JP2766891B2 - 動物の残滓から抽出した水溶性蛋白質の油温脱水法 - Google Patents
動物の残滓から抽出した水溶性蛋白質の油温脱水法Info
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- JP2766891B2 JP2766891B2 JP63066921A JP6692188A JP2766891B2 JP 2766891 B2 JP2766891 B2 JP 2766891B2 JP 63066921 A JP63066921 A JP 63066921A JP 6692188 A JP6692188 A JP 6692188A JP 2766891 B2 JP2766891 B2 JP 2766891B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、動物の残滓から抽出した水溶性蛋白質の油
温脱水法に関する。
温脱水法に関する。
(ロ) 従来の技術 従来、動物の残滓より飼料あるいは食品原料を製造す
るには、まずこの残滓を高温で加熱すると共に、圧搾処
理を行って固形物と液体物とに分離する。
るには、まずこの残滓を高温で加熱すると共に、圧搾処
理を行って固形物と液体物とに分離する。
さらに、固形物中には、多量の蛋白成分、水分少量の
油分が含まれており、同固形物を乾燥処理することによ
り、高蛋白成分を有した飼料あるいは食品原料を製造し
ている。
油分が含まれており、同固形物を乾燥処理することによ
り、高蛋白成分を有した飼料あるいは食品原料を製造し
ている。
一方、分離した液体物中には、少量の蛋白成分、多量
の水分及び油分が含まれており、同液体物を遠心分離器
にかけて、水溶性蛋白質及び親水性脂肪等を含む物質い
わゆるソリューブルと油分に分離している。
の水分及び油分が含まれており、同液体物を遠心分離器
にかけて、水溶性蛋白質及び親水性脂肪等を含む物質い
わゆるソリューブルと油分に分離している。
(ハ) 発明が解決しようとする問題点 ところが、このソリューブル中には、蛋白質が含まれ
ており、このソリューブルをそのまま上記の飼料等の原
料中に添加していたが、このソリューブル中の蛋白質の
変性によって同ソリューブル中に含まれたアンモニア等
の悪臭成分より悪臭を発生させる欠点を有していた。
ており、このソリューブルをそのまま上記の飼料等の原
料中に添加していたが、このソリューブル中の蛋白質の
変性によって同ソリューブル中に含まれたアンモニア等
の悪臭成分より悪臭を発生させる欠点を有していた。
また、粘着性を有したソリューブルは、乾燥処理を行
うと、蛋白質が容易にこげてしまい、そこで、このソリ
ューブル中の蛋白質のみを抽出することは不可能である
為に、そのまま廃棄処分していた。
うと、蛋白質が容易にこげてしまい、そこで、このソリ
ューブル中の蛋白質のみを抽出することは不可能である
為に、そのまま廃棄処分していた。
(ニ) 問題点を解決するための手段 この発明は、動物の残滓から固形物と液体物とを分離
抽出し、水溶性蛋白質及び親水性脂肪等を含む前記液体
物を動物油あるいは植物油等を熱媒体としてクッカー内
で加熱し、同クッカー内を小さな初期減圧と、大きな後
期減圧との二段階減圧による脱水処理を行って水分とと
もに悪臭成分を蒸散させ、その後、脱油処理を行うこと
を特徴とする動物の残滓から抽出した水溶性蛋白質の油
温脱水法に係るものである。
抽出し、水溶性蛋白質及び親水性脂肪等を含む前記液体
物を動物油あるいは植物油等を熱媒体としてクッカー内
で加熱し、同クッカー内を小さな初期減圧と、大きな後
期減圧との二段階減圧による脱水処理を行って水分とと
もに悪臭成分を蒸散させ、その後、脱油処理を行うこと
を特徴とする動物の残滓から抽出した水溶性蛋白質の油
温脱水法に係るものである。
(ホ) 作用・効果 本発明では、動物の残滓から抽出した水溶性蛋白質及
び親水性脂肪等を含む物質、いわゆるソリューブルを、
動物油等を熱媒体としたクッカー内にて加熱し、しか
も、同クッカー内を小さな初期減圧、及びその後の大き
な後期減圧の二段階減圧によって脱水処理を行い、ソリ
ューブル中の水溶性蛋白質を凝固安定化し、これらの成
分の流失を防止することができる。
び親水性脂肪等を含む物質、いわゆるソリューブルを、
動物油等を熱媒体としたクッカー内にて加熱し、しか
も、同クッカー内を小さな初期減圧、及びその後の大き
な後期減圧の二段階減圧によって脱水処理を行い、ソリ
ューブル中の水溶性蛋白質を凝固安定化し、これらの成
分の流失を防止することができる。
また、その減圧の際に、ソリューブルが油温による加
熱によって蛋白質を熱変性させながら、水分とともに悪
臭成分を蒸散させることにより、悪臭の発生を防止する
ことができる。
熱によって蛋白質を熱変性させながら、水分とともに悪
臭成分を蒸散させることにより、悪臭の発生を防止する
ことができる。
さらに、脱水処理した後に、脱油処理を行い、ソリュ
ーブル中の親水性脂肪と熱媒体とを脱油して、ソリュー
ブルより蛋白成分を損うことなく抽出することができ、
飼料あるは食品原料に添加して、有効に利用することが
できる。
ーブル中の親水性脂肪と熱媒体とを脱油して、ソリュー
ブルより蛋白成分を損うことなく抽出することができ、
飼料あるは食品原料に添加して、有効に利用することが
できる。
(ヘ) 実施例 以下、本発明を、実施例にもとづいて詳説する。
まず、原料としては、動物の肉、骨、内臓等の残滓を
高温加熱及び圧搾処理して固形物を分離して抽出された
水溶性蛋白質及び親水性脂肪等を含む物質(ソリューブ
ル)を使用するするものである。
高温加熱及び圧搾処理して固形物を分離して抽出された
水溶性蛋白質及び親水性脂肪等を含む物質(ソリューブ
ル)を使用するするものである。
特に、本実施例では、かかる原料約1000kgを、内部に
撹拌羽根を内蔵した約4.5m3のクッカー中に投入するも
のであり、同クッカー中には、動物油、植物油1kを熱
媒体として120℃前後に加熱した状態で収納する。
撹拌羽根を内蔵した約4.5m3のクッカー中に投入するも
のであり、同クッカー中には、動物油、植物油1kを熱
媒体として120℃前後に加熱した状態で収納する。
さらに、原料を投入したクッカー内は、まず、初期に
おいて油中で加温後、5分〜20分間程度10〜20mmHgの減
圧、次いで750mmHg前後の減圧をして脱水処理を行い、
約3時間前後油温脱水を継続する。
おいて油中で加温後、5分〜20分間程度10〜20mmHgの減
圧、次いで750mmHg前後の減圧をして脱水処理を行い、
約3時間前後油温脱水を継続する。
このようにして、クッカー中にて油温により加熱され
た原料には、加熱油が原料組織中に浸透して組織内部に
均一な加熱を行い、組織自体は、約90℃〜約100℃に保
持される。
た原料には、加熱油が原料組織中に浸透して組織内部に
均一な加熱を行い、組織自体は、約90℃〜約100℃に保
持される。
そして、原料組織が内部まで加熱されていくと、自己
保有水分は脱水されていき、含水率が約6%以下にな
り、さらには、組織そのものが熱変性により破壊されて
いき、水分と共に揮発性化合物、例えば、カルボニル化
合物、トリメチルアミン、H2S、アンモニア、インドー
ル、スカトール等は蒸散分離していき、同時に組織中の
ゼラチン、水溶性蛋白質は熱変性を生じて凝固すること
になる。
保有水分は脱水されていき、含水率が約6%以下にな
り、さらには、組織そのものが熱変性により破壊されて
いき、水分と共に揮発性化合物、例えば、カルボニル化
合物、トリメチルアミン、H2S、アンモニア、インドー
ル、スカトール等は蒸散分離していき、同時に組織中の
ゼラチン、水溶性蛋白質は熱変性を生じて凝固すること
になる。
次いで、油温による加熱が終了した時点で、原料中の
含有油脂は、圧搾による圧油或いはノーマルヘキサン等
の溶剤による脱油が行われて、油脂の分離され、蛋白質
を有した粉末状の油温処理物が残る。
含有油脂は、圧搾による圧油或いはノーマルヘキサン等
の溶剤による脱油が行われて、油脂の分離され、蛋白質
を有した粉末状の油温処理物が残る。
かかる方法により、ソリューブル中の蛋白成分を抽出
し、しかも、この蛋白質の熱変性によって悪臭の発生を
防止することにより、そのソリューブルを廃棄するとこ
となく、飼料あるいは食品原料として有効に利用するこ
とができる。
し、しかも、この蛋白質の熱変性によって悪臭の発生を
防止することにより、そのソリューブルを廃棄するとこ
となく、飼料あるいは食品原料として有効に利用するこ
とができる。
また、かかる本発明方法により回収した製品を、従来
法による製品と比較してみると、次の通りである。
法による製品と比較してみると、次の通りである。
なお、アンモニア濃度は、ガスクロマトグラフィー試
験器によって検出した値である。
験器によって検出した値である。
また、におい試験は、20人を対象に従来方法と本発明
方法とによる二つの製品のにおいを比較し、においが良
好なものを選択する。
方法とによる二つの製品のにおいを比較し、においが良
好なものを選択する。
なお、第2表は、従来法によるソリューブル100に対
する成分組成及び本発明方法による最終製品100に対す
る成分組成を表したものである。
する成分組成及び本発明方法による最終製品100に対す
る成分組成を表したものである。
第1表から明らかなように、本発明方法における最終
製品は、従来法のものと比し、異臭成分の濃度を低下さ
せ、また、第2表の成分組成から明らかなように、本発
明方法により回収した製品は、従来法のソリューブルと
比し、脱水・脱油処理にて水分及び油脂分の含有率を低
くし、特に、蛋白成分を飼料あるいは食品原料の成分と
同様にし、同飼料等の原料中に添加しても良好なものを
得ることができる。
製品は、従来法のものと比し、異臭成分の濃度を低下さ
せ、また、第2表の成分組成から明らかなように、本発
明方法により回収した製品は、従来法のソリューブルと
比し、脱水・脱油処理にて水分及び油脂分の含有率を低
くし、特に、蛋白成分を飼料あるいは食品原料の成分と
同様にし、同飼料等の原料中に添加しても良好なものを
得ることができる。
Claims (1)
- 【請求項1】動物の残滓から固形物と液体物とを分離抽
出し、水溶性蛋白質及び親水性脂肪等を含む前記液体物
を動物油あるいは植物油等を熱媒体としてクッカー内で
加熱し、同クッカー内を小さな初期減圧と、大きな後記
減圧との二段階減圧による脱水処理を行って水分ととも
に悪臭成分を蒸散させ、その後、脱油処理を行うことを
特徴とする動物の残滓から抽出した水溶性蛋白質の油温
脱水法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63066921A JP2766891B2 (ja) | 1988-03-18 | 1988-03-18 | 動物の残滓から抽出した水溶性蛋白質の油温脱水法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63066921A JP2766891B2 (ja) | 1988-03-18 | 1988-03-18 | 動物の残滓から抽出した水溶性蛋白質の油温脱水法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01240148A JPH01240148A (ja) | 1989-09-25 |
JP2766891B2 true JP2766891B2 (ja) | 1998-06-18 |
Family
ID=13329925
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63066921A Expired - Fee Related JP2766891B2 (ja) | 1988-03-18 | 1988-03-18 | 動物の残滓から抽出した水溶性蛋白質の油温脱水法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2766891B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
SG109970A1 (en) | 2001-05-11 | 2005-04-28 | Yamamoto Masahiro | Method for treating organic waste |
JP2003235465A (ja) * | 2002-02-21 | 2003-08-26 | Masahiro Yamamoto | 油脂を利用した麹飼料の製造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS54129159A (en) * | 1978-03-28 | 1979-10-06 | Tanpaku Shigen Kaihatsu Totsuk | Dehydration to recover protein source from waste material of animal * fish * shellfish and like |
JPH0624467B2 (ja) * | 1985-07-31 | 1994-04-06 | 修三 中園 | 廃棄物の処理方法 |
JPS62113785A (ja) * | 1985-11-12 | 1987-05-25 | 焼津ミ−ル協業組合 | 植物肥料の製造方法 |
-
1988
- 1988-03-18 JP JP63066921A patent/JP2766891B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01240148A (ja) | 1989-09-25 |
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