JP2769936B2 - 地下躯体工事における梁、スラブの構築工法 - Google Patents

地下躯体工事における梁、スラブの構築工法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は地下躯体工事における
梁、スラブの構築工法、詳しくは地下構築物の逆打工法
における地下階の梁、スラブの構築工法に係るものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、地下構造物の逆打工法における地
下階の梁、スラブの施工に際しては、建物周囲の外壁に
沿って山留aを施工したのち、構築物を支持する仮支
柱、または構真柱bを埋設して地下階を支持し、同地下
階のスラブc、梁dを構築するもので、逆打階の梁、ス
ラブ下の適宜深さまで掘削し、同掘削レベルに捨てコン
クリートを打設して当階の柱型、梁型、スラブを形成す
るための合金型枠とパイプ、緊結金物等により型枠を組
立て、捨てコンクリートを前記型枠下部をサポートのよ
うな支保工によって支持し、鉄筋を組立てたのちコンク
リートを打設し、打設コンクリートが所要の強度を発現
したのち、前記型枠を解体して次の下階に繰り返し工事
を進めていく。(図9参照) 基礎部eも同様に所定の深さまで、掘削したのち、捨て
コンクリートを打設して梁、スラブの合板型枠を組立
て、鉄筋を組立てたのち、コンクリートを打設し、同打
設コンクリートが所定の強度を発現したのち、前記型枠
を解体する。図中fは杭、gはトツプスラブである。
【0003】前記工法の他、従来図10に示す如きグラ
ンドフオーム工法が行なわれている。この工法は、地下
所定階の梁型、スラブ下まで掘削して、同掘削面におけ
る梁型部gにはビニルシートhを敷き、他のスラブi下
には掘削面に敷きモルタルkを平滑に敷き均らして、梁
型部gのみ型枠を組立てる工法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来工法によれ
ば、型枠の組立に型枠用合板、端太パイプ、フオームタ
イ等の各種型枠資材及び型枠組立資材を大量に必要と
し、資材管理、資材の損耗等でコストが嵩み、スラブは
サポートで支保する支保工作業が必要となり、これら型
枠の組立、解体作業は多大の労力を要し、専門職の型枠
工で行なうため作業員の確保が至難である。
【0005】本発明は前記従来技術の有する問題点に鑑
みて提案されたもので、その目的とする処は専門職の作
業員を要せず、且つ大量の型枠資材支保工を要せず、省
力化が図られ、工費が節減される地下躯体工事における
梁、スラブの構築工法を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明に係る地下躯体工事における梁、スラブの構
築工法によれば、地上部より地下下方に向って順次地下
躯体を構築する逆打工法において、構築階の最大の梁成
を有する梁よりやや下部まで掘削し、同掘削部底面に敷
き砂を平滑に敷き均し、同敷き砂上に均一に下地板を敷
設して同下地板上に型枠ユニツトによって相対する左右
一双のL型板より構成される梁型枠及び相対する上下一
双の水平板と同各水平板を連結する束材とにより構成さ
れるスラブ型枠を組立て、同各型枠に鉄筋を組立ててコ
ンクリートを打設し、同打設コンクリートが所定の強度
を発現したのち、次の下層を掘削するとともに、前記型
枠を解体して地下躯体を構築するものである。
【0007】
【作用】本発明によれば前記したように、逆打工法にお
いて構築階における最大の梁成を有する梁よりやや下部
まで掘削し、同掘削部底面に平滑に敷き均らした敷き砂
上に均一に地下板を敷設して、掘削地盤自体を梁型スラ
ブの支持盤として利用して前記下地板上に梁型枠及びス
ラブ型枠を組立て、支保工を不要ならしめるとともに、
同型枠を型枠ユニツトによって構成することによって、
型枠用合板、型枠組立用資材を不要ならしめるものであ
る。
【0008】
【実施例】以下本発明を図示の実施例について説明す
る。図1に示す如く逆打工法において構築階における最
大の梁成を有する梁位置よりやや下まで水平に掘削し、
同掘削面1に敷き砂2を平滑に敷きならし、同敷き砂2
上に均一に発泡樹脂より構成された図3に示す下地板3
を敷設し、同下地板3上に大梁型枠4及びスラブ型枠5
を組立てる。
【0009】大梁型枠4は相対する一双の発泡樹脂より
構成されたL型板4aより構成され、(図4参照)スラ
ブ型枠5は対向面に係止凹窩6が列設された発泡樹脂よ
り構成された上下一双の水平板5aと、同各水平板5a
の凹窩6に亘って嵌装された発泡樹脂製の束材5bより
構成されている。(図5及び図6参照) なお小梁型枠4′は前記L型板4aより小型の一双のL
型板4′aの下方と下地板3との間に、図7に示す発泡
樹脂製の補助ユニツト材7を介装して構成される。
【0010】次いで前記大梁型枠4、小梁型枠4′、及
びスラブ型枠5に夫々梁鉄筋8,8′、スラブ鉄筋9を
組立ててコンクリートを打設し、同打設コンクリートが
所定強度を発現するのをまって下層を掘削し、前記各型
枠を脱型し、大梁、小梁及びスラブを構築する。図2は
本発明の他の実施例を示し、図8に示す如き一定のサイ
ズに成形された発泡樹脂ブロツク10を梁、スラブの形
状に積上げて型枠とし、地下躯体を構成した場合を示
す。
【0011】図中、前記実施例と均等部分には同一符号
が付されている。
【0012】
【発明の効果】本発明によれば前記したように型枠をユ
ニツト化することによって、従来のように梁型の加工を
要せず、簡単に型枠が組立てられる。また本発明によれ
ば掘削地盤を梁型、スラブの支持盤とすることによって
支保工が不要となり、型枠合板、端太パイプ、フオーム
タイ等の各種の資材を使用することなくコンクリート
梁、スラブが施工できるので、資材の管理、損耗の問題
がなくなる。
【0013】而も梁型枠ユニツトを相対する1双のL型
板より構成し、スラブ型枠ユニツトを上下一双の水平板
と束材とより構成したことによって、型枠の組立、解体
が専門職によることなく簡単に行なわれ、省力化と工費
の節減が図られる。請求項2の発明は前記型枠ユニツト
を発泡樹脂製としたことによって軽量で耐食性を有し、
型枠の組立、分解がより簡単に行なわれ、使用済みの型
枠ユニツトは回収されて再使用に供せられ、経済性が向
上される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地下躯体工事における梁、スラブ
の構築工法の一実施例の実施状況を示す縦断面図であ
る。
【図2】本発明の他の実施例の実施状況を示す縦断面図
である。
【図3】下地板の斜視図である。
【図4】梁型枠ユニツトの斜視図である。
【図5】スラブ型枠ユニツトにおける水平板の斜視図で
ある。
【図6】スラブ型枠ユニツトにおける束材の斜視図であ
る。
【図7】補助ユニツトの斜視図である。
【図8】発泡樹脂ブロツクの斜視図である。
【図9】従来工法の1例を示す縦断面図である。
【図10】従来工法の他の例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 掘削面 2 敷き砂 3 下地板 4 大梁型枠 4a L型板 4′ 小梁型枠 4′a L型板 5 スラブ型枠 5a 水平板 5b 束材 6 係止凹窩 7 補助ユニツト 8,8′ 梁鉄筋 9 スラブ鉄筋

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地上部より地下下方に向って順次地下躯
    体を構築する逆打工法において、構築階の最大の梁成を
    有する梁よりやや下部まで掘削し、同掘削部底面に敷き
    砂を平滑に敷き均し、同敷き砂上に均一に下地板を敷設
    して同下地板上に型枠ユニツトによって相対する左右一
    双のL型板より構成される梁型枠及び相対する上下一双
    の水平板と同各水平板を連結する束材とにより構成され
    るスラブ型枠を組立て、同各型枠に鉄筋を組立ててコン
    クリートを打設し、同打設コンクリートが所定の強度を
    発現したのち、次の下層を掘削するとともに、前記型枠
    を解体して地下躯体を構築することを特徴とする地下躯
    体工事における梁、スラブの構築工法。
  2. 【請求項2】 前記型枠ユニツトは発泡樹脂によって成
    形された請求項2記載の地下躯体工事における梁、スラ
    ブの構築工法。
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