JP3702085B2 - 定序性ポリウレタン及びその製造法 - Google Patents
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Description
【発明の分野】
本発明はモノマー構造単位の配列が規制された定序性ポリウレタン及びその製造法に関する。
【0002】
【発明の背景】
モノマーの配列を規制することにより得られる高分子(以下、定序性高分子という)は熱的、力学的性質はもちろん、非線型光学、液晶等などにおいても特異な性質を有するものと期待されている。しかしながら、工業的に製造され広く用いられているポリウレタン、ポリアミド、ポリウレア、ポリイミド等の重縮合系高分子においては、そのモノマー設計の困難さから、モノマー分子の配列を制御して製造した高分子はこれまで合成例がなく、合成法の確立に大きな関心が持たれている。
【0003】
定序性重縮合系高分子を得るためのモノマー分子設計としては、季刊化学総説18巻、85-95(1993)に記載されているように、用いるモノマーの分子構造に方向性があることはもちろん、重合点となる官能基部位の反応性に充分な差を有する必要があるとされている。
【0004】
多官能イソシアナート化合物はその高反応性を利用して、ポリウレタン、ポリアミド等の原料として広く工業的に利用されており、イソシアナート化合物をモノマーとした定序性高分子は工業的に非常に有用であると考えられる。
【0005】
一官能イソシアナート化合物の場合、イソシアナート基に結合する官能基によって、その反応性が大きく異なることが知られている。例えば、脂肪族イソシアナートと芳香族イソシアナートとでは、ジブチルエーテル中、トリエチルアミン触媒を用いることによって、メタノールのような求核剤を使用した求核反応において300倍以上の反応性差を有するとの報告がある(M.Sato, J.Am.Chem.Soc.vol.82, p3893-3897,(1960))。しかしながら、同一分子内において反応性に差のある、すなわち非対称な反応性を備えたモノマー及びこれを用いた定序性重合体についてはこれまで知られていない。
【0006】
本発明の目的は、モノマー構造単位の配列が規制された定序性のポリウレタンを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らはこのような事情に鑑み鋭意検討を行い、分子内に2つのイソシアナート基を有しており、かつ一方のイソシアナート基が芳香環に直接結合し、他方のイソシアナート基が、芳香族に結合した脂肪族性炭素原子に結合しているジイソシアナートモノマーの反応性を詳細に検討したところ、このような化合物には2つのイソシアナート基に相当の反応性差があることを見いだすとともに、このジイソシアナートモノマーに対して所定の方法で反応試剤を用いることにより定序性ポリマーを製造することが可能なことを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本願の第1の発明は、下式(1):
【化7】
(式中、R1及びR2は各々別個に水素又は低級アルキル基、R 3 は二価のアルコール残基を意味し、nは1〜10の整数を意味する。)
で表される頭-尾構造単位、及び下式(2):
【0009】
【化8】
(式中、R1、R2及びnは前記と同じものを意味し、R3は二価のアルコール残基を意味する。)
で表される頭-頭-尾-尾構造単位を有し、y/(x+y)が0.7〜1である定序性ポリウレタンを提供するものである。また、第2の発明は、x/(x+y)が0.6〜1である定序性のポリウレタンを提供するものである。さらに、本発明は、これら第1及び第2の定序性ポリウレタンの製造法を提供するものである。
【0010】
【発明の詳細な開示】
(ジイソシアナート化合物)
本願発明の定序性ポリウレタンの原料であるジイソシアナートは、下式(3):
【化9】
(式中、R1、R2及びnは前記と同じものを意味する。)
で表される。このジイソシアナートモノマーの特徴は、分子内に2つのイソシアナート基を有しており、一方のイソシアナート基が芳香環に直接結合し、他方のイソシアナート基は芳香族に結合した炭素原子に結合している。このような構造により2つのイソシアナート基は大きな反応性差を示す。
【0011】
芳香環上のイソシアナート基及び炭素原子に結合したイソシアナート基はオルト、メタ、パラ位のいずれの配置であってもよい。式(3)中、n=1〜10である。R1及びR2は水素原子及びメチル基、エチル基等の低級アルキル基が好ましい。したがって、式(3)の化合物としては、例えば、イソシアナトベンジルイソシアナート、イソシアナトフェネチルイソシアナート、α-(イソシアナトフェニル)-エチルイソシアナート等のジイソシアナートである。
【0012】
(ジイソシアナート化合物の製法)
つぎにジイソシアナート化合物の製造方法とその非対称反応性の確認の方法について述べる。前記ジイソシアナート化合物を製造するには、特開平3-72470号のごとく、対応するジアミノ化合物をホスゲンによって活性化するホスゲン法やトリホスゲンを用いる。通常はトリホスゲンと、トリホスゲンを活性化するための求核剤を冷却下に滴下し、滴下終了後、反応を充分進行させるため加温し任意の時間撹拌を行うことにより製造するのが好ましい。
【0013】
原料のジアミノ化合物に対するトリホスゲンの使用量は少なくともアミノ基に対して等モル量加える必要が有るが、もちろん過剰量加えてもよい。
【0014】
ここで用いられる反応溶媒としては、o-ジクロロベンゼン、ベンゼン、トルエン、塩化メチレン等、原料のジアミン化合物を充分に溶解し、かつ反応副生成物である塩酸塩が不溶な溶媒であればよい。これら溶媒は、2種以上を混合して用いてもよい。
【0015】
トリホスゲンは、本来は原料のジアミノ化合物のみでも十分に活性化されるが、求核剤を加えて活性化させるのが好ましい。かかる求核剤としては、種々のアミノ化合物を用いることができるが、反応後の後処理等を考慮すると、トリエチルアミンなどの低沸点の三級アミノ化合物が好ましい。求核剤の使用量は、反応時間等を考慮に入れると少なくともトリホスゲンに対し等モル以上加えるのが好ましく、特にトリホスゲンに対し3モル等量程度加えるのが好ましい。
【0016】
(定序性ポリウレタン)
本発明の定序性ポリウレタンは、前記ジイソシアナートと多価アルコールとを重縮合することにより得られる。すなわち、本発明の定序性ポリウレタンは、下式(1):
【化10】
(式中、R1及びR2は各々別個に水素又は低級アルキル基、R 3 は二価のアルコール残基を意味し、nは1〜10整数を意味する。)
で表される頭−尾構造単位、及び下式(2):
【0017】
【化11】
(式中、R1、R2及びnは前記と同じものを意味し、R3は二価のアルコール残基を意味する。)
で表される頭-頭-尾-尾構造単位を有し、y/(x+y)が0.7〜1である定序性ポリウレタンである。
【0018】
また、第2の発明のポリウレタンは、前記式(1)及び(2)において、x/(x+y)が0.6〜1の他の定序性ポリウレタンである。
【0019】
また、本発明のポリウレタンにおいて、R3は二価のアルコール残基である。具体的にはジメチレン基、ペンタメチレン基などの直鎖脂肪族炭化水素類、2-メチル-トリメチレン基などの枝分かれ脂肪族炭化水素類、3-オキサ-ペンタメチレン基などの含ヘテロ原子炭化水素類、シクロヘキシニレン基やステロイド骨格などの環式脂肪族炭化水素類、フェニレン、ビフェニレンなどの芳香族炭化水素類、さらに2,2-ジフェニレンプロパン類などの脂肪族と芳香族からなる炭化水素類1,1,1,3,3,3-ヘキサフロオロ-2,2-ジフェニレンプロパンなど下式:
【0020】
【化12】
の脂肪族、芳香族およびヘテロ原子からなる炭化水素類などが挙げられ、後述のモノマーとして用いる二官能アルコール類に由来する骨格がいずれも好ましい。
【0021】
(定序性ポリウレタンの製造法)
本発明の定序性ポリウレタンを製造するには、前記ジイソシアナートモノマーと二官能アルコール類とを所定の方法で重縮合する。
【0022】
用いられる二官能アルコール類としては、エチレングリコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、ジエチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,7-ヘプタンジオール、ジヒドロキシシクロヘキサンなどの脂肪族アルコール類、またヒドロキノン類、ビスフェノールA、4,4'-イソプロピリデン-ビス(2,6-メチルフェノール)、4,4'-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノール、4,4'-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)-ビス(2,6-メチルフェノール)、4,4'-ジヒドロキシビフェニル、4,4'-(1,3-アダマンテンジイル)ジフェノールなどの芳香族アルコール、あるいはデオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、ウルソデオキシコール酸などの胆汁酸類、1,5-ジヒドロキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレン、ヒドロキシベンジルアルコール等の非等価水酸基を有する化合物など、イソシアナートと反応する二価の水酸基を有する化合物であればよい。
【0023】
つぎに、各定序性ポリウレタンの製法について詳細を説明する。
【0024】
(i)頭-頭-尾-尾構造ポリウレタンの製造
頭-頭-尾-尾の構造単位を主体とするポリウレタンを製造するには、最初にジイソシアナートモノマー中の、より反応性の高い芳香族イソシアナート基をジオールモノマーと反応させ、次に反応性の低い方の脂肪族イソシアナート基とジオールとを反応させる逐次的な反応が優先される条件を選択する。
【0025】
すなわち、ジイソシアナート化合物と、ジオール化合物とを重縮合するにあたり、最初に(i)ジイソシアナート化合物に対し、略1/2倍モル以下のジオール化合物を反応させる工程を用い、(ii)更にジオールを加えて重縮合反応を完了させる工程を経て頭-頭-尾-尾構造を主体とするポリウレタンを製造する。
【0026】
このような反応を行うには、例えば、反応初期においてジイソシアナートモノマーに対し、略1/2倍モル以下のジオールを一時に、又は徐々に滴下したり、あるいは粉末添加などによってゆっくりと反応に関与させたりする。このような操作により、ジオールモノマーに対し、ほぼ2倍モル以上のジイソシアナートモノマーが反応系内に存在し、ジイソシアナートモノマー中の反応性の高い方のイソシアナート基にジオールが選択的に反応し、逐次的反応の進行が可能となるものと思われる。
【0027】
したがって、第1段の重縮合に用いられるジオールモノマーの総量は、ジイソシアナートモノマーに対し略0.5倍モル以下、好ましくは0.3〜約0.5倍モル、さらに好ましくは0.4〜約0.5倍モルである。初期のジオールの添加量がこの範囲を越えると目的とするポリウレタンが得られない。
【0028】
また、第1段の重縮合における反応選択性の向上をはかるためには、反応温度をできるだけ低くし、反応をゆっくりと進行させるのがよい。ただし、反応温度が低すぎると反応が効率よく進行せず、ウレタン結合生成時に競合するイソシアネートの三量化反応などの副反応も進行しやすくなるため、−40〜40℃、好ましくは−10〜30℃であり、特に0℃付近でジオールモノマーを反応させるのが好ましい。
【0029】
このようにして、第1段のジオール化合物の反応を行った後、残りのジオール化合物を加え、約−40〜60℃の温度にて、ジイソシアネート化合物に対し総量としてほぼ等モルのジオール化合物を重縮合する。
【0030】
反応に用いる溶媒としては前述のように得られるポリマーが高極性であるため、重合を効率よく進行させるには高極性溶媒を用いる必要があるが、このような溶媒はモノマーに対しての溶媒和によりウレタン結合生成速度を低下させることが知られており(Adolf E.Oberth and Roft S.Bruenner,J.Phys.Chem.,Vo1.72,845-855(1968))、その結果反応選択制も低下する。このため、反応初期の二価のアルコール添加時には、シクロヘキサン、ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼン、トルエン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、THF(テトラヒドロフラン)、ジエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、4-メチル-2-ペンタノン等のケトン類、プロピオン酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類などの低極性溶媒を用い、必要な反応選択性を維持するのが好ましい。これら溶媒のうち、反応操作性やモノマー基質溶解性を考慮に入れるとTHFなどのエーテル類が特に好ましい。
【0031】
つぎに、重合反応を完結させるため、さらに高極性溶媒を加えるか、または低極性溶媒を留去などにより除去した後、高極性溶媒を加えるのが好ましい。このような高極性溶媒としては、例えば、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、NMP(N-メチルピロリドン)等の高極性非プロトン溶媒を用いるのが好ましい。
【0032】
なお、これらの溶媒はいずれも2種以上を混合して用いてもよい。
【0033】
溶媒の使用量は反応の選択性を高めるためモノマー基質をできる限り希釈するよう用いることが好ましいが、反応を効率よく進行させること、反応操作を考慮に入れるとモノマー基質が0.1〜0.3mol/Lになるよう調製するのがよい。
【0034】
触媒はウレタン結合生成を効率よく進行させるため、N,N,N',N’−テトラメチル−1,3-ブタンジアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどの三級アルキルアミン類、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデ-7-エンなどの縮環アミン類、DBTL、テトラブチルスズ、トリブチルスズ酢酸エステルなどのアルキルスズ類等、公知のウレタン結合生成触媒を用いることができる。
【0035】
これら触媒のうち、反応初期(第1段の反応)においては、トリアルキルアミン、特に反応操作性からトリエチルアミンを用いるのが好ましく、その後、反応効率を上げるため、より活性の高いアルキルスズ類及び縮環アミン類などの触媒を用いるのが好ましい。
【0036】
トリアルキルアミン類を触媒として用いる場合、その触媒量は反応選択制を高くすること、反応を効率よく進行させること及び反応操作を考慮してモノマー基質に対し1〜30mol%になるよう用いるのが好ましい。
【0037】
(ii)頭-尾構造を有するポリウレタンの製法
一方、頭-尾構造単位を主体とする定序性ポリウレタンを製造するには、前記のジイソシアナート化合物とジオール化合物とを重縮合するにあたり、ジイソシアナート化合物に対し、略1/2倍モルを超えるポリオール化合物を一時に反応させる。具体的には、例えば、所定量のジオールモノマーを一括して仕込みむなどし、速やかに芳香族イソシアナート基のみをウレタン結合へと変換させる反応条件を選択する。
【0038】
かかる重縮合反応に用いられる溶媒としては、例えば、DMF(N,N-ジメチルホルムアミド)、DMSO(ジメチルスルホキシド)、NMP(N-メチルピロリドン)等の高極性非プロトン溶媒を選択することが好ましいが、反応基質及び目的物が良好に溶解しさえすればケトン類、エーテル類、炭化水素類などの溶媒であってもよく、これらを混合して用いてもよい。なお、これら溶媒の使用量は前記と同様であってよい。
【0039】
また、このようなジイソシアナート化合物とジオール化合物との重縮合は、反応温度を−40〜60℃として行うのが好ましい。
【0040】
触媒としては、DBTL、テトラブチルスズ、トリブチルスズ酢酸エステルなどのアルキルスズ類、銅-2-エチルヘキシルカルボン酸錯体や銅-酢酸錯体などの有機銅錯体類、鉛-安息香酸錯体や鉛-オレイン酸錯体などの有機鉛錯体類、亜鉛-2-エチルヘキシルカルボン酸や亜鉛-ナフタレン錯体などの有機亜鉛類などが挙げられる。これらのうち、触媒の安定性、操作の簡便性からアルキルスズ類が好ましく、特にDBTLが触媒活性も高く好ましい。
【0041】
触媒の使用量は、操作性などを考慮し、モノマーに対し0.01〜10mol%加えるのが好ましい。
【0042】
以上のように、頭-尾構造を優先させる場合には、モノマーの各イソシアナート基に反応性の違いが必要であるほか、ジオールモノマーの一方の水酸基のみをジイソシアナートモノマー中の芳香族イソシアナートに優先的に反応し、もう一方の水酸基が脂肪族イソシアネート基と優先的に反応する必要がある。したがって、前述の頭-頭-尾-尾構造を優先させるのに必要であった逐次的な反応条件は好ましくない。すなわち、一方の水酸基が芳香族イソシアナートと反応し、ウレタン結合を形成した中間体(以下、中間体という)の水酸基がジイソシアナートモノマーの脂肪族イソシアナート基と優先的に反応すること、即ち中間体の水酸基がもとのジオールモノマーの水酸基に比べ反応性が低下することが好ましいと考えられる。
【0043】
ウレタン結合生成に用いられる前記の金属触媒は、アルコールおよびイソシアナート基に配位してウレタン結合を生成することが知られており(J.H.Saunders and K.C.Frisch,High Polymers,lnterscience,Vol.16(1962))、目的とする反応差が得られるものと推定される。即ち中間体にくらべ分子の形状がより小さくかつ取りうる分子形状の自由度が高いこと、また、分子内に水酸基をより多く持つ未反応のジオールモノマーの方が、金属触媒に対して優先的に触媒に配位することが可能であり、これにより同じ水酸基であっても中間体の水酸基に比べ、未反応のジオールの方が反応性が高くなり、煩雑な操作の必要が無く上記の目的が達成可能となるものと思われる。
【0044】
こうして得られた高分子の定序性に関する定量的検討は、高分子主鎖中の頭-頭構造、尾-尾構造、頭-尾構造それぞれに対応するモデル化合物及び高分子末端に対応するモデル化合物2種を合成し、それら13C-NMRスペクトルと得られた高分子の13C-NMRスペクトルとを比較することで検討を行った。
【0045】
具体的には重水素化DMF溶媒中、67MHz13C-NMRを用いて、3種のモデル化合物のエチレングリコール由来のメチレン基が頭-頭-尾-尾構造の場合64.2ppm,64.3ppm、頭-尾構造の場合64.1,64.5ppmと区別可能なことを確認した。
【0046】
次に得られた高分子において同様に13C-NMRでのスペクトル分析を行ったところ、エチレングリコール由来のメチレン基の吸収は重合条件によって変化し、その吸収位置はモデル化合物同様であることを確認した。さらにその吸収の積分比を求めることで得られた高分子の定序性についての定量化を行った。
【0047】
【実施例】
つぎに、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
【0048】
(製造例1)
非対称反応性を有するジイソシアナートモノマー(4-イソシアナトベンジルイソシアナート)の合成
トリホスゲン8.72g(29.4mmol)を加えたトルエン50ml溶液に4-アミノベンジルアミン5.39g(44.1mmol)、トリエチルアミン9.00g(88.9mmol)を加えたトルエン90ml溶液を氷冷下2時間かけて滴下を行った。そのまま室温で1時間撹拌後さらに70℃に加温して1時間撹拌を行った。溶媒不溶成分をろ別後反応物から溶媒を留去し得られた反応生成物を蒸留精製し、沸点が76〜78℃/0.25〜0.3mmHgの化合物を分取した。この化合物はIRスペクトルによりNCO伸縮由来のピークが2268cm-1に観察され、1H-NMRにより5.0ppm及び1.5ppm付近に見られたアミノ基の吸収が完全に消失したことが観察されたことから目的とするジイソシアネートモノマーが得られていることを確認した。収量2.49g(収率32.4%)。
【0049】
(参考例1)頭-頭構造に対応したモデル化合物の合成
1,4-ジオキサン50mlにDBTL0.55g(0.87mmol)、エチレングリコール1.28g(20.6mmol)、フェニルイソシアナート4.96g(41.6mmol)を加え、60℃で1日撹拌を行った。溶媒留去後酢酸エチルで再結晶精製することにより、結晶性固体を得た。ここで得られた生成物の13C-NMR測定を行った(図1)。その結果154.9ppmにカルボニル基(b)のピークが観察され、140.8、130.0、123.8、119.6ppmに芳香環(a)のピークが観察され、64.2ppmにメチレン(c)のピークが観察されたことから、期待する頭-頭構造に対応した化合物であることを確認した。収量4.76g(収率76.3%)
【0050】
(参考例2)尾-尾構造に対応したモデル化合物の合成
1,4-ジオキサン50mlにDBTL0.55g(0.87mmol)、エチレングリコール1.10g(17.7mmol)、ベンジルイソシアナート4.74g(35.6mmol)を加え、60℃で1日撹拌を行った。溶媒留去後酢酸エチルで再結晶精製することにより、結晶性固体を得た。ここで得られた生成物の13C-NMR測定を行った(図2)。その結果158.0ppmにカルボニル基(c)のピークが観察され、141.4、129.6、128.6、128.2ppmに芳香環(a)のピークが観察され、64.3ppmにメチレン(d)のピークが観察され、45.7ppmにベンジル位メチレン(b)のピークが観察されたことから、期待する尾-尾構造に対応した化合物であることを確認した。収量4.72g(収率80.8%)
【0051】
(参考例3)頭-尾構造に対応したモデル化合物の合成
後記参考例5で合成したN-ベンジル-(2-ヒドロキシ)エチルカルバミン酸エステル2.93gにDBTL0.73g(1.16mmol)とフェニルイソシアナート1.81(15.2mmol)を加え、1,4-ジオキサン90ml中60℃で1日撹拌した。溶媒を留去し、 n-ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒で再結晶精製することにより結晶性固体を得た。ここで得られた生成物の13C-NMR測定を行った(図3)。その結果、158.0ppmにカルボニル基(e)のピークが観察され、155.0ppmにカルボニル基(b)のピークが観察され、141.0、130.1、123.8、119.7ppmに芳香環(a)のピークが観察され、141.4、129.6、128.6、128.2ppmに芳香環(g)のピークが観察され、64.5ppmにメチレン(d)のピークが観察され、64.1ppmにメチレン(c)のピークが観察され、45.8ppmにベンジル位メチレン(f)のピークが確認されたことから、期待する頭-尾構造に対応した化合物であることを確認した。収量2.84g(収率59.9%)
【0052】
(参考例4)ベンジル基末端構造に対応したモデル化合物の合成
1,4-ジオキサン30mlにDBTL0.42g(0.67mmol)、エチレングリコール27.78g(447.6mmol)を加えここにベンジルイソシアナート5.22g(39.2mmol)/トルエン40mlを2.5時間かけて60℃で滴下した。そのまま1日撹拌を行った後溶媒を留去し、得られた反応生成物に水を加え、これをエーテルで抽出した。有機層を回収し硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留去した。こうして得た反応生成物はカラムクロマトグラフィー (充填剤:和光純薬社製ワコーゲルC300、展開溶媒:酢酸エチル/n-ヘキサン=1/3混合溶媒)で精製し、結晶性固体を得た。ここで得られた生成物の13C-NMR測定を行った(図4)。その結果、158.3ppmにカルボニル基(c)のピークが観察され、141.5、129.6、128.5、128.1ppmに芳香環(a)のピークが確認され、67.6ppmにメチレン基(e)のピークが観察され、61.6ppmにメチレン基(d)のピークが確認され、45.7ppmにベンジル位メチレン基(b)のピークが観察されたことからベンジル基末端構造に対応した化合物であることを確認した。収量3.60g(収率47.1%)
【0053】
(参考例5)フェニル基末端構造に対応した化合物の合成
エチレングリコール21.55g(347.1mmol)とDBTL0.54g(0.855mmol)にフェニルイソシアナート5.48g(46.0mmol)を加えた1,4-ジオキサン43mlを80℃で滴下し、そのまま1日撹拌を行った。溶媒を留去して得た反応生成物に酢酸エチルを加え、水で洗浄した。有機層を回収後硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去することで得た反応生成物カラムクロマトグラフィー(充填剤:和光純薬社製ワコーゲルC300、展開溶媒:酢酸エチル/n-ヘキサン=1/3混合溶媒)で精製を行い結晶性固体を得た。ここで得られた生成物の13C-NMR測定を行った(図5)。その結果、151.2ppmにカルボニル基(b)のピークが観察され、140.9、123.0、123.6、119.5ppmに芳香環(a)のピークが確認され、67.6ppmにメチレン基(d)のピークが確認され、119.5ppmにメチレン基(c)のピークが観察されたことから、フェニル基末端構造に対応した化合物であることを確認した。収量5.14g(収率60.5%)
【0054】
(実施例1) 定序性ポリウレタン(1)(頭-頭-尾-尾構造)の合成
エチレングリコール0.1391g(2.241mmol)、トリエチルアミン0.0493g(0.487mmol)のテトラヒドロフラン溶液10mlを用意し、これを4-イソシアナトベンジルイソシアナート0.7627g(4.379mmol)に氷冷下で90分かけて滴下した。そのまま30℃で1時間撹拌後、反応系中から溶媒を完全に留去した。反応容器にDMFを8ml加え、ここにジブチルスズジラウリン酸エステル0.0587g(0.093mmol)とエチレングリコール0.1285g(2.070mmol)のDMF溶液8mlを加え60℃に加温後さらに16時間撹拌した。溶媒を留去して反応溶液を濃縮し、これをメタノールで再沈澱生成し、80℃で真空乾燥を2日行うことにより化合物を得た。収量0.7580g(収率73.6%)
【0055】
こうして得られた化合物の13C−NMRにおいて(図6、図7)64.2〜64.3ppmに現れた頭-頭-尾-尾構造由来のピークと64.1及び64.5ppmに現れた頭-尾構造由来のピークの吸収強度比からこの高分子は90.0%が頭-頭-尾-尾構造のポリウレタンが得られていることがわかった。分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下GPCと略記)を用いてポリスチレンを基準物質にして求めたところ重量平均分子量は8560、分子量分布は3.00であった。
【0056】
(実施例2) 定序性ポリウレタン(2)(頭-尾構造)の合成
4-イソシアナトベンジルイソシアナート0.9508g(5.459mmol)にエチレングリコール0.3417g(5.505mmol)とDBTL0.0546g(0.086mmol)のDMF20ml溶液を一括で加えて30℃1日撹拌した。得られたポリマーは実施例1同様精製後処理した。収量0.6400g(収率49.6%)
【0057】
こうして得られた化合物の13C−NMR(図8、図9)において64.2〜64.3ppmに現れた頭-頭-尾-尾構造由来のピークと64.1及び64.5ppmに現れた頭-尾構造由来のピークの吸収強度比からこの高分子は79.3%が頭-尾構造からなるポリウレタンが得られていることがわかった。
分子量をGPCを用いてポリスチレンを基準物質にして求めたところ重量平均分子量は33800、分子量分布は1.89であった。
【0058】
(比較例1) ポリウレタン(3)の合成
4-イソシアナトベンジルイソシアナート0.5694g(3.269mmol)にエチレングリコール0.2184g(3.519mmol)とトリエチルアミン0.0321g(0.317mmol)のDMF10ml溶液を一括で加えて60℃1日撹拌した。得られたポリマーは実施例1同様精製後処理した。収量0.4296g(収率55.6%)
【0059】
こうして得られた化合物の13C-NMR(図10、図11)において64.2〜64.3ppmに現れた頭-頭-尾-尾構造由来のピークと64.1及び64.5ppmに現れた頭-尾構造由来のピークの吸収強度比からこの高分子は57.4%が頭-尾構造、42.6%が頭-頭-尾-尾構造のランダム構造からなるポリウレタンが得られていることがわかった。分子量をGPCを用いてポリスチレンを基準物質にして求めたところ重量平均分子量は8240、分子量分布2.47であった。
【0060】
(比較例2) ポリウレタン(4)の合成
4-イソシアナトベンジルイソシアナート1.2472g(7.161mmol)にエチレングリコール0.4548g(7.327mmol)とDBTL0.0896g(0.149mmol)のDMF溶液25mlを30℃で2時間かけて滴下を行い、そのまま24時間撹拌した。得られたポリマーを実施例1と同様に精製後処理した。収量1.0327(収率60.7%)
【0061】
こうして得られた化合物の13C-NMRにおいて(図12、図13)64.2〜64.3ppmに現れた頭-頭-尾-尾構造由来のピークと64.1及び64.5ppmに現れた頭-尾構造由来のピークの吸収強度比からこの高分子は68%が頭-頭-尾-尾構造、32%が頭-尾構造のポリウレタンが得られていることがわかった。分子量をGPCを用いてポリスチレンを基準物質にして求めたところ重量平均分子量は14700、分子量分布は2.77であった。
【0062】
【発明の効果】
本発明の定序性ポリウレタンはモノマー配列が規制されたポリマー構造を有し、特異な熱的、力学的性質を示し、液晶、非線形光学などの機能性材料などに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】参考例1で得られた生成物の13C−NMRスペクトルである。
【図2】参考例2で得られた生成物の13C−NMRスペクトルである。
【図3】参考例3で得られた生成物の13C−NMRスペクトルである。
【図4】参考例4で得られた生成物の13C−NMRスペクトルである。
【図5】参考例5で得られた生成物の13C−NMRスペクトルである。
【図6】実施例1で得られた生成物の13C−NMRスペクトルである。
【図7】図6の13C−NMRスペクトルの部分拡大図である。
【図8】実施例2で得られた生成物の13C−NMRスペクトルである。
【図9】図8の13C−NMRスペクトルの部分拡大図である。
【図10】実施例3で得られた生成物の13C−NMRスペクトルである。
【図11】図10の13C−NMRスペクトルの部分拡大図である。
【図12】実施例4で得られた生成物の13C−NMRスペクトルである。
【図13】図12の13C−NMRスペクトルの部分拡大図である。
Claims (5)
- 反応温度が、−40〜40℃である請求項2又は4のポリウレタンの製造法。
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