも信頼性の高い輻射バーナーを設計する機会を与
えることである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理によって構成されたバーナーを示
す概略縦断面図。
【図2】図1に示したバーナーの他の変更例を示す概略
縦断面図。
【図3】図1及び図2に示したバーナーの他の実施例を
示す概略縦断面図。
【図4】多数の放射層を有するバーナーを示す概略縦断
面図。
【図5】種々のバーナーのNOx排出を、加熱率と当量
比との関数として示すグラフ。
【図6】種々のバーナーのNOx排出を、加熱率と当量
比との関数として示すグラフ。
【図7】実験的バーナーを示す概略断面図。
【図8】実験的バーナーの第2実施例を示す概略縦断面
図。
【図9】実験的バーナーの他の実施例を示す図。
【図10】図9のバーナーに用いたフレームとスクリー
ンとの配列構成を示す斜視図。
【図11】種々のバーナーのNOx排出を、加熱率と当
量比との関数として示すグラフ。
【図12】種々のバーナーのNOx排出を、加熱率と当
量比との関数として示すグラフ。
【図13】種々のバーナーのNOx排出を、加熱率と当
量比との関数として示すグラフ。
【図14】3,000,000 BTU/h・ft2 という加熱率を
達成した、他の実験的バーナーの概略横断面図。
【符号の説明】
1 バーナー・トレイ 3 遮蔽フレーム 4 支持層 5 多孔性の分配層 6 鋼製フレーム 7 脚部 8 放射器 9 石英管 10 燃料混合プレナム 11 パンチメタル 12 軟質多孔性層 13 多孔性放射−安定層 14 燃焼後室 15 ギャップ 16 ギャップ制御用ロッド 17 送風機 18 鋼製フレーム 19 ジルコニア・フェルト層 20 カンタル・スクリーン放射器 21 セラミック・ブロック 22 穿孔ジルコニア・フェルト 23 カンタル・スクリーン放射器 24 鋼製フレーム 25 カンタル・ワイヤ 26 カンタル・スクリーン 27 反射被覆層 28 カンタル・スクリーン 39 水冷熱交換機 41 熱交換機 42 金網 43 フレーム 44 追加スクリーン 45 輻射放射遮蔽体 021 混合気 220 T字管 221 鋼製管熱交換機 222 銅製配管 223 分配層 224 放射層 226 囲い板 227 放射層 228 放射層 230 放射層 231 放射層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マーク ケイ.ゴールドスタイン アメリカ合衆国,92014 カリフォルニ ア州,デルマー,デル マー ハイツ ロード 2248 (56)参考文献 特公 昭38−21670(JP,B1) 実公 昭42−4950(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F23D 14/14 F23C 11/00 F23D 14/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1多孔性物質層と、 前記多孔性物質層の一方の面に混合気を送出する手段
    と、 前記第1層の多孔度よりも高い多孔度を有する第2の二
    次元多孔性物質層と、 前記第1及び第2層間の開放燃焼領域空間と、前記第1及び第2層間の間隔を調節する手段と から成る
    ことを特徴とするマトリックス・バーナー。
  2. 【請求項2】 混合気を分配する三次元多孔性気体分配
    層と、 前記分配層より下流側にある複数の二次元多孔性層から
    成り、前記多孔性層の少なくとも一部は狭帯域の放出を
    行う超放射(superemissive) 物質からなる、放射層の三
    次元マトリックスと、 前記放射層の各々の間の開放された燃焼のための空間領
    域と、 前記二次元多孔性層近くに火炎前面を維持するために、
    充分な速度で混合気を前記多孔性分配層の上流面に供給
    する手段とから成ることを特徴とするマトリックス・バ
    ーナー。
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