JP4994808B2 - アスファルト系粘性体及び該粘性体を用いた緩衝装置 - Google Patents

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Description

本発明は、連続桁、トラス等の橋梁、高架道路等の構築物に作用する地震力を緩和し、温度変化、コンクリートの乾燥収縮、クリープ等による上部構造の変位を吸収するために用いられるアスファルト系粘性体及び緩衝装置に関する。
従来、橋脚等の下部構造に埋設固定され、開口部を有する横断面方形状のケーシングと、一方の端部が該下部構造に対応する橋桁等の上部構造に埋設固定され、他方の端部が該ケーシング内において、該ケーシングの内面と橋軸直角方向に小さな隙間を形成し、橋軸方向に大きな隙間を形成して嵌挿された横断面方形状の棒状体とからなり、該ケーシング内に粘性体が充填され、上部構造の温度変化による伸縮等の緩慢な変位に対しては、当該変位を抵抗なく逃がし、地震等による上部構造の下部構造に対する相対的な変位に伴って発生する衝撃力に対しては、当該粘性体の流動抵抗により緩衝する緩衝装置が提案されている(特許文献1乃至3所載)。
ところで、上記特許文献1乃至3に記載された緩衝装置には、粘性体としてポリイソブチレン系又は変性アスファルト系粘性体が用いられている。
また、特許文献4には、上述のような緩衝装置に用いられ、高い減衰性を有するとともに、0〜40℃の温度範囲での温度依存性が小さい粘性体として、スチレン系熱可塑性エラストマー40〜60重量%と、粘着付与剤20〜40重量%と、ポリイソブチレン10〜25重量%とからなる振動減衰エラストマー組成物が提案されている。
上記緩衝装置に使用される粘性体としては、(1)長期間の使用によっても粘着力(付着力)の変化がないこと、(2)粘性と強さを有すること、(3)温度差(夏場と冬場との気温差等)による粘性体の粘性変化が可及的に少ないこと、(4)粘性体としての比重が1以上であること、などの性質が要求される。さらに言及すれば、粘着力が大きいほど付着力が増大し、粘性抵抗力が増大する。その反面、粘度による強さ、すなわち、固さと物理的強さがないと、粘性体の流動が起こりやすくなるために大きな抵抗力が得られず、製作時にシールの不備があると、漏れを生ずる結果となる。また、粘性体としての比重が1以上でないと、付着した粘性体が水の影響により付着部から剥離して粘性抵抗力を低下させることになる。従って、緩衝装置に用いられる粘性体は、上記した性質を必ず具備しなければならない。
特開昭50−43730号公報 特開昭50−103130号公報 実公昭56−23374号公報 特開2004−99848号公報
しかし、粘性体としてのアスファルト系粘性体は、粘着力(付着力)が高く、粘性と強さを有するという利点を有する反面、温度差による粘性変化が大きい。この粘着力は、特に常温以下での温度依存性が大きく、急激に固くなって粘着力が失われるという欠点を有している。
本発明者らは、アスファルト系粘性体の欠点である温度依存性を解決するべく鋭意検討した結果、アスファルトに対して所定量の天然鉱物繊維と、オイルと、液状ポリマーとを配合することにより、上記粘性体に要求される性質を具有させ得ることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明は、天然鉱物繊維15質量%以上30質量%以下と、オイル5質量%以上15質量%以下と、液状ポリマー20質量%以上40質量%以下と、残部アスファルトとからなり、流動性を有するアスファルト系粘性体であって、前記天然鉱物繊維は、ウォラストナイト、セピオライト、パリゴルスカイト及びモルデナイトからなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする。
そして、本発明によれば、長期間の使用によっても粘着力(付着力)の変化がなく、粘性と強さを有し、粘性体としての比重が1以上を示すとともに、温度差による粘性体の粘性変化、特に、常温以下の温度においても急激な粘性の増加はなく、粘着力が低下しないなど、粘性体に要求されるすべての性質を具有したアスファルト系粘性体を提供することができる。
また、前記アスファルト系粘性体の液状ポリマーとして、ポリブテン又は/及びイソブチレンからなる重合体を使用することができる。
さらに、前記アスファルト系粘性体のアスファルトとして、天然アスファルト、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト及びセミブローンアスファルトからなる群から選択される1種又は2種以上を用いることができる。
また、前記アスファルト系粘性体は、無機粉末を5質量%以上15質量%以下の割合で含有することができる。この無機粉末として、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、酸化アルミニウム及び水酸化アルミニウムからなる群から選択される1種又は2種以上を使用することができる。
さらにまた、本発明は、緩衝装置であって、下部構造に固定され、上方に開口する開口部を有する横断面方形状のケーシングと、上端部が前記下部構造に対応する上部構造に固定され、下端部が前記ケーシング内に所定の隙間を形成して嵌挿された横断面方形状の棒状体とからなり、前記ケーシング内に前記アスファルト系粘性体が充填されていることを特徴とする。
この緩衝装置によれば、ケーシング内に前記アスファルト系粘性体が充填されているため、上部構造の温度変化による伸縮等の緩慢な変位を抵抗なく逃がし、地震等による上部構造の下部構造に対する相対的な変位に伴って発生する衝撃力を緩和することができる。
前記棒状体の前記下端部と、前記ケーシングの内面との隙間を、前記上部構造長手方向において、前記上部構造長手方向に対して直角な方向よりも大きくすることができる。これにより、上部構造長手方向の温度変化による伸縮等の緩慢な変位を抵抗なく逃がし、地震等による上部構造の下部構造に対する上部構造長手方向の相対的な変位に伴って発生する衝撃力を緩和することができ、あわせて上部構造長手方向と直角な方向の相対的な変位を抑えることができる。
また、前記ケーシングの前記上部構造長手方向の内面と、前記棒状体の下端部の前記上部構造長手方向の外面との隙間に、各々板ばねを配することができる。各々の板ばねは、常時の水平力では上部構造を不動に保ち、それ以上の水平力で上部構造に変位が生じた際に、変位した上部構造を元の位置に復元させる作用を果たし、これにより、固定用の緩衝装置を構成することができる。
前記緩衝装置において、前記下部構造を橋脚とし、前記上部構造を橋桁とすることができ、前記緩衝装置を橋梁用として用いることができる。
以上のように、本発明によれば、長期間の使用によっても粘着力(付着力)が変化せず、粘性と強さを有し、粘性体としての比重が1以上であり、温度差による粘性体の粘性変化、特に、常温以下の温度においても急激な粘性の増加はなく、粘着力も低下しないアスファルト系粘性体及び該粘性体を用いた緩衝装置を提供することができる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明にかかるアスファルト系粘性体は、天然鉱物繊維15質量%以上30質量%以下(以下、「15〜30質量%」のように表記する)と、オイル5〜15質量%と、液状ポリマー20〜40質量%と、残部アスファルトとからなる。
成分中の天然鉱物繊維は、珪酸塩を主成分とする鉱物繊維であり、主成分をなす常温で固いアスファルトに分散含有されることによりアスファルト同士の強固な結合を分断し、せん断時に適度なずれを生じさせ、所望の減衰効果を発揮させる。天然鉱物繊維としては、ウォラスナイト(CaSiO3)、セピオライト〔Si12Mg830(OH)4(OH2)4・8H2O〕、パリゴルスカイト〔(Mg、Al)2Si410(OH)・4H2O〕及びモルデナイト〔(Ca、Na2、K2)Al2Si1024・7H2O〕の少なくとも1つが選択される。そして、配合量は15〜30質量%、好ましくは20〜25質量%である。配合量が15質量%未満では、アスファルト成分が多くなって粘着力の温度依存性が大きくなり、また30質量%を超えて配合すると、粘性体の粘着力(付着力)を低下させる。
成分中のオイルは、主成分をなすアスファルトと相容して常温で流動性を示さないアスファルトに流動性を付与する役割を果たす。このオイルは、ナフテン系プロセスオイル、パラフィン系プロセスオイル及びアロマティック系プロセスオイルの少なくとも1つから選択され、特に、耐熱・耐候性に優れたパラフィン系プロセスオイルが好ましい。このオイルの配合量は5〜15質量%、好ましくは7〜10質量%である。配合量が5質量%未満では、粘性体に所望の流動性を付与することができず、また15質量%を超えて配合すると、粘性体の粘度が小さくなり、特に低温領域での粘着力弱くなる。尚、オイルとしては上記プロセスオイルを使用することが好ましいが、アスファルトと相容するオイルであれば、鉱物系、植物系及び合成系オイルを使用することもできる。
成分中の液状ポリマーは、上記オイルと相俟ってアスファルトに流動性を付与する役割を果たすとともに、特に低温領域での流動性の低下を防止し、粘性体の低温領域での温度依存性を向上させる。液状ポリマーとしては、イソブテンを主体として一部ノルマルブテンが反応した長鎖状炭化水素の分子構造を持った液状共重合体であるポリブテン、又はイソブチレンからなる重合体、例えば、イソブチレンの低重合体であって、末端に1個の不飽和二重結合を有する液状ポリイソブチレン、イソブチレンに少量のイソプレンを共重合させた液状ブチルゴムが挙げられる。
これらの液状ポリマーは、アスファルトと相容して極めて安定で、長期問の貯蔵によっても粘着性、色調、粘度は変化せず固化乾燥することもない。そして、液状ポリマーの配合量は20〜40質量%、好ましくは25〜35質量%である。配合量が20質量%未満では、特に低温領域での温度依存性の向上に効果が期待できず、また40質量%を超えて配合すると流動性に支障を来たす。
成分中のアスファルトは、粘性体の主成分をなすものであり、天然アスファルト又は石油精製時に得られる釜残油(減圧蒸留残渣油)であるストレートアスファルト、ブローンアスファルト及びセミブローンアスファルトからなる石油アスファルトのうちの少なくとも1つが選択される。
上記した天然鉱物繊維15〜30質量%と、オイル5〜15質量%と、液状ポリマー20〜40質量%と、残部アスファルトからなるアスファルト系粘性体に、さらに粘性体の粘度を調整するため、無機粉末を5〜15質量%の割合で配合することができる。無機粉末としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムから少なくとも1つが選択される。
上記成分組成からなるアスファルト系粘性体は、各成分を捏和機(ニーダ)に投入し、10〜20分間撹拌、混練りすることにより得られ、得られたアスファルト系粘性体には各成分が均一に分散して含有される。
このようにして形成されたアスファルト系粘性体は、0℃〜40℃間の温度変化に対する歪みとトルクの関係を示す履歴曲線における切片荷重の変化が少なく、減衰力の温度依存性が小さいという性能を有するとともに、粘着力(付着力)の変化がなく、粘性と強さを有し、粘性体としての比重が1以上であるなど、粘性体に要求される性質を悉く具有するものである。
次に、上記アスファルト系粘性体を充填した緩衝装置について、図面を参照しながら説明する。
鉄道橋梁や高架道路橋等において、図7に示すような単純桁の場合には、橋梁等の上部構造Gは、橋脚又は橋台に両端をゴム支承1F、1M等により支持され、一方側(ゴム支承1M側)を可動側とし、他方側(ゴム支承1F側)を固定側とし設計される。そして、ゴム支承1M側を可動側とするため、可動側ゴム支承1Mに隣接して可動用緩衝装置10M(詳細は図8乃至図10参照)が配され、ゴム支承1F側を固定側とするため、固定側ゴム支承1Fに隣接して固定用緩衝装置10F(詳細は図11参照)が配される。
可動用緩衝装置10Mは、下部構造Bと上部構造Gとの間に配され、上部構造Gの温度変化、コンクリートの乾燥収縮、クリープによる緩慢な変位に対しては、当該変位を抵抗なく許容し、地震等によって生じる上部構造Gの急激な変位に対しては吸収緩和する役割を果たす。一方、固定用緩衝装置10Fは、下部構造Bと上部構造Gとの間に配され、上部構造Gの温度変化、コンクリートの乾燥収縮、クリープによる緩慢な変位から生じるような常時の水平力に対しては上部構造Gを不動に位置させ、地震等によって生じる上部構造Gの急激な変位に対しては、吸収緩和する役割を果たす。
可動用緩衝装置10Mは、図8乃至図10に示すように、下部構造Bに埋設固定され、上方に開口する開口部11を有する横断面方形状の中空ケーシング12と、上端部13が上部構造Gに固定され、下端部14が中空ケーシング12内において、中空ケーシング12の内面12aと橋軸直角方向Yに小さな隙間S1を形成し、橋軸方向Xに大きな隙間S2を形成して嵌挿された横断面方形状の中空棒状体15と、中空ケーシング12内に充填された前記成分組成からなるアスファルト系粘性体Vとから形成されている。
中空ケーシング12の開口部11側の外面には、その全周にわたり凹溝16を有するシール部受箱17が中空ケーシング12の外面に固定された補強板18にボルト19によって固定され、凹溝16内には、板ばね20と、この板ばね20に押圧され、端面にすべり材21が固定されているとともに、一方の側面22にシール材23が固定されたシール体24及び25が配置される。シール体24、25は、横方向に重ね合わされ、1つのシール体24のシール材23は、凹溝16の壁面26に密接され、もう一つのシール体25のシール材23は、シール体24の他方の側面27に密接されている。
また、中空棒状体15の外面15aには、その全周にわたりすべり板29が固定され、すべり板29の下面30は、前記シール体24、25に固定されたすべり材21に摺接している。
図11に示すように、固定用緩衝装置10Fは、上記可動用緩衝装置10Mの構成に加え、橋軸方向Xにおいて、中空ケーシング12の内面12aと中空棒状体15の外面15aとの隙間S2に、板ばね31が配置されている。この板ばね31は、中空棒状体15の橋軸方向Xに面する外面15aに、中空棒状体15の長さ方向に所定の間隔を隔てて固定されたばね受枠32a、32bに各々端部を係合させ、湾曲部を中空ケーシング12の橋軸方向Xに面する内面12a側に当接させ設置されている。これら板ばね31は、常時の水平力では上部構造Gを不動に保ち、それ以上の水平力で上部構造Gに変位が生じた際に、変位した上部構造Gを元の位置に復元させる作用を果たす。
上述のように形成された可動用緩衝装置10Mは、上部構造Gに生ずる温度変化等による橋軸方向Xの緩慢な変位に対しては抵抗なく当該変位を逃がし、また上部構造Gに作用する衝撃荷重、すなわち制動、始動、特に地震等の急激な変位に対しては、可動用緩衝装置10M及び固定用緩衝装置10Fともに該中空ケーシング12の内面12aと中空棒状体15の外面15aとの隙間S1、S2内に充填されたアスファルト系粘性体Vの粘性抵抗によって当該変位を吸収緩和する。
隙間S1、S2内に充填されたアスファルト系粘性体Vは、0℃〜40℃間の温度変化に対する歪みとトルクの関係を示す履歴曲線における切片荷重の変化が少なく、減衰力の温度依存性が小さいという性能を有するとともに、粘着力(付着力)の変化がなく、粘性と強さを有し、粘性体としての比重が1以上であるなど、粘性体に要求される性質を悉く具有しているので、緩衝装置の設置位置は、環境条件にあまり左右されることがなく、広範囲とすることが可能である。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
天然鉱物繊維として繊維長30μm、繊維径0.2μmの短繊維状を呈するセピオライト〔昭和KDE社製「ミルコンE〔商品名〕」〕22質量%と、オイルとしてパラフィン系プロセスオイル〔出光興産社製「ダイアナプロセスオイルPW150(商品名)」〕9質量%と、液状ポリマーとしてポリブテン〔日本油脂社製「ポリビス200SH〔商品名〕」〕30質量%と、残部として針入度60−80のストレートアスファルト(昭和シェル石油社製)を捏和機に投入し、20分間撹拌、混練りしてアスファルト系粘性体を得た。
〔実施例2〕
上記実施例1と同様のセピオライト22質量%と、パラフィン系プロセスオイル9質量%と、ポリブテン30質量%と、無機粉末として珪酸マグネシウム〔協和化学工業社製「キョワード630PH(商品名)」〕9質量%と、残部として針入度60−80のストレートアスファルトを捏和機に投入し、20分間撹拌、混練りしてアスファルト系粘性体を得た。
〔比較例1〕
針入度60−80のストレートアスファルトを粘性体とした。
〔比較例2〕
針入度60−80のストレートアスファルト90質量%と、パラフィン系プロセスオイル10質量%とを捏和機に投入し、20分間撹拌、混練りして粘性体を得た。
次に、上記した実施例1及び実施例2のアスファルト系粘性体と比較例1及び比較例2の粘性体の減衰力について、0℃〜40℃の温度における減衰力を測定した。
〔測定方法〕
TA Instruments社製の粘弾性測定装置を使用し、任意波形試験(Arbitrary Wave shape Test)によって減衰力を測定した。すなわち、Parallel Plates方式で、2枚のプレート間に直径8mm、厚さ0.8mmの試験片を挟み、サーボモータにより0℃、20℃及び40℃の各温度において、歪み200%、周波数0.5Hzのサイン波を5サイクル入力し、他方のプレートに連結したトルク測定装置によりトルクを測定し、歪みγ(%)とトルクτ(Pa)の関係を示す履歴曲線を得て、3周目の履歴面積(Pa・%)を減衰力とした。また、0℃、10℃、20℃、30℃及び40℃の各温度での切片荷重を測定した。
図1乃至図4に測定結果の履歴曲線を示す。図1は、実施例1のアスファルト系粘性体の履歴曲線、図2は、実施例2のアスファルト系粘性体の履歴曲線、図3は、比較例1の粘性体の履歴曲線、図4は、比較例2の粘性体の履歴曲線を示す。図3及び図4の履歴曲線を示すグラフにおいて、縦軸のスケールが図1及び図2の履歴曲線の縦軸と相違しているが、これは、縦軸のスケールを図1及び図2の縦軸のスケールと同一とすると履歴曲線がグラフ中に描かれないためである。尚、図中、符号1は0℃、符号2は20℃、符号3は40℃の時の履歴曲線を示す。
上記実施例1、実施例2、比較例1及び比較例2の履歴曲線から、3周目の履歴面積、すなわち減衰力の値を図5及び表1に示す。
Figure 0004994808
図6は、温度と歪みとトルクの関係を示す履歴曲線における切片荷重の関係を示すグラフである。図1乃至図4の履歴曲線、図5及び表1に示す減衰力及び図6に示す温度と切片荷重の関係を示すグラフから、実施例1及び実施例2のアスファルト系粘性体は、温度差(夏場と冬場との気温差等)による粘性体の粘性変化、特に常温以下の温度においても急激な減衰の増加はなく温度依存性が小さいことが認められるのに対し、比較例1及び比較例2の粘性体は、温度差による粘性体の粘性変化が著しく、特に常温以下の温度において極端な粘性変化を来たし、温度依存性が大きいことが認められる。
以上のように、本発明にかかるアスファルト系粘性体は、前記粘性体に要求される性質を悉く具有するものであり、橋梁や高架道路等に設置される緩衝装置に好適に用いることができる。
本発明にかかるアスファルト系粘性体の履歴曲線を示すグラフである。 本発明にかかるアスファルト系粘性体の履歴曲線を示すグラフである。 比較例の粘性体の履歴曲線を示すグラフである。 比較例の粘性体の履歴曲線を示すグラフである。 温度と履歴面積の関係を示すグラフである。 温度と切片荷重の関係を示すグラフである。 橋梁における上部構造と下部構造の支承状態を示す説明図である。 可動用緩衝装置の橋軸方向の断面説明図である。 図8の緩衝装置の橋軸直角方向の断面説明図である。 図8の緩衝装置の要部拡大断面説明図である。 固定用緩衝装置の橋軸方向の断面説明図である。
符号の説明
1F ゴム支承(固定側)
1M ゴム支承(可動側)
10F 緩衝装置(固定用)
10M 緩衝装置(可動用)
11 開口部
12 中空ケーシング
12a 内面
13 上端部
14 下端部
15 中空棒状体
15a 外面
16 凹溝
17 シール部受箱
18 補強板
19 ボルト
20 板ばね
21 すべり材
22 側面
23 シール材
24 シール体
25 シール体
26 壁面
27 側面
29 すべり板
30 下面
31 板ばね
32a ばね受枠
32b ばね受枠
B 下部構造
G 上部構造
S1 隙間
S2 隙間
V アスファルト系粘性体

Claims (9)

  1. 天然鉱物繊維15質量%以上30質量%以下と、オイル5質量%以上15質量%以下と、液状ポリマー20質量%以上40質量%以下と、残部アスファルトとからなり、流動性を有するアスファルト系粘性体であって、
    前記天然鉱物繊維は、ウォラストナイト、セピオライト、パリゴルスカイト及びモルデナイトからなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とするアスファルト系粘性体。
  2. 前記液状ポリマーは、ポリブテン又は/及びイソブチレンからなる重合体であることを特徴とする請求項1に記載のアスファルト系粘性体。
  3. 前記アスファルトは、天然アスファルト、ストレートアスファルト、ブローンアスファルト及びセミブローンアスファルトからなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1又に記載のアスファルト系粘性体。
  4. さらに、無機粉末を5質量%以上15質量%以下の割合で含有することを特徴とする請求項1、2又は3に記載のアスファルト系粘性体。
  5. 前記無機粉末は、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、珪酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、酸化アルミニウム及び水酸化アルミニウムからなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする請求項に記載のアスファルト系粘性体。
  6. 下部構造に固定され、上方に開口する開口部を有する横断面方形状のケーシングと、
    上端部が前記下部構造に対応する上部構造に固定され、下端部が前記ケーシング内に所定の隙間を形成して嵌挿された横断面方形状の棒状体とからなり、
    前記ケーシング内に請求項1乃至のいずれかに記載のアスファルト系粘性体が充填されていることを特徴とする緩衝装置。
  7. 前記棒状体の前記下端部と、前記ケーシングの内面との隙間が、前記上部構造長手方向において、前記上部構造長手方向に対して直角な方向よりも大きいことを特徴とする請求項に記載の緩衝装置。
  8. 前記ケーシングの前記上部構造長手方向の内面と、前記棒状体の下端部の前記上部構造長手方向の外面との隙間に、各々板ばねが配されていることを特徴とする請求項又はに記載の緩衝装置。
  9. 前記下部構造が橋脚であり、前記上部構造が橋桁であることを特徴とする請求項又はに記載の緩衝装置。
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