JP2748023B2 - スクリーン印刷装置及びスクリーン印刷方法 - Google Patents

スクリーン印刷装置及びスクリーン印刷方法

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JP2748023B2
JP2748023B2 JP12076889A JP12076889A JP2748023B2 JP 2748023 B2 JP2748023 B2 JP 2748023B2 JP 12076889 A JP12076889 A JP 12076889A JP 12076889 A JP12076889 A JP 12076889A JP 2748023 B2 JP2748023 B2 JP 2748023B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,被印刷物であるプリント配線基板等にスク
リーン印刷を行なうための印刷装置及び印刷方法に関す
る。
〔従来技術〕
従来,スクリーン印刷装置は,第8〜11図に示すごと
く,被印刷物9の上方に配置するスクリーン8と,該ス
クリーン8の上方に設けたスクイージ81とドクターナイ
フ82と,該スクイージ81とドクターナイフ82とを昇降さ
せる昇降装置83とよりなるものが知られている。
上記スクリーン8は,被印刷物9である,例えばプリ
ント配線用基板上にパターンの印刷をするに当り,乳剤
等により予め所定のパターン回路を形成したものを用い
る。そして,該スクリーン8は,枠体7に一定のテンシ
ョンを有して張架されている。
しかして,上記印刷装置は,上記スクリーン8上にイ
ンク6をコートするためのドクターナイフ82と,該スク
リーン8上にコートされたインク61を上記被印刷物9に
印刷するためのスクイージ81と,該スクイージ81とドク
ターナイフ82とを昇降可能に取付けた昇降装置83とを有
する。
また,上記昇降装置83には,上方側において上下動す
るエアーシリンダ831,832が配設されており,該エアー
シリンダ832は上記ドクターナイフ82に連結され,また
該エアーシリンダ831は上記スクイージ81にそれぞれ連
結さている。
しかして,印刷に当たっては,第8図に示すごとく,
昇降装置83をE方向に進めながら,まずスクリーン8上
にインク6を,ドクターナイフ81によりコートする。こ
の時,上記スクイージ81は,上記エアーシリンダ831に
より引き上げられて,スクリーン8の上方に位置してい
る。
次いで,第9図及び第10図に示すごとく,スクリーン
8の下面に被印刷物9を配置し,スクイージ81をスクリ
ーン8上に下降させる。そして矢印F方向に進みなが
ら,該スクイージ81によりインク6を被印刷物9上に転
写する。
そして,被印刷物9への印刷が終了した後は,第11図
に示すごとく,上記スクイージ82はエアーシリンダ832
により上方へ引き上げられる。そして,再び第8図に示
すごとく,ドクターナイフ82はエアーシリンダ832によ
り下方へ押し下げられて,インク6をコートできる状態
となる。
つまり,スクリーン印刷は被印刷物9を自動的に取り
変えながら,第8図〜第11図に示す動作を繰り返して行
われる。
〔解決しようとする課題〕
しかしながら,上記従来のスクリーン印刷装置には,
次の問題点がある。
即ち,上記スクリーン印刷装置においては,第9図及
び第10図に示すごとく,スクイージ82の前方には印刷に
必要な量以上の余分のインク6が存在する。そのため,
該スクイージ81が前方に移動するには多大の抵抗を伴
う。そのため,かかる抵抗に起因し,被印刷物9への印
刷ムラが生ずる。
また,スクイージ81の前方にインク6が多量に存在す
ると,被印刷物9へインク6が転写される際に,該イン
ク6中にエアーを巻き込み易くなる。そのため,被印刷
物9上に転写したインク6中にはエアバブリング(泡)
が発生し易くなり,印刷ムラの原因となる。また,この
印刷ムラの発生は,インク6がスクイージ81の前方にお
いて,回転(ローリング)現象を生ずることに起因する
ものと考えられる。
また,スクイージ81の前方にインク6が多量に存在す
ると,スクイージ81の移動中に常時スクリーン8のテン
ションが変動し,印刷条件が変動する原因ともなる。そ
のため,上記被印刷物9へのインク6の転写量も不均一
となる。
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもの
で,被印刷物における印刷膜厚の均一化及び印刷膜厚の
増大を可能とする,スクリーン印刷装置及びスクリーン
印刷方法を提供しようとするものである。
〔課題の解決手段〕
第1の発明は,被印刷物の上方に配置するスクリーン
と,該スクリーンの上方に設けたスクイージとドクター
ナイフと,該スクイージとドクターナイフとを昇降させ
る昇降装置とよりなるスクリーン印刷装置において,上
記スクイージとドクターナイフの間には,スクリーン上
にコートしたインクのうち余分のインクを取り除くため
のスコッパーを昇降可能に上記昇降装置に配設したこと
を特徴とするスクリーン印刷装置にある。
第1の発明において,最も注目すべきことは,上記ス
クイージとドクターナイフとの間に,スクリーン上にコ
ートしたインクのうち余分のインクを取り除くためのス
コッパーを昇降可能に配設したことにある。
上記スコッパーとしては,例えばアルミニウム製の薄
板からなり,その先端部が略くの字状の折り曲げられた
形状を有する。そして,該スコッパーは,上記昇降装置
に昇降可能に取り付けられる。
また,上記ドクターナイフは,上記スコッパーと同様
に,例えばアルミニウム製の薄板からなり,その先端部
が略くの字状に折り曲げられた形状を有する。そして,
該ドクターナイフも上記昇降装置に昇降可能に取り付け
られている。さらに,該ドクターナイフと上記スコッパ
ーとは,該ドクターナイフによって上記スクリーン上に
インクをコートした後において,余分のインクを上方に
取り除くに当り,該ドクターナイフ又はスクイージのい
ずれかが一方の近傍へ幅寄せできるよう構成する。
また,上記被印刷物としては,例えばプリント配線用
基板,半導体用基板,精密加工用印刷プレート等があ
る。また,上記スクイージは,本体とその先端部に取り
付けたゴム製のインク転写部(スクイージゴム弾性体)
とよりなる(第1図参照)。
第2の発明は,スクリーン上にドクターナイフにより
インクをコートし,その後スクイージにより該インクを
スクリーンの下に配置した被印刷物に印刷するスクリー
ン印刷方法において,上記ドクターナイフとスクイージ
との間にスコッパーを設け,上記ドクターナイフにより
インクをコートした後,残っている余分のインクを上記
ドクターナイフとスコッパーとにより除去し,その後ス
クイージにより印刷を行なうことを特徴とするスクリー
ン印刷方法にある。
第2の発明において,上記スクイージは,例えば印圧
が20〜80kg/mmで,速度0.05〜0.30m/minで移動する。
また上記ドクターナイフは,例えば押し込み量が1〜
3mmで,速度0.10〜0,40m/minで移動する。
また,上記被印刷物は,上記スクイージによりインク
転写が終了した度毎に自動的に搬送され,取り変えられ
る構成とする。
〔作用〕
第1の発明,及び第2の発明ともにまず該ドクターナ
イフによりスクリーン上へインクをコートする。次に,
スコッパーがスクリーン上へ下降する。そして,ドクタ
ーナイフがスコッパー側へ幅寄せされる。次いで,該ド
クターナイフとスコッパーとは,余分のインクを挟持し
たまま上昇する。これにより,スクリーン上の余分のイ
ンクは取り除かれる。
次に,スクイージがスクリーン上へ下降する。次い
で,該スクイージにより,スクリーン上へコートしたイ
ンクを被印刷物上へ転写する。このとき,該スクイージ
の前方には余分のインクは存在しない。そのため,スク
イージによりインクを被印刷物に転写印刷するに当り,
インクの回転(ローリング)現象が生じないため,イン
ク中へのエアーの巻き込みがなく,インク量が変動する
こともない。
また,印刷が終了した後には,スクイージは再び上昇
する。そして,次回印刷のため,ドクターナイフが再び
下降し,スクリーン上へのインクのコートが開始され
る。なお,上記作動は繰り返して行われる。
〔効果〕
しかして,本発明の印刷装置においては,スクイージ
による印刷の際には,スクイージの移動抵抗が低減す
る。そのため,スクイージによる被印刷物へのインク転
写量にムラを生ずることがない。
したがって,本発明によれば,被印刷物への印刷の膜
厚の均一化及び膜厚の増大を可能とする,スクリーン印
刷装置を提供することができる。
また,第2の発明にかかるスクリーン印刷方法によれ
ば,被印刷物への印刷の膜厚の均一化及び膜厚の増大
を,容易に実現することができる。
また,第2の発明によれば,従来法よりもスクイージ
の移動速度及びドクターナイフの移動速度を速くするこ
とができる。
〔実施例〕
本発明の実施にかかるスクリーン印刷装置及びスクリ
ーン印刷方法につき,第1図〜第7図を用いて説明す
る。
即ち,本例のスクリーン印刷装置は,第1図に示すご
とく,被印刷物9の上方に配置するスクイージ8と,該
スクリーン8の上方に設けたスクイージ3とドクターナ
イフ2と,該スクイージ3とドクターナイフ2とを昇降
させる昇降装置5とよりなる。また,上記スクイージ3
とドクターナイフ2との間には,スクリーン8上にコー
トしたインクのうち余分のインクを取り除くための,ス
コッパー1を昇降可能に,上記昇降装置5に配設する。
上記スコッパー1はアルミニウム製の板厚が2mmの板
状体により構成する。そして,該スコッパー1は,先端
部において略くの字状に折り曲げられたインク掻き取り
部10を有する。また,該スコッパー1は,上端部11にお
いて,上記昇降装置5に昇降可能に取り付けられたエア
ーシリンダ41に連結する。
一方,上記ドクターナイフ2は,上記スコッパー1と
同様に,アルミニウム製の薄板により構成し,また先端
部において略くの字状に折り曲げられたインクコート部
20を有する。また,ドクターナイフ2は,上端部21にお
いて,上記昇降装置5に昇降可能に取り付けたエアーシ
リンダ42に連結する。
また,該エアーシリンダ42は,余分のインク6を取り
除くに当り,第4図に示すごとく,上記スコッパー1の
H方向へ幅寄せ可能に,上記昇降装置5に配設する。
上記スクイージ3は,第1図に示すごとく,先端部に
おいて,ゴム製のインク転写部30を有する。該ゴムは,
硬度が約70度で,厚さが9mm,高さが50mmの大きさを有す
る。
また,上記スクイージ3は,上端部31において上記昇
降装置5に昇降可能に取りつけたエアーシリンダ43に連
結する。
また,上記スクリーン8は,テトロン製の布からな
り,該布は約150メッシュの網目を有する。また,該ス
クリーン8は,スクリーン枠体7にノーマル張りで一定
のテンションを有する状態で張架する。なお,上記枠体
7は,外形寸法が約800mm×700mmである。
また,上記スクリーン8は,表面に乳剤がコートされ
ており,また該表面には所定模様のパターン回路模様が
形成されている。
次に,本例のスクリーン印刷装置の作用効果につき説
明する。
まずスクリーン印刷装置を使用するに当たっては,第
2図に示すごとく,ドクターナイフ2により,スクリー
ン8上にインク6を,G方向へ移動しながらコートする。
次に,インク6のコートが終了した時点で,第3図に
示すごとく,上記スコッパー1が,油圧シリンダ41によ
りスクリーン8上へ下降する。そして,第4図に示すご
とく,上記ドクターナイフ2がスコッパー1側幅寄せさ
れる(H方向)。次いで,該ドクターナイフ2とスコッ
パー1とにより、第5図に示すごとく,余分のインクを
挟持したまま上昇する。これにより,スクリーン8上の
余分のインクは取り除かれる。
次に,印刷のために,第6図に示すごとく,上記スク
イージ3はスクリーン8上へ下降する。次いで,該スク
イージ3がK方向へ移動しながら,スクリーン8上のイ
ンク6を被印刷物9上へ転写印刷する。このとき,該ス
クイージ3の前方には余分のインクが存在しない。よっ
て,被印刷物9上へ転写されるインク量は部分的に変動
することがない。
また,上記印刷が終了した後は,第7図に示すごと
く,スクイージ3は再び上昇する。そして,次回印刷の
ため,ドクターナイフ2が再び下降してスクリーン8上
へのインク6のコートが開始される。なお,上記作動は
繰り返して行われる。
一方,本例のスクリーン印刷方法においては,ドクタ
ーナイフ2の速度は0.35m/分であった。また,スクイー
ジ3の速度は,0.25m/分であった。
このとき,スクイージ3の前方には余分のインクが存
在しない。そのため,スクイージ3によりインク6を被
印刷物9に転写印刷するに当り,インク6の回転(ロー
リング)現象が生じないため,該インク6の中にエアー
が巻き込まれることがない。よって,被印刷物9上への
エアーの押し出しがなくなり,むらのない均一なインク
6の転写が可能となる。そのため,プリント配線基板の
パターン間へのインク6の充填性が向上する。これは,
一般にいわゆる「キワ入り」といわれる状態である。
また,「キワ入り」のよい印刷条件範囲が拡大される
ため,より膜厚の高い条件設定が可能となる。従って,
本例によれば,第1表に示すごとく,プリント配線用基
板においてパターン回路の印刷膜厚の均一化及び膜厚の
増大を容易に実現することができる。そのため,プリン
ト配線用基板の印刷回路部における耐熱性及び耐湿性が
向上する。
しかも,印刷バラツキは,10%以内に低減することが
できた。そして,印刷の作業性及び生産性が向上する。
第1表より知られるごとく,本例によれば,印刷速度
の限界は従来法に比較して約1.7倍に向上した。また,
このときのインクコートの速度も1.4倍と向上した。そ
して,被印刷物における印刷回路部の膜厚さも1.3倍以
上と向上したことが分かる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第7図は本発明の実施例にかかるスクリーン印
刷装置及びスクリーン印刷方法を示し,第1図はその側
面図,第2図〜第7図はその作動説明図,第8図〜第11
図は従来のスクリーン印刷方法の説明図である。 1……スコッパー,2……ドクターナイフ,3……スクイー
ジ,5……昇降装置,6……インク,8……スクリーン,9……
被印刷物,
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−107839(JP,A) 特開 昭61−168997(JP,A) 実開 昭62−33438(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被印刷物の上方に配置するスクリーンと,
    該スクリーンの上方に設けたスクイージとドクターナイ
    フと,該スクイージとドクターナイフとを昇降させる昇
    降装置とよりなるスクリーン印刷装置において,上記ス
    クイージとドクターナイフの間には,スクリーン上にコ
    ートしたインクのうち余分のインクを取り除くためのス
    コッパーを昇降可能に上記昇降装置に配設したことを特
    徴とするスクリーン印刷装置。
  2. 【請求項2】スクリーン上にドクターナイフによりイン
    クをコートし,その後スクイージにより該インクをスク
    リーンの下に配置した被印刷物に印刷するスクリーン印
    刷方法において,上記ドクターナイフとスクイージとの
    間にスコッパーを設け,上記ドクターナイフによりイン
    クをコートした後,残っている余分のインクを上記ドク
    ターナイフとスコッパーとにより除去し,その後スクイ
    ージにより印刷を行なうことを特徴とするスクリーン印
    刷方法。
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