JP2745063B2 - 細径配管の曲げ加工装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、一般に自動車或いは各種の機械、装置等に
給油、給気、もしくは燃料等の供給路として配設される
管径20m/m程度以下の比較的細径で厚肉からなり、特に
形状の異なる多品種の配管の曲げ加工装置に関するもの
である。

（従来の技術） ディーゼルエンジンの燃料噴射管等に使用する配管は
高圧に耐え得るように厚肉の鋼管材が使用され、相手部
材に接続のための接続頭部を有し、且つ接続用の締付け
ナットが嵌装されている。そしてエンジンルームの比較
的狭い場所において燃料噴射装置に対応して三次元の複
雑な曲げ形状を有して配設される。これら配管は端末か
ら短い距離に曲げ部を有しナットが遊嵌しているので、
管の一部を挾持し固定曲型と回動押圧型との間に管を供
給し管の移動に同調して回動押圧型を所定角度範囲内で
回動させることにより順次曲げ加工する一般の自動パイ
プベンダーでは曲げ加工が円滑に行えないという問題が
ある。

そのため従来この種の配管の曲げ加工装置としては第
５図に示すように、基盤（21）上に曲げ形状に対応する
曲げ型（22）及び掛止壁（23）等を固定し、曲げ型の軸
芯を支軸として旋回し押圧型（24）を取付けたレバー
（25）を着脱自在に具備してなる単位曲げ治具（20）を
曲げ加工工程に応じて必要数準備し各工程毎に被加工部
材を基盤上にセットして手動にてレバーを回動し順次曲
げ加工を行うようにしていた。

（発明が解決しようとする課題） しかしながら、このような従来の技術においては、単
位曲げ治具を概して大型且つ重量体とするため、各工程
毎或いは曲げ形状の異る配管を曲げ加工するに際し、そ
の都度セット換えに多くの時間を必要となし、且つ人力
での曲げ加工に多大の労力を必要となして生産性の低下
を余儀なくされていた。

本発明は従来技術の有する前記問題に鑑みてなされた
ものであり、各工程毎或いは曲げ形状の異なる配管の曲
げ加工に際してもその都度のセット換えを簡易且つ迅速
に行うことができ更に操作上の煩わしさをなくして著し
く生産性を向上せしめた細径配管の曲げ加工装置を提案
することを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 本発明は上記目的を達成するため、架台の下方に取付
けた支持板の下面にロータリ・アクチュエータ装置を配
置し、且つ該ロータリ・アクチュエータの回転主軸部に
水平方向に突設する回動アームに連ってその先端附近
に、水平方向への移動調整可能に起立した支持体を、上
方の前記架台側に設けた欠円状からなる弯曲孔部を貫通
して該支持体の頂部に押圧ロールを取付け、更に架台の
上部に、一端附近に取付け位置決め孔を設けると共に、
その他端附近にロータリ・アクチュエータの回転主軸の
軸芯延長線上に位置して中心軸孔を穿設して上部に型ロ
ールを配置し、所定位置に曲げ加工時の配管のセット位
置決め用の掛止壁並びに曲げ角度設定用のストッパ壁を
設けた板状シグ部材を、前記位置決め孔部と中心軸孔部
をもってピン着及びボルト締めして着脱自在に重合せし
めて構成した細径配管の曲げ加工装置を要旨とするもの
である。

（作 用） 本発明はこのように構成されているため、ロータリ・
アクチュエータの回転による型ロールの周りでの押圧ロ
ールの回動によって曲げ加工を行うと共に、型ロールに
対して予め水平方向への遠近移動調整して固定してなる
押圧ロールによって所望の回動半径を得ると共に、各工
程の曲げ部の形状に応じたセット位置決め用の掛止壁と
ストッパー壁を配設したシグ部材を架台上に単にピン着
及びボルト締めによる取り付け、取り外しだけによって
セット換えを簡易且つ迅速に行うことができ、操作上の
煩わしさをなくして生産性を向上することができるので
ある。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明すれば、
第１図は本発明の細径配管の曲げ加工装置の一部切欠き
平面図、第２図は第１図Ａ−Ａ線の縦断面図、第３図は
本発明の曲げ加工時の状態を示す説明図、第４図は他の
シグ部材の使用による第２曲げ加工時の状態を示す説明
図であって、（１）はその四隅を支持脚（図示せず）に
よって固定された架台であり、その下方に間隔を保持し
て取付けた支持板（２）の下面にロータリ・アクチュエ
ータ（Ａ）を配置し、且つ前記間隔部にあって該ロータ
リ・アクチュエータの回転主軸（３）部に水平方向に突
設する回動アーム（５）に連ってその先端附近に、水平
方向への移動調整可能に起立した支持体（４′）を前記
架台（１）側に設けた回転主軸（３）の軸芯延長線を中
心とする欠円状からなる弯曲孔（１′）を貫通して該支
持体の頂部に押圧ロール（４）をボルト等により取付け
て構成してある。（６）は板状シグ部材であり、その一
端附近に取付け位置決め孔（７）を設けると共に、その
他端附近にロータリ・アクチュエータ（Ａ）の回転主軸
（３）の軸芯延長線上に位置して中心軸孔（８）を穿設
し前記位置決め孔（７）部をもって架台（１）の上面の
位置決めピン（７′）にピン着すると共に、前記中心軸
孔（８）と同軸上でシグ部材（６）の上部には型ロール
（９）を配置してボルト（８′）等によりシグ部材
（６）と共に締着してなるものである。そして、曲げ形
状の異なる曲げ加工のセット換え時にあってそれぞれ前
記型ロール（９）を含むシグ部材（６）側を着脱自在と
するものであって、前記押圧ロール（４）が該型ロール
の周りに回動するように構成されている。尚シグ部材
（６）は予め曲げ形状の曲げ工程に応じてその複数を製
作し備えておくものであり、同一の架台にセット換えし
て使用する場合いずれも前記位置決め孔（７）と中心軸
孔（８）との間の距離をすべて一定となして構成される
ものである。（10）及び（11）はシグ部材（６）の上面
に設けた曲げ加工に際しての配管（Ｐ）へのセット位置
決め用の掛支壁並びに曲げ角度設定用のストッパ壁であ
る。

第３図は第１工程の曲げ加工時の状態を示す説明図で
あり、掛止壁（10）は型ロール（９）の近傍で曲げ部手
前に配管（Ｐ）の接続端部のセット位置決めと曲げ時の
反力受けとして設けてある。

第４図は他のシグ部材（６）の使用による第２工程の
曲げ加工時の状態を示す説明図であり、掛止壁は管の先
端部の位置決め用（10′）及び中間で管に当接する受け
部材（10″）及び曲げ部手前の反力受け用（10）とし
て複数ケ所設けてある。このようなシグ部材の使用によ
り前工程の曲げ形状の適否を確認でき曲げ加工の誤り或
いは異品の混入等を防止することができる。尚実線によ
る矢印は押圧ロール（４）による型ロール（９）の周り
での回動を示すものである。

曲げ加工に際しては上記した曲げ加工装置を曲げ工程
に応じて複数台配置し工程毎に順次曲げ加工を施す。そ
して異なる形状の配管の曲げ加工に際しては、荷台上の
シグ部材のみを交換して曲げ加工を施すことができる。
シグ部材は従来の単位曲げ治具と比較して小型で軽量で
あり取換え操作は容易且つ迅速に行うことができる。

（発明の効果） 以上説明したように本発明による細径配管の曲げ加工
装置は、特に架台（１）上に嵌合状に位置決め孔（７）
をもってピン（７′）着支持してなる上部に型ロール
（９）を取付けた前記シグ部材（６）を着脱自在に重合
しボルト（８′）締めして構成するため、位置決め孔
（７）部と中心軸孔（８）部との間の距離をすべて一定
とする各曲げ形状に対応する前記シグ部材（６）の複数
を予め製作して備えておくことにより、曲げ形状の異な
る配管の曲げ加工の際その都度のセット換え時に所望す
る部位に掛支壁（10）並びにストッパ壁（11）を備えた
小型で軽量のシグ部材（６）の取り換えだけによって行
うこととなり、従ってこれら取り換え操作を簡易且つ迅
速に行うことができ、更にロータリ・アクチュエータ
（Ａ）の回転による型ロール（９）の周りでの押圧ロー
ル（４）の回動により曲げ加工を行うのに関連して、該
型ロールに対する水平方向への遠近調整して固定してな
る前記押圧ロール（４）側によって、管径の異なる配管
（Ｐ）への適用範囲を拡大し、同時に所望の回動半径を
もって管端部から短い距離での曲げ加工をも行うことが
でき、更に前工程の曲げ形状の適否を次工程の掛支壁
（10）によって直ちに確認でき、また必要に応じて曲げ
加工装置を複数台配置することにより曲げ加工の工程順
位につれて順次１人の作業者によって行うこともできる
こととなる。従って著しく生産性を向上せしめることと
なり、更に簡素な機構によって装置全体を小形、軽量体
となして取扱いを容易とすることができる等、極めて有
用な細径配管の曲げ加工装置である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す細径配管の曲げ加工装
置の一部切欠き平面図、第２図は第１図Ａ−Ａ線の縦断
面図、第３図は本発明の曲げ加工時の状態を示す説明
図、第４図は他のシグ部材の使用による第２曲げ加工時
の状態を示す説明図、第５図は従来例の縦断面図であ
る。 （１）……架台、（１′）……弯曲孔、（２）……支持
板、（３）……回転主軸、（４）……押圧ロール、
（４′）……支持体、（５）……回動アーム、（６）…
…シグ部材、（７）……位置決め孔、（７′）……位置
決めピン、（８）……中心軸孔、（９）……型ロール、
（10）……掛支壁、（11）……ストッパ型、（Ｍ）……
ロータリ・アクチュエータ、（Ｐ）……配管

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】架台（１）の下方に取付けた支持板（２）
   の下面にロータリ・アクチュエータ（Ａ）を配置し、且
   つ該ロータリ・アクチュエータの回転主軸（３）部に水
   平方向に突設する回動アーム（５）に連ってその先端附
   近に、水平方向への移動調整可能に起立した支持体
   （４′）を、上方の前記架台（１）側に設けた欠円状か
   らなる弯曲孔（１′）部を貫通して該支持体の頂部に押
   圧ロール（４）を取付け、更に架台（１）の上部に、一
   端附近に取付け位置決め孔（７）を設けると共に、その
   他端附近にロータリ・アクチュエータ（Ａ）の回転主軸
   （３）の軸芯延長線上に位置して中心軸孔（８）を穿設
   して上部に型ロール（９）を配置し、所定位置に曲げ加
   工時の配管（Ｐ）のセット位置決め用の掛止壁（10）並
   びに曲げ角度設定用のストッパ壁（11）を設けた板状シ
   グ部材（６）を、前記位置決め孔（７）部と中心軸孔
   （８）部をもってピン（７′）着及びボルト（８′）締
   めして着脱自在に重合せしめて構成したことを特徴とす
   る細径配管の曲げ加工装置。