JP2000203412A - ブレ―キシステム - Google Patents
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Abstract
に増圧手段11によってマスタシリンダ3の液圧を増圧
できるようになっている。増圧手段11は、プライマリ
ピストン21のリヤ側に設けられポンプ65に接続され
た増圧室32と、その増圧室32の液圧を制御する入力
軸17に連結されたスプール弁48とスリーブ45とを
備えており、そのスリーブ45はプライマリピストン2
1に対し相対移動可能に構成され、スリーブ45とプラ
イマリピストン21との相対位置を制御するストローク
短縮手段を有している。 【効果】 増圧手段11によってマスタシリンダ3の液
圧を増圧する時には、通常のブレーキ作動時よりも入力
軸17の前進ストロークを小さくすることができる。
Description
し、より詳しくは、マスタシリンダ圧を直接増圧するこ
とにより大きなブレーキ力を得ることのできるブレーキ
システムに関する。
圧や液圧等の流体圧により入力を所定の大きさに倍力し
て出力する倍力装置を備えており、この倍力装置の大き
な出力でマスタシリンダを作動させてマスタシリンダ圧
を発生させることにより、小さなブレーキペダルの踏力
で大きなブレーキ力を得ようとするものである。
置を備えたブレーキシステムにおいては、従来エンジン
において発生する負圧を利用している。しかしながら、
近年、エンジンの低燃費化が求められており、それに伴
い、エンジンによって発生する負圧が低下し、その結
果、負圧倍力装置の出力が低下するようになった。そこ
で、この出力低下に対応するためには負圧倍力装置を大
型化すればよいが、大型化した負圧倍力装置は、エンジ
ンルーム内に設置することが困難となる。一方、液圧倍
力装置を備えたブレーキシステムにおいては、ポンプや
アキュムレータ等の部品が必要となるため、システム全
体のコストが高くなるという欠点が生じる。さらに、こ
のようなブレーキシステムにおいては、急ブレーキ時に
は、通常の緩やかなブレーキ時よりもなるべく早く大き
なブレーキ力を発生させることが望ましい。しかも、急
ブレーキ時には大きなブレーキ力を発生させる必要があ
る。しかしながら、初心者等の自動車の運転に慣れてい
ないドライバのなかには、ブレーキペダルを大きく踏み
込むことができず、大きなブレーキ力を発生させること
ができないことがある。このような場合には、運転に慣
れていないドライバであっても、確実に大きなブレーキ
力を発生させるために補助できるようにすることが望ま
しい。しかしながら、従来のブレーキシステムでは、実
質的にブレーキ作動が行われるサーボ制御でのサーボ比
が一定であるため、急ブレーキ時に通常ブレーキ時より
早く大きなブレーキ力を発生させることができず、しか
も運転に慣れていないドライバに対して確実に大きなブ
レーキ力を発生させるように補助することが出来ず、上
述したような要望に応えることは難しい。また、従来の
倍力装置を備えたブレーキシステムでは、同じペダルス
トロークで得られるブレーキ力は常に一定である。しか
しながら、このように同じペダルストロークで得られる
ブレーキ力が一定であると、操作フィーリングを良好に
する等のブレーキの操作性の向上に柔軟に対応すること
ができない。本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、その目的は、簡単な構造でマスタシリンダ圧
を増圧必要時に増圧して大きなブレーキ力が得られると
ともに、操作手段のストロークを短縮出来るブレーキシ
ステムを提供することである。
本発明は、ブレーキ液を貯溜するリザーバと、ハウジン
グ内に設けたマスタシリンダピストンが前進することに
よりマスタシリンダ圧を発生するマスタシリンダと、上
記マスタシリンダ圧が供給されるホイールシリンダとを
備えたブレーキシステムにおいて、所要時に上記マスタ
シリンダピストンを前進させてマスタシリンダ圧を増圧
させる増圧手段を設け、この増圧手段は、上記ハウジン
グ内におけるマスタシリンダピストンのリヤ側に形成し
た増圧室と、該増圧室に接続される圧力源と、フロント
側が上記増圧室に臨みブレーキ操作部材に連動してマス
タシリンダピストンを前進させる入力軸と、該入力軸の
フロント側端部と上記マスタシリンダピストンのリヤ側
端部との間に設けられて上記増圧室とリザーバとの連通
状態を切り換える制御弁機構とを備え、上記制御弁機構
を上記マスタシリンダピストンと相対移動可能に設ける
とともに、上記制御弁機構と上記マスタシリンダピスト
ンとの相対位置を制御して上記マスタシリンダピストン
のストロークより上記入力軸のストロークを小さくする
ストローク短縮手段を設けたものである。
増圧させる増圧手段を設けるとともに、マスタシリンダ
ピストンのストロークより入力軸のストロークを小さく
するストローク短縮手段を設けたので、所要時にマスタ
シリンダ圧を増圧して大きなブレーキ力を得ることがで
きるとともに、増圧手段によってマスタシリンダ圧を増
圧するときには、マスタシリンダピストンのストローク
より入力軸のストロークを小さくすることができる。
と、図1において本発明に係るブレーキシステム1は、
ブレーキペダルの踏力を倍力して出力する負圧式倍力装
置2と、この負圧式倍力装置2の出力により作動されて
マスタシリンダ圧を発生するマスタシリンダ3と、マス
タシリンダ3からマスタシリンダ圧を供給されるホイー
ルシリンダ4〜7と、ブレーキ液を貯溜するリザーバ8
と、さらにマスタシリンダ3におけるリヤ側に設けられ
て所要時にマスタシリンダ圧を増圧する増圧手段11と
を備えている。負圧式倍力装置2は従来周知の一般的な
ものであり、ブレーキペダルが踏み込まれると倍力装置
2の入力軸12が前進されるので、バルブボディ13内
に設けた弁機構によってバルブボディ13内の流路が切
り換えられて変圧室14に大気が導入されるようになっ
ている。これにより、定圧室15内の負圧と変圧室14
内の大気圧との差圧によってバルブボディ13が前進さ
れて、出力軸16から所定のサーボ比の出力が得られる
ようになっている。そして、本実施例では、出力軸16
の出力は、増圧手段11が備える入力軸17を介してマ
スタシリダ3へ伝達されるようになっている。
あり、従来公知のものと同様に、ハウジング18内のリ
ヤ側に配置したプライマリピストン21と、ハウジング
18内のフロント側に配置したセカンダリピストン22
とを備えている。マスタシリダ3のハウジング18に
は、軸方向の大径孔18Aを穿設するとともに、この大
径孔18Aから連続してリヤ側の端面に貫通する小径孔
18Bを穿設している。プライマリピストン21および
セカンダリピストン22は、開口部をフロント側に位置
させあり、その状態でプライマリピストン21を上記大
径孔18Aにおけるリヤ側の内周部に摺動自在に嵌合す
る一方、セカンダリピストン22を大径孔18Aにおけ
るフロント側の内周部に摺動自在に嵌合している。ハウ
ジング18の小径孔18Bに入力軸17のフロント側を
摺動自在に嵌合させてあり、この入力軸17のリヤ側の
軸部に設けた有底孔に負圧式倍力装置2の出力軸16の
フロント側の端部を嵌合して有底孔の底部に当接させて
いる。小径孔18Bの内周部には、環状のシール部材2
4を装着してあり、これによって、小径孔18Bの内周
部と入力軸17との間の液密を保持している。他方、大
径孔18A内に位置する入力軸17のフロント側の端部
(端面)には、後述する環状のリテーナ25を当接させ
てあり、さらにこのリテーナ25にプライマリピストン
21のリヤ側の端面を当接させている。つまり、入力軸
17のフロント側の端部(端面)とプライマリピストン
21のリヤ側の端面とでリテーナ25を挟持している。
したがって、負圧式倍力装置2が作動されて出力軸16
が前進されると、入力軸17が前進されてプライマリピ
ストン21およびセカンダリピストン22が前進され
て、マスタシリンダ圧が発生する様になっている。セカ
ンダリピストン22のリヤ側の端面と、それに対向する
プライマリピストン21とにわたって軸方向に伸縮自在
な従来公知のリテーナ26を取り付けてあり、このリテ
ーナ26のフロント側の半径方向部とリヤ側の半径方向
部とにわたってばね27を弾装している。これにより、
図1に示した非作動状態では、セカンダリピストン22
とプライマリピストン21とは、軸方向に最も離隔した
状態に維持されている。また、大径孔18Aのフロント
側の端面とそれに対向するセカンダリピストン22とに
わたってばね28を弾装している。これによって、非作
動状態ではセカンダリピストン22とプライマリピスト
ン21は、プライマリピストン21のリヤ側の端面と入
力軸17のフロント側の端面とでリテーナ25を挟持し
た状態となっており、かつ大径孔18A内の最もリヤ側
となる図示非作動位置に位置している。これにより、入
力軸17もハウジング18に対する最もリヤ側の非作動
位置に位置している。
外周部には環状のシール部材31を装着してあり、これ
によって大径孔18Aの内周部とシール部材31を装着
した位置のプライマリピストン21の外周部との間の液
密を保持している。本実施例では、シール部材31の位
置よりもリヤ側に位置する大径孔18Aの内部空間によ
って増圧室32を形成している。大径孔18Aの内周部
における軸方向中央側の位置には、環状溝を形成してあ
り、そこに断面コ字形をした環状のカップシール33を
装着している。このカップシール33の内周部をプライ
マリピストン21の外周部に密着させてあり、その部分
の液密を保持している。図示非作動状態におけるカップ
シール33の隣接リヤ側からシール部材31の隣接フロ
ント側に至る大径孔18Aの内周部の内径は拡径させて
あるので、その拡径させた内周部とその近接内方位置と
なるプライマリピストン21の外周面との間に環状の空
間部が維持されており、そこを第1環状液室34として
いる。この第1環状液室34は、そこから連続するハウ
ジング18の半径方向孔18aを介してリザーバ8に連
通しているので、常時リザーバ8内のブレーキ液が導入
されている。
状溝を形成してあり、そこに断面コ字形をした環状のカ
ップシール35を装着している。このカップシール35
の内周部をセカンダリピストン22の外周部に密着させ
てあり、その部分の液密を保持している。さらに、カッ
プシール35のリヤ側となる大径孔18Aの内周部に環
状溝を形成してあり、そこに環状のシール部材36を装
着している。このシール部材36によってそれを装着し
た環状溝とセカンダリピストン22の外周面との間の液
密を保持している。上記シール部材36とそれよりもリ
ヤ側のカップシール33の間に位置する大径孔18Aの
内部空間およびそこに連通するプライマリピストン21
の内部空間とによって第1液圧室37を構成している。
第1液圧室37から連続させて半径方向孔18b,18
cをそれぞれ形成してあり、これらは環状孔18dに連
通している。環状孔18dは、第1出力口38に連通し
ており、この第1出力口38は導管39を介してリヤ側
のホイールシリンダ6,7に連通している。カップシー
ル33を装着した環状溝と交差させて、ハウジング18
には上記半径方向孔18cと半径方向孔18aとを接続
する軸方向孔18eを形成している。カップシール33
は、断面コの字形をしており、そのリヤ側からフロント
側への流体の流通のみを許容する逆止弁の機能を備えて
いる。そのため、リザーバ8内のブレーキ液は、半径方
向孔18a,軸方向孔18e、カップシール33、半径
方向孔18cを介して第1液圧室37に導入される様に
なっており、さらに第1液圧室37内のブレーキ液は両
半径方向孔18b,18c、環状孔18d、導管39を
介してホイールシリンダ6,7に供給されるようになっ
ている。プライマリピストン21におけるフロント側の
位置には、その内部空間と連通する半径方向孔21aを
穿設してあり、図示非作動状態では、半径方向孔21a
の外方側の開口部は、カップシール33のリヤ側の端面
を軸方向に跨ぐ位置で停止している。カップシール33
のリヤ側の端面と、それを装着した環状溝のリヤ側の端
面との間には、常時半径方向の隙間が形成されている。
これにより、半径方向孔21aと,そこに連通するカッ
プシール33の隣接リヤ側の空間と、そこよりもリヤ側
の軸方向孔18eおよび半径方向孔18aを介して、リ
ザーバ8とと第1液圧室37が連通して、第1液圧室3
7内に大気圧のブレーキ液が供給されている。
ト側に位置する大径孔18Aの内部空間およびそこに連
通するセカンダリピストン22の内部空間とによって第
2液圧室41を構成している。第2液圧室41は、第2
出力口42およびそこに接続した導管43を介してフロ
ント側のホイールシリンダ4,5と連通している。カッ
プシール35とシール部材36との間の位置には、リザ
ーバ8内と連通する半径方向孔18fを形成している。
カップシール35を装着した環状溝と交差させて半径方
向孔18fに連続する軸方向孔18gを穿設してあり、
この軸方向孔18gのフロント側の端部は、第2液圧室
41に常時連通している。カップシール35は断面コ字
形をしており、そのリヤ側からフロント側へのブレーキ
液の流通のみを許容する逆止弁の機能を備えている。そ
のため、リザーバ8内のブレーキ液は、半径方向孔18
f,軸方向孔18g、カップシール35を介して第2液
圧室42に導入されるとともに、さらに第2液圧室42
内のブレーキ液は導管43を介してホイールシリンダ
4,5に供給されるようになっている。セカンダリピス
トン22におけるフロント側の位置には、その内部空間
と連通する半径方向孔22aを穿設してあり、図示非作
動状態では、半径方向孔22aの外方側の開口部は、カ
ップシール35のリヤ側の端面を軸方向に跨ぐ位置で停
止している。カップシール35のリヤ側の端面と、それ
を装着した環状溝の端面との間には、常時半径方向の隙
間が形成されている。そのため、図示非作動状態では、
半径方向孔22aと,そこに連通するカップシール35
のリヤ側の空間、そこよりもリヤ側の軸方向孔18gお
よび半径方向孔18fを介して、リザーバ8と第2液圧
室41が連通して、第2液圧室41に大気圧のブレーキ
液が供給されている。
トン21およびセカンダリピストン22が前進される作
動時には、プライマリピストン21の半径方向孔21a
はカップシール33よりもフロント側に移動されるとと
もに、セカンダリピストン22の半径方向孔22aはカ
ップシール35よりもフロント側に移動される。そのた
め、カップシール33の内周部が半径方向孔21aより
リヤ側のプライマリピストン21の外周部に密着して第
1液圧室37とリザーバ8との連通状態が遮断されると
ともに、カップシール35の内周部が半径方向孔22a
よりリヤ側のセカンダリピストン22の外周部に密着し
て第2液圧室41とリザーバ8との連通状態が遮断され
る。これにより、第1液圧室37および第2液圧室41
内にマスタシリンダ圧が発生し、そのマスタシリンダ圧
は導管39、43を介してホイールシリンダ4〜7に供
給されて制動力が得られるようになっている。なお、本
実施例では、導管39、43の途中に、アンチスキッド
制御を行う従来公知の液圧制御手段44,44をそれぞ
れ設けている。図示しない制御装置によって液圧制御手
段44,44の作動を制御することにより、アンチスキ
ッド制御を行うことができる様になっている。
ピストン21におけるリヤ側に増圧手段11を設けてあ
り、所要時にこの増圧手段11によってプライマリピス
トン21およびセカンダリピストン22を前進させてマ
スタシリンダ圧を増圧できるように構成したものであ
る。すなわち、プライマリピストン21のリヤ側の軸部
には、軸方向の有底孔21bを形成してあり、また、プ
ライマリピストン21のリヤ側の外周部は、シール部材
31よりもフロント側に比較して所定寸法だけ縮径させ
た小径部21cとしている。上記有底孔21b内に円筒
状をしたスリーブ45を摺動自在に嵌合している。スリ
ーブ45のフロント側の外周部および中央側の外周部に
は、それぞれ環状のシール部材46,47を装着してあ
り、これによって各シール部材46,47を設けた位置
のスリーブ45の外周面と有底孔21bの内周面との間
の液密を保持している。環状シール部材46,47の間
の位置となるスリーブ45の外周部には、環状溝45a
を形成してあり、さらに環状溝45aから連続して内部
空間に開口する半径方向孔45bを穿設している。一
方、プライマリピストン21にはシール部材31のフロ
ント側の位置に、環状溝と半径方向孔からなる通路21
dを形成してあり、この通路21dを介して第1環状液
室34とスリーブ45の環状溝45aが常時連通してい
る。つまり、第1環状液室34を経由してリザーバ8と
スリーブ45の半径方向孔45bとは常時連通してい
る。スリーブ45の軸方向寸法は、プライマリピストン
21の有底孔21bの深さと実質的に同じ寸法に設定し
てあり、スリーブ45のリヤ側の端部は増圧室32に臨
んでいる。スリーブ45のリヤ側の外周部は、フロント
側よりも縮径させた小径部45cとしてあり、他方、ス
リーブ45の内周部は、フロント側を大径にする一方、
リヤ側を小径にしてあり、この様に小径としたスリーブ
45のリヤ側の内周部に有底筒状をしたスプール弁48
を摺動自在に嵌合している。スプール弁48は、開口を
フロント側に位置させてスリーブ45に摺動自在に嵌合
してあり、その開口側となるスプール弁48のフロント
側の外周部は、リヤ側の外周部よりも縮径させた小径部
48aとしている。スプール弁48の軸方向寸法は、ス
リーブ45の軸方向寸法よりも長くしてあり、スプール
弁48のリヤ側の端部48bは円錐状にとがらせてい
る。また、スプール弁48のリヤ側の端部48bに近い
位置には、半径方向の貫通孔48cを穿設している。ス
リーブ45のフロント側の内方部には上記スプール弁4
8の小径部48aを囲繞して円筒状のリテーナ51を配
置してあり、このリテーナ51におけるリヤ側のフラン
ジ部をスリーブ45の段部端面に当接させてあり、さら
にこのリテーナ51におけるリヤ側のフランジ部と、そ
れに対向するプライマリピストン21の有底孔21bの
底部とにわたってばね52を弾装している。このばね5
2の弾撥力によって、スリーブ45は、プライマリピス
トン21の有底孔21bに対して常時リヤ側に向けて付
勢されている。一方、リテーナ51におけるフロント側
の半径方向部と、それに対向するスプール弁48の段部
端面とにわたってばね53を弾装してあり、このばね5
3の弾撥力によってスプール弁48は常時リヤ側にむけ
て付勢されている。ばね53の弾撥力は、その外方側の
ばね52の弾撥力よりも小さなものを用いている。
るスリーブ45の内周部とによって囲繞される空間部に
よって反力室54を構成している。反力室54はスプー
ル弁48の内部空間と常時連通している。図示非作動状
態では、スリーブ45の半径方向孔45bがスプール弁
48における段部端面よりもリヤ側の外周部によって閉
鎖されるようになっている。次に、リテーナ25につい
て説明すると、このリテーナ25は全体を環状に形成し
てあり、リヤ側の端部となる半径方向部25aと、半径
方向部25aの内外の縁部からフロント側へ伸びる外方
筒状部25bおよび内方筒状部25cを備えており、さ
らに外方筒状部25bのフロント側の端部の位置には、
半径方向外方に伸びるフランジ部25dを備えている。
このように形成したリテーナ25における外方筒状部2
5を、リヤ側からスリーブ45のリヤ側の外周部(小径
部21c)に摺動自在に嵌合すると同時に、内方筒状部
25cをスリーブ45の小径部21c内に遊嵌合してい
る。内方筒状部25cのフロント側の端部は、スリーブ
45におけるリヤ側を向けた段部端面に当接させてい
る。プライマリピストン21の小径部21c内のリヤ側
の位置には環状のシール部材55を装着してあり、これ
によってプライマリピストン21の小径部21cの内周
部とリテーナ25の内方筒状部25cの外周部との間の
液密を保持している。リテーナ25のフランジ部25d
とそれに対向する大径孔18Aの段部端面とにわたって
ばね56を弾装しているので、リテーナ25は、その半
径方向部25aがプライマリピストン21のフロント側
の端面に当接する位置までプライマリピストン21の小
径部21c内に嵌合されている。この状態におけるリテ
ーナ25の半径方向部25aは、入力軸17のフロント
側の端面に当接している。ばね56の弾撥力は、ばね2
7,28の弾撥力よりも小さく、かつスリーブ45内に
設けたばね52の弾撥力よりも大きなものを採用してい
る。入力軸17におけるフロント側の端面の軸部には、
リヤ側が縮径する段付の有底孔17aを穿設している。
増圧室32内に位置する入力軸17の外周部は、小径に
してあり、そこに環状溝17bを形成し、さらに,この
環状溝17bから連通して半径方向孔17cを穿設して
いる。スリーブ45のリヤ側の端部よりもリヤ側に突出
したスプール弁48のリヤ側の端部(先端部46b)を
入力軸17の有底孔17a内に挿入させてあり、かつ、
スプール弁48の先端部46bは有底孔17aの底部に
当接させている。そして、入力軸17の半径方向孔17
cに嵌合したピン57をスプール弁48の半径方向孔4
8cに貫通させてあり、その後から環状の抜止めリング
58を入力軸17の環状溝17bに係合させている。こ
れによって入力軸17とスプール弁48を連結してい
る。入力軸17の有底孔17aとその内方側のスプール
弁48の外周部との間には空間部61が形成されてお
り、この空間部61は、入力軸17のフロント側の端面
に形成した切欠き部17dを介して常時増圧室32と連
通している。また、空間部61は、スプール弁48の半
径方向孔48cおよびスプール弁48の内部空間を介し
て反力室54と常時連通しており、したがって、切欠き
部17d、空間部61、スプール弁48の半径方向孔4
8cおよびスプール弁48の内部空間を介して増圧室3
2と反力室54とが常時連通している。図示非作動状態
では、ばね53の隣接リヤ側に位置するスプール弁48
の外周面によってスリーブ45の半径方向孔45bの内
方側の端部が閉鎖されている。したがって、スリーブ4
5の半径方向孔45b、プライマリピストン21の通路
21d、第1環状液室34、半径方向孔18aを経由し
てのリザーバ8と反力室54および増圧室32との連通
状態は遮断されている。後に詳述するが、本実施例で
は、弁機構となるスプール弁48およびスリーブ45
を、プライマリピストン21に対して軸方向に相対移動
できるように構成してあるので、増圧手段11を作動さ
せた際の入力軸17の前進ストロークをプライマリピス
トン2の前進ストロークよりも短縮できるようになって
いる。
半径方向孔18aから連続してリヤ側に向けて軸方向孔
18hを形成してあり、さらにこの軸方向孔18hのリ
ヤ側の端部から連続して半径方向に伸びる半径方向孔1
8iを形成している。さらにこの半径方向孔18iから
連続して環状孔18jを形成してあり、この環状孔18
jのリヤ側の端部を大径孔18Aに開口させて増圧室3
2に連通させている。また、軸方向孔18hと交差させ
て環状溝を形成してあり、この環状溝に断面C字形をし
たカップシール62を装着している。このカップシール
62は、そのフロント側からリヤ側へ向けてのブレーキ
液の流通を許容する逆止弁としての機能を備えている。
したがって、リザーバ8内のブレーキ液は、半径方向孔
18a、軸方向孔18h、カップシール62、半径方向
孔18i、環状孔18jを介して増圧室32内に供給で
きるようになっている。これに対して、増圧室32内の
ブレーキ液は上述した流路を経由してリザーバ8に還流
できないようになっている。上述したように増圧室32
は、スプール弁48の内部空間などを経由する流路で反
力室54と常時連通しているので、増圧室32に導入さ
れたブレーキ液は反力室54にも導入出来るようになっ
ている。
18iから連続する連通孔63を形成してあり、この連
通孔63は、導管64を介してポンプ65と連通してい
る。導管64の途中には常閉の電磁開閉弁66を設けて
いる。電磁開閉弁66およびポンプ65の作動は図示し
ない制御装置によって作動を制御されるようになってお
り、制御装置は、所要時にポンプ65を作動させるとと
もに電磁開閉弁66を作動させて開放させる様になって
いる。図1に示したスプール弁48の外周部によってス
リーブ45の半径方向孔45bが閉鎖されている状態に
おいて、つまり反力室54とリザーバ8が連通していな
い状態から制御装置によってポンプ65が作動されると
ともに電磁開閉弁66が開放されると、ポンプ65の吐
出圧が増圧室32および反力室54に供給されるように
なっている。増圧室32に供給されたポンプ65の吐出
圧により、プライマリピストン21およびセカンダリピ
ストン22が前進されるので、第1液圧室37および第
2液圧室41のマスタシリンダ圧が増圧されるようにな
っている。以上の説明から理解できるように、本実施例
の増圧手段11は、増圧室32、反力室54、ポンプ6
5およびそれらを連通させるブレーキ液の流路と、スリ
ーブ45、スプール弁48、リテーナ25、ばね52,
53、56、電磁開閉弁66および入力軸17などから
構成されている。
キペダルが踏み込まれていない非作動状態においては、
ブレーキシステムの1の各構成要素は図1に示す非作動
位置に位置している。この状態では、ポンプ65は作動
されておらず、電磁開閉弁66は閉鎖されている。ま
た、ばね27、28に付勢されたプライマリピストン2
1およびセカンダリピストン22は、ハウジング18内
の最もリヤ側へ後退した位置に維持されており、プライ
マリピストン21のリヤ側の端面は、リテーナ25の半
径方向部25aに当接し、この半径方向部25aは入力
軸17のフロント側の端面に当接している。スプール弁
48はばね53によってリヤ側へ付勢されているので、
スプール弁48のフロント側の端部はプライマリピスト
ン21の有底孔21bの底部から離隔する一方、スプー
ル弁48の先端部48bは入力軸17の有底孔17aの
底部に当接している。さらに、ばね52によってリヤ側
へ付勢されているスリーブ45は、その段部端面がリテ
ーナ25の内方筒状部25cの先端部に当接すること
で、有底孔21bの最もフロント側に位置している。リ
ヤ側のカップシール62を設けた流路を介してリザーバ
8から増圧室32にブレーキ液が供給できるようになっ
ているので、増圧室32および反力室54は大気圧とな
っている。また、スプール弁48の外周面によってスリ
ーブ45の半径方向孔45bが閉鎖されているので、ス
リーブ45の半径方向孔45bを経由した反力室54と
リザーバ8との連通状態は遮断されている。また、マス
タシリンダ3の第1液圧室37および第2液圧室41は
リザーバ8に連通して大気圧となっている。
ら、ブレーキペダルが緩やかに踏み込まれると、負圧式
倍力装置2が作動して、その出力軸16が前進される。
これに連動して入力軸17が前進されるので、リテーナ
25、スリーブ45、スプール弁48、プライマリピス
トン21およびセカンダリピストン22が図1に示した
状態を維持して出力軸16の出力によって前進される。
これにより、プライマリピストン21の半径方向孔21
aがカップシール33よりもフロント側へ移動するとと
もに、セカンダリピストン22の半径方向孔22aがカ
ップシール35のフロント側に移動する。そのため、第
1液圧室37とリザーバ8との連通状態が遮断されると
ともに、第2液圧室41とリザーバ8との連通状態が遮
断される。したがって、第1液圧室37と第2液圧室4
1内にマスタシリンダ圧が発生する。これらのマスタシ
リンダ圧は、ホイールシリンダ4,5,6,7に供給さ
れて、通常どうりの制動力を得ることができる。なお、
プライマリピストン21の前進に伴って、増圧室32の
体積が増加して増圧室32内が負圧になろうとするが、
リザーバ8のブレーキ液がカップシール62を設けた流
路を介して増圧室32内に補給されるので、増圧室32
内は大気圧に保持される。したがって、プライマリピス
トン21は円滑に前進することができる。
が解除されると、負圧式倍力装置2が非作動となり、そ
の出力軸16および入力軸17が非作動位置であるリヤ
側へ後退する。出力軸16および入力軸17が後退し始
めた時点では、反力室54および増圧室32はともにリ
ザーバ8から遮断されて密封状態となっているので、プ
ライマリピストン21およびセカンダリピストン13は
ともに後退しない。その後、出力軸16および入力軸1
7がさらに後退するのに伴って、入力軸17のフロント
側の端面が、リテーナ25から離隔し、それに伴って、
スプール弁48のフロント側の小径部がスリーブ45の
半径方向孔45bの内方側の端部の位置に位置するの
で、半径方向孔45bを経由した流路で反力室54がリ
ザーバ8に連通する。このため、反力室54および増圧
室32内のブレーキ液がリザーバ8に排出されながら、
プライマリピストン21およびセカンダリピストン22
もリヤ側へ後退する。これにより、各ホイールシリンダ
4,5,6,7のブレーキ力が低下する。各ピストン2
1,22が図示非作動位置まで後退すると、第1液圧室
37,第2液圧室41がともにリザーバ8に連通して大
気圧となり、ブレーキシステム1は図示の非作動状態と
なってブレーキが解除される。
リンダ3の入出力特性は、マスタシリンダ圧をPとし、
入力軸17に作用する負圧式倍力装置2の出力をFと
し、大径孔18Aと摺動する位置のプライマリピストン
21およびセカンダリピストン22の断面積をA(プラ
イマリピストン21およびセカンダリピストン22の各
断面積は同一)とし、リヤ側のばね27の弾撥力をSP
Glとすると、プライマリピストン21の釣合から次の
関係が成り立つ。 P=F/A−SPG1/A ………(数式1) (ブレーキアシスト時の作動)上述したように本実施例
では、図示しない制御装置を設けてあり、さらに、ブレ
ーキペダルの踏力やペダルストローク等の上昇速度を検
出する図示しない検出手段を設けている。この検出手段
は、ブレーキペダルの踏力やペダルストロークの上昇速
度を制御装置に入力するようになっている。制御装置
は、検出手段から伝達される検出結果に基づいて、ブレ
ーキペダルの踏力やペダルストローク等の上昇速度が通
常のブレーキ作動時よりも大きく急ブレーキ等のブレー
キアシストを必要であると判断すると、上記ポンプ65
を作動させるとともに、電磁開閉弁66を開放させる。
すると、ポンプ65は、導管64、半径方向通路18
i、環状孔18jを介して増圧室32にブレーキ液を給
送する。増圧室32にポンプ65からブレーキ液が供給
されることにより、増圧室32および反力室54内の液
圧は上昇してポンプ65の吐出圧となる。すると、増圧
室32内の液圧が入力軸17にリヤ側方向に作用するの
で、その作用力が入力軸17に作用する入力より大きく
なると入力軸17はリヤ側方向に後退し、それに伴って
スプール弁48も後退する。これにより半径方向孔45
aと反力室54が連通し、増圧室32の液圧は半径方向
孔45aを介してリザーバ8に排出され、増圧室32に
供給されたポンプ65の吐出圧は入力軸17に作用する
入力に応じて調整される。
プ65の吐出圧により、プライマリピストン21および
セカンダリピスト22が前進する。この時、プライマリ
ピストン21は、スリーブ45、リテーナ25、スプー
ル弁48および入力軸17に対して相対的に前進される
ため、その相対移動分だけばね52の弾撥力が減少し、
それに伴って、ばね56の弾撥力によりリテーナ25お
よびスリーブ45がスプール弁48および入力軸17に
対して前進する。これに伴って、ばね56の弾撥力も減
少し、ばね52とばね56との弾撥力がバランスする位
置にスリーブ45が維持される。非作動状態からこの時
までのスリーブ45の前進ストロークL2は、非作動状
態からこの時までのプライマリピストン21の前進スト
ロークL1よりも小さなものとなる。つまり、L1−L
2分だけアシストブレーキ時においては、通常ブレーキ
時よりも入力軸17の前進ストロークを減少させること
ができる。換言すると、アシストブレーキ時において
は、通常ブレーキ時よりもブレーキペダルの踏み込みス
トロークを減少させることができる。このアシストブレ
ーキ時のマスタシリンダ3の入出力特性は、マスタシリ
ンダ圧(ポンプ吐出圧)をP、入力軸17の入力(負圧
式倍力装置2の出力)をFとし、小径孔の18Bの位置
の入力軸17の断面積をB、ばね53の弾撥力をSPG
2とすると、入力軸17の釣合から次の関係が成り立
つ。 P=F/B−SPG2/B ………(数式2) この数式2を前述の通常ブレーキ時の数式1と比較する
と、B<Aであるから、アシストブレーキ時のサーボ比
の方が通常ブレーキ時よりも大きくなり、したがって、
本実施例のブレーキシステム1において、ブレーキアシ
ストを確実に行うことができる。なお、アシストブレー
キ時において、その後、ブレーキペダルの踏込を解放す
ると、検出手段からの信号により、制御装置はポンプ6
5の作動を停止させるとともに電磁開閉弁66を閉鎖さ
せる。この後、前述の通常ブレーキ時の解除の場合と同
様に、まず出力軸16および入力軸17が後退し、それ
に伴ってスプール弁48も後退してスリーブ45の半径
方向孔45bと反力室54が連通する。これにより、増
圧室32および反力室54がともにリザーバ8に連通す
るので、プライマリピストン21およびセカンダリピス
トン22が後退し、プライマリピストン21のリヤ側の
端部がリテーナ25の半径方向部25aと当接し、負圧
式倍力装置2およびマスタシリンダ3が図示の非作動状
態となってブレーキが解除される。
例では、図示しない負圧センサを設けてあり、この負圧
センサは負圧源の負圧が失陥等により所定値以下に低下
したときに、そのことを検出して上記制御装置に伝達す
るようになっている。制御装置は、通常のブレーキ操作
が行われたときに、負圧センサから負圧が失陥した旨の
検出信号を伝達されると、前述のブレーキアシスト時と
同様に、ポンプ65を作動させるとともに電磁開閉弁6
6を開放させて増圧室21にポンプ65の吐出圧を給送
する。これにより、マスタシリンダ圧が増大するので、
負圧源の負圧が所定値以下に低下して負圧倍力装置2の
出力が低下したとしても、大きなブレーキ力を得ること
ができる。なお、通常のブレーキ作動時においても、マ
スタシリンダ圧がブレーキペダルの踏力(入力)に対し
て通常のサーボ比で上昇するときには、所定値以上の入
力に対しては、図2に示すように通常のサーボ比より大
きなサーボ比でマスタシリンダ圧を上昇させる逆二段サ
ーボ特性を得ることももできる。すなわち、ブレーキペ
ダルの踏み込みストロークを検出するペダルストローク
センサ、ブレーキペダルの踏力を検出する踏力センサ、
あるいはマスタシリンダ圧を検出する圧力センサ等の入
力を検出する適宜の図示しないセンサを設けて、通常の
サーボ比での通常ブレーキ作動時に、上述したセンサか
らの入力検出信号に基づいて、制御装置はサーボ比の変
更点である所定値以上の入力となったこを検出したとき
に、前述のブレーキアシスト時と同様に、電磁開閉弁6
6を開放するとともにポンプ65を作動する。これによ
り、図2に示すようにサーボ比が数式1の通常のサーボ
比から数式2の大きなサーボ比に切り換わる。こうし
て、所定値以上の入力に対しては、大きなブレーキ力を
得ることができる。近年、自動車のエンジンの低燃費化
により負圧が低下する傾向にあるが、この逆二段サーボ
特性により大きなマスタシリンダ圧が得られるので、負
圧が低下したとしても大きなブレーキ力を確実に得るこ
とができる。
実施例を示したものである。この第2実施例では、プラ
イマリピストン21の有底孔21aを段付の有底孔とし
てあり、それに伴ってスリーブ45もリヤ側が大径とな
る段付の筒状としている。すなわち、プライマリピスト
ン21の有底孔21aは、フロント側を小径孔21A、
リヤ側を大径孔21Bとしてあり、小径孔21A内とな
る反力室54は、プライマリピストン21の半径方向通
路21d、第1環状液室34などを介してリザーバ8と
連通し、反力室54は大気圧となっている。スリーブ4
5は、軸方向の中央側よりに大径のフランジ部45cを
形成してあり、このフランジ部45cをプライマリピス
トン21の大径孔21Bに摺動自在に嵌合すると同時
に、フランジ部45cよりもフロント側の外周部をプラ
イマリピストン21の小径孔21Aに摺動自在に嵌合し
ている。フランジ部45cの隣接フロント側となる外周
部には環状溝45aを形成してあり、さらに、環状溝4
5aよりもフロント側となる外周部にはシール部材46
を装着してあり、これによってプライマリピストン21
の小径孔21の内周部とスリーブ45における環状溝4
5aのフロント側の外周部との間の液密を保持してい
る。フランジ部45cには、その前後を連通させる軸方
向孔45dを穿設してあり、これによって増圧室32に
給送されたブレーキ液がフランジ部45cのフロント側
のおよび環状溝45aの位置まで導入されて様になって
いる。スリーブ45におけるフランジ部45cよりもリ
ヤ側の位置には、半径方向孔45bを穿設してあり、こ
れによってスリーブ45の内外が連通できるようになっ
ている。
筒状に形成してあり、上記スリーブ45の大径孔45B
に嵌合している。大径孔45Bのリヤ側にストッパリン
グ71を係止してあり、リテーナ25は、リヤ側の端部
がストッパリング71に当接する位置に維持されてい
る。このリテーナ25の半径方向部25aとそれに対向
するスリーブ45のフランジ部45dとにわたってばね
56を弾装している。これによって、スリーブ45は、
そのフランジ部45dが大径孔21Bの段部端面に当接
する位置に位置している。他方、入力軸17は、有底孔
17aの内径を軸方向において同一にしてあり、この入
力軸17の有底孔17aに上記スリーブ45のリヤ側の
外周部を摺動自在に嵌合している。スリーブ45のリヤ
側の外周部には、シール部材47を装着して、スリーブ
45のリヤ側の外周部と入力軸17の有底孔17aとの
液密を保持している。増圧室32に臨む入力軸17の軸
方向の所定位置には、ストッパリング72を取り付けて
あり、これによって、ハウジング18に対する入力軸1
7の後退端の位置を規制している。なお、入力軸17の
有底孔17aに嵌合したスリーブ45のリヤ側の外径
は、プライマリピストン21の小径孔21Aに嵌合した
スリーブ45のフロント側の外径よりも大きくしてい
る。さらに、スプール弁48の軸方向中央側の外周部に
環状溝48cを形成してあり、さらにここから連続する
半径方向孔48dを穿設している。また、スプール弁4
8には、先端部48bに近い位置に半径方向孔48eを
穿設している。スプール弁48の半径方向孔48eおよ
び内部空間を介して入力軸17の有底孔17a内の空間
部61と反力室54とが常時連通している。この第2実
施例においても、図示非作動状態においては、スリーブ
45の半径方向孔45bがスプール弁48の外周部によ
って閉鎖されるようにしている。
側の端部には、環状のリテーナ73を嵌着してあり、こ
のリテーナ73とそれに対向するスプール弁48の段部
端面とにわたってばね53を弾装している。これによ
り、スプール弁48はリヤ側に向けて付勢されて、その
先端部48bは、入力軸17の有底孔17aの底部に当
接している。つまり、この第2実施例では、入力軸17
とスプール弁48とはピンで連結することなく、ばね5
3のみによって当接させている。また、その関係で入力
軸17の外径は、軸方向の全域を同一寸法にしている。
その他の構成は上述した第1実施例の場合と同じであ
る。 (作動説明)このように構成した第2実施例では、図示
非作動状態からブレーキペダルが踏み込まれて負圧倍力
装置の出力によって入力軸17が前進されると、該入力
軸17とともにスリーブ45、プライマリピストン21
およびセカンダリピストン22が前進される。これによ
り、上記第1実施例と同様に、両液圧室37,41にマ
スタシリンダ圧が発生して通常のブレーキ力を得ること
ができる。上述した通常のブレーキ作動時に対して、ブ
レーキアシスト時には、図示非作動状態からブレーキペ
ダルが急激に踏み込まれて負圧倍力装置の出力によって
入力軸が前進される。また、制御装置によって、増圧室
32にポンプの吐出圧が供給される。すると、プライマ
リピストン21およびセカンダリピストン22は、スリ
ーブに対して相対的に前進しながら大径孔18Aを前進
する。増圧室32に供給されたポンプの吐出圧は、入力
軸17の有底孔17aより外側先端部分にリヤ側方向に
作用し、その作用力が入力軸17に作用する入力より大
きくなると入力軸17はリヤ側方向に後退し、それに伴
ってスプール弁48も後退する。これによりスプール弁
48の環状溝48cとスリーブ45の半径方向孔45b
とが連通し、増圧室32の液圧は半径方向孔45b、環
状溝48c、半径方向孔48d、反力室54を介してリ
ザーバ8に排出され、増圧室32に供給されたポンプの
吐出圧は、入力軸17に作用する入力に応じて調整され
る。このとき、スリーブ45には、小径孔21Aに嵌合
したフロント側の部分と有底孔17aに嵌合したリヤ側
の部分との断面積の差の分だけ、増圧室32内の液圧が
リヤ側に付勢するように作用する。このリヤ側への付勢
力と、ばね56の弾撥力とがバランスする。このよう
に、プライマリピストン21とスリーブ45とを相対移
動可能に構成するとともに、スリーブ45とプライマリ
ピストン21との相対位置をスリーブ45に作用する増
圧室32の液圧に応じて制御するようにしたので、非作
動状態からこの時までのスリーブ45の前進ストローク
L2は、非作動状態からこの時までのプライマリピスト
ン21の前進ストロークL1よりも小さなものとなる。
つまり、L1−S2分だけアシストブレーキ時において
は、通常ブレーキ時よりも入力軸17の前進ストローク
を減少させることができる。このように第2実施例にお
いても、上述した第1実施例と同様の作用効果を得るこ
とができる。なお、上記各実施例は、制御弁機構が非作
動時にスリーブ45の半径方向孔45bをスプール弁4
8で閉鎖し、作動時に半径方向孔45bを開にし増圧室
32からリザーバ8への通路を絞って増圧室32の液圧
を制御するいわゆるクローズドセンタ型に本発明を適用
しているが、非作動時にスリーブ45の半径方向孔45
bを反力室54に連通させておき、作動時半径方向孔4
5bを絞って増圧室32の液圧を制御するいわゆるオー
プンセンタ型の制御弁機構にも本発明を適用することが
できる。また、上記各実施例では、負圧式倍力装置2を
備えたブレーキシステムとしているが、倍力装置を備え
ておらず直接ブレーキペダルでマスタシリンダ3の入力
軸17を作動させるブレーキシステムにも本発明を適用
できる。
段を設けたので、所要時にマスタシリンダを増圧して大
きなブレーキ力を得ることができるという効果が得られ
る。また、増圧手段によってマスタシリンダ圧を増圧す
る時には、シリンダピストンの前進ストロークよりも入
力軸の前進ストロークを小さくすることができるという
効果が得られる。
ルシリンダ 3 マスタシリンダ 8 リザーバ 11 増圧手段 17 入力軸 21 プライマリピストン 22 セカンダ
リピストン 45 スリーブ(弁機構) 46 スプール
弁(弁機構)
Claims (8)
- 【請求項1】 ブレーキ液を貯溜するリザーバと、ハウ
ジング内に設けたマスタシリンダピストンが前進するこ
とによりマスタシリンダ圧を発生するマスタシリンダ
と、上記マスタシリンダ圧が供給されるホイールシリン
ダとを備えたブレーキシステムにおいて、 所要時に上記マスタシリンダピストンを前進させてマス
タシリンダ圧を増圧させる増圧手段を設け、 この増圧手段は、上記ハウジング内におけるマスタシリ
ンダピストンのリヤ側に形成した増圧室と、該増圧室に
接続される圧力源と、フロント側が上記増圧室に臨みブ
レーキ操作部材に連動してマスタシリンダピストンを前
進させる入力軸と、該入力軸のフロント側端部と上記マ
スタシリンダピストンのリヤ側端部との間に設けられて
上記増圧室とリザーバとの連通状態を切り換える制御弁
機構とを備え、 上記制御弁機構を上記マスタシリンダピストンと相対移
動可能に設けるとともに、上記制御弁機構と上記マスタ
シリンダピストンとの相対位置を制御して上記マスタシ
リンダピストンのストロークより上記入力軸のストロー
クを小さくするストローク短縮手段を設けたことを特徴
とするブレーキシステム。 - 【請求項2】 上記ストローク短縮手段は、上記制御弁
機構と上記マスタシリンダピストンとの相対位置を流体
圧で制御することを特徴とする請求項1に記載のブレー
キシステム。 - 【請求項3】 上記ストローク短縮手段は、上記制御弁
機構と上記マスタシリンダピストンとの相対位置を弾性
部材の付勢力により制御することを特徴とする請求項1
に記載のブレーキシステム。 - 【請求項4】 上記制御弁機構は、マスタシリンダピス
トンの有底孔に摺動自在に嵌合した円筒状のスリーブ
と、このスリーブ内に摺動自在に嵌合したスプール弁と
を備え、上記スリーブとスプール弁との相対移動により
上記増圧室と上記リザーバとの連通状態を切り換えるよ
うに構成されていることを特徴とする請求項2または請
求項3のいずれかに記載のブレーキシステム。 - 【請求項5】 上記流体圧は上記増圧室内の圧力であ
り、該増圧室の圧力による上記制御弁機構への作用力と
上記制御弁機構と上記マスタシリンダピストンとの間に
設けられた弾性部材の上記制御弁機構への付勢力とによ
り上記制御弁機構と上記マスタシリンダピストンとの相
対位置が制御されることを特徴とする請求項2に記載の
ブレーキシステム。 - 【請求項6】 上記制御弁機構と上記マスタシリンダピ
ストンとの間に設けられた第2の弾性部材の付勢力と上
記制御弁機構と上記ハウジングとの間に設けられた第3
の弾性部材の付勢力とにより上記制御弁機構と上記マス
タシリンダピストンとの相対位置が制御されることを特
徴とする請求項3に記載のブレーキシステム。 - 【請求項7】 上記制御弁機構は、非作動時上記増圧室
とリザーバとの連通を遮断し、上記増圧室に上記圧力源
の圧力が供給されると上記増圧室とリザーバとの連通を
開にするとともに、上記増圧室からリザーバへの圧液の
流れを制限して、上記増圧室の圧力を上記入力軸に加え
られる入力に応じて制御することを特徴とする請求項1
から請求項6のいずれかに記載のブレーキシステム。 - 【請求項8】 上記制御弁機構は、非作動時上記増圧室
とリザーバとを連通させ、上記増圧室に上記圧力源の圧
力が供給され、 上記入力軸が前進すると上記増圧室からリザーバへの圧
液の流れを制限して、上記増圧室の圧力を上記入力軸に
加えられる入力に応じて制御することを特徴とする請求
項1から請求項6のいずれかに記載のブレーキシステ
ム。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11007415A JP2000203412A (ja) | 1999-01-14 | 1999-01-14 | ブレ―キシステム |
US09/474,983 US6415605B1 (en) | 1999-01-14 | 1999-12-29 | Brake system |
FR0000398A FR2789356B1 (fr) | 1999-01-14 | 2000-01-13 | Systeme de freinage |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11007415A JP2000203412A (ja) | 1999-01-14 | 1999-01-14 | ブレ―キシステム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Family
ID=11665246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11007415A Pending JP2000203412A (ja) | 1999-01-14 | 1999-01-14 | ブレ―キシステム |
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JP (1) | JP2000203412A (ja) |
-
1999
- 1999-01-14 JP JP11007415A patent/JP2000203412A/ja active Pending
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