JP3371498B2 - 変圧器およびその製造方法 - Google Patents
変圧器およびその製造方法Info
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Description
法に関し、特に制御装置などで電源として用いられる小
形変圧器の鉄心構造に関する。
ある。図3において1は鉄心であり、中央脚11と、こ
の中央脚11に互に反対方向に間隔を隔てて平行に配置
された上下の外脚12および13と、これら中央脚1
1,外脚12および13の左右の端部をそれぞれ結合す
る左右のヨーク15および16とからなり、この中央脚
11の周囲に一次巻線21,二次巻線22などの巻線2
が巻回されている。この一次巻線21に交流電圧を印加
すると、この交流電圧に一次巻線21と二次巻線22の
巻数比を乗じた交流電圧が二次巻線22に誘起される。
ここで、鉄心1はうず電流による損失を低減するため、
通常薄い磁性板を重ねた成層鉄心が用いられる。
る従来の小形変圧器の鉄心構造の一例を示し、(a)は
斜視図、(b)は(a)の分解斜視図である。鉄心1は
E字形の鉄心部31と、このE字形の鉄心部31を水平
方向に180°回転して得られる逆E字形の鉄心部32
とからなり、鉄心部31は図5に示すように、磁性板を
打ち抜いて複数個のE字形磁性板31Aを作り、これら
を重ねてその周囲を溶接することによって固定する。な
お、33は溶接個所を示す。また、鉄心部32は前述し
たようにこの鉄心部31を水平方向に180°回転した
ものである。
4(b)に示すように、巻枠23の内孔に左右から挿入
して、これら鉄心部31および32の中央脚および上下
外脚がそれぞれ突き合わせ、図4(a)に示すようにこ
の突き合わせ部の外周を溶接により固定して鉄心1を形
成する。なお、34は溶接個所を示す。図6は制御装置
などで電源として用いられる従来の小形変圧器の鉄心構
造の異なる例を示し、(a)はこの変圧器の鉄心1を構
成する磁性板の斜視図、(b)は(a)に示す磁性板の
組立方法を示す変圧器の分解横断面図である。
1AとこのE字形の磁性板41Aの中央脚および上下外
脚に接するI字形の磁性板41Bと、これら磁性板41
Aおよび41Bの両方を一括して水平方向に180°回
転して得られる逆E字形の磁性板42AとI字形の磁性
板42Bとで構成される。これら磁性板41Aおよび4
2Aの中央脚を図6(b)に示すように、巻枠23の内
孔に左右から交互に挿入して、これら磁性板41Aおよ
び42Aの中央脚あるいは外脚がそれぞれ重なるように
し、これら磁性板41Aおよび42Aの背部に一枚おき
に形成された空間にI字形の磁性板41Bおよび42B
を左右から交互に挿入して、ワニス処理によって固定し
て鉄心1を形成する。
に示す変圧器の鉄心構造では、E字形の磁性板を積み重
ね周囲を溶接により固定してE字形の鉄心部を作り、こ
のE字形の鉄心部を水平方向に180°回転して逆E字
形の鉄心部を作る。これらE字形および逆E字形の鉄心
部の中央脚を巻枠の内孔に左右から挿入し、これら鉄心
部の中央脚および外脚をそれぞれ突き合わせ、これら突
き合わせ部の外周を溶接して鉄心を形成するようにして
いるので、これら鉄心部の突き合わせ個所に空隙が生じ
ると磁気抵抗が生じ変圧器としての特性が低下するの
で、精度の高い加工が必要となる。また、磁性板あるい
は鉄心部を溶接するための溶接設備が必要でコスト上昇
の要因となっている。
性板および逆E字形の磁性板の中央脚を巻枠の内孔に左
右から交互に挿入して、これら磁性板の中央脚あるいは
外脚がそれぞれ重なるようにし、これら磁性板の背部に
一枚おきに形成された空間にI字形の磁性板を左右から
挿入して、ワニス処理によって固定して鉄心を形成する
ようにしているので、各磁性板はオーバラップによって
結合され高い精度は必要ないが、ワニス処理によって固
定しているので、ワニス処理の作業工数が長い問題があ
る。
程を必要とせず、短時間に鉄心の形成が可能な変圧器の
鉄心構造を提供することにある。
めに、本発明の変圧器は、E字形の磁性体の中央脚を変
圧器巻線の内孔に左右から挿入してE字形の磁性板のそ
れぞれの脚片を突き合わせてなる鉄心を備えた変圧器に
おいて、前記鉄心は、E字形の第1の磁性板およびこの
第1の磁性板に対してそれぞれの脚片が短かい第2の磁
性板とを交互に積み重ねてなる第1の鉄心部と、この第
1の鉄心部を180°回転して得られる第2の鉄心部と
からなり、前記第1および第2の磁性板はそれぞれの基
部の同一位置にこれら第1および第2の磁性板の交互の
積み重ねにより嵌合して固定される第1の嵌合部を有
し、前記第1および第2の鉄心部の第1の磁性板は、そ
れぞれの外脚の先端部に、これら第1および第2の鉄心
部の中央脚を前記巻線の内孔に左右から挿入して、第1
の鉄心部の第1の磁性板と第2の鉄心部の第2の磁性板
および第1の鉄心部の第2の磁性板と第2の鉄心部の第
1の磁性板とのそれぞれの突き合わせにより嵌合して固
定される第2の嵌合部を有することを特徴とする。
第1の磁性板およびこの第1の磁性板に対してそれぞれ
の脚片が短かい第2の磁性板とからなり前記第1および
第2の磁性板はそれぞれの基部の同一位置に打ち抜きに
より形成された第1の嵌合部を有し、前記第1の磁性板
は、その外脚の先端部に打ち抜きにより形成された第2
の嵌合部を有する鉄心部と、内孔を有する変圧器巻線と
を備え、前記第1および第2の磁性板を交互に積み重
ね、この第1の磁性板の第1の嵌合部と第2の磁性板の
第1の嵌合部とを嵌合させて第1の鉄心部および第2の
鉄心部を形成し、これら第1および第2の鉄心部の中央
脚を前記巻線の内孔に左右から挿入し、第1の鉄心部の
第1の磁性板と第2の鉄心部の第2の磁性板および第1
の鉄心部の第2の磁性板と第2の鉄心部の第1の磁性板
とをそれぞれ突き合わせたとき第1の鉄心部の第1の磁
性板の第2の嵌合部と第2の鉄心部の第1の磁性板の第
2の嵌合部とが嵌合することを特徴とする。
性板に対してそれぞれの脚片が短かい第2の磁性板とか
らなり前記第1および第2の磁性板はそれぞれの基部の
同一位置に打ち抜きにより形成された第1の嵌合部を有
し、前記第1の磁性板は、その外脚の先端部に打ち抜き
により形成された第2の嵌合部を有する鉄心部と、内孔
を有する変圧器巻線とを備え、前記第1および第2の磁
性板を交互に積み重ね、この第1の磁性板の第1の嵌合
部と第2の磁性板の第1の嵌合部とを嵌合させて第1の
鉄心部および第2の鉄心部を形成し、これら第1および
第2の鉄心部の中央脚を前記巻線の内孔に左右から挿入
し、第1の鉄心部の第1の磁性板と第2の鉄心部の第2
の磁性板および第1の鉄心部の第2の磁性板と第2の鉄
心部の第1の磁性板とをそれぞれ突き合わせたとき第1
の鉄心部の第1の磁性板の第2の嵌合部と第2の鉄心部
の第1の磁性板の第2の嵌合部とが嵌合する製造方法。
を示し、(a)は斜視図、(b)は(a)の分解斜視
図、(c)は(a)のP部の拡大上面図である。鉄心1
はE字形の鉄心部41と、このE字形の鉄心部41を水
平方向に180°回転して得られる逆E字形の鉄心部4
2とからなり、この鉄心部41は図2に示すように、磁
性板を打ち抜いて複数個のE字形の磁性板41Aと、こ
のE字形の磁性板41Aより中央脚および両外脚の長さ
が短かい複数個の磁性板41Bを作り、これら磁性板4
1Aおよび41Bを交互に積み重ねる。
隅にそれぞれ円形からなる第1の嵌合部43が設けられ
ており、この第1の嵌合部43は磁性板の一方の面に形
成された凹所と、他方の面に形成された凸所とからな
り、磁性板の打ち抜き加工時に一方の面から型を押圧す
ることでこれら凹所と凸所は同時に作られ、これら凹所
と凸所は密に嵌合するようになっている。そして、磁性
板41Aと41Bを交互に積み重ねると、この磁性板4
1Aの第1の嵌合部43の凸所あるいは凹所と、磁性板
41Bの第1の嵌合部43の凹所あるいは凸所とがそれ
ぞれ嵌め合わされて固定され、鉄心部41が形成され
る。鉄心部42は鉄心部41を水平方向に180°回転
したものであり、この場合鉄心部41Aは鉄心部42A
に、鉄心部41Bは鉄心部42Bになる。
の嵌合部44が設けられ、この第2の嵌合部44は、同
様に磁性板の一方の面に形成された凹所と他方の面に形
成された凸所とからなり、磁性板の打ち抜き加工時に一
方の面から型を押圧することでこれら凹所と凸所は同時
に作られ、これら凹所と凸所は密に嵌合するようになっ
ている。そして、鉄心部41および42の中央脚を巻枠
23の内孔に左右から挿入し、鉄心部41の磁性板41
Aと鉄心部42の磁性板42Aと、鉄心部41の磁性板
41Bと鉄心部42の磁性板42Bとをそれぞれ突き合
わせると、この鉄心部41の磁性板41Aの第2の嵌合
部44の凸所あるいは凹所と、鉄心部42の磁性板42
Aの第2の嵌合部44の凹所あるいは凸所とがそれぞれ
嵌め合わされて固定され鉄心1が形成される。なお、鉄
心部41を水平方向に180°回転して鉄心部42を形
成した場合、磁性板41Aおよび42Aの第1の嵌合部
の凸所と凸所、あるいは凹所と凹所とが対面するように
なるので、鉄心部42の磁性板42Aの第2の嵌合部4
4の方向を逆にするか、あるいは鉄心部42を更に垂直
方向に180°回転するとよい。
1あるいは第2の嵌合部43あるいは44を嵌め合わせ
ることによって鉄心1が形成されるので、溶接設備やワ
ニス処理工程を必要とせず、短時間に鉄心の形成が可能
になる。なお、前記第1あるいは第2の嵌合部43ある
いは44はいずれか一方を用いるようにしてもよく、い
ずれか一方を用いたときはそれぞれそれなりの効果があ
る。
打ち抜くとき、同時に第1および第2の嵌合部を設け、
これらを嵌め合わせることで鉄心部あるいは鉄心を形成
するようにしたので、溶接設備やワニス処理工程を必要
とせず、短時間に鉄心部あるいは鉄心が形成されるので
コストが低下する。
(a)は斜視図、(b)は(a)の分解斜視図、(c)
は(a)のP部分の拡大上面図
は斜視図、(b)は(a)の分解斜視図
(a)は鉄心の構造を説明するための斜視図、(b)は
分解断面図
Claims (2)
- 【請求項1】E字形の磁性体の中央脚を変圧器巻線の内
孔に左右から挿入してE字形の磁性板のそれぞれの脚片
を突き合わせてなる鉄心を備えた変圧器において、前記
鉄心は、E字形の第1の磁性板およびこの第1の磁性板
に対してそれぞれの脚片の短かい第2の磁性板とを交互
に積み重ねてなる第1の鉄心部と、この第1の鉄心部を
180°回転して得られる第2の鉄心部とからなり、前
記第1および第2の磁性板はそれぞれの基部の同一位置
にこれら第1および第2の磁性板の交互の積み重ねによ
り嵌合して固定される第1の嵌合部を有し、前記第1お
よび第2の鉄心部の第1の磁性板は、それぞれの外脚の
先端部に、これら第1および第2の鉄心部の中央脚を前
記巻線の内孔に左右から挿入して、第1の鉄心部の第1
の磁性板と第2の鉄心部の第2の磁性板および第1の鉄
心部の第2の磁性板と第2の鉄心部の第1の磁性板との
それぞれの突き合わせにより嵌合して固定される第2の
嵌合部を有することを特徴とする変圧器。 - 【請求項2】E字形の第1の磁性板およびこの第1の磁
性板に対してそれぞれの脚片が短かい第2の磁性板とか
らなり前記第1および第2の磁性板はそれぞれの基部の
同一位置に打ち抜きにより形成された第1の嵌合部を有
し、前記第1の磁性板は、その外脚の先端部に打ち抜き
により形成された第2の嵌合部を有する鉄心部と、内孔
を有する変圧器巻線とを備え、前記第1および第2の磁
性板を交互に積み重ね、この第1の磁性板の第1の嵌合
部と第2の磁性板の第1の嵌合部とを嵌合させて第1の
鉄心部および第2の鉄心部を形成し、これら第1および
第2の鉄心部の中央脚を前記巻線の内孔に左右から挿入
し、第1の鉄心部の第1の磁性板と第2の鉄心部の第2
の磁性板および第1の鉄心部の第2の磁性板と第2の鉄
心部の第1の磁性板とをそれぞれ突き合わせたとき第1
の鉄心部の第1の磁性板の第2の嵌合部と第2の鉄心部
の第1の磁性板の第2の嵌合部とが嵌合することを特徴
とする変圧器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32550393A JP3371498B2 (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 変圧器およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32550393A JP3371498B2 (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 変圧器およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07183135A JPH07183135A (ja) | 1995-07-21 |
JP3371498B2 true JP3371498B2 (ja) | 2003-01-27 |
Family
ID=18177609
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32550393A Expired - Fee Related JP3371498B2 (ja) | 1993-12-24 | 1993-12-24 | 変圧器およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3371498B2 (ja) |
-
1993
- 1993-12-24 JP JP32550393A patent/JP3371498B2/ja not_active Expired - Fee Related
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