JP2000335397A - マスタシリンダ - Google Patents

マスタシリンダ

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JP2000335397A
JP2000335397A JP11148073A JP14807399A JP2000335397A JP 2000335397 A JP2000335397 A JP 2000335397A JP 11148073 A JP11148073 A JP 11148073A JP 14807399 A JP14807399 A JP 14807399A JP 2000335397 A JP2000335397 A JP 2000335397A
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JP
Japan
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pressure
chamber
input shaft
master cylinder
valve
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JP11148073A
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English (en)
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Yoshiyasu Takasaki
良保 高崎
Hiroshi Mori
泰士 森
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Bosch Corp
Bosch Braking Systems Corp
Original Assignee
Bosch Braking Systems Co Ltd
Bosch Braking Systems Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60TVEHICLE BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF; BRAKE CONTROL SYSTEMS OR PARTS THEREOF, IN GENERAL; ARRANGEMENT OF BRAKING ELEMENTS ON VEHICLES IN GENERAL; PORTABLE DEVICES FOR PREVENTING UNWANTED MOVEMENT OF VEHICLES; VEHICLE MODIFICATIONS TO FACILITATE COOLING OF BRAKES
    • B60T13/00Transmitting braking action from initiating means to ultimate brake actuator with power assistance or drive; Brake systems incorporating such transmitting means, e.g. air-pressure brake systems
    • B60T13/10Transmitting braking action from initiating means to ultimate brake actuator with power assistance or drive; Brake systems incorporating such transmitting means, e.g. air-pressure brake systems with fluid assistance, drive, or release
    • B60T13/12Transmitting braking action from initiating means to ultimate brake actuator with power assistance or drive; Brake systems incorporating such transmitting means, e.g. air-pressure brake systems with fluid assistance, drive, or release the fluid being liquid
    • B60T13/16Transmitting braking action from initiating means to ultimate brake actuator with power assistance or drive; Brake systems incorporating such transmitting means, e.g. air-pressure brake systems with fluid assistance, drive, or release the fluid being liquid using pumps directly, i.e. without interposition of accumulators or reservoirs
    • B60T13/161Systems with master cylinder
    • B60T13/165Master cylinder integrated or hydraulically coupled with booster

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Transportation (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)
  • Braking Systems And Boosters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 マスタシリダン3は、ハウジング11内
にプライマリピストン12と、推力ピストン13を備え
ており、推力ピストン13のリヤ側に増圧室23を形成
している。入力軸14のフロント側の端部は増圧室23
内に位置させている。推力ピストン13に連通路13a
(排出通路28)を形成してあり、推力ピストン13と
入力軸14のフロント側の端部とにわたって連通路13
a(排出通路28)を開閉する制御弁26を設けてい
る。図示非作動状態から入力軸14が前進され、かつポ
ンプ27が作動されて、ポンプ27の吐出圧が増圧室2
3に導入されると、増圧室23に液圧が発生してこの液
圧によってプライマリピストン12が前進されて、液圧
室16に液圧が発生する。 【効果】 部品点数が少なく、構造が簡単で安価であ
り、小型化が図れるとともに、マスタシリンダ圧を所要
時に増圧して大きなブレーキ力を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマスタシリンダに関し、
より詳しくは、所要時にマスタシリンダ圧を増圧して大
きなブレーキ力を得ることのできるマスタシリンダに関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車のブレーキシステムは、負
圧や液圧等の流体圧により入力を所定の大きさに倍力し
て出力する倍力装置を備えており、この倍力装置の大き
な出力でマスタシリンダを作動させてマスタシリンダ圧
を発生させることにより、小さなブレーキペダルの踏力
で大きなブレーキ力を得ようとするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、負圧倍力装
置を備えた従来のブレーキシステムにおいては、エンジ
ンにおいて発生する負圧を利用している。しかしなが
ら、近年、エンジンの低燃費化が求められており、それ
に伴い、エンジンによって発生する負圧が低下し、その
結果、負圧倍力装置の出力が低下するようになった。そ
こで、この出力低下に対応するためには負圧倍力装置を
大型化すればよいが、大型化した負圧倍力装置は、エン
ジンルーム内に設置することが困難となる。一方、液圧
倍力装置を備えたブレーキシステムにおいては、ポンプ
やアキュムレータ等の部品が必要となるため、システム
全体のコストが高くなるという欠点が生じる。さらに、
このようなブレーキシステムにおいては、急ブレーキ時
には、通常の緩やかなブレーキ時よりもなるべく早く大
きなブレーキ力を発生させることが望ましい。しかも、
急ブレーキ時には大きなブレーキ力を発生させる必要が
ある。しかしながら、初心者等の自動車の運転に慣れて
いないドライバのなかには、ブレーキペダルを大きく踏
み込むことができず、大きなブレーキ力を発生させるこ
とができないことがある。このような場合には、運転に
慣れていないドライバであっても、確実に大きなブレー
キ力を発生させるために補助できるようにすることが望
ましい。本発明は、このような事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、部品点数が少なく、構造が簡単
で安価であり、小型化が図れ、マスタシリンダ圧を所要
時に増圧して大きなブレーキ力を得ることができるマス
タシリンダを提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、請求項1に記
載した第1の本発明は、ハウジング内に摺動自在に嵌合
されマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダピス
トンと、該マスタシリンダピストンのリヤ側に当接され
て上記ハウジング内に摺動自在に嵌合された推力ピスト
ンと、該推力ピストンのリヤ側となる上記ハウジング内
に形成された増圧室と、ブレーキ操作部材に連動して進
退動される入力軸と、所要時に上記増圧室と連通する液
圧源と、上記増圧室とリザーバとを連通し上記増圧室内
の作動液をリザーバに排出する排出通路と、上記入力軸
に連動して作動し、上記排出通路を介して上記増圧室か
らリザーバへの作動液の排出量を調整することにより入
力軸の入力に応じた液圧を上記増圧室に発生させる制御
弁とを備え、上記排出通路の上記増圧室側の開口部を上
記推力ピストンに設けるとともに、該開口部と上記入力
軸のフロント側端部とにより上記制御弁を構成したマス
タシリンダを提供するものである。次に、請求項2に記
載した第2の発明は、ハウジング内に摺動自在に嵌合さ
れマスタシリンダ圧を発生させるマスタシリンダピスト
ンと、該マスタシリンダピストンのリヤ側に当接されて
上記ハウジング内に摺動自在に嵌合された推力ピストン
と、該推力ピストンのリヤ側となる上記ハウジング内に
形成された増圧室と、ブレーキ操作部材に連動して進退
動される入力軸と、所要時に上記増圧室と連通する液圧
源と、上記増圧室とリザーバとを連通し上記増圧室内の
作動液をリザーバに排出する排出通路と、上記入力軸に
連動して作動し、上記排出通路を介して上記増圧室から
リザーバへの作動液の排出量を調整することにより入力
軸の入力に応じた液圧を上記増圧室に発生させる制御弁
とを備え、上記推力ピストンと上記入力軸を液密を保持
して摺動自在に係合させ、上記推力ピストンと上記入力
軸との間に弁室を設けるとともに、該弁室を介して上記
排出通路を形成し、上記弁室内に上記排出通路の開放、
閉鎖を行う上記制御弁を設けたマスタシリンダを提供す
るものである。さらに、請求項3に記載した第3の発明
は、ハウジング内に摺動自在に嵌合されマスタシリンダ
圧を発生させるマスタシリンダピストンと、該マスタシ
リンダピストンのリヤ側となる上記ハウジング内に形成
された増圧室と、ブレーキ操作部材に連動して進退動さ
れる入力軸と、所要時に上記増圧室と連通する液圧源
と、上記増圧室とリザーバとを連通し上記増圧室内の作
動液をリザーバに排出する排出通路と、上記入力軸に連
動して作動し、上記排出通路を介して上記増圧室からリ
ザーバへの作動液の排出量を調整することにより入力軸
の入力に応じた液圧を上記増圧室に発生させる制御弁と
を備え、上記マスタシリンダピストンと上記入力軸を液
密を保持して摺動自在に係合させ、上記マスタシリンダ
ピストンと上記入力軸との間に弁室を設けるとともに、
該弁室を介して上記排出通路を形成し、上記弁室に上記
排出通路の開放、閉鎖を行う上記制御弁を設けたマスタ
シリンダを提供するものである。
【0005】
【作用】このような構成によれば、それぞれハウジング
内に増圧室と、その増圧室内に導入される液圧源の液圧
を入力軸の入力に応じて制御する制御弁を備えており、
部品点数が少なく、構造が簡単で安価であり、小型化が
図れるともに、マスタシリンダ圧を増圧して大きなブレ
ーキ力を得ることができる。
【0006】
【実施例】以下図示実施例について本発明を説明する
と、図1において本発明に係るブレーキシステム1は、
ブレーキペダル2の踏み込みによって作動されてマスタ
シリンダ圧を発生するマスタシリンダ3と、このマスタ
シリンダ3からマスタシリンダ圧を供給されるホイール
シリンダ4と、ブレーキ液を貯溜するリザーバ5と、さ
らにマスタシリンダ3のリヤ側に設けられて所要時にマ
スタシリンダ圧を増圧する増圧手段6とを備えている。
本実施例のマスタシリンダ3はハウジング11内に設け
たプライマリピストン12および推力ピストン13を備
えるとともに、この推力ピストン13のリヤ側に設けた
入力軸14を備えている。ハウジング11は軸方向の大
径孔11Aを備えるとともに、この大径孔11Aから連
続してリヤ側の端面に開口する小径孔11Bを備えてい
る。プライマリピストン12のフロント側の外周部に第
1フランジ部12Aを形成してあり、プライマリピスト
ン12のリヤ側端部の外周部に第2フランジ部12Bを
形成している。第1フランジ部12Aに隣接するフロン
ト側の外周部に環状溝を形成してあり、この環状溝に環
状の第1カップシール15の内周部を嵌着するとともに
第1カップシール15のリヤ側の端面を第1フランジ部
12Aのフロント側の端面に密着させている。
【0007】このプライマリピストン12における両フ
ランジ部12A,12Bと第1カップシール15の外周
部をハウジング11の大径孔11Aに摺動自在に嵌合し
ている。第1カップシール15よりもフロント側となる
大径孔11Aの内部空間を液圧室16としてあり、両フ
ランジ部12A,12Bの間となる大径孔11Aの内部
空間を第1環状通路17としている。液圧室16内にブ
レーキ液が導入されており、この液圧室16は、ハウジ
ング11に形成した吐出口11aおよびそこに接続した
導管21を介して常時ホイールシリンダ4と連通してい
る。また液圧室16は、ハウジング11に形成した半径
方向通路11bを介してリザーバ5と連通できるように
なっている。増圧室17内にはばね22を配置してあ
り、このばね22を、プライマリピストン12のフロン
ト側の端面とそれに対向する大径孔11Aの端面とにわ
たって弾装している。これにより、プライマリピストン
12は常時リヤ側にむけて付勢されて推力ピストン13
と当接し、その状態のプライマリピストン12および推
力ピストン13が常時リヤ側にむけて付勢されている。
第1環状通路17は、ハウジング11に形成した半径方
向通路11cを介してリザーバ5と常時連通して大気圧
のブレーキ液が導入されている。プライマリピストン1
2の第1フランジ部12Aには、その前後を連通させる
軸方向孔12aを形成してあり、また上記第1カップシ
ール15の断面形状はコ字形に形成している。そのた
め、第1環状通路17から液圧室16へのブレーキ液の
流入が許容される一方、それとは逆の液圧室16から第
1環状通路17へのブレーキ液の流入は阻止されてい
る。
【0008】次に、推力ピストン13は、フロント側を
小径部13A、リヤ側を大径部13Bとした段付の円柱
状に形成している。この推力ピストン13の大径部13
Bを、プライマリピストン12のリヤ側となる大径孔1
1A内に摺動自在に嵌合している。この推力ピストン1
3のフロント側の端面は、上述したようにプライマリピ
ストン12のリヤ側の端面と当接している。推力ピスト
ン13よりもリヤ側となる大径孔11Aの内部空間によ
って増圧室23を構成してあり、この増圧室23内に入
力軸14のフロント側の大径部14Aを介在させてい
る。推力ピストン13の小径部13Aの外方側で、か
つ、プライマリピストン12のリヤ側端面とそれに対向
する推力ピストン13の段部端面との間の空間を第2環
状通路24としている。この第2環状通路24は、プラ
イマリピストン12の第2フランジ部12Bに形成した
軸方向孔12bを介して第1環状通路17と常時連通し
ている。これにより、半径方向通路11c、第1環状通
路17、軸方向孔12bを介してリザーバ5内のブレー
キ液が常時第2環状通路24に導入されている。
【0009】推力ピストン13の大径部13Bの外周部
には、断面がC字形をした環状の第2カップシール25
を装着して、この第2カップシール25の外周部を大径
孔11Aの内周面に密着させている。そのため、第2カ
ップシール25の外方側と大径孔11Aの内周面との間
を介して、第2環状通路24から増圧室23へブレーキ
液が流入出来るようになっており、それとは逆方向のブ
レーキ液の流れは阻止されている。このように、第2カ
ップシール25の外方側を介して第2環状通路24から
増圧室23へのブレーキ液の流れを許容することによ
り、入力軸14および推力ピストン13の前進に伴って
増圧室23の容積が増大する時に、増圧室23内にブレ
ーキ液が補給されて増圧室23内が負圧になるのを防止
している。プライマリピストン12と推力ピストン13
とは常時ばね22によってリヤ側にむけて付勢されてお
り、推力ピストン13のリヤ側の軸部に当接した状態の
入力軸14も常時リヤ側にむけて付勢されている。そし
て、ブレーキペダル2が踏み込まれていない非作動状態
では、入力軸14における大径部14Aのリヤ側の端面
14Bがハウジング11の大径孔11Aの段部端面11
d当接している。これにより、プライマリピストン1
2、推力ピストン13および入力軸14の非作動状態に
おける後退端の位置が規制されている。この非作動状態
では、第1カップシール15は、ハウジング11の半径
方向通路11bの内方側の端部よりもリヤ側に位置して
いるので、液圧室16とリザーバ5とが連通し、液圧室
16内のブレーキ液は大気圧となっている。この非作動
状態に対して、ブレーキペダル2が踏み込まれて入力軸
14が前進されると、プライマリピストン12および推
力ピストン13も前進される。すると、第1カップシー
ル15によって半径方向通路11bの内方側の端部が閉
鎖されて液圧室16とリザーバ5の連通状態が遮断され
る。これにより、液圧室16にマスタシリンダ圧が発生
し、このマスタシリンダ圧はホイールシリンダ4に作用
して制動力が得られるようになっている。
【0010】しかして、本実施例は上述した構成を前提
とした上で、所要時に増圧室23へポンプ27の吐出圧
を作用させてマスタシリンダ圧を増圧できるように構成
するとともに、この増圧室23に臨ませて設けた制御弁
26によって増圧室23内の液圧を入力に応じて制御で
きるようにしたものである。すなわち、推力ピストン1
3には、一端が小径部13Aの外周面に開口して第2環
状通路24と連通し、他端がリヤ側端面の軸部に開口し
て増圧室23と連通するL字形の連通路13aを形成し
ている。この連通路13aと、第2環状通路24と、軸
方向孔12b、第1環状通路17および半径方向通路1
1cとによって排出通路28を構成してあり、この排出
通路28を介して増圧室23とリザーバ5が連通できる
ようにしている。推力ピストン13のリヤ側の軸部に開
口した連通路13aの端部は、円錐状の弁座31として
いる。次に、入力軸14は、フロント側を大径部14A
とするとともに、フロント側の端面の軸部を半球状に突
出させて、そこを弁体32としている。この大径部14
Aおよび弁体32を増圧室23内に位置させるととも
に、弁体32を上記弁座31に対向させている。この弁
体32が弁座31に接離することにより、連通路13a
(排出通路28)が開閉されるようにしている。これら
弁体32と弁座31とによって制御弁26を構成してい
る。上記ばね22によって推力ピストン13は常時リヤ
側に付勢されているので、図示非作動状態では弁体32
が弁座31に着座して連通路13a(排出通路28)は
閉鎖されている。他方、弁体32が弁座31から離座す
ると、排出通路28を介して増圧室23とリザーバ5が
連通して、増圧室23内のブレーキ液を排出通路28を
介してリザーバ5に排出できるようになっている。
【0011】入力軸14の小径部14Cは、ハウジング
11の小径孔11Bを摺動自在に貫通させて外部に突出
させてあり、その突出端を上記ブレーキペダル2にピン
によって連結している。小径孔11Bの軸方向中央部に
環状のシール部材33を取り付けてあり、これによって
小径孔11Bの内周面と入力軸14の小径部14Cの外
周面との間の液密を保持している。上記弁体32が弁座
31に着座する環状のシート部の直径は、入力軸14の
小径部14Cの直径よりも小さくしている。さらに、増
圧室23は、ハウジング11の半径方向孔11eとこれ
に接続した導管34を介してリザーバ5と連通してい
る。導管34の途中には、ポンプ27を設けてあり、こ
のポンプ27の作動は図示しない制御装置によって制御
されるようになっている。さらに、本実施例では、ブレ
ーキペダル2の踏力やペダルストローク等の上昇速度を
検出する図示しない検出手段を設けてあり、検出手段に
よる検出結果に基づいて制御装置はポンプ27を作動さ
せるようになっている。図示非作動状態からブレーキペ
ダル2が踏み込まれて入力軸14が前進されると、推力
ピストン13およびマスタシリンダ3が前進されて液圧
室16にマスタシリンダ圧が発生する。この状態におい
ては制御弁26が閉鎖されているが、さらにこの状態か
ら制御装置によってポンプ27が作動されると、ポンプ
27の吐出圧が増圧室23に導入される。これにより、
増圧室23内に液圧が発生し、その液圧によって推力ピ
ストン13およびマスタシリンダ3がさらに前進される
ので、液圧室16のマスタシリンダ圧が増圧されるよう
になっている。ここで、本実施例では、弁体32の環状
シート部の直径は、入力軸14の小径部14Cの直径よ
りも小さくしているので、小径部13Bの断面積から弁
体32のシート部の断面積を除いた残りの断面積の分だ
け、増圧室23内の液圧が入力軸14をリヤ側へ付勢す
る反力として作用する。そのため、入力軸14が押し戻
されて制御弁26が開放され、排出通路28を介して増
圧室23内のブレーキ液がリザーバ5に排出され、これ
により制御弁26の開度(弁体32と弁座31の離隔
量)が小さくなる。このようにして、本実施例では、制
御弁26によって入力軸14からの入力と増圧室23内
の液圧による入力軸14への反力がバランスするように
増圧室23内の液圧が制御されるようになっている。さ
らに、上述した説明から理解できるように、本実施例に
おいては、増圧室23、制御弁26、ポンプ27等によ
って増圧手段6を構成している。
【0012】(作動説明)以上の構成において、ブレー
キペダル2が踏み込まれていない非作動状態において
は、ブレーキシステムの1の各構成要素は図1に示す非
作動位置に位置している。この状態では、ポンプ27は
作動されていない。また、プライマリピストン12、推
力ピストン13および入力軸14は、入力軸14の大径
部14Aの端面14Bがハウジング11の段部端面11
dに当接する後退位置に維持されている。そして、弁座
31に弁体32が着座して制御弁26が閉鎖されてい
る。第2カップシール25の外方側を介して第2環状通
路17から増圧室23にブレーキ液が流入できるので、
増圧室23内のブレーキ液は大気圧となっている。ま
た、液圧室16も半径方向通路11bを介してリザーバ
5に連通して、液圧は発生していない。なお、この非作
動状態において、ブレーキペダル2が踏み込まれずに、
制御装置によって過ってポンプ27が作動された場合に
は、ポンプ27の吐出圧が増圧室23に作用し、増圧室
23に液圧が発生して推力ピストン13およびプライマ
リピストン12が前進される。しかしながら、プライマ
リピストン12の前進により弁体32が弁座31から離
座して連通路13a(排出通路28)が開放される。そ
のため、排出通路28を介してリザーバ5と増圧室23
とが連通して増圧室23内は直ちに大気圧まで液圧が低
下する。したがって、この場合には、プライマリピスト
ン12の前進は、液圧室17にマスタシリンダ圧が発生
しない程度の僅かな前進で停止し、その状態に維持され
るようになっている。
【0013】(通常のブレーキ作動)次に、上記非作動
状態からブレーキペダル2が緩やかに踏み込まれると入
力軸14が前進されるので、弁体32が弁座31に着座
したままで推力ピストン13およびプライマリピストン
12が前進される。プライマリピストン12の前進に伴
って、第1カップシール15によってハウジング11の
半径方向通路11bの内方側の端部が閉鎖される。した
がって、液圧室16とリザーバ5との連通状態が遮断さ
れるので、液圧室16内にマスタシリンダ圧が発生す
る。このマスタシリンダ圧は、ホイールシリンダ4に供
給されて、通常どうりの制動力を得ることができる。な
お、プライマリピストン12および推力ピストン13の
前進に伴って、増圧室23の容積が増加して増圧室23
内が負圧になろうとするが、第2環状通路24内のブレ
ーキ液が第2カップシール25の外方側を通って増圧室
23内に補給されるので、増圧室23内は大気圧に保持
される。したがって、プライマリピストン12および推
力ピストン13は円滑に前進することができる。
【0014】(通常の作動状態の解除)次に、この後、
ブレーキペダル2の踏み込みが解除されると、先ず入力
軸14が図1に示した非作動位置に復帰する。この入力
軸14の後退に伴って、弁体32が弁座31から離座し
て制御弁26が開放される。これにより、排出通路28
を介して増圧室23とリザーバ5が連通するので、増圧
室23内のブレーキ液が排出通路28等を介してリザー
バ5に排出される。したがって、液圧室16内のマスタ
シリンダ圧とばね22の付勢力によってプライマリピス
トン12および推力ピストン13はリヤ側へ後退して、
上記弁座31が弁体32と当接する図示非作動状態に復
帰する。すると、液圧室16がリザーバ5に連通して大
気圧となり、ブレーキシステム1は図示非作動状態とな
ってブレーキが解除される。以上の作動説明は、増圧手
段6によってマスタシリンダ圧を増圧しない場合におけ
る通常のブレーキ作動時の説明である。
【0015】(増圧手段作動時の作動)ところで、上述
したように本実施例では、図示しない制御装置を設けて
あり、また、ブレーキペダル2の踏力やペダルストロー
ク等の上昇速度を検出する図示しない検出手段を設けて
いる。この検出手段は、ブレーキペダル2の踏力やペダ
ルストロークの上昇速度を制御装置に入力するようにな
っている。制御装置は、検出手段から伝達される検出結
果に基づいて、例えば、ブレーキペダル2の踏力やペダ
ルストローク等の上昇速度が通常のブレーキ作動時より
も大きく急ブレーキ等のブレーキアシストを必要である
と判断すると、上記ポンプ27を作動させるようになっ
ている。したがって、上記非作動状態からブレーキペダ
ル2急激に踏み込まれると、上記検出手段によってその
ことが検出されて制御装置に入力される。すると、制御
装置はポンプ27を作動させるので、導管34を介して
増圧室23にブレーキ液を給送される。このとき、入力
軸14は前進されており、上述したように制御弁26が
閉鎖されて増圧室23がリザーバ5から遮断されてい
る。したがって、増圧室23にポンプ27の吐出圧が供
給されることにより、増圧室23内の液圧が発生し、こ
の増圧室23内の液圧によって、プライマリピストン1
2および推力ピストン13が前進される。これにより、
液圧室16内に上記通常のブレーキ作動時よりも大きな
マスタシリンダ圧が発生して、そのマスタシリンダ圧が
ホイールシリンダに伝達されて制動力を得ることができ
る。
【0016】ここで、増圧室23内の液圧により入力軸
14がリヤ側へ押し戻されるので、上述したように、制
御弁26によって入力軸14からの入力と増圧室23内
の液圧による入力軸14への反力がバランスするように
増圧室23内の液圧が制御される。このとき、入力軸1
4の入力をFとし、増圧室23内の液圧をP0とし、入
力軸14の小径部14Bの断面積をA1とし、 制御弁
26(弁体31)の環状シート部の断面積をA2とする
と、入力軸14のバランス式は次のようになる。 F=P0*(A1−A2) ………(数式1) 一方、プライマリピストン12(第2フランジ部12
B)の断面積をA0とし、マスタシリンダ圧(液圧室1
6の液圧)をPmとし、ばね22の弾撥力をSpとする
と、プライマリピストン12のバランス式は次のように
なる。 P0*(A0−A2)=Pm*A0+Sp ………(数式2) 以上より、Pm=(F/A0)*(A0−A2)/(A
1−A2)−Sp/A0となる。ここで、増圧手段6
(ポンプ27)を作動させない通常の作動時には、Pm
=F/A0−Sp/A0となるので、増圧手段6(ポン
プ27)を作動させた場合の増圧比は、(A0−A2)
/(A1−A2)となる。増圧手段6を作動させたブレ
ーキアシスト時には、増圧手段6(ポンプ27)を作動
させない通常の作動時に比べて、上述した増圧比でマス
タシリンダ圧を増圧することができ、それによって、本
実施例のブレーキシステム1においてブレーキアシスト
を確実に行うことができる。なお、上記アシストブレー
キ時において、その後、ブレーキペダル2の踏込を解放
すると、上記検出手段からの信号により、制御装置はポ
ンプ27の作動を停止させる。この後、前述の通常ブレ
ーキ時の解除の場合と同様に、まず入力軸14が図1に
示す非作動位置まで後退し、これにより、弁体32が弁
座31から離座して制御弁26が開放されるので、排出
通路28を介して増圧室23内のブレーキ液がリザーバ
5に排出される。したがって、増圧室23内のブレーキ
液が大気圧となり、プライマリピストン12および推力
ピストン13もリヤ側へ後退して図示非作動位置に復帰
してブレーキが解除される。
【0017】上述したように本実施例のブレーキシステ
ム1においては、マスタシリンダ3のリヤ側に増圧手段
6を設けてあり、ブレーキアシストが必要な急ブレーキ
時に増圧手段6によってマスタシリンダ圧が増圧されて
大きなブレーキ力が確実に得られるようになっている。
しかも、初心者等の自動車の運転に慣れていないドライ
バであっても、急ブレーキ時に増圧手段6によって確実
に大きなブレーキ力を得ることができる。なお、上記実
施例では、急ブレーキ時等のブレーキアシストが必要な
場合だけに、増圧手段6によってマスタシリンダ圧を増
圧していたが、要は、マスタシリンダ圧を増圧する必要
がある場合に増圧手段6を作動させれば良く、例えば、
増圧手段6を実質的な液圧倍力装置として用いても良
い。つまり、この場合には、ブレーキペダル2が踏み込
まれたことを検出する検出手段を設けて、この検出手段
によってブレーキペダル2の踏み込みを検出したら、制
御装置によってポンプ27を作動させるように構成すれ
ばよい。これによって、増圧手段6を実質的液圧倍力装
置として用いることができる。このような構成とするこ
とにより、従来一般の液圧倍力装置に比較して部品点数
が少なく、構造がきわめて簡単な液圧倍力装置を提供す
ることが可能である。また、プライマリピストン12お
よび推力ピストン13はばね22によってリヤ側へ付勢
されて、制御弁26が閉鎖されるようになっているの
で、車体が振動した場合であっても、制御弁26の箇所
から異音が発生することはない。また、制御弁26は、
上記弁座31と弁体32とからなり構成が簡単なので、
確実に開弁することができるとともに、仮に弁座31と
弁体32との間に異物が挟まっても、制御弁26が開放
された際に排出通路28を介してリザーバ6へ排出する
ことができる。また、上記実施例では、弁体32を入力
軸14と一体に形成しているが、別体に形成しても良
く、そのようにすれば、弁体32と弁座31との同芯度
が向上し、制御弁26の液密性が向上する。なお、上記
実施例では、プライマリピストン12とは別体に、その
リヤ側に推力ピストン13を設けていたが、上記プライ
マリピストン12と推力ピストン13とを一体物とし
て、それをプライマリピストンとしても良い。その場合
においても、図1の構成と同様の作用効果を得ることが
できる。
【0018】(第2実施例)次に図2は本発明の第2実
施例を示したものである。この第2実施例においては、
上記第1実施例における推力ピストン13を削除し、第
2カップシール25をプライマリピストン12に設ける
とともに、そのプライマリピストン12のリヤ側と入力
軸14のフロント側とにわたって弁室37を設けて、そ
の弁室37内に制御弁26を収納したものである。すな
わち、この第2実施例のプライマリピストン12は、フ
ロント側の外周部に第1フランジ部12Aを備えるとと
もに、リヤ側の外周部に第2フランジ部12Bを備えて
いる。両フランジ部12A、12Bの間に第1環状通路
17が形成されており、第1環状通路17はハウジング
11の半径方向通路11cを介してリザーバ5と常時連
通している。上記第1実施例の場合と同様に、第1フラ
ンジ部12Aのフロント側に第1カップシール15を取
り付けてあり、第1フランジ部12Aには軸方向孔12
aを形成している。したがって、第1カップシール15
の外方側を介して第1環状通路17から液圧室16への
ブレーキ液の流入が許容される一方、それとは逆方向の
ブレーキ液の流れは阻止されている。この第2実施例で
は、第2フランジ部12Bよりもリヤ側となる大径孔1
1Aの内部空間を増圧室23としている。第2フランジ
部12Bの外周部に、断面がC字形をした環状の第2カ
ップシール25を装着してあるので、第2カップシール
25の外方側を介して第1環状通路17から増圧室23
へのブレーキ液の流入が許容される一方、それとは逆方
向のブレーキ液の流れは阻止されている。プライマリピ
スト12のリヤ側の端面に筒状部12dを突設してあ
り、他方、入力軸14のフロント側の端面に大径の有底
孔14aを形成してあり、上記プライマリピスト12の
筒状部12dを入力軸14の有底孔14a内に摺動自在
に嵌合している。プライマリピスト12の筒状部12d
の外周部には環状のシール部材38を装着してあり、こ
れによってプライマリピスト12の筒状部12dと入力
軸14の有底孔14aの周面との間の液密を保持してい
る。プライマリピスト12の筒状部12dの内部空間お
よび入力軸14の有底孔14aの内部空間とによって弁
室37を構成している。プライマリピストン12には、
フロント側の端部が第1環状通路17に連通し、リヤ側
の端部が弁室37に臨む連通路12eを形成している。
この連通路12e、第1環状通路17および半径方向通
路11cを介してリザーバ5と弁室37とが常時連通し
ている。入力軸14には、一端が有底孔14aの底部の
中央に開口し、他端が大径部14Aの外周面に開口して
増圧室23と連通する連通路14bを形成してあり、こ
の連通路14bを介して弁室37と増圧室23とが連通
できるようになっている。有底孔14aに開口する有底
孔14aの端部は円錐状に形成してあり、そこを弁座3
1としている。他方、弁室37内に弁部材39を配置し
てあり、この弁部材39のリヤ側軸部を半球状に膨出さ
せて、そこを弁体32としている。上記弁部材39に円
柱状をした弾性部材40をフロント側から嵌着してい
る。弾性部材40のフロント側の端部は、弁部材39よ
りもフロント側に突出させてあり、その弾性部材40の
フロント側の端部を、プライマリピストン12の端面の
軸部に接合している。したがって、この弾性部材40を
介して弁部材39(弁体32)はプライマリピストン1
2と係合している。プライマリピストン12の筒状部1
2dの内周面と弁部材39の外周部との間には常時間隙
が維持されており、弁体32はプライマリピストン12
の筒状部12dよりもリヤ側に突出して、上記弁座31
に接離できるようになっている。このように、本実施例
では弁体32と弁座31とによって制御弁26を構成し
ている。プライマリピストン12および弁体32は、液
圧室16内に設けたばね22によって常時リヤ側に付勢
されている。そのため、入力軸14およびプライマリピ
ストン12が最もリヤ側に後退する図示非作動状態で
は、弁体32が弁座31に着座して制御弁26が閉鎖さ
れている。これにより、弁室37と増圧室23との連通
状態は遮断されている。これに対して、弁体32が弁座
31から離座して制御弁26が開放された時には、連通
路14bを介して増圧室23と弁室37とが連通し、し
たがって、連通路14b、弁室37、連通路12e、第
1環状通路17および半径方向通路11cを介して、増
圧室23とリザーバ5とが連通するようになっている。
つまり、この第2実施例では、連通路14b、弁室3
7、連通路12e、第1環状通路17および半径方向通
路11cによって、増圧室23のブレーキ液をリザーバ
5に排出する排出通路28が構成される。本実施例にお
いても、入力軸14の大径部14Aの端面14Bをハウ
ジング11の段部端面11dに当接させることにより、
非作動状態における入力軸14およびプライマリピスト
ン12の非作動位置を規制している。また、本実施例で
は、入力軸14の小径部14Cの外径は、プライマリピ
ストン12の筒状部12dの外径よりも大径にしてい
る。また、弁体32と弁座31が相互に接触する環状シ
ート部の直径は、筒状部12dの内径よりも小さくして
いる。そのほかの構成は、上記第1実施例の場合と同じ
であり、第1実施例と同じ部材番号を付している。な
お、この第2実施例では、ブレーキペダルの表示を省略
している。 (作動説明)以上の構成において、図示非作動状態で
は、ポンプ27は作動されておらず、制御弁26は閉鎖
されている。この状態からブレーキペダルが緩やかに踏
み込まれると、制御弁26は閉鎖された状態のままで入
力軸14およびプライマリピストン12が前進されるの
で、液圧室16にマスタシリンダ圧が発生して、通常通
りの制動力を得ることができる。なお、入力軸14の前
進によって増圧室23の容積が増大するが、第2カップ
シール25の外方側を介してブレーキ液が第1環状通路
17から増圧室23に補給されるので、増圧室23が負
圧になることはない。また、上記作動状態からブレーキ
ペダルの踏み込みが解除されると、先ず入力軸14が後
退して図示非作動位置に復帰する。その後、入力軸14
の後退によって弁体32が弁座31から離座して制御弁
26が開放されるので、排出通路28を介して増圧室2
3内からリザーバ5へブレーキ液が排出される。そのた
め、プライマリピストン12および弁体32も図示非作
動位置に復帰し、弁体32が弁座31に着座して制御弁
26も閉鎖される。上記通常のブレーキ作動時に対し
て、増圧手段作動時の作動では、第1実施例のように例
えば、ブレーキアシスト作動で、ブレーキペダルが急激
に踏み込まれると、図示しない検出手段によってそのこ
とが検出されるので、制御装置はポンプ27を作動させ
る。これにより、ポンプ27の吐出圧が増圧室23に導
入されて増圧室23に液圧が発生する。この増圧室23
内の液圧によってプライマリピストンが前進されて、液
圧室16に上記通常の作動時によりも大きなマスタシリ
ンダ圧が発生する。液圧室16に発生する液圧は連通路
14bを介して弁体32にも作用する。また、このと
き、液圧室16の液圧による入力軸14への反力は、プ
ライマリピストンの筒状部12dの外径よりも外方側と
なる入力軸14の小径部14Cの断面積分だけ、入力軸
14に作用する。これにより、入力軸14がプライマリ
ピストン12に対して押し戻されて、弁体31が弁座3
2から離座して制御弁26が開放される。すると、入力
軸14からの入力によって制御弁26の開度(弁体31
が弁座32の離隔量)が減少するので、液圧室16の液
圧が上昇してマスタシリンダ圧が上昇する。このように
して、入力軸14からの入力に応じた液圧を増圧室23
に発生させるようにしている。このような第2実施例で
あっても、上記第1実施例と同様の作用効果を得ること
ができる。また、この第2実施例では、弁部材39に弾
性部材40を設けたので、通常のブレーキ作動時等で、
入力軸14に入力が加えられると弾性部材40が変形し
て入力軸14の大径部14Aの先端がプライマリピスト
ン12の第2フランジ部12Bに当接して、入力軸14
で直接プライマリピストン12を押すようになるので、
弁体32と弁座31に大きな力が作用しなくなり、弁体
32と弁座31の耐久性が向上する。なお、この第2実
施例においても、ブレーキペダルが踏み込まれて入力軸
14が前進された時に制御装置によって増圧手段6(ポ
ンプ27)を作動させて、上記増圧手段6を実質的な液
圧倍力装置として機能させても良い。また、この第2実
施例におけるプライマリピストン12は、両フランジ部
12A、12Bの間となる軸方向の中央側で、軸方向に
2分割してリヤ側部分を推力ピストンとして構成しても
良い。
【0019】(第3実施例)次に、図3は本発明の第3
実施例を示したものである。この第3実施例は、図1に
示した第1実施例における推力ピストン13のリヤ側を
筒状として、そこに入力軸14を摺動自在に嵌合すると
ともに推力ピストン13の内方に制御弁26を収納した
ものである。すなわち、この第3実施例における推力ピ
ストン13は、大径部13Bから連続してリヤ側に中径
部13B' と小径部13Cを形成してあり、この中径部
13B' とハウジング11の大径孔11Aとの間に増圧
室23が形成されている。この小径部13Cをハウジン
グの小径孔11Bに摺動自在に貫通させて外部に突出さ
せている。小径孔11Bに設けたシール部材33によっ
て、小径部13Cの外周面と小径孔11Bとの間の液密
を保持している。小径部13Cの軸部には、リヤ側の端
面から第2カップシール25の内方側の位置まで到達す
る有底孔13Dを形成してあり、この有底孔13Dに入
力軸14の大径部14Aを摺動自在に嵌合している。大
径部14Aには、シール部材38を装着してあり、これ
によって、大径部14Aと有底孔13Dの周面との間の
液密を保持している。この大径部14Aの隣接フロント
側となる有底孔13Dの内部空間によって弁室37を構
成してあり、この弁室37は、推力ピストン13の半径
方向の連通路13Eを介して常時増圧室23と連通して
いる。また、推力ピストン13におけるフロント側に
は、フロント側の端部が小径部13Aの外周面に開口し
て第2環状通路24と連通し、リヤ側の端部が有底孔1
3Dの底部の中央に開口する連通路13aを形成してあ
り、この連通路13aによって弁室37と第2環状通路
24が連通できるようにしている。この第3実施例で
は、連通路13aのリヤ側の端部を弁座31としてい
る。他方、上記弁座31と対向する入力軸14のフロン
ト側の端面には、円柱状の弾性部材40を埋設してあ
り、入力軸14のフロント側の端面から突出させた弾性
部材40の端面によって弁体32を構成している。弁体
32を上記弁座31に接離させることにより、弁室37
と第2環状通路24との連通状態を切り換えるようにし
ている。このように本実施例では弁体32と弁座31と
によって制御弁26を構成している。プライマリピスト
ン12および推力ピストン13は液圧室16内に設けた
ばね22によって常時リヤ側に付勢されている。そのた
め、入力軸14およびプライマリピストン12が最もリ
ヤ側に後退する図示非作動状態では、弁体32が弁座3
1に着座して推力ピストン13の連通路13aを閉鎖し
ている。これにより、弁室37と第2環状通路24との
連通状態は遮断されている。この非作動状態では、推力
ピストン13の中径部13B' がハウジング11の段部
端面11dに当接して、推力ピストン13およびプライ
マリピストン12のハウジング11内での後退端を規制
している。これに対して、弁体32が弁座31から離座
した時には、連通路13aを介して弁室37と第2環状
通路24とが連通し、したがって、連通路13E、弁室
37、連通路13a、第2環状通路24、軸方向孔12
b、第1環状通路17および半径方向通路11cを介し
て、増圧室23とリザーバ5とが連通するようになって
いる。つまり、本実施例では、連通路13E、弁室3
7、連通路13a、第2環状通路24、軸方向孔12
b、第1環状通路17および半径方向通路11cによっ
て、増圧室23のブレーキ液をリザーバ5に排出する排
出通路28が構成される。そのほかの構成は、上記第1
実施例の構成と同じであり、対応する部材には第1実施
例と同じ部材番号を付している。 (作動説明)以上の構成において、図示非作動状態で
は、ポンプ27は作動されておらず、制御弁26は閉鎖
されている。この状態からブレーキペダルが緩やかに踏
み込まれると、制御弁26は閉鎖された状態のままで、
入力軸14と推力ピストン13およびプライマリピスト
ン12が前進されるので、液圧室16にマスタシリンダ
圧が発生して、通常通りの制動力を得ることができる。
なお、入力軸14の前進によって増圧室23の容積が増
大するが、第2カップシール25の外方側を介して第2
環状通路24のブレーキ液が増圧室23に補給されるの
で、増圧室23が負圧になることはない。また、上記作
動状態からブレーキペダルの踏み込みが解除されると、
先ず入力軸14が後退して図示非作動位置に復帰する。
この入力軸14の後退によって弁体32が弁座31から
離座して制御弁26が開放されるので、排出通路28を
介して増圧室23内からリザーバ5へブレーキ液が排出
される。そのため、推力ピストン13およびプライマリ
ピストン12が液圧室16のマスタシリンダ圧とばね2
2の付勢力によって図示非作動位置に復帰し、弁体32
が弁座31に着座して制御弁26も閉鎖される。上記通
常のブレーキ作動時に対して、増圧手段作動時の作動で
は、第1実施例のように例えば、ブレーキアシスト作動
で、ブレーキペダルが急激に踏み込まれた場合には、図
示しない検出手段によってそのことが検出されて制御装
置がポンプ27を作動させる。これにより、ポンプ27
の吐出圧が増圧室23に導入されて、増圧室23に液圧
が発生する。この増圧室23内の液圧によってプライマ
リピストン12が前進されて、液圧室16に通常作動時
に比較して大きなマスタシリンダ圧が発生する。そし
て、この実施例においても上記制御弁26によって、入
力軸14からの入力に応じた液圧が増圧室23内に発生
し、その液圧によってマスタシリンダ圧が増圧される。
この後、ブレーキペダルの踏み込みが解除されて入力軸
14が後退すると、上記通常作動時と同様に、推力ピス
トン13およびプライマリピストン12も後退して図示
非作動位置に復帰する。このような第3実施例であって
も、上記第1実施例と同様の作用効果を得ることができ
る。また、この第3実施例では、入力軸14のフロント
側先端に弁体32として弾性部材40を設けたので、制
御弁26の液密性が向上するとともに、通常のブレーキ
作動時等で、入力軸14に入力を加えると、弾性部材4
0が変形して入力軸14で直接推力ピストン13を押す
ようになるので、制御弁26に大きな力が作用しなくな
り、制御弁26の耐久性が向上する。
【0020】(第4実施例)次に図4は本発明の第4実
施例を示したものである。この第4実施例は、上記図3
に示した第3実施例における推力ピストン13の内方側
の構成を改良したものである。すなわち、この第4実施
例の推力ピストン13は、有底孔13Dをフロント側の
小径部の内方まで伸長させて形成するとともに、有底孔
13Dにおけるフロント側を小径孔とするとともにリヤ
側を大径孔としている。一方、入力軸14は、フロント
側を中径部14B、そのリヤ側を大径部14AA、さら
にそのリヤ側を小径部14Cとしてあり、中径部14B
を上記有底孔13Dの小径孔に摺動自在に嵌合すると同
時に、大径部14Aを上記有底孔13Dの大径孔に摺動
自在に嵌合している。なお、中径部14Bおよび大径部
14Aの外周部には、環状のシール部材38をそれぞれ
装着してあり、それによって、中径部14Bおよび大径
部14Aと有底孔13Dとの間の液密を保持している。
大径部14Aのフロント側の端部となる段部は、円周方
向に連続的に切欠いて環状凹部としてあり、この環状凹
部とそれに隣接する中径部14Bの外方に環状通路35
を形成している。この環状通路35は、推力ピストン1
3の連通路13Eを介して常時増圧室23と連通してい
る。この第4実施例では、有底孔13Dの底部とそれに
対向する入力軸14のフロント側の端面との間の空間を
弁室37としている。推力ピストン13の小径部13A
には、弁室37と第2環状通路24を常時連通させる半
径方向の連通路13aを形成している。入力軸14に
は、一端がフロント側の端面に開口し、他端が上記環状
凹部に開口して第2環状通路24と連通する連通路14
Eを形成してあり、フロント側の端面に開口する連通路
14Eの端部に円錐状の弁座31を形成している。ま
た、上記弁室37内に弁部材39を収納するとともに、
この弁部材39におけるフロント側のフランジ部とそれ
に対向する入力軸14のフロント側の端面とにわたって
ばね36を弾装している。ばね36は、液圧室16内の
ばね22のものよりも小さな弾撥力のものを用いてい
る。ばね36により、弁部材39のフロント側の端面
は、常時有底孔13Dの底部に圧接されている。弁部材
39のリヤ側の端部を半球状として、そこを弁体32と
してあり、上記弁座31に接離させるようにしている。
本実施例では、弁座31と弁体32とによって、リザー
バ5と増圧室23との連通状態を切り換える制御弁26
を構成している。液圧室16のばね22によってプライ
マリピストン12および推力ピストン13は常時リヤ側
に付勢されているので、図示非作動状態では、弁体32
が弁座31に着座している。この非作動状態では、弁室
37と増圧室23との連通状態は遮断されている。これ
に対して、入力軸14が推力ピストン13に対してリヤ
側に後退されると、弁体32が弁座31から離座するの
で、連通路13E、環状通路35、連通路14Eを介し
て、増圧室23と弁室37とが連通し、したがって、連
通路13E、環状通路35、連通路14E、弁室37、
連通路13a、第2環状通路24、軸方向孔12b、第
1環状通路17および半径方向11cを介して増圧室2
3とリザーバ5とが連通して、増圧室23内のブレーキ
液がリザーバ5に排出されるようになっている。つま
り、この第4実施例では、連通路13E、環状通路3
5、連通路14E、弁室37、連通路13a、第2環状
通路24、軸方向孔12b、第1環状通路17および半
径方向11cによって排出通路28が構成されている。
その他の構成は、上記図3に示したものと同じである。 (作動説明)以上の構成において、図示非作動状態で
は、ポンプ27は作動されておらず、制御弁26は閉鎖
されている。この状態からブレーキペダルが緩やかに踏
み込まれると、制御弁26は閉鎖された状態のままで、
入力軸14と推力ピストン13およびプライマリピスト
ン12が前進されるので、液圧室16にマスタシリンダ
圧が発生して、通常通りの制動力を得ることができる。
なお、入力軸14の前進によって増圧室23の容積が増
大するが、第2カップシール25の外方側を介してブレ
ーキ液が増圧室23に補給されるので、増圧室23が負
圧になることはない。また、上記作動状態からブレーキ
ペダルの踏み込みが解除されると、先ず入力軸14が後
退して図示非作動位置に復帰する。その後、入力軸14
の後退によって弁体32が弁座31から離座して制御弁
26が開放されるので、排出通路28を介して増圧室2
3内からリザーバ5へブレーキ液が排出される。そのた
め、推力ピストン13およびプライマリピストン12が
液圧室16のマスタシリンダ圧とばね22の付勢力によ
って図示非作動位置に復帰し、制御弁26も閉鎖され
る。上記通常のブレーキ作動時に対して、増圧手段作動
時の作動では、第1実施例のように例えば、ブレーキア
シスト作動で、ブレーキペダルが急激に踏み込まれた場
合には、図示しない検出手段によってそのことが検出さ
れて制御装置がポンプ27を作動させる。これにより、
ポンプ27の吐出圧が増圧室23に導入されて、増圧室
23に液圧が発生する。この増圧室23内の液圧によっ
てプライマリピストンが前進されて、液圧室16に通常
のブレーキ作動時に比較して大きなマスタシリンダ圧が
発生する。この実施例においても上記制御弁26によっ
て、入力軸14からの入力に応じた液圧が増圧室23内
に発生し、その液圧によってマスタシリンダ圧が増圧さ
れる。この後、ブレーキペダルの踏み込みが解除されて
入力軸14が後退すると、上記通常作動時と同様に、推
力ピストン13およびプライマリピストン12も後退し
て図示非作動位置に復帰する。このような第4実施例で
あっても、上記第1実施例と同様の作用効果を得ること
ができる。また、この第4実施例では、弁部材39が弁
座31から離れる方向に付勢するばね36を設けたの
で、ブレーキ作動状態からブレーキペダルの踏込みが解
除されると、入力軸14の後退に伴なってばね36によ
って弁体32が弁座31から確実に離座されるので、プ
ライマリピストン12と推力ピストン13がスムーズに
非作動位置に戻るようになる。
【0021】(第5実施例)次に図5は本発明の第5実
施例を示したものである。この第5実施例は、上記第1
実施例における推力ピストン13を削除し、第2カップ
シール25をプライマリピストン12に設けるととも
に、弁体32としてスプール弁39を用いたものであ
る。すなわち、プライマリピストン12は、フロント側
の外周部に第1フランジ部12Aを備えるとともに、リ
ヤ側の端部の外周部に第2フランジ部12Bを備えてい
る。両フランジ部12A、12Bの間に第1環状通路1
7が形成されており、環状通路17はハウジング11の
半径方向通路11cを介してリザーバ5と連通してい
る。第1フランジ部12Aのフロント側に第1カップシ
ール15を取り付けてあり、第1フランジ部12Aには
軸方向孔12aを形成している。したがって、第1カッ
プシール15の外方側を介して第1環状通路17から液
圧室16へのブレーキ液の流入が許容される一方、それ
とは逆方向のブレーキ液の流れは阻止されている。この
第5実施例では、プライマリピストン12のリヤ側端面
よりもリヤ側となる大径孔11Aの内部空間を増圧室2
3としている。また、第2フランジ部12Bの外周部
に、断面がC字形をした環状の第2カップシール25を
装着してあるので、第2カップシール25の外方側を介
して第1環状通路17から増圧室23へのブレーキ液の
流入が許容される一方、それとは逆方向のブレーキ液の
流れは阻止されている。プライマリピストン12のリヤ
側端面の軸部には有底孔12Dを形成してあり、この有
底孔12Dにリヤ側からスプール弁39を摺動自在に嵌
合している。有底孔12Dの底部とそれに対向するスプ
ール弁39のフロント側の端面との間の空間部をばね室
35としてあり、このばね室35内に設けたばね36に
よってスプール弁39は常時リヤ側にむけて付勢されて
いる。スプール弁39のリヤ側の外周部は常時増圧室2
3内に突出させてあり、また、半球状としたリヤ側の端
部は入力軸14に当接させている。スプール弁39の内
部には、リヤ側の端部が増圧室23に連通し、フロント
側の端部が上記ばね室35に連通する連通路39aを形
成している。プライマリピストン12には、半径方向の
連通路12eを形成してあり、この連通路12eによっ
て、有底孔12Dと第1環状通路17とが連通できるよ
うになっている。この実施例では、有底孔12Dの周面
に開口する連通路12eの内方側の端部によって弁座3
1を形成し、他方、スプール弁39のフロント側の端部
(外周縁)によって弁体32を構成している。弁座31
と弁体32とによって制御弁26を構成している。図示
非作動状態では、スプール弁39のフロント側の外周部
によって連通路12eの内方側の開口が完全に閉鎖され
ているので、ばね室35と第1環状通路17とは連通し
ない。これに対して、スプール弁39が有底孔13D内
でリヤ側に移動されると、弁体32が連通路12eの内
方側の開口(弁座31)と重合すると、ばね室35と第
1環状通路17とが連通する。つまり、この時には連通
路39a、ばね室35、連通路12e、第1環状通路1
7、通路11Cを介して、リザーバ5と増圧室23とが
連通する。そのため、図示非作動状態から入力14が前進
され、かつ増圧室23内にポンプ27の吐出圧が供給さ
れて増圧室23に液圧が発生したときに、スプール弁3
9のフロント側の端部(弁体32)によって連通路12
eの開口が絞られることにより、入力軸14の入力の大
きさに応じた液圧が増圧室23内に発生し、その増圧室
23内の液圧によってプライマリピストン12が前進さ
れて、マスタシリンダ圧が発生するようになっている。
次に、この第5実施例では、入力軸14を、筒状部材4
8と円柱部材49および棒状部材50とから構成してい
る。筒状部材48のフロント側の部分は大径部48Aと
してあり、この大径部48Aよりもリヤ側は小径部48
Bとしている。大径部48Aを増圧室23内に位置させ
る一方、小径部48Bはハウジング11の小径孔11B
を摺動自在に貫通させて外部に突出させている。小径部
48Bに設けたシール部材33によっては小径部48B
とハウジングの小径孔11Bとの間の液密を保持してい
る。筒状部材48の内周部のフロント側に環状突起48
Cを形成してあり、この環状突起48Cおよびその隣接
リヤ側の内周部に円柱部材49を嵌合している。円柱部
材49の外周部にはシール部材38を取り付けてあり、
これによって円柱部材49の外周部と筒状部材48の内
周部との間の液密を保持している。棒状部材50のフロ
ント側の端部を筒状部材48内にリヤ側から挿入して、
円柱部材49のリヤ側の軸部に枢支連結している。棒状
部材50におけるリヤ側の端部に図示しないブレーキペ
ダルを連結している。円柱部材49のフロント側には小
径の筒状部49Aを形成して、その筒状部49Aを環状
突起48Cに貫通させてから筒状部49Aの先端の一部
を半径方向外方に折り曲げて環状突起48Cに係止して
いる。これにより、円柱部材49は筒状部材48に対し
て軸方向に一体に連結されると同時に、円柱部材49は
筒状部材48に対して円周方向に相対回転することがで
きる。そして上記スプール弁39のリヤ側の端部をフロ
ント側から上記筒状部材48内に挿入するとともに、円
柱部材49のフロント側の軸部に当接させている。さら
に、スプール弁39におけるリヤ側の外周部には環状溝
39bを形成してあり、この環状溝39bに、筒状部材
48側に固定した抜止めピン51の内方側の端部を半径
方向外方側から挿入している。これにより、スプール弁
39のリヤ側の端部が入力軸14から脱落するのを防止
するとともに、抜止めピン51が環状溝39b内で軸方
向に移動できる分だけ、スプール弁39と入力軸14と
が軸方向にわずかに相対移動することができる。図示非
作動状態においては、入力軸14は、その筒状部材48
の段部端面48Dが大径孔11の段部端面11dに当接
する後退位置に位置しており、プライマリピストン12
のリヤ側の端面が、入力軸14(筒状部材48)のフロ
ント側の端面と当接している。筒状部材48の端部に
は、半径方向の切欠き部48Eを形成しているので、増
圧室23とスプール弁の連通路39aは連通するととも
に、筒状部材48のフロント側の内方までブレーキ液が
導入されている。この第5実施例では、スプール弁39
の連通路39a、ばね室35、連通路12e、第1環状
通路17、通路11Cによって、増圧室23とリザーバ
5とを連通させる排出通路28が構成される。そして、
スプール弁39に設けた弁体32で、連通路12eの開
口(弁座31の開口)を絞ることにより、入力に応じた
液圧が増圧室23に発生するようになっている。その他
の構成は、図1に示した第1実施例のものと同じであ
る。 (作動説明)以上の構成において、図示非作動状態で
は、ポンプ27は作動されておらず、スプール弁39の
フロント側の外周部によって連通路12eが閉鎖され、
制御弁26は閉鎖されている。この状態からブレーキペ
ダルが緩やかに踏み込まれると、制御弁26は閉鎖され
た状態のままで、入力軸14とプライマリピストン12
およびスプール弁39が前進されるので、液圧室16に
マスタシリンダ圧が発生して、通常通りの制動力を得る
ことができる。なお、入力軸14とプライマリピストン
12の前進により増圧室23の容積が増大するが、第2
カップシール25の外方側を介してブレーキ液が増圧室
23に補給されるので、増圧室23が負圧になることは
ない。また、上記作動状態からブレーキペダルの踏み込
みが解除されると、先ず入力軸14および、抜止めピン
51によってスプール弁39が後退して図示非作動位置
に復帰する。このように入力軸14およびスプール弁3
9が後退することで、連通路12eの開口と弁体32
(スプール弁39のフロント側端部)が重合して制御弁
26が開放されるので、排出通路28を介して増圧室2
3内からリザーバ5へブレーキ液が排出される。そのた
め、プライマリピストン12が液圧室16のマスタシリ
ンダ圧とばね22の付勢力によって図示非作動位置に復
帰し、連通路12eの開口がプライマリピストン12の
外周部によって閉鎖されて制御弁26が閉鎖される。上
記通常のブレーキ作動時に対して、増圧手段作動時の作
動では、第1実施例のように例えば、ブレーキアシスト
作動で、ブレーキペダルが急激に踏み込まれた場合に
は、図示しない検出手段によってそのことが検出され
て、制御装置がポンプ27を作動させる。これにより、
ポンプ27の吐出圧が増圧室23に導入されて、増圧室
23に液圧が発生する。増圧室23内の液圧によってプ
ライマリピストンが前進されて、液圧室16にマスタシ
リンダ圧が発生する。このとき、増圧室23内の液圧は
ばね室35内にも作用してスプール弁39および入力軸
14を押し戻して、制御弁26が開放される。そして、
入力軸14からの入力によって制御弁26の開度(連通
路12eの開口と弁体の重合量)が絞られて、入力に応
じた液圧が増圧室23に発生し、この液圧によってマス
タシリンダ圧が発生する。この後、ブレーキペダルの踏
み込みが解除されて、入力軸14が後退されると、上記
通常差動時と同様にして、スプール弁39およびプライ
マリピストン12も図示非作動位置に復帰する。このよ
うな第5実施例であっても、上記第1実施例と同様の作
用効果を得ることができる。さらに、この第5実施例で
は、入力軸を3つの部材で構成し、円柱部材49に対し
て棒状部材50を枢支連結しているので、ブレーキペダ
ルが踏み込み方向に対して前後左右に揺動した際にその
ような揺動を支障なく許容することができる。また、こ
の第5実施例では、制御弁26の弁体としてスプール弁
39を設け、入力軸14とピン51により係合させたの
で、制御弁26に大きな力が作用するのを防止できると
ともに、スプール弁39が入力軸14の動きに確実に作
動されるので、戻り時にプライマリピストン12がスム
ーズに非作動位置に戻るようになる。
【0022】(第6実施例)次に図6は本発明の第6実
施例を示したものである。この第6実施例は、上記図2
に示した第2実施例に対して入力軸14のフロント側の
外周部をプライマリピストン12の筒状部12d内に摺
動自在に嵌合し、入力軸14の有底孔14aの内部に制
御弁を収納したものである。すなわち、プライマリピス
トン12の筒状部12dは、図2の場合よりも大径にす
る一方、入力軸14のフロント側の部分は、大径部14
Aよりも外径を小さくした嵌合部14Dとしている。プ
ライマリピストン12の筒状部12d内に、嵌合部14
Dを摺動自在に嵌合してあり、シール部材38によって
プライマリピストン12の筒状部12dと嵌合部14D
との間の液密を保持している。入力軸14の大径部14
Aには半径方向の連通路14bを形成してあり、この連
通路14bによって、増圧室23と有底孔14a内とが
連通できるようになっている。そして、この有底孔14
a内の空間を弁室37としている。この弁室37内にス
プール弁39を摺動自在に嵌合してあり、スプール弁3
9のリヤ側の弁室37内にばね36を設けて、スプール
弁39を常時フロント側に付勢している。一方、プライ
マリピストン12の筒状部12dの内方側となる端面中
央には、リヤ側へ伸びる小径の円柱部12fを突設して
あり、この円柱部12fを上記入力軸14の有底孔14
a内に挿入してフロント側からスプール弁39に当接さ
せている。プライマリピストン12には、一端が第1環
状通路17に連通し、他端が円柱部12fのリヤ側の端
面に開口する連通路12eを形成している。図示非作動
状態では、プライマリピストン12の筒状部12dのリ
ヤ側の端部が、入力軸14の大径部14Aのフロント側
の段部端面に当接するとともに、円柱部12fに当接し
たスプール弁39のリヤ側の端部の外周縁によって連通
路14bの内方側の開口が閉鎖されている。つまり、本
実施例では、連通路14bの内方側の開口を弁座31と
し、スプール弁39のリヤ側の端部の外周縁を弁体32
としてあり、それら弁座31と弁体32とで制御弁26
を構成している。これに対して、入力軸14が前進さ
れ、かつ増圧室23にポンプ27の液圧が導入され、増
圧室23に発生するポンプ27の液圧により、プライマ
リピストン12が入力軸14に対し相対的にフロント側
へ移動されると、スプール弁39は入力軸14に対して
相対的にフロント側へ移動される。これにより、スプー
ル弁39のリヤ側の端部(弁体32)が連通路14bの
内方側の開口(弁座31)と重合して、連通路14bを
介して増圧室23と弁室37とが連通する。したがっ
て、この時には、連通路14b、弁室37、スプール弁
39の内部空間、連通路12e、第1環状通路17およ
び通路11cによって排出通路28が構成されて、この
排出通路28を介して増圧室23内のブレーキ液がリザ
ーバに排出されるようになっている。本実施例では、増
圧室23に発生した液圧は、入力軸14の小径部14C
の嵌合部14Dの外径より外方の断面積に作用し、その
液圧による反力と入力軸14に加えられる入力とがバラ
ンスし、制御弁26によって入力に比例した液圧が増圧
室23に発生するようになっている。その他の構成は、
図2に示した第2実施例のものと同じである。 (作動説明)以上の構成において、図示非作動状態で
は、ポンプ27は作動されておらず、スプール弁39に
よって連通路12eの開口(弁座31)は完全に閉鎖さ
れて制御弁26は閉鎖されている。この状態からブレー
キペダルが緩やかに踏み込まれると、制御弁26は閉鎖
された状態のままで、入力軸14とプライマリピストン
12およびスプール弁39が前進されるので、液圧室1
6にマスタシリンダ圧が発生して、通常通りの制動力を
得ることができる。なお、入力軸14とプライマリピス
トン12の前進により増圧室23の容積が増大するが、
第2カップシール25の外方側を介してブレーキ液が増
圧室23に補給されるので、増圧室23が負圧になるこ
とはない。また、上記作動状態からブレーキペダルの踏
み込みが解除されると、先ず入力軸14が後退する。こ
のように入力軸14が後退することに伴って、スプール
弁39は弁室37内で相対的にフロント側へ前進される
ので、スプール弁39の弁体32が連通路12eの開口
と重合する。そのため、排出通路28を介して増圧室2
3内からリザーバ5へブレーキ液が排出される。したが
って、入力軸14、プライマリピストン12が図示非作
動位置に復帰し、連通路12eの開口がスプール弁39
によって閉鎖され制御弁26は閉鎖される。上記通常の
ブレーキ作動時に対して、増圧手段作動時の作動では、
第1実施例のように例えば、ブレーキアシスト作動で、
ブレーキペダルが急激に踏み込まれた場合には、図示し
ない検出手段によってそのことが検出されて制御装置が
ポンプ27を作動させる。これにより、ポンプ27の吐
出圧が増圧室23に導入されて、増圧室23内液圧が発
生する。増圧室23内の液圧によってプライマリピスト
ン12が前進されて、液圧室16にマスタシリンダ圧が
発生する。増圧室23の液圧によってプライマリピスト
ン12に供給されることにともないプライマリピストン
12は入力軸14に対して相対的に前進されるので、制
御弁26によって連通路12eの開口の開度が絞られ
る。したがって、入力軸14の入力に応じた液圧が増圧
室23に発生し、それに応じたマスタシリンダ圧が発生
するようになっている。この後、ブレーキペダルの踏み
込みが解除されて入力軸14が後退すると、通常作動時
と同様にスプール弁39およびプライマリピストン12
が後退して図示非作動位置に復帰する。このような構成
の第6実施例であっても、上記第1実施例と同様の作用
効果を得ることができる。また、この第6実施例では、
制御弁26の弁体32としてスプール弁39を設けてい
るので、制御弁26には大きな力は作用せずスムーズに
作動するので、マスタシリンダ1の作動や戻りがスムー
ズに行えるようになる。
【0023】さらに、図7から図12は、本発明に関す
る第7実施例から第12実施例を示したものである。上
記図1から図6に示した第1実施例から第6実施例は、
非作動状態において制御弁26により排出通路26を閉
鎖しているいわゆるノーマルクローズド型の制御弁とし
ているが、第7実施例から第12実施例では、上記第1
実施例から第6実施例のそれぞれにおいて非作動状態で
制御弁26を開放させるいわゆるノーマルオープン型の
制御弁で構成したものである。 (第7実施例)すなわち、図7に示す第7実施例は、上
記図1の第1実施例において、ハウジング11の大径孔
11Aのリヤ側にフロント側を向けた段部断面11A'
を形成している。また、入力軸14の大径部14Aと推
力ピストン13のリヤ側端面とにわたってばね36を弾
装して、入力軸14の大径部14Aと推力ピストン13
のリヤ側端面とを常時離隔する方向に付勢している。ば
ね36の弾撥力は、液圧室16のばね22のよりも弾撥
力が小さなものを用いている。非作動状態においては、
推力ピストン13のリヤ側の端面が段部断面11A'に
当接することで、大径孔11A内でのプライマリピスト
ン12および推力ピストン13の後退端の位置を規制し
ている。また、入力軸14は、その段部端面14Bがハ
ウジング11の段部端面11dに当接している。この非
作動状態において、弁体32は弁座31から離座して制
御弁26は開放されているので、この排出通路28を介
して増圧室23とリザーバ5とが連通している。その他
の構成は、上記図1の第1実施例のものと同じである。
この図7に示した第7実施例では、非作動状態では制御
弁26が開放されているが、入力軸14が前進されると
直ちにばね36が圧縮されて制御弁26が閉鎖される。
このあとの作動は、上記図1の第1実施例の場合と同じ
である。このような構成の第7実施例であっても、上記
第1実施例と同様の作用効果を得ることができる。
【0024】(第8実施例)次に、図8に示す第8実施
例は、上記図2の第2実施例において、ハウジング11
の大径孔11Aにおけるリヤ側に、フロント側を向けた
段部断面11A' を形成している。また、入力軸14の
有底孔14aの底面とそれに対向するプライマリピスト
ン12の端面とにわたってばね36を弾装している。さ
らに、この実施例では、弁部材39の軸部に円柱部39
bを形成して、それをプライマリピストン12の端面に
形成したガイド孔12gに摺動自在に嵌合している。こ
れに関連して、弾性部材40は筒状として、この弾性部
材40に円柱部39bを貫通させている。そして、非作
動状態においては、プライマリピストン12のリヤ側の
端面が段部断面11A' に当接することで、大径孔11
A内でのプライマリピストン12の後退端の位置が規制
されている。また、入力軸14は、その段部端面14B
がハウジング11の段部端面11dに当接している。こ
の非作動状態において、弁体32は弁座31から離座し
て制御弁26は開放されているので、この排出通路28
を介して増圧室23とリザーバ5とが連通している。そ
の他の構成は、図2に示した第2実施例のものと同じで
ある。この図8に示した第8実施例では、非作動状態で
は制御弁26が開放されているが、入力軸14が踏み込
まれると直ちにばね36が圧縮されて制御弁26が閉鎖
される。このあとの作動は、上記図2の第2実施例の場
合と同じである。このような構成の第8実施例であって
も、上記第2実施例と同様の作用効果を得ることができ
る。
【0025】(第9実施例)次に、図9に示す第9実施
例は、上記図3の第3実施例において、入力軸14のフ
ロント側の外周部と推力ピストン13の有底孔13Dの
底部とにわたってばね36を弾装するとともに、推力ピ
ストン13の有底孔13Dにおける軸方向の所定位置に
ストッパリング51を取り付けたものである。このスト
ッパリング51に大径部14Aのリヤ側の段部端面を当
接させることにより、推力ピストン13に対する入力軸
14のリヤ側への後退端を規制している。この非作動状
態において、弁体32は弁座31から離座して制御弁2
6は開放されているので、排出通路28を介して増圧室
23とリザーバ5とは連通している。そのほかの構成
は、図3に示す第3実施例と同じである。この図9に示
した第9実施例では、非作動状態では弁体32が弁座3
1から離座して制御弁26が開放されているが、入力軸
14が踏み込まれると直ちにばね36が圧縮されて制御
弁26が閉鎖されるようになっている。このあとの作動
は、上記図3の第3実施例の場合と同じである。このよ
うな構成の第9実施例であっても、上記第1実施例と同
様の作用効果を得ることができる。
【0026】(第10実施例)次に図10に示す第10
実施例は、上記図4の第4実施例において、推力ピスト
ン13の有底孔13Dにおける軸方向の所定位置にスト
ッパリング51を取り付けて、このストッパリング51
に入力軸14の大径部14Aの段部端面を当接させたも
のである。これにより、推力ピストン13に対する入力
軸14のリヤ側への後退端を規制している。この非作動
状態において弁体32は弁座31から離座して制御弁2
6は開放されているので排出通路28を介して増圧室2
3とリザーバ5とは連通している。そのほかの構成は、
図4に示す第4実施例と同じである。この図10に示し
た第10実施例では、非作動状態では弁体32が弁座3
1から離座して制御弁26が開放されているが、入力軸
14が踏み込まれると直ちにばね36が圧縮されて制御
弁26が閉鎖されるようになっている。このあとの作動
は、上記図4の第4実施例の場合と同じである。このよ
うな構成の第10実施例であっても、上記第1実施例と
同様の作用効果を得ることができる。
【0027】(第11実施例)次に図11に示す第11
実施例は、図5の第5実施例において、入力軸14の環
状突起48Cの厚さ(軸方向寸法)を小さくしてあり、
その厚さを小さくした寸法だけ、円柱部材49のフロン
ト側の端面と環状突起48Cのリヤ側の端面との間に間
隙が維持されている。そして、この間隙の軸方向寸法分
だけ、円柱部材49と筒状部材48とが軸方向に相対移
動することができる。この非作動状態において、スプー
ル弁39は図5の第5実施例に比較して上記隙間の軸方
向寸法分だけリヤ側に後退しており、スプール弁39の
弁体32は弁座31と重合して、制御弁26は開放され
ているので、排出通路28を介して増圧室23とリザー
バ5とは連通している。そのほかの構成は、図5の第5
実施例と同じである。この図11に示した第11実施例
では、非作動状態では、弁体32が弁座31(連通路1
2eの開口)と重合して制御弁26が開放されている
が、ブレーキペダルが踏み込まれると、先ず円柱部材4
9およびスプール弁39が円筒部材に対して前進されて
スプール弁39の外周部によって弁座31(連通路12
eの開口)が閉鎖されるようになっている。このあとの
作動は、上記図5の第5実施例の場合と同じである。こ
のような構成の第11実施例であっても、上記第1実施
例と同様の作用効果を得ることができる。
【0028】(第12実施例)次に図12に示した第1
2実施例は、図6に示す第6実施例において、ハウジン
グ11の大径孔11Aのリヤ側に、フロント側を向けた
段部端面11A' を形成して、そこにプライマリピスト
ン12の第2フランジ部12Bの端面を当接させるよう
にしている。これにより、大径孔11A内におけるプラ
イマリピストン12の後退端の位置を規制してあり、入
力軸14の大径部14Aの端面14Bがハウジング11
の段部端面11dに当接して入力軸14の後退限を規制
している。それにより非作動状態で、プライマリピスト
ン12の筒状部12dの先端と、それに対向する入力軸
14の段部端面との間に間隙が維持されている。この非
作動状態において、スプール弁39は図6の第6実施例
に比較して入力軸14に対し相対的にフロント側に位置
しており、制御弁26は開放されているので、排出通路
28を介して増圧室23とリザーバ5とは連通してい
る。その他の構成は、図6に示す第6実施例と同じであ
る。この第12実施例では、図示非作動状態では弁体3
2が弁座31(連通路14bの開口)と重合して制御弁
26が開放されているが、ブレーキペダルが踏み込まれ
ると、プライマリピストン12の筒状部12dの先端と
入力軸14の段部端面とが当接するとともに、スプール
弁39のリヤ側の外周部によって弁座31(連通路14
bの開口)が閉鎖される様になっている。このあとの作
動は、上記図6の第6実施例の場合と同じである。この
ような構成の第11実施例であっても、上記第1実施例
と同様の作用効果を得ることができる。また、上記第7
実施例から第12実施例では非作動状態で制御弁26を
開放して、増圧室23をリザーバ5に連通させるように
しているので、例えば、誤ってポンプ27が作動した場
合等であっても、非作動時増圧室23内の液圧を確実に
大気圧に維持することができる。なお、上記第1、第
3、第4、第7、第9、および第10実施例では、プラ
イマリピストン12と推力ピストン13とを別体に設け
ているが、プライマリピストン12と推力ピストン13
とを一体とし、それをプライマリピストン12としても
良い。その場合においても、上記実施例と同様の作用効
果を得ることができる。また、上記第2、第5、第6、
第8、第11および第12実施例ではプライマリピスト
ン12を軸方向で2分割し、そのリヤ側部分を推力ピス
トン13とし、その推力ピストン13に排出通路28、
第2カップシール25等を設けても良い。その場合にお
いても、上記実施例と同様の作用効果を得ることができ
る。
【0029】なお、上記各実施例は入力軸14をブレー
キペダル2に直接連結した場合について説明している
が、入力軸14とブレーキペダル2との間にブレーキ倍
力装置を介在させても良い。この場合には、ブレーキ倍
力装置の出力軸によって入力軸が前進されることにな
る。そして、この場合には、増圧手段6(ポンプ27)
を作動させた際により一層大きなブレーキ力を得ること
ができる。しかも、このような構成においては、仮にブ
レーキ倍力装置の圧力源が失陥した場合には、そのこと
を検出する検出手段の検出結果に基づいて制御装置によ
って増圧手段を作動させれば、圧力源が失陥しても必要
かつ十分なブレーキ力を得ることができる。また、上記
各実施例では、ハウジング11内にプライマリピストン
12を備えたマスタシリンダ3に本発明を適用した場合
について説明しているが、ハウジング11内にプライマ
リピストンおよびセカンダリピストンを備えたいわゆる
タンデムタイプのマスタシリンダにも本発明を適用する
ことができる。
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明のマスタシリンダ
によれば、部品点数が少なく、構造が簡単で安価であ
り、小型化が図れるとともに、マスタシリンダ圧を所要
時に増圧して大きなブレーキ力を得ることできるという
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図
【図2】本発明の第2実施例を示す断面図
【図3】本発明の第3実施例を示す断面図
【図4】本発明の第4実施例を示す断面図
【図5】本発明の第5実施例を示す断面図
【図6】本発明の第6実施例を示す断面図
【図7】本発明の第7実施例を示す断面図
【図8】本発明の第8実施例を示す断面図
【図9】本発明の第9実施例を示す断面図
【図10】本発明の第10実施例を示す断面図
【図11】本発明の第11実施例を示す断面図
【図12】本発明の第12実施例を示す断面図
【符号の説明】
1 ブレーキシステム 2 ブレーキペ
ダル 3 マスタシリンダ 4 ホイールシ
リンダ 5 リザーバ 11 ハウジン
グ 12 プライマリピストン 13 推力ピス
トン 14 入力軸 23 増圧室 26 制御弁 27 ポンプ 28 排出通路 31 弁座 32 弁体 37 弁室 39 スプール弁

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に摺動自在に嵌合されマス
    タシリンダ圧を発生させるマスタシリンダピストンと、
    該マスタシリンダピストンのリヤ側に当接されて上記ハ
    ウジング内に摺動自在に嵌合された推力ピストンと、該
    推力ピストンのリヤ側となる上記ハウジング内に形成さ
    れた増圧室と、ブレーキ操作部材に連動して進退動され
    る入力軸と、所要時に上記増圧室と連通する液圧源と、
    上記増圧室とリザーバとを連通し上記増圧室内の作動液
    をリザーバに排出する排出通路と、上記入力軸に連動し
    て作動し、上記排出通路を介して上記増圧室からリザー
    バへの作動液の排出量を調整することにより入力軸の入
    力に応じた液圧を上記増圧室に発生させる制御弁とを備
    え、 上記排出通路の上記増圧室側の開口部を上記推力ピスト
    ンに設けるとともに、該開口部と上記入力軸のフロント
    側端部とにより上記制御弁を構成したことを特徴とする
    マスタシリンダ。
  2. 【請求項2】 ハウジング内に摺動自在に嵌合されマス
    タシリンダ圧を発生させるマスタシリンダピストンと、
    該マスタシリンダピストンのリヤ側に当接されて上記ハ
    ウジング内に摺動自在に嵌合された推力ピストンと、該
    推力ピストンのリヤ側となる上記ハウジング内に形成さ
    れた増圧室と、ブレーキ操作部材に連動して進退動され
    る入力軸と、所要時に上記増圧室と連通する液圧源と、
    上記増圧室とリザーバとを連通し上記増圧室内の作動液
    をリザーバに排出する排出通路と、上記入力軸に連動し
    て作動し、上記排出通路を介して上記増圧室からリザー
    バへの作動液の排出量を調整することにより入力軸の入
    力に応じた液圧を上記増圧室に発生させる制御弁とを備
    え、 上記推力ピストンと上記入力軸を液密を保持して摺動自
    在に係合させ、上記推力ピストンと上記入力軸との間に
    弁室を設けるとともに、該弁室を介して上記排出通路を
    形成し、上記弁室内に上記排出通路の開放、閉鎖を行う
    上記制御弁を設けたことを特徴とするマスタシリンダ。
  3. 【請求項3】 ハウジング内に摺動自在に嵌合されマス
    タシリンダ圧を発生させるマスタシリンダピストンと、
    該マスタシリンダピストンのリヤ側となる上記ハウジン
    グ内に形成された増圧室と、ブレーキ操作部材に連動し
    て進退動される入力軸と、所要時に上記増圧室と連通す
    る液圧源と、上記増圧室とリザーバとを連通し上記増圧
    室内の作動液をリザーバに排出する排出通路と、上記入
    力軸に連動して作動し、上記排出通路を介して上記増圧
    室からリザーバへの作動液の排出量を調整することによ
    り入力軸の入力に応じた液圧を上記増圧室に発生させる
    制御弁とを備え、 上記マスタシリンダピストンと上記入力軸を液密を保持
    して摺動自在に係合させ、上記マスタシリンダピストン
    と上記入力軸との間に弁室を設けるとともに、該弁室を
    介して上記排出通路を形成し、上記弁室に上記排出通路
    の開放、閉鎖を行う上記制御弁を設けたことを特徴とす
    るマスタシリンダ。
  4. 【請求項4】 上記推力ピストンまたはマスタシリンダ
    ピストンはリヤ側に上記ハウジングのリヤ側端部を液密
    を保持して摺動自在に貫通する小径部を有し、上記入力
    軸は上記小径部内に液密を保持して摺動自在に係合され
    ていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載
    のマスタシリンダ。
  5. 【請求項5】 上記制御弁は、上記推力ピストンまたは
    入力軸のいずれか一方に設けられた弁座と、他方に設け
    られた弁体からなることを特徴とする請求項1に記載の
    マスタシリンダ。
  6. 【請求項6】 上記制御弁は、上記推力ピストンまたは
    マスタシリンダピストンと上記入力軸のいずれか一方に
    設けられた弁座と、上記弁室内に設けられた弁体からな
    ることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1
    に記載のマスタシリンダ。
  7. 【請求項7】 上記制御弁は、上記推力ピストンまたは
    マスタシリンダピストンと上記入力軸のいずれか一方に
    摺動自在に嵌合され上記排出通路の開放、閉鎖を行うス
    プール弁を有することを特徴とする請求項1乃至請求項
    4のいずれか1に記載のマスタシリンダ。
  8. 【請求項8】 上記制御弁は、上記入力軸が前進されて
    いない非作動状態において、上記排出通路を閉鎖してい
    ることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1
    に記載のマスタシリンダ。
  9. 【請求項9】 上記制御弁は、上記入力軸が前進されて
    いない非作動状態において、上記排出通路を開放してい
    ることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1
    に記載のマスタシリンダ。
  10. 【請求項10】 上記制御弁は、上記弁体またはスプー
    ル弁を上記排出通路を開放させる方向に付勢する弾性部
    材を有することを特徴とする請求項5乃至請求項9のい
    ずれか1に記載のマスタシリンダ。
  11. 【請求項11】 上記制御弁は、上記弁体が上記弁座に
    当接後、変形して上記入力軸を上記推力ピストンまたは
    マスタシリンダピストンに当接可能にする第2の弾性部
    材を上記弁体に設けたことを特徴とする請求項5または
    請求項6に記載のマスタシリンダ。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至請求項11のいずれか1
    に記載のマスタシリンダであって、ブレーキ倍力装置を
    介してブレーキ操作部材に接続されていることを特徴と
    するマスタシリンダ。
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