JP3242300B2 - 溶銑処理におけるスラグフォーミング抑止方法 - Google Patents

溶銑処理におけるスラグフォーミング抑止方法

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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、酸化鉄、気体酸
素、石灰等の予備処理用フラックスを吹き込んで行う溶
銑処理においてしばしばみられるスラグフォーミングの
抑止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】塩基度の低い溶融スラグ中にガスを吹き
込むと、このガスがスラグ中に滞留し、スラグの体積が
著しく増加し泡立ついわゆるスラグフォーミング(泡立
ち)現象が起こることが知られている。転炉での精錬負
荷軽減のため、転炉精錬に先立ち、精錬用ランスを用い
て溶銑中に酸素源(酸化鉄、気体酸素等)と石灰等の予
備処理用フラックスを吹き込んで行う溶銑の脱珪、脱燐
などの溶銑処理の場合、溶銑中に存在するSiが脱燐反応
に先立って酸化される脱珪反応が進行するため塩基度の
低いスラグとなる。また、脱燐処理に先立って高炉出銑
中に脱珪処理を行う場合もあり、このとき生じるスラグ
が脱燐処理時に存在することによってもスラグの低塩基
度化がおこる。
【0003】このような低塩基度スラグの存在下で脱燐
処理を行うと、脱燐反応と並行して進行する脱炭反応で
発生するCOガスや、脱燐剤吹き込みのための搬送ガスに
よってスラグのフォーミング現象を起こす。溶銑予備処
理工程で使用する反応容器はトピードカーや溶銑鍋の場
合が多く、転炉に比べてフリーボード(反応容器内の溶
銑上に形成される空間)が小さいため、スラグフォーミ
ングが起こるとスラグが反応容器の外へ流れ出すことが
あり、処理の中断、鉄歩止りの低減をもたらし、操業上
好ましくない。
【0004】このようなスラグフォーミング現象に対す
る対策として主に従来次のような3つの手法が取られて
きた。 (1)精錬剤の供給速度の減少もしくは停止(処理の中
断) (2)流滓処理 (3)フォーミング抑止剤の投入 (1)の手法は、反応容器からの溶融スラグの流出が発
生したら、主として酸素源の供給速度を減少させる方法
であり、スラグの流出がひどい場合には処理の中断に至
る。この方法は処理時間の延長、溶銑温度の低下を招き
次工程へ悪影響を及ぼす。
【0005】(2)の手法は、あらかじめスラグが流出
しても良いように対策を施し(例えば反応容器周辺に流
出スラグ用のピットを掘る等)、スラグを流出させなが
ら脱燐処理を行う方法である。この方法では、流出スラ
グには通常10%程度の鉄分が含まれているため鉄歩止り
が低下する。また、ピットを配置するためにコストがか
かる上に流出スラグの搬出という新たな作業が増えるの
で望ましくない。
【0006】(3)の手法は、フォーミングしたスラグ
の上からフォーミング抑止剤を吹き付けるものである。
この方法として、例えば特公平6−84521 号公報では、
粉体吹込み用ランスの側面からスラグ/メタル界面近傍
へ不活性ガスを吹き付け、スラグの移動、開孔部を作る
ことによりスラグからガスが離脱し易くする方法が開示
されている。この方法ではフォーミング抑止効果が極め
て不十分である。また、特開平4−180507号公報では、
粉体吹き付け用ランスまたはこれに隣接した添加専用ラ
ンスよって炭材を5〜100kg/min で吹き付ける方法が
開示されている。しかし、この方法では前述のガス吹き
付け法よりはフォーミング抑止効果を発揮するものの、
必ずしも十分ではないという問題が残る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は溶銑処理時に
発生するスラグのフォーミング現象の抑止に関する前記
のような問題点を解消するために、フォーミング抑止効
果に優れた方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
の請求項1記載の本発明は、 反応容器内の溶銑中に精錬
用ランスを浸漬して予備処理用フラックスを吹き込み溶
銑処理を行う方法において、前記精錬用ランスとは別途
に設けた旋回可能な上吹き付けランスを旋回速度が5〜
120rpmを満足する範囲内で旋回させつつスラグとメタル
との界面近傍まで降下させ、水平方向に対する下向き角
度θが5〜70度を満足する範囲内で前記上吹き付けラン
スに設けた吹き出し孔からフォーミング抑止剤を吹き付
けることによってスラグのフォーミング高さを反応容器
のフリーボード内に抑えることを特徴とする溶銑処理に
おけるスラグフォーミング抑止方法である。
【0009】
【0010】
【発明の実施の形態】以下にトピードカーを反応容器と
して溶銑脱燐処理を行う場合の構成および作用を本発明
について説明する。図1においてトピードカー1内に充
填されている溶銑2中に精錬用ランス3を浸漬させ、予
備処理用フラックスとして脱燐剤4を吹き込み、 溶銑2
の脱燐処理を行う。前述のとおりこのとき脱炭反応によ
り発生するCOガスおよび搬送ガスが溶融スラグ5に滞留
し、溶融スラグの体積が増加することによりフォーミ
ング現象が起こる。 本発明では脱燐剤4を吹き込む精錬
用ランス3とは別の水平方向に対し下向き角度θの吹き
出し孔を持つ上吹き付けランス6を設ける。 この上吹き
付けランス6は旋回可能であり、 フォーミング抑止剤8
の貯蔵ディスペンサー7と連結されている。スラグフォ
ーミングが起こったら、上吹き付けランス6を鉛直にし
て旋回させつつ水平方向に対し下向き角度θの吹き出し
孔からフォーミング抑止剤8を噴出させ、上吹き付けラ
ンス6をスラグ/メタル(溶銑)界面近傍まで降下させ
る。 これにより広範囲にわたりフォーミング抑止剤
吹き付けが可能で従来法に比べて著しく優れた抑止効果
が得られる。
【0011】上吹き付けランス6の吹き出し孔の下向き
角度θは5〜70度の範囲内にする必要がある。 下向き角
度θが5度より小さいと吹き付け初期にフォーミング抑
止剤8がトピードカー1の炉口外へ逸脱してロスする量
が多くなり、 抑止効果がそれほど高くない。 また、下向
き角度θが70度より大きい場合はフォーミング抑止剤8
の吹き付け面積が小さくなり抑止効果が低くなる。 上吹
き付けランス6の旋回速度は5〜120rpmとする必要があ
。 旋回速度が5rpm より小さい場合は旋回速度がスラ
グフォーミングの速度に比べて遅すぎるため旋回の効果
が十分に得られない。旋回速度を120rpmより大きくして
もフォーミング抑止効果はほとんどかわらないが、設備
をランス旋回時の振動に耐えられる構造にするためにコ
ストがかかり、経済的ではない。
【0012】また、フォーミング抑止剤8は特開平4−
180507号公報等で述べられているとおり、コークス、石
炭等が好ましく、搬送ガスは特公平6−84521 号公報で
述べられているとおり窒素ガス、アルゴンガス等不活性
ガスが好ましい。図2に円筒容器内に石鹸水を入れ、浸
漬したランスから窒素ガスを吹き込んだ時の泡立ち高さ
の経時変化を示す。実験水準は、上吹き付けランス旋回
の場合(本発明例)および比較例としての上吹き無しの
場合(比較例1)と固定ランスからの上吹き(比較例
2)である。実験条件を表1に示す。図2に示すよう
に、上吹き付けを行わない比較例1では時間とともに泡
立ち高さが高くなる。固定ランスでガス吹き付けを行っ
た場合(比較例2)では、ランス直下では抑止効果があ
るがランスから離れると抑止効果が低くなる。一方、本
発明例ではランス直下での抑止効果も固定ランスの場合
よりも優れ、しかも広範囲にわたり抑止効果があること
が分かる。
【0013】
【表1】
【0014】
【実施例】図3に30kg溶銑を用いた脱燐実験におけるス
ラグ厚さの経時変化を示す。実験は50kg高周波溶解炉に
て溶銑30kgを溶製しCaO-SiO2系スラグを上方から添加
し、精錬用ランスを用いて酸化鉄を吹き込む。開始後2.
5 分後に上吹き付けを開始しスラグ厚さの経時変化を測
定した。実験水準は旋回ランスによる上吹き付け(本発
明例)、上吹き付けせず酸化鉄吹き込みのみ(比較例
1)、固定ランスによる上吹き付け(比較例2)であ
る。上吹き付け剤はコークスとし、搬送ガスは窒素ガス
を用いた。溶銑温度は1500℃で行った。実験条件を表2
に示す。
【0015】
【表2】
【0016】スラグ厚さは旋回ランスによる吹き付け
(本発明例)、固定ランスによる吹き付け(比較例
2)、吹き付け無し(比較例1)の順に小さくなる。 旋
回ランスによるコークス上吹き付けによりスラグ厚さが
約30%に減少し、 ホットモデル実験においても本発明が
非常に優れたフォーミング抑止効果を有することが分か
った。
【0017】図4にトピードカー内の 200t溶銑の脱燐
処理に本発明を適用した場合の1チャージ処理当たりの
フォーミング発生回数を示す。従来例(上吹き付け無
し)の場合は 2.4回/chのフォーミング発生回数であっ
たものが、本発明を適用することにより 0.5回/chとな
り、約21%に減少した。
【0018】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明法はフォー
ミング抑止効果が従来法に比べて著しく高く、酸素源の
投入速度を増加させても能率良く溶銑処理を行うことが
でき、工業的効果は非常に大きい。これにより処理時間
が短縮でき、その短縮分を脱燐あるいは脱硫処理に当て
ることにより低燐あるいは低硫の溶銑を溶製することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトピードカーへの実施例を示す断
面図である。
【図2】石鹸水を用いた水モデル実験によるスラグフォ
ーミング抑止効果を、上吹き付けランスを旋回、 固定お
よび上吹き付けランス無しの場合を比較して示すグラフ
である。
【図3】溶銑(30kg)を用いた実験室規模のホットモデ
ル実験によるスラグフォーミング抑止効果を、上吹き付
けランスを旋回、固定および上吹き付けランス無しの場
合を比較して示すグラフである。
【図4】トピードカー内の溶銑( 200kg)を用いた実験
室規模のホットモデル実験によるスラグ発生回数(回/
ch)を、従来法(ランス吹き付け無し)と本発明法(
吹き付けランス旋回)とを比較して示すグラフである。
【符号の説明】 1 トピードカー 2 溶銑 3 精錬用ランス 4 脱燐剤 5 溶融スラグ 6 上吹き付けランス 7 貯蔵ディスペンサ 8 フォーミング抑止剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 桐原 理 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社 技術研究所内 (56)参考文献 特開 平4−180507(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21C 1/06 C21C 1/02 C21C 1/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器内の溶銑中に精錬用ランスを浸
    漬して予備処理用フラックスを吹き込み溶銑処理を行う
    方法において、前記精錬用ランスとは別途に設けた旋回
    可能な上吹き付けランスを旋回速度が5〜120rpmを満足
    する範囲内で旋回させつつスラグとメタルとの界面近傍
    まで降下させ、水平方向に対する下向き角度θが5〜70
    度を満足する範囲内で前記上吹き付けランスに設けた吹
    き出し孔からフォーミング抑止剤を吹き付けることによ
    ってスラグのフォーミング高さを反応容器のフリーボー
    ド内に抑えることを特徴とする溶銑処理におけるスラグ
    フォーミング抑止方法
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