JP2751467B2 - 耐熱性フィルム - Google Patents

耐熱性フィルム

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JP2751467B2 JP25618289A JP25618289A JP2751467B2 JP 2751467 B2 JP2751467 B2 JP 2751467B2 JP 25618289 A JP25618289 A JP 25618289A JP 25618289 A JP25618289 A JP 25618289A JP 2751467 B2 JP2751467 B2 JP 2751467B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、耐熱性フィルムに関するものであり、更に
詳しくは、耐熱性の低い樹脂と芳香族ポリアミドがブレ
ンドされた耐熱性フィルムに関するものである。
[従来の技術] ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエーテルイ
ミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフィドスルフ
ォンなどに代表される非晶性フィルムは、優れた光学的
性質、電気的性質、熱的性質から、液晶用透明導電フィ
ルム、プリンターインクリボン、コンデンサー、プリン
ト基板、電気絶縁材料など幅広い用途展開が行なわれて
いる。しかしながら、比較的安価で、かつ湿度特性が良
好なこれら非晶性フィルムの大きな欠点としては、ガラ
ス転移点以上の温度でフィルムが急激に軟化流動してし
まい、市場の要求する高耐熱性材料としては不満が残
る。また機械特性が結晶性のフィルムに較べて悪いこと
も大きな欠点である。
一方、耐熱フィルムとしては芳香族ポリアミド、芳香
族ポリイミドから成るフィルムが知られているが、耐熱
性・機械特性は良好であるが、生産性が悪いためコスト
が高かったり、湿度特性も非晶性フィルムに較べると悪
い。
これら樹脂の欠点を補なう一つの方法として分子複合
の検討も行なわれている。例えば剛直な構造をもつポリ
パラフェニレンテレフタルアミド(芳香族ポリアミド)
とナイロン6を分子複合し高強度のフィルムが得られた
り(J.MACROMOL.,SCI−PHYS.,B17(4)P591〜615(198
0))、または剛直な補強用高分子と屈曲性の骨格を有
するマトリックス分子とから高分子複合体が得られた例
(特公平1−36785)が報告されている。
しかし、例えばポリパラフェニレンテレフタルアミド
とナイロン6の分子複合体フィルムは、ポリパラフェニ
レンテレフタルアミドが有機溶媒に不溶なため、濃硫酸
に溶解させ、多量の水で再沈殿させて高温下で熱圧縮し
てフィルムにするという非常に煩雑な製法が必要なため
工業化しても高価になり、得られるフィルムも伸度の小
さなもろいフィルムしかできない。又、特公平1−3678
5では剛直な補強用高分子としてポリパラフェニレンベ
ンズビスチアドール、ポリパラフェニレンテレフタルア
ミドなどが挙げられているが、これらのポリマも上記同
様、酸性溶媒に溶解して製膜する必要があるため高価と
なり、また、得られるフィルムも伸度が小さい。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、かかる課題を改善し、機械的特性、化学的
特性(主に吸湿特性)、さらに経済性(コスト)に優れ
た耐熱性フィルムを提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 本発明は、50モル%以上の繰り返し単位が または である芳香族ポリアミド(式中、Xはハロゲン基、ニト
ロ基、シアノ基、炭素数5以下のアルキル基の中から選
ばれる1種以上である。K、L、M、N、Pは0〜4の
整数でK+L、もしくはM+N+Pは1以上。Yは−CH
2−、−O−、−S−、−SO2−、 あるいはフェニル基が直接結びついているものの中から
選ばれる一種である。x+yは1であり、yは0.2以上
である。)と、該芳香族ポリアミドを溶解する有機溶媒
に可溶な樹脂Aを重量比で1/99〜90/10の範囲でブレン
ドして得られる樹脂から成るフィルムであって、該フィ
ルムの250℃の熱収縮率が20%以下であり、吸湿率が5
%以下、引張り伸度が10%以上であることを特徴とする
耐熱性フィルムである。
本発明の芳香族ポリアミドは、50モル%以上の繰り返
し単位が または かるなるものである。50モル%未満では、機械特性や耐
熱性が悪化して本発明の目的を達成することが出来な
い。なお該ポリマの構造単位のうち50モル%未満であれ
ば他の共重合成分を含んでもさしつかえない。
本発明において、ベンゼン核にハロゲン基などの置換
基を導入した芳香族ポリアミドは有機溶媒に対する溶解
性が著しく向上し樹脂Aとの相溶性も増し、また で示される芳香族ポリアミドではベンゼン核を結合する
基Yの影響で樹脂Aとの相溶性を増すために、これら2
つの芳香族ポリアミドと樹脂Aとのブレンド原液は長時
間保存してもポットライフは極めて安定であり、得られ
るフィルムも強靭で耐熱性、湿度特性の良好なものとな
る。
本発明以外の芳香族ポリアミド、特にポリパラフェニ
レンテレフタルアミドはあらゆる有機溶媒に不溶である
ことから有機溶媒系からはブレンドフィルムを得ること
ができない。ポリメタフェニレンイソフタルアミドと樹
脂Aのブレンドフィルムは熱収縮率が非常に大きく耐熱
性フィルムとしての実用性に乏しい。このようにベンゼ
ン核無置換の芳香族ポリアミドは本発明の目的を達成し
えないものである。
本発明の芳香族ポリアミドはジイソシアネートとジカ
ルボン酸、あるいはジ酸クロライドとジアミンとの反応
で得られるが、後者の場合、ジ酸クロライドおよびジア
ミン成分としては次のようなものが代表例として挙げら
れる。
ジ酸クロライド成分としては、2−クロロテレフタル
酸クロライド、2,3−ジクロロテレフタル酸クロライ
ド、2,5−ジクロロテレフタル酸クロライド、2,6−ジク
ロロテレフタル酸クロライド、2,3,5−トリクロロテレ
フタル酸クロライド、2−ブロモテレフタル酸クロライ
ド、2,6−ジブロモテレフタル酸クロライド、2−フロ
ロテレフタル酸クロライド、2,6−ジフロロテレフタル
酸クロライド、2−ニトロテレフタル酸クロライド、2,
6−ジニトロテレフタル酸クロライド、2−シアノテレ
フタル酸クロライド、2,6−ジシアノテレフタル酸クロ
ライド、2−メチルテレフタル酸クロライド、2,6−ジ
メチルテレフタル酸クロライド、2−エチルテレフタル
酸クロライド、4−クロロイソフタル酸クロライド、5
−クロロイソフタル酸クロライド、4,6−ジクロロイソ
フタル酸クロライド、4−ブロモイソフタル酸クロライ
ド、4−フロロイソフタル酸クロライド、4−ブロモイ
ソフタル酸クロライド、4−ニトロイソフタル酸クロラ
イド、4−シアノイソフタル酸クロライド、4−メチル
イソフタル酸クロライド及びこれらの混合物が挙げら
れ、好ましくは、2−クロロテレフタル酸クロライド、
2,6−ジクロロテレフタル酸クロライド、2−ブロモテ
レフタル酸クロライド、2−ニトロテレフタル酸クロラ
イド、2−シアノイソフタル酸クロライド、4−クロロ
イソフタル酸クロライド、5−クロロイソフタル酸クロ
ライドなどが挙げられる。
ジアミン成分としては、2−クロロパラフェニレンジ
アミン、2,5−ジクロロパラフェニレンジアミン、2,6−
ジクロロパラフェニレンジアミン、5−クロル−2−メ
チルパラフェニレンジアミン、2−ニトロパラフェニレ
ンジアミン、2,6−ジニトロパラフェニレンジアミン、
2−シアノパラフェニレンジアミン、2,6−ジシアノパ
ラフェニレンジアミン、2−メチルパラフェニレンジア
ミン、2,6−ジメチルパラフェニレンジアミン、2−ブ
ロモパラフェニレンジアミン、4−クロルメタフェニレ
ンジアミン、4,6−ジクロロメタフェニレンジアミン、
4−ブロモメタフェニレンジアミン、4−シアノメタフ
ェニレンジアミン、4−メチルメタフェニレンジアミ
ン、4,6−ジメチルメタフェニレンジアミン、2,4−ジア
ミノメシチレン、4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、4,4′−ジアミノジフェニールメタン、4,4′−ジア
ミノジフェニルスルフォン、4,4′−ジアミノジフェニ
ルスルフィド、4,4′−ジアミノジフェニルケトン、3,
3′−ジアミノジフェニルエーテル、3,3′−ジアミノジ
フェニルスルフォン、3,4′−ジアミノジフェニルエー
テルなどが挙げられるが、特に2−クロロパラフェニレ
ンジアミン、2,6−ジクロルパラフェニレンジアミン、
2−ニトロパラフェニレンジアミン、2−シアノパラフ
ェニレンジアミン、2−ブロモパラフェニレンジアミ
ン、4−クロロメタフェニレンジアミン、4,4′−ジア
ミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニル
メタン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3′
−ジアミノジフェニルスルフォン、3,4′−ジアミノジ
フェニルエーテルが好ましい。
先に述べた共重合成分としては、テレフタル酸クロラ
イド、イソフタル酸クロライド、パラフェニレンジアミ
ン、メタフェニレンジアミンなどが挙げられる。
又本発明で言う有機溶媒とは、後述する樹脂Aおよび
前記芳香族ポリアミドの両者を溶解させるもので、その
代表的なものとしては、N−メチル−2−ピロリドン、
ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホルアミド、
ジメチルホルムアミドなどのアミド系極性溶媒が挙げら
れるが、特にN−メチル−2−ピロリドンおよびN−メ
チル−2−ピロリドンと他のアミド系極性溶媒の混合物
が好ましい。更に、アミド系極性溶媒の他に、樹脂Aに
対して良溶媒、例えばジオキサン、テトラヒドロフラ
ン、塩化メチレン、クロロホルム、1,1,2−トリクロロ
エタン、トリクレン、アセトンなどを樹脂Aと芳香族ポ
リアミドを相溶する範囲内、すなわち全溶媒量の20%以
内、好ましくは15%以内なら含まれてもさし支えない。
本発明の有機溶媒に可溶な樹脂Aとは、上記の溶媒に
溶解するものであれば特に限定されるものではないが、
非晶性樹脂が好ましく、例えばポリカーボネート、ポリ
スルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルア
ミド、ポリスルフィドスルフォン、ポリアリレートなど
が挙げられる。芳香族ポリアミドとの相溶性や経済性の
点からポリカーボネート、ポリスルフォンがより好まし
い。
芳香族ポリアミドと上記樹脂Aのブレンド比は重量比
で1/99〜90/10が必要である。好ましくは2/98〜70/30、
より好ましくは3/97〜50/50である。芳香族ポリアミド
が1%より少ないと耐熱性が悪化し、熱収縮率が大きく
なり、90%を越えると経済的メリットがなくなる。
本発明において得られるフィルムの250℃の熱収縮率
は20%以下が必要である。好ましくは10%以下、より好
ましくは5%以下である。20%より大きくなると、寸法
安定性が悪く、例えば感熱転写用途、フレキシブル回路
基板、コンデンサー用途の分野では実用に耐えない。
フィルムの吸湿率は5%以下が必要である。より好ま
しくは3%以下である。5%より大きいと吸湿による寸
法変化が大きくなり実用に耐えない。
本発明のフィルムは引張り伸度が10%以上必要であ
る。好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上であ
る。10%未満ではフィルムのハンドリング時や加工時に
フィルム破れを起こし実用に耐えない。
本発明のフィルムの厚みは1〜500μmが好ましく、
2〜200μmがより好ましい。さらにフィルム強度は7kg
/mm2以上が好ましく、さらに好ましくは9kg/mm2以上で
ある。ヤング率は180kg/mm2以上が好まししく、さらに
好ましくは200kg/mm2以上である。さらに本フィルムの2
00℃での熱収縮率は10%以下が好ましく、5%以下がよ
り好ましい。300℃の熱収縮率は30%以下が好ましく、2
0%以下がより好ましい。さらに本発明のフィルムのF
−5値は6kg/mm2以上が好ましく、8kg/mm2以上がより好
ましい。また、本フィルムの密度は1.2〜1.5g/cm3が好
ましく、1.2〜1.4g/cm3がより好ましい。
次に、本発明の耐熱フィルム製造方法について説明す
る。
製膜用原液の調製法として芳香族ポリアミドはジアミ
ンとジ酸クロライドを低水分のアミド系極性溶媒中で低
温下(通常50℃以下、好ましくは30℃以下)で1〜2時
間縮重合される。モノマの添加順序は特に限定されるも
のではないが、高重合体を得る点からジアミン溶液中に
ジ酸クロライドを添加するのが良い。重合後発生した塩
酸を無機アルカリあるいは有機系の中和剤で中和する。
あるいは重合終了後のポリマ液を多量の貧溶媒中で再沈
殿させた後、揮発分を蒸発させてアミド系溶媒で塩化カ
ルシウム、塩化リチウムなどの無機塩の存在下、あるい
はアミド系極性溶媒にのみ溶解させてブレンド用原液と
なる。耐熱性フィルムの機械的特性を向上させるために
はポリマの分子量を一定以上にしておく必要があり、こ
の尺度としては固有粘度(ηinh)をもって表わすのが
便利である。すなわち、固有粘度が、好ましくは1.0〜1
0.0、より好ましくは1.5〜7.0である。ブレンドの方法
としては芳香族ポリアミドと樹脂Aのそれぞれのアミド
系極性溶媒の原液を別個に調整し原液同士をブレンドす
る方法、樹脂Aを溶解したアミド系極性溶媒を調製し、
その中で前述した芳香族ポリアミドの重合を行ない、重
合とブレンドを同時に行なう方法などが挙げられるが、
これに限られるものではない。ブレンド原液の固有粘度
は0.1〜8.0、好ましくは0.2〜5.0である。粘度は自由に
選べるが流延性の点から5〜50000ポイズ/30℃が望まし
く、10〜20000ポイズが更に望ましい。ポリマ濃度は1
〜50%が望ましく、5〜30%が更に望ましい。
このように調整されたブレンド原液は以下の方法でフ
ィルムとなされる。
(1) 乾湿式法;ドクターナイフ、口金などによりフ
ィルム状として支持体上に流延され、通常50〜250℃の
範囲、より好ましくは60〜200℃で一定時間乾燥され
る。50℃未満では溶媒の蒸発速度が遅く、250℃を越え
ると溶媒の突沸が起こりフィルムの品質の低下をきた
す。乾燥されたフィルムは支持体より剥離され、水系の
媒体中へ浸漬または媒体を噴霧せられて無機塩および溶
媒が抽出される。水系の媒体とは、水を主成分とする液
体であり、ポリマに対しては貧溶媒であるが、無機塩や
アミド系極性溶媒には親和性のある液体のことである。
例えば、水単独、水と原液を構成しているアミド系極性
溶媒との混合物、水とエチレングリコール、アセトン、
低級アルコールとの混合物が挙げられるが、水の比率と
して少なくとも50%以上が脱塩・脱溶媒速度や溶媒回収
を考慮すると望ましい。また、湿式浴の温度は通常5〜
90℃が適当である。該湿式工程では溶解助剤となる無機
塩とアミド系極性溶媒が抽出される訳であるが、該湿式
工程終了直後のフィルム中で無機塩残存量はポリマ当り
3%以下、より好ましくは1%以下がよい。3%を超え
て残存すると、次工程の熱処理でフィルムの熱分解が起
こり好ましくない。アミド系極性溶媒の残存率は特に規
定されないが溶媒回収を考慮すれば出来るだけ抽出した
方が有利である。該湿式工程中のフィルムは水系媒体で
膨潤した状態にあるため湿式温度範囲での延伸が行いや
すく最終フィルムの機械特性向上のため、一般的に工程
中で1.01〜5.0倍に縦方向に延伸される。湿式工程を終
了したフィルムは、水系媒体の蒸発、アミド系極性溶媒
の蒸発のため熱処理が行われる。この加熱工程は100℃
以上、好ましくは200℃以上、500℃以下である。該加熱
工程で横方向に1.01〜5.0倍延伸される。また必要に応
じてリラックスなども行なわれて何ら問題はない。
(2) 湿式法:乾湿式方における乾式工程がなく口金
から直接水系の媒体中に押し出す方法である。この方法
は多量のアミド系極性溶媒を含むため水系の媒体中で急
激な無機塩やアミド系極性溶媒の置換が行われ最終フィ
ルムにボイドの発生あるいはフィルムの面荒れが起こり
やすくなるために、前述の水系の媒体中に必要に応じて
置換速度を制御するため無機塩、例えば、塩化カルシウ
ム、塩化リチウム、臭化リチウムなどが含有されたり、
水槽を多段にして、水とアミド系極性溶媒・無機塩の混
合物などに濃度勾配を持たせたりする。乾湿式法同様に
本工程で縦方向に1.01〜5倍延伸される湿式工程を終了
したフィルムは乾湿式法と全く同様な熱処理と延伸が行
われる。
(3) 乾式法:この方法は湿式法とは逆に抽出工程を
省いたプロセスであり、ブレンド原液に溶解助剤である
無機塩を含まないものに限って可能となる方法である。
ドクターナイフや口金より支持体上へ流延された原液は
乾湿式法同様に乾燥されて支持体から剥離され、支持体
と熱処理工程の間で縦方向に1.01〜5.0倍延伸される。
乾式工程を終了したフィルムは乾湿式法と同じ熱処理と
延伸が行われる。以上のようにして本発明の耐熱フィル
ムを得ることができる。
かくして得られた本発明の耐熱フィルムは感熱転写用
リボン、プリント基板、コンデンサー、電気絶縁材料用
途などがあるが、特に感熱転写リボン、プリント基板、
コンデンサー用途が望ましい。
[実施例] 次に実施例に基づいて本発明の実施態様を説明する。
なお、実施例中の特性の測定法は以下の通りである。
(1) 固有粘度(ηinh) 下式によりN−メチル−2−ピロリドンを溶媒として
0.5g/100ml、30℃の条件下にウベローデ型粘度計を用い
て測定した。
(2) 溶液粘度(ポイズ) 回転式粘度計を用い、温度30℃での値を示した。
(3) 引張り伸度、引張り強度、ヤング率、F−5値 TRS型引張り試験器で幅10mm、長さ50mm、引張り速度3
00mmの条件で測定した。
(4) 熱収縮率(%) 無荷重で250℃、10分間オーブン中で加熱し下式の計
算式より算出した。
(5) 吸湿率(%) 150℃、60分絶乾後、75%RH中に48時間放置し下記の
計算式により算出した。
なお、以下の実施例で用いた部は全て重量部を表わ
す。
実施例1 11.51部の2−クロルパラフェニレンジアミン(以下C
PAと略す)と2.85部の4,4′−ジアミノジフェニルエー
テル(以下DAEと略す)を仕込み、この中にN−メチル
−2−ピロリドン(以下NMPと略す)250部を加えて溶解
させた。この溶液を10℃に冷却した後22.4部の2−クロ
ルテレフタル酸クロライド(以下CTPCと略す)を加え重
合した、この重合原液を多量の水に投入し、再沈・乾燥
して粉体状のポリマを得た。このポリマ20部をNMP200部
に溶解させ、この中に別に調製しておいたポリカーボネ
ート30部を含むNMP溶液214部を加えてブレンド原液を得
た。固有粘度は1.3であり溶液粘度は600ポイズである。
この製膜用原液を、アプリケータを用いてガラス板上
に均一に流延し、120℃のオーブンで6分間乾燥し自己
保持性を持つゲルフィルムを得た。このゲルフィルムを
流水中に10分間浸漬し、脱塩・脱溶媒してオーブンで1
分間熱処理して最終フィルムを得た。得られたフィルム
の引張り伸度は23%、引張り強度13.5kg/mm2、ヤング率
450kg/mm2、F−5値10.8kg/mm2であり、250℃、10分間
の熱収縮率は0.5%、吸湿率は1.0%と強靭で湿度特性、
耐熱性に優れたフィルムであった。
比較例1 メタフェニレンジアミン(以下mPDAと略す)11.34部
をNMPに溶解させイソフタル酸クロライド(以下IPCと略
す)21.33部を加え実施例1と全く同様の操作で最終フ
ィルムを得た。得られたフィルムの引張り伸度は51%、
引張り強度9.3kg/mm2、ヤング率220kg/mm2、F−5値6.
8kg/mm2であり、250℃、10分間の熱収縮率は28.2%、吸
湿率は5.5%と耐熱性、湿度特性の劣るフィルムであっ
た。
実施例2 4,4′−ジアミノフェニルメタン(以下DAMと略す)1
9.8部を224部のNMPに溶解し10℃に冷却した。この中にC
TPC23.7部を加え重合し、発生した塩酸を炭酸リチウム
を加えて中和した。この中に前もって準備したポリカー
ボネート44.2部を含むNMP溶液350部を混合しブレンド原
液を得た。固有粘度は1.15であり溶液粘度は520ポイズ
である。
この製膜原液をドクターナイフを用いてステンレス板
の上に均一に流延し、150℃のオーブンで5分間乾燥し
自己保持性を持つゲルフィルムを得た。このゲルフィル
ムを流水中で10分間浸漬し、脱塩・脱溶媒してオーブン
で2分間熱処理して最終フィルムを得た。得られたフィ
ルムを引張り伸度は68%、引張り強度14.3kg/mm2、ヤン
グ率310kg/mm2、F−5値9.8kg/mm2であり、250℃、10
分間の熱収縮率は1.0%、吸湿率は2.1%と強靭で湿度特
性、耐熱性に優れたフィルムであった。
実施例3 実施例2と全く同じ方法で芳香族ポリアミド溶液を重
合し、別に調製したポリスルフォン84.5部を含むNMP溶
液を混合しブレンド原液を得た。実施例2と同様にして
最終フィルムを得た。得られたフィルムの引張り伸度は
25%、引張り強度は12.3kg/mm2、ヤング率250kg/mm2
F−5値は7.9kg/mm2であり、250℃、10分間の熱収は1.
1%、吸湿率は1.1%と強靭で湿度特性、耐熱性に優れた
フィルムであった。
実施例4〜6、比較例2〜4 実施例1と同様の方法で芳香族ポリアミドを重合し、
非晶性樹脂と種々の割合でブレンドして得られたフィル
ムの特性を実施例4〜6、比較例2〜4として表1に示
す。表中の略号は以下の通りである。
3,4′−DAE:3,4′−ジアミノジフェニルエーテル 4,4′−DAS:4,4′−ジアミノジフェニルスルフォン PPDA:パラフェニレンジアミン PIPC:4−クロルイソフタル酸クロライド 表−1から明らかなようにベンゼン核に置換基を導入
したフィルムは強靭かつ耐熱性、湿度特性ともに優れて
いるのに比べ、置換基のないフィルムは機械強度、特に
伸度の低いフィルムしか得ることができない [発明の効果] 本発明で規定する特定の芳香族ポリアミドと樹脂Aを
ブレンドすることにより得られるフィルムは以下の特徴
がある。
(1) 樹脂Aをマトリックス樹脂としているにもかか
わらず樹脂Aの軟化流動点以上の温度でも流動せず、高
温での熱収縮率も小さく寸法安定性に優れている。
(2) 樹脂A単体フィルムに比較して機械特性、特に
引張り伸度や引張り強度が優れており、ハンドリング、
加工時の取り扱いが容易となる。
(3) 芳香族ポリアミドの最大の欠点と言われている
湿度特性(特に吸湿性)が改良される。
(4) 比較的安価な樹脂Aがマトリックスとなってい
るためフィルムの製造コストを下げることが可能とな
る。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】50モル%以上の繰り返し単位が または である芳香族ポリアミド(式中、Xはハロゲン基、ニト
    ロ基、シアノ基、炭素数5以下のアルキル基の中から選
    ばれる1種以上である。K、L、M、N、Pは0〜4の
    整数でK+L、もしくはM+N+Pは1以上。Yは−CH
    2−、−O−、−S−、−SO2−、 あるいはフェニル基が直接結びついているものの中から
    選ばれる一種である。x+yは1であり、yは0.2以上
    である。)と、該芳香族ポリアミドを溶解する有機溶媒
    に可溶な樹脂Aを重量比で1/99〜90/10の範囲でブレン
    ドして得られる樹脂から成るフィルムであって、該フィ
    ルムの250℃の熱収縮率が20%以下であり、吸湿率が5
    %以下、引張り伸度が10%以上であることを特徴とする
    耐熱性フィルム。
  2. 【請求項2】有機溶媒が実質的にアミド系極性溶媒であ
    る特許請求の範囲第(1)項記載の耐熱性フィルム。
  3. 【請求項3】有機溶媒に可溶な樹脂Aが非晶性樹脂であ
    る特許請求の範囲第(1)項又は第(2)項記載の耐熱
    性フィルム。
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