JPH0939765A - 車両の液圧ブレーキ装置 - Google Patents

車両の液圧ブレーキ装置

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JPH0939765A
JPH0939765A JP19195995A JP19195995A JPH0939765A JP H0939765 A JPH0939765 A JP H0939765A JP 19195995 A JP19195995 A JP 19195995A JP 19195995 A JP19195995 A JP 19195995A JP H0939765 A JPH0939765 A JP H0939765A
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JP
Japan
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hydraulic pressure
valve
master cylinder
hydraulic
pressure
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JP19195995A
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English (en)
Inventor
Satoshi Shimizu
聡 清水
Akira Sakai
酒井  朗
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の液圧ブレーキ装置において制動初期に
おけるペダルストロークの増大を低減し、適切な制動フ
ィーリングを確保する。 【解決手段】 液圧制御弁14と第1液路16によって
接続され、且つマスタシリンダ10と第2液路18によ
って接続されたチェンジバルブ20と、前記第2液路1
8中に、チェンジバルブ20からマスタシリンダ10へ
の流れのみを許容する第1逆止弁24と、マスタシリン
ダ10からチェンジバルブ20への所定圧以上の流れの
みを許容する第2逆止弁26と、を並列に備え、チェン
ジバルブ20へ流入するマスタシリンダ液圧を低くし
て、チェンジバルブ20の切換りの遅れがあっても、マ
スタシリンダ液圧のホイールシリンダFL、RRへの流
出を抑制し、ペダルストロークの増大を減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マスタシリンダに
よって発生される液圧及び液圧源によって発生される液
圧を、適宜に組合せてホイールシリンダに供給し得るよ
うに構成した車両の液圧ブレーキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、マスタシリンダによって発生され
る液圧及び液圧源によって発生される液圧を、適宜に組
合せてホイールシリンダに供給し得るように構成し、ブ
レーキ液圧を車両の制動状態に応じて自動的に制御する
ことのできる液圧ブレーキ装置が知られている。例え
ば、車輪のスキッド状態を監視しつつその車輪のホイー
ルシリンダに供給されるブレーキ液圧を制御し、スキッ
ドの発生を防止しながら車両を効率良く制動するアンチ
スキッド機能を有する液圧ブレーキ装置があり、その液
圧ブレーキ装置の簡易化の例として、特開昭60−33
160号公報及び特開平3−143761号公報に記載
の技術が知られている。
【0003】特開昭60−33160号公報記載の液圧
ブレーキ装置には、通常制動時にはマスタシリンダの液
圧をホイールシリンダに伝達し、アンチスキッド制御時
にはポンプを有する液圧源から供給されるブレーキ液の
液圧をマスタシリンダの液圧に等しい高さに制御してホ
イールシリンダに伝達する液圧伝達装置が備えられてい
る。
【0004】特開平3−143761号公報記載の液圧
ブレーキ装置には外部の液圧源が設けられていない。ア
ンチスキッド制御時に液圧源としてホイールシリンダに
ブレーキ液を供給するポンプ等が備えられていないので
ある。
【0005】この液圧ブレーキ装置では、ブレーキ操作
時に過剰にブレーキペダルが踏み込まれて車輪と路面と
のスリップ率が適正範囲より大きくなると、ホイールシ
リンダ内のブレーキ液がマスタシリンダに接続されたリ
ザーバに排出されてホイールシリンダの液圧が低減させ
られることによりスリップ率が低下させられ、逆に、ス
リップ率が低下しすぎて適正範囲より小さくなるとマス
タシリンダ内のブレーキ液がホイールシリンダに供給さ
れてスリップ率が増加させられる。
【0006】この繰り返しにより、ブレーキペダルが過
剰に踏み込まれた場合の制動力が適正に制御される。こ
の際、マスタシリンダからホイールシリンダへのブレー
キ液の供給量が多くなり、マスタシリンダ内のブレーキ
液が所定量より少なくなると、ホイールシリンダの液圧
の制御が中止されてマスタシリンダ内に所定のブレーキ
液量が確保されて、マスタシリンダにおけるピストンの
ボトミングが回避される。そのため、アンチスキッド制
御用のポンプ等の装備がなくても一定以上の制動力が確
保された状態で液圧ブレーキ装置の簡易化が達成され
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記2つの公
報記載の液圧ブレーキ装置には、それぞれ改善の余地が
ある。
【0008】特開昭60−33160号公報記載の液圧
ブレーキ装置では、マスタシリンダからのブレーキ液は
通常制動時にのみホイールシリンダへ供給され、液圧源
からのブレーキ液はアンチスキッド制御時にのみホイー
ルシリンダへ供給される。即ち、2つの液圧源の機能発
揮時期が判然と区別されているのである。
【0009】そのため、アンチスキッド制御中の増圧時
にホイールシリンダの液圧を十分な勾配で増大させるこ
とのできる大吐出容量のポンプを装備するか、あるいは
予め液圧を貯えておくアキュムレータが必要となり、そ
の分コストが上昇し、余分なスペースが必要となる。
【0010】又、液圧制御装置と電磁式方向切換弁とが
一体に形成されているため、各車輪毎にその装置が設け
られることとなり、液圧ブレーキ装置全体としては構造
が複雑となり、簡易化が不十分となる。
【0011】特開平3−143761号公報記載の液圧
ブレーキ装置では、アンチスキッド制御状態が長く続き
マスタシリンダ内のブレーキ液が所定量を下回って(ボ
トミング直前が検出されて)アンチスキッド制御が中止
されると、制動力が急増してスキッド状態となる場合が
あるため好ましくない。
【0012】又、特に、アンチスキッド制御がブレーキ
液圧配管系統の全て、例えば、前後輪2系統のブレーキ
液圧配管であればその両方の配管系統で行われる場合に
は、アンチスキッド制御が行われるとマスタシリンダ内
のブレーキ液の減少程度が大きくなってブレーキペダル
の踏込量が長くなり過ぎ、ブレーキペダルの操作性が低
下する。
【0013】そこで、このような従来の問題を解決する
べく、出願人は先に、ブレーキペダルの操作性を損なう
ことなく装置全体を簡易化することのできる液圧ブレー
キ装置を特願平6−266991号において提案した。
【0014】この液圧ブレーキ装置によれば、液圧源の
ポンプにそれ程大容量のポンプを用いなくても応答遅れ
無く制動制御を実行でき、且つマスタシリンダのボトミ
ング等の発生を未然に回避でき、該制動制御の操作性を
向上できる。
【0015】しかしながら、この特願平6−26699
1号に係る液圧ブレーキ装置は、4輪のうち2輪のみを
液圧源からの液圧によってその制動を補佐し、残りの2
輪についてはマスタシリンダにより直接発生させる液圧
によって制動がなされる構成とされていたため、なお制
動の補佐が不十分であるという問題があった。
【0016】又、構造上液圧源によって補佐される側の
液圧とマスタシリンダによって直接発生される液圧は、
必ずしも同一にはならないため、これをダイアゴナル2
系統システムの車両(いわゆるX配管の車両)に適用し
ようとすると、車両の左右の車輪間で液圧差が発生して
しまうことから、事実上X配管車両には適さない構造で
あるという問題もあった。
【0017】そこで、これらの問題を解決するべく、再
び出願人は、液圧源からの液圧によって全ての車輪の制
動を補佐し得るようにすると共に(いわゆる4輪フルパ
ワーの構成とすると共に)、X配管車両にも良好に適用
し得るような車両の液圧ブレーキ装置を特願平7−78
009号において提案した。
【0018】この液圧ブレーキ装置は、2系統の内、1
系統に液圧源の液圧をブレーキ操作部材の操作力に応じ
た液圧に制御して、ホイールシリンダに供給すると共
に、両系統を連結する通路にチェンジバルブを介在させ
て、他系統にも前記制御された液圧を供給できるように
したものである。
【0019】しかしながら、この特願平7−78009
号に係る液圧ブレーキ装置は、制動時にチェンジバルブ
がマスタシリンダの連通状態を切換える際、応答遅れが
あるため制動初期にマスタシリンダの液圧がホイールシ
リンダに供給されてしまい、ブレーキペダルのペダルス
トロークが大となるという問題がある。
【0020】本発明は、このような事情に鑑み、特願平
7−78009号に係る発明を更に改良し、制動初期に
おけるペダルストロークの増大を低減し、適切な制動フ
ィーリングを得ることのできる車両の液圧ブレーキ装置
を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明は、マスタシリン
ダによって発生される液圧及び液圧源によって発生され
る液圧を、適宜に組合せてホイールシリンダに供給し得
るように構成した車両の液圧ブレーキ装置において、前
記マスタシリンダ及び液圧源に接続され、液圧源の液圧
をマスタシリンダの液圧に応じた高さに調圧する液圧制
御弁と、該液圧制御弁と接続された第1液路及び前記マ
スタシリンダと接続された第2液路と、前記第1液路と
接続された第1入力ポートと、前記第2液路と接続され
た第2入力ポートと、該第2入力ポートと接続可能とさ
れた出力ポートと、フリーピストンとを有し、前記第1
液路の液圧を受けて摺動する前記フリーピストンによっ
て第2入力ポートと出力ポートとの接続を遮断すると共
に、第1液路の液圧相当の液圧を出力ポートに出力可能
な構成とされたチェンジバルブと、前記第2液路中に、
前記チェンジバルブから前記マスタシリンダへの流れの
みを許容する第1逆止弁と、前記マスタシリングから前
記チェンジバルブへの所定圧以上の流れのみを許容する
第2逆止弁とを並列に備え、且つ、前記第1液路が全ホ
イールシリンダのうちの一部のホイールシリンダ側と接
続されると共に、前記チェンジバルブの出力ポートが残
りのホイールシリンダ側に接続されたことにより、前記
目的を達成したものである。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明においては、ブレーキ操作
部材が操作されてマスタシリンダに液圧(マスタシリン
ダ液圧)が発生すると、このマスタシリンダ液圧は液圧
制御弁及びチェンジバルブに伝達される。液圧制御弁で
は、ポンプ等によって発生された液圧源の液圧をマスタ
シリンダ液圧に応じた液圧(調整マスタシリンダ液圧)
に調圧する。
【0023】この液圧制御弁には第1液路が、マスタシ
リンダには第2液路がそれぞれ接続されている。又、こ
の第1、第2液路の間にはチェンジバルブが配置されて
いる。このチェンジバルブは、第1液路に接続された第
1入力ポート、第2液路に接続された第2入力ポート及
び出力ポートを備え、基本的には第2入力ポートより入
力される第2液路のマスタシリンダ液圧を出力ポートに
出力可能とする。
【0024】しかしながら、その一方で第1入力ポート
から第1液路の調整マスタシリンダ液圧が入力される
と、この液圧を受けてフリーピントンが摺動し第2入力
ポートと出力ポートとの接続を遮断し、代わって該第1
液路の調整マスタシリンダ液圧に相当する液圧(再生マ
スタシリンダ液圧)を出力ポートから出力する。
【0025】このとき、制動初期においては、液圧制御
弁側の液圧の応答は、マスタシリンダ液圧よりも遅れ
る。これに対して本発明では、第2液路中に設けられた
第2逆止弁の働きにより、液圧制御弁側の液圧がある程
度上昇するまではマスタシリンダからチェンジバルブへ
液圧が伝達されないようにしている。又、ブレーキ操作
部材の操作をやめた場合には、該第2逆止弁と並列に配
置された第1逆止弁を介してブレーキ液がマスタシリン
ダへ戻され、ホイールシリンダ側に液圧が残らないよう
にしている。これにより、マスタシリンダの液圧がチェ
ンジバルブを介して直接ホイールシリンダに伝達される
ことによって生じるペダルストロークの増大を防止する
ことができる。
【0026】好ましい実施の形態は、更にストロークシ
ミュレータが前記第2液路中のマスタシリンダとチェン
ジバルブとの間に設けられ、且つ第2液路から該ストロ
ークシミュレータに至る液路中に、前記液圧源の失陥時
に前記第2液路と前記ストロークシミュータとの連通を
遮断する開閉弁を設けることである。
【0027】他の好ましい実施の形態は、前記開閉弁
が、前記チェンジバルブのフリーピストンの動きに連動
して開閉されるようにすることである。
【0028】更に他の好ましい実施の形態は、前記開閉
弁を、2つの液室を有し、一方の液室が前記第1液路に
接続されると共に、前記ストロークシミュレータに接続
され、他方の液室が前記第2液路に接続された差圧弁と
することである。
【0029】以下図面に基づいて、より具体的な実施の
形態の例を詳細に説明する。
【0030】図1に本発明が適用された車両の液圧ブレ
ーキ装置の第1実施形態を示す。
【0031】この第1実施形態は、マスタシリンダ10
によって発生される液圧(マスタシリンダ液圧)Pm及
び液圧源12によって発生される液圧Peを、適宜に組
合せてホイールシリンダFL、RR、RL、FRに供給
し得るように構成した車両の液圧ブレーキ装置におい
て、マスタシリンダ10及び液圧源12に接続された液
圧制御弁14と、該液圧制御弁14と接続された第1液
路16及びマスタシリンダ10と接続された第2液路1
8と、チェンジバルブ20と、該第2液路18中に並列
に設けられた、第1逆止弁24及び第2逆止弁26と、
を備えたものである。
【0032】ここにおいてチェンジバルブ20は、第1
液路16と接続された第1入力ポート21、第2液路1
8と接続された第2入力ポート22、及び該第2入力ポ
ート22と接続可能とされた出力ポート23を備えてい
る。
【0033】又、第1逆止弁24は、前記チェンジバル
ブ20からマスタシリンダ10への流れのみを許容し、
第2逆止弁26は、前記マスタシリンダ10からチェン
ジバルブ20への所定圧以上の流れのみを許容するよう
にばね26aが設定されている。
【0034】又、第1液路16は、全ホイールシリンダ
FL、RR、RL、FRのうちの左後輪のホイールシリ
ンダRL及び右前輪のホイールシリンダFR側と接続さ
れており、チェンジバルブ20の出力ポート23は、
(残りの)左前輪のホイールシリンダFL及び右後輪の
ホイールシリンダRR側に接続されている。なおこの車
両は前輪駆動の車両である。
【0035】以下より詳細に説明する。
【0036】ブレーキペダル28はブースタ30を介し
てマスタシリンダ10に接続されている。ブレーキペダ
ル28の踏込みはブレーキスイッチ29によって検出さ
れ、制御装置31に伝達される。
【0037】マスタシリンダ10はブースタ30によっ
て図中右方向に移動させられる加圧ピストン32と、該
加圧ピストン32の移動によってマスタシリンダ液圧P
mが発生する加圧室34と、リザーバ36とを備える。
【0038】又、第2液路18中の、第1逆止弁24及
び第2逆止弁26とマスタシリンダ10との間にストロ
ークシミュレータ38が接続されている。
【0039】このストロークシミュレータ38は、マス
タシリンダ液圧Pmに応じて、ブレーキ液を消費し、比
較的ブレーキペダル30の踏み力が小さいときにストロ
ークを大きく確保し、大きいときに小さなストロークと
なるように調整するものである。
【0040】なお、図の符号42は液圧制御弁14の受
圧ピストン40を図の右方向に付勢するためのばねであ
る。この受圧ピストン40及びばね42の機能について
は後述する。
【0041】前記液圧源12は、ポンプ44、モータ4
5、アキュムレータ46、圧力センサ47、圧力スイッ
チ48、及びリリーフ弁49とから主に構成され、制御
装置31の指令に基づいて作動するモータ45によって
ポンプ44が駆動され、アキュムレータ46によって所
定の液圧Peにまで蓄圧される構成とされている。又、
その上限がリリーフ弁49によって規定されている。
【0042】なお、制御装置31によるモータ45への
指令は、圧力センサ48と圧力スイッチ47により液圧
源12の圧力が所定圧Pfよりも下回って検出されたと
きに出力されるようになっている。
【0043】次に、液圧制御弁14について説明する。
この液圧制御弁14は、液圧源12の液圧Peを、マス
タシリンダ液圧Pmに応じた高さの調整マスタシリンダ
液圧Pem1に調圧するものである。従って、これ自体
は公知の種々の圧力制御弁を利用可能である。
【0044】しかしながら、本第1実施形態において
は、特に最良と思われる液圧制御弁14を新たに開発
し、別途出願している。未公知の構成であるため、少し
詳細に説明する。
【0045】図2に示すように、液圧制御弁14は(マ
スタシリンダ10と一体の)ハウジング50を備える。
ハウジング50の内部には、弁室51が形成されてお
り、ハウジング50の内側に突出して形成された仕切り
壁52で仕切られている。
【0046】仕切り壁52の弁室51側の壁面にはテー
パが形成され、弁座53とされており、この弁座53の
中央に円形断面の貫通孔54が形成されている。
【0047】一方、弁室51には、ばね55によって貫
通孔54の方向に付勢された弁子としてのボール56が
備えられている。貫通孔54を通してボール56を押圧
するように延びている受圧ピストン40の小径部40a
の先端は、ボール56の球面形状に沿って形成されてお
り、その中央部から受圧ピストン40の外周部に形成さ
れた円環溝57に至る液路58が形成されている。
【0048】又、ハウジング50の内周には加圧室34
において発生するマスタシリンダ液圧Pmを受ける前記
受圧ピストン40が摺動可能に嵌合されている。この受
圧ピストン40と仕切り壁52の間には制御圧室59が
形成されている。受圧ピストン40の加圧室34側の受
圧面積S1は、制御圧室59側の受圧面積S2より大き
く設計されている(S1>S2)。又弁室51側へ延び
ている小径部40aの断面積S3は無視し得る程に微小
である。この受圧ピストン40は貫通孔54の方向に前
記ばね42で付勢されており、逆の方向にばね60で付
勢されている。付勢力は、ばね42>ばね60である。
受圧ピストン40とハウジング50との間の液密はシー
ル部材40b、40cによって保たれている。
【0049】ハウジング50の側壁にはリザーバ36と
円環溝57とを連通させるポート50aと、第1液路1
6と接続されたポート50bとが設けられており、弁室
51には液圧源12側からの液路13と接続されたポー
ト50cが設けられている。又、加圧室34には、リザ
ーバ36と連通しブレーキ液を加圧室34に供給するた
めのポート50d、及び第2液路18と接続されたポー
ト50eが設けられている。
【0050】ブレーキペダル28が踏み込まれておら
ず、ポンプ44からのブレーキ液の供給もない状態で
は、図2で示すように受圧ピストン40がばね42に付
勢されて、ばね60、55の付勢力に抗してボール56
を弁座53から押し離している。
【0051】ブレーキペダル28の踏み込みが開始され
ると、圧力センサ48と圧力スイッチ47の信号を受け
た制御装置31の指令により直ちにポンプ44が作動を
開始し、液路13を介しポート50cから弁室51にブ
レーキ液が供給される。又、ブレーキペダル28の踏み
込みに伴ってマスタシリンダ10の加圧室34にマスタ
シリンダ液圧Pmが発生する。
【0052】弁室51内の(液圧源12側からの)液圧
Peが上昇し、受圧ピストン40の制御圧室59側に加
わる力(Pe×S2)が、加圧室34側に加わる力(P
m×S1)より大きくなると、受圧ピストン40は図の
左方向に移動し、ボール56が弁座53に着座する。但
し、受圧ピストン40の小径部40aの先端はまだボー
ル56に接している。
【0053】この際、受圧ピストン40の制御圧室59
側に加わる力Pe×S2は、加圧室34側に加わる力P
m×S1に等しい大きさとなり、次の式が成り立つ。
【0054】Pe:Pm=S1:S2 Pe=Pm×(S1/S2)
【0055】従って、制御圧室59の液圧(調整マスタ
シリンダ液圧)Pem1は、マスタシリンダ液圧Pmよ
り一定数(S1/S2)倍だけ大きくなる。
【0056】なお、厳密には制御圧室59側には、ばね
60の付勢力が加わり、加圧室34側には、ばね42の
付勢力が加わる。従って、調整マスタシリンダ液圧Pe
m1には、「ばね42の付勢力−ばね60の付勢力」に
対応する分もプラスされている。
【0057】ボール56が弁座53に着座すると、液圧
源12側の液圧Peは受圧ピストン40にはそれ以上作
用しなくなる。従って、マスタシリンダ液圧Pmの上昇
が止まっている限り、系はそこで動きがなくなり釣り合
うが、例えばアンチスキッド制御の実行によってホイー
ルシリンダRL、FRのブレーキ液の一部がリザーバ3
6に戻されたりして、制御圧室59のブレーキ液が少し
でも減小すると、加圧室36側の押圧力の方が相対的に
強くなるため、受圧ピストン40は図の右方向に移動し
て再び図2の状態に戻り、ボール56が弁座53から離
れる。すると、再び液圧源12側の液圧Peが受圧ピス
トン40に作用するようになり、結局制御圧室59はマ
スタシリンダ液圧Pmに(ばね42の付勢力−ばね60
の付勢力)分だけプラスした圧力を一定数(S1/S
2)倍した調整マスタシリンダ液圧Pem1に常に調圧
されるようになる。
【0058】この圧力増大分により、制動初期の調整マ
スタシリンダ液圧Pem1の立ち上がりを速めることが
でき、チェンジバルブ20でのマスタシリンダ液圧Pm
の遮断が速やかに行えるようになる。その結果、加圧室
34のブレーキ液の流出を抑えることができ、ブレーキ
操作フィーリングを向上させることができる。
【0059】ブレーキペダル30が弛められてマスタシ
リンダ液圧Pmが低下すると、受圧ピストン40の加圧
室34側に加わる力の方が制御圧室59側に加わる力よ
りも小さくなるため、受圧ピストン40が更に図の左へ
移動し、ボール56が弁座53に着座したままの状態で
受圧ピストン40の小径部40aの先端がボール56か
ら離れ、制御圧室59とリザーバ36とが液路58を通
じて連通させられる。
【0060】そのため、制御圧室59内のブレーキ液が
液路58を介してリザーバ36に排出され、制御圧室5
9の液圧が低下し、受圧ピストン40の制御圧室59側
に加わる力が小さくなり、該受圧ピストン40が再び図
の右方向に移動する。その結果、小径部40aの先端が
ボール56と当接する。
【0061】小径部40aの先端がボール56と当接す
ると、制御圧室59からリザーバ36へのブレーキ液の
排出が中止され、それでも受圧ピストン40の制御圧室
59側に加わる力が小されけば該受圧ピストン40はボ
ール56を図の右側に押し出し、該制御圧室59に液圧
Peを導入する。従って結局この場合も制御圧室59は
マスタシリンダ液圧Pmに一定数(S1/S2)をかけ
た分だけ増圧された調整マスタシリンダ液圧Pem1に
調圧されるようになる。
【0062】このようにして、制御圧室59の液圧がマ
スタシリンダ液圧Pmに比例した高さを有する調整マス
タシリンダ液圧Pem1に常に調圧され、これがポート
50bから第1液路16へと出力される。
【0063】続いて、チェンジバルブ20について詳細
に説明する。
【0064】このチェンジバルブ20は、図1及び図3
(拡大図)に示すように、基本的に密閉されたハウジン
グ61によって構成されている。このハウジング61に
は、既に述べたように、第1液路16と接続された第1
入力ポート21、第2液路18と接続された第2入力ポ
ート22、及び第2入力ポート22と接続可能とされた
出力ポート23の3つのポートが形成されている。
【0065】ハウジング61の内部は、第1ピストン6
2によって第1入力ポート21側の第1液室63と第2
入力ポート22側の第2液室64とに分離されている。
この第1ピストン62は、ばね65によって図の右方向
(第1液室63の方向)に付勢されている。
【0066】又、ハウジング61内には第1ピストン6
2が図の左方向に移動してきたときに左方向に移動し、
第2入力ポート22を閉塞可能とする第2ピストン(フ
リーピストン)66が設けられている。
【0067】なお、図の符号67、68は、第2ピスト
ン66が軸方向に必要以上に動かないように規制するた
めの支持部材である。支持部材67の内部には第2ピス
トン66を図の左方向に付勢するばね69が設けられて
いる。
【0068】通常は、支持部材67は図のハウジング6
1の左壁面に接触しており、ばね65の付勢力によって
第1ピストン62はハウジング61の右壁面に押付けら
れている。そのため、第1ピストン62と一体となった
支持部材68によって第2ピストン66は右側へ引張ら
れ、ばね69は圧縮され第2ポート22は開いている。
【0069】図1の説明に戻る。図1において、符号7
0は、加速スリップ制御(TRC制御)及び車両安定性
制御(VSC制御)を実行する際に切換えられる電磁切
換弁である。この電磁切換弁70は、通常制動時及びア
ンチスキッド制御(ABS制御)時には図のP1で示さ
れた切換え位置とされるが、TRC及びVSC制御時に
は図のP2で示された切換え位置に切換えられ、液圧源
12で発生された液圧Peが供給される。
【0070】又、図1の符号71、72はABS、TR
C、VSC制御時に切換えられる電磁切換弁である。こ
の電磁切換弁71、72は、通常制動時にはそれぞれ図
1のP1で示された切換え位置とされ、第1液路16及
び出力ポート23からのブレーキ液が電磁制御弁73に
供給されるようになっている。しかしながら、ABS、
TRC、VSC等の制御が実行されるときには、図1の
P2で示された切換え位置とされる。これにより、AB
S制御時には液圧制御弁によって調圧された調整マスタ
シリンダ液圧Pem1が、TRC及びVSC制御時には
液圧源12によって発生された液圧Peが、それぞれ電
磁制御弁73に供給されるようになっている。
【0071】なお、ABS制御時に、各ホイールシリン
ダFL、RR、RL、FRの液圧が減圧されたときに
は、液路74を経由してマスタシリンダ10上のリザー
バ36にブレーキ液が戻される。
【0072】電磁制御弁73は、これ自体は公知のもの
で、スリップ率等をパラメータとして、ホイールシリン
ダFL、RR、RL、FRに現に係る液圧を制御するた
めのものである。
【0073】なお、図1の符号75は、公知のPバルブ
(プロポーショニングバルブ)である。
【0074】次に、この第1実施形態の作用を説明す
る。
【0075】ブレーキペダル28が踏み込まれ、ブース
タ30を介して加圧ピストン32が図1の右方向に移動
されると、加圧室34にマスタシリンダ液圧Pmが発生
する。又、圧力センサ48と圧力スイッチ47により液
圧源12の圧力が所定圧Pfよりも下回ったことが検出
されると、液圧源12に液圧Peを発生させるべく、制
御装置31によりモータ45が駆動される。
【0076】発生したマスタシリンダ液圧Pmは、液圧
制御弁14の受圧ピストン40に伝達されると共に、第
2液路18を介してチェンジバルブ20に伝達される。
【0077】液圧制御弁14では、既に詳述したような
作用により、このマスタシリンダ液圧Pmを元に液圧源
12によって発生した液圧Peを調整マスタシリンダ液
圧Pem1に調圧する。
【0078】液圧制御弁14において発生された調整マ
スタシリンダ液圧Pem1は、第1液路16を介してチ
ェンジバルブ20の第1ポート21に入力されると共
に、左後輪のホイールシリンダRL、及び右前輪のホイ
ールシリンダFR側に伝達される(X配管のうちの1系
統)。
【0079】このとき、チェンジバルブ20では、第1
入力ポート21から第1液路16の調整マスタシリンダ
液圧Pem1が第1液室63に入力される。この調整マ
スタシリンダ液圧Pem1により第1ピストン62は、
図3において左方向へ押圧され左へ移動する。第1ピス
トン62が左へ移動すると、今まで支持部材68によっ
て右へ引張られ支持されていた第2ピストン66は、今
まで縮んでいたばね69の左への付勢力により同じく左
に移動する。ブレーキペダル28の踏込みによるマスタ
シリンダ液圧Pmの増大に対応して調整マスタシリンダ
液圧Pem1が次第に大きくなると、第1ピストン62
は更に左に移動する。これに伴ない第2ピストン66も
更に左に移動し、ついには第2入力ポート22を遮断す
る。
【0080】しかし、当初第2入力ポート22がまだ空
いているうちに、ここからマスタシリンダ液圧Pmが入
力され、出力ポート23からそのままホイールシリンダ
FL、RRへ出力されると、ブレーキペダル28のペダ
ルストロークが増大してしまう。
【0081】そこで、本第1実施形態では、第2液路1
8中にマスタシリンダ10からチェンジバルブ20への
所定圧以上の液圧のみを流すことのできる第2逆止弁2
6を設けたため、マスタシリンダ10とチェンジバルブ
20の連通を確実に遮断し、ペダルストロールの増加を
防止することができる。
【0082】即ち、第2逆止弁26は、ばね26aの力
により所定圧以上でないと弁が開かないように設定され
ている。従って、制動初期において、まだマスタシリン
ダ液圧Pmが低く、これに対応する調整マスタシリンダ
液圧Pem1も低く、第2入力ポート22が開いている
うちは、第2逆止弁26によってマスタシリンダ液圧P
mのチェンジバルブ20への流入が阻止される。そし
て、マスタシリンダ液圧Pmがある程度大きくなり、こ
れに対応する調整マスタシリンダ液圧Pem1も大きく
なると、第1ピストン62及び第2ピストン66が左へ
移動し、第2入力ポート22がシール(遮断)される。
【0083】その後、更に、第1ピストン62が図の左
方向に移動すると、(第2入力ポート22がシールされ
ていることから)第2液室64に第1液室63とほぼ同
圧の再生マスタシリンダ液圧Pem2が発生し、この再
生マスタシリンダ液圧Pem2が出力ポート23を介し
て左前輪のホイールシリンダFL、及び右後輪のホイー
ルシリンダRR側に伝達される(X配管のうちの残りの
1系統)。
【0084】なお、ブレーキペダル28を離した場合に
は、第2逆止弁26とチェンジバルブ20間のブレーキ
液圧を第1逆止弁24を介して円滑にマスタシリンダ1
0側へ戻すことができ、ホイールシリンダFL、RR側
に液圧が残らないようにすることができる。
【0085】なお、何らかの原因により液圧源12側の
調整マスタシリンダ液圧Pem1が発生しなかったとき
は、マスタシリンダ液圧Pmによりチェンジバルブ20
の第2入力ポート22が押し開けられ、該マスタシリン
ダ液圧Pmが直接出力ポート23から出力されるように
なっている。
【0086】以上のように本第1実施形態によれば、チ
ェンジバルブ20の切換わりの遅れのためにマスタシリ
ンダ液圧PmがホイールシリンダFL、RRに流れてし
まうのを抑制でき、ペダルストロークの増大を低減する
ことができる。
【0087】この効果を、以下グラフを用いて説明す
る。
【0088】図4は、マスタシリンダ液圧Pmと液圧制
御弁14の出力である調整マスタシリンダ液圧Pem1
との関係及び第2逆止弁26がある場合とない場合のペ
ダルストローク量を示したグラフである。
【0089】図4において、一点鎖線の右下側部分Aは
第2逆止弁26がない場合のマスタシリンダ液圧Pmの
出力領域を表わし、実線Bは液圧制御弁14の入出力特
性を表わし、交点Cはチェンジバルブ20の切換えポイ
ントを示している。従って、図の矢印Dで示す範囲がマ
スタシリンダ液圧Pm流出域となる。
【0090】このとき第2逆止弁26を設けて、マスタ
シリンダ液圧Pmが所定圧以上にならないとチェンジバ
ルブ20へ流入しないようにオフセット液圧Eを設定す
ると、第2逆止弁26を有する場合のマスタシリンダ液
圧Pmの出力領域は図の斜線部分Fのようにオフセット
液圧Eの分だけ右へ移動する。従って、マスタシリンダ
液圧Pmは制動当初に直ちに遮断状態とされ、マスタシ
リンダ液圧Pmの流出が防止される。
【0091】このとき、図4下方に示すように、第2逆
止弁26がないときに比較して、第2逆止弁26がある
場合には、ペダルストローク量の増大が低減される。
【0092】次に本発明の第2実施形態ついて説明す
る。
【0093】図5に本第2実施形態に係る車両の液圧ブ
レーキ装置の概略構成を示す。この第2実施形態は、上
記第1実施形態と同一又は類似の部材には下2桁が同一
の符号を図中で付している。
【0094】第1実施形態においては、第2逆止弁26
の働きで、チェンジバルブ20の第2入力ポート22側
へ作用する液圧を下げることにより、液圧制御弁14か
らの出力が発生すると直ちに前記第2入力ポートを閉
じ、マスタシリンダ10とホイールシリンダFL、RR
との連通を遮断し、ペダルストロークの増大を防止して
いた。又、第2液路18中に設けられたストロークシミ
ュレータ38がマスタシリンダ10に生じる液圧に応じ
てブレーキ液を消費することにより、通常時は適切なペ
ダルフィーリングを得るようにしていた。
【0095】しかし、液圧源12の系統に、例えばポン
プ44の不良や液洩れ等の失陥が発生した場合には、チ
ェンジバルブ20が切換わらないため、ストロークシミ
ュレータ38がマスタシリンダ10側のブレーキ液を消
費することによりペダルストロークが過大になるなどの
不具合があった。
【0096】そこで、本第2実施形態は、図5に示すよ
うに、第2液路118とストロークシミュレータ138
との間に開閉弁180を設け、液圧弁112側失陥時に
はマスタシリンダ110とストロークシミュレータ13
8との連通を遮断するようにして、液圧弁112側失陥
時においてもペダルストロークの増大を防止して、良好
なペダルフィーリングを維持するようにしたものであ
る。
【0097】開閉弁180は、仕切り壁181により第
1弁室182と第2弁室183に分けられており、第1
弁室182はマスタシリンダ110と連通し、第2弁室
183はストロークシミュレータ138と連通してい
る。又、仕切り壁181を閉じて第1弁室182と第2
弁室183との連通を遮断する連部材184をその左端
に有するコネクティングロッド185は、チェンジバル
ブ120の第2ピストン166と連結されており、更
に、ばね186によって図の右方向に付勢されている。
【0098】図5に示すように、失陥のない通常の状態
で、ブレーキペダル118が踏まれたとき、チェンジバ
ルブ122は、液圧制御弁114から出力れさる調整マ
スタシリンダ液圧Pem1が第1入力ポート121よ
り、又マスタシリンダ液圧Pmが第2入力ポート122
により入力されるが、第1実施形態で説明したように、
液圧制御弁114及び第2逆止弁126の働きにより、
調整マスタシリンダ液圧Pem1の方が大きくなってい
るため、第1ピストン162及び第2ピストン166は
図の左に移動し、第2入力ポート122は遮断される。
【0099】このとき、コネクティングロッド185も
図の左に移動し、開閉弁180は開き、第1弁室182
と第2弁室183は連通する。従って、マスタシリンダ
110とストロークシミュレータ138も連通し、スト
ロークシミュレータ138は作動する。
【0100】又、図6に示すように液圧源112側、例
えば第1液路116等に失陥があった場合、チェンジバ
ルブ120の第1入力ポート121側に入力されるPe
m1は0となるため第2入力ポート122側から入力さ
れる液圧Pmにより第1ピストン162及び第2ピスト
ン166が右へ移動し、第2入力ポート122が開く。
【0101】すると、ばね186の付勢力によりコネク
ティングロッド185も右に移動し、仕切り壁181を
塞いで、第1弁室182と第2弁室183を遮断し、開
閉弁180は閉じられる。これによりマスタシリンダ1
10とストロークシミュレータ138との連通が遮断さ
れ、ストロークシミュレータ138は作動しない。従っ
て、マスタシリンダ液圧Pmは、その全量が第2入力ポ
ート122よりホイールシリンダFL、RRへ伝達さ
れ、ストロークシミュレータ138によってブレーキ液
を消費されることがないので、ペダルストロークの増大
を招くことがない。
【0102】更に、本第2実施形態によれば、消費する
ブレーキ液量の減少に伴ない、マスタシリンダ径の縮小
やブースタ130の廃止も可能となる。
【0103】なお、その他の構成・作用は前記第1実施
形態と同様である。
【0104】次に、本発明の第3実施形態について説明
する。
【0105】図7に、本第3実施形態に係る車両の液圧
ブレーキ装置の概略構成を示す。全体構成については以
前の第1、第2実施形態と同様であるので、ここでは主
要部のみを簡単に表わしている。なお、以前の実施形態
と同一又は類似の部材については図中下2桁が同一の符
号を付している。
【0106】第3実施形態も第2実施形態と同様、液圧
源212側の失陥時におけるペダルストロークの増大を
防止するものである。
【0107】即ち、図7に示すように差圧弁290を第
2液路218とストロークシミュレータ238の間に接
続したものである。この差圧弁290は、第2液路21
8と接続しているマスタシリンダ側液室292と、第2
液路216と接続すると共にストロークシミュレータ2
38とも接続する液圧制御弁側液室293の2つの液室
292、293を有している。
【0108】差圧弁290の拡大図を図8に示す。
【0109】マスタシリンダ側液室292と液圧制御弁
側液室293は、ハウジング291の内側に突出して形
成された仕切り壁294で仕切られている。仕切り壁2
94のマスタシリンダ側液室292側の壁面にはテーパ
が形成され弁座294aとされており、この弁座294
aの中央に円形断面の貫通孔294bが形成されてい
る。
【0110】又、液圧制御弁側液室293内には、第1
液路216より調整マスタシリンダ液圧Pem1を受け
るピストン295が摺動可能に嵌合されている。このピ
ストン295とハウジング291内面との液密はシール
部材297によって保たれている。
【0111】又、マスタシリンダ側液室292には、貫
通孔294bを通じてピストン295と一体化して形成
されたボール状部材296が設けられている。ばね29
8によってピストン295は図の左方向へ付勢されてお
り、ボール状部材296と弁座294aとの間は開いて
いる。このとき、ピストン295内に設けられた液路2
95aによって、マスタシリンダ側液室292とストロ
ークシミュレータ238側とが連通している。
【0112】システム正常時においては、マスタシリン
ダ側液室292に働くマスタシリンダ液圧Pmより液圧
制御弁側液室293に働く調整マスタシリンダ液圧Pe
m1の方が高いのでピストン295及びボール状部材2
96は図のように左へ押圧されており、マスタシリンダ
210とストロークシミュレータ238との連通が保た
れて、ストロークシミュレータ238が作動し、適切な
ペダルフィーリングが確保される。
【0113】又図9に示すように液圧源212側、例え
ば第1液路216に失陥が発生したときには、ピストン
295の右側に働く液圧Pem1がないので、左側から
働くマスタシリンダ液圧Pmによってピストン295は
右へ移動し、ボール状部材296が弁座294aに着座
し、マスタシリンダ210とストロークシミュレータ2
38との連通が遮断される。
【0114】これによって、ストロークシミュレータ2
38によって消費されるマスタシリンダ210側のブレ
ーキ液が大幅に減少するので、ペダルストロークの増加
が防止され、良好なペダルフィーリングを得ることがで
きる。
【0115】又、本第3実施形態の差圧弁290は第2
実施形態の開閉弁180のようにチェンジバルブ120
とコネクティングロッド185で連結する必要はないの
で、チェンジバルブ220と別体設計が可能となり、装
置の搭載・設計時における自由度が増すという利点もあ
る。更に、失陥時に消費されるブレーキ液量が少ないた
め、マスタシリンダ210、ブースタ230等を小型化
することも可能である。
【0116】又、本第3実施形態における差圧弁290
は図8に示すものに限定されるものではなく、例えば図
10に示す差圧弁390のように、ピストン395とボ
ール(状部材)396を別体として、ボール396をば
ね396aによって右側へ付勢するようにしてもよい。
【0117】なお、これまで述べた各実施形態における
チェンジバルブ20、120、220も、図3に示すも
のに限定されるものではなく、例えば図11に示すよう
に、ばね69、169、269を省略し、代りに第2ピ
ストン466を左へ付勢するばね500を支持部材46
8の内部に設け、前述した各実施形態と同様の作用が実
行されるようにしたものであってもよい。
【0118】
【発明の効果】以上説明したとおり本発明によれば、チ
ェンジバルブの切換りの遅れによるマスタシリンダ液圧
のホイールシリンダへの流出を抑制し、ペダルストロー
クの増大を低減することができ、良好なペダルフィーリ
ングを確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両の液圧ブレー
キ装置の概略構成を示す液圧回路図
【図2】上記実施形態の装置における液圧制御弁の構成
を示す断面図
【図3】チェンジバルブの構成を示す断面図
【図4】マスタシリンダ液圧と液圧制御弁出力及びペダ
ルストローク量との関係を示す線図
【図5】本発明の第2実施形態に係る車両の液圧ブレー
キ装置の概略構成を示す液圧回路図
【図6】同じく第2実施形態に係る車両の液圧ブレーキ
装置の失陥時の状態を示す液圧回路図
【図7】本発明の第3実施形態に係る車両の液圧ブレー
キ装置の概略構成を示す液圧回路図
【図8】第3実施形態の装置における差圧弁の構成を示
す断面図
【図9】第3実施形態に係る車両の液圧ブレーキ装置の
失陥時の状態を示す液圧回路図
【図10】上記差圧弁の変形例を示す断面図
【図11】チェンジバルブの変形例を示す断面図
【符号の説明】
10…マスタシリンダ 12…液圧源 14…液圧制御弁 16…第1液路 18…第2液路 20…チェンジバルブ 24…第1逆止弁 26…第2逆止弁 28…ブレーキペダル 30…ブースタ 32…加圧ピストン 34…加圧室 36…リザーバ 38…ストロークシミュレータ 40…受圧ピストン 70、71、72…電磁切換弁 73…電磁制御弁

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マスタシリンダによって発生される液圧及
    び液圧源によって発生される液圧を、適宜に組合せてホ
    イールシリンダに供給し得るように構成した車両の液圧
    ブレーキ装置において、 前記マスタシリンダ及び液圧源に接続され、液圧源の液
    圧をマスタシリンダの液圧に応じた高さに調圧する液圧
    制御弁と、 該液圧制御弁と接続された第1液路及び前記マスタシリ
    ンダと接続された第2液路と、 前記第1液路と接続された第1入力ポートと、前記第2
    液路と接続された第2入力ポートと、該第2入力ポート
    と接続可能とされた出力ポートと、フリーピストンとを
    有し、前記第1液路の液圧を受けて摺動する前記フリー
    ピストンによって第2入力ポートと出力ポートとの接続
    を遮断すると共に、第1液路の液圧相当の液圧を出力ポ
    ートに出力可能な構成とされたチェンジバルブと、 前記第2液路中に、前記チェンジバルブから前記マスタ
    シリンダへの流れのみを許容する第1逆止弁と、前記マ
    スタシリングから前記チェンジバルブへの所定圧以上の
    流れのみを許容する第2逆止弁とを並列に備え、且つ、 前記第1液路が全ホイールシリンダのうちの一部のホイ
    ールシリンダ側と接続されると共に、前記チェンジバル
    ブの出力ポートが残りのホイールシリンダ側に接続され
    たことを特徴とする車両の液圧ブレーキ装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、更にストロークシミュ
    レータが前記第2液路中のマスタシリンダとチェンジバ
    ルブとの間に設けられ、且つ第2液路から該ストローク
    シミュレータに至る液路中に、前記液圧源の失陥時に前
    記第2液路と前記ストロークシミュレータとの連通を遮
    断する開閉弁を設けたことを特徴とする車両の液圧ブレ
    ーキ装置。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記開閉弁が、前記チ
    ェンジバルブのフリーピストンの動きに連動して開閉さ
    れるようにしたことを特徴とする車両の液圧ブレーキ装
    置。
  4. 【請求項4】請求項2おいて、前記開閉弁を、2つの液
    室を有し、一方の液室が前記第1液路に接続されると共
    に前記ストロークシミュレータに接続され、他方の液室
    が前記第2液路に接続された差圧弁としたことを特徴と
    する車両の液圧ブレーキ装置。
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