JP2749183B2 - 間接式油圧エレベータの制御装置 - Google Patents

間接式油圧エレベータの制御装置

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JP2749183B2 JP2144313A JP14431390A JP2749183B2 JP 2749183 B2 JP2749183 B2 JP 2749183B2 JP 2144313 A JP2144313 A JP 2144313A JP 14431390 A JP14431390 A JP 14431390A JP 2749183 B2 JP2749183 B2 JP 2749183B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は間接式油圧エレベータの制御装置に係り、特
に、着床速度切替え点をプランジヤ速度を用いて決定す
ることで、良好な減速,停止性能とした油圧エレベータ
制御装置に関する。
〔従来の技術〕
従来の油圧エレベータの制御装置では、走行性能を向
上させる手段として、特開昭61−124484号に記載のよう
に、エレベータを走行させ、乗りかごの速度検出などの
結果に基づいて次の走行を制御するという方法がとられ
ていた。
〔発明が解決しようとする課題〕 上記従来技術では、エレベータの試運転調整による走
行に関する基本性能の確保、およびきめの細かい部分の
性能向上に、時間がかかるという問題があつた。また、
乗客が乗りかごを加振する悪戯によつて乗りかごが振動
して正確な速度検出ができないため、十分な減速,停止
の性能が得られないという問題があつた。
本発明の目的は、乗客が乗りかごを加振する悪戯を行
つても性能を損うことなく、常に良好な減速,停止性能
とすることのできる間接式油圧エレベータ制御装置を提
供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明においては、シリ
ンダ・プランジヤ機構のプランジヤの上下移動で乗りか
ごを上昇下降駆動し、乗りかごの速度を演算して流量制
御弁を制御して、シリンダに圧入する作動油の油量を制
御して乗りかごの速度制御を行う間接式油圧エレベータ
制御装置において、制御演算部での速度の演算にプラン
ジヤ速度の検出値を用いるようにしたことを特徴とす
る。
〔作用〕
プランジヤ速度は、乗客が乗りかごを加振する悪戯を
しても振動することがないため、正確な速度を検出する
ことができる。そのため、正確に着床速度に入る決定を
することができ、性能を損うことなく正常に減速,停止
することができる。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を図を用いて説明する。
第1図は、本発明による油圧エレベータの一実施例の
システム全体を示したもので、次のように構成される。
演算処理回路、各種インターフエース回路からなる制
御演算部15、およびパルス幅制御回路PWU1,PWU2,PWD1,P
WD2などを備えた油圧エレベータ制御装置1、上昇運転
時の油圧源となるポンプPとタンクTK、シリンダ2とプ
ランジヤ3からなる油圧ジヤツキ、プランジヤ3の先端
部に固着したプーリ9、一端が固着され、プーリ9を介
して乗りかごCに端部に他端が固着された主索10、上昇
運転時に逆止弁CHVを介して作動油をシリンダ2に送り
込むために制御される上昇用流量制御弁UV、この上昇用
流量制御弁UVの開閉頻度を制御するパイロツト弁PU1とP
U2、このパイロツト弁PU1,PU2をパルス状に開閉するた
めのパルス幅制御回路PWU1とPWU2、ポンプPからの廃油
の圧力が所定値以上になつたとき開路し廃油をタンクTK
に戻すためのリリーフ弁RV、下降運転時にシリンダ2か
ら作動油をタンクTKに戻すために制御される下降用流量
制御弁DV、この下降用流量制御弁DVの開閉頻度を制御す
るパイロツト弁PD1,PD2、このパイロツト弁PD1,PD2をパ
ルス状に開閉するためのパルス幅制御回路PWD1,PWD2,プ
ランジヤ3の速度を検出するロータリエンコーダ11など
から構成されている。
次に、このような構成を備えた油圧エレベータ制御装
置の動作について述べる。第2図は、第1図実施例の上
昇運転時の速度カーブとパイロツト弁PU1,PU2,PD1,PD2
の開閉状態及びポンプPの起動状態を示す動作状態図、
第3図は、第2図中の特に本発明の要点となる部分の動
作状態説明図である。
まず、乗りかごを上昇加速させるために、パイロツト
弁PD1を閉路、PD2を開路したままとして、シリンダ2内
の作動油がタンクTKに戻らないようにした状態で、ポン
プPを起動し、タンクTKの油を油路に送り込む。その
後、パイロツト弁PU2を閉路し、時刻t0点よりパイロツ
ト弁PU1をあるパルス幅で開閉する。これにより、上昇
用流量制御弁UVは、パイロツト弁PU1の開閉で、作動油
の流入により開路状態から閉路状態に移行していく。
この過渡期において、逆止弁CHVのブリード圧に達
し、その後、作動油は逆止弁CHVを押し開けてシリンダ
2に流れ込み、プランジヤ3を押し上げる。
パイロツト弁PU1のパルス幅を一定にして開閉を続け
ると上昇用流量制御弁UVは、一定の速度で移動するため
乗りかごは一定の加速度で加速していく。
その後、乗かご速度が所定の値Vhに達したとき(t
1点)に、パイロツト弁PU1を閉状態とすると上昇用流量
制御弁UVは、その位置に停止し、シリンダ2への作動油
の流量は一定となり、乗りかごCは一定速度で上昇を続
ける。
その後、減速開始点(t2)に達したとき、パイロツト
弁PU1は閉状態のままで、パイロツト弁PU2を所定のパル
ス幅で開閉を行う。これにより、上昇用流量制御弁UVか
ら作動油が流出しタンクTKに戻る。このことは、上昇用
流量制御弁UVが閉路の状態から開路の状態へ移動するこ
とであり、ポンプPから送り込まれる作動油のうち、上
昇用流量制御弁UVを通してタンクTKに戻る量が増え、シ
リンダ2への流量が減少する。これにより、乗りかごは
減速する。この場合も加速時と同様に、パイロツト弁PU
2のパルス幅を一定にして開閉すると減速度も一定とな
る。
その後、着床速度Vlに達したとき(t3点)に、パイロ
ツト弁PU2を閉状態とすると上昇用流量制御弁UVの流量
は一定となり、乗りかごCの速度は一定となる。すなわ
ち、着床速度Vlで走行する。
そして、所定の位置に達したとき(t4点)に、パイロ
ツト弁PU2を再度所定のパルス幅で開閉することによ
り、乗りかごを一定減速度で停止(t5点)させる。その
後、ポンプPを止めて、これにより一連の上昇運転が終
了する。
以上、上昇運転について説明したが、下降運転は、下
降用流量制御弁DV,パイロツト弁PD1,PD2を同様に制御す
ることで実現する。
上記のような運転の際に、着床速度Vlにするのに、滑
らかで、かつ速度変動が少なく、正確で安定しているこ
とが性能上、好ましい。本発明は、この着床速度Vlが、
乗客が乗りかごを加振しても、滑らかで速度変動が少な
く、正確で安定にするところにある。
これを実現するために、ロータリエンコーダ11でプラ
ンジヤ速度Vpを検出して制御演算部15に入力する。制御
演算部15では、プランジヤ速度Vpと、予め設定された所
定速度Vdとの大小を比較し、Vd<Vpの領域では、パイロ
ツト弁PU2のパルス幅が一定(β)に開閉するように
制御することで減速度を一定に保ち、Vd≧Vpになつたと
ころから、パイロツト弁PU2のパルス幅を第3図PU2−1
のβのように徐々に閉路するように制御し、急激な減
速度の変化を避け、乗心地良くなるように作動させ、速
度差ΔV(=Va−Vl)を次第に小さくして着床速度Vl
滑らかに移行させる。
また、乗客が乗りかごCを加振しても、乗りかご速度
に対応するプランジヤ速度Vp1,Vp2は、第3図のよう
に、ほとんど振動しないため、着床速度Vlにするための
切替え点の検出動作を、プランジヤ速度Vpと所定速度Vd
を比較することで、正確で安定に行うことができる。す
なわち、所定速度Vdに達するプランジヤ速度Vpの検出点
がほとんど違わないため、パイロツト弁PU2のパルス幅
を徐々に閉路する制御開始点(β′,β″の開始
点)はほとんど変らない。したがつて、着床速度Vlが一
定で、かつ着床速度Vlで走行する時間はt4−t3=一定と
なり、速度変動が少なく、正確で安定に作動するように
なり、時刻t4からの停止動作も安定で着床位置の狂いも
なく、優れた性能の油圧エレベータを提供することがで
きる。
第4図は、乗客が乗りかごを加振したときの、乗りか
ごとプランジヤとの振動速度を、振動角周波数ω(=ra
d/s)を横軸にとつて比較したもので、ω≒6rad/sのと
ころで、プランジヤの振動速度は乗りかごの振動速度の
約1/10である。乗りかごCの振動速度は、主索10と乗り
かごCとのバネ・質量系の共振振動現象によつて大きく
なる。
第5図は、着床速度Vlにするための切替え動作を行う
速度検出を、従来方法の乗りかご速度で行つたときの走
行特性図を示す。乗りかごCを乗客が加振しないとき
は、実線曲線のように、着床速度Vlに切替え動作を行う
速度Vdで、乗りかご速度はV0であり、パイロツト弁PU2
は、そのパルス幅が、徐々に閉路するように制御され、
急激な減速度の変化を避け、乗心地良くなるように作動
する。
しかし、乗客が乗りかごCを加振すると、乗りかごC
の速度V0は点線又は一点鎖線のように振動する。この振
動成分を含めた速度Vdをもつて着床速度Vlにするための
切替え動作を行うと、乗りかごCの平均的な速度はv2
はv1点であるため、パイロツト弁PU2は第5図PU2−2,PU
2−3のようにそれぞれの点からパルス幅を徐々に開路
するように制御開始され、速度差ΔV=Vd−Vlを小さく
していく。したがつて、乗りかごCの平均速度がv1点か
らの時は着床速度Vlは一点鎖線のように高くなり、停止
時の位置が大きく行き過ぎる。また、乗りかごCの平均
速度がv2点からの時は、着床速度Vlは点線のように低く
なつて、停止時の位置が行き足りなどの問題が発生する
場合がある。これは、着床速度Vlに切替える動作を行う
速度検出を乗りかごCで行うためであり、前述した本発
明のプランジヤ速度を検出して行うことにより解決でき
る。
第6図は、本発明の他の応用例を示したもので、2対
4ローピングの間接式油圧エレベータである。このよう
な、2対4ローピングの間接式油圧エレベータにおいて
も、同様の効果が得られる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、着床速度Vlにするための切替え動作
を行う速度検出を、プランジヤ速度で行う構成としたこ
とから、乗りかごCが乗客により加振されることがあつ
ても、性能を損うことなく、常に滑らかに、しかも正確
に減速,停止することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の全体構成図、第2図は第1
図の動作状態説明図、第3図は第2図中の本発明の要点
となる部分の動作状態説明図、第4図は乗りかごを加振
した時の乗りかごとプランジヤの振動速度を比較して示
す図、第5図は従来方式の制御動作説明図、第6図は本
発明の他の応用例を示す図である。 1……油圧エレベータ制御装置、2……シリンダ、3…
…プランジヤ、10……主索、11……ロータリエンコー
ダ、UV,DV……流量制御弁、PU1,PU2,PD1,PD2……パイロ
ツト弁、CHV……逆止弁、P……ポンプ、TK……タン
ク、Vp……プランジヤ速度、Vl……着床速度。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 軒田 昭浩 東京都千代田区神田錦町1丁目6番地 日立エレベータサービス株式会社内 (72)発明者 中村 清 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 稲葉 博美 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 坂井 吉男 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日 立製作所水戸工場内 (72)発明者 佐野 勤 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日 立製作所水戸工場内 (72)発明者 佐々木 英一 茨城県勝田市市毛1070番地 株式会社日 立製作所水戸工場内 (56)参考文献 特開 平4−41377(JP,A) 特開 平3−3873(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリンダ・プランジヤ機構のプランジヤの
    上下移動で乗りかご上昇下降駆動し、乗りかごの速度を
    演算して流量制御弁を制御して、シリンダに圧入する作
    動油の油量を制御して乗りかごの速度制御を行う間接式
    油圧エレベータの制御装置において、制御演算部での速
    度の演算にプランジヤ速度の検出値を用いて上記乗かご
    の速度制御を行うことを特徴とする間接式油圧エレベー
    タの制御装置。
  2. 【請求項2】上記請求項第1項において、流量制御弁は
    制御演算部からの信号でパイロツト弁を介して制御され
    ることを特徴とする間接式油圧エレベータの制御装置。
  3. 【請求項3】上記請求項第1項において、制御演算部は
    プランジヤ速度Vpが所定速度Vdと等しいかそれ以下とな
    つた時点で着床速度に移行する流量制御弁の制御信号を
    出すことを特徴とする間接式油圧エレベータの制御装
    置。
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