JP2603696B2 - 液圧倍力装置 - Google Patents

液圧倍力装置

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JP2603696B2
JP2603696B2 JP63192688A JP19268888A JP2603696B2 JP 2603696 B2 JP2603696 B2 JP 2603696B2 JP 63192688 A JP63192688 A JP 63192688A JP 19268888 A JP19268888 A JP 19268888A JP 2603696 B2 JP2603696 B2 JP 2603696B2
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道夫 小林
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ブレーキ倍力装置等に用いられて、入力と
出力とを所定のサーボ比でサーボ制御を行う液圧倍力装
置に関し、特に、サーボ制御中の中間負荷状態において
入力を停止したときに、出力がその入力をサーボ比で倍
力して得られた大きさになった後、更に出力を所定量漸
増するようにした、いわゆる後効き特性を有する液圧倍
力装置に関するものである。
(従来の技術) 一般に、液圧倍力装置はハウジングに摺動自在に嵌合
したパワーピストンと、このパワーピストンの一端に作
用する液圧が導入される動力室と、この動力室と液圧源
またはリザーバとの連通を切換え制御する制御弁と、こ
の制御を作動する入力軸と、パワーピストンに連結され
た出力軸とを備えている。そして、入力軸を作動して制
御弁を切り換えることにより、動力室に液圧源からの液
圧を導入し、その液圧によってパワーピストンを作動さ
せて出力軸から出力するようにしている。その場合、液
圧倍力装置は入力軸の入力の大きさに対応して出力軸の
出力の大きさを制御する、いわゆるサーボ制御を行う。
すなわち、出力は入力をサーボ比によって倍力した大き
さとなっている。
このような液圧倍力装置は、例えば自動車の制御装置
におけるブレーキ倍力装置に用いられており、小さなブ
レーキペダル踏力で大きなブレーキ力を得ることによ
り、制動を確実にするとともに、運転者の疲労を軽減し
ている。
ところで、このようなブレーキ倍力装置を用いた自動
車の制動装置においては、制動を行うにあたってブレー
キペダルを一定量踏み込んだ後その状態に停止させる
と、ブレーキ倍力装置の出力が増加して入力をサーボ比
で倍力した大きさとなり、それ以降は出力は一定とな
る。したがって、制動力も増加した後、一定となる。こ
れを車両の減速度でみると、第3図(B)で示されてい
るように、制動を行うことにより入力軸の摺動抵抗やバ
ルブ抵抗等によるロスが吸収された後、車両の減速度が
点eから直線δに沿って増加する。中間負荷点でブレ
ーキペダルの踏込み量を一定に保持すると、車両の減速
度は点fから一定となり、直線δに沿うようになる。
このとき、車両の減速度は直線δから直線δへと大
きく変化するので、車両は衝撃を受けるようになる。こ
の衝撃を受けると、運転者に不快な感じを与え、運転者
は快適なドライブをすることができなくなってしまう。
そこで、制動装置には、このような衝撃をできるだけ緩
和して良好なブレーキフィーリングが得られるようにす
ることが求められる。
このようなことから、車両の減速度が増加から一定と
なるときに、減速度を急激に変化させないようにするブ
レーキ倍力装置が実開昭61−64074号公報に示されてい
る。
このブレーキ倍力装置は負圧式のものであるが、中間
負荷点で入力を停止すると、その出力が増加してサーボ
比で定まる大きさとなった時点で、更に出力だけを所定
量徐々に増加させ、その後出力が一定となるようにして
いる。すなわち、ブレーキの後効き作用を行うようにし
ている。この後効き作用により、車両の減速度は増加か
ら一気に一定とはならないで、減速度の漸増領域を経て
一定となる。すなわち、第3図(B)において、減速度
は直線δ、δ、およびδに沿って変化するように
なる。
このようなブレーキ倍力装置によれば、減速度が大き
く変化するようなことがないので、車両に加えられる衝
撃を緩和することができるようになる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、このようなブレーキ倍力装置では、出
力の漸増量、すなわち後効き量が常に一定値になる。こ
のため、減速度の漸増量αも常に一定値になってしま
い、この漸増量αを例えば道路条件や走行状態等の諸条
件によって変えることができなくなる。この結果、より
良好なブレーキフィーリングを得ることができない。
したがって、諸条件に応じて、このようなブレーキ倍
力装置の後効き量を変えることができるようにすること
が望ましい。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は、諸条件に応じて出力の後効き量を変え
て、より良好な操作フィーリングを得ることができるよ
うにした液圧倍力装置を提供することである。
(課題を解決するための手段) 前述の課題を解決するために、本発明は、パワーピス
トンに第1ピストン部と第2ピストン部とを設け、この
第1ピストン部に主導力室へ導入される液圧を作用させ
るようにし、前記第2ピストン部に前記主動力室とオリ
フィスを介して連通する副動力室へ導入される液圧を作
用させるようにしている。
そして、前記主動力室に効変弁を接続するとともに、
互いに並列に配設された第1通路と所定の減圧比で減圧
する圧力調整弁を備えた第2通路とを、それぞれ、前記
切換弁と前記オリフィスの上流側とを接続するようにし
て設け、これら第1および第2通路を前記切換弁によっ
て選択的に切り換えるようにしている。
(作用) このような構成をした本発明による液圧倍力装置にお
いては、切換弁により例えば第1通路側を選択する。主
導力室に液圧が導入されると、その液圧が第1ピストン
部に作用して、パワーピストンが作動する。更に、主動
力室に導入された液圧は選択された第1通路およびオリ
フィスを通って副動力室に導入される。その場合、オリ
フィスによって、液圧は副動力室には主動力室における
液圧よりも遅れて導入される。したがって、中間負荷点
で入力が停止すると、出力はその入力に対しサーボ比で
定まる大きさとなった後にも、副動力室の液圧が遅れて
徐々に上昇するようになる。そして、この液圧が第2ピ
ストン部に作用するので、出力が更に所定量徐々に増加
する。その後、副動力室の液圧が一定となったとき、出
力は一定となる。
切換弁により第2通路側を選択すると、主動力室は圧
力調整弁を介してオリフィスに連通するようになる。第
1通路側を選択した場合と同様に、主動力室に液圧が導
入されると、パワーピストンが作動する。更に、主動力
室に導入された液圧は第2通路の圧力調整弁およびオリ
フィスを通って副動力室に動入される。その場合、オリ
フィスによって、液圧は副動力室には主動力室における
液圧よりも遅れて導入される。したがって、中間負荷点
で入力が停止すると、出力がその入力のサーボ比で定ま
る大きさとなった後にも、副動力室の液圧がまだ徐々に
上昇するようになる。そして、この液圧が第2ピストン
部に作用するので、出力が更に所定量徐々に増加する。
その後、副動力室の液圧が一定となったとき、出力は一
定となる。その場合、副動力室の液圧は主動力室の液圧
を圧力調整弁によって減圧した液圧となっているので、
最終出力は第1通路側を選択したときの出力よりも小さ
くなる。すなわち、出力の後効き量は第1通路側を選択
したときに比べて小さくなる。
このように、中間負荷点で入力が停止したとき後効き
作用を行う液圧倍力装置の出力の後効き量を変えること
ができるようになる。
(実施例) 以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。
第1図は、ブレーキ倍力装置として適用された本発明
による液圧倍力装置の一実施例を示す縦断面図、第2図
は、この実施例に用いられる圧力調整弁の縦断面図であ
る。
第1図に示されているように、ブレーキ倍力装置1は
ほぼ筒状に形成されたハウジング2を備えている。ハウ
ジング2には、このハウジング2の右端および左端にそ
れぞれ開口する第1孔3および第2孔4と、これら第
1、第2孔3,4を連通する第3孔5が同軸上にそれぞれ
穿設されている。第2孔4の径は第3孔5の径よりも大
きく設定されている。
第2、第3孔4,5にわたってパワーピストン6が配設
されている。このパワーピストン6は第3孔5内をシー
ル7により液密に摺動する第1ピストン部8と、第2孔
4内をシール9により液密に摺動する、第1ピストン部
8より大径の第2ピストン部10とを備えている。また、
パワーピストン6には、それぞれ左右の端部に開口する
第4および第5孔11,12とこれらの孔11,12を連通する第
6孔13とがそれぞれ同軸上に穿設されている。
ハウジング2の右端にはプラグ14がナット15によって
固設されている。このプラグ14は第1孔3を液密に閉塞
している。また、プラグ14の中間部は第3孔5内に液密
に嵌入しており、プラグ14の左端部はパワーピストン6
の第4孔11内に突入している。そして、パワーピストン
6とプラグ14の左端部との間には所定の大きさの間隙が
形成されている。
プラグ14には、第7孔16が第4〜第6孔11〜13と同軸
上に穿設されている。この第7孔16には入力軸17が摺動
自在に嵌挿されている。プラグ14の両端においてプラグ
14と入力軸17との間が一対のシール18,18によって液密
とされている。
入力軸17の左端にはフランジ部19が形成されており、
入力軸17が右方へ移動したとき、このフランジ部19がパ
ワーピストン6に設けられたリング状の抜止め部材20に
当接することによって、入力軸17はパワーピストン6か
ら抜け出ることが阻止されている。また、フランジ部19
は、第4孔11と第6孔13間の段部21と抜止め部材20との
間でパワーピストン6に対して相対移動できるようにな
っている。更に、入力軸17の左端部には、筒状部材22が
設けられている。
一方、入力軸17の右端は連結部材23を介して図示され
ないブレーキペダルに連結される。ハウジング2の右端
と連結部材23との間には伸縮可能なブーツ24が設けられ
ており、このブーツ24によってハウジング2の右端開口
部が覆われている。
入力軸17のほぼ中心には筒状部材22の孔25に連通する
軸方向の通路26が穿設されているとともに、この通路26
の右端に連通する直径方向の通路27が穿設されている。
この通路27はプラグ14に形成された環状溝28に連通して
おり、環状溝28はプラグ14に穿設された直径方向の通路
29を介してハウジング2とプラグ14との間の環状室30に
連通している。更に、環状室30はハウジング2に形成さ
れた排出口31および排出導管32を介してリザーバ33に連
通している。
パワーピストン6の第6孔13には、右端に球34を備え
た弁体35が摺動自在に配設されている。また、第6孔13
の右端には筒状の弁座部材36が固設されており、この弁
座部材36に弁体35の球34が圧縮コイルばね37の付勢力に
よって着座するようになっている。更に、弁座部材36の
孔38内には筒状部材22の左端部が球34に対向するように
なっている。
筒状部材22と弁座部材36との間には、圧縮コイルばね
39が配設されている。このばね39は入力軸17と筒状部材
22とを筒状部材22が弁体35から離れる方向、すなわち右
方向へ常時付勢していて、入力軸17にこのばね39の付勢
力に打ち勝つほどの大きさの左方向への力が加えられな
いときには、入力軸17のフランジ部19の右端面を抜止め
部材20に当接させるようにしている。フランジ部19の右
端面が抜止め部材20に当接しているときの球34と筒状部
材22の左端との間の距離がそのときのフランジ部19の左
端面と段部21との間の距離よりも短く設定されている。
これにより、入力軸17がパワーピストン6に対して左方
へ移動したとき、筒状部材22の左端が球34に当接して弁
体35を左方向へ移動させ、球34を弁座部材36から離座さ
せることができるようになっている。筒状部材22の左端
が球34に当接したときには、筒上部材22の孔25が閉じら
れるようになっている。すなわち、筒状部材22、球34を
備えた弁体35、および弁座部材36によって、制御弁40が
構成されている。
パワーピストン6の第5孔12内には環状のスペーサ41
を介して出力軸42の右端部が液密に嵌挿されており、こ
の右端部はパワーピストン6に取り付けられたリング状
の抜止め部材43によってパワーピストン6に対し軸方向
に相対移動不能とされている。この出力軸42は、ハウジ
ング2の左端に固設される図示しないブレーキマスタシ
リンダのピストンを作動するようになっている。ハウジ
ング2に、第2孔4をほぼ塞ぐプラグ44が螺合されてお
り、このプラグ44と出力軸42の右端部に形成された段部
45との間に配設された圧縮コイルばね46によって、出力
軸42とパワーピストン6とが常時右方向へ付勢されてい
る。パワーピストン6にばね46の付勢力に打ち勝つほど
の大きさの左方向への力が加えられないときには、パワ
ーピストン6の右端面がプラグ14に当接して、パワーピ
ストン6のそれ以上の右方向への移動が阻止されてい
る。
パワーピストン6とプラグ14との間には、主動力室47
が形成され、またパワーピストン6と出力軸42との間に
はスペーサ41によって室48が形成されている。これらの
両室47,48は、パワーピストン6に形成された通路49に
よって互いに連通している。更に室48内に弁体35の左端
が臨むようにされている。一方、第2孔4のハウジング
2とパワーピストン6との間には、副動力室50が形成さ
れている。
パワーピストン6に設けられたシール51とシール7と
の間のパワーピストン6の外周には環状の溝52が設けら
れており、この溝52はパワーピストン6に形成された通
路53を介して球34と弁座部材36とのシール部および弁体
35をシールするシール部材54によって画成される圧力室
55に連通している。また、溝52はハウジング2に形成さ
れた孔56およびフィルタ57を介して供給口58に連通して
いる。この供給口58は供給導管59を介してアキュムレー
タ60とポンプ61の吐出側とに連通し、ポンプ61の吸込み
側はリザーバ33に連通している。ポンプ61とアキュムレ
ータ60とは本発明の液圧源を構成する。アキュムレータ
60とポンプ61との間には、ポンプ61からアキュムレータ
60に向かう方向の液の流れは許容するがその逆方向の液
の流れは阻止する逆上弁62が介設されている。
更に、ハウジング2には、主導力室47に連通する第1
接続口63と副動力室50に連通する第2接続口64とがそれ
ぞれ設けられている。第1接続口63は導管65を介して3
ポート2位置切換弁66の第1ボート66aに接続されてい
る。切換弁66の第2ボート66bは導管65aを介してオリフ
ィス67の上流側に接続されている。導管65および導管65
aによって、本発明の第1通路が構成される。
また切換弁66の第3ポート66cは導管65bを介して圧力
調整弁68の入力口69に接続されている。第2図に示され
ているように、この圧力調整弁68はハウジング70の段付
孔71内に摺動自在に配設された減圧ピストン72を備えて
いる。この減圧ピストン72は上端部73および下端部74が
小径とされ、また中間部75が大径とされている。減圧ピ
ストン72の上端部73はハウジング70の段付孔71を閉塞す
るプラグ76の孔77に摺動自在に嵌挿されているととも
に、シール78により液密とされている。また、中間部75
は孔71の中間径の部分に摺動自在に嵌挿されており、中
間部75の外周には軸方向の数条の溝79が形成されてい
る。更に、孔71の中間径の部分と小径の部分との間の段
部にはゴムカップシール80が設けられており、このゴム
カップシールの孔81を減圧ピストン72の下端部74と中間
部75との間の部分が貫通している。減圧ピストン72の下
端部74は孔71の小径部分に摺動自在に嵌挿されており、
下端部74の外周には軸方向の数条の溝82が形成されてい
る。ハウジング70内には、シール78と減圧ピストン72の
中間部75との間に入力室83が形成されているとともに、
減圧ピストン72の下端部74とハウジング70との間に出力
室84が形成されている。減圧ピストン72は圧縮コイルば
ね85によって常時下方に付勢されていて、通常時は減圧
ピストン72の下端が孔71の底に当接するようになってい
る。このばね85はその付勢力が比較的小さく設定されて
おり、減圧ピストン72に加えられる出力室84の圧力によ
る上向きの力と入力室83の圧力による下向きの力との差
が小さい比較的早い時期に、減圧ピストン72はばね84の
付勢力に抗して上方へ移動することができるようになっ
ている。そして、減圧ピストン72が上方へ移動したとき
には、下端部74がゴムカップシール80に当接して孔81を
閉じるようになっている。孔81が閉じられると、入力室
83と出力室84との連通が遮断されるので、出力室84の圧
力は入力室83の圧力に対して減圧ピストン72の出力室側
の有効受圧面積と入力室83側の有効受圧面積との比によ
って定まる減圧比で減圧されるようになる。入力室83は
入力口69に連通しているとともに、出力室84はハウジン
グ70に形成された出力口86に連通している。圧力調整弁
68の出力口86は導管65bを介してオリフィス67の上流側
に接続されている。導管65と導管65bとによって、本発
明の第2通路が構成される。
したがって、図示された切換弁66の第1位置Iでは、
第1接続口63はオリフィス67に直接接続されるが、切換
弁66を切り換えて第2位置IIにすると、第1接続口63は
圧力調整弁68を介してオリフィス67に接続されるように
なる。
オリフィス67の下流側は第2接続口64に接続されてい
る。
逆止弁87がオリフィス67と並列に配設されている。こ
の逆止弁87は第2接続口64から第1接続口63へ向かう液
体の流れは許容するがその逆向きの流れは阻止するよう
になっている。また、オリフィス67と第2接続口64との
間には液圧吸収装置88が設けられている。更に、第2接
続口64は逆止弁89を介してリザーバ33に接続されてい
る。逆止弁89は、リザーバ33から第2接続口64へ向かう
液体の流れは許容するがその逆向きの流れは阻止するよ
うになっている。
次に、この実施例の作用について説明する。
ポンプ61が駆動されてリザーバ33から作動液が逆止弁
62を経てアキュムレータ60に導入されるとともに、供給
導管59、供給口58、フィルタ57、通路56、および通路53
を経て圧力室55に導入される。そして、圧力室55とアキ
ュムレータ60とに常時一定大きさの液圧が保持されてい
る。
まず、切換弁66を第1位置Iにセットする。したがっ
て、第1接続口63は直接オリフィス67に接続される。
ブレーキが作動されていない状態においては、ブレー
キ倍力装置1は第1図に示されている状態となってい
る。すなわち、入力軸17、パワーピストン6、および出
力軸42がともに最右限位置に位置している。この状態で
は、制御弁40の球34が弁座部材36に着座し、筒状部材22
が球34から離れている。このため、主動力室47は圧力室
55から遮断されているとともに、孔25、通路26、通路2
7、環状溝28、通路29、環状室30、排出口31、および排
出導管32を経てリザーバ33に連通している。したがっ
て、主動力室47内の液圧はほぼ零となっている。
制動するために、図示しないブレーキペダルを踏み込
むと、入力軸17が左方へ移動し、筒状部材22の先端が球
34に当接する。このため、筒状部材22の孔25が閉じら
れ、主動力室47はリザーバ33との連通が遮断される。こ
の間、すなわち第3図(A)に示されているように、a
点までは入力軸17の入力が増大しても出力軸42の出力は
何らない。
更に、入力軸17が左方へ移動すると、球34が弁座部材
36から離座し、圧力室55内の圧液が主動力室47内に導入
される。この圧液により、パワーピストン6がばね46の
弾発力に抗して左方へ移動するので、出力軸42が出力し
てマスタシリンダのピストンを作動する。これにより、
制動が行われる。このとき、第2ピストン部10が移動す
ることにより、副動力室50内が負圧になろうとするが、
逆止弁89を介してリザーバ33から大気圧状態の作動液が
吸入されるので、副動力室50内が負圧になることはな
い。したがって、パワーピストン6は抵抗なくスムーズ
に移動することができる。また、主導力室47内の液圧が
入力軸17にも作用するので、この液圧により入力軸17に
加えられる力はブレーキ反力として運転者に伝えられ
る。パワーピストン6の移動に伴い弁座部材36も左方へ
移動し、この弁座部材36が球34に当接すると、圧力室55
と主動力室47との連通が遮断される。このため、それ以
上主動力室47内に圧液が導入されないので、パワーピス
トン6の移動が停止する。この結果、ブレーキペダルの
踏込み量、すなわち入力軸17の入力に応じた量だけ、圧
液が主動力室47内に導入される。したがって、出力軸42
の出力は入力軸17の入力に応じた大きさ、すなわち入力
をサーボ比によって倍力した大きさとなり、第3図
(A)に示されているように、液圧倍力装置1はa点か
ら直線γに沿って作動するようになる。そして、主動
力室47内の液圧が設定された最大圧力となる全負荷点c
に上昇するまで、液圧倍力装置1はこの直線γに沿っ
て作動する。全負荷点cを超えると主動力室47内の圧力
がもはや上昇しなくなるので、出力の増加量は入力の増
加量とほぼ同じとなり、ブレーキ倍力装置1はほぼ45度
の傾きの直線γに沿って作動するようになる。
また、主導力室47内の圧液は通路49を通って室48内に
も導入される。この室48内の液圧が弁体35の左端に作用
するようになるので、弁体35に加えられる主動力室47内
の液圧による力が軽減されて左方へ移動するようなこと
はない。これにより、ばね37の弾発力をそれほど大きく
しなくても済むようになる。
ところで、主動力室47内の液圧は第1接続口63から導
管65、切換弁66、オリフィス67、および第2接続口64を
経て副動力室50内にも導入される。このとき、オリフィ
ス67を通過した圧液はリザーバ33の方にも流れようとす
るが、逆止弁89により圧液がリザーバ33に流れることが
阻止される。これにより、圧液は副動力室50内のみに導
入されるようになる。副動力室50内の圧力は、圧液がオ
リフィス67により絞られるとともに、液圧吸収装置88に
より圧力が所定量吸収されるので、主動力室47内の圧力
上昇に比べ遅れて上昇するようになる。したがって、例
えば入力軸17の入力を中間負荷点bで停止し弁座部材36
が球34に当接すると、主動力室47内の圧力はもはや上昇
しなくなる。しかしながら、副動力室50内の圧力が遅れ
て上昇するので、入力軸17の入力が停止しても出力軸42
の出力が更に増加し、ブレーキ倍力装置1は第3図
(A)のb点からd点に向かう直線γに沿って作動す
るようになる。これにより、ブレーキペダルの踏込みを
所望のところで停止した後にも、制動力が所定量徐々に
増加する。すなわち、ブレーキの後効き作用が行われ
る。
このブレーキの後効き作用を、第3図(B)に示され
ているように、ブレーキ作動時間と車両減速度との関係
において説明すると、車両減速度はe点において発生
し、直線δに沿って増加する。入力軸17の入力が停止
する中間負荷点bにおいては、車両減速度はf点まで増
加するようになる。そして、入力が停止しても出力がb
点からd点まで増加するので、車両減速度は一定とはな
らず、直線δに沿ってg点まで徐々に増加するように
なる。g点以降では、副動力室50内の圧力も増加しない
ので、ブレーキ倍力装置1の出力が一定となって、車両
減速度は一定となる。
ブレーキ作動を解除するためブレーキペダルの踏込み
を解除すると、入力軸17が右方に移動する。このため、
筒状部材22の左端が球34から離れ、主動力室47はリザー
バ33に連通し、その圧力が低下する。ばね46の弾発力に
よってパワーピストン6が右方へ移動し、これに伴っ
て、主動力室47内の圧液がリザーバ33に排出されるとと
もに、副動力室50内の圧液も逆止弁87、切換弁66、主動
力室47を経てリザーバ33に排出される。このとき、副動
力室50内の圧液は主に逆止弁87を介して流れ、オリフィ
ス67の影響をうけることはないので、パワーピストン6
は遅れることなく右方へ移動してその右端がプラグ14に
当接する元の位置に戻る。すなわち、第3図(A)に示
されているように、ブレーキ倍力装置1の出力は直線γ
に沿って作動するようになる。
次に切換弁66を第2位置II側に切り換えると、第1接
続口63は圧力調整弁68を介してオリフィス67に接続され
る。
ブレーキの後効き作用以外は、前述の切換弁66が第1
位置Iにセットされているときと同じであるので、その
説明は省略する。
ブレーキ操作が行われ、主動力室47内に圧液が導入さ
れると、その圧液は圧力調整弁68およびオリフィス67を
経て副動力室50内にも導入される。その場合、副動力室
50内の圧力上昇はオリフィス67によって主動力室47内の
圧力上昇よりも遅れる。
入力軸17の入力を中間負荷点bにおいて停止すると、
出力軸42の出力は直線γに沿って増加する。その場
合、減圧ピストン72に加えられる出力室84の圧力による
力と入力室83の圧力による力との間にばね85の弾発力に
打ち勝つほどの差が生じると、減圧ピストン72がばね85
の弾発力に抗して上昇する。減圧ピストン72の上昇によ
り、下端部74がゴムカップシール80に当接して、シール
の孔81を閉塞する。したがって、これ以降は、減圧ピス
トン72の出力室84側の有効受圧面積と入力室83側の有効
受圧面積との差によって定まる減圧比で主動力室47内の
液圧が減圧されて副動力室50内に伝えられる。したがっ
て、副動力室50内に導入される最大圧力は切換弁66の第
1位置Iのときの最大圧力よりも小さくなる。すなわ
ち、出力軸42の出力は切換弁33の第1位置Iのときの点
dよりも小さい点d′で停止する。
これを第3図(B)で説明すると、ブレーキの後効き
作用によって、車両減速度は点fから点g′まで増加す
るが、切換弁66が第1位置Iのときの点gまでは増加し
ない。以後、減速度は一定となって直線δに沿うよう
になる。このように圧力調整弁68によって、最終の車両
減速度が変化する。すなわち、減速度の漸増量αは圧力
調整弁68の減圧比によってα′に変化するようになる。
したがって、圧力調整弁68の減圧比を適宜設定すること
により所望の車両減速度の漸増量αを得ることができる
ようになる。
ブレーキが解除されると、ブレーキ倍力装置lの出力
は直線γに沿って低下する。
なお、前述の実施例においては、圧力調整弁68を備え
た第2通路を一つだけ設けるようにしているが、本発明
はこれに限定されるものではなく、減圧比が異なる圧力
調整弁68をそれぞれ備えた第2通路を複数個並列に設
け、これらの圧力調整弁68を適宜数の切換弁で切り換え
ることにより、種々の大きさの減速度の漸増量αを設定
するようにすることもできる。このようにすれば、例え
ば、道路条件や走行状態等によってそれらの圧力調整弁
を適宜選択することにより、ブレーキフィーリングを更
に良好にすることが可能となる。その場合、切換弁とし
て電磁弁を用い、この電磁弁と各種センサとを組み合わ
せることにより、自動的に漸残量αを選択するようにす
ることもできる。
更に、オイフィス67は絞りを変えることができる可変
絞りとすることもできる。このようにすれば、ブレーキ
後効き作用における減速度の後効き率、すなわち第3図
に示されている角度θを適宜変えることができる。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明による液圧倍
力装置は、パワーピストンに第1ピストン部と第2ピス
トン部とを設け、この第1ピストン部に主動力室へ導入
される液圧を作用させるようにし、前記第2ピストン部
に前記主動力室とオリフィスを介して連通する副動力室
へ導入される液圧を作用させるようにしているので、中
間負荷点において入力を停止したとき、出力はサーボ比
で定まる大きさとなった後、更に所定量徐々に増加す
る。したがって、液圧倍力装置は出力の後効き作用を確
実に行うことができるようになる。
例えば、この液圧倍力装置をブレーキ倍力装置として
用いるようにすれば、ブレーキの後効き作用を確実に行
うことができるようになり、制動時において車両に加え
られる衝撃を効果的に緩和することができる。
また、切換弁により、互いに並列に配設された第1通
路と所定の減圧比で減圧する圧力調整弁を備えた第2通
路とを選択的に切り換え、選択した通路を介して主動力
室と副動力室とを連通するようにしているので、副動力
室に導入される圧力を異ならせることができる。したが
って、出力の漸増量αを異ならせることが可能となる。
そして、諸条件に応じて、切換弁を切り換え制御するこ
とにより、液圧倍力装置の操作フィーリングをきめの細
かいより良好なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による液圧倍力装置をブレーキ倍力装置
に適用した一実施例を示す縦断面図、第2図はこの実施
例に用いられる圧力調整弁の縦断面図、第3図(A),
(B)はこの実施例および従来のブレーキ倍力装置の特
性を示す特性図である。 1……ブレーキ倍力装置(液圧倍力装置)、2……ハウ
ジング、6……パワーピストン、8……第1ピストン
部、10……第2ピストン部、17……入力軸、33……リザ
ーバ、40……制御弁、42……出力軸、47……主動力室、
50……副動力室、60……アキュムレータ(液圧源)、61
……ポンプ(液圧源)、65……通路(第1、第2通
路)、65a……通路(第1通路)、65b……通路(第2通
路)、66……切換弁、67……オリフィス、68……圧力調
整弁

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジングの孔に摺動自在に嵌合され、第
    1ピストン部と第2ピストン部とを備えたパワーピスト
    ンと、前記第1ピストン部に作用する液圧が導入される
    主動力室と、前記主動力室とオリフィスを介して連通
    し、前記第2ピストン部に作用する液圧が導入される副
    動力室と、前記液圧を発生する液圧源と、前記パワーピ
    ストン内に進退自在に嵌挿された入力軸と、前記パワー
    ピストンに連結された出力軸と、前記入力軸の不作動の
    ときには前記液圧源と前記主動力室との連通を遮断する
    とともに前記主動力室とリザーバとを連通し、前記入力
    軸が前記パワーピストンに向かって移動したときに作動
    して前記主動力室と前記リザーバとの連通を遮断すると
    ともに前記液圧源と前記主動力室とを連通する制御弁
    と、前記オリフィスと前記主動力室との間に、これらを
    接続するように互いに並列に配設された第1通路および
    所定の減圧比で減圧する圧力調整弁を備えた第2通路
    と、これらの第1および第2通路を選択的に切り換え、
    選択された通路を介して前記主動力室と前記オリフィス
    とを接続する切換弁と、を備えていることを特徴とする
    液圧倍力装置。
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