JP2757724B2 - 三相三脚変圧器鉄心 - Google Patents

三相三脚変圧器鉄心

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JP2757724B2
JP2757724B2 JP4331683A JP33168392A JP2757724B2 JP 2757724 B2 JP2757724 B2 JP 2757724B2 JP 4331683 A JP4331683 A JP 4331683A JP 33168392 A JP33168392 A JP 33168392A JP 2757724 B2 JP2757724 B2 JP 2757724B2
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正市 松本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は三相三脚変圧器鉄心の
改良に関するものである。さらに詳細には、三相三脚変
圧器鉄心の各鉄心の温度上昇が均等になるような鉄心の
構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に例えば三相三脚変圧器の鉄心は、
図4に示すように鉄心11はそのいずれの個所において
も同一断面形状で、断面積も等しく、磁気特性も等しい
同一方向性けい素鋼板からなる鉄心素板を多数枚積層し
て形成した脚部12,13,14と上部継鉄部15及び
下部継鉄部16とから構成されている。左端脚12の鉄
心素板は圧延方向に対して両端を45°に切断したもの
であり、外形形状は台形をしている。右端脚14の鉄心
素板は左端脚12と同一寸法、同一形状をしている。中
央脚13は圧延方向に対して両端を45°に切断し、外
形形状は菱形をしている。上部継鉄15は圧延方向に対
して一端を45°に切断し、下端は圧延方向に対して直
角に切断した台形状の鉄心15aと、圧延方向に対して
両端を45°に切断した台形状の鉄心15bとで構成し
ている。下部継鉄16は上部継鉄の15aと同一形状、
同一寸法の16aと上部継鉄15bと同一形状、同一寸
法の16bとで構成されている。三相三脚変圧器鉄心1
1は、図4の実線に示すように、脚部12,13,14
の鉄心素板と、継鉄部鉄心素板15a,15b,16
a,16bを配置している。次に、中央脚13を中心に
左右を反転した状態、すなわち図4の破線に示すように
脚部12,13,14の各鉄心素板と継鉄部鉄心素板1
5a,15b,16a,16bを配置する。これを交互
に必要厚さまで積層し、三相三脚変圧器鉄心を形成して
いる。
【0003】次に作用について説明する。各脚12,1
3,14に巻回された巻線(図示せず)に三相電圧が印
加されると各巻線に三相励磁電流が流れ、各鉄心脚1
2,13,14には図6中に矢印で示す磁束φ1,φ1,
φ3が流れる。中央脚13と上・下継鉄部15,16が
交わる部分20(以下T接合部という)には、実線矢印
で示す磁束φ1,φ2,φ3の時間的な変化によって回転
磁束が生じ、この個別の無負荷損失は他の個所に比べて
大きくなる。一般に励磁波形が正弦波であっても、鉄心
の非線形磁化特性や磁気抵抗の差により、鉄心中の磁束
波形は歪んでいる。このため、三相鉄心では波形ひずみ
の主因となっている第三調波分磁束が鉄心中を環流して
いる。
【0004】三相三脚変圧器鉄心の中央脚13から見た
両端脚12,14は、形状、寸法が同一で磁路長も同一
であることから、磁気抵抗は等しい。しかし、端の脚1
2から見た中央脚13と他脚14の磁気抵抗はそれぞれ
寸法、形状が異なり、また脚14の磁路長の方が中央脚
13の磁路長よりも長いことから、中央脚13の磁気抵
抗が他脚14の磁気抵抗よりも小さい。同様に、端の脚
14から見た中央脚13と他脚12の磁気抵抗はそれぞ
れ寸法、形状が異なり、また脚12の磁路長の方が中央
脚13の磁路長よりも長いことから、中央脚13の磁気
抵抗が他脚12の磁気抵抗よりも小さい。このため、高
調波成分が両端脚に比べて中央脚に多く流れるため、中
央脚13の無負荷損失が増大する。方向性けい素鋼板で
構成した三相三脚変圧器鉄心の鉄心各部における単位重
量当りの無負荷損失比率の一例を図5に示すが、T接合
部20が最も大きく、次に中央脚13で大きな損失を発
生している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の三相三脚変圧器
鉄心は、以上のように構成されているので、T接合部及
び中央脚の無負荷損失が大きく、このため、T接合部
(特に上部のT接合部)や鉄心中央脚部の温度上昇値
が、他の個所に比べて高くなるという問題点があった。
鉄心最高点温度上昇値を低くするために全鉄心を良質の
鉄損特性を有する方向性けい素鋼板で構成する方法も採
用されているが、この場合には鉄心コストが非常に高く
なるという問題点があった。
【0006】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、無負荷損失を低減できるととも
に、鉄心の温度上昇値も全体的にバランスのとれた適正
なものにできる三相三脚変圧器鉄心を得ることを目的と
している。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る三相三
脚変圧器鉄心は、相互に平行に配置された3個のけい素
鋼板からなる脚部鉄心素板と、これら脚部鉄心素板の各
端部同志を接合するけい素鋼板からなる継鉄部鉄心素板
とを順次積層して構成するようにしたものにおいて、中
央脚部鉄心素板を他の脚部鉄心素板及び継鉄部鉄心素板
よりも鉄損が小さくなるようにしたものである。
【0008】第2の発明に係る三相三脚変圧器鉄心は、
相互に平行に配置された3個のけい素鋼板からなる脚部
鉄心素板と、これら脚部鉄心素板の各端部同志を接合す
るけい素鋼板からなる継鉄部鉄心素板とを順次積層して
構成するようにしたものにおいて、上部継鉄部鉄心素板
の鉄損を他の脚部鉄心素板及び下部継鉄部鉄心素板の鉄
損よりも小さくなるようにしたものである。
【0009】第3の発明に係る三相三脚変圧器鉄心は、
相互に平行に配置された3個のけい素鋼板からなる脚部
鉄心素板と、これら脚部鉄心素板の各端部同志を接合す
るけい素鋼板からなる継鉄部鉄心素板とを順次積層して
構成するようにしたものにおいて、上部継鉄部鉄心素板
及び中央脚部鉄心素板の鉄損を両端脚部鉄心素板及び下
部継鉄部鉄心素板の鉄損よりも小さくなるようにしたも
のである。
【0010】第4の発明に係る三相三脚変圧器鉄心は、
中央脚部鉄心素板の上端は両辺が鉄心の反延方向に対し
て各45°の角度を有するV字突起形状に形成され、上
部継鉄部鉄心素板の幅方向のほぼ中央部にまで延びたV
字形の切り欠き部に接合され、その下端は両辺が鉄心の
反延方向に対して各45°の角度を有するV字突起形状
に形成され、下部継鉄部鉄心素板の幅方向のほぼ中央部
にまで延びたV字形の切り欠き部に接合されるようにし
たものである。
【0011】第5の発明に係る三相三脚変圧器鉄心は、
中央脚部鉄心素板の上端は両辺が鉄心の反延方向に対し
て各45°の角度を有するV字突起形状に形成され、上
部継鉄部鉄心素板の幅方向のほぼ中央部にまで延びたV
字形の切り欠き部に接合され、中央脚部鉄心素板の下端
下部継鉄部鉄心素板の圧延方向に対して一辺は45
°、他辺は90°の角度で下部継鉄部鉄心素板に接合さ
れるようにしたものである。
【0012】第6の発明に係る三相三脚変圧器鉄心は、
相互に平行に配置された3個のけい素鋼板からなる脚部
鉄心素板と、これら脚部鉄心素板の各端部同志を接合す
るけい素鋼板からなる継鉄部鉄心素板とを順次積層して
構成するようにした三相三脚変圧器鉄心において、中央
脚部鉄心素板を中心に左右の脚部鉄心素板が入れ換るよ
うに交互に反転して順次積層するようにしたものであ
る。
【0013】第7の発明に係る三相三脚変圧器鉄心は、
相互に平行に配置された3個のけい素鋼板からなる脚部
鉄心素板と、これら脚部鉄心素板の各端部同志を接合す
るけい素鋼板からなる継鉄部鉄心素板とを順次積層して
構成するようにした三相三脚変圧器鉄心において、各脚
部鉄心素板は複数種類の幅の鉄心素板はその外接線が円
形で同一半径となるように構成され、中央脚部鉄心は他
の脚部鉄心よりも多くの種類の幅を有する鉄心素板を用
いることにより中央脚部鉄心の断面積を脚部鉄心の断面
積よりも大きくするようにしたものである。
【0014】
【作用】第1の発明における三相三脚変圧器鉄心は、中
央脚及び上部のT接合部における無負荷損失を低減し、
これらの部分の温度上昇値を低減する。第2の発明にお
ける三相三脚変圧器鉄心は、上部継鉄部及び上部のT接
合部における無負荷損失を低減し、これらの部分の温度
上昇値を低減する。第3の発明における三相三脚変圧器
鉄心は、中央脚と上部継鉄部及び上部のT接合部の無負
荷損失を低減し、これらの部分の温度上昇値を低減す
る。第4及び第5の発明における三相三脚変圧器鉄心
は、変圧器鉄心の無負荷損失を低減すると共に、中央脚
の形状を他の脚部及び下部継鉄部形状と形状を異にする
ように構成しているので、中央脚を外観により容易に他
の脚部、継鉄部と識別でき、他の部分と間違えることな
く三相三脚鉄心を組み立てることができる。第6の発明
に係る三相三脚変圧器鉄心は、中央脚部鉄心素板を中心
に左右の脚部鉄心素板が入れ換るように交互に反転して
順次積層するために、機械的に強度の高い鉄心を得るこ
とができる。第7の発明における三相三脚変圧器鉄心
は、中央脚における無負荷損失を低減し、この部分の温
度上昇値を低減する。
【0015】
【実施例】以下、この発明の第1の実施例を図1で説明
する。図1において、1は三相三脚変圧器鉄心を示す。
2は端脚で、方向性けい素鋼板の圧延方向に対し、両端
を45°の角度で切断し、外形形状を台形としている。
3は中央脚で、両端は方向性けい素鋼板の圧延方向に対
して各45°の角度で切断されたV字状の凸部をなし、
そのV字状の凸部の頂点はそれぞれ鉄心素板5及び6の
幅の約1/2の深さまで突入している。4は端脚で他の
端脚2と同一寸法、同一形状をしている。5は上部継鉄
で長さのほぼ中央部にその幅の約1/2の深さのV字状
の切り欠き部を有し、中央脚3のV字状凸部と接合され
る。上部継鉄5の両端は鉄心素板の圧延方向に対し台形
の外形形状をなすように45°で切断しており、端脚
2,4と接合される。下部継鉄6は上部継鉄5と同じ形
状である。脚部鉄心2,3及び4と上部継鉄5及び下部
継鉄6は、図1の実線で示すように、それぞれの接合部
に隙間が出来ないようにお互いをつき合わせ接合され
る。次に図1の破線で示すように中央脚3の軸心を中心
にして左・右を反転させた状態に脚部鉄心2,3及び4
と上部継鉄5及び下部継鉄6はそれぞれの接合部に隙間
が出来ないようにお互いをつき合わせて接合される。
【0016】この実線で示す接合と破線で示す接合とを
交互に繰り返し必要厚さまで積層する。各接合部は重ね
合わされ積層鉄心となったとき、各接合部が単に平面状
のつき合わせ接合ではなく、実線と破線で囲まれた重ね
代を有するので機械的強度が高くなる構成となってい
る。なお、実線部と点線部は重ね合わせ部分がよく理解
できるように少しずらせてあるが実際には斜線部以外は
お互いに重なっている。この発明の第1の実施例におい
ては、中央脚3の鉄心は他の脚部鉄心2,4及び継鉄部
鉄心5,6よりも鉄損の少ない鉄心素板を用いて構成さ
れる。
【0017】この発明の第2の実施例においては、上部
継鉄5の鉄心は他の継鉄6及び脚部鉄心2,3,4より
も鉄損の少ない鉄心素板を用いて構成される。
【0018】この発明の第3の実施例においては、中央
脚3及び上部継鉄5の鉄心は他の脚部鉄心2,4及び継
鉄6よりも鉄損の少ない鉄心素板を用いて構成される。
【0019】この発明の第4の実施例を図2について説
明する。図2において、1は三相三脚変圧器鉄心を示
す。2は端脚で、方向性けい素鋼板の圧延方向に対し、
両端を45°の角度で切断し、外形形状を台形としてい
る。3は中央脚で、上端は方向性けい素鋼板の圧延方向
に対して各45°の角度で切断されたV字状の凸部をな
し、その下端は方向性けい素鋼板の圧延方向に対して一
方が45°の角度で切断されている。上端のV字状凸部
の頂点は鉄心素板5の幅の約1/2の深さまで突入して
いる。4は端脚で他の端脚2と同一寸法、同一形状をし
ている。5は上部継鉄で長さのほぼ中央部にその幅の約
1/2の深さのV字状の切り欠き部を有し、中央脚3の
V字状上端凸部と接合される。上部継鉄5の両端は鉄心
素板の圧延方向に対し台形の外形形状をなすように45
°で切断しており、端脚2,4と接合される。下部継鉄
6は一端を圧延方向に対し45°、他端を圧延方向に対
し90°で切断された台形の外形形状をなす下部継鉄6
aと、両端を圧延方向に対して45°で切断され台形形
状をした下部継鉄6bとで構成される。脚部鉄心2,
3,4と上部継鉄5及び下部継鉄6は、図2の実線で示
すように、それぞれの接合部に隙間が出来ないようにお
互いをつき合わせ接合される。次に図2の破線で示すよ
うに中央脚3の軸心を中心にして左・右を反転させた状
態に脚部鉄心2,4と上部継鉄5及び下部継鉄6a,6
bによってそれぞれの接合部に隙間が出来ないようにお
互いをつき合わせ接合される。この実線で示す接合と破
線で示す接合とを交互に繰り返し必要厚さまで積層す
る。各接合部は重ね合わされ積層鉄心となったとき、各
接合部が単に平面状のつき合わせ接合ではなく、実線と
破線で囲まれた重ね代を有するので機械的強度が高くな
る構成となっている。なお、実線部と点線部は重ね合わ
せ部分がよく理解できるように少しずらせてあるが実際
には斜線部以外はお互いに重なっている。
【0020】この発明の第7の実施例の三相三脚変圧器
鉄心の一実施例を図3おいて説明する。この発明の鉄心
においては、両端脚、例えば図1の脚部鉄心2,4の断
面形状は図3(a)に示すように、その外接線が一点鎖
線のように円形をなすように複数種類(例えば、2種
類)の幅の鉄心素板で構成されている。図1の中央脚3
の断面形状は、例えば、図3(b)に示すようにその外
接線が一点鎖線と接し円形をなすように複数種類(例え
ば、3種類)の幅の鉄心素板で構成されている。すなわ
ち、中央脚を構成する鉄心素板の幅の種類の数は、両端
脚を構成する鉄心素板の幅の種類の数より多くしてある
ので、鉄心の外接円が同一でも中央脚の鉄心断面積が両
端脚の鉄心断面積よりも大きくなる。
【0021】次にこの発明の各実施例の作用について説
明する。各脚部2,3,4に巻回された巻線(図示せ
ず)に三相電圧が印加されると各巻線には三相励磁電流
が流れ、各鉄心脚2,3,4には図6で説明したと同様
に磁束φ1,φ2,φ3が流れる。中央脚部3と上・下部
継鉄部5,6が交わるT接合部には、上述のように磁束
φ1,φ2,φ3の時間的な変化によって回転磁束が生
じ、この個別の無負荷損失は他の個所に比べて大きくな
る。一般に、励磁波形が正弦波であっても、鉄心の非線
形磁化特性や磁気抵抗の差により、鉄心中の磁束波形は
歪んでいる。このため、三相鉄心では波形ひずみの主因
となっている第三調波分磁束が鉄心中を環流している。
【0022】三相三脚変圧器鉄心の中央脚3から見た両
端脚2,4は、材質、形状、寸法が同一で磁路長も同一
であることから、磁気抵抗は等しい。従って、中央脚3
の磁束φ2は等しく両端脚2,4に分流する。しかし、
端の脚2から見た中央脚3と他脚4の磁気抵抗はそれぞ
れ寸法、形状が異なり、また脚4の磁路長の方が中央脚
3の磁路長よりも長いことから、中央脚3の磁気抵抗が
他脚4の磁気抵抗よりも小さい。従って、脚2の磁束φ
1は端脚4よりも中央脚3の方に多く分流する。同様
に、端の脚4から見た中央脚3と他脚2の磁気抵抗はそ
れぞれ寸法、形状が異なり、また脚2の磁路長の方が中
央脚3の磁路長よりも長いことから、中央脚3の磁気抵
抗が他脚2の磁気抵抗よりも小さい。従って、脚4の磁
束φ3は脚2よりも中央脚3の方に多く分流する。この
ため、高調波成分は両端脚に比べて中央脚に多く流れる
ため、中央脚3の無負荷損失が増大する。
【0023】しかし、第1の実施例においては、中央脚
3を構成する鉄心素板には、他の脚部鉄心2,4や継鉄
部鉄心5,6よりも鉄損の少ないものを使用している。
このため、中央脚3の鉄心素板で構成されるT接合部2
0及び中央脚3の無負荷損は、他の脚部鉄心2,4や継
鉄部鉄心5,6より小さくなり、中央脚3の温度上昇が
他の脚部鉄心2,4や継鉄部鉄心5,6とバランスのと
れた適正な値となる。
【0024】第2の実施例においては、上部継鉄部鉄心
5の鉄心素板を他の脚部鉄心2,3,4や下部継鉄部鉄
心6を構成する鉄心素板よりも鉄損が少ないものを使用
している。このため、上部継鉄部5の鉄心素板で構成さ
れる上部のT接合部20及び上部継鉄部5の無負荷損
は、他の脚部鉄心2,3,4及び下部継鉄6より小さく
なる。このため、周囲冷媒温度の高い上部継鉄5の温度
上昇を小さくでき、変圧器鉄心全体として適正な温度上
昇とすることができる。
【0025】第3の実施例においては、上部継鉄部鉄心
5及び中央脚部鉄心3を構成する鉄心素板として他の脚
部鉄心2,4及び下部継鉄部鉄心6を構成する鉄心素板
よりも鉄損が小さい鉄心を使用している。このため、上
部継鉄部鉄心5及び中央脚部鉄心3の無負荷損は、他の
脚部鉄心2,4や下部継鉄部鉄心6より小さくなり、温
度上昇に関し他の脚部鉄心2,4や下部継鉄部鉄心6と
バランスのとれたものとすることができる。
【0026】第4の実施例においては、中央脚部鉄心3
を構成する鉄心素板の形状は上端が方向性けい素鋼板の
圧延方向に対して各45°の角度で切断されたV字状の
凸部をなすように切断され、その下端も上端と同様の形
状に形成される。また、上部継鉄部5及び下部継鉄部6
を構成する鉄心素板は、その長さのほぼ中央部にV字形
の切り欠きが設けられる。従って、中央脚部鉄心3を他
の鉄心と容易に識別できる。このため、鉄損の小さい中
央脚3の鉄心素板を誤って他の鉄心素板と混同して使う
こともない。
【0027】第5の実施例においては、中央脚部鉄心3
を構成する鉄心素板の形状は上端が方向性けい素鋼板の
圧延方向に対して各45°の角度で切断されたV字状の
凸部をなすように切断され、その下端は方向性けい素鋼
板の圧延方向に対して一方が45°の角度で切断されて
いる。また、上部継鉄部5を構成する鉄心素板は、その
長さのほぼ中央部にV字形の切り欠きを設け、下部継鉄
部鉄心6を構成する鉄心素板とは形状を異にするように
構成される。従って、中央脚部鉄心3を他の鉄心と容易
に識別できる。このため、鉄損の小さい中央脚3の鉄心
素板を誤って他の鉄心素板と混同して使うこともない。
【0028】第6の実施例においては、脚部鉄心2,
3,4及び継鉄部鉄心5,6の各接合部は十分な重ね代
ができるように構成されるので、機械的に強度の高い鉄
心を得ることができる。
【0029】第7の実施例においては、中央脚部鉄心3
の断面積を他の脚部鉄心2,4や継鉄部鉄心5,6の断
面積より大きくしているので、中央脚部鉄心3を通過す
る磁束密度が他の部分に比べて小さくなる。このため、
中央脚部鉄心3の無負荷損が小さくなり、温度上昇も他
の脚部鉄心2,4より小さくすることができる。中央脚
部鉄心3の外接円は他の脚部鉄心2,4と同一にしてい
るため、各脚部外周に巻回される巻線の内径は同一とす
ることができ、三相三脚変圧器の製造及び組立が容易と
なる。
【0030】第1の実施例に関して図1により説明した
が鉄心構成は図1に示す形状に限定されるものではな
く、第1の実施例を達成するための鉄心構成図は、中央
脚に鉄損が小さいけい素鋼板を使用するものであれば、
従来の鉄心構成として説明した図4の鉄心構成でもよ
い。さらに、第2又は第3の実施例においても、中央脚
の鉄心構成は図4に示す形状でも良いことは言うまでも
ない。なお、本願においては三相三脚変圧器鉄心につい
て述べたが、三相静止誘導機器鉄心全般に適用できるこ
とはもちろんである。
【0031】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、三相
三脚変圧器鉄心において、無負荷損失の大きい中央脚又
は温度上昇の高い上部継鉄のみを他の部分の鉄心素板よ
りも鉄損が小さい鉄心素板で構成したので、中央脚の無
負荷損失が少なく、鉄心各部の温度上昇のバランスがと
れ、かつコストが安い三相三脚変圧器鉄心を得ることが
できる。
【0032】また、図1のような鉄心構成で三相三脚変
圧器鉄心を構成すれば、中央部を他の継鉄や他の脚部鉄
心を構成する鉄心素板形状と外形形状を異にすることが
できるので、鉄損の小さい中央脚の鉄心素板を誤って他
の鉄心素板と混同して使うことはない。
【0033】また、中央脚の鉄心断面積を図3(b)に
示すようにその外接円の直径は同じで、多くの寸法の鉄
心素板を使用することにより、図3(a)に示す他の脚
の鉄心断面積より大きくすることができる。三相三脚変
圧器鉄心をこのように構成することにより、無負荷損が
小さく、全体として温度上昇のバランスがとれる。さら
に、各鉄心脚の外周に巻回される巻線も同一径のものと
することができるので製造が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例による三相三脚変圧器鉄心
の構成を示す図である。
【図2】この発明の他の実施例による三相三脚変圧器鉄
心の構成を示す図である。
【図3】この発明の他の実施例を示す三相三脚変圧器鉄
心の断面図である。(a)は両端脚の断面図、(b)は
中央脚の断面図である。
【図4】従来の三相三脚変圧器鉄心の構成を示す図であ
る。
【図5】従来の三相三脚変圧器鉄心の各部の無負荷損の
比率を示す図である。
【図6】三相三脚変圧器鉄心の磁束の流れを示す図であ
る。
【符号の説明】
1 三相三脚変圧器鉄心 2 端の脚部鉄心 3 中央脚部鉄心 4 端の脚部鉄心 5 上部継鉄部鉄心 6 下部継鉄部鉄心 11 三相三脚変圧器鉄心 12 端の脚部鉄心 13 中央脚部鉄心 14 端の脚部鉄心 15 上部継鉄部鉄心 16 下部継鉄部鉄心

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相互に平行に配置された3個のけい素鋼
    板からなる脚部鉄心素板と、これら脚部鉄心素板の各端
    部同志を接合するけい素鋼板からなる継鉄部鉄心素板と
    を順次積層して構成するようにした三相三脚変圧器鉄心
    において、 中央脚部鉄心素板の鉄損を他の脚部鉄心素板及び継鉄部
    鉄心素板の鉄損より小さくしたことを特徴とする三相三
    脚変圧器鉄心。
  2. 【請求項2】 相互に平行に配置された3個のけい素鋼
    板からなる脚部鉄心素板と、これら脚部鉄心素板の各端
    部同志を接合するけい素鋼板からなる継鉄部鉄心素板と
    を順次積層して構成するようにした三相三脚変圧器鉄心
    において、 上部継鉄部鉄心素板の鉄損を脚部鉄心素板及び下部継鉄
    部鉄心素板の鉄損よりも小さくしたことを特徴とする三
    相三脚変圧器鉄心。
  3. 【請求項3】 相互に平行に配置された3個のけい素鋼
    板からなる脚部鉄心素板と、これら脚部鉄心素板の各端
    部同志を接合するけい素鋼板からなる継鉄部鉄心素板と
    を順次積層して構成するようにした三相三脚変圧器鉄心
    において、 上部継鉄部鉄心素板及び中央脚部鉄心素板の鉄損を下部
    継鉄部鉄心素板及び両端脚部鉄心素板の鉄損よりも小さ
    くしたことを特徴とする三相静止誘器鉄心。
  4. 【請求項4】 相互に平行に配置された3個のけい素鋼
    板からなる脚部鉄心素板と、これら脚部鉄心素板の各端
    部同志を接合するけい素鋼板からなる継鉄部鉄心素板と
    を順次積層して構成するようにした三相三脚変圧器鉄心
    において、 前記各脚部鉄心素板は複数種類の幅の鉄心素板はその外
    接線が円形で同一半径となるように構成され、中央脚部
    鉄心は他の脚部鉄心よりも多くの種類の幅を有する鉄心
    素板を用いることにより中央脚部鉄心の断面積を脚部鉄
    心の断面積よりも大きくしたことを特徴とする請求項1
    ないし3の三相三脚変圧器鉄心。
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