JP2763564B2 - 揮散性物質を含有するゲル組成物およびゲル基材 - Google Patents

揮散性物質を含有するゲル組成物およびゲル基材

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JP2763564B2
JP2763564B2 JP1008043A JP804389A JP2763564B2 JP 2763564 B2 JP2763564 B2 JP 2763564B2 JP 1008043 A JP1008043 A JP 1008043A JP 804389 A JP804389 A JP 804389A JP 2763564 B2 JP2763564 B2 JP 2763564B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、ゲル状重合体中に、香料、消臭剤、防虫
剤、忌避剤、誘引剤、殺虫剤、殺菌剤、くん蒸剤等の有
効成分を保持させ、室内その他の大気中に放置すること
により、揮散性の有効成分が徐々に大気中に揮散して、
芳香、消臭等の所期の効果を発揮するゲル組成物およ
び、そのゲル組成物の製造に用いるためのゲル基材に関
する。
<従来の技術> 各種のゲル状物質中に揮散性物質を有効成分として含
有する各種のゲル組成物が芳香剤、消臭剤、防虫剤、忌
避剤、誘引剤等に用いられている。
従来、このようなゲル組成物は、通常ポリビニルアル
コール等の水溶性ポリマーやステアリン酸ソーダ等の油
溶性物質やカラギーナン等をゲル状物質として用い、有
効成分とゲル状物質とを一度加熱、溶解し、均一に混合
したものを冷却、固化させて作製される。
例えば、特開昭56−89261号公報にはステアリン酸ソ
ーダ等をゲル状物質として用いたものが、また特開昭62
−152464号公報、同62−152465号公報には、カラギーナ
ンをゲル状物質として用いたものが開示されている。
一方、特開昭57−166168号公報には、イソシアナート
化合物をゲル状物質として用いたものもある。
<発明が解決しようとする課題> ところが、特開昭62−152464号公報、同62−152465号
公報に開示のもののように、カラギーナン等をゲル状物
質とすると、有効成分を溶解して混合する際に、加熱を
必要とし、揮散性の有効成分が加熱によって揮散したり
熱によって変質したりする等の問題がある。また、ポリ
ビニルアルコール等をゲル状物質とするものは上記の問
題点の他に、有効成分の溶剤が水溶性溶剤に限定される
問題がある。
また、特開昭56−89261号公報に示されるようにステ
アリン酸ソーダ等を用いるものも、一旦加熱、溶解させ
る必要があり、揮散性の有効成分が揮散、変質する等の
問題があり、またこれを用いたゲル組成物は、完全な透
明にならず、美観上問題がある。
また、イソシアナート化合物をゲル状物質とするもの
は、加熱を必要としない点で優れてはいるが、毒性が強
く取扱いが困難であり、また、吸水性のため組成物が不
安定で、使用可能な溶剤に制限がある(活性水素を有す
る溶剤が使えない)などの問題がある。
本発明の目的は上記の問題点を解決することにあり、
即ち、ゲル組成物の製造時に加熱が不要で、硬化前の有
効成分の保存性が良く、また、低毒性、無臭性、透明
性、通気性などの優れた特性を有するゲル状重合体を形
成し得るゲル基材を提供する。
さらに、本発明においては好ましくは、前記のゲル基
材において体積の大きなもの、いわゆる厚物にした際に
も好適な硬化することができ又、透明性、通気性に優れ
たゲル基材を提供する。
本発明のさらなる目的は、このようなゲル基材を重合
させて得たゲル状重合体中に所望の有効成分を分散させ
たゲル組成物を提供するものである。
<課題を解決する手段> 上記課題を解決するための本発明のゲル組成物は、エ
チレン性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物100
重量部とアクリルアミド化合物5〜200重量部とを光エ
ネルギーおよび/または過酸化物により重合させて得た
ゲル状重合体と、該ゲル状重合体中に分散している揮散
性物質とを含むことを特徴とする、揮散性物質を含有す
るゲル組成物である。
本発明のゲル組成物においては、前記ゲル状重合体が エチレン性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物
100重量部と、 光重合開始剤0.1〜10重量部と アクリルアミド化合物5〜200重量部とを 光エネルギーにより重合させて得たものであることが好
ましい。
本発明のゲル組成物においては、前記揮散性物質の含
有量が2〜95重量%であり、前記ゲル状重合体の含有量
が3〜50重量%であることが好ましい。
更に、本発明のゲル組成物においては、前記揮散性物
質が、香料、消臭剤、防虫剤、忌避剤、誘引剤、殺虫
剤、殺菌剤およびくん蒸剤の一種以上の有効成分である
ことが好ましい。
本発明の別の態様として、本発明のゲル基材は、エチ
レン性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物100重
量部及びアクリルアミド化合物5〜200重量部を含有す
ることを特徴とする、前記に記載の揮散性物質を含有す
るゲル組成物の製造に用いるためのゲル基材である。こ
のゲル基材は光エネルギーおよび/または過酸化物によ
り重合してゲル状重合体を形成し得るものである。
また、本発明のゲル基材は、エチレン性不飽和結合を
有するラジカル重合性化合物100重量部、光重合開始剤
0.1〜10重量部、及びアクリルアミド化合物5〜200重量
部を含有することが好ましい。
なお、本発明のゲル組成物を得るのに用いるエネルギ
ーとしては、紫外線、可視光線等が挙げられる。また、
このような光エネルギーは一部に赤外領域を含む波長で
あってもよい。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のゲル基材を構成するエチレン性不飽和結合を
有するラジカル重合性化合物としては、分子鎖末端にア
クリロイル基もしくはメタアクリロイル基を有する(メ
タ)アクリレート化合物、フマール酸、マレイン酸等の
不飽和ジカルボン酸とエチレングリコール、プロピレン
グリコール等の多価アルコールとからなる不飽和ポリエ
ステル、スチレン等のビニル化合物等の架橋系化合物も
しくはこれらの混合物が好適に用いられる。
本発明に用いられる(メタ)アクリレート化合物とし
ては 1分子中に1個以上のウレタン結合を有し、末端に
(メタ)アクリロイル基を有するウレタン(メタ)アク
リレート; エポキシ樹脂より合成されるエポキシ(メタ)アクリ
レート; ポリブタジエンを主骨格とするポリブタジエン(メ
タ)アクリレート; エステル結合を主鎖とするオリゴエステル(メタ)ア
クリレート; エーテル結合を主鎖とするポリエーテル(メタ)アク
リレート等の(メタ)アクリル系オリゴマー; (メタ)アクリロイル基を1個有するモノ(メタ)ア
クリレートモノマー; (メタ)アクリロイル基を2個以上有する多官能(メ
タ)アクリレートモノマーが好適に用いられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、例えばポリオール
成分とイソシアナート成分と、末端アクリロイル基を導
入するヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート成
分とから合成することができる。
このようなウレタン(メタ)アクリレートの合成に適
用されるポリオール成分とは、分子内に2個以上の水酸
基を有する合成高分子化合物であり、例えばポリエーテ
ルポリオール化合物、ポリエステルポリオール化合物、
ポリウレタンポリオール化合物、ポリヒドロキシポリオ
レフィン化合物等が例示される。
このようなポリエーテルポリオール化合物としては、 ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリ
コール、ポリヘキサメチレングリコール等のポリアルキ
レングリコール類; あるいはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、テトラヒドロフラン等のアルキレンオキサイドを、
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロー
ル、トリメチロールプロパン,1,3−ブタンジオール、1,
4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘ
キサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタ
エリスリトール等の多価アルコールに付加せしめて得ら
れるポリエーテルポリオール等が例示される。
また、ポリエステルポリオール化合物としては、 フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒド
ロフタル酸、テトラクロロフタル酸、テトラブロモフタ
ル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ハイミック酸、ヘット
酸、コハク酸、マレイン酸、フカール酸、アジピン酸、
セバシン酸、ドデセニルコハク酸、トリメリット酸、ピ
リオメット酸等の多塩基酸またはその無水物と、前記の
多価アルコールとの縮合反応により得られるポリエステ
ルポリオールが例示される。
また、ポリウレタンポリオール化合物としては、 ポリイソシアナート化合物またはその多量体と、これ
らに対して過剰の多価アルコールとの付加反応によって
得られるポリウレタンポリオール; 前記のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオ
ールと、ポリイソシアナート化合物によって得られるポ
リウレタンポリオールが例示される。
さらに、ポリヒドロキシポリオレフィン化合物として
は、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、
ポリイソプレンポリオール、水添ポリブタジエンポリオ
ール、水添ポリイソプレンポリオール等が例示される。
また、ウレタン(メタ)アクリレートの合成に適用さ
れるイソシアナート成分としては、エチレンジイソシア
ナート、プロピレンジイソシアナート、テトラメチレン
ジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、
2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソ
シアナート、フェニレンジイソシアナート、キシレンジ
イソシアナート、ジフェニルメタン−4,4′ジイソシア
ナート、ナフチレン−1,5−ジイソシアナート、イソホ
ロンジイソシアナート、1−メチル−2,4−ジイソシア
ナートシクロヘキサン、1−メチル−2,6−ジイソシア
ナートシクロヘキサン、ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアナート等が例示される。
さらに、ウレタン(メタ)アクリレートの合成に適用
される末端(メタ)アクリロイル基を導入するヒドロキ
シル基を有する(メタ)アクリル酸エステル成分として
は、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロ
キシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3
−クロロプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、ε
−カプロラクトン変性ヒドロキシ(メタ)アクリレート
等が例示される。
以上のようなポリオール成分、イソシアナート成分お
よびヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート成分
を用いてウレタン(メタ)アクリレートを合成するに
は、まずポリオール成分とポリイソシアナート成分とを
反応させ、その後ヒドロキシル基を有する(メタ)アク
リレート成分を反応させる合成方法; ポリイソシアナート成分とヒドロキシル基を有する
(メタ)アクリレート成分とを反応させ、その後ポリオ
ール成分を反応させる合成方法; ポリオール成分とポリイソシアナート成分とヒドロキ
シル基を有する(メタ)アクリレート成分とを同時に反
応させる合成方法等が挙げられ、本発明においてはいず
れの方法も適用可能である。
また、この際の反応温度は30〜120℃程度が好まし
い。
なお、上記の合成方法にてウレタン(メタ)アクリレ
ートを合成する際の反応モル比は、ポリオール1モルに
対し、ポリイソシアネート1.2〜5.0モル、ヒドロキシル
基を有する(メタ)アクリレート0.3〜5.0モル程度が好
ましく、特にヒドロキシル基とイソシアナート基とのモ
ル比OH/NCOが1以上になるようにし、反応生成物中にイ
ソシアナート基が残らないようにするのが好ましい。
上記のウレタン(メタ)アクリレートの合成に際して
は、必要に応じてハイドロキノン、ハイドロキノンモノ
メチルエーテル、tert−ブチルハイドロキノン等の重合
禁止剤を全量の100〜5000ppm程度、また、トリエチルア
ミン、オクタン酸第1スズ、ジブチルスズジラウレート
等のウレタン化触媒を全量の100〜5000ppm程度添加して
もよい。
エポキシ(メタ)アクリレートは、ビスフェノールA
型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノ
ボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族
エポキシ樹脂およびこれらの樹脂をNBR、ポリブタジエ
ン等のゴム、あるいはウレタン樹脂で変性したエポキシ
樹脂のグリシジルエーテル基に(メタ)アクリル酸を反
応させて得られるもの等が例示される。
ポリブタジエン(メタ)アクリレートは、例えば末端
に水酸基あるいはグリシジル基等の官能機をもったポリ
ブタジエンオリゴマーと(メタ)アクリル酸とから得ら
れるものである。あるいは、末端官能基とジイソシアナ
ート化合物とからプレポリマー化し、さらにヒドロキシ
(メタ)アクリレート類と反応させて得られるものも好
適に用いられる。
(メタ)アクリル系オリゴマーは、エステル結合を主
鎖とするポリエステル(メタ)アクリレート、エーテル
結合を主鎖とするポリエーテル(メタ)アクリレート等
が挙げられる。
このようなポリエステル(メタ)アクリレートは前記
のポリエステルポリオールと(メタ)アクリル酸とから
得られるものである。
また、ポリエーテル(メタ)アクリレートは前記のポ
リエーテルポリオールと(メタ)アクリル酸とから得ら
れるものである。
モノ(メタ)アクリレートモノマーとしては、 2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニル
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノ
ールPO付加物(メタ)アクリレート等のアリーロキシア
ルキルアクリレート類; 2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト等のアルキル(メタ)アクリレート類; 2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類; 2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、4−メト
キシブチル(メタ)アクリレート等のアルコキシアルキ
ル(メタ)アクリレート類; シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロペンチ
ル(メタ)アクリレート、イソボニル(メタ)アクリレ
ート等のシクロアルキル(メタ)アクリレート類; ジシクロペンテニルオキシエチル((メタ)アクリレ
ート等のシクロアルケニル(メタ)アクリレート類等が
例示される。
多官能(メタ)アクリレートモノマーは、1,6−ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグ
リコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(メタ)
アクリロイロキシジエトキシフェニル]プロパン、水添
ジシクロペンタジエチルジ(メタ)アクリレート、下記
構造式のジ(メタ)アクリレート、 (上式においてRは水素原子またはメチル基を示すもの
である。)等の2官能(メタ)アクリレート; トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、
トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド付加物ト
リ(メタ)アクリレート、グリセリンプロピレンオキサ
イド付加物トリ(メタ)アクリレート、トリス[(メ
タ)アクリロイロキシエチル]イソシアヌレート、ペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の3官能
(メタ)アクリレート; ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、
ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等
の4官能以上の多官能(メタ)アクリレート等が例示さ
れる。
本発明に用いられる不飽和ポリエステルは、不飽和ジ
カルボン酸と多価アルコールとから得られるものであ
る。
不飽和ジカルボン酸としては、フマール酸、マレイン
酸、イタコン酸等が挙げられる。
また、多価アルコールとしては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等が
挙げられる。
また、本発明に用いられるビニル化合物としては、ス
チレン、酢酸ビニル等が挙げられる。
本発明のゲル基材においては、上記のものの混合物も
好適に用いられる。
このような化合物の分子量は、例えば、オリゴマーの
場合、好ましくは1000〜5000程度である。
本発明のゲル基材は、好ましくは上記のようなエチレ
ン性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物100重量
部に、さらに光重合開始剤0.1〜10重量部およびアクリ
ルアミド化合物5〜200重量部を含有するものである。
本発明に適用される光重合開始剤は、通常の光重合に
用いられるものでよく、例えば2、2−ジメトキシ−2
−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキ
シルフェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチル
チオ)フェニル]−2−モルフォリノ−プロパノン−
1、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンゾインイソブ
チルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−
ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロ
キシ−4′−イソプロピル−2−メチルプロピオフェノ
ン等が例示され、特に制限はない。
本発明のゲル基材におけるこのような光重合開始剤の
含有量は、好ましくは前述のエチレン性不飽和結合を有
するラジカル重合性化合物100重量部に対して、0.1〜10
重量部程度である。含有量が0.1重量部未満では添加効
果が無く、また、10重量部を超えても添加効果は向上し
ない。
本発明のゲル基材においては、さらにアクリルアミド
化合物を好ましくは5〜200重量部を含有することが好
ましい。
アクリルアミド化合物を含有することによって、ゲル
基材の光重合性、通気性、親水性、透明性、反応性が向
上し、本発明の揮散性物質を含有するゲル組成物とした
際に、透明性に優れた体積の大きな、いわゆる厚物とす
ることが可能となる。また、香料等の揮散性物質と硬化
性樹脂との溶解性、分散性の改良、白濁防止、揮散性の
調整が可能となる。
本発明に適用されるアクリルアミド化合物としては、
下記の構造式で示される(メタ)アクリルアミド残基を
有する化合物が好ましい。
(上記式において、RはHまたはCH3を表す。) 詳しくは、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリル
アミド、ジアセトンアクリルアミド、N−tert−ブチル
アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリ
ルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミ
ド、N−イソプロピルアクリルアミド、N,n−ブトキシ
アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N,N
−ジメチルメタクリルアミド、ジアセトンメタアクリル
アミド、N−アクリロイルモルホリン等が例示される。
中でも特にN,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセト
ンアクリルアミドが好適に用いられる。
このようなアクリルアミド化合物の含有量は、好まし
くは5〜200重量部である。アクリルアミド化合物の含
有量が5重量部未満では添加効果が無く、厚物とした際
に硬化が困難となる。また、200重量部を超えると臭気
や毒性が強くなり、ゲル基材として使用できなくなる。
なお、アクリルアミド化合物の含有量は、より好ましく
は5〜100重量部である。
このようなアクリルアミド化合物は、前述のラジカル
重合性化合物と、光重合開始剤とからなる樹脂に溶解し
て用いる方法。後述の揮散性物質や溶剤に溶解して用い
る方法。ラジカル重合性化合物と、光重合開始剤と共に
混合溶解して用いる方法等、各種の方法にて添加すれば
よい。
本発明においては、適用される重合開始剤は、上記の
ような光重合開始剤のみならず、必要に応じ、重合開始
剤として過酸化物を用いてもよい。
過酸化物としては、ベンゾイルパーオキサイド、メチ
ルアセトアセテートパーオキサイド、メチルエチルケト
ンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等
がある。さらに必要に応じて、硬化促進剤として、ナフ
テン酸コバルト、ジメチルアニリン等が例示される。
このような過酸化物の含有量は好ましくは前述のエチ
レン性不飽和結合を有するラジカル重合化合物100重量
部に対して、0.1〜10重量部程度である。含有量が0.1重
量部未満では添加効果が無く、また、10重量部を超えて
も添加効果は向上しない。
光重合開始剤、過酸化物はそれぞれ複数を用いてもよ
く、また、併用してもかまわない。
なお、併用する場合はその含有量が合計で0.1〜10重
量部程度であることが好ましい。
また、必要により、安定剤(熱重合禁止剤)例えば、
ハイドロキノン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチル
フェノール(BHT)、着色剤、増感剤、硬化促進剤、熱
重合防止剤、離型剤等を用いることが出来る。
本発明に用いる揮散性物質としては大気中に放置する
ことにより、大気中に徐々に揮散して芳香、消臭等の所
望の有効成分としての効果を発揮するもので、通常芳香
剤としての香料、消臭剤、防虫剤、忌避剤、誘引剤、殺
虫剤、殺菌剤、くん蒸剤等が用いられる。
本発明のゲル組成物において、好適に用いられる香料
としては、シトロネロール、ゲラニオール、ターピネオ
ール、ベンジルアルコール、ジヒドロミルセノール、ジ
ベンジルエーテル、ベンズアルデヒド、シクラメンアル
デヒト、リリアール、ベンジルアセテート、リモネン、
ベンジルベンゾエート、ターピニルアセテート等のテル
ペン系、アルコール系、アルデヒド系、ケトン系、エス
テル系、フェノール系の天然及び合成香料とそれらの混
合物である調合香料等が例示される。
また、消臭剤としては、フマール酸、クロトン酸、シ
トラコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸及びそのエス
テル、又アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、マロン
酸等の活性メチレン化合物等が例示される。
また、防虫剤としては、ナフタリン、ショウ脳、p−
ジクロロベンゼン等が例示される。
また、忌避剤としては、ニーム抽出物、1,8−シネオ
ール、フタル酸エステル等が例示される。
また、誘引剤としては、アルケニルアルコール類、ア
ルケニルアルデヒド系のフェロモン類及びフラノン誘導
体等が例示される。
また、本発明においては必要により溶剤を配合するこ
とが出来る。
溶剤としては、アルコール系、ケトン系、エステル系
等、揮散性物質と硬化性樹脂との相溶性のよいものを適
宜用いることが出来る。
これらの溶剤の中には、香料としても用いられるもの
もある。
溶剤の例としてはベンジルアルコール、ジベンジルエ
ーテル、ベンジルアセテート、メチルベンゾエート、ベ
ンジルベンゾエート、ジエチルフタレート、ジプロピレ
ングリコール、エチルカルビトール、ヘキシレングリコ
ール、3−メチル−3−メトキシブタノール、3−メチ
ル−3−メトキシブチルアセテート等が挙げられる。
さらに、香料としても用いる溶剤としては、シトロネ
ロール、ジヒドロミルセノール、ジヒドロターピネオー
ル、ゲラニオール、ターピネオール、ベンズアルデヒ
ド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラー
ル、p−tertブチル−α−メチルヒドロキシシンナミッ
クアルデヒド、ゲラニルアセテート、リナリルアセテー
ト、ターピニルアセテート、リモネン等が挙げられる。
これらのなかでは、ベンジルベンゾエート、ジエチル
フタレート、ジプロピレングリコール、エチルカルビト
ール、ヘキシレングリコール、3−メチル−3−メトキ
シブタノール等がより好適に用いられる。
本発明のゲル組成物において揮散性物質の量は、ゲル
組成物全体の2〜95重量%、より好ましくは3〜50重量
%を用いることがよい。揮散性物質が2重量%未満では
芳香性、消臭性、防虫性等で所望の効果を得ることが困
難であり、95重量%を越えて配合すると、相対的にゲル
状重合体の量が少なくなって、好適なゲル状物を得難く
なる。
また、前述のモノマーまたはオリゴマーの好ましい配
合量はゲル組成物全体の3〜50重量%である。3重量%
未満ではゲルを形成し難く、50重量%を越えて配合する
とゲルが固くなりすぎて、揮散性物質の揮散速度が遅く
なる。
本発明のゲル組成物は、通常上記の各成分を充分に混
合した後、ゲル基材を重合させてゲル組成物を得るもの
であるが、本発明におけるゲル基材の重合方法として
は、ゲル基材を光エネルギーおよび/または過酸化物で
重合させ、ゲル状にする方法のいずれも適用可能であ
る。また、この場合、重合温度は好ましくは80℃以下、
より好ましくは10〜60℃である。
<実施例> 以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1) 下記表1に示される、各種のラジカル重合性化合物、
アクリルアミド化合物と、光重合開始剤として1−ヒド
ロキシシクロヘキシルフェニルケトン5重量部とを、80
重量部の3−メチル−3−メトキシブタノールを溶剤と
して用い室温(約20℃)にて完全に混合して各種のゲル
基材を得た。
ラジカル重合性化合物およびアクリルアミド化合物の
量(重量部)は表1に示す。
得られたゲル基材100gを、直径4.5cmの透明なガラス
ビンに充填した。充填後のゲル基材の高さ(嵩)は5cm
であった。
次いで、このゲル基材を充填したガラスビンを、紫外
線ランプ(松下電器産業社製「ブラックライトブルー蛍
光灯」20W×5本、紫外線出力3.0W×5本、最大波長352
nm)の下5cmの位置に置き、室温(20℃)下で紫外線を
真上より約15分間照射して硬化させた。
各ゲル基材の光硬化性を表1に示す。
なお、表1に示されるウレタンアクリレートA〜C、
ポリエステルアクリレートD、ポリエーテルアクリレー
トE、エポキシアクリレートFおよびポリブタジエンア
クリレートGは下記のとおりである。
ウレタンアクリレートA 平均分子量1000のポリプロピレングリコーリュ0.5mol
とヘキサメチレンジイソシアナート1molとを80℃にて4h
r反応させ、ウレタンプレポリマーを合成し、さらに2
−ヒドロキシエチルアクリレート1.1molを80℃にて5hr
反応させ、ウレタンアクリレートAを合成した。
ウレタンアクリレートB 平均分子量3000のポリプロピレングリコール0.5molと
ヘキサメチレンジイソシアナート1molとを80℃にて4hr
反応させ、ウレタンプレポリマーを合成し、さらに2−
ヒドロキシエチルアクリレート1.1molを80℃にて5hr反
応させ、ウレタンアクリレートBを合成した。
ウレタンアクリレートC 平均分子量850のポリテトラメチレングリコール0.5mo
lと4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナート1m
olとを80℃にて4hr反応させ、ウレタンプレポリマーを
合成し、さらに2−ヒドロキシプロピルアクリレート1.
1molを80℃にて6hr反応させ、ウレタンアクリレートC
を合成した。
ポリエステルアクリレートD オリゴエステルM−610(東亜合成化学工業社製) ポリエーテルアクリレートE PTMGA−1000(共栄社油脂化学工業社製) エポキシアクリレートF エポキシエステル80MFA(共栄社油脂化学工業社製) ポリブタジエンアクリレートG R−45−ACR(出光石油化学工業社製) 表1に示される結果より、アクリルアミド化合物も添
加しないサンプルNo.20〜24のものは、上部3cmのみが硬
化した。また、アクリルアミド化合物を添加したが、そ
の量が1重量部と少ないサンプルNo.4のものは、上部4c
mのみが硬化した。これに対し、アクリルアミド化合物
を少なくとも4重量部以上添加したサンプルNo.1〜3お
よび5〜19のものは、5cm全部が好適に硬化した。
以上の結果より、アクリルアミド化合物を好適量添加
することにより、本発明のゲル基材の光硬化性が向上す
ることがわかる。
したがって、ゲル基材にこのようなアクリルアミド化
合物を添加することにより、本発明の揮散性物質を含有
するゲル組成物とした際に、より体積の大きな、いわゆ
る厚物の揮散性物質を含有するゲル組成物とすることが
できる。
(実施例2) 下記の原料計10gを室温(20℃)下で約5分間攪拌混
合して紫外線硬化樹脂Aを完全に溶解させ、ガラス容器
(直径5cm,高さ3cm)に流し込み、紫外線ランプ(松下
電器産業社製「ブラックライトブルー蛍光灯」20W×5
本、紫外線出力3.0W×5本、最大波長352nm)の下5cmの
位置に置き、室温(20℃)下で紫外線を真上より約5分
間照射して、厚さ約0.5cmの無色透明な本発明のゲル組
成物であるゲル状芳香剤を得た。
このゲル状芳香剤を25℃、相対湿度65%に放置したと
ころ、30日間に約65重量%が揮散した。
約2m3の官能ボックスに上記ゲル状芳香剤50gを開放
放置し、5名のパーヒューマーに香りの経時変化をチェ
ックさせたところ、30日間にわたり香りの異臭化、変質
化が全く見られず、優れた芳香性が維持された。
また、このゲル状芳香剤を60℃、24時間加熱し、次い
で−10℃に24時間冷却したところ、透明なゲル状を維持
し、溶解、液たれ等の現象はみられなかった。
(実施例3) 下記の原料計100gを室温(20℃)下で約10分間攪拌し
て、ジアセトンアクリルアミドおよび紫外線硬化性樹脂
Aを完全に溶解させ、ガラス容器(直径5cm、高さ8cm)
に流し込み、実施例2と同じ紫外線ランプの下10cmの位
置に置き、室温(20℃)下に紫外線を約25分間照射し、
厚さ約6cmの無色透明、美麗なゲル状芳香剤を得た。
このゲル状芳香剤を25℃、相対湿度65%下に30日間放
置したところ約50重量%が揮散したが、残物は透明性を
維持していた。
また、このゲル状芳香剤を実施例2と同条件で5名の
パーヒューマーによるテストを行なったところ、香りの
変化、異臭化は全く認められず、香りがバランスよく持
続した揮散をし30日間にわたって優れた芳香性能を示し
た。
また、このゲル状芳香剤を実施例2と同条件で加熱、
冷却テストを行なったところ、透明なゲル状を維持し、
溶解、液たれは起こらなかった。
(実施例4) 下記の原料合計50gのうち香料およびエチルカルビト
ールの混合液に顔料赤色219号0.01gを添加し、室温(20
℃)下に約3分間攪拌し、その後N、N−ジメチルアク
リルアミドおよび紫外線硬化性樹脂Bを加え、室温(20
℃)下約5分間攪拌して樹脂Bを完全に溶解させ、ガラ
ス容器(直径5cm、高さ8cm)に流し込み、紫外線ランプ
(松下電器産業社製「複写用蛍光灯」20W×5本、紫外
線出力3.0W×5本、最大波長420nm)の下10cmの所に置
き、室温(20℃)下、約20分間真上より紫外線を照射
し、厚さ約3cmの赤色透明なゲル状芳香剤を得た。
このゲル状芳香剤を25℃、相対湿度65%下に30日間放
置したところ、赤色透明製を維持した状態で全重量の約
62%が揮散した。
また、このゲル状芳香剤を実施例2と同条件で5名の
パーヒューマーによるテストを行なったところ、香りの
変化、異臭化は全く認められず、香りがバランスよく持
続した揮散をし、30日間にわたって優れた芳香性能を示
した。
また、このゲル状芳香剤を実施例2と同条件で加熱、
冷却テストを行なったところ、透明なゲル状を維持し、
溶解、液たれは起こらなかった。
(実施例5) 下記の原料80gを室温(20℃)下で約10分間攪拌し、
ジアセトンアクリルアミドと紫外線硬化性樹脂Cを完全
に溶解させ、胴部と底部をアルミ箔で覆った直径5cm、
高さ3cmのガラス容器2個に流し込み、各々の容器を厚
さ0.2cmの透明ガラス板および厚さ0.1cmの透明アクリル
板で覆い、紫外線ランプ(松下電器産業社製「捕虫用蛍
光灯」20W×5本、紫外線出力3.2W×5本、最大波長370
nm)の下5cmの所に置いて室温(20℃)下約25分間紫外
線を真上より照射し、厚さ2cmの無色透明なゲル状芳香
剤を得た。
このゲル状芳香剤を25℃、相対湿度65%下に30日間放
置したところ、約60重量%が揮散した。
また、このゲル状芳香剤を実施例2と同条件で5名の
パーヒューマーによるテストを行なったところ、香りの
変化、異臭化は全く認められず、香りがバランスよく持
続した揮散をし、30日間にわたって優れた芳香性能を示
した。
また、このゲル状芳香剤を実施例2と同条件で加熱、
冷却テストを行なったところ、透明なゲル状を維持し、
溶解、液たれは起こらなかった。
ここで実施例2〜5で用いた紫外線硬化性樹脂は、下
記のものである。
紫外線硬化性樹脂A 平均分子量850のポリテトラメチレングリコールの両
端に、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナー
トを反応させ、ついで2−ヒドロキシエチルアクリレー
トを反応させて得られる、ウレタンアクリレート50重量
部、フェノキシエチルアクリレート20重量部、アクリロ
イルモルホリン10重量部、トリス(アクリロイロキシエ
チル)イソシアヌレート20重量部、1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン(光重合開始剤)5重量部か
らなる紫外線硬化性樹脂 紫外線硬化性樹脂B 平均分子量1000のポリプロピレングリコールの両端
に、2,4−トリレンジイソシアナートを反応させ、つい
で2−ヒドロキシプロピルアクリレートを反応させて得
られるウレタンアクリレート55重量部、フェノキシエチ
ルアクリレート25重量部、トリス(アクリロイロキシエ
チル)イソシアヌレート30重量部、1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン5重量部からなる紫外線硬化
性樹脂 紫外線硬化性樹脂C 平均分子量2000のポリテトラメチレングリコールの両
端に、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアナートを反
応させ、ついで2−ヒドロキシエチルアクリレートを反
応させて得られるウレタンアクリレート50重量部、ラウ
リルアクリレート30重量部、トリメチロールプロパント
リアクリレート20重量部、ベンジルジメチルケタール
(光重合開始剤)5重量部からなる紫外線硬化性樹脂 (実施例6) 下記原料20gを室温(20℃)下で、約10分間攪拌し、
ジアセトンアクリルアミド、紫外線硬化性樹脂及び2,6
−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールが完全に溶
解した時点で、直径5cm,高さ3cmのガラス製容器に流し
込み、実施例2と同じ紫外線ランプの下5cmの所に置
き、室温(20℃)下紫外線を約25分間真上より照射し、
厚さ約1cmの半透明なゲル状消臭剤を得た。
このゲル状消臭剤を25℃、相対湿度65%に放置したと
ころ、30日間に約30重量%が揮散した。
また、このゲル状芳香剤を実施例2と同条件で加熱、
冷却テストを行なったところ、透明なゲル状を維持し、
溶解、液たれは起こらなかった。
(実施例7) 下記原料40gを室温(20℃)下、約5分間攪拌し、ナ
フタリン及び紫外線硬化性樹脂が完全に溶解した時点
で、直径5cm,高さ3cmのガラス容器に流し込み、実施例
2と同じ紫外線ランプの下10cmの所に置き、室温(20
℃)下、約20分間紫外線を真上より照射し、厚さ約2cm
の透明な防虫性ゲル状芳香剤を得た。
この防虫性ゲル状芳香剤を25℃、相対湿度65%に放置
したところ、30日間に約15重量%が揮散した。
約2m3の官能ボックスに上記ゲル状芳香剤50gを開放
放置し、5名のパヒューマーに香りの経時変化をチェッ
クさせたところ、30日間にわたり香りの異臭化、変質化
が全く見られず、優れた芳香性が維持された。
また、このゲル状芳香剤を実施例2と同条件で加熱、
冷却テストを行なったところ、透明なゲル状を維持し、
溶解、液たれは起こらなかった。
(実施例8) 下記原料80gを室温(20℃)下、約5分間攪拌混合
し、合成ショウノウ及び紫外線硬化性樹脂が完全に溶解
した時点で、直径5cm,高さ9cmのステンレス容器に流し
込み、実施例2と同様の紫外線ランプの下10cmの所に置
き、室温(20℃)下、約25分間紫外線を真上より照射
し、厚さ5cmの透明な防虫防臭剤を得た。
この防虫性ゲル状芳香剤を25℃、相対湿度65%に放置
したところ、30日間に約10重量%が揮散した。
このゲル状芳香剤を実施例2と同条件で加熱、冷却テ
ストを行なったところ、透明なゲル状を維持し、溶解、
液たれは起こらなかった。
なお、実施例6〜8で用いた紫外線硬化性樹脂は、下
記のものである。
紫外線硬化性樹脂D 平均分子量4000のプロピレンオキシド−テトラヒドロ
フラン共重合体の両端に2,4−トリレンジイソシアナー
トを反応させ、ついで2−ヒドロキシエチルアクリレー
トを反応させて得られるウレタンアクリレート70重量
部、フェノキシエチルアクリレート20重量部、アクリロ
イルモルホリン10重量部1−ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン5重量部からなる紫外線硬化性樹脂 紫外線硬化性樹脂E 平均分子量3000のポリブチレングリコールの両端に4,
4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアナートを反応
させ、ついで2−ヒドロキシプロピルアクリレートを反
応させて得られるウレタンアクリレート50重量部、ラウ
リルアクリレート10重量部、ノニルフェノキシエチルア
クリレート10重量部、トリメチロールプロパントリアク
リレート30重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン5重量部からなる紫外線硬化性樹脂 紫外線硬化性樹脂F ビスフェノールF型のエポキシアクリレート50重量
部、フェノキシエチルアクリレート30重量部、トリス
(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート20重量
部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン5重
量部からなる紫外線硬化性樹脂 (実施例9) 実施例2の紫外線硬化性樹脂中の1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトンの代りに、ベンゾイルパーオ
キサイド5重量部とN,N−ジメチルアニリン0.2重量部を
用い、同様の手法で攪拌した後、40℃で10時間加熱した
ところ、実施例2と同様の性能を有するゲル状芳香剤を
得た。
(実施例10) 実施例3の紫外線硬化性樹脂中の光重合開始剤の代り
に、メチルエチルケトンパーオキサイド5重量部、N、
N−ジメチルアニリン0.3重量部、ナフテン酸コバルト
(5%溶液)0.2重量部を用い、実施例3と同様の手法
でガラス容器に流し込み、室温(20℃)に1時間静置し
たところ、実施例3と同様の性能を有するゲル状芳香剤
を得た。
(実施例11) 下記原料20gを室温(20℃)下で約10分間攪拌し、ジ
アセトンアクリルアミド、紫外線硬化性樹脂を完全に溶
解させる。その後、紫外線ランプ(高圧水銀ランプ、80
W/cm、アイグラフィック(株)製)の下60cmの所(紫外
線強度3.5mW/cm2)に置き、室温(20℃)下に紫外線を
約25分間真上より照射し、厚さ約1cmの透明なゲル状芳
香剤組成物を得た。
このゲル状芳香剤を25℃、相対湿度65%に放置したと
ころ、30日間に約65重量%が揮散した。
約2m3の官能ボックスに上記ゲル状芳香剤50gを開放
放置し、5名のパーヒューマーに香りの経時変化をチェ
ックさせたところ、30日間にわたり香りの異臭化、変質
化が全く見られず、優れた芳香性が維持された。
また、このゲル状芳香剤を60℃、24時間加熱し、次い
で−10℃に24時間冷却したところ、透明なゲル状を維持
し、溶解、液たれ等の現象はみられなかった。
(実施例12) 下記原料20gを室温(20℃)下で約10分間攪拌し、ジ
アセトンアクリルアミド、紫外線硬化性樹脂を完全に溶
解させる。その後、紫外線ランプ(メタルハライドラン
プ、80W/cm2、アイグラフィック(株)製)の下60cmの
所(紫外線強度3.6mW/cm2)に置き、室温(20℃)下に
紫外線を約25分間真上より照射し、厚さ約1cmの透明な
ゲル状芳香剤組成物を得た。
このゲル状芳香剤を25℃、相対湿度65%に放置したと
ころ、30日間に約65重量%が揮散した。
約2m3の官能ボックスに上記ゲル状芳香剤50gを開放
放置し、5名のパーヒューマーに香りの経時変化をチェ
ックさせたところ、30日間にわたり香りの異臭化、変質
化が全く見られず、優れた芳香性が維持された。
また、このゲル状芳香剤を60℃、24時間加熱し、次い
で−10℃に24時間冷却したところ、透明なゲル状を維持
し、溶解、液たれ等の現象はみられなかった。
(比較例1) 3−メチル−3−メトキシブタノール 75重量% 水 10重量% ステアリン酸ソーダ 5重量% 香料(シトラス系調合香料)注1) 10重量% 上記成分中、、及びをガラス製容器に入れ、加
熱下攪拌、混合する。
温度約75℃まで昇温し、ステアリン酸ソーダーが完全
に溶解した時点で加熱停止、其の後温度約60℃まで放冷
し、香料を加え良く混合する。
混合終了後、室温(20℃)下で約1時間放冷し、油性
ゲル芳香剤を得た。
(比較試験1) 実施例2〜5及び比較例1で得た油性ゲル芳香剤につ
いて、透明性、耐熱性、耐寒性、香りの変質性を比較し
た。その結果は(表2)の如くであった。なお、試験方
法は後述のとおりである。
試験方法 透明性…室温(20℃)下に於ける状態を肉眼で判定。
○…透明 △…半透明 ×…不透明 耐熱性…加温室(70℃)に24時間放置後の離礁状態 ○…離礁率 1%以下 △…離礁率 1〜10% ×…離礁率 10%以上 耐寒性…冷温室(−10℃)に24時間放置後の変色ヒビ割
れ等の状態の変化。
○…無し △…若干有り ×…有り 香りの変質性…官能ボックスを用いてのパヒューマー5
名による評価 ○…無し △…若干有り ×…有り (比較試験2) 約5lのガラス製容器2個中、一方の容器には、衣類片
と衣類害虫(イガ幼虫)10匹及びシャレーにナフタリン
3.0gを入れた方のを置き、他方の容器には、衣類片と衣
類害虫(イガ幼虫)10匹及びシャレーに実施例7で得た
防虫芳香剤50g(ナフタリン含有量3.0g)を入れたもの
を置いて、ガラス板で蓋をした。
上記比較サンプル2点を25℃恒温室内に静置し、両者
の死虫率及びナフタリンの徐放期間の比較を行った。
その結果は(表3)の如くであった。
以上の結果より、実施例7で得た防虫芳香剤は、徐放
を制御する事により、匂いが強すぎてあまり好ましいも
のではないナフタリンの匂いを香料でマスキング可能と
すると共に、本来持つ防虫性等の有効期間を、長期に亙
り維持出来る事が可能と判明した。
(比較試験3) 約15lのガラス製容器2個中、一方の容器には、衣類
片と衣類害虫(イガ幼虫)10匹及びシャレーに合成ショ
ウノウ4.0gを入れたものを置き、他方の容器には、衣類
片と衣類害虫(イガ幼虫)10匹及びシャレーに実施例8
で得た防虫防臭剤40g(合成ショウノウ4.0g含有)を入
れたものを置いてガラス板で蓋をした。
上記比較サンプル2点を、25℃恒温室内に静置し両者
の死虫率及び合成ショウノウの徐放期間の比較を行っ
た。その結果は(表4)の如くであった。
以上の結果より、実施例8で得た防虫防臭剤は、徐放
を制御する事により、匂いが強すぎて衣類等に防虫剤の
匂いが移る等の欠点がなくなると共に、本来持つ防虫性
等の有効期間を長期間維持出来る事が可能と判明した。
<発明の効果> 以上に記載したように、本発明のゲル組成物は、常温
硬化性のエチレン性不飽和結合を有するラジカル重合性
化合物を含有しているゲル基材を用いて光エネルギーお
よび/または過酸化物により常温で重合させて短時間で
硬化させたものであり、重合の際に揮散性物質の揮散、
変質による損失がない。また、エチレン性不飽和結合を
有するラジカル重合性化合物は低毒性で無臭であり、人
体に害を与えない。
また、本発明のゲル組成物は、さらに各種のアクリル
アミド化合物を好適量含有させて、ゲル基材の光硬化性
を向上させて得たものであり、体積の大きないわゆる厚
物の揮散性物質を有するゲル組成物を得ることができ
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C11B 9/00 C11B 9/00 Z (56)参考文献 特開 昭47−21491(JP,A) 特開 平1−96248(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 2/44 - 2/48

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン性不飽和結合を有するラジカル重
    合性化合物100重量部とアクリルアミド化合物5〜200重
    量部とを光エネルギーおよび/または過酸化物により重
    合させて得たゲル状重合体と、該ゲル状重合体中に分散
    している揮散性物質とを含むことを特徴とする、揮散性
    物質を含有するゲル組成物。
  2. 【請求項2】前記ゲル状重合体が エチレン性不飽和結合を有するラジカル重合性化合物10
    0重量部と、 光重合開始剤0.1〜10重量部と アクリルアミド化合物5〜200重量部とを 光エネルギーにより重合させて得たものである請求項1
    記載の、揮散性物質を含有するゲル組成物。
  3. 【請求項3】前記揮散性物質の含有量が2〜95重量%で
    あり、前記ゲル状重合体の含有量が3〜50重量%である
    請求項1または2に記載の、揮散性物質を含有するゲル
    組成物。
  4. 【請求項4】前記揮散性物質が、香料、消臭剤、防虫
    剤、忌避剤、誘引剤、殺虫剤、殺菌剤およびくん蒸剤の
    一種以上の有効成分である請求項1ないし3のいずれか
    に記載の揮散性物質を含有するゲル組成物。
  5. 【請求項5】エチレン性不飽和結合を有するラジカル重
    合性化合物100重量部及びアクリルアミド化合物5〜200
    重量部を含有することを特徴とする、請求項1ないし4
    のいずれかに記載の揮散性物質を含有するゲル組成物の
    製造に用いるためのゲル基材。
  6. 【請求項6】エチレン性不飽和結合を有するラジカル重
    合性化合物100重量部、光重合開始剤0.1〜10重量部、及
    びアクリルアミド化合物5〜200重量部を含有すること
    を特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の揮
    散性物質を含有するゲル組成物の製造に用いるためのゲ
    ル基材。
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