JP2750338B2 - アンカーフレーム - Google Patents
アンカーフレームInfo
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建造物の柱脚等の固定
に使用するアンカーボルトを保持するアンカ−フレ−ム
に関するものである。 【0002】 【従来の技術】建造物等の柱脚を基礎構造物に固定する
方法としては、埋込式、根巻式及びアンカーボルト式が
あるが、基礎床面の利用空間が広くとれること及び施工
性が良好なことから、アンカーボルトによるものが多く
実施されている。 【0003】アンカーボルト式は、基礎構造物のコンク
リートにアンカーボルトを埋込むもので、一般には、図
10に示すように、捨コン23上へ鋼製フレーム24を組んで
固定し、この鋼製フレーム24にアンカーボルト15を取付
けてコンクリートを打設してアンカーボルト15の埋設を
行っている。この方式のものは、アンカーボルト15の固
定が強固にできるという利点はあるが、鋼製フレーム24
は工場等で溶接製作して現場に搬入するため、レッカー
等の重機が必要になるとともに、鋼製フレーム24が大き
いため、基礎構造物の配筋の障害となるばかりでなく、
溶接で取付固定方式のため位置修正が困難で、施工性が
悪いという欠点がある。 【0004】そこで、上記のような鋼製フレームを使用
しないで、アンカーボルト自身でフレームを組む方式の
ものが提案されてきた(実開昭60−58645 号公報参
照)。このアンカーは図11に示すように、アンカーボル
ト15の下端部を基礎地盤に据付けた定着板25に固定させ
ると共に、上端部を添プレート14によって固定すること
により、従来のような大型な鋼製フレームを使用するこ
となく、堅牢に組立てできるようにしたものである。 【0005】 【発明が解決しようとする問題点】しかし、上記改良方
式のものは、アンカーボルトの高さ方向の調整代が小さ
いため、厚さの異なる各種基礎構造物に適用させるに
は、アンカーボルトの長さを100mm ピッチの違いで各種
揃えておく必要があり、コスト高を招き、製作、在庫に
も労力を要することになる。また、長尺のアンカーボル
トを使用するときは、重いため施工性が低下する。さら
に、隅柱に対応するときは、下部の座金付ナットのはめ
込みが困難である、という欠点がある。 【0006】本発明は、上記従来方式の改善を図ろうと
するもので、比較的高価格であるアンカーボルトの長さ
別の種類を削減し、小種大量生産とすることにより大巾
なコストダウンができると共に、在庫管理が容易に、し
かも、アンカーボルトの長さを従来のものより短くする
ことにより、重量の軽減を図り、施工性を向上させ、さ
らに隅柱に対しても施工を容易にすることができるアン
カ−フレ−ムを提供しようとするものである。 【0007】 【問題点を解決するための手段】本発明アンカ−フレ−
ムの構成を実施例に対応する図1〜図9を参照して説明
すると、請求項1のアンカーフレームは、アングル材に
より方形枠状に形成され、その各隅部内に、固定用ボル
トが内方に向け突設されている、コンクリートまたは地
盤にステコンアンカー5を介して固着されるベース2
と、アングル材により形成され、その下端部における稜
部に、上記固定用ボルト3を受け入れるボルト挿通孔8
が設けられているとともに、その上部には、アンカーボ
ルト15を固定するための固定手段13を備え、上記ベース
2の各隅部内側に、それぞれ、稜部をベース2の内方に
向けて直立され、上記固定用ボルト3に螺合するナット
4により固定される、4本の竪杆7とからなることを特
徴とするものである。 【0008】また、請求項2のアンカーフレームは、ア
ングル材により方形枠状に形成され、その各隅部近傍
に、ボルト挿通孔20が設けられている、コンクリートま
たは地盤にステコンアンカー5を介して固着されるベー
ス2と、アングル材により形成され、その下端部の側面
に、上記ボルト挿通孔に対応するボルト挿通孔に対応す
るボルト挿通孔21が設けられているとともに、その上部
には、アンカーボルト15を固定するための固定手段13を
備え、上記ベース2の各隅部に、それぞれ、下端部の両
側面を当接して直立され、ボルトとナットにより固定さ
れる、4本の竪杆7,7とからなることを特徴とするも
のである。 【0009】 【作用】アングル材からなるベース2は枠状となってお
り、地盤に対して横移動や上下移動を防ぐステコンアン
カー5を使用して固定されるアングル材からなる竪杆7
は、ベ−ス2に対しほぼ垂直に立設されるが、両者はボ
ルト・ナットの使用により簡単かつ強固に結合される。
そして、竪杆7は、アンカ−ボルト15を竪杆7の上部に
おいて固定することにより堅牢に自立する。これは、配
筋施工時や、コンクリ−ト打設時などに、アンカ−ボル
トが横方向力等を受けると、竪杆7自身の脚部には軸力
や曲げモ−メントが作用することになるが、これらの力
の反力として竪杆7に対し直角に固定されたベ−ス2
が、その応力を負担することになる。また、アングル材
からなるベ−ス2が枠状として形成され、これがステコ
ンアンカ−5により地盤に固着されていることで、アン
カ−フレ−ム全体がより堅牢な状況になる。また、竪杆
7とアンカ−ボルト15が偏芯して固定された場合、竪杆
7の脚部にはアンカ−ボルト15自身の重量で曲げモ−メ
ントが発生するが、ベ−ス2はこの曲げ応力に対しても
負担できるため、竪杆7が堅牢に自立する。 【0010】 【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1〜図6において、1は請求項1に係る
本発明によるアンカーフレームで、ベース2と複数本の
竪杆7,7と固定手段13とにより構成されている。ベー
ス2は、アングル材により方形枠状に形成されており、
その四隅にはそれぞれ内方に向けて固定用ボルト3,3
が溶接により突設され、ナット4が螺合されるようにな
っていると共に、ベース2の各辺のアングル材には、地
盤(ステコン)23に埋設されたステコンアンカー5(図
5参照)に挿通する取付孔6,6が設けられている。 【0011】竪杆7は、アングル材により上下に長く形
成され、その下端部における稜部には、前記固定用ボル
ト3の挿通孔8(図3参照)が設けられ、この挿通孔8
をベ−ス2の固定用ボルト3に嵌入した後、ナット4の
締付けによりベ−ス2に対して立設固定されるようにな
っている。それにより、これら各竪杆7,7は互いに所
定間隔をおいて独立して立設されることになる。また、
竪杆7の上部には、アングル材の内側方向に折曲して直
立した半受部9に、L形材10を対向するよう固着して、
それら半受部9とL形材10との間にアンカ−ボルト15を
受け入れるための挿通孔11を形成するとともに、L形材
10の稜部には押ボルト12を進退自在に螺合し、これが後
述するアンカーボルトの固定手段13となっている。な
お、ベースおよび竪枠7を構成するアングル材は、規格
品に限らず板材をL字形に屈曲したものでもよい。 【0012】次に、上記アンカ−フレ−ム1の使用方法
について、図5、図6を参照しながら説明する。14は複
数本のアンカ−ボルト15をその上部において結合、垂設
するテンプレートで、方形状に形成されており、その四
隅部を含む周辺部には、ほぼ等間隔で複数の取付孔(図
示を略す)が設けられている。また、アンカーボルト15
は上端部及び下端部に外ネジ16,17が設けられ、上端部
の外ネジ16は比較的長く形成されている。この各アンカ
ーボルト15は、その上端部外ネジ16をテンプレート14の
孔に挿通して、テンプレート16の上下両面から螺合した
ナット18,18で挟んで取付けられると共に、アンカーボ
ルト15の下端部の外ネジ17にもナット19が螺着される。 【0013】そして、前記のようにテンプレート14に垂
設されたアンカーボルト15の群は、その中で前記竪杆
7,7とそれぞれ対応位置にあるところの、テンプレー
ト14の四隅部に位置するアンカーボルト15,15を、その
下端部からアンカ−フレ−ム1の竪杆7,7固定手段13
の挿通孔11,11に挿通し、適宜な高さにおいて押ボルト
12,12を締め付けて固定するのである。 【0014】図7〜図9は請求項2に係る本発明の他の
実施例を示したもので、竪杆7にアングル材を使用する
ことは前記実施例と同じであるが、ベース2の四隅部に
は固着したボルト3に代わってボルト挿通孔20,20が設
けられていると共に、竪杆7の下端部にもこれと対応し
てボルト挿通孔21,21が設けられており、竪杆7は、図
示のようにベース2の隅部に添接され、取付用ボルト・
ナット(図示を略す)によって固定するようになってい
る。また、竪杆7の上部のアンカーボルト固定手段13
は、竪杆7の上端部にアングル材等によるブラケット22
を固設し、これにアングル材を互いに両端部で固着して
アンカーボルト15の挿通孔11を形成し、一方のアングル
材に押しボルト12を螺合した構成としたものである。 【0015】本発明のアンカ−フレ−ムは上述のように
構成されており、施工にあたっては、まず、地盤にステ
コンアンカー5,5を埋設し、それにベース2を取付孔
6,6を介して嵌め合せる。次いで、ベース2の四隅部
に竪杆7,7の下端部を添接して固定、立設する。そし
て、別に用意したテンプレート14にアンカーボルト15,
15を垂設して、その中の隅部にある4本を各竪杆7,7
のアンカーボルト固定手段13の挿通孔11に挿入して固定
すると共に、テンプレート14を下げ振り(図示を略す)
を利用して所定の位置に合わせた後、ステコンアンカー
5,5にナットを締め込んでベ−ス2を固定する。 【0016】この場合、アンカーボルト15,15の高さ
は、アンカーボルト15の固定手段13への挿入深さによっ
て調節することができ、その範囲は、アンカーフレーム
1の高さからアンカーフレーム1の高さにアンカーボル
ト15の高さを加えた高さ付近まで広範に行うことができ
る。なお、上記実施例では、いずれも竪杆7に対して各
1本のアンカ−ボルト15が固定されるべく固定手段13が
設けられているが、1本の竪杆7に対して2本以上のア
ンカ−ボルト15が固定できるようにすることも可能であ
る。 【0017】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のアンカー
フレ−ムは、アングル材を枠状に形成したベ−スに、複
数本のアングル材からなる竪杆が所定の間隔をおいて各
独立して立設されるとともに、各竪杆の上部にアンカ−
ボルトの固定手段が独立して設けられたものであるか
ら、次のように多くの優れた効果を奏するものである。 【0018】(1)各竪杆を立設状態に支持するベ−ス
は枠状に形成されているので、これが実質的に面として
機能することになり、配筋施工時やコンクリ−ト打設時
などにおいて竪杆7に作用する外力の分担が行われ、ア
ンカ−フレ−ム全体が強固なものとなる。また、アンカ
−ボルトとテンプレ−トを含めて組み立てたものを地盤
に固着した状態では、フレ−ム全体の剛性が高まり堅牢
なものとなる。 【0019】(2)アンカ−フレ−ムは、枠状のベ−ス
に複数の竪杆が間隔をおいて立設されたものであり、ア
ンカ−ボルトはそれら各竪杆に固定されるので、配筋作
業が円滑、容易に行える。 【0020】(3)請求項1のアンカーフレームは、枠
状のベースの四隅内側に突設させた各1個の固定用ボル
トにそれぞれ竪杆を通してナットの締め付けで固定する
ので、ベースへの竪杆の取付けによるアンカーフレーム
の組立てが簡単、容易であるとともに強固に行える。ま
た、請求項2のアンカーフレームは、各竪杆が、ベ−ス
の隅部に面接された状態でボルトとナットにより固定さ
れるので、フレームの剛性がより高くなるとともに、ア
ンカーフレームの組立も簡単、容易である。 【0021】(4) アンカ−ボルトはアンカ−フレ−
ムに対し、適宜長さの竪杆とその上部の固定手段によ
り、所望の高さに固定することができるので、アンカー
ボルトの長さの種類を著しく少なくでき、小種大量生産
が可能となって、大巾なコストダウンができると共に、
在庫管理も容易となる。しかも、アンカーボルトは竪杆
上部にある固定手段で固定されているので、従来のアン
カ−ボルトに比して短尺のものを使用できるので、重量
が軽減され施工性が向上できる。また、アンカーフレー
ムは、運搬が便利で搬入のための重機も不要となり、か
つ、隅柱に対しても好適である等、多くの利点を有する
ものである。
に使用するアンカーボルトを保持するアンカ−フレ−ム
に関するものである。 【0002】 【従来の技術】建造物等の柱脚を基礎構造物に固定する
方法としては、埋込式、根巻式及びアンカーボルト式が
あるが、基礎床面の利用空間が広くとれること及び施工
性が良好なことから、アンカーボルトによるものが多く
実施されている。 【0003】アンカーボルト式は、基礎構造物のコンク
リートにアンカーボルトを埋込むもので、一般には、図
10に示すように、捨コン23上へ鋼製フレーム24を組んで
固定し、この鋼製フレーム24にアンカーボルト15を取付
けてコンクリートを打設してアンカーボルト15の埋設を
行っている。この方式のものは、アンカーボルト15の固
定が強固にできるという利点はあるが、鋼製フレーム24
は工場等で溶接製作して現場に搬入するため、レッカー
等の重機が必要になるとともに、鋼製フレーム24が大き
いため、基礎構造物の配筋の障害となるばかりでなく、
溶接で取付固定方式のため位置修正が困難で、施工性が
悪いという欠点がある。 【0004】そこで、上記のような鋼製フレームを使用
しないで、アンカーボルト自身でフレームを組む方式の
ものが提案されてきた(実開昭60−58645 号公報参
照)。このアンカーは図11に示すように、アンカーボル
ト15の下端部を基礎地盤に据付けた定着板25に固定させ
ると共に、上端部を添プレート14によって固定すること
により、従来のような大型な鋼製フレームを使用するこ
となく、堅牢に組立てできるようにしたものである。 【0005】 【発明が解決しようとする問題点】しかし、上記改良方
式のものは、アンカーボルトの高さ方向の調整代が小さ
いため、厚さの異なる各種基礎構造物に適用させるに
は、アンカーボルトの長さを100mm ピッチの違いで各種
揃えておく必要があり、コスト高を招き、製作、在庫に
も労力を要することになる。また、長尺のアンカーボル
トを使用するときは、重いため施工性が低下する。さら
に、隅柱に対応するときは、下部の座金付ナットのはめ
込みが困難である、という欠点がある。 【0006】本発明は、上記従来方式の改善を図ろうと
するもので、比較的高価格であるアンカーボルトの長さ
別の種類を削減し、小種大量生産とすることにより大巾
なコストダウンができると共に、在庫管理が容易に、し
かも、アンカーボルトの長さを従来のものより短くする
ことにより、重量の軽減を図り、施工性を向上させ、さ
らに隅柱に対しても施工を容易にすることができるアン
カ−フレ−ムを提供しようとするものである。 【0007】 【問題点を解決するための手段】本発明アンカ−フレ−
ムの構成を実施例に対応する図1〜図9を参照して説明
すると、請求項1のアンカーフレームは、アングル材に
より方形枠状に形成され、その各隅部内に、固定用ボル
トが内方に向け突設されている、コンクリートまたは地
盤にステコンアンカー5を介して固着されるベース2
と、アングル材により形成され、その下端部における稜
部に、上記固定用ボルト3を受け入れるボルト挿通孔8
が設けられているとともに、その上部には、アンカーボ
ルト15を固定するための固定手段13を備え、上記ベース
2の各隅部内側に、それぞれ、稜部をベース2の内方に
向けて直立され、上記固定用ボルト3に螺合するナット
4により固定される、4本の竪杆7とからなることを特
徴とするものである。 【0008】また、請求項2のアンカーフレームは、ア
ングル材により方形枠状に形成され、その各隅部近傍
に、ボルト挿通孔20が設けられている、コンクリートま
たは地盤にステコンアンカー5を介して固着されるベー
ス2と、アングル材により形成され、その下端部の側面
に、上記ボルト挿通孔に対応するボルト挿通孔に対応す
るボルト挿通孔21が設けられているとともに、その上部
には、アンカーボルト15を固定するための固定手段13を
備え、上記ベース2の各隅部に、それぞれ、下端部の両
側面を当接して直立され、ボルトとナットにより固定さ
れる、4本の竪杆7,7とからなることを特徴とするも
のである。 【0009】 【作用】アングル材からなるベース2は枠状となってお
り、地盤に対して横移動や上下移動を防ぐステコンアン
カー5を使用して固定されるアングル材からなる竪杆7
は、ベ−ス2に対しほぼ垂直に立設されるが、両者はボ
ルト・ナットの使用により簡単かつ強固に結合される。
そして、竪杆7は、アンカ−ボルト15を竪杆7の上部に
おいて固定することにより堅牢に自立する。これは、配
筋施工時や、コンクリ−ト打設時などに、アンカ−ボル
トが横方向力等を受けると、竪杆7自身の脚部には軸力
や曲げモ−メントが作用することになるが、これらの力
の反力として竪杆7に対し直角に固定されたベ−ス2
が、その応力を負担することになる。また、アングル材
からなるベ−ス2が枠状として形成され、これがステコ
ンアンカ−5により地盤に固着されていることで、アン
カ−フレ−ム全体がより堅牢な状況になる。また、竪杆
7とアンカ−ボルト15が偏芯して固定された場合、竪杆
7の脚部にはアンカ−ボルト15自身の重量で曲げモ−メ
ントが発生するが、ベ−ス2はこの曲げ応力に対しても
負担できるため、竪杆7が堅牢に自立する。 【0010】 【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1〜図6において、1は請求項1に係る
本発明によるアンカーフレームで、ベース2と複数本の
竪杆7,7と固定手段13とにより構成されている。ベー
ス2は、アングル材により方形枠状に形成されており、
その四隅にはそれぞれ内方に向けて固定用ボルト3,3
が溶接により突設され、ナット4が螺合されるようにな
っていると共に、ベース2の各辺のアングル材には、地
盤(ステコン)23に埋設されたステコンアンカー5(図
5参照)に挿通する取付孔6,6が設けられている。 【0011】竪杆7は、アングル材により上下に長く形
成され、その下端部における稜部には、前記固定用ボル
ト3の挿通孔8(図3参照)が設けられ、この挿通孔8
をベ−ス2の固定用ボルト3に嵌入した後、ナット4の
締付けによりベ−ス2に対して立設固定されるようにな
っている。それにより、これら各竪杆7,7は互いに所
定間隔をおいて独立して立設されることになる。また、
竪杆7の上部には、アングル材の内側方向に折曲して直
立した半受部9に、L形材10を対向するよう固着して、
それら半受部9とL形材10との間にアンカ−ボルト15を
受け入れるための挿通孔11を形成するとともに、L形材
10の稜部には押ボルト12を進退自在に螺合し、これが後
述するアンカーボルトの固定手段13となっている。な
お、ベースおよび竪枠7を構成するアングル材は、規格
品に限らず板材をL字形に屈曲したものでもよい。 【0012】次に、上記アンカ−フレ−ム1の使用方法
について、図5、図6を参照しながら説明する。14は複
数本のアンカ−ボルト15をその上部において結合、垂設
するテンプレートで、方形状に形成されており、その四
隅部を含む周辺部には、ほぼ等間隔で複数の取付孔(図
示を略す)が設けられている。また、アンカーボルト15
は上端部及び下端部に外ネジ16,17が設けられ、上端部
の外ネジ16は比較的長く形成されている。この各アンカ
ーボルト15は、その上端部外ネジ16をテンプレート14の
孔に挿通して、テンプレート16の上下両面から螺合した
ナット18,18で挟んで取付けられると共に、アンカーボ
ルト15の下端部の外ネジ17にもナット19が螺着される。 【0013】そして、前記のようにテンプレート14に垂
設されたアンカーボルト15の群は、その中で前記竪杆
7,7とそれぞれ対応位置にあるところの、テンプレー
ト14の四隅部に位置するアンカーボルト15,15を、その
下端部からアンカ−フレ−ム1の竪杆7,7固定手段13
の挿通孔11,11に挿通し、適宜な高さにおいて押ボルト
12,12を締め付けて固定するのである。 【0014】図7〜図9は請求項2に係る本発明の他の
実施例を示したもので、竪杆7にアングル材を使用する
ことは前記実施例と同じであるが、ベース2の四隅部に
は固着したボルト3に代わってボルト挿通孔20,20が設
けられていると共に、竪杆7の下端部にもこれと対応し
てボルト挿通孔21,21が設けられており、竪杆7は、図
示のようにベース2の隅部に添接され、取付用ボルト・
ナット(図示を略す)によって固定するようになってい
る。また、竪杆7の上部のアンカーボルト固定手段13
は、竪杆7の上端部にアングル材等によるブラケット22
を固設し、これにアングル材を互いに両端部で固着して
アンカーボルト15の挿通孔11を形成し、一方のアングル
材に押しボルト12を螺合した構成としたものである。 【0015】本発明のアンカ−フレ−ムは上述のように
構成されており、施工にあたっては、まず、地盤にステ
コンアンカー5,5を埋設し、それにベース2を取付孔
6,6を介して嵌め合せる。次いで、ベース2の四隅部
に竪杆7,7の下端部を添接して固定、立設する。そし
て、別に用意したテンプレート14にアンカーボルト15,
15を垂設して、その中の隅部にある4本を各竪杆7,7
のアンカーボルト固定手段13の挿通孔11に挿入して固定
すると共に、テンプレート14を下げ振り(図示を略す)
を利用して所定の位置に合わせた後、ステコンアンカー
5,5にナットを締め込んでベ−ス2を固定する。 【0016】この場合、アンカーボルト15,15の高さ
は、アンカーボルト15の固定手段13への挿入深さによっ
て調節することができ、その範囲は、アンカーフレーム
1の高さからアンカーフレーム1の高さにアンカーボル
ト15の高さを加えた高さ付近まで広範に行うことができ
る。なお、上記実施例では、いずれも竪杆7に対して各
1本のアンカ−ボルト15が固定されるべく固定手段13が
設けられているが、1本の竪杆7に対して2本以上のア
ンカ−ボルト15が固定できるようにすることも可能であ
る。 【0017】 【発明の効果】以上説明したように、本発明のアンカー
フレ−ムは、アングル材を枠状に形成したベ−スに、複
数本のアングル材からなる竪杆が所定の間隔をおいて各
独立して立設されるとともに、各竪杆の上部にアンカ−
ボルトの固定手段が独立して設けられたものであるか
ら、次のように多くの優れた効果を奏するものである。 【0018】(1)各竪杆を立設状態に支持するベ−ス
は枠状に形成されているので、これが実質的に面として
機能することになり、配筋施工時やコンクリ−ト打設時
などにおいて竪杆7に作用する外力の分担が行われ、ア
ンカ−フレ−ム全体が強固なものとなる。また、アンカ
−ボルトとテンプレ−トを含めて組み立てたものを地盤
に固着した状態では、フレ−ム全体の剛性が高まり堅牢
なものとなる。 【0019】(2)アンカ−フレ−ムは、枠状のベ−ス
に複数の竪杆が間隔をおいて立設されたものであり、ア
ンカ−ボルトはそれら各竪杆に固定されるので、配筋作
業が円滑、容易に行える。 【0020】(3)請求項1のアンカーフレームは、枠
状のベースの四隅内側に突設させた各1個の固定用ボル
トにそれぞれ竪杆を通してナットの締め付けで固定する
ので、ベースへの竪杆の取付けによるアンカーフレーム
の組立てが簡単、容易であるとともに強固に行える。ま
た、請求項2のアンカーフレームは、各竪杆が、ベ−ス
の隅部に面接された状態でボルトとナットにより固定さ
れるので、フレームの剛性がより高くなるとともに、ア
ンカーフレームの組立も簡単、容易である。 【0021】(4) アンカ−ボルトはアンカ−フレ−
ムに対し、適宜長さの竪杆とその上部の固定手段によ
り、所望の高さに固定することができるので、アンカー
ボルトの長さの種類を著しく少なくでき、小種大量生産
が可能となって、大巾なコストダウンができると共に、
在庫管理も容易となる。しかも、アンカーボルトは竪杆
上部にある固定手段で固定されているので、従来のアン
カ−ボルトに比して短尺のものを使用できるので、重量
が軽減され施工性が向上できる。また、アンカーフレー
ムは、運搬が便利で搬入のための重機も不要となり、か
つ、隅柱に対しても好適である等、多くの利点を有する
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明アンカ−フレ−ムの一実施例を示す正面
図である。 【図2】同アンカーフレームにおいて使用するベ−スの
正面図である。 【図3】ベースと竪杆との固定状態を示す拡大平断面図
である。 【図4】アンカーボルトの固定手段の部分を示す拡大平
断面図である。 【図5】本発明アンカ−フレ−ムの使用状態を説明する
正面図である。 【図6】アンカーボルトの配置とその固定状態を説明す
る平断面図である。 【図7】本発明の他の実施例及びその使用状態を示す要
部正面図である。 【図8】同ベースと竪杆との取付状態を示す平断面図で
ある。 【図9】同アンカーボルトの配置及び固定状態を示す平
断面図である。 【図10】従来装置を示す正面図である。 【図11】他の従来装置を示す斜視図である。 【符号の説明】 1 アンカーフレーム 2 ベース 3 固定用ボルト 4 ナット 5 ステコンアンカー 7 竪杆 8 ボルト挿通孔 11 挿通孔 12 押ボルト 13 アンカーボルト固定手段 14 テンプレート 15 アンカーボルト 16,17 外ネジ 20, 21 ボルト挿通孔
図である。 【図2】同アンカーフレームにおいて使用するベ−スの
正面図である。 【図3】ベースと竪杆との固定状態を示す拡大平断面図
である。 【図4】アンカーボルトの固定手段の部分を示す拡大平
断面図である。 【図5】本発明アンカ−フレ−ムの使用状態を説明する
正面図である。 【図6】アンカーボルトの配置とその固定状態を説明す
る平断面図である。 【図7】本発明の他の実施例及びその使用状態を示す要
部正面図である。 【図8】同ベースと竪杆との取付状態を示す平断面図で
ある。 【図9】同アンカーボルトの配置及び固定状態を示す平
断面図である。 【図10】従来装置を示す正面図である。 【図11】他の従来装置を示す斜視図である。 【符号の説明】 1 アンカーフレーム 2 ベース 3 固定用ボルト 4 ナット 5 ステコンアンカー 7 竪杆 8 ボルト挿通孔 11 挿通孔 12 押ボルト 13 アンカーボルト固定手段 14 テンプレート 15 アンカーボルト 16,17 外ネジ 20, 21 ボルト挿通孔
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.アングル材により方形枠状に形成され、その各隅部
内に、固定用ボルトが内方に向け突設されている、コン
クリートまたは地盤にステコンアンカーを介して固着さ
れるベースと、アングル材により形成され、その下端部
における稜部に、上記固定用ボルトを受け入れるボルト
挿通孔が設けられているとともに、その上部には、アン
カーボルトを固定するための固定手段を備え、上記ベー
スの各隅部内側に、それぞれ、稜部をベースの内方に向
けて直立され、上記固定用ボルトに螺合するナットによ
り固定される、4本の竪杆とからなる、アンカーフレー
ム。 2.アングル材により方形枠状に形成され、その各隅部
近傍に、ボルト挿通孔が設けられている、コンクリート
または地盤にステコンアンカーを介して固着されるベー
スと、アングル材により形成され、その下端部の側面
に、上記ボルト挿通孔に対応するボルト挿通孔が設けら
れているとともに、その上部には、アンカーボルトを固
定するための固定手段を備え、上記ベースの各隅部に、
それぞれ、下端部の両側面を当接して直立され、ボルト
とナットにより固定される、4本の竪杆とからなる、ア
ンカーフレーム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35310396A JP2750338B2 (ja) | 1996-12-13 | 1996-12-13 | アンカーフレーム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35310396A JP2750338B2 (ja) | 1996-12-13 | 1996-12-13 | アンカーフレーム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09217357A JPH09217357A (ja) | 1997-08-19 |
JP2750338B2 true JP2750338B2 (ja) | 1998-05-13 |
Family
ID=18428594
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35310396A Expired - Fee Related JP2750338B2 (ja) | 1996-12-13 | 1996-12-13 | アンカーフレーム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2750338B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20190203459A1 (en) * | 2016-06-21 | 2019-07-04 | Nexus Eco Holdings Ltd | Anchors |
CN106499177A (zh) * | 2016-12-09 | 2017-03-15 | 绍兴明煌建材科技有限公司 | 一种柱梁与柱梁交接处的木模加固件及其施工方法 |
CN107288349B (zh) * | 2017-08-09 | 2019-05-07 | 赤峰市天山农牧业机械有限责任公司 | 固定喷灌机中心架的水泥砼块 |
-
1996
- 1996-12-13 JP JP35310396A patent/JP2750338B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09217357A (ja) | 1997-08-19 |
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