JP2761615B2 - 複合チタン酸金属塩繊維及びその製造方法 - Google Patents

複合チタン酸金属塩繊維及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複合チタン酸金属塩繊
維及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】チタン酸バリウム、チタン
酸鉛等のチタン酸金属塩化合物は、誘電性、圧電性等の
性質を有する材料として広範囲に利用され、工業的にも
大量生産されている。このようなチタン酸金属塩化合物
のうちで、特に繊維形状を有するものは、粒子配向セラ
ミックスへの応用などが期待され、その製造方法につい
て幾つかの報告がなされている。
【0003】例えば、特公昭62−7160号公報、特
開平3−69511号公報等には、チタン酸カリウム繊
維、二酸化チタン繊維等を二価の金属イオンを含む溶液
と密閉容器中あるいは水熱条件下において反応させるこ
とによる繊維状のチタン酸金属塩の製造方法が記載され
ている。しかしながら、このような方法で得られるチタ
ン酸金属塩繊維は、未反応の原料繊維表面にチタン酸金
属塩の微粒子が付着した構造となり、表面に付着した微
粒子は剥離し易く、また未反応の原料繊維はチタン成分
が表面に析出して金属成分と反応したため、抜け殻状と
なっており、繊維強度が小さいという欠点がある。更
に、上記特公昭62−7160号公報には、水和チタン
酸カリウムからなる原料繊維を二価の金属イオンを含む
溶液と常圧下で反応させた後、熱処理することによる繊
維状チタン酸金属塩の製造方法も記載されている。しか
しながら、この方法で得られるチタン酸金属塩は、粒状
物の集合体であり、見掛上は繊維状となる場合もある
が、繊維強度は小さく、破壊されやすいという欠点があ
る。
【0004】また、繊維状チタニア化合物の表面に、チ
タンとアルカリ土類金属のモル比率が1:1となるよう
に、アルカリ土類金属の炭酸塩を沈着させた後、加熱処
理することによるチタン酸アルカリ土類金属繊維の製造
法も報告されている(特開平3−16917号公報)。
しかしながら、この様な方法では、繊維状物が一部形成
されるだけで大部分は粒状物となり、しかも形成された
繊維状物は強度が低く、破損されやすいという欠点があ
る。
【0005】特公昭62−55243号公報には、チタ
ン酸カリウム繊維とバリウム化合物を混合し、焼成する
ことによるチタン酸バリウム粒子の製造方法が記載され
ている。また、特開昭63−260822号公報には、
チタン酸繊維とバリウム化合物を混合し、更にこれにフ
ラックス成分としてNaCl・KClなどを加えて焼成
することによるチタン酸バリウム繊維の製造法が記載さ
れている。しかしながら、これらの二つの方法では、得
られるチタン酸バリウムは、微小粒子又はその集合体と
なって原料の繊維形状はほとんど消滅しており、一般に
市販されている形状異方性を有しない粉状物と比べて優
位性は認められない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
高強度かつ低比重で、繊維形状を有する複合チタン酸金
属塩繊維及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、繊維状チ
タニア化合物の表面に、チタン成分が金属成分に対して
過剰となるような所定の割合でバリウム、ストロンチウ
ム、カルシウム及びマグネシウム(以下、二価の金属元
素という)から選ばれる少なくとも一種の金属元素の炭
酸塩を沈着させ、その後加熱処理することによって、結
晶質のチタン酸金属塩の粒状物が、非結晶質TiO
らなるマトリックス中に包み込まれて複合一体化した構
造を有する従来にはない繊維状物を得ることができ、こ
の繊維状物は、高強度かつ低比重であり、高分子材料等
との複合化や有機分散型の薄膜への応用等の各種の用途
に有効に利用し得るものとなることを見出した。
【0008】即ち、本発明は、以下の複合チタン酸金属
塩繊維及びその製造方法を提供するものである。 (1)MO・TiO(式中、Mはバリウム、ストロン
チウム、カルシウム及びマグネシウム(以下、二価の金
属元素という)から選ばれる少なくとも一種の金属元素
を示す)で表わされる組成を有するチタン酸金属塩結晶
を、非結晶質TiOが包み込む形で複合一体化した繊
維状物であって、二価金属MとTiとのモル比が1:
1.05〜1.85の範囲にある複合チタン酸金属塩繊
維。 (2)繊維状チタニア化合物の表面に、溶液反応によっ
て二価の金属元素Mの炭酸塩を、M:Ti(モル比)=
1:1.05〜1.85となるように沈着させ、その後
加熱処理することを特徴とする上記項1に記載の複合チ
タン酸金属塩繊維の製造方法。
【0009】本発明の複合チタン酸金属塩繊維は、結晶
質MO・TiO(式中、Mは前記に同じ)と非結晶質
TiOからなる繊維状物質であり、電子顕微鏡観察、
化学分析、X線回折等によれば、各繊維は均一な一本の
繊維形状を有し、MO・TiOで表わされる組成を有
するチタン酸金属塩結晶の粒状物を、非結晶質TiO
が包み込む形で複合一体化した構造であることが認めら
れる。この様な構造の本発明の複合チタン酸金属塩繊維
は、表面にMO・TiOが付着した繊維状物やMO・
TiOの微粒子が連続して集合し見掛上繊維状をなし
たもの等の従来のチタン酸金属塩繊維とは全く異なる構
造を有するものであり、マトリックスとなる非結晶質の
TiO部分が繊維形状の保持及び繊維強度の向上に大
きく寄与し、高強度の繊維状物となる。
【0010】本発明の複合チタン酸金属塩繊維では、二
価の金属MとTiとのモル比は、1:1.05〜1.8
5の範囲である。Tiのモル比率が1.05未満の場合
はマトリックスとなる非結晶質TiO部分の占める割
合が小さすぎて繊維強度が低く破損し易くなり、また
1.85を上回ると繊維強度は大きくなるが、チタン酸
金属塩の有する特性が十分に発揮されなくなるので好ま
しくない。
【0011】上記一般式において、Mは、バリウム、ス
トロンチウム、カルシウム及びマグネシウムから選ばれ
る少なくとも一種の金属元素である。
【0012】本発明複合チタン酸金属塩繊維は、上記し
たようなチタン酸金属塩結晶の粒状物を非結晶質TiO
が包み込む形で複合一体化した構造を有することによ
って高い強度を有するものとなり、例えば樹脂の充填
剤とした場合に優れた強化特性を示し、また、誘電特性
も良好である。アスペクト比は好ましくは10以上、よ
好ましくは20以上である。
【0013】次に、本発明の複合チタン酸金属塩繊維の
製造方法を説明する。
【0014】本発明では、原料繊維としては、繊維状チ
タニア化合物を用いる。該チタニア化合物としては、繊
維長と繊維径の比が少なくとも10である繊維形状を有
し、一般式TiO・mHO(式中、mは0≦m≦3
の実数である)で表わされるものが適当である。このよ
うな繊維状チタニア化合物は繊維状チタン酸アルカリ金
属塩を酸性溶液中で処理して、脱アルカリ金属反応を行
なうことによって、容易に得ることができる。
【0015】本発明では、まず、繊維状チタニア化合物
の表面に溶液反応によって二価の金属元素Mの炭酸塩を
沈着させる。炭酸塩としては、炭酸塩、重炭酸塩、炭酸
水素化合物等のいずれでも良いが、炭酸塩が最も好まし
い。
【0016】繊維状チタニア化合物と二価の金属元素M
の炭酸塩との割合は、目的とする複合チタン酸金属塩繊
維におけるM/Tiのモル比と同様とすればよい。
【0017】炭酸塩を沈着させるには、繊維状チタニア
を分散させた溶液に、二価の金属元素の化合物の溶液と
炭酸イオンを含有する溶液を、撹拌しながら添加すれば
よい。この際、繊維状チタニア分散溶液のpHを8〜1
0の弱アルカリ性に調整することによって、炭酸塩の溶
液中での析出を防いで目的とする仕込み比通りの生成物
を得ることができる。この反応は、通常20〜80℃程
度の温度で行なえばよい。
【0018】二価の金属元素の化合物としては、ハロゲ
ン化水素塩、硝酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、シュウ酸塩、水
酸化物等を例示でき、これらは、一種又は二種以上混合
して用いることができる。二価の金属元素の化合物の溶
液としては、水系溶液、有機溶媒系溶液のいずれでもよ
いが、経済性、安全性、環境汚染等の観点から水系溶液
が好ましい。
【0019】炭酸イオンを含有する溶液としては、炭酸
アンモニウム、重炭酸アンモニウム、炭酸カルバミン酸
水素アンモニウム等を含有する溶液を用いることがで
き、一般に水溶液として用いればよい。また、炭酸イオ
ンを含有する溶液に代えて、炭酸ガスを繊維状チタニア
分散溶液に直接導入してもよい。
【0020】繊維状チタニア分散溶液のpHを8〜10
に調整するには、アンモニア水等の金属イオンを含まな
いアルカリ性溶液を用いることが好ましく、アルカリ金
属塩、アルカリ土類金属塩等の溶液は、目的以外の金属
イオンが混入する可能性があるために適当ではない。
【0021】本発明では、上記した方法で繊維状チタニ
ア化合物の表面に二価の金属元素Mの炭酸塩を沈着させ
た後、濾別、水洗、乾燥等の方法でこの繊維状チタニア
を収得し、加熱処理することによって、目的とする複合
チタン酸金属塩繊維を得ることができる。加熱処理は、
電気炉、ガス燃焼炉、高周波炉等の通常の加熱炉を用い
て行なえばよく、加熱処理温度は、700〜1100℃
程度とし、加熱処理時間は2時間〜8時間程度とすれば
よい。
【0022】この様にして得られた複合チタン酸金属塩
繊維は、原料繊維の形状をほぼ維持する。得られた複合
チタン酸金属塩繊維は、加熱処理品そのままでも利用で
きるが、用途により、水洗、酸洗、分級、解繊などを行
なって使用してもよい。更には、各種表面処理剤で表面
処理して使用することもできる。
【0023】
【発明の効果】本発明の複合チタン酸金属塩繊維は、M
O・TiO(式中、Mは二価の金属元素を示す)で表
わされる組成を有するチタン酸金属塩結晶を、非結晶質
TiOが包み込む形で複合一体化した従来にはない構
造を有する繊維状物であり、高強度かつ低比重である。
これは、樹脂等の充填剤として使用した場合に強化特性
に優れたものであり、しかも電子機器分野で必要とされ
る誘電特性も従来品と比べて優れており、非常に有用性
が高いものである。
【0024】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。 実施例1 繊維状チタニア水和物(TiO・1/2HO、平均
繊維長12μm、平均繊維径0.3μm)20gを1リ
ットルの脱イオン水に分散させ、撹拌しながら、アンモ
ニア水(25%、“和光純薬(株)製、試薬特級)を1
5ml滴下し、pHを9に調整した後、20重量%の酢
酸バリウム水溶液260gと15重量%の炭酸アンモニ
ウム水溶液170gを別々に同時に滴下した。滴下は、
室温で、撹拌下に60分間かけておこなった。その際、
10分毎にpHを確認し、pHが8〜10の範囲となる
ようにアンモニア水で調整した。滴下終了後、撹拌を続
けながら、液温を70℃に昇温し、30分間撹拌を続け
た後、ろ別、水洗、乾燥することにより白色の繊維状物
質60gを得た。
【0025】この繊維状物質は、X線回折、赤外吸収ス
ペクトル(IR)及び走査型電子顕微鏡(SEM)観察
の結果から、原料繊維である繊維状チタニア化合物の繊
維形状を保持して、アスペクト比が20であり、その表
面に炭酸バリウムが沈着し、Ba/Ti=0.9/1
(モル比)の組成を示すものであることが判った。
【0026】この繊維状物質20gを磁性るつぼに移
し、大気雰囲気中で、950℃で2時間加熱処理するこ
とにより、16.3gの白色の繊維状物質を得た。
【0027】得られた繊維状物質をIR分析したとこ
ろ、炭酸塩の吸収は完全に消失し、X線回折からはBa
TiOのピークのみが検出されたが、ピークはいずれ
もややシフトしていた。また、これを化学分析したとこ
ろ、Ba/Ti=0.9/1(モル比)であり、得られ
た繊維状物は、結晶質BaTiO90モル%及び非結
晶質TiO10モル%からなるものであることが確認
された。また、該繊維状物質の透過型電子顕微鏡(TE
M)写真(175,000倍)を図1に示す。この顕微
鏡写真から、得られた繊維状物は、結晶質のBaTiO
の粒状物を、非結晶質TiOが包み込む形で一体化
した繊維状となっていることが判る。また、該繊維状物
質の真比重をJIS−K5101に従って測定した結
果、5.77であり、BaTiO(比重6.01)と
TiO(比重3.84、アナターゼ型)をBa/Ti
=0.9/1の割合で混合したものの比重5.89と比
べてかなり小さい値を示し、該繊維状物質が低比重であ
ることが判った。
【0028】次いで、ポリフェニレンサルファイド樹脂
(商標名:トープレンPPS T−4、トープレン
(株)製)25重量部に対して、得られた繊維状物75
重量部を混合し混練して得たコンパウンドの機械的強度
及び誘電率を測定した。測定方法は、引張強度はJIS
K−7113、曲げ強度はJIS K−7203、誘
電率はJIS K−6911に準じた方法とした。結果
を下記表2に示す。 実施例2〜4 Ba:Tiのモル比が8:10、7:10及び6:10
の各比率となるように、繊維状チタニア水和物及び酢酸
バリウム水溶液の使用量を調整する以外は、実施例1と
同様にして、結晶質BaTiO80モル%及び及び非
結晶質TiO20モル%からなる白色繊維状物(実施
例2)、結晶質BaTiO70モル%及び及び非結晶
質TiO30モル%からなる白色繊維状物(実施例
3)及び結晶質BaTiO60モル%及び及び非結晶
質TiO40モル%からなる白色繊維状物(実施例
4)を各々得た。得られた繊維状物の真比重測定及び化
学分析の結果を下記表1に示す。また、TEM観察の結
果、これらの繊維状物は、いずれも実施例1と同様に、
結晶質BaTiOの粒状物を非結晶質TiOが包み
込む形となって一体化した繊維状となり、アスペクト比
は、実施例2では25、実施例3では30、実施例4で
は35であることが確認された。
【0029】また、実施例1と同様にして繊維状物をポ
リフェニレンサルファイド樹脂と混練して得たコンパウ
ンドの機械的強度及び誘電率を測定した結果を下記表2
に示す。 比較例1 Ba:Tiのモル比が1:1となるように、繊維状チタ
ニア水和物及び酢酸バリウム水溶液の使用量を調整する
以外は、実施例1と同様にして、白色生成物を得た。
【0030】得られた生成物のSEM写真(5,000
倍)を図2に示す。この写真から、得られた生成物では
原料繊維の形状がほとんど消滅しており、粒状物が大部
分を占めていることが判る。
【0031】また、実施例1と同様にして、真比重測定
及び化学分析を行なった結果を下記表1に示す。また、
実施例1と同様にして上記生成物をポリフェニレンサル
ファイド樹脂と混練して得たコンパウンドの機械的強度
及び誘電率を測定した結果を下記表2に示す。 比較例2 KMoOをフラックスとして用いて、公知のフラッ
クス法によりKO・6TiOで示されるチタン酸カ
リウム繊維を作製した。得られた繊維は、結晶軸方向に
伸長した繊維状物であった。次いで、このチタン酸カリ
ウム繊維1モルに対して、5.4モルの割合で炭酸バリ
ウム(和光純薬(株)製)を混合し、950℃で2時間
焼成した。生成物のX線回折を行なったところ、BaT
iOとKTiのX線回折ピークが混在したも
のであった。また、図3に示す生成物のSEM写真か
ら、大部分が粒状物からなることが確認された。このS
EM写真では、上半分の部分の倍率は2,000倍であ
り、下半分の部分の倍率は10,000倍である。ま
た、真比重測定及び化学分析の結果を下記表1に示し、
実施例1と同様にして上記生成物をポリフェニレンサル
ファイド樹脂と混練して得たコンパウンドの機械的強度
及び誘電率を測定した結果を下記表2に示す。 比較例3 比較例2で用いたものと同様のKO・6TiOで示
されるチタン酸カリウム繊維2.0g、水酸化バリウム
(Ba(OH)・8HO、和光純薬(株製)4.1
g及び水15gをオートクレーブ中で150℃で6時間
反応させた。生成物は、BaTiOとKTi
の両方のX線回折ピークを有するものであり、化学分析
の結果からは、Ba/Ti=0.6(モル比)であっ
た。また、図4に示す生成物のSEM写真(5,000
倍)から、この生成物は繊維状物の表面に微小な粒状物
が斑点状に付着したものであることが判った。
【0032】上記生成物の真比重測定及び化学分析の結
果を下記表1に示す。また、実施例1と同様にして該生
成物をポリフェニレンサルファイド樹脂と混練して得た
コンパウンドの機械的強度及び誘電率を測定した結果を
下記表2に示す。 比較例4 実施例1で用いたものと同じ繊維状チタニア水和物2.
0g、水酸化バリウム(Ba(OH)・8HO、和
光純薬(株)製)6.4g及び水15gをオートクレー
ブ中で150℃で6時間反応させた。生成物のX線回折
を行なったところ、BaTiOの回折ピークのみが検
出され、このピーク位置は試薬BaTiO(半井化学
(株)製)と同様であった。また、図5に示す生成物の
SEM写真から、該生成物は繊維状物の表面に微小粒子
が密に付着した状態のものであることが判った。このS
EM写真では、上半分の部分の倍率は1,000倍であ
り、下半分の部分の倍率は5,000倍である。
【0033】また、該生成物の真比重測定及び化学分析
の結果を下記表1に示す。また、実施例1と同様にして
該生成物をポリフェニレンサルファイド樹脂と混練して
得たコンパウンドの機械的強度及び誘電率を測定した結
果を下記表2に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】 以上の結果から、本発明の繊維状物は、樹脂に配合した
場合に、配合物の強度を大きく向上させることができ、
しかも高い誘電性を有するものとなることが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の生成物の繊維の形状を表わす写真。
【図2】比較例1の生成物の繊維の形状を表わす写真。
【図3】比較例2の生成物の繊維の形状を表わす写真。
【図4】比較例3の生成物の繊維の形状を表わす写真。
【図5】比較例4の生成物の繊維の形状を表わす写真。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】MO・TiO(式中、Mはバリウム、ス
    トロンチウム、カルシウム及びマグネシウムから選ばれ
    る少なくとも一種の金属元素を示す)で表わされる組成
    を有するチタン酸金属塩結晶を、非結晶質TiOが包
    み込む形で複合一体化した繊維状物であって、二価金属
    MとTiとのモル比が1:1.05〜1.85の範囲に
    ある複合チタン酸金属塩繊維。
  2. 【請求項2】MO・TiO(式中、Mはバリウム、ス
    トロンチウム、カルシウム及びマグネシウムから選ばれ
    る少なくとも一種の金属元素を示す)で表わされる組成
    を有するチタン酸金属塩結晶を、非結晶質TiOが包
    み込む形で複合一体化した繊維状物であって、二価金属
    MとTiとのモル比が1:1.05〜1.85の範囲に
    あり、且つ繊維長と繊維径の比が10以上である複合チ
    タン酸金属塩繊維。
  3. 【請求項3】繊維状チタニア化合物の表面に、溶液反応
    によって二価の金属元素Mの炭酸塩を、M:Ti(モル
    比)=1:1.05〜11.85となるように沈着させ
    た後、加熱処理することを特徴とする請求項1乃至2の
    いずれかに記載の複合チタン酸金属塩繊維の製造方法。
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