JP2765289B2 - アゾ基含有重合体及びその製造方法 - Google Patents

アゾ基含有重合体及びその製造方法

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JP2765289B2
JP2765289B2 JP3205430A JP20543091A JP2765289B2 JP 2765289 B2 JP2765289 B2 JP 2765289B2 JP 3205430 A JP3205430 A JP 3205430A JP 20543091 A JP20543091 A JP 20543091A JP 2765289 B2 JP2765289 B2 JP 2765289B2
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butanediol
acid
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methyl
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博 吉川
剛志 三瀬
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブロック共重合体を製
造するための高分子重合開始剤として有用な、高分子主
鎖中にアゾ基を含有するアゾ基含有重合体及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、組成的に全く相溶性のない成
分をグラフトまたはブロック共重合し、化学的に二成分
を結合させることにより得られるグラフトまたはブロッ
ク共重合体は、異物質の相溶化剤、接着におけるプライ
マー、ホットメルト接着剤、塗料、界面(表面)改質剤
並びに収縮防止剤などの分野での用途が期待されている
ものである。
【0003】そのため、従来よりグラフトまたはブロッ
ク共重合体に関する多種多様の技術が開発されている。
勿論、アゾ基含有重合体及びこれを用いたブロック共重
合体に関する技術に関しても多数の提案がなされてお
り、代表例としてはイ)特開平1−254780号公
報、ロ)同1−254774号公報、ハ)同1−254
703号公報、ニ)同1−252611号公報、ホ)特
開昭61−252230号公報、ヘ)特開平2−284
963号公報、ト)同1−138207号公報、チ)同
1−234472号公報、リ)同1−230604号公
報などが知られている。そして、いずれのアゾ基含有重
合体もブロック共重合体の製造に有用である。しかし、
これらの方法では、アゾ基含有重合体の製造を工業化す
るには問題が多く、例えばイ)、ロ)、ハ)、ニ)、
ホ)は、現状の原料事情を考慮すると先ずアゾジカルボ
ン酸を酸クロライドとし、次に相当するジオールまたは
ジアミン成分を重縮合しなければならず、二工程の反応
を要する他、アゾジカルボン酸クロライドの収率が悪
い。また、ヘ)、ト)、チ)、リ)は、一工程の反応で
はあるが、通常イソシアネート成分とアゾジオール成分
との常温での反応には一昼夜を要するとされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述したよ
うな問題の解決にあって、一つは反応工程の省力化、他
は反応速度の向上による反応時間の短縮による新規なブ
ロック共重合体の製造に有用であるアゾ基含有重合体及
びその効率的な製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明によって、上記目
的を達成し得るアゾ基含有重合体及びその製造方法が提
供される。すなわち、本発明は、次の一般式〔I〕:
【0006】
【化5】
【0007】〔式中、R1 は同一または異なって水素原
子、またはメチル基を示し、R2CH2 m (mは
2、4、7または8を示す)、または
【0008】
【化6】
【0009】を示し、R3 はコハク酸、アジピン酸、
(無水)テトラヒドロフタル酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸または無水フタル酸とエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブ
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチ
ルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール
またはシクロヘキサンジメタノールとを反応させて得ら
れるポリエステルの残基、またはテトラメチレンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4
−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−
ジイソシアネート、トリレンレンジイソシアネートまた
はキシリレンジイソシアネートとエチレングリコール、
プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4
−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオ
ールまたはシクロヘキサンジメタノールとを反応させて
得られるポリウレタンの残基を示し、a…bは互いに独
立して水素原子、または結合して CH2 n (nは2
〜4を示す)、または−CH2CH(CH3)−を示し、
xは1〜5、yは0〜5を示す。〕で表わされる、数平
均分子量が1,500〜100,000のアゾ基含有重合
体を提供する。また、本発明は、次の一般式〔II〕:
【0010】
【化7】
【0011】〔式中、R1 は同一または異なって水素原
子、またはメチル基を示し、a…bは互に独立して水素
原子、または結合してCH2 n (nは2〜4を示
す)、または−CH2CH(CH3)−を示し、Xはハロ
ゲン原子を示し、nは0〜4を示す〕で表わされるアゾ
ビスアミジンまたはその塩(A)、 次の一般式〔III〕:
【0012】
【化8】
【0013】を示し、Xはハロゲン原子を示す。〕で表
わされるジカルボン酸ハライド(B)及び、コハク酸、
アジピン酸、(無水)テトラヒドロフタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸または無水フタル酸とエチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペ
ンタンジオールまたはシクロヘキサンジメタノールとを
反応させて得られる1分子中に少なくとも2個の水酸基
を有するポリエステル、またはテトラメチレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロ
ンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−
ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネートまたはキシ
リレンジイソシアネートとエチレングリコール、プロピ
レングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチル
グリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールま
たはシクロヘキサンジオールとを反応させて得られる1
分子中に少なくとも2個の水酸基を有するポリウレタン
(C)、を有機溶媒中で反応させることを特徴とする、
請求項1記載の一般式〔I〕で表わされるアゾ基含有重
合体の製造方法にを提供する。
【0014】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本
発明の上記一般式〔I〕で表わされるアゾ基含有重合体
を製造する方法としては、一般式〔II〕で表わされるア
ゾビスアミジンまたはその塩(A)、一般式〔III〕で
表わされるジカルボン酸ハライド(D)及び1分子中に
少なくとも2個の水酸基を有するポリエステル、または
ポリウレタン(C)を有機溶媒中で反応させる方法が採
用される。
【0015】アゾ基含有重合体を製造する際の上記成分
(A)、成分(B)及び成分(C)の添加順序には、特
に制限はなく、基本的には次の3方法があげられる。そ
の1は、成分(A)と成分(B)を反応させてから、成
分(C)を反応させてアゾ基含有重合体を得る方法。そ
の2は、成分(B)と成分(C)を反応させてから、成
分(A)を反応させてアゾ基含有重合体を得る方法。そ
の3は、成分(A)、成分(B)及び成分(C)を同時
に反応させてアゾ基含有重合体を得る方法である。アゾ
基含有重合体の製造に用いる成分(A)は、次の一般式
〔II〕:
【0016】
【化9】
【0017】〔式中、R1 は同一または異なって水素原
子、またはメチル基を示し、a…bは互に独立して水素
原子、または結合して CH2 n (nは2〜4を示
す)、または−CH2CH(CH3)−を示し、Xはハロ
ゲン原子を示し、nは0〜4を示す〕で表わされるアゾ
ビスアミジンまたはその塩であって、具体例としては
【0018】
【化10】
【0019】
【化11】
【0020】
【化12】
【0021】
【化13】
【0022】
【化14】
【0023】などがあげられる。また、アゾ基含有重合
体の製造に用いられる成分(B)は、一般式〔III〕:
【0024】
【化15】
【0025】を示し、Xはハロゲン原子を示す。〕で表
わされる酸ハライドである。酸ハライドの具体例として
は、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸
などの飽和脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体のジクロ
ライド;シクロヘキサンジカルボン酸、シクロペンタン
ジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸及びその誘導体
のジクロライド;イソフタル酸、テレフタル酸、2,2'
−ジフェニルジカルボン酸、3,3'−ジフェニルジカル
ボン酸、4,4'−ジフェニルジカルボン酸などの芳香族
類ジカルボン酸及びその誘導体のジクロライド等があげ
られる。
【0026】さらに、アゾ基含有重合体の製造に用いる
成分(C)は、1分子中に少なくとも2個の水酸基を有
するものであり、特に分子の両末端が水酸基であること
が好ましく、その中で前記一般式〔I〕で表わされるア
ゾ基含有重合体のR3 がポリエステルである場合の酸成
分は、脂肪族、脂環式または芳香族のジカルボン酸であ
って、具体例としてはコハク酸、アジピン酸、(無水)
テトラヒドロフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、
無水フタル酸などがあげられる。
【0027】これらの酸成分と反応させるアルコール成
分は、脂肪族、脂環式のジオールであり、具体例として
はエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘ
キサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル
−1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノ
ールなどがあげられる。
【0028】合成方法は、酸成分とアルコール成分とを
徐々に昇温して、220〜250℃で脱水縮合させるな
どの通常の方法でよい。さらに、カプロラクトン、パレ
ロラクトン及び/またはその誘導体の開環重合により得
られる水酸基含有ポリエステルも含まれる。
【0029】これらのポリエステル類の数平均分子量
は、通常300〜10,000であることが好ましい
が、さらに好ましくは500〜5,000である。数平
均分子量が300未満になるとポリエステルセグメント
の性能への寄与率が低下し、逆に10,000を超える
と溶解性の低下を来し、かつ高粘度のため、扱い難くな
る。
【0030】また、前記一般式〔I〕で表わされるアゾ
基含有重合体のR3 がポリウレタンである場合のイソシ
アネート成分は、脂肪族、脂環式または芳香族のジイソ
シアネートであり、具体例としてはテトラメチレンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソ
ホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,
4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,6
−ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシ
レンジイソシアネートなどがあげられる。
【0031】また、これらのジイソシアネート成分と反
応させるアルコール成分は、前述のポリエステルの製造
に用いたものでよい。
【0032】合成方法は、疎水性の溶媒を用いることが
好ましく、例えばクロロホルム、エチレンクロライドの
ような塩素化炭化水素;エステル類;ケトン類及びこれ
らの溶媒とトルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素の
混合溶媒中に、上述のアルコール成分と触媒として有機
錫系化合物及び/または三級アミン化合物を仕込み、上
述のイソシアネート成分を滴下せしめるなどの通常の方
法でよい。
【0033】これらのポリウレタン類の数平均分子量
は、通常300〜10,000であることが好ましく、
さらに好ましくは500〜5,000である。数平均分
子量が300未満になるとポリウレタンセグメントの性
能への寄与率が低下し、逆に10,000を超えると溶
解性の低下を来し、かつ高粘度になるため扱い難くな
る。
【0034】成分(A)、成分(B)及び1分子当り2
個の水酸基を有する場合の成分(C)の仕込比率は、モ
ル比で成分(B)=成分(A)+成分(C)であるが、
特に成分(A):成分(B):成分(C)=1:2:1
であることが好ましい。
【0035】一般式〔I〕で表わされるアゾ基含有重合
体を製造する際に用いる有機溶媒としては、非プロトン
性の溶媒が好ましく、具体例としてはジエチルエーテ
ル、ジメトキシエタン及びテトラビトロフランなどのエ
ーテル類;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン及
びトリクレンなどのハロゲン化炭化水素類;n−ヘキサ
ン、シクロヘキサン、ベンゼン及びキシレンなどの脂肪
族、脂環式及び芳香族炭化水素類;アセトニトリル、
N,Nジメチルホルムアミド、及びN−メチル−2−ピ
ロリドンなどがあげられる。
【0036】なお、アゾ基含有重合体の製造は、塩基性
触媒の存在中での反応が好ましく、具体例として、トリ
エチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルア
ニリン、ピペリジン、ビリジン、モルホリン、1,5−
ジアザビシクロ〔4,3,0〕ノネン、1,8−ジアザビ
シクロ〔5,4,0〕ウンデセン−7、ナトリウムハライ
ド及びブチルリチウムなどがあげられる。塩基性触媒の
使用量は使用する成分(B)に対し1〜2倍モル程度が
好ましい。
【0037】反応温度は、反応中のアゾ基の熱分解及び
各成分間の副反応を防止する意味で通常−10〜50℃
であることが好ましいが、さらに好ましくは0℃〜30
℃である。反応温度が−10℃未満では、反応速度が遅
く好ましくなく、逆に50℃を超えると成分(A)の熱
分解が起り、また使用する成分(B)、成分(C)によ
っては副反応を起してゲル化するなどの問題を生ずる。
反応時間は特に限定しないが、0.5〜12時間が好ま
しい。
【0038】一般式〔I〕で表わされるアゾ基含有重合
体の数平均分子量は、通常1,500〜100,000で
あるが、好ましくは2,000〜60,000である。数
平均分子量が1,500未満であると、実質的にアゾ結
合を保有しない分子がかなり存在することになるため、
ビニル系モノマーとのブロック共重合の効率が低下し、
本来の機能を示さなくなる。逆に100,000を超え
るとブロック共重合に使用する有機溶媒に対する溶解性
が低下し、また溶液粘度が高くなるため、低濃度でブロ
ック共重合を行なわなければならず、この場合にはブロ
ック共重合に使用したビニル系モノマーの重合率が低下
するため、長時間の反応を余儀なくされる。
【0039】一般式〔I〕で表わされるアゾ基含有重合
体のxは1〜5であって、1より小さくなれば1分子中
に1個のアゾ基を含まなくなるため、開始剤としての効
率が低下し、逆に5より大ではビニル系モノマー同士の
反応頻度が高くなり、得られる重合体に含まれるブロッ
ク共重合体の含有量が極度に低下する。また、一般式
〔I〕のyは0〜5であって、5より大であれば一分子
中に含まれるアゾ基の含有量が低下する場合が多くな
り、開始剤としての効率が低下する。
【0040】かくして得られたアゾ基含有重合の性状
は、使用するジオール成分の分子量と種類に依存して変
動するが、通常、無色から褐色の粉末状、粘稠油状また
はゴム様の物質である。
【0041】本発明のアゾ基含有重合体は種々のビニル
系モノマーとのブロック共重合体を製造する高分子開始
剤として有用である。
【0042】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに詳細に
説明する。なお、実施例中の部及び%は、特に断りのな
い限り重量基準である。なお、実施例中の成分(C)と
してのポリエステル樹脂とポリウレタン樹脂のモル数
は、これらの樹脂が1分子当り2個の水酸基を有してい
るものとして水酸基価より算出した値である。
【0043】実施例1 撹拌機、熱交換器、温度計を備えた500mlの四つ口
フラスコに、N2 置換しながらイソフタル酸ジクロライ
ド12.18部(0.06モル)、クロロホルム68.7
2部を仕込み、撹拌下にトリエチルアミン12.12部
(0.12モル)を添加して氷冷後、クロロホルム67.
5部と前記構造式〔II〕−(3)で表わされる2,2'−
アゾビス(N,N'−ジメチレンイソブチラミジン)〔和
光純薬工業(株)社製、VA−061〕7.5部(0.0
3モル)の泥状分散液を約1時間で滴下し、さらに1時
間そのままの温度で反応した。次に、アジピン酸と1,
4−ブタンジオールより合成された水酸基価112mg
/gのポリエステル樹脂〔日本ポリウレタン工業(株)
社製、ニッポラン4009〕30.06部(0.03モ
ル)を含むクロロホルム溶液156.06部を約1.5時
間で滴下した。その後、30℃加温下に3時間反応を続
けた。
【0044】反応終了後、生成物溶液を水洗し、生成物
溶液中に含まれているトリエチルアミン塩酸塩などの水
溶性成分を除去した。次いで減圧乾燥を行なって重合体
を得た。重合体の収率は95%、GPCより求めたポリ
スチレン換算数平均分子量は7,400であり、元素分
析値は であった。IRスペクトルはポリエステルのOHの存在
を示す3,600cm-1付近の吸収が消失し、新たに1,
680cm-1及び1,540cm-1に、吸収が現れてい
ることにより、イソフタル酸クロライドとポリエステル
のOH及び2,2'−アゾビス(N,N'−ジメチレンイソ
ブチラミジン)との結合が確認された。また、DSCよ
り求めたアゾ基の熱分解温度は96.4℃であって、そ
のエンタルピーは−82.5ml/mgであったが、1
40℃、5時間熱処理後の重合体にはこの熱収支は見受
けられなかった。なお、2,2'−アゾビス(N,N'−ジ
メチレンイソブチラミジン)単体の熱分解温度は103
℃であって、そのエンタルピーは−471ml/mgで
あった。
【0045】実施例2 実施例1で用いたポリエステル樹脂(ニッポラン400
9)の代りに、アジピン酸と1,4−ブタンジオールよ
り合成された水酸基価54.6mg/gのポリエステル
樹脂〔日本ポリウレタン工業(株)社製、ニッポラン4
010〕61.65部(0.03モル)を含むクロロホル
ム溶液311.65部を用いた以外は、実施例1と同様
に行なって重合体を得た。重合体の収率は93%、GP
Cより求めたポリスチレン換算数平均分子量は8,30
0であり、元素分析値は であった。また、DSCより求めたアゾ基の熱分解温度
は81.9℃であり、そのエンタルピーは−42.3ml
/mgであったが、140℃、5時間熱処理後の重合体
にはこの熱収支は見受けられなかった。
【0046】実施例3ポリウレタンの樹脂の合成 撹拌機、熱交換器、温度計を備えた500mlの四つ口
フラスコに、N2 置換しながら、クロロホルム240部
と3−メチル−1,5−ペンタンジオール106.2部を
仕込んで65〜73℃に昇温し、撹拌下にヘキサメチレ
ンジイソシアネート126部とジ−n−ブチル錫ジラウ
レート0.2部を約1.5時間で滴下、さらに6時間反応
を続けた。得られた重合体溶液は減圧乾燥により粉体と
した。ポリウレタン樹脂の水酸基価は83.5mg/g
であった。
【0047】アゾ基含有重合体の合成 実施例1で用いたポリエステル樹脂(ニッポラン400
9)の代りに上記で得られたポリウレタン樹脂40.3
4部(0.03モル)を含むクロロホルム溶液185.3
4部を用いた以外は、実施例1と同様に行なって重合体
を得た。重合体の収率は91%、GPCより求めたポリ
スチレン換算数平均分子量は7,600であり、元素分
析値は、 であった。IRスペクトルはポリウレタン樹脂のウレタ
ン結合を示す3,350cm-1、1,700cm-1、1,
540cm-1の吸収以外に新たに1,600cm-1前後
に吸収が現れていることよりベンゼン核(イソフタル残
量)の存在を確認した。また、DSCより求めたアゾ基
の熱分解温度は103.3℃であって、そのエンタルピ
ーは−76.3ml/mgであったが、140℃、5時
間熱処理後の重合体にはこの熱収支は見受けられなかっ
た。
【0048】実施例4 撹拌機、熱交換器、温度計を備えた500mlの四つ口
フラスコに、N2 置換しながら、実施例1で用いた2,
2'−アゾビス(N,N'−ジメチレンイソブチラミジ
ン)(VA−061)の7.5部(0.03モル)、クロ
ロホルム107.5部を仕込み、撹拌下にトリエチルア
ミン12.12部(0.12モル)、実施例1で用いたポ
リエステル樹脂(ニッポラン4009〕の30.36部
(0.03モル)を含むクロロホルム溶液156.06部
を添加して氷冷後、セバシン酸クロライド14.34部
(0.06モル)を含むクロロホルム溶液43.06部を
約1.5時間で滴下し、そのままの温度で1時間反応
後、30℃に加温して、さらに3時間反応を続けた。反
応終了後、生成物溶液を水洗し、生成物溶液中に含まれ
ているトリエチルアミン塩酸塩などの水溶性成分を除去
した。減圧乾燥を行なって重合体を得た。重合体の収率
は93%、GPCにより求めたポリスチレン換算数平均
分子量は8,300であり、元素分析値は、 であった。IRスペクトルはポリエステルのOHを示す
3,600cm-1付近の吸収が消失し、新たに1,540
cm-1と1,600〜1,700cm-1に複数のショルダ
ーが現れていることよりセバシン酸クロライドとポリエ
ステルのOH及び2,2'−アゾビス(N,N'−ジメチレ
ンイソブチラミジン)との結合が確認した。また、DS
Cより求めたアゾ基の熱分解温度は97.3℃であっ
て、そのエンタルピーは93.3ml/mgであった
が、140℃、5時間熱処理後の重合体にはこの熱収支
は見受けられなかった。
【0049】実施例5〜7 実施例4の方法にしたがい、表1に記載の処方を用いて
合成を行ない、重合体を得た。得られた重合体は実施例
1〜4同様に元素分析及び/またはIR分析を行なった
結果、いずれも目標とする重合体が得られていることを
確認した。
【0050】
【表1】
【0051】参考例1〜7 撹拌機、熱交換器、温度計を備えた500mlの四つ口
フラスコに、N2 置換しながら、実施例1〜7で得られ
たアゾ基含有重合体を用い、表2の処方にしたがって、
撹拌下約80℃の温度で7時間反応を行ない、アゾ基含
有重合体に含まれる高分子成分を主鎖に含むブロック共
重合体を得た。なお、重合の進行に伴う異常粘度上昇を
さけるため、希釈溶剤を反応末期及び/または反応後に
適宜添加した。
【0052】
【0053】
【発明の効果】本発明によればアゾ基含有重合体を効率
的に製造でき、そして得られたアゾ基含有重合体は、そ
れ自体が高分子開始剤であり、種々のビニル系モノマー
を効率よくブロック重合することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 73/00 C08G 73/00 73/06 73/06 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08G 73/00 C08G 73/06 C08G 63/685 C08G 69/44 C08G 69/02 C08G 18/83 C08G 63/91

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式〔I〕: 【化1】 〔式中、R1 は同一または異なって水素原子、またはメ
    チル基を示し、R2CH2 m (mは2、4、7ま
    たは8を示す)、または 【化2】 を示し、R3 はコハク酸、アジピン酸、(無水)テトラ
    ヒドロフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸または無
    水フタル酸とエチレングリコール、プロピレングリコー
    ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
    1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、
    3−メチル−1,5−ペンタンジオールまたはシクロヘ
    キサンジメタノールとを反応させて得られるポリエステ
    ルの残基、またはテトラメチレンジイソシアネート、ヘ
    キサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシア
    ネート、メチルシクロヘキサン−2,4−ジイソシアネ
    ート、メチルシクロヘキサン−2,6−ジイソシアネー
    ト、トリレンレンジイソシアネートまたはキシリレンジ
    イソシアネートとエチレングリコール、プロピレングリ
    コール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
    ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
    ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオールまたはシク
    ロヘキサンジメタノールとを反応させて得られるポリウ
    レタンの残基を示し、a…bは互いに独立して水素原
    子、または結合して CH2 n (nは2〜4を示
    す)、または−CH2CH(CH3)−を示し、xは1〜
    5、yは0〜5を示す〕で表わされる、数平均分子量が
    1,500〜100,000のアゾ基含有重合体。
  2. 【請求項2】 次の一般式〔II〕: 【化3】 〔式中、R1 は同一または異なって水素原子、またはメ
    チル基を示し、a…bは互に独立して水素原子、または
    結合して CH2 n (nは2〜4を示す)、 または−CH2CH(CH3)−を示し、Xはハロゲン原
    子を示し、nは0〜4を示す〕で表わされるアゾビスア
    ミジンまたはその塩(A)、 次の一般式〔III〕: 【化4】 を示し、Xはハロゲン原子を示す。〕で表わされるジカ
    ルボン酸ハライド(B)及び、 コハク酸、アジピン酸、(無水)テトラヒドロフタル
    酸、イソフタル酸、テレフタル酸または無水フタル酸と
    エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−
    ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキ
    サンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−
    1,5−ペンタンジオールまたはシクロヘキサンジメタ
    ノールとを反応させて得られる1分子中に少なくとも2
    個の水酸基を有するポリエステル、またはテトラメチレ
    ンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネー
    ト、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサ
    ン−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサン
    −2,6−ジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
    トまたはキシリレンジイソシアネートとエチレングリコ
    ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
    ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
    ル、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペ
    ンタンジオールまたはシクロヘキサンジオールとを反応
    させて得られる1分子中に少なくとも2個の水酸基を有
    するポリウレタン(C)、 を有機溶媒中で反応させることを特徴とする、請求項1
    記載の一般式〔I〕で表わされるアゾ基含有重合体の製
    造方法。
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