JP2764192B2 - 溶銑予備処理に於けるスラグフォーミング抑制方法 - Google Patents
溶銑予備処理に於けるスラグフォーミング抑制方法Info
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Description
によって起こるスラグが膨れ上がる所謂スラグフォーミ
ングの抑制方法に関するものである。
高純度鋼の溶製や、コスト削減技術として広く用いられ
ている方法であるが、いずれの処理に於いても処理中に
スラグがフォーミングし反応容器口からあふれ出す現象
が頻発し、予備処理の中断、溶銑量の低減、処理時間の
延長等により、生産性が十分に確保出来ないのが現状で
ある。
き方策が行われている。即ち、 処理を中断し、沈静するまで待機した後、排滓し再
開する。
容器口までの間隔(フリーボード)を大きくして処理を
行う。
る。
は、特開昭63−72810号公報に示される様に不活性ガス
と共に還元剤を吹き付ける方法や、特開昭62−86110号
公報に示される如く炭材にダスト等を混合し成形させた
物を用いる方法が提案されている。
れ、又は処理量の低下につながり、いずれも生産性を
悪化させ、は歩留りロスが大きく、更に作業性が著し
く悪いという問題がある。
開昭62−86110号公報に開示の方法は、いずれもスラグ
中のFeOを還元剤で還元し、スラグをフォーミングし難
い性質に変化させる方法であり、これらの方法を溶銑予
備処理に適用すると、溶銑予備処理が酸化反応である
為、脱珪、脱燐反応が還元剤によってその進行を阻害さ
れるという本質的な問題がある。更にはこれらの方法で
はスラグフォーミングを抑制してもその抑制効果の安定
化と抑制の持続が図れない等の欠点もある。
長、歩留りの低下、脱珪、脱燐、脱硫反応の阻害を起こ
すことなく、スラグフォーミングを抑制し、高効率な溶
銑の予備処理を提供することを目的とするものである。
り達成出来る。即ち、熔銑を脱珪、脱燐もしくは脱燐脱
硫処理するに際し、スラグフォーミングによりスラグが
反応容器からあふれ出たことを確認するか、又は何らか
の方法によりその可能性を予知した場合、ただちに平均
粒径が25μm〜2mmの炭材微粒粉を、溶銑面より1m以下
の上方からフォーミングしているスラグ表面以下の高さ
に設けた吹き込み孔より、10〜600kg/分間の速度でスラ
グ中に吹き込むとともに、スラグ中のT.Feを0.5%以上
に維持させることを特徴とする溶銑予備処理に於けるス
ラグフォーミング抑制方法(以下第1発明という)、並
びに溶銑の脱珪、脱燐もしくは脱燐脱珪処理するに際
し、スラグフォーミングによりスラグが反応容器からあ
ふれ出たことを確認するか、又は何らかの方法によりそ
の可能性を予知した場合、ただちに平均粒径が25μm〜
2mの炭材微粒粉と平均粒径が250μm以下の石灰石粉と
を、重量比で50:50から90:10となした混合粉を、溶銑面
より1m以上の上方からフォーミングしているスラグ表面
以下の高さに設けた吹き込み孔より、10〜600kg/分間の
速度でスラグ中に吹き込むとともに、スラグ中のT.Feを
0.5%以上に維持させることを特徴とする溶銑予備処理
に於けるスラグフォーミング抑制方法(以下第2発明と
いう)である。
し、雰囲気中酸素により短時間で燃焼させることによ
り、フォーミングの抑制に関して次の3つの作用を同時
に持つものである。即ち、 スラグを局部的に高温にし、フォーミングスラグ中
の気泡を不安定にさせる作用。
体させる作用。
グ中の気泡が破られる作用。
た空気中の酸素や、上吹き酸素の中の未燃焼分等の酸素
が存在し、ここに微粒の炭材を供給することにより、炭
材が酸素と直接反応し発熱する。これはスラグ中のFeO
と炭材を反応させた場合が吸熱反応であるのとは対称的
であり全く新しいフォーミング抑制方法である。
の領域(反応領域)とに分離し、上部領域にのみ炭材を
供給し、その他の領域には炭材を存在させない条件を選
択することにより、スラグと溶銑の界面で起こっている
脱珪や脱燐反応の運行には全く影響を及ぼさずにフォー
ミングを抑制することも出来る。
せる為には、吹き込まれた炭材が、上部領域内で反応開
始温度まで加熱される必要があり、かつ炭材を反応容器
口近傍のスラグ上部領域以外に存在させない為にはこの
領域内で完全に燃焼させる必要がある。その為炭材の粒
径、吹き込み位置、吹き込み速度を上述の如く限定する
必要がある。
合は、炭材吹き込み孔を出た直後に燃焼してしまい、高
温になる領域が小さくなりすぎ、フォーミングの抑制に
効果的ではなく、かつランス周囲の温度が上昇しすぎて
ランス寿命を低下させる。一方2mmよりも大きい場合
は、未燃焼の炭材が反応容器口近傍のスラグ上部領域以
外に混入する為、反応領域のFeO濃度が低下し脱珪、脱
燐反応を阻害する。
ら上方1m以内では、炭材の燃焼領域が、脱珪、脱燐反応
が進行しているスラグと溶銑の界面に接近しすぎる為、
未燃焼炭材が混入すると共に、反応領域の温度が上がり
すぎる為特に脱燐反応に悪影響を及ぼす。
た場合には燃焼熱が有効にスラグに伝わらず、フォーミ
ングの抑制に有効でない上、排ガス温度が上昇し上部の
耐火物損耗が大きくなる。
場合は、温度上昇が不十分でフォーミング抑制効果が小
さく、一方600kg/分間を越えると上部領域に存在する酸
素よりも炭材の方が多くなる為、未燃焼の炭材が発生
し、脱珪、脱燐反応が阻害される。
は、スラグ中のT・Feを0.5%以上に維持することであ
る。これは炭材吹き込みを行わない場合に、脱燐から復
燐に転じるT・Feが1%程度であるのに比較すると低
い。これは上部領域でフォーミングを抑制しているもの
の、反応領域ではフォーミング状態と同等の現象が生じ
ており、粒鉄が極めて多く混在し、実質の反応界面積が
大幅に増大し、反応上極めて有利な条件で反応が進行す
る為と考えられる。
供給し、かつ、雰囲気中酸素により短時間で燃焼するよ
うな条件を選択することによるフォーミングの抑制に対
して、石灰石粉を一部混合することにより、次のような
作用を有する。即ち、 炭材による抑制が燃焼反応に基づくため、吹き込み開
始時より、極めて短時間で効果を発揮するが、効果の持
続性は弱く、常に吹き続ける必要があるのに対し、石灰
石による抑制効果は、分解して発生するCO2ガスによる
為、分解開始温度まで加熱させる間は効果がなく、速効
性がない。この両者を配合することで、速効性と持続性
とを兼ね備えたフォーミングの抑制が可能となるのであ
る。
グ中に分散した後、分解反応によりガスを発生し、フォ
ーミングを構成している気泡を、いろいろな場所で破壊
するためと考えられる。したがって、石灰石を効率的に
分散させることが重要である。
の場合には、吹き込んだ石灰石粉が昇温されるまでの時
間は、抑制効果がなく、約50秒程度経過後にはじめて効
果が現れる。炭材粉はスラグ上部で燃焼し、高温の領域
を生成しているため、昇温が効果的となる。
るのが効果的である。つまり、表面に気泡がなく高比重
の大きい液体を存在させると、下部の気泡が多く高比重
の小さい液体の上に乗った状況になり、内部の気泡を押
しつぶす効果がある。したがって、石灰石をスラグの内
部で分解させるよりも、表面近くで分解させた方が有利
であることを始めて見いだしたことにあり従来は、内部
からガスを出した方が抑制効果があると考えられていた
のに対し石灰石単独吹き込みの効果は、内部からのガス
発生で、炭材と適量混合した場合は表層からのガス発生
に変わり、抑制効果が画期的に増大する。
ォーミングを抑制する。
で分解温度に達する。
制と効果が重なり、意味がない。
る高温域と隣接した表層部で石灰石を分解させる。とい
う様な作用であり、従って炭材微粒粉と石灰石粉との重
量比に於いて、50:50よりも炭材が少ない場合には昇温
効果が不足し、内部まで石灰石がもぐり込むのでフォー
ミング抑制効果が小さく、一方90:10よりも石灰石が少
ない場合には、高温域で全てが分解し、石灰石を混合さ
せた意味がなくなる。
る。
て、インジェクションランスに設けた、炭材供給用ノル
ズから、窒素ガスをキャリアーガスとして炭材を供給し
た。
験9から12は、実験4を基準として吹き込み高さを変化
させた実験結果である。また、実験13から18は、実験4
を基準として吹き込み速度の影響を見た実験である。さ
らに、送酸速度や撹拌強度を変化させ、実験4の条件
で、スラグ中T・Feを変化させた結果が、実験19から22
である。実験23,24は、実験19から22の比較として、炭
材吹き込みを行わなかった場合の実験結果である。この
場合、処理温度を低下させ、フォーミングを起こさせな
かった。
て、インジェクションランスに設けた、炭材供給用ノル
ズから、窒素ガスをキャリアーガスとして炭材と石灰石
粉を供給した。
m以下のもので、炭材は250μm以下のコークス粉を用
い、溶銑面から1.8m上方より、フォーミングスラグ中に
約80kg/分の速度で供給した。
らフォーミング沈静までの時間(秒間)、T2はフォーミ
ング抑制剤供給停止からフォーミング再発生までの時間
(秒間)を示す。
中断させることなく、しかも脱珪、脱燐、脱硫反応を何
ら阻害することなく、迅速にスラグフォーミングを沈静
出来、しかもその持続時間も長いので処理効果を向上さ
せる等優れたスラグフォーミング抑制方法である。
Claims (2)
- 【請求項1】熔銑を脱珪、脱燐もしくは脱燐脱硫処理す
るに際し、スラグフォーミングあるいはスラグフォーミ
ングを予知し平均粒径が25μm〜2mmの炭材微粒粉を、
熔銑面より1m以上の上方からフォーミングしているスラ
グ表面以下の高さに設けた吹き込み孔より、10〜600kg/
分間の速度で吹き込むとともにスラグ中T.Feを0.5%以
上に維持させることを特徴とする熔銑予備処理に於ける
スラグフォーミング抑制方法。 - 【請求項2】熔銑を脱珪、脱燐もしくは脱燐脱硫処理す
るに際し、スラグフォーミングあるいはスラグフォーミ
ングを予知し平均粒径が25μm〜2mmの炭材微粒粉と平
均粒径が250μm以下の石灰石粉とを重量比で50:50から
90:10となした混合粉を、熔銑面より1m以上の上方から
フォーミングしているスラグ表面以下の高さに設けた吹
き込み孔より、10〜600kg/分間の速度で吹き込むととも
にスラグ中T.Feを0.5%以上に維持させることを特徴と
する熔銑予備処理に於けるスラグフォーミング抑制方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27482190A JP2764192B2 (ja) | 1990-10-12 | 1990-10-12 | 溶銑予備処理に於けるスラグフォーミング抑制方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27482190A JP2764192B2 (ja) | 1990-10-12 | 1990-10-12 | 溶銑予備処理に於けるスラグフォーミング抑制方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04214809A JPH04214809A (ja) | 1992-08-05 |
JP2764192B2 true JP2764192B2 (ja) | 1998-06-11 |
Family
ID=17547040
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27482190A Expired - Lifetime JP2764192B2 (ja) | 1990-10-12 | 1990-10-12 | 溶銑予備処理に於けるスラグフォーミング抑制方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2764192B2 (ja) |
-
1990
- 1990-10-12 JP JP27482190A patent/JP2764192B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04214809A (ja) | 1992-08-05 |
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