JP2763396B2 - ポリエーテルエステルブロック共重合体弾性糸 - Google Patents

ポリエーテルエステルブロック共重合体弾性糸

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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明はポリエーテルエステルブロック共重合体弾性
糸に関する。さらに詳しくは、弾性的性能に優れ、とり
わけ乾熱処理、湿熱処理等によって弾性的性能が低下す
ることのない耐久性に優れたポリエステルエーテルブロ
ック共重合体弾性糸に関する。
<従来技術> 従来から弾性糸としてはゴム、ポリウレタン等が使用
されているが、これらは弾性回復という点では優れた特
性を示す反面、伸び過ぎるとか耐熱性等に問題がある。
他方、樹脂用途としてポリエーテルエステルブロック
共重合タイプの弾性体が近年になって使用されだした。
このポリマーは、糸にした場合、伸張回復率においては
ポリウレタンには及ばないが低伸張下において比較的良
好な回復性を示し、また溶融紡糸できるというメリット
もある。しかし、ポリエーテルエステルブロック共重合
タイプの弾性糸にあっては、ポリウレタンと異なり、ハ
ードセグメントの結晶によって分子鎖をつなぎ止めてい
るため、永久歪が大きかったり、弾性的性能が劣るとい
う欠点がある。
かかる欠点を改善するため、弾性糸の性能を向上させ
る方法としては、例えば結晶核剤を配合して結晶化度を
高める方法(特開昭59−45349号公報、同59−45350号公
報)が提案されている。しかし、このような方法では弾
性糸の性能を大きく改良することはできず、弾性糸とし
て使用するためには、依然として性能が不十分である。
特に、弾性糸を織編物の一部/又は全体に使用する場
合、これらの処理時に弾性性能が劣化するという耐久性
の点で問題が認められる。
このようなことから、弾性的性能の改良、とりわけ乾
燥処理、湿熱処理等に耐える弾性糸が要望されている。
<発明が解決しようとする課題> 本発明者は、従来のポリエーテルエステルブロック共
重合体からなる弾性糸固有の欠点、すなわち弾性的性能
に劣り、また乾熱処理、湿熱処理等後加工処理による弾
性的性能の劣化という問題を克服するため、鋭意検討し
た結果、弾性糸をなすポリエーテルエステルブロック共
重合体のハード成分をブチレンナフタレート系ポリエス
テルとすると共に、触媒として用いたチタン原子残渣,
極限粘度IV,および50℃における1/2結晶化時間を特定の
範囲に設定した場合、弾性糸の弾性的特性に優れ、特に
乾熱処理、湿熱処理等に対して耐久性のある弾性的性能
が得られることを見出した。
本発明者は、かかる知見に基づき、更に重ねて検討し
た結果、本発明を完成するに至ったものである。
<発明の効果> すなわち本発明は、2,6−ナフタレンジカルボン酸を
主とするジカルボン酸成分、1,4−ブタンジオールを主
とするグリコール成分及び数平均分子量が約1500〜3000
のポリ(アルキレンオキシド)グリコール成分を構成成
分とするポリエーテルエステルブロック共重合体からな
る弾性糸において、前記ポリ(アルキレンオキシド)グ
リコール成分の含有量が60〜75重量%であって、前記ポ
リエーテルエステルブロック共重合体弾性糸が下記
(I)〜(III)を同時に満足することを特徴とするポ
リエーテルエステルブロック共重合体弾性糸を提供する
ものである。
(I) 60Ti180 (II) 1.2IV1.7 (III) 2.0t 1/28.0 [但し、Tiはポリマー中のチタン原子含有量(ppm),IV
は極限粘度,t 1/2は50℃における1/2結晶化時間(sec)
示す。] 本発明におけるポリエーテルエステルブロック共重合
体とは、ジカルボン酸成分の80モル%以上、好ましくは
90モル%以上が2,6−ナフタレンジカルボン酸あるいは
そのエステル形成性誘導体である酸成分、グリコール成
分の80モル%以上、好ましくは90モル%以上が1,4−ブ
タンジオールあるいはそのエステル形成性誘導体である
低分子量グリコール成分及び数平均分子量1500〜3000の
ポリ(アルキレンジオキシド)グリコールとの縮重合反
応によって得られる共重合体を意味する。
20モル%未満の量で使用される2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸以外の酸成分としては、ナレフタル酸,イソフ
タル酸、フタル、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビス
(p−カルボキシフェニル)メタン、4,4′−ジフェニ
ルエーテルジカルボン酸の芳香族ジカルボン酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸等の脂
肪族ジカルボン酸及び1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸等の脂環族ジカルボン酸ならびにそれらのエステル形
成性誘導体が挙げられる。
また、20モル%未満の量で使用される1,4−ブタンジ
オール以外の低分子量グリコール成分としてはエチレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル及び1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメチタノール等が挙げられる。
ポリ(アルキレンオキシド)グリコールとしては、ポ
リエチレングリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グ
リコール、ポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール
等があげられ、好ましくはポリ(テトラメチレンオキシ
ド)グリコールの単独重合体、または前記単独重合体を
構成する反復単位の2種以上がランダムまたはブロック
状に共重合したランダム共重合体またはブロック共重合
体、またはさらには前記単独重合体または共重合体の2
種以上が混合された混合重合体が使用される。ここで用
いるポリ(アルキレンオキシド)グリコールの数平均分
子量は1500〜3000である。数平均分子量が1500未満で
は、得られるポリエーテルエステルブロック共重合体の
ブロック性が低下するため弾性性能に劣り、またポリマ
ー融点が低くなり乾熱処理、湿熱処理に対する耐久性で
問題を生じることになるため好ましくない。一方、ポリ
(アルキレンオキシド)グリコールの分子量が3000を越
える場合では、生成ポリマーが相分離してブロック共重
合体となり難く、弾性的性能に劣るため好ましくない。
ポリエーテルエステルブロック共重合体中のポリ(ア
ルキレンオキシド)グリコールの含有量は60〜75重量%
の範囲にあることが好ましく、75重量%を越えると、弾
性的性能の優れた弾性糸が得られるものの、該共重合体
の融点が低くなりすぎるため、乾熱処理、湿熱処理時の
弾性的性能が急激に低下し耐久性の劣る弾性糸となって
しまう。また、60重量%未満では、永久歪が大きく弾性
的性質に劣る弾性糸しか得られない。
本発明者は、かかるポリエーテルエステルブロック共
重合体からなる弾性糸の耐熱性、すなわち乾熱処理(16
0℃×1分)に対する弾性性能の性能劣化防止について
検討するため、融点の異なる種々のポリエーテルエステ
ルブロック共重合体よりなる弾性糸について検討を行っ
た所、弾性糸の耐熱性は、融点と必ずしも対応するもの
でないことを見出した。同様にポリエーテルエステルブ
ロック共重合体の極限粘度とも単純に対応するものでな
いことが判った。これらの知見は、全く予測し得ないこ
とであった。そこで、乾熱処理に対する弾性性能の劣化
度と弾性糸を構成するポリエーテルエステルブロック共
重合体の特性との関係を詳細に解析した結果、乾熱処理
に対する弾性性能の耐久性は、該弾性糸を構成するポリ
エーテルエステルブロック共重合体の反応触媒として用
いたチタン金属の残存量,極限粘度IV,及び該共重合体
の結晶化速度に関係することを知見したのである。
更に、このような結果は、湿熱処理(130℃×60分)
に対する弾性糸の弾性性能耐久性についても、同様に存
在することを知見したのである。
加えてこれらの結果を定量的に解析した結果、乾熱処
理、湿熱処理によって弾性的性能が低下することのない
耐久性に優れたポリエーテルエステルブロック共重合体
弾性糸は、下記(I)〜(III)式を同時に満足させる
ことによって得られることを見出したのである。
(I) 60Ti180 (II) 1.2IV1.7 (III) 2.0t 1/28.0 本発明にかかる前記ポリエーテルエステルブロック共
重合体は、2,6−ナフタレンジカルボン酸を主とするジ
カルボン酸成分と、1,4−ブタンジオールを主とするグ
リコール成分およびポリ(アルキレンオキシド)グリコ
ールを反応器に入れ、触媒の存在下または不存在下でエ
ステル交換反応あるいはエステル化の反応を行い、更に
触媒の存在下高真空で重縮合反応を行って所望の重合度
まで上げる方法で製造される。この際、チタン化合物を
重縮合触媒として使用するわけであるが、本発明におい
ては、生成される共重合体中に残存するチタン原子量を
前述の範囲にすることが大切である。この残存量が60pp
mより少ない場合には、重縮合反応時間が長くなり、得
られるポリマーの色相が悪化し、また弾性特性も悪化し
実用上問題を生じる。一方、180ppmを越える場合には乾
熱処理、湿熱処理の前の状態で弾性糸の永久歪が大きく
伸張回復率が小さい等弾性糸としての性能に劣る上、乾
熱処理および/または湿熱処理後の弾性的性質は極端に
近く、到底弾性糸として実用に供することはできない。
また、弾性糸を構成するポリエーテルエステルブロッ
ク共重合体のIVが1.2未満の場合には、乾熱処理、湿熱
処理の前の状態で弾性糸の永久歪が大きく伸張回復率が
小さい等弾性糸としての性能に劣る上、乾熱処理および
/または湿熱処理後の弾性的性質は極端に低く、到底弾
性糸として実用に供することはできない。
一方、ポリエーテルエステルブロック共重合体のIVが
1.7を越えると、弾性糸の伸度がかなり低下して弾性糸
としての本来の伸びる機能が低下する。更に、IVが1.7
を越えるとヤング率が高くなり、整経工程等の加工処理
において加工張力が高くなって糸切れ等の問題を生じる
原因となる。また、このような弾性糸の乾熱処理、湿熱
処理を行うと、弾性的性能の低下が著しく、実用上は問
題を生じることとなる。
さらに本発明においては、弾性糸を構成するポリエー
テルエステルブロック共重合体の50℃における1/2結晶
化時間(t 1/2)が2秒以上、8秒以下であることが、
目的とする性能を有する弾性糸を得るために必要であ
る。50℃における1/2結晶化時間が2秒未満のような非
常に速い結晶化速度を有するポリエーテルエステルブロ
ック共重合体の場合は、乾熱処理、湿熱処理の前の状態
で弾性糸の永久歪が大きく伸張回復率が小さい等弾性糸
としての性能に劣る上、乾熱処理および/または湿熱処
理後の弾性的性質は極端に低く、到底弾性糸として実用
に供することはできない。
一方、50℃における1/2結晶化時間が8秒を越えるよ
うな結晶化速度の遅いポリエーテルエステルブロック共
重合体の場合は、溶融紡糸あるいはその後の通常の延伸
処理をもってしても、得られる弾性糸中の微結晶を大き
くすることはできない。その結果、分子鎖をつなぎ止め
る力が不足し、永久歪が大きくなって弾性的性質に劣る
こととなる。
かかる1/2結晶化時間は、重合条件、重合時間、重合
温度、撹拌速度、触媒添加量の影響の他に、触媒の種
類、添加剤、ポリ(アルキレンオキシド)グリコールの
分子量、共重合量などに依存する。
重合時間が短いほど、また重合温度が高く、撹拌速度
が速く、触媒添加等が多いほどt 1/2は小さくなる傾向
がある。またポリ(アルキレンオキシド)グリコールの
共重合量が少ないほど、または分子量が大きいほど、t
1/2は小さくなる傾向となる。
更に、ポリエーテルエステルブロック共重合体の重合
触媒としては、通常チタン、ニオブ、ゲルマニウム、ア
ンチモンなどの化合物が使用されるが、特にチタンの安
息香酸、トリメリット酸の如き芳香族系の有機酸塩もし
くは蓚酸塩、酢酸塩の如き脂肪酸塩を有するとt 1/2が
小さくなり、特にこの使用量が多いほどt 1/2が小さく
なる。
また添加剤としてアルカリ金属化合物、アルカリ土類
金属化合物を重合反応中に添加すると、t 1/2を小さく
できる。
ここでいうアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金
属化合物としては、特に限定されるものではなく通常公
知のものを用いることができ、例えばタルク、酸化マグ
ネシウム、ケイ酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウ
ム、ステアリン酸バリウム、安息香酸カリウム、テレフ
タル酸ナトリウム、モノメチルテレフタル酸ナトリウ
ム、モノメチルイソフタル酸ナトリウム、安息香酸ナト
リウム、オルトクロロ安息香酸ナトリウム、ナトリウ
ム,カルシウム,マグネシウム,カリウム等の酢酸塩、
モンタン酸とリチウム,ナトリウム,カリウム,マグネ
シウム,カルシウム,アルミニウム等の金属からなるモ
ンタン酸塩、モンタン酸をエチレングリコール,1,2−ま
たは1,3−プロパンジオール,1,3−または1,4−ブタンジ
オール等の脂肪族ジオールで一部中和したモンタン酸エ
ステルと上記金属からなるモンタン酸エステル塩、ある
いは下記一般式 で表わされるアルキルスルホン酸金属塩またはアリール
スルホン酸金属塩を挙げることができる。なかでもナト
リウム、カリウムの酢酸塩、炭素数1〜20のアルキル基
を有するアルキルスルホン酸のナトリウム、カリウム、
リチウムまたはカルシウム塩、またはベンゼンスルホン
酸のナトリウム、カリウム、リチウムまたはカルシウム
塩およびこれらのベンゼン核にカルボキシル基、水酸基
またはアミノ基の如き反応性基が置換したもの、またア
ルキル基が置換したもの、更にはこの置換アルキル基に
上記反応性基が置換したもの等が好ましい。これらのア
ルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物は1種のみ
単独で使用しても、2種以上併用してもよい。
このような各種手段を組合せることによって所望とす
るt 1/2のポリエーテルエステルブロック共重合体を得
ることができる。
本発明において、上述のアルカリ金属化合物,アルカ
リ土類金属化合物,チタン化合物等の存在が、t 1/2に
どのような作用を及ぼすかは未だ不明であるが、かかる
化合物の存在はエステル交換反応あるいはエステル化反
応によって生成するモノマーの状態に影響を及ぼし、更
には重合反応速度,生成するポリマーの構造,ハードセ
グメントとソフトセグメントのブロック化状態,あるい
は副反応の状態に影響を及ぼすためと推定される。すな
わち、これらの化合物が過剰に存在する場合は、副反応
物の生成が増加してモノマーが濁る現象を生じ、重合反
応も遅くなる。その結果、かかるポリエーテルエステル
ブロック共重合体から得た弾性糸は、乾熱処理、湿熱処
理の前の状態で弾性糸の永久歪が大きく伸張回復率が小
さい等弾性糸としての性能に劣る上、乾熱処理および/
または湿熱処理後の弾性的性質は極端に低く、到底弾性
糸として実用に供することはできないものとなる。
逆に前記の化合物の存在量が少なすぎる場合は、モノ
マーの副反応物は少なくなるものの、重合時間が長くな
ったり、また該ブロック共重合体のハードセグメント及
びソフトセグメントの構造が弾性糸としての特性上好ま
しくない結果となる。特にチタン化合物の極端に少ない
場合は、かかる傾向が大きくなるので好ましくなくなる
と推定される。
本発明においては、弾性糸を構成するポリエーテルエ
ステルブロック共重合体のチタン原子の含有量,1V,t 1/
2(50℃における1/2結晶化時間)を前記範囲に設定する
ことが肝要なわけであるが、そのためには、上記重合反
応の条件を適宜設定して、製糸方法により変化する割合
を考慮した物性の共重合体を用いることが必要である。
なお、本発明の弾性糸を構成するポリエーテルエステ
ルブロック共重合体には、通常のポリエステルと同じ
く、艷消剤、顔料(例えばカーボンブラック等)、酸化
防止剤(例えばヒンダードフェノール系化合物、ヒンダ
ードアミン系化合物等)、紫外線吸収剤(例えばベンゾ
フェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サシ
レート系化合物)等を含んでいても何らさしつかえな
い。
以上に説明したポリエーテルエステルブロック共重合
体は、特別の手段を要することなく極めて容易に溶融紡
糸できるので、一般の熱可塑性重合体の溶融紡糸法に準
じて行うことができる。すなわち、ポリウレタン弾性糸
と異なり通常のポリエステル繊維と同様に、糸条および
単糸デニールを任意に設定できる。
上記のブロック共重合体を溶融紡糸して得られた糸は
そのままでも十分な弾性性能を有するが、弾性糸の使用
目的にあわせてさらに延伸および/または熱処理を施し
てもよく、熱処理は、伸長熱処理、定量熱処理、弛緩熱
処理いずれであってもよい。
<発明の効果> 以上説明したように、本発明は弾性糸を構成するポリ
エーテルエステルブロック共重合体のチタン原子含有
量,IV,結晶化速度を同時に特定の範囲内に設定すること
により、弾性的性質に優れ、とりわけ乾熱処理、湿熱処
理等によっても弾性的性能が低下することのない耐久性
に優れた弾性糸を提供することができる。したがって、
本発明の弾性糸は、弾性的性能を重要な要素とする織編
物への利用が可能となり、その効果は極めて大である。
<実施例> 以下実施例をあげて、本発明を具体的に説明する。実
施例において、「部」は全て重量部を示す。
ポリエーテルエステルブロック共重合体の特性は、下
記方法によって測定した。
1. 極限粘度(IV) ポリマー0.6g/50mlオルソクロロフェノール溶液の35
℃で測定した値より算出。
2. 融点(Tm) Du Pont社製、熱示差分析計990型を使用し、昇温速度
20℃/分で測定し、融解ピーク温度を求めた。
3. 伸長回復性 (1)瞬間伸長回復率 試料10cmに、200%伸長するに対応する荷重をかけて
素早く200%伸長させ、5秒後に荷重を取り除き素早く
試料の長さlcmを読み取り、次式により算出した。
瞬間伸長回復率= {[20−(l−10)]/20}×100(%) (2)永久歪 長さ10cm試料に、100%伸長するに相当する荷重をか
けて4時間放置し、次に荷重を取り除いて、4時間放置
後の試料の長さl′cmを測定し、次式により算出した。
永久歪= {(l′−10)/10}×100(%) (3)強度、伸度 長さ5cmの試料を用い、引っ張り速度1000%/分で伸
長し、破断時の強度、伸度を測定した。
4. 結晶化速度 脱偏光強度法結晶化速度測定法(新実験化学講座19高
分子化学II917ページ日本化学会編丸善(株)発行)に
従った。
ポリマー約20mgをスライドガラスにのせ、250℃で1
分間溶融してプレパラートを作成した。次いで、プレパ
ラート中のポリマーを250℃で2分間加熱溶融させ、直
ちに50℃に冷却した後、結晶化速度を測定した。
実施例1〜9,比較例1〜7 2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルエステル160
部,テトラメチレングリコール100部,第1表記載のポ
リテトラメチレングリコール,添加剤,触媒を反応器に
仕込み、内温190℃でエステル交換反応を行った。理論
量の約80%のメタノールが留出した後、昇温,減圧によ
る重縮合反応を開始した。重縮合反応は徐々に減圧しな
がら行い、50分間かけて30mmHgとし、更に30分かけて3m
mHgとし、以後1mmHg以下の真空で第1表記載の内温,時
間の反応を行った。
生成したポリエーテルエステルブロック共重合体をペ
レット化した後、ペレットを乾燥後、245℃で溶融し、
3ホールのノズルを持つキャップより吐出量3.9g/分で
ポリマーを押出した。このポリマーを2個のゴデットロ
ールを介して1000m/分の速度で捲取り弾性糸を得た。こ
の弾性糸の特性および性能を第1表に示す。
第2表 C−1 トリメリット酸とテトラブチルチタネートの反
応生成物 C−2 酢酸とテトラブチルチタネート反応生成物 C−3 テトラブチルチタネート A−1 アルカンスルホン酸ナトリウム (平均炭素数14のパラフィン混合物をスルホン
化し、中和して得たもの) A−2 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム A−3 酢酸カリウム A−4 酢酸カルシウム

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2,6−ナフタレンジカルボン酸を主とする
    ジカルボン酸成分、1,4−ブタンジオールを主とするグ
    リコール成分及び数平均分子量が約1500〜3000のポリ
    (アルキレンオキシド)グリコール成分を構成成分とす
    るポリエーテルエステルブロック共重合体からなる弾性
    糸において、前記ポリ(アルキレンオキシド)グリコー
    ル成分の含有量が60〜75重量%であって、前記ポリエー
    テルエステルブロック共重合体弾性糸が下記(I)〜
    (III)を同時に満足することを特徴とするポリエーテ
    ルエステルブロック共重合体弾性糸。 (I) 60Ti180 (II) 1.2IV1.7 (III) 2.0t 1/28.0 [但し、Tiはポリマー中のチタン原子含有量(ppm),IV
    は極限粘度,t 1/2は50℃における1/2結晶化時間(sec)
    を示す。]
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