JP2765691B2 - シミュレーション方法 - Google Patents

シミュレーション方法

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JP2765691B2
JP2765691B2 JP21735096A JP21735096A JP2765691B2 JP 2765691 B2 JP2765691 B2 JP 2765691B2 JP 21735096 A JP21735096 A JP 21735096A JP 21735096 A JP21735096 A JP 21735096A JP 2765691 B2 JP2765691 B2 JP 2765691B2
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  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Multi-Process Working Machines And Systems (AREA)
  • General Factory Administration (AREA)
  • Feedback Control In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生産現場での生産
状況を予測するための離散系計算機シミュレーション方
法に係り、特に試行錯誤的にモデル修正が行なわれる場
合に好適とされたシミュレーション方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、シミュレーション処理過程を記憶
し、これを利用しシミュレーション結果を出力するもの
としては特開昭62−135958号公報が挙げられる。また、
シミュレーション・モデルを部分修正し再度シミュレー
ションを行なうものとしては、特開昭61−237162号公報
が挙げられ、これによる場合は最初のシミュレーション
の際に、予め全ての生起し得る事象を求めておき、その
後シミュレーション・モデルが修正された場合には、モ
デル修正により変更が生じた事象についてのみ再度計算
が行なわれるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
シミュレーション処理過程記憶方式による場合は、シミ
ュレーション処理が単に記憶されているだけであり、そ
れがシミュレーション処理の後戻りに何等利用されてい
ないものとなっている。また、後者のシミュレーション
方式では、モデル修正前(第1回目)のシミュレーショ
ン処理結果を利用してモデル修正後(第2回目)のシミ
ュレーション処理が行なわれているが、モデル修正の影
響が広範囲に及ぶ場合には、モデル修正前のシミュレー
ション処理に比し計算に多くの時間が要されるものとな
っている。モデル修正後のシミュレーション処理で、モ
デル修正前のそれよりも計算に多くの時間が要されると
判断された場合には、そのシミュレーション処理が停止
されたうえモデル修正前のシミュレーション方式でシミ
ュレーション処理を続行しなければならなかったもので
ある。
【0004】これら不具合に加え更に生産現場での生産
状況をシミュレーションする場合には、シミュレーショ
ン途中の任意時刻に設備能力が変更されることはなく、
シミュレーション期間(例えば月曜日から金曜日まで)
の特定な時刻(例えば金曜日の早朝)に設備能力が往々
にして変更されるようになっている。このような場合に
はシミュレーション処理の途中(例えば金曜日午前10
時頃)からその特定な時刻までシミュレーション処理を
戻す必要があるが、これまでにあっては再度最初よりシ
ミュレーション処理が行なわれており、多くの時間が要
されるものとなっている。
【0005】本発明の目的は、シミュレーション処理の
途中から任意時刻でのシミュレーション処理に後戻りし
得、後戻りしモデル修正後に再度シミュレーション処理
が行なわれる場合での処理時間が短縮可とされたシミュ
レーション方法を供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、シミュレー
ション処理に並行して、シミュレーション処理過程で生
じるモデル状態の変移を記憶しておき、モデル修正後に
再度シミュレーション処理を行なう際には、そのモデル
修正前に行なわれたシミュレーション処理でのモデル状
態変移を利用し得るか否かを、修正影響判断データより
判断することで達成される。
【0007】
【発明の実施の形態】先ず本発明の具体的説明に先立っ
て、その概要について説明すれば、シミュレーションシ
ステム中には、モデル状態の変移をシミュレーション内
部時刻とその変移状態として記憶する状態変移記憶テー
ブルが前回、今回シミュレーション対応に設けられる
他、モデル修正により状態変移記憶テーブル中の何れの
状態変移が再シミュレーション時に使用不可となるかを
判断するための修正影響判断テーブルが状態変移要素
(例えば製品、設備、待ち)対応に設けられ、これらテ
ーブルによって後戻り処理、再シミュレーション処理が
行なわれるようになっているものである。
【0008】即ち、シミュレーション処理の進行に伴
い、予め記憶されているシミュレーション・モデルは逐
次変移されるが、このような過程でモデルが変移する度
に、その変移のあった際の内部時刻と変移の内容(例え
ば、ある製品がある「待ち」での待ちが終り、ある設備
で処理が始められる)が状態変移記憶テーブルに記憶さ
れるようになっているものである。このようにしてモデ
ルを次々変移させ状態変移が記憶されるが、このような
状態でモデル修正と再シミュレーションの必要が生じた
場合には、そのような処理の繰返しは停止されシミュレ
ーション処理は一旦中断されるものとなっている。この
後シミュレーションを後戻りさせるが、後戻り処理とし
ては、状態変移記憶テーブルの最後に記憶されている内
容が読み出されたうえその変移状態が変移した時刻を現
在の内部時刻に置き換えるようになっている。これによ
りシミュレーションの内部時刻が、読み出された状態変
移の変移時刻まで後戻りするものである。これと同時
に、記憶されている状態変移(例えば、ある製品がある
「待ち」での待ちが終り、ある設備で処理が始められ
る)はこれと逆の状態変移(ある製品がある設備で処理
をやめ、「待ち」の先頭につながれる)を記憶している
モデルに後戻りされる。これによって1つの状態変移分
だけ後戻りし得るものであり、このような後戻り処理を
繰り返すことによっては、所望の内部時刻にまでシミュ
レーションを後戻りさせ得るものである。
【0009】さて、モデル修正後再シミュレーションが
行なわれるに際しては、前回のシミュレーション対応の
状態変移記憶テーブルから、前回シミュレーション時に
状態が変移した内部時刻とその時の状態変移を1つづつ
読み込み、読み込んだ状態変移(例えば、ある製品があ
る設備で処理が終り、次にある「待ち」で待つ)の要素
(その製品,その設備,その待ち)が、今回行なわれた
モデルの部分修正の影響を受けていない場合、つまり、
修正影響判断テーブルのその要素のところが影響を受け
ていない状態の場合には、今回も前回と同じ状態の変化
が生じるとして、前回のシミュレーション処理過程がそ
のまま利用されるようになっている。換言すれば、何時
何れの設備で何れの製品が処理開始、または処理終了す
るかといった作業時間の計算処理や、何れの製品を処理
するか、何れの設備を使用するかといった選択の処理
(これらを正規のシミュレーション処理と呼ぶことにす
る)を省くことが可能となる。しかしながら、モデル修
正の影響を受けている要素が1つでもある場合には、前
回シミュレーション処理過程を利用し得なく、このよう
な場合には正規のシミュレーション処理が行なわれるよ
うになっている。これによりモデルの一部が修正された
場合には、モデル修正の影響が要素の一部分だけに及び
大部分が影響を受けないで済むので、正規のシミュレー
ション処理を減らせ計算時間も短縮され得るものであ
る。これは、正規のシミュレーション処理においては、
何れの設備が空いているかを探索するのにテーブル比較
を数多く行なわなければならず、計算に多くの時間が要
されるのに対し、前回シミュレーション処理過程を流用
する場合には、数回のテーブル比較計算に要される時間
で処理が済まされるからである。
【0010】但し、モデル修正の影響は当初はモデル修
正に係る要素だけにとどまっているが、シミュレーショ
ンの進行に伴いモデル修正に係わらない要素にまでその
影響が及ぶようになっている。例えば、ある製造設備の
処理能力を変更するといったモデル修正が行なわれた場
合を想定すれば、この設備を通る製品にも影響が及んで
しまう。この影響が及んだ製品を更に他の設備で処理す
れば、その設備にもモデル修正の影響が及んでしまうと
いった具合である。このモデル修正の影響が及ぶ度に、
修正影響判断テーブル中の該当する設備や製品は影響あ
りの状態におかれるようになっているものである。
【0011】さて、本発明を図1から図14により具体
的に説明する。先ず本発明に係るシミュレータについて
説明すれば、図1は一例でのその全体のシステム構成を
示したものであり、本例でのものは工場の生産現場での
生産状況をシミュレーションする場合が想定されたもの
となっている。図示のように、シミュレータ1はシミュ
レーション・モデルを入力するための手段としてCRT
ディスプレイ2やキーボード3を、また、シミュレーシ
ョン結果の表示手段としてCRTディスプレイ2やプリ
ンタ4を備えたものとなっている。更に、このシミュレ
ータ1にはシミュレーション・モデルを記憶するための
モデル記憶テーブル5や、モデルの一部修正前に行なわ
れたシミュレーションの処理過程で状態が変移した時刻
や設備名称,製品名称,変移状態(作業開始,完了)を
記憶しておくための状態変移記憶テーブル6、モデル修
正の影響を記憶しておくための修正影響判断テーブル7
が備えられたものとなっている。これらのテーブルをC
PU8が操作することによりシミュレーションを進行さ
せるが、図2はその処理フローの概要を示したものであ
る。
【0012】この処理フローによる場合、先ず処理10に
よりシミュレーションの対象としてのモデルが入力され
るが、モデルの入力方法を図3に示す。図示のように投
入される製品の名称(本例ではA,B,C…)、更には
それぞれの製品が何れの製造設備(本例では設備1〜
3)で何分間作業されるかが入力されるようになってお
り、作業分数はST(Standard Time;標準作業時
間)で入力されるようになっている。また、製品への作
業の順番は第1工程、第2工程、第3工程といった具合
に設定される。例えば、製品Aに例をとれば、図示のよ
うに先ず設備1で10分間作業された後は、設備2で30分
間作業されるようになっている。以上のようにして入力
されたモデルにもとづき処理11によりシミュレーション
処理が行なわれるわけであるが、シミュレーションの処
理フローを図4に示す。なお、図4中、破線表示の5つ
の処理23,24,29,33,37はモデル修正後に用いられる
ものであり、その詳細については後述するところであ
る。
【0013】図4に示すように、シミュレーション処理
においては先ず処理20によりモデル記憶テーブルの構成
要素としての設備テーブル(図5参照),待ちテーブル
(図6参照)および製品テーブル(図7参照)が初期化
されるようになっている。これらテーブルのうち、設備
テーブルは設備対応にその設備名称と、その設備が使用
されている(使用中)か、使用されていない(未使用)
かを示す使用/未使用状態と、その設備での作業が完了
する時刻とから構成されており、初期化状態ではモデル
記憶テーブルより抽出された全ての設備の状態は全て未
使用に、また、作業完了時刻は零に設定される。また、
待ちテーブルは設備対応の待ち名と、その待ちで待って
いる製品名称で構成されており、初期化状態では待ち製
品名称は全てクリアされるようになっている。更に製品
テーブルは製品名称と、その製品が現在仕掛っている設
備場所と、その場所での製品の状態(「待ち」,「作
業」,「完了」)とから構成されており、その初期化に
おいてはモデル記憶テーブルの製品順に製品の第1工程
の設備を読み込み、読み込んだ設備が未使用ならば設備
テーブルの該当設備の状態を「使用中」にし、設備テー
ブルの作業完了時刻には、モデル記憶テーブルのその製
品の第1工程のSTが代入されるようになっている。更
に製品テーブルのその製品の設備場所を第1工程のもの
とし、状態は「作業」に設定されるようになっている。
これとは逆に、もしも読み込んだ設備が「使用中」なら
ばその製品のモデル記憶テーブルの第1工程に対応した
待ちテーブルにはその製品が登録され、更に製品テーブ
ルのその製品の設備場所を第1工程のものとし、状態は
「待ち」に設定されるようになっている。モデル記憶テ
ーブルの製品全てについて以上の処理が行なわれるわけ
であり、これら処理終了後シミュレータ内部時刻、即
ち、シミュレータでの時刻が零に設定されることによっ
て、シミュレーション前処理は終了されるものとなって
いる。
【0014】さて、処理21では製品全てについて作業が
終了したか否かが判断されており、もしも、シミュレー
ション途中の場合には、処理22によって設備テーブルの
作業完了時刻のうち、零以外の最小のものが選択され、
これが次の内部時刻として設定されるようになってい
る。この処理22により次に作業が終了する設備が選択さ
れ、その時刻まで内部時刻が進められるものである。そ
の進められた内部時刻で作業が終了するので、作業を完
了させると同時に、状態変移記憶テーブル26には処理25
によって図8に示すフォーマットで状態変移が記憶され
るようになっている。このフォーマットはその「完了」
という状態の変移が生じた内部時刻と,その完了した製
品名称と,その設備名称と,完了したという状態変移を
示す状態とからなり、このようなフォーマットで状態変
移を記憶してなる状態変移記憶テーブルは後述する再シ
ミュレーションの際に利用されるが、状態変移記憶テー
ブルからはシミュレータの中でモデルが如何に変移した
かが知れ、後にモデルの動きが再現可となっている。
【0015】ところで、作業完了に係る製品は次の設備
にモデルテーブルの情報に従って送られるが、もしも、
処理27で次の設備が無いと判定された場合には、その製
品は作業が完了したものとして以降処理対象とはされな
く、また、もしも、次の設備が空いてる場合には、設備
テーブルのその設備の状態は処理28によって「使用中」
に設定された後、処理30によっては作業完了時刻が計算
され、処理31によってはその製品に対する作業が開始さ
れたことが状態変移記憶テーブル26に追加記憶されるも
のとなっている。一方、次の設備が「使用中」の場合に
は処理32によって待ちテーブルで待たされている製品の
最後にその製品は登録された後、処理34によって「待
ち」になったことが状態変移記憶テーブル26に登録され
るようになっている。これらの処理によりその内部時刻
に作業完了に係る製品に対する処理は終了されることに
なる。しかし、作業完了に係る設備が空いたままになる
ので、その設備では新たな作業が開始されることにな
る。処理35による判定でその作業完了に係る設備の前で
待たされている製品があれば、「待ち」の一番先頭に登
録されている製品が作業されるものである。その処理と
しては処理36によって製品テーブルの状態を「作業」に
し、待ちテーブルの待ち製品名称は1つづつ前に詰めら
れるようになっている。その後は先の場合と同様に作業
完了時刻が計算されたうえ、作業が開始されたことが処
理38によって状態変移記憶テーブル26に追加記憶される
ようになっている。また、もしも作業完了に係る設備の
前で待たされている製品がなければ、処理39によってそ
の設備は開放されるようになっているものである。な
お、「待ち」状態にある製品を取り出すには種々の方法
が知られている。例えばSTの小さい順に、あるいは残
り工数の少ない順に取り出す、といった方法が知られて
いる。この取出方法如何によっては取出処理に多くの時
間が要され、また、生産性が大きく変化するが、本例で
は先入先出方法が採用されたものとなっている。
【0016】以上の処理で製品に対する1つの工程の処
理が終了し、同時に製品の変移情報が状態変移記憶テー
ブルに記憶されたことになるが、同様な処理が繰り返さ
れることでシミュレーション処理は進行されるようにな
っているものである。
【0017】さて、シミュレーション処理が終了した時
点で、その処理結果を処理12によって表示すれば、例え
ば図9に示すような結果が得られることになる。本例で
は縦方向は設備名称を、また、横方向は内部時刻を表し
ており、更に長方形各々はその内部に記されてある製品
への作業の開始とその終了を表している。処理13ではこ
の表示内容より生産上問題がないか否かがオペレータに
よって判断されているものである。もしも、その結果か
ら製品Cの第1工程での処理が長過ぎると考えたとすれ
ば、オペレータによって製品Cの第1工程でのSTは4
0分から30分に変更されるようになっている。即ち、
モデル修正が一部行なわれるものである。
【0018】ところで、この僅かなモデル修正に伴い再
度シミュレーション処理を最初より行なうのは無駄であ
り、前回シミュレーション処理での状態変移が記憶され
ている状態変移記憶テーブルを利用することによって、
再シミュレーション処理の高速化が図られるようになっ
ている。待ち製品取出処理や作業完了時刻を求める処
理、最小作業完了時刻を求める処理が簡略化されること
によって、再シミュレーションが高速に行なわれるよう
になっているわけであるが、この再シミュレーションに
ついて説明すれば以下のようである。
【0019】即ち、前回シミュレーション処理結果が思
わしいものでない場合には、処理14でモデルの修正が行
なわれ、修正されたモデルについては処理15によって再
びシミュレーション処理が行なわれるが、その処理に先
立っては前回シミュレーション処理時での状態変移がそ
のモデル修正により影響を受けるか否かが判断されるべ
く、修正影響判断テーブルにそのモデル修正による影響
の有無が登録されるようになっている。その修正影響判
断テーブルよりモデル修正による影響を受けていないと
判断された場合には、前回シミュレーション処理過程が
そのまま利用されるようになっているものである。より
具体的には図10に示す設備修正影響判断テーブルでの
影響項目は全て「影響無し」に、また、図11に示す待
ち修正影響判断テーブルでの影響項目は全て「影響無
し」に、更に図12に示す製品修正影響判断テーブルで
の影響項目は製品C以外のものについては「影響無し」
に、製品Cについては「影響有り」にそれぞれ設定され
るようになっている。以上のようにして修正影響判断テ
ーブルが初期化された後、再シミュレーションが行なわ
れるが、再シミュレーション処理の処理フローは図4に
示すものにほぼ同一ながらも、新たに処理23,24,29,
33,37が増えたものとなっている。これら再シミュレー
ション処理用に特に増やされた処理について説明すれ
ば、処理29,33,37ではモデル修正の影響が広まったか
否かが判定されるようになっている。即ち、前回シミュ
レーション処理過程が利用し得るか否かが処理23で判断
され、モデル修正の影響を全く受けていない場合には処
理24によって高速処理(図13にその処理フローを示
す)が行なわれるも、その影響を受けている場合は前回
シミュレーション処理過程を利用することなく、新規に
シミュレーション処理が行なわれるようになっている。
しかしながら、モデル修正の影響は製品から設備や待ち
に、また、設備や待ちから製品へと広がっていくので、
それら処理29,33,37では、それまでにモデル修正に伴
う影響を受けている設備や待ち,製品が新たな別の設備
や待ち,製品にモデル修正の影響を及ぼす可能性につい
て判断されているものである。処理29では作業完了した
製品がモデル修正の影響を受けていると次の設備に影響
を与え、また、逆に次の設備が影響を受けていると作業
完了した製品に影響を与えることから、作業完了した製
品と次の設備が影響を受けているか否かが製品修正影響
判断テーブルおよび設備修正影響判断テーブルより判断
されるようになっている。もしも、影響がある場合に
は、それぞれのテーブルの製品または設備は「影響有
り」に設定されるようになっている。同様に処理33では
作業完了した製品と待ちの間で、処理37では、待たされ
ていた製品と完了した設備の間で影響関係が調べられる
ことで、修正影響判断テーブルは更新され、モデル修正
の影響が拡がりつつあるか否かが随時調べられるものと
なっている。
【0020】ここで、図13により再シミュレーション
処理時での高速処理、即ち、処理24のアルゴリズムにつ
いて説明すれば、本処理では前回でのシミュレーション
処理結果を利用することによって、今回でのシミュレー
ション処理結果が高速に得られるようになっている。図
13に示すように、先ずモデル修正の影響を受けている
設備での作業完了時刻のうち、最小の値をTとして、ま
た、前回状態変移記憶テーブル中の先頭に記憶されてい
る状態変移の時刻をFとして、TとFとが処理41によっ
て比較されるようになっている。なお、Tを探索するの
に要される時間は正規の場合に比し比較回数が少なくて
済まされるので、その分より早く探索され得るものとな
っている。
【0021】その比較によっては現時点より最も近い将
来に作業が完了する設備が知れるものである。その比較
でTがFより小さいとそれは影響を受けている設備なの
で、正規のシミュレーション処理に戻るも、TがFより
大きいとそれは影響を受けていない設備なので、次の高
速処理に移行されるようになっている。
【0022】以上の処理は、次に作業が完了する設備を
発見し内部時刻を進める処理であるが、その後は状態変
移記憶テーブルより先頭に記憶されている状態変移の情
報が読み出されるとともに、そのテーブルよりその状態
変移は削除される。処理42によっては、読み出された状
態変移情報の中で製品と場所(設備または待ち)が既に
モデル修正の影響を受けていないかが修正影響判断テー
ブルにもとづき判断されるが、もしも影響を受けている
場合は正規のシミュレーション処理に戻るも、製品と場
所が影響を受けていなければ、前回のシミュレーション
処理過程、即ち、読み込まれた状態変移情報がそのまま
流用し得るものとなる。この後は処理43によってその情
報の中の状態を表す項目により処理は処理44,46,48の
何れかに分岐されるが、基本的には設備テーブル,待ち
テーブル,製品テーブルが更新されその旨が今回シミュ
レーション用の状態変移記憶テーブルに追加記憶される
ものとなっている。正規のシミュレーション処理の中の
状態変移記憶テーブルへの記憶についても今回用のテー
ブルが使用されるものである。
【0023】さて、以上のようにして再シミュレーショ
ン処理が行なわれた後は、先の場合と同様にしてシミュ
レーション処理結果が表示されるが、その表示内容如何
によっては更にモデル修正と修正されたモデルについて
のシミュレーションが繰り返されるようになっている。
このような処理を繰り返すことによっては、生産上最適
と考えられる生産条件が見出されるものである。
【0024】以上再シミュレーション処理について説明
したが、最後にシミュレーションの後戻り処理について
説明すれば以下のようである。
【0025】即ち、実際でのシミュレーションにおいて
は、モデル修正等が行なわれるべき箇所で容易にシミュ
レーション処理を中断し得ないものとなっている。中断
させたい処理の前でシミュレーション処理を停止させた
場合は、僅かづつシミュレーション処理を進めることに
よって、所望の箇所でシミュレーション処理を中断した
うえモデル修正等が行なえることになる。しかしなが
ら、所望の箇所を通り過ぎた場合には、これまでにあっ
ては、再度シミュレーションを最初よりし直す以外に術
はなかったものである。シミュレーション処理が所望の
箇所を通り過ぎた場合であっても、容易にその箇所に後
戻りさせるようにしたのが本発明なわけである。
【0026】さて、その後戻り処理の処理フローは図1
4に示されているが、これによる場合、シミュレーショ
ン処理を中断したうえ後戻り処理を行なう場合には、図
2に示すシミュレーション処理の全体フロー中、処理1
1,15で後戻り処理は行なわれるようになっている。始
めに、状態変移記憶テーブルの最後に記憶されている状
態変移が処理60によって読み込まれ、この読み込まれた
状態変移情報にもとづき後戻り処理が行なわれるように
なっている。先ず処理61によって読み込まれた情報の中
の時刻まで、シミュレーション内部時刻は戻された後
は、処理62によって読み込まれた状態変移の状態如何に
より以降での処理は分岐されるものとなっている。状態
が「開始」の場合、換言すれば、その時刻に作業が開始
している場合には、処理63によって読み込まれた製品に
対応する製品テーブルの状態は「待ち」にされ、待ちテ
ーブルの先頭にはその製品が登録され、更に、処理64に
よって読み込まれた設備に対応する設備テーブルはその
状態が「未使用中」におかれるものとなっている。ま
た、もしも状態が完了の場合には、同様に処理65によっ
て製品テーブルの状態が「作業」にされ、処理66によっ
ては設備テーブルは「使用中」におかれたうえ、作業完
了時刻には現在の内部時刻がセットされるようになって
いる。更に、もしも状態が待ちの場合には、同様に処理
67によって製品テーブルの状態は「作業」に、場所は入
力されたモデルテーブル上の1つ前の工程にされる。こ
の後処理68によっては読み込まれた設備の1つ前の工程
での設備に対応する設備テーブルの状態は「使用中」に
され、作業完了時刻には現在の内部時刻がセットされる
ようになっている。このような処理を状態変移記憶テー
ブルにもとづき繰り返すことによっては、シミュレーシ
ョン・モデルの状態を後戻りさせ得るものである。
【0027】以上本発明を説明したが、それより判るよ
うにシミュレーション・モデルの部分修正が小さく、か
つモデルの部分修正の影響がモデルの広範囲に及ばない
場合には、シミュレーション処理の計算時間が短縮され
ることになる。特に、長い計算時間が要される「待ち」
から製品を取り出す処理の回数を減らせることによっ
て、全体の計算時間が大幅に短縮されることになる。ま
た、次の作業完了時刻を決定するための計算時間も相当
短縮されることによって、シミュレーションの計算時間
が少なくて済まされるばかりか、シミュレーションを短
時間で繰り返し行なえることによって、シミュレーショ
ン結果を判断するオペレータの人件費の面でも節約が可
能となっている。更にモデル修正の影響がある程度広い
範囲に及んだ場合でも、前回のシミュレーション過程が
利用し得るか否かの判断は、修正影響判断テーブルを2
回(製品と設備または製品と待ちの修正影響判断テーブ
ル)参照するだけで済まされるから、それによる処理時
間の増大は殆ど無視され得る程度となる。
【0028】シミュレーションを任意の時間だけ容易に
後戻りさせ得ることによっては、シミュレーションを進
ませ過ぎた場合などに、対話性や応答性良好にして対処
し得ることになるものである。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明による場合
は、シミュレーション処理の途中から任意時刻でのシミ
ュレーション処理に後戻りした後、後戻り後のモデル修
正によって再度シミュレーション処理が行なわれるに際
し、その処理が速やかに行なわれるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係るシミュレータの構成を示
す図
【図2】図2は、本発明に係るシミュレーション処理の
概要フローを示す図
【図3】図3は、モデル入力方法を説明するための図
【図4】図4は、図2における、本発明に直接係るシミ
ュレーション処理のフローを示す図
【図5】図5は、モデル記憶テーブルを構成する要素と
しての設備テーブルを示す図
【図6】図6は、モデル記憶テーブルを構成する要素と
しての待ちテーブルを示す図
【図7】図7は、モデル記憶テーブルを構成する要素と
しての製品テーブルを示す図
【図8】図8は、状態変移記憶テーブルを示す図
【図9】図9は、シミュレーション処理結果の表示例を
示す図
【図10】図10は、修正影響判断テーブルを構成する
要素としての設備テーブルを示す図
【図11】図11は、修正影響判断テーブルを構成する
要素としての待ちテーブルを示す図
【図12】図12は、修正影響判断テーブルを構成する
要素としての製品テーブルを示す図
【図13】図13は、再シミュレーション処理時での高
速処理のフローを示す図
【図14】図14は、シミュレーション後戻り処理のフ
ローを示す図
【符号の説明】
1…シミュレータ、5…モデル記憶テーブル、6…状態
変移記憶テーブル、7…修正影響判断テーブル、8…C
PU
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−117660(JP,A) 特開 昭61−237162(JP,A) 特開 昭62−135952(JP,A) 特許2609280(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G06F 15/70

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シミュレーション対象としての離散系シ
    ミュレーション・モデルを修正可として記憶したうえ、
    該モデルをシミュレーション処理によって順次変移させ
    ることで将来の状況を離散的に作成し、シミュレーショ
    ン処理結果としてのモデルの変移状態は表示可とされる
    シミュレーション方法であって、シミュレーション処理
    に並行して、シミュレーション処理過程で生じるモデル
    状態の変移をシミュレーション内部時刻と変移状態とし
    て記憶しておき、シミュレーション処理中断の際には、
    記憶されているモデル状態の変移が記憶順とは逆方向に
    読み出される度に、処理中断時点でのモデルは順次1つ
    変移前の状態に戻され、モデルが所望内部時刻に戻され
    た後のモデル修正に伴い再度シミュレーションが行なわ
    れるに際しては、該修正に係る、追加可とされたデータ
    を修正影響判断データとして、前回シミュレーション処
    理過程でのモデル状態の変移を利用可か否かが判断され
    ることを特徴とするシミュレーション方法。
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