JPS59566B2 - 溶銑の連続脱硫・脱燐方法 - Google Patents

溶銑の連続脱硫・脱燐方法

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JPS59566B2
JPS59566B2 JP9873081A JP9873081A JPS59566B2 JP S59566 B2 JPS59566 B2 JP S59566B2 JP 9873081 A JP9873081 A JP 9873081A JP 9873081 A JP9873081 A JP 9873081A JP S59566 B2 JPS59566 B2 JP S59566B2
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
    • C21C1/00Refining of pig-iron; Cast iron
    • C21C1/02Dephosphorising or desulfurising

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、比較的簡単な操作で高レベルの脱燐・脱硫率
を得ることができる溶銑の脱燐・脱硫方法に関するもの
である。
鉄鋼製品の品質に関する需要者の要求は止まるところを
知らず、年々厳しくなっている。
これらの要求品質は低燐鋼、低値鋼及び低酸素鋼に代表
されるもので、このうち低値鋼及び低酸素鋼の要請に対
しては、炉偽精錬技術の進歩によって〔S〕(0,00
1%、[0〕<0.001重5%の極低硫・極低酸素鋼
の製造が可能になった。
しかしながら脱燐に関しては有効な炉間精錬技術がなく
、いまだに製鋼炉による精錬に存在している。
一方最近では、連続鋳造法や心鋼の炉間精錬の普及に伴
なって製鋼炉からの出鋼温度を高める必要性が増大して
いるが、この条件は、高温をきらう脱燐反応にとって有
害であり、製鋼炉での脱燐負荷を太きいものにしている
また今後鉄鉱石埋蔵量が減少するにつれてその品質が低
下することは明白であり、溶銑中の燐含有率が増大する
ことも当然に予想される。
ところで低燐鋼を得る方法として一般に採用されている
のは、製鋼炉による精錬を途中で中断しP2O5含有率
の高まったスラグを一旦排出した後、新たにCaOや媒
溶剤を含むフラックスを投入してスラグを作り直し、改
めて精錬を行なう方法(ダブルスラグ法)である。
ところがこの様な方法ではフラックスを2重に添加しな
ければならず副原料の消費量が増加すると共に操作が煩
雑であり、更には精錬を一時中断してスラグを排出する
ことに伴なう生産性の低下は避けられない。
また脱燐を効率良く進行させる為にはスラグ中の酸化鉄
量を増加する必要があるから、スラグを2重に形成する
ことは鉄の歩留り低下を招く。
そこで製鋼の前工程で燐を除去する溶銑脱燐法が相当以
前から検討されている。
例えば塩基性で且つ酸化性を示す溶融スラグ中へ溶銑を
流し込む方法(ペラン法)はその一例であるが、スラグ
を予め溶融しなければならない為操作が煩雑で且つコス
ト的に不利であり、しかも満足な脱燐効果が得られると
は限らない。
また最近開発された啓銑脱燐法として、CaO1酸化鉄
及び螢石よりなるフラックスを溶銑の湯面上に投入し、
窒素ガスを溶銑の底部から吹き上げるバブリング攪拌と
酸素の上吹きを併行して実施する方法も提案されている
ところが酸化精錬による溶融金属の脱燐は、塩基度が高
く且つ酸化鉄量の多いスラグを使用すると共に処理温度
を低くする程度進行し易いことが確認されているから、
上記方法の様にスラグの融点及び粘度を低下させると共
に溶銑との反応率を高める目的でスラグの塩基度を低く
したり(Ca O/S i02<2.5 )、更には溶
銑との反応率を高める目的で処理温度を高くすることか
要求される方法は上記脱燐の進行促進という目的にそぐ
わないことが明らかである。
その為安定した良好な脱燐効果を得ることは困難であり
、しかも約30%にも及ぶ酸化鉄含有スラグを使用しな
ければならない為鉄の歩留りが悪い。
この様な精錬上の問題を解決する方法として、Na2C
O3を用いる溶銑脱燐法が開発された。
この方法は優れた脱燐能を示し且つ同時に脱硫も進行す
るので、優れた精煉法として注目されている。
ところがこの方法には、■耐火物の溶損が著しい、■N
a2CO3の吸熱分解反応によって溶銑温度が相当に低
下する、■精錬能の温度存在性が大きく1400℃程度
の高温域では脱燐・脱硫反応が極端に低下する、■処理
後のスラグは水に溶解して強アルカリ性を示すので投棄
により2次公害が発生し、またNa2CO3はCaOに
比べて高価であるので工業規模で実施する為にはスラグ
からのN a 2 COa[EOJ収設備が必要になる
、等種々の問題が山積している。
本発明者等は上記の様な事情に着目し、豊富で安価な資
源であるCaOを主成分とするフラックスを使用して効
率良く溶銑中の燐を除去し得る方法を開発すべく研究を
行なった。
その結果、Si含有率が0.3%以下の溶銑に対し、C
a0−酸化鉄−媒溶剤よりなる3元系フラックス又はC
aO−酸化鉄一媒溶剤一反応促進剤よりなる4元系フラ
ックスを適当なキャリヤガスと共に吹き込み、且つ浴銑
表面に酸素を上吹きする方法を採用すれば、従来法より
も高い脱燐効果が得られ且つ脱硫率も高め得ることを確
認し、別途特許出願を行なっていた。
しかしながらこの方法にしても、約0.025〜0.0
8%の間で変動する溶銑中の〔S〕を、安定して0.0
15%以下のレベルまで除去する為には多量のフラック
スを要し、しかも例えば〔S〕含有率0.05%、CP
I含有率0.1%の溶銑を[S]≦0.015%にまで
脱硫すると、製品の〔P〕レベルが約0.005%と過
剰品質気味になるという問題がある。
またCaOと媒啓剤の混合粉末を多量の酸素と共に溶銑
中に吹き込む啓銑脱燐法も知られているが、この方法に
よっても脱燐と脱硫の両目的を達成することはできない
本発明は、上記の様な問題を解決する為に溶銑予備処理
を脱硫期と脱燐期に分離し、しかもその間の強制排滓工
程を省略して脱硫と脱燐を連続して行ない、わずかなフ
ラックス量でもバランスのとれた低燐・低値レベルの溶
銑を提供できる方法を提供するものであり、具体的には
、Si含有率が0.3%以下である溶銑の脱硫を行なっ
た後、生成スラグを強制的に除去することなく、該溶銑
内に、溶銑のSi含有率をXとしたとき溶銑1トンに対
して(50X〜30)K7のCaOと酸化鉄及び媒溶剤
或いはこれらと反応促進剤よりなる脱燐フラックスをキ
ャリヤガスと共に吹き込む他、酸素ガスを溶銑表面溶銑
表面の脱燐フラックス浮上位置に向けて上吹きして脱燐
を行なうところに要旨が存在する。
また上記と同様にしつ脱硫を行なった後、生成スラグを
強制的に除去することなく。
該溶銑内に、CaOと媒鼎剤又はこれらと酸化鉄及び/
若しくは反応促進剤よりなる脱燐用フラックスを酸素ガ
スと共に吹き込んで脱燐を行なうことによっても同様に
本発明の目的を達成することができる。
溶融金属の脱燐は以下に示す如き酸化反応である。
1/202+Fe−+Fe0 3CaO+2〔P〕+5FeO−+3CaO−P2O6
+5Fe4CaO+2 〔P]+5FeO−+4CaO
−P2O,+5Fe従って一般に実施されている溶銑脱
燐では、高塩基度で且つ酸化鉄含有量の多いスラグによ
る酸化精錬が採用されている。
一方脱硫は以下に示す如き還元反応である。
Ca 0−1(S ]←KJ2 a 5−t(O][S
i〕+2[0)→S t 02 [C]−140〕−)C0 即ち脱燐と脱硫は相反する反応環境の下で進行するから
、脱燐と脱硫を同時に効率良く行なうことは原理的に困
難である。
しかも処理工程で脱燐スラグと脱硫スラグが溶銑と接触
すると、スラグ中にせっかく固定された燐と硫黄が下記
の反応によって溶銑中に戻り、最終的に十分な脱燐・脱
硫率が得られない。
CaS+FeO→Ca0−t(S ]+Fe5CaS+
P20.→5CaO+2[P]+5C8]この様なこと
から、脱燐と脱硫を1つの予備処理炉で連続的に行なう
場合は、脱燐又は脱硫処理の後一旦生成スラグを除き、
再び脱硫又は脱燐スラグを形成し、2段階に分けて処理
する必要があった。
しかしながら溶銑処理工程中にスラグを除去する作業は
最も厄介な工程の1つであり、■排滓時の溶融金属の流
出による歩留り低下、■排滓時間の消費に伴なう生産性
の低下、を招くと共に■スラグの完全排出は極めて困難
であり犬なり小なり復燐・復硫現象が起こる等の問題が
ある。
これに対し本発明は、中間排滓工程を省略して脱硫と脱
燐を連続的に行ない得る方法を提供するもので、基本的
には、■脱燐工程でCaOを主成分とする脱燐フラック
スを溶銑内に吹き込む方法を採用すれば、脱燐フラック
スの浮上過程あるいは上吹酸素ジェットの火点で脱燐反
応が進行するので、脱硫スラグによる脱燐反応の阻害や
復硫反応を抑制できること、及び■溶銑のSi含有率を
低(抑えているから生成スラグの塩基度が高まり、これ
が脱硫スラグと接触しても復硫を起こしにくいこと、■
その結果脱燐率向上の為に脱燐フラックス中に酸化鉄を
含有させたり或いは脱燐フラックスのキャリヤガスとし
て酸素ガスを使用することができ、脱燐率も高め得るこ
と、等の確認結果を基に完成されたものである。
即ち本発明では、前提としてSi含有率が0.3係以下
の溶銑を使用することを必須とする。
これは脱硫処理後に行なわれる脱燐工程でSiが酸化し
多量のSiO2が生成し、脱燐スラグの塩基度(Cab
15in2比)が低下し、高い脱燐効率が得られなくな
るのみならず脱燐時の復硫が著しくなる為である。
尚脱燐用フラックスとして添加されるCaOの量を増加
してやれば、Si量の多い溶銑に適用した場合でも復硫
を低く抑えることができるが、CaO量の増加に伴なっ
て副原料費が増加するので本発明法は経済的に成立し得
なくなる。
しかしながらSi含有率が0.3%以下の溶銑を使用す
れば、脱燐工程での復流も著しく抑制され、高レベルの
脱硫・脱燐率を得ることができる。
もつとも一般的な脱硫処理は、溶銑中に非酸化性のキャ
リヤガス(窒素やアルゴン等)と共に脱硫剤を吹き込゛
むことによって行なわれる。
本発明法で使用する脱硫剤としては公知のものがすべて
使用できるが、最も一般的なのはCaO1CaC2又は
N a 2 CO3を主成分とするものであり、これを
キャリヤガスと共に吹き込むことによって溶銑との接触
効率が高められ、比較的少量の脱硫剤で高い脱硫率を得
ることができる。
尚キャリヤガスとして非酸化性ガスを使用するのは、脱
硫が還元性雰囲気で進行することを考慮し、酸化性雰囲
気になるのを防止する為である。
この際にして脱硫処理を行なった後は、脱硫スラグを除
去することなくそのまま連続して脱燐処理を行なう。
脱燐処理は、〔1〕CaO1酸化鉄及び媒尋剤或いはこ
れらと反応促進剤よりなる脱燐用フラックスをキャリヤ
ガスと共に脱硫溶銑内に吹き込みつつ酸素ガスを上吹き
する方法と、[2]CaOと媒溶剤又はこれらと酸化鉄
及び/又は反応促進剤よりなる脱燐用フラックスを酸素
ガスと共に脱硫浴銑、内に吹き込む方法、の2つの方法
があり、何れも脱燐反応を効率良く進行させる為に処理
雰囲気を酸化性とする条件が採用される。
まず〔1〕の脱燐法について説明する。
CaOは、溶銑中のSiの酸化によって生成するS i
02と共にCaO5102系の脱燐用スラグを形成する
のに不可欠の成分であり、CaO量は溶銑中のSi量に
応じて調整する必要がある。
しかして脱燐工程で生成するスラグの塩基度が低いと、
脱燐効率が低下すると共に、スラグの流動性が高くなっ
て脱硫スラグと接触したときに復硫が著しくなる傾向が
あり、生成するSiO2の量を考慮してスラグの塩基度
を高めに維持できる様なCaO添加量を確保することが
望まれる。
即ち溶銑中のSiは脱燐工程で殆んどが酸化されて5i
02となリスラグ中に移行するので、溶銑中のSi含有
率を予め算出しておき、この量に応じて必要十分量のC
aOを添加すればよい。
実験により確認したところでは、溶銑中のSi含有率を
X%としたとき、溶銑1トン尚り50X(恥)以上のC
aOを添加してやれば、高い脱燐効率が得られると共に
復硫現象を最小限に抑え得ることが確認された。
参考までにこのCaO添加量を採用したときの生成スラ
グの塩基度は、次式の計算より2.34となる。
しかしながらCaO添加量が多すぎると副原料費が高く
なって不経済であると共に、スラグ量が増加して鉄の歩
留りが低下するので、30に4程度以下に止めるのがよ
い。
次に酸化鉄は、■その分解による溶銑の冷却(脱燐反応
は浴銑の温度が低い程効率良く進行すル)、■フラック
スの融点降下によるフラックス・メタル反応の促進、■
フラックスの酸素ポテンシャル上昇による脱燐反応の促
進、等を目的として添加される。
これらの効果を有効番、こ発揮させる為には、溶銑1ト
ン当り3Kg以上添加すべきであるが、多すぎると溶銑
の温度が下りすぎて次工程に障害をきたす他、C及びM
nの酸化損失が著しくなるので、溶銑1トン当り30K
g程度以下に止めるのがよい。
酸化鉄としてはミルスケールや鉄鉱石等が用いられる。
媒后剤としてはCaF2或いはこれを主成分として含む
螢石等が使用され、フラックスの融点を降下させて溶銑
との反応性を高めると共に、脱燐反応そのものを促進す
る作用がある。
この様な作用を有効に発揮させる為には溶銑lトン当り
1Kg以上添加すべきであるが、10Kg程度で上記の
効果は飽和しそれ以上添加すると耐火物の溶損が著しく
なるので10Kg程度以下に止めるのがよい。
尚媒溶剤の添加量は全生成スラグ量を基準にして定める
のが最も実際的と考えられるが、実験の結果では、Ca
O添加量を基準にしてその1/6〜V3の範囲に設定し
たときに最良の効果を発揮することが確認された。
この他反応促進剤は本発明で必須のものではないが、精
錬反応即ち脱燐反応を促進するのに有効な成分であり、
溶銑1トン当り1〜loKg、CaO添加量の1/4〜
1/2の範囲で添加することによって処理効率を高める
ことができる。
しかし多すぎると副原料費が増大すると共に耐火物の溶
損が著しくなる。
反応促進剤として最も一般的なのは、炭酸ナトリウム、
ホウ酸ナトリウム、氷晶石等のアルカリ金属化合物であ
る。
上記の成分を含む脱燐用フラックスは、空気や窒素等の
キャリヤガスと共に脱硫溶銑内に吹き込まれ、溶銑内を
キャリヤガスと共に浮上する過程で酸化鉄により与えら
れる酸化作用によって脱燐反応が進行する。
しかしながらCaO系フラックスの吹き込みによる脱燐
反応は酸素ガスの存在に負うところが極めて大きく、目
標の脱燐率を得る為には同時に酸素ガスの上吹きを行な
うことが不可欠である。
また酸素ガスの上吹き位置は、第1図(図中1:溶銑予
備処理炉、2:脱燐フラックス吹き込みランス、3:脱
燐剤供給ホッパー、4:ロータリーバルブ、5:キャリ
ヤガス供給管、6:酸素上吹きランス)に略示した如く
、脱燐用フラックス及びキャリヤガスが溶銑表面に浮上
してくる位置をねらう様に酸素上吹きランス6を配置す
るのが最も効果的である。
即ちこの様な配置にすれば、湯面に浮上した直後の脱燐
用フラックスに酸素ガスが集中的に供給されるから、こ
の部分で脱燐反応が効率良く進行する。
しかも脱硫スラグは酸素の上吹き流によって炉壁方向へ
押しやられ、浮上直後の脱燐用フラックスとの接触が抑
制されるから、復硫を抑えるという利点もある。
尚酸素ガスの上吹き量は溶銑1トン当り2〜llNm3
の範囲が好ましく、2Nm3未満では十分な脱燐率を
得ることができず、一方11 Nm3 を越えるとC
及びMn等の酸化損失が著しくなるのみで脱燐率はそれ
以上改善されない。
次に前記〔2〕の脱燐法を採用するときは、脱燐用フラ
ックスとしてCaOと媒溶剤を必須成分とするものを使
用し、酸素ガスをキャリヤガスとして脱硫宕銑内に吹き
込む。
CaO及び媒溶剤の添加目的は、前記〔1〕の方法で説
明したのと実質的に同じであるが、キャリヤガスとして
酸素ガスを使用しているからフラックス中に酸化鉄を含
有させる必要はなく、また酸素ガスの上吹きも不要であ
る。
即ちこの方法であれば、CaO−媒溶剤よりなる脱燐用
フラックスが酸素ガスと共に酌銑内を浮上する過程で効
率良く脱燐反応が進行し、湯面に浮上した後は高塩基度
のスラグを形成して溶銑から分離される。
従って脱燐用フラックスはCaOと媒溶剤を含むもので
あればよいが、更に酸化鉄や反応促進剤を併用して脱燐
効率を高めることもできる。
この場合のCaOや媒溶剤、或いは酸化鉄や反応促進剤
の添加量は、前記〔1〕の方法を採用する場合と実質的
に同じである。
本発明は概略以上の様に構成されており、要はSi含有
率の低い溶銑を使用してまず脱硫を行ない、次いでCa
O系フラックスと酸素ガスを併用した脱燐処理を行なう
ことにより、中間排滓を省略した連続処理法を採用した
場合でも高レベルの脱燐・脱硫率を確保し得ることにな
った。
殊に本発明では中間排滓の省略を可能にしたから、中間
排滓工程で生じる作業能率の低下、生産性の低下、啓銑
ロスの増大等がことごとく解消され、溶銑の脱硫・脱燐
を極めて効率良〈実施し得ることになった。
次に実験例を示す。
実験例 1 第1図に示した様な浴銑予備処理炉を使用し、9〜15
トンの溶銑の脱硫・脱燐連続処理を行なった。
溶銑としては予め脱珪処理を行なってSi含有率を0.
09〜0.20%に低減した溶銑を使用し、まず脱硫処
理は、第1表に示す成分組成のフラックスを窒素ガス(
溶銑1トン当り005〜0、07 Nm”/分つと共に
吹き込んだ。
脱硫処理時間は2〜4分とした。
次に脱硫スラグを除去することなく、第1表に併記した
脱燐用フラックスを窒素ガス(溶銑1トン当り0.05
〜0.07 Nm3/分)と共に溶銑中に吹き込み、4
〜9分間脱燐を行なった。
結果を第2表に一括して示す。
上記の実験例は何れも本発明の要件を満足する実施例で
あり、何れも高い脱硫・脱燐率が得られている。
殊に本発明では、脱硫スラグを途中でまったく除去して
いないにもかかわらず、脱燐後のS含有率の上昇は極め
て少なく、脱燐工程での復硫があまり起こっていないこ
とが理解される。
また脱硫剤については3種のものを使用したが、脱硫効
果はNa2COρ最も優れている。
更に本発明によればC及びMnの酸化損失も比較的少な
い。
実験例 2 第1図に示した様な溶銑予備処理炉を使用し、9〜15
トンの溶銑の脱硫・脱燐連続処理を行なった。
溶銑としては予め脱珪処理を行なってSi含有率を0.
05〜0.20%に低減した溶銑を使用し、まず脱硫処
理は第1表に示した成分組成の脱硫用フラックスを窒素
ガス(溶銑1トン当り0.05〜0.07 Nm3/分
)とともに吹き込んだ。
脱硫処理時間は2〜4分とした。
次に脱流スラグを除去することなく、第3表に示した脱
燐用フラックスを酸素ガス(溶銑1トン当り0.19〜
0.36Nm3/分)とともに溶銑中に吹き込み5〜1
2分間脱燐を行なった。
この実験例の場合には上吹き酸素は使用しなかった。
結果を第4表に一括して示す。即ち本例では、実験装置
の制約上多量の酸素ガスをキャリヤガスとして流せない
ので脱燐フラックス中のミルスケール量を実験例1より
も増加させたが、実験例とほぼ同等の脱硫・脱燐効果が
得られた。
【図面の簡単な説明】
第1図は実験で用いた予備処理装置を示す説明図である
。 1・・・・・・浴銑予備処理炉、2・・・・・・脱燐用
フラックス吹き込みランス、3・・・・・・脱燐用フラ
ックス供給ホッパー、4・・・・・・ロータリーバルブ
、5・・・・・・キャリヤガス供給管、6・・・・・・
酸素ガス上吹きランス。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 i Si含有率が0.3%以下である溶銑の脱硫を行
    なった後、生成スラグを強制的に除去することなく、該
    溶銑内に、溶銑のSi含有率をX%としたとき浴銑1ト
    ンに対して(50X〜30)胸のCaOと酸化鉄及び媒
    溶剤或いはこれらと反応促進剤よりなる脱燐用フラック
    スをキャリヤガスと共に吹き込む他、酸素ガスを溶銑表
    面の脱燐用フラックス浮上位置に向けて上吹きして脱燐
    を行なうことを特徴とする溶銑の連続脱硫・脱燐方法。 2、特許請求の範囲第1項において、脱燐用フラックス
    として、溶銑1トン当り酸化鉄3〜30Kg、媒溶剤を
    1〜10に9、反応促進剤を1〜10Kg夫夫含有する
    ものを使用する溶銑の連続脱硫・脱燐方法。 3 特許請求の範囲第1又は2項において、酸素の上吹
    き量が溶銑1トン当り2〜1 lNm3 である溶銑の
    連続脱硫・脱燐方法。 4 Si含有率が0.3%以下である溶銑の脱硫を行
    なった後、生成スラグを強制的に除去することなく、該
    溶銑内に、溶銑のSi含有率をX%としたとき溶銑1ト
    ンに対して(50X〜30)KgのCaOと媒溶剤又は
    これらと酸化鉄及び若しくは反応促進剤よりなる脱燐用
    フラックスを酸素ガスと共に吹き込むことを特徴とする
    溶銑の連続脱硫・脱燐方法。 5 特許請求の範囲第4項において、脱燐用フラックス
    として、溶銑lトン当り酸化鉄を3〜30〜、媒溶剤を
    1〜10Ky、反応促進剤を1−10Kq含有するもの
    を使用する溶銑の連続脱硫・脱燐方法。
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