JP2760062B2 - 液圧倍力装置 - Google Patents

液圧倍力装置

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JP2760062B2 JP1162385A JP16238589A JP2760062B2 JP 2760062 B2 JP2760062 B2 JP 2760062B2 JP 1162385 A JP1162385 A JP 1162385A JP 16238589 A JP16238589 A JP 16238589A JP 2760062 B2 JP2760062 B2 JP 2760062B2
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明はブレーキ倍力装置等に用いられる液圧倍力装
置に関し、より詳しくは自動ブレーキ装置として使用す
ることが可能な液圧倍力装置に関する。
「従来の技術」 従来、液圧倍力装置として、ハウジングに摺動自在に
設けたパワーピストンと、上記ハウジング内でパワーピ
ストンの一端部に形成した動力室と、上記パワーピスト
ンに設けられ、入力軸に連動して作動されて流路を切り
換える弁機構と、上記弁機構を介して上記動力室と圧力
流体源とを連通させる第1供給通路と、上記弁機構を介
して上記動力室をリザーバに連通させる排出通路と、ブ
レーキペダルの踏込みに応じて上記弁機構の流路を切り
換えさせる入力軸とを備えたものが知られている。
「発明が解決しようとする課題」 上記液圧倍力装置においては、ブレーキペダルの踏込
みが解除されている通常の状態では、上記弁機構により
動力室と圧力流体源とを連通させる第1供給通路を遮断
させ、また排出通路を開放して動力室をリザーバに連通
させるようになっている。
そしてブレーキペダルを踏込んだ際には、入力軸を前
進させて弁機構の流路を切換えさせ、上記動力室とリザ
ーバとの連通を遮断させるとともに、第1供給通路を介
して動力室と圧力流体源とを連通させ、動力室内に圧力
流体を導入して所定のサーボ比でパワーピストンを前進
させるようになっていた。
したがって、従来の液圧倍力装置は、ブレーキペダル
の踏込みが解除されている通常の状態ではパワーピスト
ンが前進されることはなく、この状態で、つまりブレー
キペダルを踏込まない状態で液圧倍力装置を作動させる
ことは、全く考慮されていなかった。
「課題を解決するための手段」 本発明は上述した事情に鑑み、上述した液圧倍力装置
において、上記弁機構を介することなく上記動力室と圧
力流体源とを連通させる第2供給通路を設けるととも
に、該第2供給通路を開閉する第1開閉弁と上記排出通
路を開閉する第2開閉弁とを設け、さらに上記第1開閉
弁および第2開閉弁を開閉制御する制御装置を設け、こ
の制御装置は、上記ブレーキペダルが踏込まれずに弁機
構が動力室を排出通路に連通させている状態において、
上記第2開閉弁を閉じるとともに第1開閉弁を開いて液
圧倍力装置を作動させるようになっている。
「作用」 このような構成によれば、通常の状態では、上記制御
装置によって第1開閉弁を閉鎖するとともに第2開閉弁
を開放しておけば、第2供給通路を介して動力室に圧力
流体が供給されることがなく、しかも排出通路は開放さ
れたままなので、従来の液圧倍力装置と同一の作動を得
ることができる。
これに対し、上記制御装置によって第1開閉弁を開放
するとともに第2開閉弁を閉鎖すれば、上記第2供給通
路を介して圧力流体を動力室内に導入することができ、
しかも該動力室内に導入された圧力流体が排出通路を介
してリザーバに排出されることがないので、ブレーキペ
ダル等を踏込んで入力軸を前進させなくても、パワーピ
ストンを前進させることができる。
したがって当該液圧倍力装置を例えば自動ブレーキ装
置のアクチエータとして利用することができる。
「実施例」 以下図示実施例について本発明を説明すると、液圧倍
力装置のハウジング1はその軸部に大径孔1aを備えてお
り、該大径孔1a内にパワーピストン2の右方大径部2aを
摺動自在に嵌合している。またパワーピストン2の左方
小径部2bは、ハウジング1の左方端壁に穿設した貫通孔
1b内に防塵用のシール部材3を介して摺動自在に貫通さ
せ、その先端部に一体に形成した出力軸4を図示しない
マスタシリンダのピストンに連動させている。
上記大径孔1aの右端開口部はプラグ11によって密封し
てあり、このプラグ11は環状ナット12によってハウジン
グ1に固定している。上記プラグ11とパワーピストン2
との間は圧油が導入される動力室13としてあり、またパ
ワーピストン2の上記動力室13と反対側に形成した低圧
室14内にばね15を収容し、このばね15の弾撥力によって
通常はパワーピストン2をプラグ11に当接する非作動位
置に保持している。そして上記低圧室14は大気に連通し
ており、ハウジング1に形成した通路16は導管17を介し
てリザーバ18に連通している。
上記パワーピストン2の右端軸部には有底の段付孔を
形成してあり、該段付孔の大径孔2cを動力室13に開口さ
せている。そして上記パワーピストン2の小径孔2dと大
径孔2cとに、段付スリーブ21の小径部21aと大径部21bと
をそれぞれ嵌合し、さらにその大径部21bよりも右側の
大径孔2c内にストッパリング22とスリーブ23とを順次嵌
合し、かつ上記大径孔2cの右端部に形成した雌ねじ部に
ロックナット2を螺着してスリーブ23を固定するととも
に、該ロックナット24を図示しないポンチカシメにより
パワーピストン2に固定している。
上記段付スリーブ21の小径部21aの先端部は弁機構27
を構成する第1弁座28としてあり、該第1弁座28にその
左側から弁体29をばね30の弾撥力によって着座させると
ともに、上記小径部21aの外周面に設けたOリング等の
シール手段31によって該小径部21aの外周面と小径孔2d
の内周面との間をシールさせ、それによって弁体29を第
1弁座28に着座させた際には、第1弁座28の右側の動力
室13と左側の圧力室32との連通を完全に遮断することが
できるようにしている。
次に、上記小径孔2d内には、上記第1弁座28の左側に
第2シール手段35を設けてあり、該第2シール手段35と
第1弁座28との間を上述の圧力室32とするとともに、第
2シール手段35の左側部分にバランス室36を形成し、該
バランス室36をパワーピストン2に形成した連通孔37と
環状溝38、および段付スリーブ21に穿設した孔39を介し
て上記動力室13に連通させている。
そして上記弁体29の左側端部を第2シール手段35によ
り液密を保って摺動自在に貫通させてバランス室36に臨
ませるとともに、該弁体29のバランス室36側の受圧面積
と動力室13側の受圧面積とを実質的に同一とすることに
より、動力室13内およびバランス室36内の圧力が変動し
ても弁体29が進退変位されることがないようにしてい
る。
上記圧力室32は、パワーピストン2に形成した通路41
と、パワーピストン2の外周面に形成した環状溝42と、
ハウジング1に形成した半径方向の通路43と、さらにこ
の通路43に接続した導管44を介してアキュムレータ45に
連通し、さらにこのアキュムレータ45は逆止弁46を介し
てポンプ47に連通している。したがって本実施例におい
ては、上記弁機構27を介して圧力流体源としてのポンプ
47と動力室13とを連通する第1供給通路48は、上記導管
44、通路43、環状溝42、通路41、圧力室32によって構成
されている。
次に、前述のプラグ11には、ハウジング1の大径孔1a
と同一軸線上で貫通孔11aを穿設し、該貫通孔11a内に図
示しないブレーキペダルに連動させた入力軸49を摺動自
在に嵌合している。そして該入力軸49の先端部に半径方
向外方に伸びるフランジ部49aを形成するとともに、該
フランジ部49aの軸部に上記弁機構27を構成する環状ピ
ン50を取付けている。上記入力軸49のフランジ部49aは
上記段付スリーブ21の大径部21b内に位置しており、そ
の右側に配置した前述のストッパリング22によってパワ
ーピストン2の大径孔2c内から右方に脱落するのが防止
されている。
ところで、図示しないブレーキペダルの踏込みが解除
されている図示非作動状態では、上記入力軸49はこれと
上記段付スリーブ21との間に弾装したばね51によって右
方に付勢され、フランジ部49aがプラグ11の先端面に当
接した図示非作動位置に保持されている。
この状態では、上記環状ピン50は弁体29から離隔して
おり、該環状ピン50の軸部に形成した通路54は上記動力
室13に連通する一方、その内部に設けた騒音防止用のオ
リフィス55と、入力軸49の軸部に形成した軸方向通路56
と半径方向通路57と、上記プラグ11の貫通孔11a内の内
周面に形成した環状溝58と、プラグ11に形成した半径方
向通路59と、ハウジング1に形成した軸方向通路60と、
さらに上述の通路16および導管17とを介してリザーバ18
に連通し、それによって上記動力室13をリザーバ18に連
通させている。したがって本実施例においては、上記環
状ピン50の軸部に形成した通路54から導管17までの各通
路によって、動力室13をリザーバ18に連通させる排出通
路61が構成されている。
上述した非作動状態に対し、上記ブレーキペダルが踏
込まれて入力軸49が前進された際には、上記弁体29を環
状ピン50の先端部に形成した第2弁座64に相対的に着座
させて通路54と動力室13との連通を遮断させるととも
に、環状ピン50によって弁体29をばね30に抗して強制的
に第1弁座28から離座させることができる。
これにより上記圧力室32に導入されていた圧油は、環
状ピン50の外周と段付スリーブ21の内周との間隙を介し
て動力室13内に連通され、該動力室13内に導入された油
圧によって、従来周知の液圧倍力装置と同様に、所定の
倍力比でパワーピストン2を左方に前進させてブレーキ
作動を行わせることができる。
然して、本実施例においては、上記アキュムレータ45
よりも下流側となる導管44に別の導管65の一端を接続
し、この導管65の他端をハウジング1に形成した半径方
向通路66に接続している。この通路66はプラグ11の隣接
位置となる貫通孔1a内に開口して常時動力室13と連通し
ており、したがって本実施例では、上記通路66、導管65
および導管44によって、上記弁機構27を介することなく
直接動力室13とポンプ47とを連通する第2供給通路67を
構成している。
なお、パワーピストン2が図示非作動位置に位置して
いる状態において、上記通路66の開口がパワーピストン
2の外周部によって閉鎖されることがないように、パワ
ーピストン2の大径部2aの末端部外周に環状の切欠部2e
を形成している。
さらに、上記第2供給通路67を構成する導管65の途中
には、上流側すなわちポンプ47側に第1開閉弁68を設け
るとともに、該第1開閉弁68よりも下流側位置に圧力調
節弁69を設けている。上記第1開閉弁68は制御装置70に
よって開閉制御されるようになっており、また圧力調節
弁69は制御装置70によって設定圧力が変更されるように
なっている。他方、上記排出通路61を構成する導管17の
途中には第2開閉弁71を設けてあり、この第2開閉弁71
も上記制御装置70によって開閉制御できるようにしてい
る。
上記制御装置70には、上記第1開閉弁68および第2開
閉弁71を開閉させるための条件を検出する所要の検出器
72、例えば車両の停車状態を検出する車速検出器や、ア
クセルペダルの踏込み状態を検出するアクセル検出器、
或いは車両の傾斜状態を検出する傾斜計等を接続してあ
り、それらの検出器72からの検出信号に基づいて上記各
開閉弁68、71を開閉制御するようになっている。
以上の構成において、制御装置70は、通常の状態では
第2供給通路67に設けた第1開閉弁68を閉鎖させる一
方、排出通路61に設けた第2開閉弁71を開放させてい
る。この状態では、第2供給通路67がなく、しかも第2
開閉弁71がない従来の液圧倍力装置と同等の構成となる
ので、液圧倍力装置によって上述した従来周知の作動を
得ることができることは明らかである。
これに対し、制御装置70は、上記検出器71による検出
結果を予め記憶された条件と比較し、液圧倍力装置を自
動的に作動させる条件が成立したと判断した場合には、
上記第2供給通路67に設けた第1開閉弁68を開放すると
ともに、排出通路61に設けた第2開閉弁71を閉鎖させ
る。これにより圧力流体が第2供給通路67を介して動力
室13に導入されるので、ブレーキペダルの踏込みがなく
ても、パワーピストン2を左行させてブレーキ作動を行
わせることができる。
この際、制御装置70は圧力調節弁69の設定圧力を変更
することによって動力室13内に導入される流体圧力を、
したがってブレーキ力を調整することができ、例えば上
記車両の傾斜状態を検出する傾斜計からの信号に応じて
設定圧力を変更したり、或いは基準の流体圧力を導入し
ても車両が動きだすような場合に、その流体圧力を増大
させることができる。
次に、上記制御装置70は、上述した検出器72からの入
力に基づいて自動ブレーキ作動を解除すべき条件が成立
したと判断すると、上記第1開閉弁69を閉鎖する一方、
第2開閉弁71を開放させる。これにより、動力室13に導
入されていた圧力流体が排出通路61を介してリザーバ18
に排出されるので、ブレーキ作動が解除されるようにな
る。
「発明の効果」 以上のように、本発明によれば、ブレーキペダル等を
踏込んで入力軸を前進させなくても、制御装置によって
第1開閉弁を開放させるとともに第2開閉弁を閉鎖させ
れば、第2供給通路を介して圧力流体を動力室内に導入
することができるので、自動的に液圧倍力装置を作動さ
せることができ、したがって当該液圧倍力装置を自動ブ
レーキ装置等に利用することができるという効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の一実施例を示す断面図である。 1……ハウジング、2……パワーピストン 13……動力室、18……リザーバ 27……弁機構、47……ポンプ(圧力流体源) 48……第1供給通路、49……入力軸 61……排出通路、67……第2供給通路 68……第1開閉弁、70……制御装置 71……第2開閉弁

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジングに摺動自在に設けたパワーピス
    トンと、上記ハウジング内でパワーピストンの一端部に
    形成した動力室と、上記パワーピストンに設けられ、入
    力軸に連動して作動されて流路を切り換える弁機構と、
    上記弁機構を介して上記動力室と圧力流体源とを連通さ
    せる第1供給通路と、上記弁機構を介して上記動力室を
    リザーバに連通させる排出通路と、ブレーキペダルの踏
    込みに応じて上記弁機構の流路を切り換えさせる入力軸
    とを備えた液圧倍力装置において、 上記弁機構を介することなく上記動力室と圧力流体源と
    を連通させる第2供給通路を設けるとともに、該第2供
    給通路を開閉する第1開閉弁と上記排出通路を開閉する
    第2開閉弁とを設け、さらに上記第1開閉弁および第2
    開閉弁を開閉制御する制御装置を設け、この制御装置
    は、上記ブレーキペダルが踏込まれずに弁機構が動力室
    を排出通路に連通させている状態において、上記第2開
    閉弁を閉じるとともに第1開閉弁を開いて液圧倍力装置
    を作動させることを特徴とする液圧倍力装置。
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