JP2760921B2 - 非磁性基板材及び磁気ヘッド - Google Patents
非磁性基板材及び磁気ヘッドInfo
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- JP2760921B2 JP2760921B2 JP4113090A JP11309092A JP2760921B2 JP 2760921 B2 JP2760921 B2 JP 2760921B2 JP 4113090 A JP4113090 A JP 4113090A JP 11309092 A JP11309092 A JP 11309092A JP 2760921 B2 JP2760921 B2 JP 2760921B2
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- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B5/00—Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
- G11B5/10—Structure or manufacture of housings or shields for heads
- G11B5/105—Mounting of head within housing or assembling of head and housing
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B5/00—Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
- G11B5/48—Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed
- G11B5/58—Disposition or mounting of heads or head supports relative to record carriers ; arrangements of heads, e.g. for scanning the record carrier to increase the relative speed with provision for moving the head for the purpose of maintaining alignment of the head relative to the record carrier during transducing operation, e.g. to compensate for surface irregularities of the latter or for track following
- G11B5/60—Fluid-dynamic spacing of heads from record-carriers
-
- G—PHYSICS
- G11—INFORMATION STORAGE
- G11B—INFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
- G11B5/00—Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
- G11B5/127—Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
- G11B5/31—Structure or manufacture of heads, e.g. inductive using thin films
- G11B5/3103—Structure or manufacture of integrated heads or heads mechanically assembled and electrically connected to a support or housing
- G11B5/3106—Structure or manufacture of integrated heads or heads mechanically assembled and electrically connected to a support or housing where the integrated or assembled structure comprises means for conditioning against physical detrimental influence, e.g. wear, contamination
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気ヘッド用非磁性基板
材と小型ハードディスク用磁気ヘッドに用いる薄膜磁気
ヘッド及び、コンポジット型浮上式磁気ヘッドに係わ
る。
材と小型ハードディスク用磁気ヘッドに用いる薄膜磁気
ヘッド及び、コンポジット型浮上式磁気ヘッドに係わ
る。
【0002】
【従来の技術】3.5インチや2.5インチ以下の高密
度、小型磁気ディスク装置に使用される浮上式磁気ヘッ
ドには、更に高密度化が進むにつれて増加する傾向にあ
る図1に示す薄膜型と図2に示す現在主流のコンポジッ
ト型とがある。図1は薄膜型磁気ヘッドの一例を示す斜
視図である。11は磁気ヘッドであり、12はスライダ
−、13はエアベアリング、14は電磁変換部である。
電磁変換部は、通常非磁性のスライダ−端面にAl2O3
膜を形成し、その上にリソグラフィ薄膜技術により、ア
モルファス等の薄膜が成膜される。このために製作上、
使用上から熱膨張係数を適正な関係にする必要があり、
スライダ−材にはアルミナ・炭化チタン(ATC)を主
原料にした基板材料が一般的に用いられている。薄膜磁
気ヘッドにおいては、アモルファスの磁性薄膜は飽和磁
束密度が8000〜9000G、透磁率が2,000
(1MHz)程度であり、高密度記録化に対応するため
に、飽和磁束密度が11,000前後で透磁率が3,0
00(1MHz)と、より軟磁気特性の良好なFe−A
l−Siの磁性薄膜が用いられ始めている。Fe−Al
−Siの磁性薄膜の熱膨張係数は145×10-7/℃前
後とアモルファスの120〜130×10-7/℃に比較
して大きいために、熱膨張係数の面から、MnOとNi
Oの主組成にAl2O3等を添加した、熱膨張係数が(1
35〜145)×-7/℃の非磁性基板材でスライダ−を
構成した薄膜磁気ヘッドが用いられてきている。前記非
磁性基板材の一つとして、特開平3−146456号公
報に開示されている、MnO:40〜70モル%、Ni
O:30〜60モル%、特開平2−296765号公報
に開示されているMnO:67〜90モル%、NiO:
10〜33モル%の主組成がMnO,NiOで岩塩型構
造を有する非磁性基板材がある。この非磁性基板材はビ
ッカ−ス硬度で550〜700kg/mm2と望ましい硬度を
有し、気孔が少なく、精密機械加工が容易でしかも加工
中でのクラック、チッピングの発生が少なく化学的に安
定した非磁性基板材である。図2はコンポジット型の浮
上式磁気ヘッドを示す斜視図である。図2において、2
1はコンポジット型の浮上式磁気ヘッド、22はセラミ
ックス等の非磁性材料で構成したスライダ−である。磁
気ヘッドコア23はエアベアリング24に形成されたス
リット25にモ−ルドガラス26により固定保持されて
いる。上記磁気ヘッドコアには熱膨張係数が100℃〜
400℃で120×10-7/℃前後のMn−Zn単結晶
フェライトが適しているが、磁気ヘッドコアをスライダ
−のスリットに組み込んでガラスで固定する際に、スラ
イダ−と磁気ヘッドコアの熱膨張係数に大きな差がある
とガラスにクラックが発生しやすくなる。そのために、
磁気ヘッドコアとスライダ−の熱膨張係数を近似させる
必要がある。こうしたコンポジット型のスライダ−に適
する非磁性基板の一つに、先に本発明者等が特開平2−
243562号公報で開示したTiO2−BaO−Ca
O系の主組成物に、Al2O3,NiO,SrO,Mg
O,Y2O3,WO,MoO3,In2O3,ZrO2のうち
の少なくとも1種以上を含有させた非磁性基板材があ
る。この非磁性基板材は、熱膨張係数も115×10-7
/℃前後でMn−Znフェライトに近く、Al2O3等の
添加物により結晶粒が微細化され結晶粒間の空孔も少な
く、均一化され、加工性が良くチッピングの発生の少な
い、優れた非磁性基板材である。
度、小型磁気ディスク装置に使用される浮上式磁気ヘッ
ドには、更に高密度化が進むにつれて増加する傾向にあ
る図1に示す薄膜型と図2に示す現在主流のコンポジッ
ト型とがある。図1は薄膜型磁気ヘッドの一例を示す斜
視図である。11は磁気ヘッドであり、12はスライダ
−、13はエアベアリング、14は電磁変換部である。
電磁変換部は、通常非磁性のスライダ−端面にAl2O3
膜を形成し、その上にリソグラフィ薄膜技術により、ア
モルファス等の薄膜が成膜される。このために製作上、
使用上から熱膨張係数を適正な関係にする必要があり、
スライダ−材にはアルミナ・炭化チタン(ATC)を主
原料にした基板材料が一般的に用いられている。薄膜磁
気ヘッドにおいては、アモルファスの磁性薄膜は飽和磁
束密度が8000〜9000G、透磁率が2,000
(1MHz)程度であり、高密度記録化に対応するため
に、飽和磁束密度が11,000前後で透磁率が3,0
00(1MHz)と、より軟磁気特性の良好なFe−A
l−Siの磁性薄膜が用いられ始めている。Fe−Al
−Siの磁性薄膜の熱膨張係数は145×10-7/℃前
後とアモルファスの120〜130×10-7/℃に比較
して大きいために、熱膨張係数の面から、MnOとNi
Oの主組成にAl2O3等を添加した、熱膨張係数が(1
35〜145)×-7/℃の非磁性基板材でスライダ−を
構成した薄膜磁気ヘッドが用いられてきている。前記非
磁性基板材の一つとして、特開平3−146456号公
報に開示されている、MnO:40〜70モル%、Ni
O:30〜60モル%、特開平2−296765号公報
に開示されているMnO:67〜90モル%、NiO:
10〜33モル%の主組成がMnO,NiOで岩塩型構
造を有する非磁性基板材がある。この非磁性基板材はビ
ッカ−ス硬度で550〜700kg/mm2と望ましい硬度を
有し、気孔が少なく、精密機械加工が容易でしかも加工
中でのクラック、チッピングの発生が少なく化学的に安
定した非磁性基板材である。図2はコンポジット型の浮
上式磁気ヘッドを示す斜視図である。図2において、2
1はコンポジット型の浮上式磁気ヘッド、22はセラミ
ックス等の非磁性材料で構成したスライダ−である。磁
気ヘッドコア23はエアベアリング24に形成されたス
リット25にモ−ルドガラス26により固定保持されて
いる。上記磁気ヘッドコアには熱膨張係数が100℃〜
400℃で120×10-7/℃前後のMn−Zn単結晶
フェライトが適しているが、磁気ヘッドコアをスライダ
−のスリットに組み込んでガラスで固定する際に、スラ
イダ−と磁気ヘッドコアの熱膨張係数に大きな差がある
とガラスにクラックが発生しやすくなる。そのために、
磁気ヘッドコアとスライダ−の熱膨張係数を近似させる
必要がある。こうしたコンポジット型のスライダ−に適
する非磁性基板の一つに、先に本発明者等が特開平2−
243562号公報で開示したTiO2−BaO−Ca
O系の主組成物に、Al2O3,NiO,SrO,Mg
O,Y2O3,WO,MoO3,In2O3,ZrO2のうち
の少なくとも1種以上を含有させた非磁性基板材があ
る。この非磁性基板材は、熱膨張係数も115×10-7
/℃前後でMn−Znフェライトに近く、Al2O3等の
添加物により結晶粒が微細化され結晶粒間の空孔も少な
く、均一化され、加工性が良くチッピングの発生の少な
い、優れた非磁性基板材である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】磁気ディスク装置にお
いては、近年の高密度記録化に対応するために、磁気記
録媒体としてのハードディスクは、メッキ法、スパッタ
法を使用して、磁性体をディスク基板に密着させたハー
ドディスクが使用されている。上記のメッキ法及びスパ
ッタ法で作られたディスク表面は、従来の塗布型のもの
に比べて面精度がよく仕上げられており、かつ潤滑材を
オーバーコートしているため、従来あまり問題となって
いなかったヘッドとディスク面とで生じるスティッキン
グ現象が問題となってきている。つまり、磁気記録媒体
との対向面の面精度が高くなると、静止しているディス
クの表面とヘッドのディスク対向面とが粘着(スティッ
ク)するという現象が現われる。そして、このヘッドと
ディスク間の粘着力が過度に強くなると、ディスクを回
転させるモ−タのトルクを越えてしまい装置が動作しに
くくなる。また、同時にCSS(コンタクト.ストッ
プ.アンド.スタート)動作に対する寿命が短くなる。
特に、浮上高さが0.1μm以下が要求される小型磁気
ディスクではより大きな問題となってきている。
いては、近年の高密度記録化に対応するために、磁気記
録媒体としてのハードディスクは、メッキ法、スパッタ
法を使用して、磁性体をディスク基板に密着させたハー
ドディスクが使用されている。上記のメッキ法及びスパ
ッタ法で作られたディスク表面は、従来の塗布型のもの
に比べて面精度がよく仕上げられており、かつ潤滑材を
オーバーコートしているため、従来あまり問題となって
いなかったヘッドとディスク面とで生じるスティッキン
グ現象が問題となってきている。つまり、磁気記録媒体
との対向面の面精度が高くなると、静止しているディス
クの表面とヘッドのディスク対向面とが粘着(スティッ
ク)するという現象が現われる。そして、このヘッドと
ディスク間の粘着力が過度に強くなると、ディスクを回
転させるモ−タのトルクを越えてしまい装置が動作しに
くくなる。また、同時にCSS(コンタクト.ストッ
プ.アンド.スタート)動作に対する寿命が短くなる。
特に、浮上高さが0.1μm以下が要求される小型磁気
ディスクではより大きな問題となってきている。
【0004】かかるスティッキング現象を緩和するため
に、ヘッドのディスク対向面の面粗さがある程度粗くな
るように処理し、CSS特性を向上させることが種々考
えられている。上記課題を解決するための一手段とし
て、特願昭63−295652号公報には、多結晶材で
作られた浮動型磁気ヘッドにおいて、図8に示すような
磁気記録媒体と対向するエアベアリング面を、山と谷の
深さの差が平均して50〜200Åの面であり、山と谷
の繰り返しピッチが平均5〜20μmであり、山と谷と
の間の高さが急激に変化する部分は結晶の粒界に沿って
延在しているように凹凸付けしたことを特徴とする浮動
式磁気ヘッドが開示されている。図8はその一例のモノ
リシック型磁気ヘッドの斜視図である。しかしながら、
モノリシック型の磁気ヘッドは、全体が軟磁性材料のフ
ェライトで構成されており、材料のインダクタンス
(L)が大きく、高周波での応答が悪く、ノイズが発生
しやすい等の欠点を持っており、今後更に高密度記録化
する磁気ディスク装置には適当ではない。また、特開平
2−296765号公報に開示されているMnO:67
〜90モル%、NiO:10〜33モル%で岩塩型構造
を有する非磁性基板材の結晶粒は最大1μm程度、特開
平03−146456号公報に開示されている、Mn
O:40〜70モル%、NiO:30〜60モル%の岩
塩型構造を有する非磁性基板でも3〜4μm程度であ
り、山と谷の凹凸付けをしても山と谷の平均深さの差
や、特に山と谷の繰返しの平均ピッチが好ましい状態に
ならず、モノリシック型磁気ヘッド程にはCSS特性を
向上することが困難である。
に、ヘッドのディスク対向面の面粗さがある程度粗くな
るように処理し、CSS特性を向上させることが種々考
えられている。上記課題を解決するための一手段とし
て、特願昭63−295652号公報には、多結晶材で
作られた浮動型磁気ヘッドにおいて、図8に示すような
磁気記録媒体と対向するエアベアリング面を、山と谷の
深さの差が平均して50〜200Åの面であり、山と谷
の繰り返しピッチが平均5〜20μmであり、山と谷と
の間の高さが急激に変化する部分は結晶の粒界に沿って
延在しているように凹凸付けしたことを特徴とする浮動
式磁気ヘッドが開示されている。図8はその一例のモノ
リシック型磁気ヘッドの斜視図である。しかしながら、
モノリシック型の磁気ヘッドは、全体が軟磁性材料のフ
ェライトで構成されており、材料のインダクタンス
(L)が大きく、高周波での応答が悪く、ノイズが発生
しやすい等の欠点を持っており、今後更に高密度記録化
する磁気ディスク装置には適当ではない。また、特開平
2−296765号公報に開示されているMnO:67
〜90モル%、NiO:10〜33モル%で岩塩型構造
を有する非磁性基板材の結晶粒は最大1μm程度、特開
平03−146456号公報に開示されている、Mn
O:40〜70モル%、NiO:30〜60モル%の岩
塩型構造を有する非磁性基板でも3〜4μm程度であ
り、山と谷の凹凸付けをしても山と谷の平均深さの差
や、特に山と谷の繰返しの平均ピッチが好ましい状態に
ならず、モノリシック型磁気ヘッド程にはCSS特性を
向上することが困難である。
【0005】一方、このCSS特性の向上の為に磁気デ
ィスクの面からも種々検討がなされており、磁気ディス
クはテクスチャ−と呼ばれる同じように凹凸付けをする
加工がなされる。このティクスチャ−は図9にHIPO
SS(触針式微細形状測定器)で測定したディスク半径
方向の粗さ曲線を示すように、ディスク基板上に、平均
面粗さ10nm前後で、山と谷のピッチが100〜20
0nmの無数の凹凸付けをする加工であり、その後Cr
等の下地膜を成膜し、その上にスパッタリング等により
Co−Cr−Ta等の金属磁性薄膜を形成し、更にカ−
ボン等の保護膜を付けたものが一般的に使用されるよう
になってきた。このテクスチャ−による凹凸により、磁
気ヘッドのエアベアリング面との接触面積を小さくし、
粘着力を適正なものにすることができる。このような磁
気ディスク装置用のコンポジット型ヘッドのスライダ−
に用いられるTiO2−BaO−CaO系の組成物に、
Al2O3,NiO,SrO,MgO,Y2O3,WO,M
oO3,In2O3,ZrO2うちの少なくとも1種以上を
含有する非磁性基板材は、熱膨張係数や加工性等がスラ
イダ−に適した材料である。しかしながら、ビッカ−ス
硬度が850Kg/mm2前後とテクスチャ−加工されたディ
スクに対しては硬度が高く、磁気ヘッドが浮上、着陸時
に保護膜と摺動して、テクスチャ−加工によるディスク
の凹凸の凸部を局部的に損耗し易いという問題点があ
る。また、前記MnO,NiOを主組成とする非磁性基
板材と同様に好ましい凹凸付けをすることが困難であ
る。本発明者等は上記課題に鑑みて、MnO,NiOを
主組成とする非磁性基板材の組成、添加物とその含有
量、製造条件を検討することにより、好ましい凹凸付け
を可能にし、CSS特性を向上させた浮上式磁気ヘッド
を得ることができた。
ィスクの面からも種々検討がなされており、磁気ディス
クはテクスチャ−と呼ばれる同じように凹凸付けをする
加工がなされる。このティクスチャ−は図9にHIPO
SS(触針式微細形状測定器)で測定したディスク半径
方向の粗さ曲線を示すように、ディスク基板上に、平均
面粗さ10nm前後で、山と谷のピッチが100〜20
0nmの無数の凹凸付けをする加工であり、その後Cr
等の下地膜を成膜し、その上にスパッタリング等により
Co−Cr−Ta等の金属磁性薄膜を形成し、更にカ−
ボン等の保護膜を付けたものが一般的に使用されるよう
になってきた。このテクスチャ−による凹凸により、磁
気ヘッドのエアベアリング面との接触面積を小さくし、
粘着力を適正なものにすることができる。このような磁
気ディスク装置用のコンポジット型ヘッドのスライダ−
に用いられるTiO2−BaO−CaO系の組成物に、
Al2O3,NiO,SrO,MgO,Y2O3,WO,M
oO3,In2O3,ZrO2うちの少なくとも1種以上を
含有する非磁性基板材は、熱膨張係数や加工性等がスラ
イダ−に適した材料である。しかしながら、ビッカ−ス
硬度が850Kg/mm2前後とテクスチャ−加工されたディ
スクに対しては硬度が高く、磁気ヘッドが浮上、着陸時
に保護膜と摺動して、テクスチャ−加工によるディスク
の凹凸の凸部を局部的に損耗し易いという問題点があ
る。また、前記MnO,NiOを主組成とする非磁性基
板材と同様に好ましい凹凸付けをすることが困難であ
る。本発明者等は上記課題に鑑みて、MnO,NiOを
主組成とする非磁性基板材の組成、添加物とその含有
量、製造条件を検討することにより、好ましい凹凸付け
を可能にし、CSS特性を向上させた浮上式磁気ヘッド
を得ることができた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の非磁性基板材
は、主組成のMnO,NiOと副組成のAl2O3を含有
する非磁性基板材であって、その組織が(MnO.Ni
O)の岩塩型構造と、(MnO.NiO)Al2O3のス
ピネル型構造との2相構造からなり、平均結晶粒径が5
〜15μmである磁気ヘッド用非磁性基板材である。ま
た、副組成であるAl2O3の一部をCaO,Y2O3,Z
rO2,ZnO,SrOの少なくとも一種以上で置換
し、その組織が(MnO.NiO)の岩塩型構造と、
(MnO.NiO)Al2O3にCaO,Y2O3,ZrO
2,ZnO,SrOの少なくとも一種以上を含むスピネ
ル型構造との2相構造で、平均結晶粒径が5〜15μm
の非磁性基板材とすることも可能である。平均結晶粒径
は好ましい範囲は5〜15μmであるが、より好ましい
範囲は8〜12μmである。前記非磁性基板材の望まし
い組成範囲は、MnO換算でMnO:20〜80wt
%、NiO換算でNiO:20〜80wt%、Al2O3
換算でAl2O3:1〜20wt%である。また、Al2
O3の一部をY2O3等で置換した場合には、MnO換算
でMnO:20〜80wt%,NiO換算でNiO:2
0〜80wt%、Al2O3換算でAl2O3:1〜15%
wt%、Y2O3,ZrO2,ZnO,SrO換算でY2O
3,ZrO2,ZnO,SrO合計が5wt%以下の組成
範囲が望ましい。このような非磁性基板材でコンポジッ
ト型浮上式磁気ヘッドや浮上式薄膜磁気ヘッドのスライ
ダ−を構成し、スライダ−の記録媒体対向面の浮上面側
のエアベアリング面を構成するスピネル型構造と岩塩型
構造の2相のうちの硬度の低い岩塩型構造の1相を選択
的に除去して、凹凸状の段差を形成して対CSS特性の
良好な浮上式磁気ヘッドを得ることができる。
は、主組成のMnO,NiOと副組成のAl2O3を含有
する非磁性基板材であって、その組織が(MnO.Ni
O)の岩塩型構造と、(MnO.NiO)Al2O3のス
ピネル型構造との2相構造からなり、平均結晶粒径が5
〜15μmである磁気ヘッド用非磁性基板材である。ま
た、副組成であるAl2O3の一部をCaO,Y2O3,Z
rO2,ZnO,SrOの少なくとも一種以上で置換
し、その組織が(MnO.NiO)の岩塩型構造と、
(MnO.NiO)Al2O3にCaO,Y2O3,ZrO
2,ZnO,SrOの少なくとも一種以上を含むスピネ
ル型構造との2相構造で、平均結晶粒径が5〜15μm
の非磁性基板材とすることも可能である。平均結晶粒径
は好ましい範囲は5〜15μmであるが、より好ましい
範囲は8〜12μmである。前記非磁性基板材の望まし
い組成範囲は、MnO換算でMnO:20〜80wt
%、NiO換算でNiO:20〜80wt%、Al2O3
換算でAl2O3:1〜20wt%である。また、Al2
O3の一部をY2O3等で置換した場合には、MnO換算
でMnO:20〜80wt%,NiO換算でNiO:2
0〜80wt%、Al2O3換算でAl2O3:1〜15%
wt%、Y2O3,ZrO2,ZnO,SrO換算でY2O
3,ZrO2,ZnO,SrO合計が5wt%以下の組成
範囲が望ましい。このような非磁性基板材でコンポジッ
ト型浮上式磁気ヘッドや浮上式薄膜磁気ヘッドのスライ
ダ−を構成し、スライダ−の記録媒体対向面の浮上面側
のエアベアリング面を構成するスピネル型構造と岩塩型
構造の2相のうちの硬度の低い岩塩型構造の1相を選択
的に除去して、凹凸状の段差を形成して対CSS特性の
良好な浮上式磁気ヘッドを得ることができる。
【0006】このような構成のスライダ−を得るために
は、所定組成の基板材の素材を粗加工したスライダ−に
磁気ヘッドコアを組み込み、更に最終形状に加工してコ
ンポジット型の磁気ヘッドを作製する。また、素材を前
加工し加工面に薄膜技術で磁気回路を作製し、その後磁
気ヘッドの形状に加工して薄膜磁気ヘッドを作製する。
このようにして作製した磁気ヘッドの磁気記録媒体との
対向面エアベアリングに何らかの加工により、凹凸状の
段差が得られるようにすれば良い。このようにして、磁
気ディスクと接触する磁気ヘッドのエアベアリング面に
適度な凹凸状の段差を設け、磁気ディスクと磁気ヘッド
との吸着力を下げることにより、CSS特性を向上する
ことができる。図2に示す磁気ヘッド21が正規の停止
姿勢である時に、エアベアリング面24のうち静止状態
のディスクと接触するのは、Aの領域(ヘッドの前縁部
に設けられた傾斜部B以外の領域)である。本発明では
これらの領域A、Bのすべて、または同図Cのように一
部を上記特定の面粗さとなるように処理しても良いが、
CSS特性からみるとマスキング等を行ない、磁気ヘッ
ドコア部分を除いたAの領域を処理するのが好ましい。
は、所定組成の基板材の素材を粗加工したスライダ−に
磁気ヘッドコアを組み込み、更に最終形状に加工してコ
ンポジット型の磁気ヘッドを作製する。また、素材を前
加工し加工面に薄膜技術で磁気回路を作製し、その後磁
気ヘッドの形状に加工して薄膜磁気ヘッドを作製する。
このようにして作製した磁気ヘッドの磁気記録媒体との
対向面エアベアリングに何らかの加工により、凹凸状の
段差が得られるようにすれば良い。このようにして、磁
気ディスクと接触する磁気ヘッドのエアベアリング面に
適度な凹凸状の段差を設け、磁気ディスクと磁気ヘッド
との吸着力を下げることにより、CSS特性を向上する
ことができる。図2に示す磁気ヘッド21が正規の停止
姿勢である時に、エアベアリング面24のうち静止状態
のディスクと接触するのは、Aの領域(ヘッドの前縁部
に設けられた傾斜部B以外の領域)である。本発明では
これらの領域A、Bのすべて、または同図Cのように一
部を上記特定の面粗さとなるように処理しても良いが、
CSS特性からみるとマスキング等を行ない、磁気ヘッ
ドコア部分を除いたAの領域を処理するのが好ましい。
【0007】
【作用】本発明の非磁性基板材は、主組成のMnO、N
iOに副組成のAl2O3を含有させ、または、Al2O3
の一部をCaO,Y2O3,ZrO2,ZnO,SrOの
少なくとも一種以上で置換して、(MnO.NiO)の
岩塩型構造の第1相と(MnO.NiO)Al2O3のス
ピネル型構造、または、(MnO.NiO)Al2O3に
CaO,Y2O3,ZrO2,ZnO,SrO,の少なく
とも一種を含むスピネル型構造の第2相との2相構造に
することができる。そして、一次焼結、HIP(熱間静
水圧プレス)の製造条件を検討することにより、結晶粒
径を5〜15μm、より好ましくは8〜12μmにする
ことができる。第1相の岩塩型構造の硬度は第2相のス
ピネル型構造の硬度より低い。この岩塩型構造とスピネ
ル型構造の2相を有する非磁性基板材は、この2相間の
硬度差を利用して、表面を逆スパッタ等の加工をする事
により2相の除去量を異なえ、例えば、岩塩型構造の第
1相を凹状、スピネル型構造の第2相を凸状とした凹凸
状の段差を形成し、磁気記録媒体と磁気ヘッドとの粘着
力を下げ、CSS特性を向上させることができる。凹部
と凸部の段差量は余りにも少ないと、段差をつけた効果
が薄れるので、少なくとも30Å以上が望ましい。凸部
と凹部のピッチは5〜20μm程度に適当に分散されて
いたほうが磁気記録媒体との接触が安定になるので良
い。本発明の非磁性基板材は結晶粒径が5〜15μm、
より好ましい範囲の8〜12μmに設定できるので、対
CSS特性を向上できる凹凸付け加工が可能である。岩
塩型構造の第1相は、MnOとNiOの比率により、熱
膨張係数はおよそ120〜150×10-7/℃になる。
また、スピネル構造の第2相も、MnOとNiOの比率
により、熱膨張係数はおよそ70〜80×10-7/℃程
度である。従って、配合比を適切に選択し、その組成や
組織を好適なものにして、コンポジット型磁気ヘッドや
薄膜磁気ヘッド用の望ましい熱膨張係数を有する非磁性
基板材を得ることができる。本発明で主組成のMnOを
20〜80wt%、NiOを20〜80wt%の範囲に
限定したのは、上記範囲外では焼結性が悪くなること、
また、逆スパッタによりエアベアリング面に凹凸を形成
する際に、その凹凸の比率を適度な20〜80%前後に
設定するためである。Al2O3はスピネル型構造を生成
し易くし,結晶粒を適度なものにして、気孔率を小さく
するために含有させるものである。Al2O3の一部を置
換するCaO,Y2O3,ZrO2,ZnO,SrOも結
晶粒を適度なものにして、気孔率を小さくするのに効果
がある。添加物がAl2O3単独の場合には、その含有量
は重量%で1〜20wt%、Al2O3の一部をCaO,
Y2O3,ZrO2,ZnO,SrO等で置換した場合に
は、Al2O3の含有量は1〜15wt%、その他の置換
物の合計の含有量は5wt%以下が焼結性を高め、気孔
率を小さくするのに効果がある。
iOに副組成のAl2O3を含有させ、または、Al2O3
の一部をCaO,Y2O3,ZrO2,ZnO,SrOの
少なくとも一種以上で置換して、(MnO.NiO)の
岩塩型構造の第1相と(MnO.NiO)Al2O3のス
ピネル型構造、または、(MnO.NiO)Al2O3に
CaO,Y2O3,ZrO2,ZnO,SrO,の少なく
とも一種を含むスピネル型構造の第2相との2相構造に
することができる。そして、一次焼結、HIP(熱間静
水圧プレス)の製造条件を検討することにより、結晶粒
径を5〜15μm、より好ましくは8〜12μmにする
ことができる。第1相の岩塩型構造の硬度は第2相のス
ピネル型構造の硬度より低い。この岩塩型構造とスピネ
ル型構造の2相を有する非磁性基板材は、この2相間の
硬度差を利用して、表面を逆スパッタ等の加工をする事
により2相の除去量を異なえ、例えば、岩塩型構造の第
1相を凹状、スピネル型構造の第2相を凸状とした凹凸
状の段差を形成し、磁気記録媒体と磁気ヘッドとの粘着
力を下げ、CSS特性を向上させることができる。凹部
と凸部の段差量は余りにも少ないと、段差をつけた効果
が薄れるので、少なくとも30Å以上が望ましい。凸部
と凹部のピッチは5〜20μm程度に適当に分散されて
いたほうが磁気記録媒体との接触が安定になるので良
い。本発明の非磁性基板材は結晶粒径が5〜15μm、
より好ましい範囲の8〜12μmに設定できるので、対
CSS特性を向上できる凹凸付け加工が可能である。岩
塩型構造の第1相は、MnOとNiOの比率により、熱
膨張係数はおよそ120〜150×10-7/℃になる。
また、スピネル構造の第2相も、MnOとNiOの比率
により、熱膨張係数はおよそ70〜80×10-7/℃程
度である。従って、配合比を適切に選択し、その組成や
組織を好適なものにして、コンポジット型磁気ヘッドや
薄膜磁気ヘッド用の望ましい熱膨張係数を有する非磁性
基板材を得ることができる。本発明で主組成のMnOを
20〜80wt%、NiOを20〜80wt%の範囲に
限定したのは、上記範囲外では焼結性が悪くなること、
また、逆スパッタによりエアベアリング面に凹凸を形成
する際に、その凹凸の比率を適度な20〜80%前後に
設定するためである。Al2O3はスピネル型構造を生成
し易くし,結晶粒を適度なものにして、気孔率を小さく
するために含有させるものである。Al2O3の一部を置
換するCaO,Y2O3,ZrO2,ZnO,SrOも結
晶粒を適度なものにして、気孔率を小さくするのに効果
がある。添加物がAl2O3単独の場合には、その含有量
は重量%で1〜20wt%、Al2O3の一部をCaO,
Y2O3,ZrO2,ZnO,SrO等で置換した場合に
は、Al2O3の含有量は1〜15wt%、その他の置換
物の合計の含有量は5wt%以下が焼結性を高め、気孔
率を小さくするのに効果がある。
【0008】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて詳細に説明す
る。 (実施例1)MnOとNiOの主組成をAl2O3、Ca
O、 Y2O3、ZrO2、ZnO、SrOの副組成の含
有量を変えて、基板材における( MnO.NiO )
の岩塩型構造と( MnO.NiO ) Al2O3にC
aO、 Y2O3、ZrO2、ZnO、SrOを含むスピ
ネル型構造の2相構造の非磁性基板材を製造した。製造
の工程は次の通りであるが、一次焼結温度かHIP温度
のどちらかを高くして同じ組成でも粒径を大きくするこ
とに留意した。市販の試薬特級MnCO3、 NiOと
を秤量し、純水を加えてボールミル中で24時間粉砕し
た後、N2雰囲気中で800〜1000℃×4Hrの仮
焼を行い、 MnOとNiOとからなる( MnO.N
iO )を作製した。次いでこの( MnO.NiO)
を粉砕し、 Al2O3、CaO、 Y2O3、ZrO2、
ZnO、SrOを添加含有させて湿式粉砕を行った。次
にこれを60×30×13(mm)のブロック状に3t
on/cm2の圧力で成形し、一次焼結( N2雰囲気中
で1250℃〜1550℃×6Hr )を行なった後、
1000atmでHIP処理( Ar雰囲気中で125
0℃〜1450℃×1Hr )を行ない非磁性基板材を
得た。この一次焼結温度の1250℃〜1550℃、H
IP処理温度の1250℃〜1450℃は、平均結晶粒
径3〜4μmの非磁性基板材の製造条件一次焼結温度M
ax.1300℃、HIP処理温度のmax.1250
℃に比較して高い処理温度となっている。図10に組成
がMnO:51wt%、NiO:36wt%、Al
2O3:13wt%の非磁性基板材の結晶粒径に及ぼす一
次焼結温度とHIP温度の相互の関係を示す。従来の温
度条件では平均結晶粒径は3〜4μmが限界であるが、
一次焼結温度、または、HIP温度のどちらかを従来よ
り高くすることにより、最大平均結晶粒径を12μmま
でに大きくすることが可能である。また、 MnO:3
9wt%、NiO:59wt%、 Al2O3:2wt%
の組成では最大平均結晶粒径を15μmにまで成長させ
ることができる。更に処理温度を上げていくことにより
平均結晶粒は大きくできるが、15μmを越えると焼結
性が悪くなり、組成が荒れて非磁性基板材としては好ま
しくない。表1に本発明と従来の非磁性基板材の一次焼
結温度とHIP温度条件の違いによる平均結晶粒径の比
較を示す。どちらかの処理温度を高くする事によって結
晶粒の成長を促進し、同じ組成、添加物の含有量でも粒
径を大きくすることができる。本発明の非磁性基板材
は、この処理温度条件を変えることにより、組成や非磁
性基板材の熱膨張係数、硬度を適宜なものにすることが
容易となる利点も有している。
る。 (実施例1)MnOとNiOの主組成をAl2O3、Ca
O、 Y2O3、ZrO2、ZnO、SrOの副組成の含
有量を変えて、基板材における( MnO.NiO )
の岩塩型構造と( MnO.NiO ) Al2O3にC
aO、 Y2O3、ZrO2、ZnO、SrOを含むスピ
ネル型構造の2相構造の非磁性基板材を製造した。製造
の工程は次の通りであるが、一次焼結温度かHIP温度
のどちらかを高くして同じ組成でも粒径を大きくするこ
とに留意した。市販の試薬特級MnCO3、 NiOと
を秤量し、純水を加えてボールミル中で24時間粉砕し
た後、N2雰囲気中で800〜1000℃×4Hrの仮
焼を行い、 MnOとNiOとからなる( MnO.N
iO )を作製した。次いでこの( MnO.NiO)
を粉砕し、 Al2O3、CaO、 Y2O3、ZrO2、
ZnO、SrOを添加含有させて湿式粉砕を行った。次
にこれを60×30×13(mm)のブロック状に3t
on/cm2の圧力で成形し、一次焼結( N2雰囲気中
で1250℃〜1550℃×6Hr )を行なった後、
1000atmでHIP処理( Ar雰囲気中で125
0℃〜1450℃×1Hr )を行ない非磁性基板材を
得た。この一次焼結温度の1250℃〜1550℃、H
IP処理温度の1250℃〜1450℃は、平均結晶粒
径3〜4μmの非磁性基板材の製造条件一次焼結温度M
ax.1300℃、HIP処理温度のmax.1250
℃に比較して高い処理温度となっている。図10に組成
がMnO:51wt%、NiO:36wt%、Al
2O3:13wt%の非磁性基板材の結晶粒径に及ぼす一
次焼結温度とHIP温度の相互の関係を示す。従来の温
度条件では平均結晶粒径は3〜4μmが限界であるが、
一次焼結温度、または、HIP温度のどちらかを従来よ
り高くすることにより、最大平均結晶粒径を12μmま
でに大きくすることが可能である。また、 MnO:3
9wt%、NiO:59wt%、 Al2O3:2wt%
の組成では最大平均結晶粒径を15μmにまで成長させ
ることができる。更に処理温度を上げていくことにより
平均結晶粒は大きくできるが、15μmを越えると焼結
性が悪くなり、組成が荒れて非磁性基板材としては好ま
しくない。表1に本発明と従来の非磁性基板材の一次焼
結温度とHIP温度条件の違いによる平均結晶粒径の比
較を示す。どちらかの処理温度を高くする事によって結
晶粒の成長を促進し、同じ組成、添加物の含有量でも粒
径を大きくすることができる。本発明の非磁性基板材
は、この処理温度条件を変えることにより、組成や非磁
性基板材の熱膨張係数、硬度を適宜なものにすることが
容易となる利点も有している。
【表1】 次に主組成のMnOとNiO組成を変え、副組成のAl
2O3、及び、Al2O3の一部をCaO、 Y2O3、Zr
O2、ZnO、SrOで置換したときの、粒径、熱膨張
係数、硬度、焼結状態を確認した。その結果を表2に示
す。尚、Co、SiO2等の上記以外の成分は1%以下
であれば特性には特に影響を与えないので含んでいても
良い。熱膨張係数から、同表の実施例1〜3はFe−A
l−Si系磁性薄膜を用いた薄膜磁気ヘッド、実施例6
〜12はアモルファス磁性薄膜を用いた薄膜磁気ヘッ
ド、及び、コンポジット型磁気ヘッドのスライダーに適
するものである。
2O3、及び、Al2O3の一部をCaO、 Y2O3、Zr
O2、ZnO、SrOで置換したときの、粒径、熱膨張
係数、硬度、焼結状態を確認した。その結果を表2に示
す。尚、Co、SiO2等の上記以外の成分は1%以下
であれば特性には特に影響を与えないので含んでいても
良い。熱膨張係数から、同表の実施例1〜3はFe−A
l−Si系磁性薄膜を用いた薄膜磁気ヘッド、実施例6
〜12はアモルファス磁性薄膜を用いた薄膜磁気ヘッ
ド、及び、コンポジット型磁気ヘッドのスライダーに適
するものである。
【表2】 (比較例4:割れ発生、比較例5:気孔多い) また、硬度Hvはいずれも800kg/mm2以下で、ス
ライダー用の非磁性基板材として、適切な硬度を有して
いる。また、平均結晶粒径も5〜15μmであり、組織
も顕微鏡により観察したところ主として岩塩型構造とス
ピネル型構造の2相構造を有していることが認められ、
逆スパッタ等により例えば硬度の低い岩塩型構造を除去
して、好ましいピッチの凸凹付けが可能である。しか
し、比較例1〜5に示すように、一次焼結やHIPの処
理温度が適切でないものは結晶粒が小さく、MnOとN
iOが80wt%を越え、20wt%未満のものは、気
孔が多かったり、割れが発生したりして焼結性が悪く実
用に共し得ないものであった。図11は逆スパッタ処理
した組織を示す写真である。岩塩型構造が逆スパッタで
より深く除去されて凹状に、スピネル型構造は比較的除
去量が少なく凸状に残っている状況が確認できる。凸凹
の境界は影状の近傍にあり、結晶粒の粒界に沿っている
ものが多い。図3は本発明と比較例の組織を示す顕微鏡
の組織写真である。同図において(a)は本発明材の平
均結晶粒径が8〜12μm、(b)は平均結晶粒径が3
〜4μmの組織写真である。白色の部分が岩塩型、灰色
がスピネル型構造を示す。本発明の非磁性基板材はJI
S−C−2563に準じて算出したところ、平均粒径は
5〜15μm、より好ましい8〜12μmで適切な凹凸
付け処理をするのに適していることが判る。尚、 JI
S−C−2563による平均粒径の定義は次式によるも
のである。 D=1/N×L/n×1000(μm) ここで、D:平均結晶粒径 N:顕微鏡の倍率 L:直線の長さ n:直線により切断される粒子数
ライダー用の非磁性基板材として、適切な硬度を有して
いる。また、平均結晶粒径も5〜15μmであり、組織
も顕微鏡により観察したところ主として岩塩型構造とス
ピネル型構造の2相構造を有していることが認められ、
逆スパッタ等により例えば硬度の低い岩塩型構造を除去
して、好ましいピッチの凸凹付けが可能である。しか
し、比較例1〜5に示すように、一次焼結やHIPの処
理温度が適切でないものは結晶粒が小さく、MnOとN
iOが80wt%を越え、20wt%未満のものは、気
孔が多かったり、割れが発生したりして焼結性が悪く実
用に共し得ないものであった。図11は逆スパッタ処理
した組織を示す写真である。岩塩型構造が逆スパッタで
より深く除去されて凹状に、スピネル型構造は比較的除
去量が少なく凸状に残っている状況が確認できる。凸凹
の境界は影状の近傍にあり、結晶粒の粒界に沿っている
ものが多い。図3は本発明と比較例の組織を示す顕微鏡
の組織写真である。同図において(a)は本発明材の平
均結晶粒径が8〜12μm、(b)は平均結晶粒径が3
〜4μmの組織写真である。白色の部分が岩塩型、灰色
がスピネル型構造を示す。本発明の非磁性基板材はJI
S−C−2563に準じて算出したところ、平均粒径は
5〜15μm、より好ましい8〜12μmで適切な凹凸
付け処理をするのに適していることが判る。尚、 JI
S−C−2563による平均粒径の定義は次式によるも
のである。 D=1/N×L/n×1000(μm) ここで、D:平均結晶粒径 N:顕微鏡の倍率 L:直線の長さ n:直線により切断される粒子数
【0010】(実施例2)(MnO.NiO)の岩塩型構造
と(MnO.NiO)Al2O3にCaO,Y2O3,ZrO
2,ZnO,SrOを含むのスピネル型構造の二つの相
を持つ基板材でスライダ−を構成し、Mn−Zn単結晶
フェライトコアにFe−Al−Si系の金属磁性薄膜を
成膜した磁気ヘッドコアをスライダ−に装着しコンポジ
ット型の磁気ヘッドを作製した。図1に示すように逆ス
パッタ法により、その磁気ヘッドのスライダ−のディス
ク対向面のエアベアリングに凹凸状の段差形状を形成し
た。逆スパッタ法は、スパッタ装置による逆スパッタ状
態を用いて加工する方法である。通常のスパッタが不活
性ガス、例えば、所定のガス圧のArガス雰囲気の中
で、高電圧をかけArガスをイオン化して、ターゲット
表面に衝突させ、その際に飛び出したターゲット粒子を
他の基板上に付着させ、膜形成していくのに対し、逆ス
パッタでは磁気ヘッド表面に、イオン化した不活性ガス
を衝突させて、ヘッド表面の原子を除去する。スライダ
−を形成している各相は、イオン化したガスが衝突する
ことで、その表面が除去されてゆくが、各相で原子の結
合エネルギーに差があり、表面を除去するのに必要なエ
ネルギーも異なるため、このような除去過程で、相ごと
に除去量に差を生じ、結果として、各相間で微少な高さ
の段差を作るようになる。また、この加工は原子状態で
の加工で、時間によって微少な段差から比較的大きな段
差まで制御する事が可能な手段でもある。また、逆スパ
ッタ時には、不要箇所をマスクし、必要箇所のみを逆ス
パッタ処理しても良い。また、凹凸状の段差形状を形成
するには、必ずしも逆スパッタに限定されるものではな
く、イオンミ−リングや、化学的エッチング処理を用い
ても良い。
と(MnO.NiO)Al2O3にCaO,Y2O3,ZrO
2,ZnO,SrOを含むのスピネル型構造の二つの相
を持つ基板材でスライダ−を構成し、Mn−Zn単結晶
フェライトコアにFe−Al−Si系の金属磁性薄膜を
成膜した磁気ヘッドコアをスライダ−に装着しコンポジ
ット型の磁気ヘッドを作製した。図1に示すように逆ス
パッタ法により、その磁気ヘッドのスライダ−のディス
ク対向面のエアベアリングに凹凸状の段差形状を形成し
た。逆スパッタ法は、スパッタ装置による逆スパッタ状
態を用いて加工する方法である。通常のスパッタが不活
性ガス、例えば、所定のガス圧のArガス雰囲気の中
で、高電圧をかけArガスをイオン化して、ターゲット
表面に衝突させ、その際に飛び出したターゲット粒子を
他の基板上に付着させ、膜形成していくのに対し、逆ス
パッタでは磁気ヘッド表面に、イオン化した不活性ガス
を衝突させて、ヘッド表面の原子を除去する。スライダ
−を形成している各相は、イオン化したガスが衝突する
ことで、その表面が除去されてゆくが、各相で原子の結
合エネルギーに差があり、表面を除去するのに必要なエ
ネルギーも異なるため、このような除去過程で、相ごと
に除去量に差を生じ、結果として、各相間で微少な高さ
の段差を作るようになる。また、この加工は原子状態で
の加工で、時間によって微少な段差から比較的大きな段
差まで制御する事が可能な手段でもある。また、逆スパ
ッタ時には、不要箇所をマスクし、必要箇所のみを逆ス
パッタ処理しても良い。また、凹凸状の段差形状を形成
するには、必ずしも逆スパッタに限定されるものではな
く、イオンミ−リングや、化学的エッチング処理を用い
ても良い。
【0011】逆スパッタにより凹凸状の段差形状を形成
したベアリング面ではスピネル構造の凸状の山と岩塩型
構造の凹状の谷とが交互に現れ、かつ山と谷との間は高
さが急激に変化する部分(崖)となっている。この崖の
部分は岩塩型構造の相とスピネル構造の相の境界に沿っ
て延在している。このように山と谷とが適度な段差を有
し、かつ適度なピッチで繰り返されることにより、ヘッ
ドとディスクとのスティッキング(粘着)現象が防止な
いし緩和されるようになる。また、この崖の部分が相境
界に沿って延在する事により、ディスクのCSS損傷を
防ぐものと考えられる。即ち、崖部分が相境界に沿って
延在するので、この崖の部分では実質的に単相と同等の
性質を有する。このように処理したスライダ−のベアリ
ング面は、略、凸部のみが磁気記録媒体対向面に停止時
(非駆動時)には接触する事になる。摩耗し易い、柔ら
かい相の殆どは凹部を形成し磁気記録媒体に接触しない
ことになる。磁気ヘッドと磁気記録媒体とが起動・停止
(CSS)が繰り返される時に、摩耗によるゴミの発生
が減少し、スティッキング防止に役立つものと考えられ
る。図4は本発明の平均結晶粒径が8〜12μm、図5
は平均結晶粒径が5〜7μm、図6は比較例の平均結晶
粒が3〜4μmの非磁性基板材で構成したスライダ−の
逆スパッタしたエアベアリング面をHIPOSSで処理
した粗さ曲線を示す図である。本発明材は比較例に対し
凹凸の山と谷の平均深さの差、山と谷の繰返しの平均ピ
ッチが好ましい状態にあるが、特に平均結晶粒径が8〜
12μmのものはとくに良好でディスク面との抵抗が小
さくなる。3〜4μmのものは細かな傷を付けただけの
状態に類似しており、CSS特性の向上には効果がな
い。また、図2に示す磁気ヘッド21のエアベアリング
面24がスピネル相のみで構成された場合は、適度な凹
凸状の段差を形成することが困難であり、且つ、磁気記
録媒体に接触する面積が多くなり、CSS時の摺動抵抗
(摩擦抵抗)が増加し、装置の寿命に影響を及ぼすこと
になる。磁気ヘッド2のエアベアリング部24が岩塩型
構造相のみで構成された場合には、スピネル型構造単相
の場合と同様に適度に凹凸状の段差を形成することが困
難であり、磁気記録媒体に接触する面積が多くなり、ス
ピネル相の混合割合が少ないと、ベアリング面24での
凸部の面積割合が少なく、装置停止時の着地安定性が悪
くなり、停止時に磁気記録媒体と浮動型磁気ヘッドとで
スティッキングをおこし易くなる。このようなことか
ら、岩塩型構造の相が磁気ヘッド21のエアベアリング
面24にしめる面積割合は20〜80%前後が望まし
い。尚、逆スパッタ法によってベアリング面を処理する
場合、ベアリング面またはその一部分のうねりの振幅
を、触針式粗さ計による粗さ曲面で測定して、50〜1
50Å程度になるように仕上げるのが望ましい。図1は
薄膜型磁気ヘッド11のスライダ−12のベアアリング
13に、逆スパッタにより凹凸状の段差を形成した薄膜
型磁気ヘッドの斜視図であり、コンポジット型の磁気ヘ
ッドと同様の好ましい凹凸付けが可能な結果が得られ
た。
したベアリング面ではスピネル構造の凸状の山と岩塩型
構造の凹状の谷とが交互に現れ、かつ山と谷との間は高
さが急激に変化する部分(崖)となっている。この崖の
部分は岩塩型構造の相とスピネル構造の相の境界に沿っ
て延在している。このように山と谷とが適度な段差を有
し、かつ適度なピッチで繰り返されることにより、ヘッ
ドとディスクとのスティッキング(粘着)現象が防止な
いし緩和されるようになる。また、この崖の部分が相境
界に沿って延在する事により、ディスクのCSS損傷を
防ぐものと考えられる。即ち、崖部分が相境界に沿って
延在するので、この崖の部分では実質的に単相と同等の
性質を有する。このように処理したスライダ−のベアリ
ング面は、略、凸部のみが磁気記録媒体対向面に停止時
(非駆動時)には接触する事になる。摩耗し易い、柔ら
かい相の殆どは凹部を形成し磁気記録媒体に接触しない
ことになる。磁気ヘッドと磁気記録媒体とが起動・停止
(CSS)が繰り返される時に、摩耗によるゴミの発生
が減少し、スティッキング防止に役立つものと考えられ
る。図4は本発明の平均結晶粒径が8〜12μm、図5
は平均結晶粒径が5〜7μm、図6は比較例の平均結晶
粒が3〜4μmの非磁性基板材で構成したスライダ−の
逆スパッタしたエアベアリング面をHIPOSSで処理
した粗さ曲線を示す図である。本発明材は比較例に対し
凹凸の山と谷の平均深さの差、山と谷の繰返しの平均ピ
ッチが好ましい状態にあるが、特に平均結晶粒径が8〜
12μmのものはとくに良好でディスク面との抵抗が小
さくなる。3〜4μmのものは細かな傷を付けただけの
状態に類似しており、CSS特性の向上には効果がな
い。また、図2に示す磁気ヘッド21のエアベアリング
面24がスピネル相のみで構成された場合は、適度な凹
凸状の段差を形成することが困難であり、且つ、磁気記
録媒体に接触する面積が多くなり、CSS時の摺動抵抗
(摩擦抵抗)が増加し、装置の寿命に影響を及ぼすこと
になる。磁気ヘッド2のエアベアリング部24が岩塩型
構造相のみで構成された場合には、スピネル型構造単相
の場合と同様に適度に凹凸状の段差を形成することが困
難であり、磁気記録媒体に接触する面積が多くなり、ス
ピネル相の混合割合が少ないと、ベアリング面24での
凸部の面積割合が少なく、装置停止時の着地安定性が悪
くなり、停止時に磁気記録媒体と浮動型磁気ヘッドとで
スティッキングをおこし易くなる。このようなことか
ら、岩塩型構造の相が磁気ヘッド21のエアベアリング
面24にしめる面積割合は20〜80%前後が望まし
い。尚、逆スパッタ法によってベアリング面を処理する
場合、ベアリング面またはその一部分のうねりの振幅
を、触針式粗さ計による粗さ曲面で測定して、50〜1
50Å程度になるように仕上げるのが望ましい。図1は
薄膜型磁気ヘッド11のスライダ−12のベアアリング
13に、逆スパッタにより凹凸状の段差を形成した薄膜
型磁気ヘッドの斜視図であり、コンポジット型の磁気ヘ
ッドと同様の好ましい凹凸付けが可能な結果が得られ
た。
【0012】(実施例3)岩塩型構造とスピネル型構造
の2相構造を有する基板材料用い、逆スパッタ処理を行
ない、エアベアリングに適度な凹凸を設けた磁気ヘッド
を用いてCSS特性の比較をおこなった。CSS特性試
験は、デイスク3.5インチハ−ドディスク(基板:ア
ルミニウム、下地:Cr、磁性膜:Co−Cr−Taス
パッタ膜、周速9.4m/secの条件でおこなった。
評価は静止した磁気ディスク上に磁気ヘッドをジンバル
で約9.5g−fの力で押しつけておき、磁気ディスク
回転を開始するのに要する力(トルク)を測定して、こ
れを摩擦係数に換算しておこなった。摩擦係数は1.0
以下、好ましくは0.7以下が望ましい。その結果を図
7に示す。図7に示すように本発明の2相構造を持ち、
平均結晶粒径が8〜12μm、5〜7μm非磁性基板材
の基板材料を用いたNO.1、NO.2の磁気ヘッド
は、CSS回数が80,000回を越えてもその摩擦は
0.7以下である。比較例の結晶粒径が3〜4μmのN
O.3の磁気ヘッドは、CSS回数80,000回で好
ましい範囲の0.7を越えてしまう。
の2相構造を有する基板材料用い、逆スパッタ処理を行
ない、エアベアリングに適度な凹凸を設けた磁気ヘッド
を用いてCSS特性の比較をおこなった。CSS特性試
験は、デイスク3.5インチハ−ドディスク(基板:ア
ルミニウム、下地:Cr、磁性膜:Co−Cr−Taス
パッタ膜、周速9.4m/secの条件でおこなった。
評価は静止した磁気ディスク上に磁気ヘッドをジンバル
で約9.5g−fの力で押しつけておき、磁気ディスク
回転を開始するのに要する力(トルク)を測定して、こ
れを摩擦係数に換算しておこなった。摩擦係数は1.0
以下、好ましくは0.7以下が望ましい。その結果を図
7に示す。図7に示すように本発明の2相構造を持ち、
平均結晶粒径が8〜12μm、5〜7μm非磁性基板材
の基板材料を用いたNO.1、NO.2の磁気ヘッド
は、CSS回数が80,000回を越えてもその摩擦は
0.7以下である。比較例の結晶粒径が3〜4μmのN
O.3の磁気ヘッドは、CSS回数80,000回で好
ましい範囲の0.7を越えてしまう。
【0013】
【発明の効果】本発明によれば、従来の浮動型磁気ヘッ
ドの最大の課題であったCSS特性において、2相混合
相で平均結晶粒径が5〜15μmの非磁性基板材を用い
てスライダーを作製し、かつ2相のうち1相を選択的に
除去し、磁気記録媒体の磁気ヘッドの対向面であるエア
ベアリング面に凹凸状の段差を形成し、CSS特性を大
幅に向上することができた。
ドの最大の課題であったCSS特性において、2相混合
相で平均結晶粒径が5〜15μmの非磁性基板材を用い
てスライダーを作製し、かつ2相のうち1相を選択的に
除去し、磁気記録媒体の磁気ヘッドの対向面であるエア
ベアリング面に凹凸状の段差を形成し、CSS特性を大
幅に向上することができた。
【図1】本発明の一例である浮上式薄膜磁気ヘッドを示
す斜視図である。
す斜視図である。
【図2】本発明の一例であるコンポジット型浮上式磁気
ヘッドを示す斜視図である。
ヘッドを示す斜視図である。
【図3】本発明と比較例のセラミックス材料の組織写真
である。
である。
【図4】本発明の平均粒径が8〜12μmの基板材を用
いたスライダ−の逆スパッタしたエアベアリングをHI
POSSで測定した粗さ曲線を示す図である。
いたスライダ−の逆スパッタしたエアベアリングをHI
POSSで測定した粗さ曲線を示す図である。
【図5】本発明の平均粒径が5〜7μmの基板材を用い
たスライダ−の逆スパッタしたエアベアリングをHIP
OSSで測定した粗さ曲線を示す図である。
たスライダ−の逆スパッタしたエアベアリングをHIP
OSSで測定した粗さ曲線を示す図である。
【図6】従来の平均粒径が3〜4μmの基板材を用いた
スライダ−の逆スパッタしたエアベアリングをHIPO
SSで測定した粗さ曲線を示す図である。
スライダ−の逆スパッタしたエアベアリングをHIPO
SSで測定した粗さ曲線を示す図である。
【図7】本発明と比較例のCSS特性試験結果を示す図
である。
である。
【図8】モノリシック型の浮上式磁気ヘッドを示す斜視
図である。
図である。
【図9】テクスチャ−加工した磁気ディスクをHIPO
SSで測定した粗さ曲線を示す図である。
SSで測定した粗さ曲線を示す図である。
【図10】一次焼結温度とHIP温度と平均結晶粒径の
関係を示す図である。
関係を示す図である。
【図11】逆スパッタ処理した本発明の2相構造のセラ
ミックス材料の組織写真である。
ミックス材料の組織写真である。
11 薄膜磁気ヘッド 12 スライダ− 13 エアベアリング 14 電磁変換部 21 コンポジット型浮上式磁気ヘッド 22 スライダ− 23 磁気ヘッドコア 24 エアベアリング 25 スリット 26 モ−ルドガラス
Claims (9)
- 【請求項1】 主組成のMnO、NiOと副組成のAl
2O3を含有する非磁性基板材であって、その組織が、 (MnO.NiO)の岩塩型構造と(Mn
O.NiO)Al2O3のスピネル型構造との2相構造か
らなり、平均結晶粒径が5〜15μmである磁気ヘッド
用非磁性基板材。 - 【請求項2】 副組成のAl2O3の一部をCaO、Y2
O3、ZrO2、ZnO、SrOの少なくとも一種以上で
置換した非磁性基板材であって、その組織が、(Mn
O.NiO)の岩塩型構造と(MnO.NiO)Al2
O3にCaO、Y2O3、ZrO2、ZnO、SrOの少な
くとも一種以上を含むスピネル型構造との2相構造から
なり、平均結晶粒径が5〜15μmである磁気ヘッド用
非磁性基板材。 - 【請求項3】 平均結晶粒径が8〜12μmである請求
項1、または、2に記載の磁気ヘッド用非磁性基板材。 - 【請求項4】 MnO換算でMnO:20〜80wt
%、NiO換算でNiO:20〜80wt%、Al2O3
換算でAl2O3:1〜20wt%、であり、全てを加え
て100wt%である請求項1、または、3記載の非磁
性基板材。 - 【請求項5】 MnO換算でMnO:20〜80wt
%、NiO換算でNiO:20〜80wt%、Al2O3
換算でAl2O3:1〜15wt%、 Y2O3、Zr
O2、ZnO、SrO換算でY2O3、ZrO2、ZnO、
SrO合計が5wt%以下であり、全てを加えて100
wt%である請求項2、または、3記載の非磁性基板
材。 - 【請求項6】 請求項1ないし5の何れかに記載の磁気
ヘッド用非磁性基板材をスライダーに用いたコンポジッ
ト型浮上式磁気ヘッド。 - 【請求項7】 請求項1ないし5の何れかに記載の磁気
ヘッド用非磁性基板材をスライダーに用いた浮上式薄膜
磁気ヘッド。 - 【請求項8】 スライダーの記録媒体対向面の浮上面側
のエアベアリング面を構成する2相のうちの1相が選択
的に除去され、凹凸状の段差を有するスライダーを用い
た請求項6に記載のコンポジット型浮上式磁気ヘッド。 - 【請求項9】 スライダーの記録媒体対向面の浮上面側
のエアベアリング面を構成する2相のうちの1相が選択
的に除去され、凹凸状の段差を有するスライダーを用い
た請求項7に記載の浮上式薄膜磁気ヘッド。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4113090A JP2760921B2 (ja) | 1992-04-06 | 1992-04-06 | 非磁性基板材及び磁気ヘッド |
US08/041,056 US5347412A (en) | 1992-04-06 | 1993-03-31 | Floating magnetic head |
GB9307200A GB2265999B (en) | 1992-04-06 | 1993-04-06 | Floating magnetic head |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4113090A JP2760921B2 (ja) | 1992-04-06 | 1992-04-06 | 非磁性基板材及び磁気ヘッド |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05290347A JPH05290347A (ja) | 1993-11-05 |
JP2760921B2 true JP2760921B2 (ja) | 1998-06-04 |
Family
ID=14603231
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4113090A Expired - Lifetime JP2760921B2 (ja) | 1992-04-06 | 1992-04-06 | 非磁性基板材及び磁気ヘッド |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US5347412A (ja) |
JP (1) | JP2760921B2 (ja) |
GB (1) | GB2265999B (ja) |
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---|---|---|---|---|
JP2500479B2 (ja) * | 1993-04-22 | 1996-05-29 | ティーディーケイ株式会社 | 磁気ヘッド装置用スライダ及び該スライダの製造方法 |
US6330131B1 (en) * | 1993-09-17 | 2001-12-11 | Read-Rite Corporation | Reduced stiction air bearing slider |
US5476691A (en) * | 1994-01-21 | 1995-12-19 | International Business Machines, Inc. | Surface treatment of magnetic recording heads |
WO1995019884A1 (en) * | 1994-01-21 | 1995-07-27 | The Regents Of The Universtiy Of California | Surface treatment of ceramic articles |
US5757591A (en) | 1996-11-25 | 1998-05-26 | International Business Machines Corporation | Magnetoresistive read/inductive write magnetic head assembly fabricated with silicon on hard insulator for improved durability and electrostatic discharge protection and method for manufacturing same |
JPH10172125A (ja) * | 1996-12-09 | 1998-06-26 | Alps Electric Co Ltd | 磁気ヘッド、この磁気ヘッドを備えた磁気記録再生装置および磁気ヘッドの製造方法 |
US5967880A (en) * | 1997-01-03 | 1999-10-19 | International Business Machines Corporation | Method and apparatus for ultrasonically texturing ABS of magnetic head of hard disk drive |
JP3466041B2 (ja) | 1997-03-03 | 2003-11-10 | アルプス電気株式会社 | 磁気ヘッドおよびその製造方法 |
CN1267897C (zh) | 2000-10-13 | 2006-08-02 | 西加特技术有限责任公司 | 具有带纹理的垫片的磁盘驱动器浮动块 |
US6785083B2 (en) | 2001-04-23 | 2004-08-31 | Seagate Technology Llc | Application of reduced bias levels to disc drive read elements during periods of inactivity |
US6836389B2 (en) * | 2002-09-27 | 2004-12-28 | Seagate Technology Llc | Slider basecoat for thermal PTR reduction |
JP2004334995A (ja) * | 2003-05-09 | 2004-11-25 | Hitachi Ltd | 薄膜磁気ヘッド |
US20110007423A1 (en) * | 2009-07-13 | 2011-01-13 | Seagate Technology Llc | Supplemental Layer to Reduce Damage from Recording Head to Recording Media Contact |
US9165584B2 (en) * | 2013-07-09 | 2015-10-20 | Seagate Technology Llc | Air bearing surface having temperature/humidity compensation feature |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JPH0719459B2 (ja) * | 1987-12-03 | 1995-03-06 | 日立金属株式会社 | 浮動型磁気ヘッド |
JPH0775207B2 (ja) * | 1988-03-15 | 1995-08-09 | 松下電器産業株式会社 | 磁気ヘッド用基板材料 |
JPH02187915A (ja) * | 1989-01-13 | 1990-07-24 | Fujitsu Ltd | 磁気ヘッドスライダ及びその製造方法 |
JPH07108811B2 (ja) * | 1989-03-17 | 1995-11-22 | 日立金属株式会社 | 磁気ヘッド用非磁性セラミックス材料 |
JPH02296765A (ja) * | 1989-05-12 | 1990-12-07 | Hitachi Metals Ltd | 非磁性基板材料 |
JPH03146456A (ja) * | 1989-10-30 | 1991-06-21 | Hitachi Metals Ltd | 非磁性基板材料 |
US5168407A (en) * | 1990-03-26 | 1992-12-01 | Nippon Mining Company, Ltd. | Flying magnetic head |
-
1992
- 1992-04-06 JP JP4113090A patent/JP2760921B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
1993
- 1993-03-31 US US08/041,056 patent/US5347412A/en not_active Expired - Fee Related
- 1993-04-06 GB GB9307200A patent/GB2265999B/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
GB9307200D0 (en) | 1993-05-26 |
GB2265999B (en) | 1995-08-30 |
JPH05290347A (ja) | 1993-11-05 |
GB2265999A (en) | 1993-10-13 |
US5347412A (en) | 1994-09-13 |
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