JP3736068B2 - 溶銑予備処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は酸化鉄、気体酸素、石灰等のフラックスを吹き込んで行う溶銑の脱りん処理などのに溶銑予備処理においてしばしばみられるスラグフォーミング現象の抑止に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
塩基度の低いスラグ中にガスを吹き込むと、このガスがスラグ中に滞留し、スラグの体積が著しく増加し泡立ついわゆるスラグフォーミング現象が起こることが知られている。転炉での精錬負荷軽減のため、転炉精錬に先立ち溶銑中に酸素源(酸化鉄、気体酸素等) と石灰等のフラックスを吹き込んで行う溶銑の脱りん処理の場合、溶銑中に存在するSiが脱りん反応に先立って酸化される脱珪反応が進行するため塩基度の低いスラグとなる。
【0003】
また、脱りん処理に先立って高炉出銑中に脱珪処理を行う場合もあり、このとき生じるスラグが脱りん処理時に存在することによってもスラグの低塩基度化がおこる。このような低塩基度スラグの存在下で脱りん処理を行うと脱りん反応と並行して進行する脱炭反応により発生するCOガスや脱りん剤吹き込みのための搬送ガスによりスラグのフォーミング現象が起こる。
【0004】
溶銑予備処理工程で使用する反応容器はトピードカーや溶銑鍋の場合が多く、転炉に比べてフリーボードが小さいためスラグフォーミングが起こるとスラグが反応容器の外へ流れ出すことがあり、処理の中断を余儀なくされ、また鉄歩止りの低減をもたらすこととなり、操業上好ましくない。
このようなスラグフォーミング現象に対する対策として、従来は次のような3つの手法が取られてきた。
【0005】
(1) 脱りん剤の供給速度の減少もしくは停止(処理の中断)
(2) 流滓処理
(3) スラグフォーミング抑止剤の投入
(1) はスラグフォーミングにより反応容器からスラグの流出が発生したら主として酸素源の供給速度を減少させる方法である。スラグの流出が特にひどい場合には処理の中断に至る。この方法は処理時間の延長、溶銑温度の低下を招き次工程へ悪影響を及ぼすことになる。
【0006】
(2) はあらかじめスラグが流出しても良いように対策を施し(例えば反応容器周辺に流出スラグ用のピットを掘る等) 、スラグを流出させながら脱りん処理を行う方法である(例えば、特開平5-5114号公報を参照。)。しかし、流出スラグには通常10%程度の鉄分が含まれているため、この方法では鉄歩止りが低下する問題がある。また、ピットを配置するためにコストがかかる上に流出スラグの搬出という新たな作業が増えることからも望ましくない。
【0007】
(3) はフォーミングしたスラグの上からスラグフォーミング抑止剤を吹き付けるものである。この方法として、例えば特公平6-84521 号公報をあげることができる。粉体吹込み用ランスの側面からスラグ/メタル界面近傍へ不活性ガスを吹き付けてスラグを移動させ開孔部を作る方法であり、スラグからガスが離脱し易くなる効果がある。しかしながら、この方法でもフォーミング抑止効果は極めて不十分である。また、特開平4-180507号公報では粉体吹き付け用ランスまたはこれに隣接した添加専用ランスより炭材を5 〜100kg/min の流量で吹き付ける方法が開示されている。しかし、前述のガス吹き付け法に比べるとフォーミング抑止効果は高いものの、まだ十分とはいえない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、溶銑予備処理において従来はその対策が十分とは言えなかったスラグフォーミング現象に対する改善を目的としており、溶銑の脱りん処理時などに発生するスラグフォーミング現象の抑止に特に優れた効果を奏する溶銑予備処理方法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、溶銑にフラックスを吹き込み、および/または上投入することにより行う溶銑予備処理方法において、溶銑浴面上のスラグにフォーミング抑止剤を内包させたワイヤを投入することによりスラグフォーミング抑止を行うことを特徴とする溶銑予備処理方法により前記課題を解決したものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
トピードカーを反応容器として溶銑脱りん処理を行う場合を例として、以下に本発明を説明する。
図1においては、トピードカー1内に充填されている溶銑2中に脱りん剤吹き込み用ランス3を浸漬させ脱りん処理を行っている。本例では、脱りん剤吹き込み用ランス3を浸漬しているが、浸漬せず上から添加するようにしても良いことは言うまでもない。前述のとおり、このとき脱炭反応により発生するCOガスおよび搬送ガスがスラグ4中に滞留し、スラグの体積が増加することによりフォーミング現象が発生する。このとき、スラグフォーミング抑止剤を投入するが、直接抑止剤を投入するのではなく、金属さや内部に抑止剤を封入したワイヤを投入することが本発明の大きな特徴である。
【0011】
スラグフォーミングが起こったとき、トピードカー炉口の抑止剤ワイヤ投入装置5によってワイヤを投入し、抑止剤をスラグ/メタル界面近傍に供給するのである。これにより従来法に比べて著しく優れたフォーミング抑止効果が得られる。
ワイヤで投入することにより、抑止剤を確実にスラグ/メタル界面近傍に直接供給することが可能となる。また、ワイヤの金属部が溶解することによる冷却効果によりスラグの温度を局所的に低下させることができ、このことによってもフォーミング抑止効果が更に高められる。
【0012】
ワイヤの金属さやには溶融スラグの温度レベルで溶解する金属を用い、その厚さはスラグ表面からスラグ/メタル界面までの距離に応じて、溶解するまでの時間を見込んで決定している。ここで、内包するスラグフォーミング抑止剤は、炭材や炭酸カルシウムなどが好ましい。
図2に、実験設備における脱りん実験でのスラグ厚さの経時変化を示す。実験では、50kg高周波溶解炉にて溶銑30kgを溶製しCaO-SiO2系スラグを上から添加しておいて、浸漬ランスを用いて酸化鉄を吹き込んでいる。図2では、実験開始後2.5 分経過時点で本発明のワイヤ投入を行った場合のスラグ厚さの経時変化を白丸で示し、酸化鉄吹き込みのみを行った従来例でのスラグ厚さの経時変化を黒丸で示している。酸化鉄吹き込みは、1分あたり150 gの酸化鉄を30l/min のキャリアガスとともに吹き込んでいる。ワイヤに内包する抑止剤としては炭酸カルシウムを用いている。ワイヤは直径9mmであり、内包した炭酸カルシウムは75g/m である。ワイヤの投入速度は、10cm/分とした。溶銑温度は、1500℃としている。
【0013】
本発明のワイヤ投入を行った場合では、ワイヤ投入時点以降スラグ厚さが大きく減少し、スラグ厚さが投入前の約30%にまで減少していることがわかる。このホットモデル実験により、本発明が非常に優れたフォーミング抑止効果を有することを確認できた。
【0014】
【実施例】
本発明を、溶銑容量200 tのトピードカーにおける脱りん処理に適用した。
脱りん処理では、1分あたり350kg の酸化鉄を8Nm3/min のキャリアガスとともに吹き込んでおり、同時に、酸素ガスを10Nm3/min 、CaO 粉を60kg/min吹き込んでいる。
【0015】
また、ワイヤは直径13mmであり、内包した炭酸カルシウムは160g/mである。ワイヤの投入速度は、150 m/ 分とした。
図3に、実機において適用した結果を示す。図3は、本発明のワイヤ投入を適用した場合と、ワイヤ投入を行わずスラグの上からスラグフォーミング抑止剤を吹き付けただけの従来法の場合とのそれぞれについて、1チャージ処理当たりのフォーミング発生回数の平均をとり比較している。このフォーミング発生回数は、トピードカーの炉口から溶銑あるいはスラグが溢れ出した回数をカウントしたものである。従来法の場合は2.4 回/ch のフォーミング発生回数であったものが本発明を適用することにより0.5 回/ch となり、フォーミング発生回数は約1/5 に減少することが確かめられた。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したとおり、本発明の適用により従来法に比べてフォーミング抑止効果を著しく高くすることができた。また、酸素源の投入速度を増加させても能率良く溶銑の脱りん処理を行うことができ、工業的効果は非常に大きい。
これにより脱りん処理時間が短縮でき、その短縮分を脱りんあるいは脱硫処理に当てることが可能となり、更に低りんあるいは低硫の溶銑を溶製することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトピードカーへの適用を説明する概略図である。
【図2】本発明のスラグフォーミング抑止効果を示す実験結果図である。
【図3】本発明を実機に適用した効果を示す実験結果図である。
【符号の説明】
1 トピードカー
2 溶銑
3 脱りん剤吹き込み用ランス
4 スラグ
5 抑止剤ワイヤ投入装置
Claims (1)
- 溶銑にフラックスを吹き込み、および/または上投入する溶銑予備処理方法において、溶銑浴面上のスラグにフォーミング抑止剤を内包させたワイヤを投入することによりスラグフォーミング抑止を行うことを特徴とする溶銑予備処理方法。
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JP24848197A JP3736068B2 (ja) | 1997-09-12 | 1997-09-12 | 溶銑予備処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP24848197A JP3736068B2 (ja) | 1997-09-12 | 1997-09-12 | 溶銑予備処理方法 |
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JPH11152512A JPH11152512A (ja) | 1999-06-08 |
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JP24848197A Expired - Fee Related JP3736068B2 (ja) | 1997-09-12 | 1997-09-12 | 溶銑予備処理方法 |
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- 1997-09-12 JP JP24848197A patent/JP3736068B2/ja not_active Expired - Fee Related
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