JP2773880B2 - 建築物配管制振防音部材 - Google Patents

建築物配管制振防音部材

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JP2773880B2
JP2773880B2 JP1001175A JP117589A JP2773880B2 JP 2773880 B2 JP2773880 B2 JP 2773880B2 JP 1001175 A JP1001175 A JP 1001175A JP 117589 A JP117589 A JP 117589A JP 2773880 B2 JP2773880 B2 JP 2773880B2
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博文 柿本
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早川ゴム 株式会社
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は配管制振防音部材、特に建築物の給排水装
置、空調装置等の配管系の騒音を防止する配管制振防音
部材に関するものである。
(従来の技術) 近年、建築物に於ける騒音問題は木質フローリングブ
ームということもあって、床衝撃音の低減に向けて、床
スラブ厚の増大と、木質仕上床材の使用との二つの面で
急速に防音対策が進み、従来集合住宅で最も多く指摘さ
れていた走り回り、歩行音、落下音の指摘率が低下し、
従来床衝撃音でマスキングされていた給排水騒音が指摘
率のトップを占めるようになって来た。
一方、給排水騒音は特に集合住宅に於いては特別な対
策はなされていないのが現状であるが、特に界床、界
壁、埋め込み配管は構造躯体と接触していることもあっ
て、界床、界壁の貫通部にはグラスウール、ロックウー
ル、防振ゴムが用いられたり、埋め込み配管をやめてス
ラブ上に横引配管したり、パイプシャフト内に縦引き配
管をする等の工夫がされるようになってきた。
(発明が解決しようとする課題) 然し、近年では給排水騒音の指摘率が増加しており、
一だんと静かな空間の確保が要望され、配管系の騒音を
防止する制振防音部材の開発が急務となっている。
(課題を解決するための手段) 本発明者等は前述の課題を解決し、長期に亘って配管
の機能を果させながら、給排水騒音を低減し、静かな環
境を提供する配管制振防音部材を種々研究実験の結果、
本発明を完成するに至った。
本発明は建築物配管の全外周に密接する順次の制振層
と拘束層とを有し、人体に対する可聴騒音を防止する建
築物配管制振防音部材に於いて、制振層が粘弾性体又は
架橋粘弾性体と繊維状物とゴム発泡体及び/又はポリマ
ー発泡体とを有し、繊維状物がポリエステル、レーヨ
ン、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ウレタ
ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリル、綿、麻、
鉄の金属繊維、アルミニウムの金属繊維、ステンレスの
金属繊維、銅の金属繊維及び鉛の金属繊維を単独使用又
は併用した織布又は不織布であり、拘束層が鉄、銅、ス
テンレス、アルミニウム、鉛、ニッケル、トタン又はブ
リキの管状体、金属薄板又は網状物、アクリル、ゴム、
ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン及び酢酸ビニルの単体又は複合体
のシート又はフィルム、アルミニウムの蒸着フィルム又
は金属箔の複合品である建築物配管制振防音部材であ
る。
拘束層に用いる金属は、例えば、鉛、アルミニウム、
鉄、ステンレス、ニッケル、銅等である。
拘束層に用いるポリマーは、例えば、ポリエステル、
ポリプロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレ
ン酢酸ビニル等である。
架橋粘弾性体は、常温で液状の反応型ポリマー100重
量部と、前記反応型ポリマーに対しNCO/OHモル比が0.5
〜1.5である量の架橋剤と、前記反応型ポリマー100重量
部に対し50〜1000重量部の瀝青物とを反応させて得たも
のであることが好ましい。
本発明の制振防音部材は、拘束層の周囲にモルタル接
着層を有する場合がある。
最初に制振層について説明する。
制振層は配管の外周に設けるものであって、粘弾性体
を形成するものであれば、充分使用し得るものである。
粘弾性体に使用するポリマーは例えば、ゴム状物とし
て、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリイソプレン、
ポリクロロプレン、スチレンブタジエン共重合体、アク
リロニトリルブタジエン共重合体、エチレンプロピレン
多元共重合体、ポリブタジエン、アクリルゴム、ハイパ
ロン、シリコンゴム、ウレタンゴム等があり、熱可塑性
ブロックポリマーとして、スチレンイソプレン共重合
体、スチレンブタジエン共重合体、スチレンエチレンブ
タジエンスチレン共重合体、エチレン酢酸ビニル、アタ
クチックポリプロピレン、ポリビニルブチラール樹脂、
塩化ビニル、酢酸ビニル等がある。これ等のポリマーは
ポリマー成分として単独で又は複数組合せることによ
り、或いは後述の瀝青物、可塑剤、粘着附与樹脂、充填
剤その他の添加剤を適宜混合することにより、任意に粘
弾性体の物性をコントロールし得るものである。これ等
は常温で固体のポリマーから粘弾性体を得る方法であ
る。
これ等固体のポリマーより得られた粘弾性体は、架橋
されていないので、給湯等の熱のかかる配管に使用する
と、長期使用によりクリープ等が発生し、経時により制
振性能が劣化する為、給湯配管には不適である。
然し、これ等固体のポリマー特にブチルゴム系のポリ
マーは気体透過をさせ難いゴムとして特に環境遮断性能
に優れ、極めて防食性能が良い為、金属配管の防音制振
に適した素材である。従って、このような経時劣化を回
避しながら固体のポリマーを使用する為には、後述の如
く、常温で液状のポリマーを架橋粘弾性体とすることが
好ましい。これ等のポリマーは例えば、液状ポリブタジ
エン、液状クロロプレン、液状スチレンブタジエン共重
合体、液状アクリロニトリルブタジエン共重合体、ポリ
エーテルポリオール、ポリエステルポリオール、アニリ
ン誘導体ポリオール、シリコーン、ポリサルファイド、
変性シリコーン等であって、常温で架橋反応をして架橋
粘弾性体が得られることが、本発明に使用し得る常温で
液状のポリマーの具備すべき条件である。
さらに詳述すると、本発明でいう架橋粘弾性体とは、
常温で液状のポリマーを常温で反応させた後の架橋物が
80℃に加温されても形状を保持し、20℃での硬度が日本
ゴム協会規格SRIS−0101に示すC型硬度計で50以下であ
るという条件を満足するものである。この条件を満足し
得る架橋粘弾性体としては、例えば、後掲の第1表に示
す官能基を有する液状ゴムと架橋剤との組合せがある。
これ等を常温反応制の架橋速度のコントロールの容易
さ、コスト、入手の容易さ等を含めて考慮すると、特に
水酸基を末端に有し主鎖にクロロプレン、ブタジエン、
水素添加ブタジエン、スチレンブタジエン、ニトリルブ
タジエン、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリ
オール、アクリルウレタンポリオール、アニリン誘導体
ポリオール等を単独又は併用して用いるのが望ましい。
中でも難燃性を考慮すると、クロロプレン骨格を有し、
分子両末端に水酸基、アルキルザンセート基及びカルボ
キシル基の少なくとも1種以上有するものが好適であ
る。
架橋剤としてはイソシアネート系架橋剤が好適であ
り、1分子当り2ケ以上のイソシアネート基を有するこ
とが必要である。その具体例としては、イルイレンジイ
ソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘ
キサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、末端イソシアネート基を有するプレポリマー等
を挙げることが出来、これ等を単独で又は併用して用い
ることが出来る。
イソシアネート系架橋剤は可塑剤と混合して用いるこ
とも出来るが、可塑剤は脱水処理したものであること
と、イソシアネート化合物と反応しないこととが必要で
ある。
常温架橋反応を行なう為の必須成分のみ又は触媒との
組合せで、本発明を満足し得る架橋粘弾性体を得ること
が出来るが、コスト面、作業面、物性向上面でさらに各
種の添加剤を加えることにより、幅広い安定した架橋粘
弾性体を得ることが出来る。
上記の各種液状ゴムと架橋剤とは、NCO/OHのモル比で
0.5〜1.5になる範囲で用いることが好ましい。NCO/OHモ
ル比が0.5以下であると架橋反応が十分でなく、未反応
基が多く残存したままであり、経時安定性等に問題が生
じる。逆にNCO/OHモル比が1.5以上の場合は架橋粘弾性
体が硬くなり過ぎ、可塑剤での硬度調整も十分に行なえ
ない。
本発明の一態様に於いては、凸部の独立気泡構造の気
泡室と凹部の空間とを同一平面上で交互に有する凹凸シ
ート状物を制振層として用い、このシート状物の凹部空
間に液状ポリマーを充填し架橋することにより架橋粘弾
性体を形成し、気泡室の空気バネと架橋粘弾性体のバネ
とをバランス良く用いて制振効果を極めて良好に発揮す
ることができる。
界床又は界壁に用いる貫通管用のものには、特にクロ
ロプレン骨格を有する液状ポリマーを使用し、各種ハロ
ゲン化合物、水酸化アルミニウム、ホウ素化合物、リン
化合物、膨脹性黒鉛等の難燃性附与剤を併用することに
より制振性能のみならず防火性能をも附与することが出
来る。
粘弾性体又は架橋粘弾性体と各種ゴム、ポリマーの発
泡体と繊維状物とを組合せて制振層とすると、一層優れ
た制振効果を発揮することが出来る。
発泡体としては例えば、クロロプレン、エチレンプロ
ピレン多元共重合体、天然ゴム、スチレンブタジエン共
重合体、ウレタン、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、スチレン、エチレン酢酸ビニル、フェノール
等を単独又は併用した発泡体がある。これ等の発泡体は
シート状物であっても良く、穴明け加工や凹凸加工、網
目状加工をした物であっても良い。
繊維状物は織布であっても不織布であっても良く、素
材としてはポリエステル、レーヨン、ナイロン、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン、ウレタン、塩化ビニル、塩化
ビニリデン、アクリル等の剛性繊維、綿、麻等の天然繊
維、鉄、アルミニウム、ステンレス、銅、鉛等の金属繊
維、ロックウール、グラスウール等の無機質繊維を単独
又は併用して用いることが出来る。また、これ等の繊維
を難燃処理した物は、特に界床又は界壁の貫通部に適し
ている。
発泡体や繊維状物は、金属製配管の場合には配管に直
接接する部分は、防食性の観点からは、繊維状物や凹凸
発泡体、網状発泡体のように配管との間に空隙を生じ発
錆し易い構成にするよりは、粘弾性体や平面状発泡体等
で周囲を外気から遮断する構成とした方が好ましい。
粘弾性体又は架橋粘弾性体の硬さの調整、液状ポリマ
ー組成物の粘度の調整及び架橋反応後の硬さの調整に、
可塑剤を用いることが出来る。可塑剤は例えば、ナフテ
ン系オイル、パラフィン系オイル、芳香族系オイル、ひ
まし油、綿実油、やし油、トール油、フタル酸誘導体、
イソフタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、マレイン酸誘
導体、液状ゴムの官能基を含まないもの等を単独又は併
用して用いることができる。
難燃性を要する場合は、ハロゲン化合物系及びリン化
合物系可塑剤を、単独で又は併用して用いることが出来
る。
制振性能の温度域の調整剤として、また、低コスト化
として瀝青物を添加することができる。その具体例とし
てストレートアスファルト、ブロンアスファルト、ター
ル等があり、所望の物性値を得る為に可塑剤や粘着附与
樹脂で予め改質して用いることが出来る。これ等の瀝青
物は単独で用いた場合には感温性が明確に出る為、コス
ト面では有利であるが、広い温度域で一定の結果が得ら
れない。その欠点を防止する為に液状ゴムを始めとして
ゴム状物と併用して用いると年間を通して一定の制振性
能を発揮できるようになる。その目安として液状ゴム10
0重量部に対して50〜1000重量部が適量である。
粘着附与樹脂は制振層の配管や拘束材への粘接着性の
改善や制振性能の温度域の調整剤として効果を発揮する
ものであり、その具体例として天然樹脂、ロジン、変性
ロジン、ロジン及び変性ロジンの誘導体、ポリテルペン
系樹脂、テルペン変性体、脂肪族系炭化水素樹脂、芳香
族系石油樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、フェノール
樹脂、アルキルフェノール−アセチレン樹脂、キシレン
樹脂、クマロン−インデン樹脂、ビニルトルエン−αメ
チルスチレン共重合体等を単独又は併用して用いること
ができる。
制振層に充填剤を含有させると、振動減衰性、遮音
性、難燃性の改善に効果がある。充填剤は液状ポリマー
と硬化剤の配合比率の調整、粘性の調整、配合コスト低
減等の目的で使用するものであり、ゴム及び塗料の関連
で一般に使用されるものが使用できる。例えば、マイ
カ、グラファイト、ヒル石、タルク、クレー等の鱗片状
無機質粉体、金属粉、硫酸バリウム、リトポン、鉱砕ス
ラグ等の高比重充填剤、炭酸カルシウム、微粉シリカ、
カーボン、炭酸マグネシウム等の汎用充填剤を単独又は
併用して使用出来る。三酸化アンチモン、ホウ砂、水酸
化アルミニウム等を難燃化を目的に使用することもでき
る。
必要に応じて、制振層に老化防止剤、触媒、顔料、界
面活性剤、カップリング剤、防カビ剤等を添加すること
ができる。
次に拘束層について説明する。
拘束層は配管が振動した場合、制振層との間にズレ又
は変形が生じないように拘束層で拘束するもので、振動
エネルギーも小さく押え、早く振動を減衰させる作用を
制振層と一緒に行なう。従って、制振層の厚みと拘束層
の厚み、制振層のヤング率と拘束層のヤング率等の関係
により、制振性能にも効果の差異が生じる。拘束層は制
振層に対し成る可く大きなヤング率の差が生じる素材が
好ましい。この観点から拘束層には金属が最適である
が、配管素材が金属の場合には、金属と異種金属との接
触により電位差が生じる為、発錆の危険性が高くなるの
で、防食の観点からすると拘束層には剛性の高いプラス
チックフィルムを使用することが好ましい。
拘束層としては例えば、鉄、銅、ステンレス、アルミ
ニウム、鉛、ニッケル、トタン、ブリキ等の管状体、金
属薄板、網状物があり、アクリル、ポリエステル、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン等の単体又は複合体の管状体、シート、フィルム、又
はアルミニウム等の蒸着フィルムや、金属箔等の複合品
等が挙げられる。
次にモルタル接着層の説明を行なう。
モルタル接着層は特に界床又は界壁の構造躯体を貫通
する部分に使用して効果を発揮せしめる為に使用するも
のであり、配管部の処理を行なった後、生モルタルを隙
間に埋め込んで仕上げを行なうものである。従って、モ
ルタル接着層が具備すべき条件は、生モルタルが硬化し
た時に充分接着していることである。さらに望ましい条
件は難燃性があることである。モルタル接着層の具体例
を示すと、再生ブチルゴムベースの粘弾性体が好適であ
り、これにハロゲン化合物、ホウ素化合物、リン化合
物、三酸化アンモチモン、水酸化アルミニウム等の難燃
化剤を混合したり、膨脹性黒鉛等の火災時に炭化発泡断
熱層を形成して熱伝達を遅らせる物質を組合せることに
より、難燃性を付与することが好ましい。
モルタル接着層はJIS−A−5758による破断時の伸び
率が100%以上であることが望ましい。
(作 用) 本発明は給排水配管の振動のみならず騒音を著して減
少するのに有効である。万一の火災事故に対しても、加
熱と共に膨脹し、界床や界壁の防火シール機能と発泡断
熱効果により熱伝導速度を著しく遅らせる為、火災の伝
播速度を遅らせる作用も有する。貫通部の配管に於いて
は、モルタルとの接着層により充分な接着性が確保でき
る為、万一の漏水事故等が生じても配管を伝って漏水す
る心配もなく、生モルタルと接着する為、モルタルの剥
落等も生じないし、経時による隙間も生じない。更に、
圧縮復元性が優れている為、長期に亘り安定した振動防
止性能を発揮できる。
(実施例) 次に実施例及び比較例により、さらに詳細に本発明を
説明する。
なお、本発明の制振防音部材の試験方法は、次のよう
にして行った。
1.騒音改善量 第4図に示す装置により給排水時の騒音レベルを、中
心周波数が63Hz〜4000Hzまでの範囲で1オクターブ分析
し、貫通部をウラスウール充填とシリコンコーキングで
隙間を充填しただけの配管処理の場合と、貫通部、エル
ボー部、直管部に各々処理した場合の測定結果から、無
処理時と比べどの程度改善できたかを改善量で示した。
2.難燃性 制振層、拘束層、モルタル接着層を積層したものを試
料とし、JIS−K−7201に準じて試験し酸素指数を求め
た。次にMIL P 1399Cの判定基準に基づき等級分けをし
た。
次に制振層、拘束層、モルタル接着層を積層したもの
を試料とし、300℃に10分保ち、その時の発泡倍率を求
めた。
3.モルタル接着性 モルタル接着層を12×12×50mmの寸法に予め成形し、
その両端に剥離フィルムを付けた12×19×50mmのスペー
サーを両側に配設し、内寸50×50×100mmの型枠の中央
にセットし、その両側の空隙に生モルタルを打設し、水
中養生7日と気中養生14日を行なった後、スペーサーを
除去し供試した。JIS−A−5788に準じ引張スピード50m
m/分にて測定し、公式より伸び率を算出した。
4.圧縮復元性 JIS−K−6301に準じ50%圧縮を行ない、除荷後30分
の復元率を求めた。
5.防食性 JIS−K−5400に準じ、塩水噴霧試験を3000時間行な
い、塩水噴霧後、鋼管の外周の制振層を除去し、発錆度
合いを検査した。
発錆がスクラッチマークの両側3mm以上に進んでいる
ものは×、発錆がスクラッチマークの両側3mm以内で納
まっているものは○とした。
実施例1 制振層は第2表に示す配合処方の原料を加圧ニーダー
で混練して粘弾性体を調製し、ホットメルト塗工機によ
り不織布上に塗工して制振層とし、さらに500μの鉛シ
ートを拘束層として不織布面に貼合せて,配管制振防音
部材を得た。エルボー部、直管部には鉛シートを外に向
けて配管外周に巻き付け、貫通部には鉛シートの外周に
第2表に示す配合処方例のモルタル接着層を巻き付けて
隙間に生モルタルを埋め込み、第4図に示す装置により
騒音を測定した。その他の項目を前述の試験方法により
試験した。結果を第3表に示す。
第3表から明らかなように、給排水騒音は著しく改善
でき、殆んど気にならない領域となっていた。難燃性に
ついてもその効果が充分発揮されていた。一方で熱膨脹
性が発揮され、温度の上昇に伴い発泡し断熱層を形成す
ると共に、煙が上階室や隣室へ移行することも防止でき
た。生モルタルとの接着性も充分であり、モルタルの剥
離や万一の上階の漏水があっても、貫通部周辺を通して
の漏水も防止できるものであった。圧縮復元性も充分で
あり、長期間安定して配管振動を防止することができ
た。
実施例2 第3図において、第2表に示す配合処方の原料をイン
クロールで混練して主剤として、同じく第2表に示す架
橋剤を常温で混合撹拌して架橋粘弾性体を調製し、凹凸
状で凸部に独立気泡構造の気泡室4を有するプラスチッ
ク製のシート状物紙状体9の凹部2に充填し、不織布付
発泡ポリエチレンシート2aの不織布側で覆い、100μの
アルミ箔2bを発泡ポリエチレン面に貼付けた。次いでア
ルミ箔とは反対側のシート状物9の面に粘着層4aを塗布
乾燥し、剥離紙を貼合せた。エルボー部及び直管部の配
管には剥離紙を剥しながら、アルミ箔を外側に向けて貼
付けた。貫通部の配管には第2表に示す配合処方のモル
タル接着層を約1mm厚でアルミ箔の外側に貼付け、隙間
を生モルタルで充填し、第4図に示す装置を用いて騒音
を測定した。その他の項目も実施例1と同様にして試験
した。結果を第3表に示す。
第3表から明らかなように、給排水騒音は著しく減少
し、殆んど気にならないレベルまで低減させることが出
来た。難燃性についても充分その効果が発揮できた。生
モルタルとの接着性も良好であり、モルタル剥離や万一
の上階からの漏水に対しても貫通部周辺からの漏水を防
止できた。圧縮復元性も充分発揮することが出来、長期
に亘って安定して配管振動を防止できた。
比較例1 この例では、通常行われている貫通部の配管のみグラ
スウールで覆い、躯体とグラスウールの隙間にシリコー
ンコーキング処理をした。エルボー部、直管部の配管は
配管のままで何も処理せずに供試した。結果を第3表に
示す。
(効 果) (1)防食性に優れていること、従って、長期に亘り配
管の機能を損ねず、給排水騒音を低減できる。
(2)圧縮復元性に優れていること、従って、長期に亘
り給排水騒音を低減した状態を保持できる。
(3)難燃性であること。従って万一の火災の場合には
特に界床、界壁に用いる貫通部材が火災伝播範囲を拡大
する原因となり難く、また、煙を止めてしまうことが出
来る。
(4)火災時の温度で炭化発泡層を形成し、煙をシャッ
トアウトするだけでなく、熱伝導し難くする為、一層燃
え難い状態を生成する。
(5)貫通部に於いては、構造躯体との振動を絶縁す
ると共に、最終仕上処理として使用されるモルタルとの
接着性を附与し、万一の漏水時にも充分その機能を発揮
して防水効果が得られ、モルタルの剥落が生じない。
【図面の簡単な説明】
第1〜2図は本発明の配管制振防音部材の種々な実施態
様例の説明図であって、 第1図は配管の周囲に架橋粘弾性体を充填した独立気泡
構造の凹凸シート状物に囲着せしめ、その外側に繊維状
物を囲着せしめ、さらにその外周に拘束層を配設せしめ
た例を示す線図的断面図、 第2図は本発明の配管制振防音部材の配管への巻付け態
様を例示する説明図であって、配管の外周に粘弾性体、
繊維状物、拘束層を配設し、止め具により固定した例を
示す線図的断面図、 第3図は凹凸シート状物紙状体に粘弾性体を充填した例
を示す線図的縦断面図、 第4図は本発明の制振防音部材の騒音減少の測定に用い
た測定施設及び測定機を示す線図的配置図である。 1……配管、2……粘弾性体 2a……不織布付発泡ポリエチレン、2b……アルミ箔 3……拘束層 4……独立気泡構造の気泡室 4a……粘着層、5……繊維状物 6……モルタル接着層、7……発泡体 8……止め具、9……凹凸シート状物状体 10……給水タンク、11……大便器 12……貫通部、13……床スラブ 14……吊り具、15……支持具 16……エルボー管、17……直管 18……天井、19……マイクロフォン 20……精密騒音計 21……1/3オクターブ分析器

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建築物配管の全外周に密接する順次の制振
    層と拘束層とを有し、人体に対する可聴騒音を防止する
    建築物配管制振防音部材に於いて、制振層が粘弾性体又
    は架橋粘弾性体と繊維状物とゴム発泡体及び/又はポリ
    マー発泡体とを有し、繊維状物がポリエステル、レーヨ
    ン、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ウレタ
    ン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリル、綿、麻、
    鉄の金属繊維、アルミニウムの金属繊維、ステンレスの
    金属繊維、銅の金属繊維及び鉛の金属繊維を単独使用又
    は併用した織布又は不織布であり、拘束層が鉄、銅、ス
    テンレス、アルミニウム、鉛、ニッケル、トタン又はブ
    リキの管状体、金属薄板又は網状物、ゴム、アクリル、
    ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビ
    ニル、塩化ビニリデン及びエチレン酢酸ビニルの単体又
    は複合体のシート又はフィルム、アルミニウムの蒸着フ
    ィルム又は金属箔の複合品であることを特徴とする建築
    物配管制振防音部材。
  2. 【請求項2】制振層が凸部の独立気泡構造のポリマー発
    泡体から成る気泡室と架橋粘弾性体を充填した凹部とを
    同一平面上で交互に有するシート状物から成る請求項1
    記載の建築物配管制振防音部材。
  3. 【請求項3】ポリマー発泡体がクロロプレン、エチレン
    プロピレン共重合体、天然ゴム、スチレンブタジエン共
    重合体、ウレタン、塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプ
    ロピレン、スチレン、エチレン酢酸ビニル及びフェノー
    ルを単独又は併用したものであり、シート状物、穴明け
    加工、凹凸加工又は網目状加工をしたものである請求項
    1又は2記載の建築物配管制振防音部材。
  4. 【請求項4】粘弾性体又は架橋粘弾性体が液状ゴム100
    重量部に対して制振性能の温度域の調整剤としてストレ
    ートアスファルト、ブロンアスファルト又はタール50〜
    1000重量部を含有する請求項1記載の建築物配管制振防
    音部材。
  5. 【請求項5】架橋粘弾性体が、常温で液状の反応型ポリ
    マーとしてポリブタジエン、クロロプレン、スチレンブ
    タジエン共重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合
    体、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオー
    ル、アニリン誘導体ポリオール、シリコーン、ポリサル
    ファイド又は変性シリコーンと1分子当り2ケ以上のイ
    ソシアネート基を有するイソシアネート系架橋剤とを、
    NCO/OHモル比で0.5〜1.5の範囲で、常温で架橋反応させ
    たものであり、80℃に加温されても形状を保持し、20℃
    での硬度が日本ゴム協会規格SRIS−0101に示すC型硬度
    計で50以下である請求項1記載の建築物配管制振防音部
    材。
  6. 【請求項6】常温で液状の反応型ポリマーが、水酸基を
    末端に有し主鎖にクロロプレン、ブタジエン、水素添加
    ブタジエン、スチレンブタジエン、ニトリルブタジエ
    ン、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオー
    ル、アクリルウレタンポリオール及びアニリン誘導体ポ
    リオールを単独又は併用したものである請求項5記載の
    建築物配管制振防音部材。
  7. 【請求項7】常温で液状のポリマーが、クロロプレン骨
    格を有し、分子両末端に水酸基、アルキルザンセート基
    及びカルボキシル基の少なくとも1種以上を有するもの
    である請求項6記載の建築物配管制振防音部材。
  8. 【請求項8】常温で液状のポリマーに、ハロゲン化合
    物、水酸化アルミニウム、ホウ素化合物、リン化合物又
    は膨張性黒鉛を難燃性付与剤として併用した請求項6記
    載の建築物配管制振防音部材。」
  9. 【請求項9】界床又は界壁の構造躯体を貫通する部分の
    拘束層の周囲にモルタル接着層を有し優れたモルタル接
    着性を有する請求項1記載の建築物配管制振防音部材。
  10. 【請求項10】モルタル接着層が再生ブチルゴムベース
    の粘弾性体にハロゲン化合物、ホウ素化合物、リン化合
    物、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム又は膨張性
    黒鉛を混合して成る請求項9記載の建築物配管制振防音
    部材。
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