JPH08219553A - 輻射変換及び放射装置 - Google Patents

輻射変換及び放射装置

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JPH08219553A
JPH08219553A JP2489995A JP2489995A JPH08219553A JP H08219553 A JPH08219553 A JP H08219553A JP 2489995 A JP2489995 A JP 2489995A JP 2489995 A JP2489995 A JP 2489995A JP H08219553 A JPH08219553 A JP H08219553A
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radiation
heat exchanger
spiral
combustion chamber
cylindrical
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Shigenao Maruyama
重直 圓山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃焼排気ガスのエネルギーを有効利用して、
排気ガスのエネルギー損失と出口温度を低下させ、熱伝
導及び対流による熱損失を低減することによって、燃料
の燃焼エネルギーを高効率で輻射エネルギーに変換して
放射するコンパクトな輻射変換及び放射装置を提供す
る。 【構成】 空気取り入れ口(7)と、排気出口(8)
と、スパイラル形熱交換器であって2重螺旋ガス流路の
外側端部に設置された開放端(5)及び(6)を持つ熱
交換器(1)と、2重円筒形の燃焼室(4)を構成する
円筒形外缶(3)とで構成される輻射変換及び放射装置
で、スパイラル熱交換器(1)を通り燃焼室(4)に流
入する空気又は空気と燃料ガスとの予混合ガスを開放端
(6)を介してスパイラル熱交換器(1)を通り流出す
る高温の燃焼排気ガスで加熱する手段を有することを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スパイラル形熱交換器
を用いて空気又は予混合ガスを高温の燃焼排気ガスによ
って予熱し、かつ、各種の熱損失を低減させる事によっ
て、燃料の燃焼エネルギーを効率良く熱輻射に変換し、
暖房や各種物体の赤外線加熱を行う、輻射変換及び放射
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】大型空間や室内の局所暖房および、各種
物体の加熱や暖房で広く用いられている赤外線による物
体の加熱は、空気などの介在物を必要とせず直接物体を
加熱できる利点がある。炭や反射型ストーブなどが古く
から使用され、電気ヒータや赤外線ランプによる加熱器
も多用されている。
【0003】電気ヒーターや赤外線ランプを使用する場
合、良質ではあるがエネルギー単価の高い電気エネルギ
ーを暖房などの輻射熱源として用いるのは不経済であ
る。一方、灯油などの液体燃料や各種ガス燃料を輻射熱
源として使用する反射型ストーブ等では、燃焼によるエ
ネルギーを高温の燃焼排気ガスとして排出し、燃焼ガス
の顕熱エネルギーが輻射に変換されないために効率が悪
い。また、燃焼に必要な空気を予熱しないので、高温の
輻射源を得るためには大量の燃料が必要となる。
【0004】多孔質体を用いた輻射加熱器も考案されて
いるが(特願昭57ー110093、特願昭58ー13
9685)、この輻射加熱器は熱交換器の構造が複雑で
大きく、かつ、輻射加熱面が直方体の一面のみであり、
他の5面は非加熱面なので熱伝導や対流熱伝達による熱
損失が原理的に大きくなる。
【0005】反射型ストーブ等では、セラミックスや金
属製の燃焼器を耐熱ガラスで覆っているものもある。一
方、温度1000Kのセラミックス等の放射面は全輻射
エネルギーの半分以上を波長4μm以上の赤外線で放射
している。しかし、一般にガラスは波長3μmから5μ
m以上の赤外線に対して不透過性である。前記ガラスは
セラミックス等から放射される熱輻射を吸収するのでガ
ラス覆いが高温になり、熱伝導や対流熱伝達による熱損
失低減の効果は低い。
【0006】電気ヒータ等の赤外線加熱装置にも同様な
耐熱ガラス覆いが施されているものもあるが、前記と同
様な理由で熱伝導と対流による熱損失低減効果が低い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】物体を赤外線加熱する
とき、電気に比べて安価なガスや石油等の燃料を使用す
ると、従来の技術では高温の燃焼排気ガスのエネルギー
を有効利用できず、輻射エネルギーへの変換効率が低い
ために、輻射変換の高効率化が望まれている。
【0008】高温の燃焼ガスを輻射エネルギーに変換し
低温のガスとして排出する高効率輻射変換装置が提供さ
れれば、従来高価な電気を用いていた赤外線加熱炉や反
射型暖房器に有効利用できる。
【0009】電気ヒーターや前記高効率輻射及び放射変
換装置の熱伝導や対流熱伝達による熱損失をさらに低減
することにより、赤外線加熱をより効果的に行うことが
できる。
【0010】また、前記輻射変及び放射換装置の熱損失
を低減することは、装置周囲の温度を高温にしない効果
も合わせ持つので、従来この種の暖房機器が使用できな
かった天井や壁に蛍光灯のように配置した新しい暖房器
具の実用化も可能である。
【0011】従って本発明は、上記課題を達成するため
に提案されたものであり、新規かつ改良された種々の発
明によって、高効率な輻射変換及び放射装置を提供する
ことにある。すなわち、燃焼ガスの排気温度を低減し、
熱伝導および対流熱伝達による熱損失を低減することに
よって、燃料の燃焼エネルギーを効率良く輻射エネルギ
ーに変換し放射するコンパクトかつ高効率な輻射変換及
び放射装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、高温の
燃焼排気ガスによる熱損失を解消するために、2つの半
円筒部を軸として、2枚の伝熱板を一定の間隔に保ち渦
巻状に巻き2重螺旋ガス流路を形成するスパイラル形熱
交換器であって、前記2重螺旋ガス流路の外側端を開放
したことを特徴とする熱交換器(1)を用いて燃焼用空
気又は空気と燃料ガスの予混合ガス(2)を予熱する。
前記スパイラル形熱交換器(1)を覆う円筒形外缶
(3)を設け、それらの間に2重円筒形燃焼室(4)を
構成する。スパイラル形熱交換器(1)の2つのガス流
路の前記外側端を2重円筒形燃焼室(4)に解放し空気
吹き出し口(5)と高温燃焼排気ガス入り口(6)とす
ることにより、コンパクトかつ高効率な円筒状輻射変換
装置を形成する。高温の燃焼排気ガスは、高温燃焼ガス
入り口(6)より導入されスパイラル形熱交換器(1)
内で低温となって排気出口(8)より排出される。
【0013】空気取り入れ口(7)と排気出口(8)は
円筒状外缶の片端におく必要はなく別々の端に設置して
も良い。また、円筒形状外缶(3)端面と空気取り入れ
口(7)と排気ガス出口(8)の接合部は、断熱材(1
0)で断熱することが望ましい。
【0014】空気取り入れ口(7)から燃焼用空気のみ
を導入する場合、図2に示す2重円筒形燃焼室(12)
内に燃料の噴出口(13)を設け、スパイラル形熱交換
器(14)で予熱された空気(15)と微粉炭または液
体燃料またはガス燃焼(16)とを混合し燃焼させる構
造をもつ円筒状輻射変換及び放射装置とする。高温の燃
焼排気ガス(17)は前記と同様に低温の燃焼用空気
(19)を予熱し、スパイラル形熱交換器(14)内で
低温となって排気出口(8)より排出される構造とす
る。
【0015】燃料噴出口(13)を設ける場合、高温燃
焼排気ガス(17)の入り口は、前記予混合ガスを用い
る場合と異なる位置に設置することが望ましい。
【0016】前記円筒状輻射変換及び放射装置の円筒形
外缶(13)で構成される高温輻射源の外表面にブラッ
ククロムやブラックニッケル等の波長1μmから5μm
の赤外線の放射率が小さい選択吸収材料で被覆し、空間
を介して、石英ガラス等のガラス殻(11)で覆う構造
として、前記高温輻射源の対流熱伝達による熱損失を低
減する。
【0017】前記輻射源とガラス殻(11)との空間
は、真空または低ガス圧力に保ち、前記輻射源とガラス
殻(11)間の熱伝導及び対流熱伝達を低減することが
望ましい。
【0018】図1のように、ガラス殻(11)は高温の
円筒形外缶(3)に直接接合せず断熱材(10)を介し
て接合し、円筒形外缶(3)の端面もガラス殻(11)
で覆い、熱損失をいっそう低減することが望ましい。
【0019】電気ヒーターや燃焼器で構成される高温放
射体表面に前記選択吸収材料で被覆して、ガラス殻(1
1)で覆うことによって前記高温輻射源の熱損失を低減
する。
【0020】図3に示す前記高温輻射源(21)表面に
前記選択吸収材料(22)を被覆し、それらを囲む金属
面又は鍍金面よりなる反射板(23)及び、高温輻射源
(21)周囲の一部を覆うガラス窓(24)で構成され
る輻射放射装置によって、前記ふく源(21)表面の全
周方向より放射される熱輻射(25)を効率良く一定方
向に放射し、かつ、熱伝導及び対流による熱損失を低減
する。
【0021】輻射源(21)と反射板(23)とガラス
窓(24)で構成される空間を、真空又は低ガス圧力に
保ち、熱伝導及び対流熱伝達を低減し、かつ、反射板
(23)とガラス窓(24)の外表面温度を低温に保つ
ことが望ましい。
【0022】
【作用】空気取り入れ口(7)より流入した常温の空気
と燃料ガスの予混合ガス(2)は、スパイラル形熱交換
器(1)の中心から螺旋形流路を周回しながら燃焼排気
ガスで加熱され高温になって、空気吹き出し口(5)よ
り2重円筒形燃焼室(4)に流入する。高温の予混合ガ
スは、2重円筒形燃焼室内(4)で燃焼し高温の燃焼ガ
スとなって円筒形外缶(3)を高温に加熱した後、高温
燃焼排気ガス入口(6)よりスパイラル形熱交換器
(1)を通過しながら予混合ガスを加熱して低温にな
り、前記熱交換器中央部の半円形流路に集まり、排気ガ
ス出口(8)より排出される。
【0023】スパイラル形熱交換器(1)は、通常産業
用に用いられるものに比べて小型かつ直径に比べて軸方
向の長さが大きいので、熱交換器端面からの熱損失を大
幅に低減できるだけでなく、流路幅が狭いのでガス流路
がマイクロチャンネルとなることによって熱交換器の熱
通過率が通常の熱交換器に比べて著しく大きい、さら
に、スパイラル熱交換器を対交流熱交換器(加熱流体と
被加熱流体が逆方向に流れる熱交換器)として使用して
いるので、熱交換効率を著しく高くすることが出来る。
以上の作用で、予混合ガス温度は吹き出し口(5)で、
高温燃焼排気ガス入り口(6)での温度とほぼ等しくな
るまで加熱される。また、燃焼排気ガス温度は出口
(8)で常温付近まで低下し、燃焼排気ガスのエネルギ
ーを予混合ガスの予熱に使うことによって、燃焼エネル
ギーを有効に輻射エネルギーに変換することが出来る。
【0024】燃焼ガスと空気の予混合ガス(2)をスパ
イラル形熱交換器(1)で予熱する場合は、熱交換器流
路内のガス流速を火炎が流れと逆方向に伝播しない流
速、一般に数m/s以上、に設定する必要がある。ま
た、2重円筒形燃焼室内のガス流速は火炎の伝播速度近
傍になるように設定され、空気吹き出し口(5)での流
速を下げるために、必要に応じて図1に示すようなガス
噴出孔を設ける必要がある。
【0025】燃焼用空気のみを予熱する場合は、空気流
速の制限はないが、燃焼室内に燃料の噴出装置(13)
を設けスパイラル形熱交換器(14)で予熱した高温空
気(15)と燃料(16)を混合することによって燃焼
させる。この場合、燃料の熱容量はそれを燃焼させるの
に必要な空気の熱容量の10%程度なので、燃料を予熱
しなくても前記の高温排気ガスエネルギーの有効利用
は、ほぼ支障なく達成できる。
【0026】高効率輻射変換を達成するためには、排気
ガスのエネルギー損失の低減だけでなく、熱伝導や対流
熱伝達による熱損失も低減する必要があるが、そのため
には輻射放射面以外の非加熱部面積を極力小さくする必
要がある。本発明では、輻射変換及び放射装置は円筒形
をしており、軸方向の長さを円筒直径に比べて著しく大
きくすることによって、従来の直方体輻射変換装置に比
べて、非加熱面の面積を輻射放射面に比べて著しく小さ
くし、非加熱面からの熱伝導や対流伝熱による熱損失を
低減することが出来る。この作用にも、前記スパイラル
形熱交換器が貢献している。
【0027】また、円筒形状の輻射変換装置とすること
によって、適当な反射板と組み合わせて種々の加熱器と
して使用できる利点がある。一例を上げると、本輻射変
換装置を天井や壁に反射板と供に設置することによっ
て、照明器具と同様に用いる直接輻射暖房設備の実用化
ができる。
【0028】本発明の輻射変換装置は、断面が円形であ
る必要はなく、前記の作用が得られれば、楕円やその他
の断面形状でも可能であることは言うまでもない。
【0029】前記円筒形外缶(3)の高温輻射源からの
対流熱伝達による熱損失を低減するために、高温輻射源
をガラス等で覆うことが考えられる。しかし、図4の石
英ガラスの透過率(26)に示すように、ガラスは一般
に波長3μmから5μm以上の赤外線に対して著しく不
透明で前記波長域の赤外線を吸収する。一方、温度10
00Kの黒体は波長3μmのピークをもつ放射強度分布
(27)の各種の波長の赤外線を放射しているが、全輻
射エネルギーの約50%を波長4μm以上の赤外線で放
射している。
【0030】従って、ガラス覆いが全輻射エネルギーの
約50%を吸収し、ガラス表面が高温となり外気によっ
て自然対流冷却されるために、対流熱損失の低減効果は
高くない。また、この熱損失によって放射装置の周囲空
気を高温にすることになるので、前記の天井や壁に設置
する室内暖房などでは実用上問題となる。
【0031】そこで本発明では、一般に太陽光集熱器等
で用いられるブラックニッケルやブラッククロム等の選
択吸収材を逆に輻射の放射面として使用する。つまり、
前記選択吸収材は、長波長赤外線を反射し可視光や短波
長赤外線を吸収する物質であるが、逆に考えると、この
選択吸収材は、図4のブラックニッケルの放射率(2
8)に示すように短波長赤外線の放射率が大きく長波長
域では放射率が小さい。従って、この選択吸収材で前記
高温輻射源を被覆することによって波長3μm以上の赤
外線放射を低減し、ガラス覆いの輻射吸収を小さくして
ガラス表面温度を低下させ、対流熱損失を低減する作用
がある。この選択吸収材を被覆すると、高温輻射源の温
度が同じ輻射エネルギーを放射する黒体に比べて最大で
約20%程度上昇する。
【0032】選択吸収材を被覆した輻射源とガラス殻の
空間を真空又は低ガス圧力に保つことによって、輻射源
とガラス殻間の熱伝導や対流による伝熱を低減できるの
で、上記作用が向上する。また、この作用によって、輻
射放射装置の周囲空気を高温に加熱しないので、輻射放
射装置を室内の天井や壁に設置する場合有利となる。
【0033】本発明は、輻射放射装置は前記の輻射変換
及び放射装置の円筒形外缶(3)に限らず、電気ヒータ
ーや燃焼器などの各種赤外線加熱装置を前記高温輻射源
として使用しても同様な作用が得られることは言うまで
もない。
【0034】前記高温輻射源(21)の表面を前記選択
吸収材(22)で被覆し、それを金属板や鍍金面で構成
される反射板(23)とガラス窓(24)で覆うことに
よって、高温輻射源(21)表面から全周方向に放射さ
れる輻射(25)を限定された方向に放射することがで
きる。この時、金属面や鍍金面で構成される反射板(2
3)は輻射を反射するのみでほとんど吸収せず、ガラス
窓(24)も前記作用によって、輻射を吸収しないの
で、反射板とガラス窓は低温に保たれる。
【0035】また、輻射源(21)と反射板(23)及
びガラス窓(24)の間の空間を真空又は低ガス圧力に
保つことによって、上記作用が向上する。
【0036】本輻射放射装置によれば、高温輻射源と一
体化された反射板により輻射を一様方向に放射できるの
で、他の反射板を使用しなくても、本装置単体で室内暖
房や物体加熱に使用できる利点を有する。
【0037】
【実施例】図1は、本発明に係わる輻射変換装置及び輻
射放射装置の実施例の一例をを示す。空気取り入れ口
(7)からプロパンと空気の予混合ガス(2)を流入さ
せ、スパイラル形熱交換器(1)中央から外周に向かう
ガス流路で余熱する。スパイラル形熱交換器(1)の流
路幅は本例では約1mmで、耐熱合金製伝熱板の厚さは
約0.1mmであり、通常のスパイラル形熱交換器に比
べて著しくコンパクトで、マイクロチャンネル効果によ
り伝熱板の熱通過率も大きい。
【0038】等量比1の予混合ガスを用いた場合、空気
吹き出し口(5)における予混合ガス温度は990Kに
達している。この場合の、前記熱交換器流路内ガス流速
は5m/sで2重円筒形燃焼室(4)内の火炎は熱交換
器内に伝播しない。この例では、空気吹き出し口(5)
近傍の伝熱板に孔をあけ、その近傍のガス流速を調整し
ている。
【0039】スパイラル形熱交換器(1)と円筒形外缶
(3)の間に形成された2重円管燃焼室(4)内で予混
合ガスが燃焼し、高温の排気ガスとなって円筒形外缶
(3)を加熱する。排気ガスは約1000Kまで温度を
下げ、スパイラル形熱交換器(1)の燃焼排気ガス入口
(6)から流入した高温の燃焼排気ガスは、スパイラル
形熱交換器(1)で予混合ガスを余熱しながら更に温度
を下げ、排気出口(9)では約450K(約170℃)
まで低下して外気又は屋外に排出される。
【0040】円筒形外缶の直径70mm、長さ500m
mで、外表面温度が1000Kの黒体面の場合、排ガス
による熱損失は全燃焼エネルギーの約5%で従来の反射
型ストーブ等に比べると著しく小さい。この場合の根元
部からの熱伝導による熱損失は最大でも約5%である。
また、ガラス殻を設置しない場合の自然対流による熱損
失は全燃焼エネルギーの約10%なので、条件によって
はガラス殻(10)がなくとも全燃焼エネルギーの約8
0%を輻射エネルギーとして放射できるので、十分高効
率な輻射変換及び放射装置として使用可能である。
【0041】上記対流熱損失を更に減少させるために、
円筒形外缶(3)の外表面を前記選択吸収材料で被覆
し、その周囲をガラス殻(11)で覆う。ガラス殻(1
1)は、断熱材(10)を介して本体と接続されている
ために、円筒外缶(3)が高温になっても断熱部は常温
付近に保たれているので、ガラス殻(11)の熱応力が
回避できる。
【0042】円筒形外缶(3)とガラス殻(11)の隙
間を真空または低ガス圧力に保つことにより、ガラス殻
と円筒形外缶間の伝熱を減少させることができて、ガラ
ス殻(11)がない場合に比べて対流熱損失を50%以
下に減少させることができる。
【0043】図2の断面図で示すように、2重円筒形燃
焼室(12)内に燃料噴射口(13)を設け、前記空気
取り入れ口より燃焼用空気のみを導入する事によって、
図1の作用と同様な高効率輻射変換及び放射装置が達成
される。
【0044】図1のガラス殻(11)の代わりに、図3
の断面図に示した反射板(23)及びガラス窓(24)
を装着することによって、前記円筒形外缶(3)から全
周方向に放射される熱輻射を一様方向に制御し、かつ、
輻射源(21)からの熱損失を低減できる。なお、高温
輻射源(21)として上記円筒形外缶(3)の代わりに
電気ヒーター各種燃焼器等を用いても良いことは言うま
でもない。
【0045】
【発明の効果】上述した実施例に示すように、本発明の
輻射変換及び放射装置は、螺旋流路外側端を開放したス
パイラル形熱交換器とそれを囲む円筒形外缶を組み合わ
せて円筒状放射体とすることによって、高温燃焼排気ガ
スの熱損失と、熱伝導及び対流伝熱による熱損失を低減
し、燃焼ガスのエネルギーを高効率で輻射エネルギーに
変換し放射する。更に、選択吸収材料とガラス殻を用い
ることによって、対流熱損失を更に軽減した輻射変換及
び放射装置を実現する。従来高価な電気エネルギーを用
いている各種赤外線電気ヒーターを、安価な燃料を燃焼
させる本装置で置き換えることによって、燃料の低減が
実現する。また、従来排気ガス温度が高温で燃焼型ヒー
ターが用いられなかった天井や壁の埋め込み型赤外線ヒ
ータとして、本装置が実用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】輻射変換及び放射装置の概略図
【図2】燃料を燃焼室内で混合する輻射変換及び放射装
置の概略断面図
【図3】高温輻射源を覆う反射板とガラス窓で構成され
る輻射放射装置の概略図
【図4】温度1000Kの黒体放射強度分布と選択吸収
材料の放射率、及び石英ガラスの透過率
【符号の説明】
1 スパイラル形熱交換器 2 空気又は空気と燃料ガスの予混合ガス 3 円筒形外缶 4 2重円管形燃焼室 5 空気吹き出し口 6 高温燃焼排気ガス入口 7 空気取り入れ口 8 排気出口 9 低温排気ガス 10 断熱材 11 ガラス殻 13 燃料噴射口 21 高温輻射源 23 反射板 24 ガラス窓

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気取り入れ口と、排気出口と、伝熱板
    を一定間隔に保った2重螺旋形ガス流路を持つスパイラ
    ル形熱交換器であって前記2重螺旋ガス流路の外側端部
    に設置された開放端を持つことを特徴とする熱交換器
    と、前記スパイラル熱交換器を覆い2重円筒形の燃焼室
    を構成する円筒形外缶とで構成され、前記スパイラル熱
    交換器を通り前記燃焼室に流入する空気又は空気と燃料
    ガスとの予混合ガスを前記燃焼室から前記開放端を介し
    て前記スパイラル熱交換器を通り流出する高温の燃焼排
    気ガスで加熱する手段を有することを特徴とする輻射変
    換及び放射装置。
  2. 【請求項2】 前記2重円筒形の燃焼室内に燃料噴射口
    を設け、前記スパイラル形熱交換器により加熱された流
    入空気と噴射燃料を前記燃焼室内で混合し、燃焼させる
    請求項1の輻射変換及び放射装置。
  3. 【請求項3】 前記円筒外缶で構成される高温輻射源の
    外表面を、波長1μmから5μm以上の長波長赤外線に
    対して放射率が小さく、それ以下の波長の赤外線に対す
    る放射率が大きい選択吸収体で被覆し、前記高温輻射源
    を石英ガラスなどの円筒状ガラス殻で覆うことを特徴と
    する請求項1又は2の輻射変換及び放射装置。
  4. 【請求項4】 電気ヒーターまたは燃焼器で構成される
    高温輻射源の外表面を、波長1μmから5μm以上の長
    波長赤外線に対して放射率が小さく、それ以下の波長の
    赤外線に対する放射率が大きい選択吸収体で被覆し、前
    記高温輻射源を石英ガラスなどの円筒状ガラス殻で覆う
    ことを特徴とする輻射放射装置。
  5. 【請求項5】 前記選択吸収体で被覆した前記高温輻射
    源を、金属面又は鍍金面により構成される反射板とガラ
    ス窓で覆うことを特徴とする、請求項3に記載の輻射変
    換及び放射装置又は請求項4に記載の放射装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016156561A (ja) * 2015-02-25 2016-09-01 Jfeスチール株式会社 ラジアントチューブ式加熱装置
CN108131670A (zh) * 2018-01-25 2018-06-08 华中科技大学 一种适用于非预混燃烧的微小型瑞士卷燃烧器
CN111853821A (zh) * 2020-06-28 2020-10-30 无锡戴维环保设备制造有限公司 一种废气高温焚烧余热回收装置

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